2012年12月31日月曜日

2012年のおわりに: 脱原発の〈思想〉と〈行動〉が試された年

2012年のおわりに: 脱原発の〈思想〉と〈行動〉が試された年


 今年のはじめ、「2012年のはじめに: 脱原発の〈思想〉と〈行動〉が試される年」という文章を書いた。
 一年を振り返って思うのは、やはり今年は「脱原発の〈思想〉と〈行動〉が試された年」だったのではないか、ということである。来年以降、いや今後数十年にわたり、日本における「脱原発の〈思想〉と〈行動〉」が試され続けることになると私には思えるので、下に全文を再掲しておこうと思う。

 先の選挙における自公圧勝、安倍政権の再登場そのものに関しては、ほとんど語るべき言葉を持たない。一番思ったのは、内閣総理大臣という日本の政治制度においては最大の権力と権限、それゆえの責任を持つ職を自ら投げ出した政治家に対し、「日本人は何と寛容なのだろう!」ということである。

 まことに、日本人は「寛容」だ。そして「国民的健忘症」を患っているように思えた。

 今回の選挙結果を通じ、これから「私たち」は自らの政治的意思、政策的選択が現実的な政治過程に反映されようのない、その意味では政治的に気の晴れようのない、非常に鬱屈した長い時間を送ることになるだろう。
 とりわけ決定的だと思えるのは、「自民党政治」からの転換を主観的にはめざそうとしたはずの民主党の「政権交代の実験」が、わずか3年で見事なまでの大失敗に終わったことだ。

 しかし、民主党の自壊についても、私はこれまで述べてきたこと以上の語るべき言葉を持たない。はっきりしているのは、すでにその動きが始まっているが、この間民主党が打ち出してきた「改革」路線の数々が、おしなべて来年の前半期を通じて政権交代以前、つまりは安倍-麻生政権時代の「既定方針」の下に吸収・回収され、解体されることになるということだ。
 「悲観的過ぎる」という批判を覚悟の上で言えば、おそらく「脱原発」をとりまく社会状況は、諸個人の意思や選択を政治に反映させようがないという意味で、私たちが想像する以上に深刻なのだと思う。

 目先の「課題」に追われ、そこにエネルギーを全力投入するだけでは、その「課題」さえ実現できない間にまた新たな「課題」への対応に迫られ、「私たち」はただただ個人としても〈運動〉としても消耗・疲弊・困憊し、未来への架け橋役さえ果たせなくなってしまう・・・。
 だからきっと、振り出し以前に戻ったところから、もう一度未来をどのように組み立て直してゆくか、きっと来年はこのことがどの団体や運動体にとっても問われる年になるのではないだろうか。

 いつものことながら、怠惰で書きなぐったようなこのブログを懲りずに訪問してくれている人々に、感謝を記して。

・・・
安倍首相、原発新設容認も 「福島第1とは違う」
 安倍晋三首相は30日、TBS番組で今後の原発政策をめぐり「新たにつくっていく原発は、事故を起こした東京電力福島第1原発とは全然違う。国民的理解を得ながら新規につくっていくということになる」と述べ、新規の原発建設を容認する姿勢を示した。
 「福島第1は津波を受けて電源を確保できなかったが、福島第2は対応した。その違いを冷静に見極める必要はある」と指摘した。 福島第1原発を29日に視察し、民主党政権が決めた2030年代の原発ゼロ目標を転換する考えを重ねて示していた。(共同) 

原発ゼロ見直しで県内自治体意見交錯 (デーリー東北、12/28)
「・・・ 使用済み核燃料再処理工場などのサイクル施設を抱える六ケ所村。民主党政権時は原子力政策の見直し議論に翻弄(ほんろう)され、一時は議会が燃料搬出を求める意見書を可決するなど強硬姿勢を見せた経緯がある。・・・
 ・・・一方、核燃サイクル阻止1万人訴訟原告団の山田清彦事務局長は「福島第1原発事故で国民が犠牲になった反省がない。国民を無視し、元の政策に戻そうというのは、まるでちゃぶ台返しだ」と批判した。
 事業者側では、日本原燃の川井吉彦社長が27日の定例会見で「再処理の意義、必要性を理解してもらいうれしいし、重く受け止めたい」と評価・・・」

「高線量で精神的苦痛」 長泥住民申し立てで審問 (福島民友 12/28)
「・・・審問後、会見した長泥行政区の鴫原良友区長は「(仲介委員は)高線量下で生活していた、われわれの気持ちを理解するべきだ」と訴えた。・・・。「なぜ子どもたちだけでも避難させなかったのか。賠償で簡単に済む問題ではない」と述べた・・・」

西川知事「現実みたエネ政策を」 原発めぐり1年を総括 (福井新聞 12/28)
「・・・政権交代により新増設は行わないとの原則が再検討されることに関しても、知事は福島の教訓を踏まえた新たな安全基準により再稼働できない原発が出てくる可能性に言及した上で「より安全で強固な原発は造るべきだという議論を明瞭(めいりょう)にやっていくことが大事」と踏み込んだ・・・」

上関原発予定地 地裁、入会権認めず 反対住民敗訴 (山口新聞 12/27)
「・・・ 山林は、中電が上関原発1号機炉心や発電タービン建屋の設置を予定している約10万平方メートルで、2004年に地元神社が中電に売却した。地元住民がこの山林を共同で使用、管理できる入会権が成立するか、山林の所有者が誰かが主な争点だった。
 原告側は、地元住民がまきなどを山林に入って採取してきたとして「入会的慣行に基づいて行っており、山林の管理もしてきた」と主張。しかし、山本裁判長は「神社地として管理保全されている中で、まきの採取は黙認されていたにすぎない」と退けた。原告側の「神社は名義人にすぎず、山林は地元住民が購入した」との主張に対し、山本裁判長は客観的な証拠がないなどとして「神社から買い受けたと認めるのが相当で、入会権が成立する余地はない」とした・・・。
 判決を受けて、被告の中電側は「主張が認められた妥当な判決。地域住民が安心できる発電所を目指す」とコメントした。原告の男性は棄却されたことについて、「信じられない。人間の命は金に換えられない。最後は勝つと信じている」と話し、控訴の意向を示した」

もんじゅ、前政権の方針を踏襲 下村文科相
「・・・前政権が9月に決定したエネルギー・環境戦略を受けて、文科省の作業部会はもんじゅの今後の計画を議論しており、来年夏をめどに計画を策定する。運用する日本原子力研究開発機構は作業部会で、来年末以降に試運転開始、10年程度運転するとの計画案を提示している」(共同)

廃炉計画「リスク評価が不十分」 東電に規制委
 原子力規制委員会(田中俊一委員長)は21日、東京電力がまとめた福島第1原発の廃炉作業の実施計画が妥当かどうか議論する検討会の初会合を開いた。規制委側からは燃料の再臨界などに対し「リスク評価が不十分だ」と厳しい意見が相次いだ。検討会は2月下旬に審査結果を取りまとめる予定。
 東電の実施計画には、使用済み核燃料プールからの燃料取り出しといった中長期的な作業計画のほか、作業員の被ばく線量管理などの安全対策が盛り込まれている。 会合で外部専門家の阿部弘亨東北大教授は「再び(放射性物質を)出さないという姿勢が見えない」と批判した。(共同)
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2012年のはじめに: 脱原発の〈思想〉と〈行動〉が試される年


 2012年のはじまりに、新年を祝うお決まりの文句は控えたい。国際的にも、国内的にも、私たちの目の前には、祝うより解決すべきこと、そのために考えるべきこと、二年越しの「宿題」が山積していると思うからだ。私はむしろ、「祝うべきことなど何もない」="No hay nada que celebrar."という言葉を、厳粛な気持ちで噛みしめたいと考えている。

 "No hay nada que celebrar." アメリカ大陸の先住民族/民衆の運動体が、各国の「独立記念日」や「コロンブス・デー」など、国を挙げた祝賀行事に対して抗議の意思を示すために使ってきたフレーズである。私自身が今年に持ち越してしまった、ということはおそらく〈脱原発〉派全体もまたこれから真剣かつ真摯に向き合わざるをえない、と思える「宿題」の数々を列挙しながら、新年の挨拶にあえてこのフレーズを持ち出した理由を書き記しておこうと思う。

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 2012年は〈脱原発〉の思想と行動が試される年となる。
 思想の質と、それに規定された具体的な行動の中身が試される年になる。
 様々な方向性と内容を伴った、その意味では統一性も一貫性もない〈脱原発〉運動--私はそれをむしろポジチブに捉えている者の一人であるが--から、「排除の思想」を排除しつつ自らの思想の境界を広げ、深めること、その上でどこに、そして何にプライオリティをそれぞれが設定するかという、きわめてアクチュアルかつ困難な〈問題〉群に直面する、文字通りの「正念場の年」になるだろう。

 大状況的なリアリティから言えば、私たちは「減原発」による「原発+再生可能エネルギーのベストミックス」と原発輸出促進を通じて、「3・11」からの国家的「復興」とその先に広がる「経済成長」を夢想する民主、自民、公明の三大既成政党+官僚機構で成り立つ政治権力の構造を変えうる展望を見いだせないでいる。
 つまり、民主党が政権の座に今年いっぱい居座ろうが、万が一に解散→総選挙となって自民を中心とした政権、あるいは公明がいずれかと連立を組み政権に加わろうが、この「構造」が変わりようがない現実を引きずりながら私たちは新年を迎えてしまった、ということだ。

 政党政治や政局の動向に関する分析は後回しにしたい。
 最初に、民主党および官僚機構が「「減原発」による「原発+再生可能エネルギーのベストミックス」と原発輸出促進を通じ、「3・11」からの国家的「復興」とその先に広がる「経済成長」」を夢見ているという点について、簡単に触れておこう。


 まず、「減原発」による「原発+再生可能エネルギーのベストミックス」について。
 資源・エネルギー庁の「新しいエネルギー基本計画に向けたご意見を募集します」のページには次のような一節がある。
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 経済産業省資源エネルギー庁では、幅広く有識者の方々から新しい基本計画策定のためのご意見を聴く場として、総合資源エネルギー調査会に基本問題委員会が設置され、平成23年10月から議論が開始されております。 「革新的エネルギー・環境戦略」の策定を行うエネルギー・環境会議と連携しつつ議論が進むこととなっております。
 また、平成24年春頃には、望ましいエネルギーミックスの選択肢を提示し、国民的議論につなげていく予定です。
・・

 ここで言われている「望ましいエネルギーミックス」が、私が言う「「減原発」による「原発+再生可能エネルギーのベストミックス」のことである。そこでは将来的に一部廃炉にした原子炉を「絶対安全な(第四世代)原発」に交替させることをも含めて、つまりそれを選択肢から排除せず、今後の日本の中長期的な「エネルギー基本計画」なるものが構想されている。このことをまず私たちは踏まえておく必要がある。

 「幅広い国民の皆様からのご意見」の圧倒的多数は脱原発であるにもかかわらず、原発維持・推進を大前提にした「望ましいエネルギーミックスの選択肢」を構想しているのが経産官僚なのだ。

 「エネルギー・環境会議」の基本方針(案) 〔概要〕。(2011年12月21日
・・
(2)原子力政策、エネルギーミックス、温暖化対策に関する選択肢提示に向けた基本方針
① 原子力政策に関する選択肢の提示に向けた基本方針

原子力のリスク管理を徹底するとの方針に基づき選択肢を提示する
○ 原子力発電については、相当程度の社会的費用があり、世界最高水準の安全基準とその客観的かつ厳格な運用を確立するなど、安全対策を抜本的かつ計画的に立て直す。
また、賠償等のスキームを、国際的な動向と調和を図りつつ、整備する。
中長期的な原子力政策の在り方については、核燃料サイクル政策も含む原子力政策の徹底検証を行う中で、安全、環境、エネルギー安全保障、経済性などの論点を整理した上で、選択肢を提示する。
・・

 たしかに「エネルギー・環境会議」は、口先では、「脱原発」「原発推進」のいずれの立場にも立たず、「白紙」から「抜本的に」国の「エネルギー基本計画案」をまとめ、今春「提言」すると言っている。
 しかし、すでに「中長期的な原子力政策」という表現があますところなく示しているように、この会議の審議そのものがあくまでも「脱原発」ではなく「原発推進」の立場に沿って行われてきた/いる。野田政権登場時点から何度も強調してきたように、この点に関する野田政権・経産省・「エネルギー・環境会議」に対する幻想に未だとらわれている人がいるとしたなら、ただちにその幻想を捨て去るべきだろう。 


 うえの3を押さえたうえで、福島・宮城・青森三県の「復興計画」の中身を見てみよう。
 あわただしかった年末・年始の数日間、私はこれら三県の「復興計画」と、南相馬市のそれを読んで過ごした。 もちろん、これらのみを読んでいたわけではないし、好んでそうしたわけでもない。クリスマスの三連休に「相馬と南相馬で考えたこと」がこれらに目を通すことを余儀なくさせたのである。(⇒南相馬市の「復興計画」については、「相馬と南相馬で考えたこと(2)」において触れることにする。)

⇒「福島県復興計画(第1次)」(今後10年間)とその「概要」版⇒「青森県復興プラン/青森県復興ビジョン」とその「概要」版
⇒「宮城県震災復興計画」とその「概要」版
⇒関連サイト「東日本大震災復興対策本部

 できるだけ時間を取り、福島・宮城・青森三県の「復興計画」あるいは「ビジョン」の、せめて「概要」だけは目を通してほしい。そうすれば自ずと、以下の二点が理解できるはずだ。それらは、

1)福島県は脱原発宣言を行い、福島第一・第二すべての廃炉を国と東電に要請し、「原発に依存しない社会」を明言しつつも、宮城・青森両県については県内の原発および原子力関連施設の存続を前提にして「復興計画」が策定されていること、
2)福島県とその他二県の「復興計画」との間に存在する上に述べた違い、また表現上の違いはありつつも、県としての具体的な「再生可能エネルギー推進」の中身は、三県とも非常に似通ったものになっていること、である。

 たとえば、青森県の「復興ビジョン」の、「Ⅳ 視点と中長期的な取組の方向性」の、
「(4)再生可能エネルギーの導入推進による産業振興と持続可能な低炭素社会の実現」の次の内容を福島県・宮城県のそれと対照してみてほしい。
再生可能エネルギーの導入推進と産業振興(太陽エネルギー、風力発電、地中熱・温泉熱、バイオマス、廃棄物エネルギー、コージェネレーション関連(燃料電池、LNG冷熱利用等)、海洋エネルギー)
持続可能な低炭素社会の実現(全県民的取組の加速化、夏季及び冬季の省エネルギー対策、設備導入促進のサポート体制づくり等)

 この問題を考えるにあたっては、さらに「参考資料」として経産省がまとめた2012年度の「資源・エネルギー関連予算案等のポイント」を参照することをすすめたい。 ほとんど同じ内容と言ってよい三県の「復興計画」に組み込まれた「再生可能エネルギー推進」が、経産省による「ポイント」の「3.再生可能エネルギー・省エネルギー等の導入支援・最先端の技術開発」と完璧に対応したものであることが透けて見えてくるはずである。


 福島県の「復興計画」の問題点--〈脱原発〉の思想と行動、その課題に引きつけて

 続きは後日に。(未完)
・・・
試験再開準備始まる/再処理工場(東奥日報)
解説:使用済み核燃料・直接処分コスト試算隠蔽 原子力ムラの異常論理(毎日)
原発の再稼働重点 東北電社長「地域理解得る」(河北新報)

「原発問題に対峙しようとしない」と宮城知事、国を糾弾(河北新報)
 ↓
 「原発事故の対応は県境で区切る問題ではない。汚染レベルによって対応しなければ、宮城県民としては大きな不満が残る結果になる」とまで語りながら、女川原発の再稼働・存続問題を含め「原発問題に対峙しようとしない」のは、知事および県、県議会も同罪ではないだろうか?

2012年12月30日日曜日

シリア内戦を長引かせているのは誰か?(2) ~「ポスト・アサド」とオバマの「暗殺リスト」

シリア内戦を長引かせているのは誰か?(2) ~-「ポスト・アサド」とオバマの「暗殺リスト」


 とあるパレスチナ人の友人の一人が、「抑圧的な王政、世襲的権力がアラブ世界から一掃されたなら、アラブ世界はすぐにでも統一するだろう」と語ったことがある。

 「すぐに統一する」かどうかはともかく、アラブ世界の統一を妨げているのが、「抑圧的な王政、世襲的権力」だというのはその通りだ、と私も思う。  
 けれども、私たちが生きている間に、これがアラブ世界から「一掃」される日が来るだろうか。それがいつになるであれ、はたして世界史にそういう日が刻まれることが、本当にありえるのだろうか?

 もともと、「アラブの春」=「アラブ革命」は、「抑圧的な王政、世襲的権力」、あるいは民衆に対して絶対的な権力を行使し、弾圧する独裁的権力に対する非武装(非暴力)の抵抗運動、「民主化」闘争としてはじまった。年が明け、しばらくすれば、やがて二年を迎えることにシリアにおける「民主化」闘争が、血で血を洗う泥沼の内戦的事態に陥ってしまったのは、いつのことだったろう。そしてその責任は、誰が負うべきなのか? アサド政権を断罪し、一切の罪を負わせ、それですむとはとても思えない。

 「政権」としてはもうとっくに終わっている、「政府」の体裁を何らなしていない、にもかかわらず退陣の気配さえみせないアサド「政権」。
 そのアサド政権「打倒」を、軍事的にバックアップしようと反政府武装勢力に次から次に武器を売り、送りつづける欧米を中心にした国々。殺されてゆく人間の死体に蝿のように群がる「死の商人」たち。そしてこれに「反発」し、アサド政権側の外交的スポークスマンになることによって政権存続に手を貸すロシアやイラン・・・。
 さらに、「大国」の政治に翻弄され、内戦を終結させる権威も権力もない、しかし「人道支援」だけは訴える国連、はたまた一部の国際「人道」NGO・・・。
 これらの、それぞれの〈利害〉を持つ国家や集団・勢力の衝突、「調整」によって展開されてきたシリア内戦。 これはいったい、何だろう?

 ともあれ、こうした内戦の「政治力学」の暗闇に怯えながら、いつもパレスチナ人の友人の言葉を思い出すのだが、しかし万が一、アサド政権が年明け早々に退陣したとしてもその後に待ち受ろているであろう最悪の事態を想像するにつけ、「より良きシリアの未来」を私には思い描くことができない。
 年の瀬を迎え、ありうるかもしれない「ポスト・アサド」後の「最悪の事態」のシナリオについて、少し書き記しておこうと思う。

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 対テロ戦争を永続化させるオバマ政権と「テロリスト暗殺リスト」

 日本の主要メディアが、その分析はもとより事実さえまともに報じていない「オバマ政権の暗闇」の一つに、今年の5月下旬にニューヨーク・タイムズ紙が詳細に報じた「極秘のテロリスト暗殺リスト」、通称"Kill List”と呼ばれているものがある。
Secret ‘Kill List’ Proves a Test of Obama’s Principles and Will

 このアルカイダおよびこれと関係があるとされる「イスラーム過激派」勢力の個別的殺害を目論み、その対象リストをまとめた「暗殺リスト」に関しては、その後米国の様々な市民メディアがその問題性をめぐって報道している。その中の一つに、Democracy Now!のGlenn Greenwald: Obama’s Secret Kill List "The Most Radical Power a Government Can Seize"がある。Democracy Now! Japanがまとめたその概要を引用させていただこう。
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グレン・グリーンウォルド:オバマの秘密殺害リストは「政府が手にし得る究極の権力」
 ニューヨーク・タイムズ紙は今週、オバマ大統領が自ら「秘密殺害リスト」作成を監督しているという事実を明らかにしました。このリストには米国が無人機による暗殺の標的としている人物たちの名前と写真が掲載さているということです。
 同紙によると、オバマはイエメンソマリア、さらに複雑で危険をはらむパキスタンでの攻撃において、殺害対象とされる人物すべてについて自ら承認を与えています。このリストには米国市民や17歳の少女たちまでが含まれています。
 「この米国大統領は、人を殺せという命令を出す権限を自分が持っていると信じている──それも徹底して秘密裏に、何ら法的手続きをも踏まずに、不透明なまま、いかなる種類の監査も受けることなくです」とSalon.comのブロガーであり憲法専門弁護士であるグレン・グリーンウォルドは言います。「これは文字どおり、政府と大統領が手にし得る究極の権力だと思いますよ。しかもオバマ政権はそれを獲得し積極的に実行しているが、議論が起きることはほとんどありません
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 この「暗殺リスト」に基き、個別的殺害を狙った無人爆撃機によるオバマ政権による「対テロ戦争」が、ありうるかもしれない「ポスト・アサド」のシリアにおいて、アルカイダと関係がある、とされている現在の反政府武装勢力内の「イスラーム過激派」に向けられればどうなるか?

 すでに終わっているアサド政権を退陣に追い込むだけでは、シリアに平和は訪れない。
 「復興支援」も「国家再建」もありえない。
 そこまでを見越した上での〈シリアの平和〉をめぐる議論が必要だ。


 「暗殺リスト」がはらむ問題は、米国の民主政治のあり様や、米国市民の市民的権利や人権問題を中心問題に考えるなら、グリーンウォルドが言うように、米国大統領が「徹底して秘密裏に、何ら法的手続きをも踏まずに、不透明なまま、いかなる種類の監査も受けることなく」「人を殺せと言う権限」を持つにいたった、ということで済ませることができるかもしれない。

 もちろん、既存の「米国民主主義」という名の政治制度を信奉している人々にとっては、そんなことは絶対にあってはならない、許せないことになる。 また、「米国民主主義」を信奉していない私のような人間にとっても、この事態を通じて大統領制という政治制度が、大統領個人や大統領府に権限や権力を集中させればさせるほど、このようなことが「合法的」に行われるようになってしまう政治制度なのだということを、改めて学んでおくよい機会だと思う。

 日本においてもこの30年ほど、「政治改革」の名において「内閣および内閣総理大臣の政治的権限の強化」、つまりは「大統領的内閣総理大臣」の形成に向けた法的・制度的「改革」が進んできたが、それが極めて危うい政治的賭け、「両刃の剣」なのだということも知っておいてよいだろう。(→上にいう「合法的」とは、あくまでもただ単に「オバマ政権が「合法性」を主張できる」という意味での「合法性」であって、国際法的意味におけるそれや米国憲法に無前提的に違反しないという意味でのそれでもない。誤解なきようにしてほしい)。

 しかし、歴史を振り返ってみれば、このようなことはイスラエルやロシアなど、実はこれまで米国以外の国々、しかも米国やその他の西洋諸国、日本などが「民主主義国家」と呼んできた国々において「反体制派」を撲滅するための「国家テロ」として繰り返し行われてきたことである。いや、「リスト」があったかどうかは知らないが、米国政府・CIAが直接手を染めたし政治的暗殺さえあっただろう。

 対叛乱戦略におけるこれまでの米国の常套手段は、武器や資金を、ある場合には国家にまたある場合には非合法の非正規軍勢力に援助しながら、直接には自分の手を汚さず、そうした国家テロを国々や武装勢力を養成したり、支援したりするというものだった。 私が少し歴史を知るラテンアメリカは、そういう国々であふれている。その意味で、個人的に言えば、このニュースに接したときに「米国もここまであかさまにやるようになったか」とは思ったが、殊更に驚いたりすることはなかった。

 では〈問題〉はどこにあるのか?
 それは無人爆撃機であれ特殊部隊であれ、この「暗殺リスト」に基く米軍による「テロリスト」殺害作戦が、ブッシュ政権時に編み出された「対テロ戦争」を永続化させてしまうことにある。その結果、米国、英国、フランスを中心としたNATO諸国による軍事介入を国際法的合法化し、正当化するような(「保護する責任」?)「不安定」地域を、半永久的に世界各地に、とりわけイスラーム圏社会に再生産し続けてしまうことにある。 説明は次の機会に譲ることにしたい。

⇒「フランスのマリへの軍事介入: ~「対テロ戦争」? それともトゥアレグ遊牧民族の民族自決と自治の圧殺?」と
⇒「マリを「第二のソマリア」にしてはならない ~フランスの軍事介入が失敗に終わる理由」につづく
「批評する工房のパレット」内の関連ページ
⇒「シリア内戦を長引かせているのは誰か?~最近のシリア情勢に関し、知っておきたい2、3の情報」 

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「反体制派がシリア代表」 支援国組織も承認 (東京新聞 2012年12月13日)
 【カイロ=今村実】内戦に陥ったシリアの事態打開のため、欧米やアラブ諸国などの連絡組織「シリアの友人」は十二日、モロッコのマラケシュで会合を開いた。AFP通信によると、十一月に発足した、反体制派の統一組織「シリア国民連合」を、アサド政権に代わる「唯一のシリア人の代表」と承認した。 同組織は百三十カ国で構成。幅広い承認が得られたことで、国民連合は、暫定政府の樹立に向けた動きを加速させるとみられ、アサド政権には打撃だ。
 「友人」会合は声明で、アサド政権の退陣を求め、国際法違反の処罰を逃れることはできない、と強調。仮に化学兵器を使用すれば、国際社会が厳しく対処すると警告した。同会合に親アサド政権のロシア、中国は参加していない。
 
 国民連合は、分裂状態の反体制派をまとめるため発足。これまで、湾岸諸国やフランス、英国、トルコの承認を受けていた。米オバマ大統領も、会議に先立つ十一日、国民連合の承認を米メディアで明らかにしていた。 ただ、シリアでは反体制派の中で、イスラム過激派の伸長が目立ち、支援各国の懸念材料となっている。十日は、北部アレッポ近郊にある戦略上、重要な政府軍の基地を、過激派の「ヌスラ戦線」などが掌握した。 米政府は、ヌスラ戦線にはイラクに拠点を置く国際テロ組織アルカイダ系勢力が、深く関わっているとみて、十一日、「テロ組織」に指定。反体制派を支援しつつも、過激派の勢力拡大の阻止が課題となっている。
 シリア人権監視団(ロンドン)によると、「友人」の前回会合が七月にパリで開かれた際、死者は一万六千人。半年足らずで四万二千人に膨らんだ。国際社会が有効な手だてを示せない間、状況は急速に悪化した。
 ↓
 日本の新聞メディアは、もういい加減に「イスラム過激派」や「テロリスト集団」という断定的で、独善的な政治的レッテル貼り、表記を改めるべきではないか。 東京新聞その他新聞メディアが「過激派」と定義する上の「ヌスラ戦線」は、シリアでの現地取材を行ってきた一部「西側」のメディアでも、反政府勢力の中で相当の支持基盤を形成していることが報じられている。
 その最大の根拠は、「ヌスラ戦線」が過去の「アルカイダ」戦術(無差別的殺人・「自爆テロ」など)を総括し、政府軍および軍事施設にターゲットを絞った攻撃に集中するようにしてきたことが大きい、との分析がある。
→たとえば、US designates Syria's Jabhat al-Nusra front a 'terrorist' group at lightning speed他、このサイトにある関連ページを参照のこと。

 この問題についても、またの機会に触れるようにしたいが、いずれにしても、かねてから述べているように、日本の主要メディアは「西側」の巨大メディアが配信する情報を垂れ流すのではなく、もっと独自の調査・研究・分析を行い、最大限「客観的」で「公正」な報道に努めるべきだろう。

シリア反体制派に妥協求める ブラヒミ氏とロシア外相 (朝日新聞、12/30)
「・・・ブラヒミ氏は会談後の記者会見で「政権交代が必ずしもシリアの危機を解決することになるとは思わない」(???)と述べ、アサド大統領の即退陣を求めている反体制派が歩み寄る必要があるとの認識を示した。ラブロフ外相も「政治的な解決のチャンスは残されているが、反体制派はアサド大統領の即退陣要求をひとまず置いてほしい」(???)と語った・・・」
 ↓
 「政権交代」を実現しない「シリアの危機」の「解決」策がありうるのだろうか?
 「大統領の即退陣要求」を「ひとまず置い」たとして、それで近未来のアサド退陣における可能性が開けるのだろうか?
 このようなアサド政権に即時退陣を説得しないような国連やロシアの調停は、アサド政権の時間稼ぎと居座りを許し、ただただ内戦を長期化させるだけである。
 リビアに対する「保護する責任」の名による軍事介入批判の論考でも書いたが、私は民衆虐殺を行った政権および軍中枢・要人に対して、退陣・辞任を促すための資金凍結をはじめとする一連の経済的また外交的措置に反対しない。
 リビアと同じく、シリア内戦においても「国際社会」がどこまで無血の政権交代に向けた「経済的また外交的措置」を講じてきたか、そこからこの一年半近くの「和平交渉」とその破産の分析・検証を深めねばならないだろう。

国連、シリア人道支援へ国際会議 1月末、費用負担要請 (朝日新聞 12/29)
 「・・・国連の潘基文(パンギムン)事務総長は28日、内戦が続くシリアの国内避難民や周辺国へ逃れた難民に対する人道援助を話し合う国際会議を、1月30日にクウェートで開くと発表した。潘氏が議長を務め、来年1~6月に見込む人道支援費用15億ドル(約1300億円)の拠出を呼びかける。
 国連によると、シリア内戦で現在200万人以上が国内避難民となっており、トルコやレバノンなど周辺国に逃れた難民は54万人以上。来年前半(???)にはそれぞれ約400万人、約100万人に達するとみており、衣服や食料、医療サービスなどの緊急人道支援にかかる費用を15億ドルと見積もっている・・・」
 ↓
「・・・・・。」  

2012年12月29日土曜日

「トモダチ作戦」参加の米軍兵士らの東電提訴をめぐって

「トモダチ作戦」参加の米軍兵士らの東電提訴をめぐって

 フジテレビ系(FNN)が、トモダチ作戦参加の米軍兵士ら8人が、被ばくを理由に東電を提訴したというニュースを流した。
・・
  東日本大震災の救援活動を行う「トモダチ作戦」に参加したアメリカ軍兵士ら8人が、「原発事故について誤った情報をもたらされ、被ばくした」として、東京電力に対し、損害賠償などあわせておよそ189億円を求める訴訟を起こした。
 サンディエゴの裁判所に、21日提出された訴状によると、「トモダチ作戦」に参加した兵士8人は、福島第1原発の事故について、「東京電力が日本政府と共謀し、現地が安全であるかのように印象づけたうえ、不完全で誤った情報を発信したため、被ばくした」としている。兵士らは損害賠償のほか、医療費をまかなう基金設立など、あわせて2億2,000万ドル(日本円でおよそ189億円)の支払いを求めている。(12月28日)
・・
 
 現段階において入手できる情報は非常に限られており、そのことを前提に上の記事のみに基づいて言えば、この米軍兵士たちの「提訴」には様々な疑問が残る。
 一点目は、「東京電力が日本政府と共謀」したというのに、なぜ日本政府を提訴せず東電のみを相手に訴訟を起こすのか?
 二点目は、米軍のよる「トモダチ作戦」は、言うまでもなく米国政府(オバマ政権)の意思決定に基き、米軍のアジア・太平洋司令部および在日米軍司令部の指揮の下に行われた、いわば軍事作戦である。
 であるにもかかわらず、兵士たちはなぜ米国政府、つまりオバマ政権および作戦指揮にあたった両司令部の責任者たちを提訴しないのか?

 三点目は、今後のニュース情報に求められている点にもなるが、これらの兵士たちが、いつ、どこで、どのような作業を行っている間に、どの程度被爆したのか、これらについて明らかにされていない点である。
 この三点目に関連し、四点目として、部隊として福島で「支援活動」を展開していない米軍兵士が、もしも作戦展開中に福島県外で被爆したのであれば、県外の被災者、および福島県内外で活動していた自衛隊員、また支援に入ったボランティアたちなども、当然、被爆した可能性が高くなる。
 もっと言えば、県外の被災者、自衛隊員、ボランティアが、まるで被爆していないことを当然のことのように考え、振舞ってきた、日本政府、防衛省・自衛隊、各自治体、そして主要メディアのあり方が、この問題を通じて改めて、また根本的に問われ直されねばならないのではないか。

 もしも、兵士たちが被爆したのであれば、言うまでもなく兵士たちは被害者である。賠償・補償を受けて当然だと私は思う。しかし、「トモダチ作戦」を遂行した日米両政府、および米軍の法的責任を問わずして、東電のみを相手に訴訟を起こし、莫大な賠償・補償金を取ろうというのは筋違だろう。

 ともあれ、地上展開においては大したことをしていない米軍兵士が、福島県外で被爆したというのであれば、福島県民は言うにおよばず、各地から支援に入ったボランティア、自衛隊、消防団、警察関係者なども、米軍兵士などよりははるかに、はるかに被爆しているはずである。

 日本政府、防衛省・自衛隊、各県警・消防団、各自治体は、現地に入った者たちの被曝検査をどこまでしたのか。 そこに情報隠蔽はなかったのか。
 検証は何もされていない。 今回の案件の今後の展開を通じ、改めてこれらのことが問われることになるだろう。
 検証が急がれる。


「批評する工房のパレット」内の関連ページ
⇒「パレットのデブリス① 」(2012, 2/4)
オバマ政権および米軍が、「3・11」直後より福島第一惨事の状況を詳細に調査・分析していたのは周知の事実であり、米軍兵士の被爆責任は、東電と日本政府の共謀というより日米両政府、米軍・防衛省-自衛隊官僚・東電による共謀というべきである。

⇒「米軍は日本を守らない---「日米安保という虚構」 」 (2011,4月まで)
 今ではもう「歴史的文書」の観さえあるが、「トモダチ作戦」とはいったい何のための、どのような「作戦」だったのか、その検証と考察を真剣に行う段階にきている。
 海外であれ国内であれ、自然災害では人命の救済が第一義の目的とされるため、もっとも「機動的」とされる軍の出動が国家・軍によって正当化される。機能的・合理主義的思考のみに足をすくわれてしまうと、私たちの多くもそのように考えがちになる。

 しかし、米国政府や米軍はタダでは動かない。むしろ一般市民・納税者としては、「トモダチ作戦」によって米国・米軍がどのような「見返り」を得ようとするのか、どれだけ利益をむさぼろうとするのかを中心に考えるべきだろう。
 米軍に依存しない「防災体制」の構築はいくらでも可能なのだから。

・・・
アメリカが日本に4億2100万ドルの兵器売却を承認
   アメリカ国防総省が、日本へのイージス艦ミサイル防衛システムと関連機器の強化に向けた武器売却を承認しました。
 ロイター通信によりますと、アメリカ国防総省は、議会に対し、「日本のミサイル防衛力の強化のために、4億2100万ドルの武器売却を承認した」と伝えました。他国への武器売却を担当するアメリカ国防安全保障協力局は、「日本は、自国の防衛システムの強化を我々に要請している」としています。

 ロイター通信はまた、「アメリカ議会は、30日以内にそれを受け入れるか否かを決定する」と報じました。もし議会に承認されれば、ロッキード・マーチンが主要請負業者となり、新レーダーシステムなどを含めた設備が日本に売却されることになります。こうした中、日本自衛隊は最近、北朝鮮の脅威に対抗するため、ミサイル防衛システムを配備しています。(Iran Japanese Radio 2012/12/11)

2012年12月28日金曜日

外務省「対イラク武力行使に関する我が国の対応(検証結果)」に対する緊急声明

内閣総理大臣 安倍 晋三 殿
参議院議長 平田 健二 殿
衆議院議長 伊吹 文明 殿
外務大臣 岸田 文雄 殿

外務省「対イラク武力行使に関する我が国の対応(検証結果)」に対する緊急声明
─情報開示と政府による検証を求める

http://iraqwar-inquiry.net/?p=678841142

先週 12 月21 日、外務省は「対イラク武力行使に関する我が国の対応(検証結果)」として、2003年3 月に開戦したイラク戦争への、同省としての対応を検証したと公表した。一部報道では、「分厚い」報告書がまとめられたと報じられているが、公開されたのは、わずか4ページの要旨のみであった。これをもって日本のイラク戦争への対応が検証されたとはとても言えない。

私たち市民団体とNGO は、以下の二点を求める。

1. 外務省の「検証」報告書の全文を公開すること
2. 外務省のみならず政府および国会における独立した第三者の検証委員会により検証が行なわれること
*全文 ⇒ http://iraqwar-inquiry.net/?p=678841142

2012 年12 月26 日

イラク戦争の検証を求めるネットワーク
(特活)日本イラク医療支援ネットワーク(JIM-NET)
(特活)日本国際ボランティアセンター(JVC)
 ピースボート
非戦を選ぶ演劇人の会
WORLD PEACE NOW
外務省のPDFはこちら 
http://www.mofa.go.jp/mofaj/area/iraq/pdfs/houkoku_201212.pdf
(関係国政府とのやり取り等、そのまま公開した場合には各国との信頼関係を損なうおそれの高い情報等が多く含まれていることから、報告そのものの公表は行わないとして、わずか4ページに要約されています)

2012年12月13日木曜日

放射能拡散に反対する市民を支援する会

放射能拡散に反対する市民を支援する会(12/13公開)
http://keepcivicactivity.jimdo.com/
放射能と有害物質を含む震災がれきの広域処理に反対する市民の逮捕は不当です。下地真樹准教授らの即時釈放と謝罪を求めます。
【署名フォーム】https://ssl.form-mailer.jp/fms/1e766d39226791
12月9日、阪南大学経済学部の下地真樹准教授が、大阪府警によって逮捕されました。この逮捕は、形式上も内容上も大変不当なものであり、市民の活動に対する明らかな弾圧です。 下地准教授らは、震災がれきに含まれる放射性物質やアスベストなど、本来焼却してはいけない有害物質を全国に拡げて焼却・埋立しようとする「震災がれき広域処理」政策に反対していました。大阪市は2月から焼却・埋立を開始しようとしています。

逮捕の経緯は次のようなものです。10月17日、大阪市の震災がれき試験焼却に反対する市民有志(下地准教授含む)は、午後3時 、大阪駅・東北角の歩道上に集まり、大阪市役所にむけて三々五々歩いて移動しました。その際に、大阪駅構内の東コンコースを北から南へ通り抜けており、この行為を根拠に逮捕されたようです。逮捕容疑は「鉄道営業法違反」「威力業務妨害」「不退去」です。

しかし、「駅構内を通り抜けた」行為が行われたのは2か月近くも前のことであり、今になって逮捕するというのは非常に不自然です。意図的な市民活動への弾圧であると考えざるを得ません。下地准教授ら市民有志は、小さな子どもを持つお母さんたち、とりわけ福島・東北・関東から関西に避難移住して来られた人たちの不安な気持ちに寄り添い、放射能汚染の拡散を阻止するために活動をされてきました。福島原発事故は、膨大な人々の心身の健康と財産に被害を及ぼしました。適切な安全対策を行わず原発の運転を強行し続けた国と電力会社・原発メーカーなどの責任こそが問われなければならないはずです。

ところが、これら放射能を拡散させた国や企業の刑事責任は一切問われないままに、今回のように、放射能汚染の拡散に反対して声を上げることが刑事弾圧の対象にされているのです。このようなことは決して許されることではありません。既に大阪だけでも震災がれきの広域処理に反対した市民5名が逮捕され、長期にわたって拘留され、起訴されている人もいます。私たちは、今回の不当逮捕に対し、厳重に抗議すると共に、即時釈放と謝罪を求めます。
2012年12月10日
放射能拡散に反対する市民を支援する会

【重要】署名に協力してくださる皆様へ
 ① 署名を大阪府警察等に提出する際、「呼びかけ人」のお名前のみを公表し、それ以外の賛同者(署名してくださった方)については、人数のみを公表します。署名簿は保管に留めて提出はしません。
② メディアに対する公表についても①と同様にします。ただし、メディアから「署名簿を確認させてほしい」という依頼があれば、閲覧のみ許可します(コピー・撮影は不可)。
 【署名フォーム】
 ※ページ上部の【署名フォーム】と同じ内容ですhttps://ssl.form-mailer.jp/fms/406c1b14226859

放射能拡散に反対する市民を支援する会  呼びかけ人メッセージ
岡真理(京都大学人間・環境学研究科教授)
「彼らが最初共産主義者を攻撃したとき、私は声をあげなかった、
私は共産主義者ではなかったから。
社会民主主義者が牢獄に入れられたとき、私は声をあげなかった、
私は社会民主主義ではなかったから。
彼らが労働組合員たちを攻撃したとき、私は声をあげなかった、
私は労働組合員ではなかったから。
彼らがユダヤ人たちを連れて行ったとき、私は声をあげなかった、
私はユダヤ人などではなかったから。
そして、彼らが私を攻撃したとき、
私のために声をあげる者は、誰一人残っていなかった。
反ナチのマルティン・ニーメラー牧師の「彼らが最初、共産主義者を攻撃したとき」と いう有名な詩です。今、あらためてこの詩を想起せずにいられません。
彼らが最初、オウム信者を不当逮捕したとき、私は声をあげなかった、私はオウムではなかったから、彼らが外登証不保持を理由に外国人を逮捕したとき、私は声をあげなかった、私は外国人ではなかったから、彼らが北朝鮮へ行く者を不当逮捕したとき、私は声をあげなかった、私は朝鮮人ではなかったから、彼らが釜の労働者を不当逮捕したとき、私は声をあげなかった、私は釜の労働者ではなかったから…

「非・国民」は、これまでずっとずっと不当逮捕されてきました。しかし、自らを「健全な国民」と見なす者たちは、それを自分の問題とは考えませんでした。でも、これらの者たちの身にずっと起きていたこと、それは、私たちの社会の問題であり、国民自身の問題に他なりません。「国民」の身にそれが及んで私たちが事態の異常さに気づいたとき、それでは、もう遅すぎるのかもしれない、でも、今、食い止めなければ、ニーメラーの詩の最後の一節が、この社会の姿となるでしょう。
私が不当逮捕されたとき、私のために声を上げる者は誰ひとり残っていなかった」

早尾貴紀(東京経済大教員)
「これは瓦礫問題だけでなく原発再稼働に向けた政治弾圧。 そして人間の尊厳と自由が、人権が賭けられた闘いです。屈するわけにはいきません。」

太田昌国(現代企画室編集者・評論家)
「辛うじて残っていた〈一線〉を超える行為と言動が、〈相手側〉に目立つ日々です。私たちにも、心して、新しい言葉と行為が必要だと痛感します。」

池田浩士(京都大学名誉教授・京都精華大学客員教授)
「原発事故後の京都「大文字」送り火に被災地の焚き木を使うという計画が持ち上がったとき、被災地への連帯の気持ちにもかかわらず、私はその計画に反対でした。「絆」とか「思いやり」とか苦しみを分かち合う」とかいうお涙ちょうだいの美辞麗句で原発・軍事資本とその御用政府の責任を隠蔽させてはならない――これは基本中の基本だと考えますので、下地さんたちの実践に私も連帯したいと思います。」

鵜飼哲(一橋大学教員)
 「これほどの暴挙を見過ごすことはできません。下地真樹さんと彼の友人たちの即時釈放を要求します。友たちの声の圧倒的な結集を!」

【不当逮捕者の救援活動のためのカンパ】
http://keepcivicactivity.jimdo.com/%E3%82%AB%E3%83%B3%E3%83%91/
不当逮捕者を救援するための弁護士費用などに充てられます。どうかご協力をお願い致します。

▼カンパ振込先▼
 郵便振替「00980-2-195109」
 加入者名「関電包囲行動」
 ※通信欄に「12.9救援カンパ」と必ず明記してください。 (関電包囲行動さんの口座をお借りしています)

 <ゆうちょ銀行からの電信払込み・電信振替>
 記号「14340」
 番号「57581321」
加入者名「カンデンホウイコウドウ」

<他の金融機関からの送金>
ゆうちょ銀行
店名(店番):0九九(099)店(ゼロキュウキュウ)
預金種目:当座
口座番号:0195109
口座名称:関電包囲行動
(カンデンホウイコウドウ)
◆通信欄がない場合は、カンパに9円を追加して、金額の下一桁が9となるようにしていただければ12・9弾圧への救援カンパと判断させていただきます。

2012年12月12日水曜日

シリア内戦を長引かせているのは誰か? ~最近のシリア情勢に関し、知っておきたい2、3の情報

シリア内戦を長引かせているのは誰か?
~最近のシリア情勢に関し、知っておきたい2、3の情報

 オバマ政権は昨日(12/11)、シリア反体制派の統一組織「シリア国民連合」を、「シリア国民の正当な代表」として承認した。(CNN日本語版を参照) 米国による「シリア国民連合」の正式な承認は、英国、フランス、トルコ、湾岸協力会議(GCC)に次ぐものだが、これによって米・英・仏を中軸とした有志連合によるシリアの政権転覆に向けた動きが、いよいよ本格的に始まるだろう。
 反政府武装勢力に対する公的な軍事援助に始まり、アサド政権に対する最後通牒的辞任圧力と制裁の強化、そしてその次には米軍+NATO軍+αの有志連合軍による軍事介入のシナリオが控えている。そのパターンは、去年のリビアと同じである。
・・
英など秘密会議でシリア介入協議
【ロンドン共同】 英紙インディペンデントは11日、英国が最近、フランスや米国、中東の国防当局者を集めた秘密会議をロンドンで開き、軍事介入を含むシリア情勢への対応を協議したと報じた。欧米各国は外交上、介入に消極的姿勢を示しているが、水面下で軍事作戦の青写真作りが進んでいることになる。同紙によると、会議は英国軍トップのデービッド・リチャーズ大将が11月に主催しシリア情勢の関係国の制服組幹部が参加した。
・・

1 シリアに対する武器・軍事援助の構造

 CNNは、「米政府による承認は、反体制派を心理的に後押しする効果はあるが、米国から反体制派への武器供給には直結しない」と報じているが、これは作為的な誤報、いわば情報操作の一種である。なぜなら、シリアの反政府武装勢力に対するこれまでの武器援助に米国は主要な役割を果たしてきたからである。

 レバノンのメディア、al manarは、先月3日、Flooding Syria with Foreign Arms: A View from Damascus(by Franklin Lamb)を配信した。長文の、非常によく調査されたレポートだが、このレポートから反政府武装勢力に武器援助している国を列挙しておこう。
 レポートは、現在、36カ国以上の国から武装勢力に武器が流れているとしたうえで、その内のトップ24を挙げている。それらを地域別に分けると、
①USA, Canada、
②UK, France, Belgium, Germany, Italy, Spain, Portugal, Austria, Czech Republic,
③Iraq, Lebanon, Israel, Turkey, Qatar, Saudi Arabia, Yemen, Bahrain,
④Yugoslavia, Bulgaria,
⑤Brazil, Argentina, となる。
 
 このリストにはロシアやイランなどアサド政権に対して武器援助をしている国々は含まれていないが、上の24カ国の3分の2がNATO構成国であり、その数は全NATO構成国の半数に上ることに着目しておこう。

 武装勢力から押収された武器を、一部写真解説付きで武器名まで特定し解説しているところが、このレポートに説得力を与えている。私は武器には詳しくないが、米軍が使用しているスナイパー・ライフル、SMC M1903-A4や USMC M1903-A1/Unertl)、USMC M1C & M1Dに M21などが押収されていることを、オバマ政権や米国の主要メディアはどのように応えるのだろうか。
(さらに武器援助大国、イスラエルがゴラン高原などを経由し、シリア国内に武器を流していることにも注目したいが、ここではこれ以上触れない)。
・・
・ゴランPKO撤収へ、シリア内戦激化で判断
 政府は、国連平和維持活動(PKO)協力法に基づき、シリアとイスラエルの境界にあるゴラン高原の国連兵力引き離し監視軍(UNDOF)に派遣している自衛隊について、撤収させる方針を固めた。 複数の政府関係者が8日、明らかにした。
 シリアの内戦激化に伴い、ゴラン高原で自衛隊員の安全確保が難しくなったと判断した。政府は国連側と調整を進めており、年内にも撤収に着手する見通しだ。
 ゴラン高原PKOを巡り、日本は1996年から、シリアとイスラエルの停戦監視活動などを行うUNDOFに自衛隊を派遣してきた。現在、陸上自衛隊の輸送部隊44人と、UNDOFの司令部要員3人の計47人が活動している。ほぼ半年ごとに部隊を入れ替えており、今回の派遣は来年3月31日が期限だ。(2012年12月8日  読売新聞)
 ↓
 
 国連の下で、地域の「平和」を「維持」するために派遣された自衛隊やその他の国の軍隊、およ国連機関が、地域の「平和」が「維持」できなくなると撤退、撤収する? 地域の「平和」を守るためではなく、隊員の身の安全を第一に考えて? これが日本および自衛隊、もっと言えば国連の「平和維持」活動の実態であり、本質なのだということだろう。私はすべての国連PKOからの自衛隊の撤退を主張する者のひとりだが、問題は、そもそも日本は何のために、またいったい何をしに自衛隊を「派遣」してきたのか、にある。

 国連PKOは、米・英・仏の覇権と、ロ・中の対抗的覇権政治に翻弄され、派遣先の地域的平和を「維持」することができないばかりか、紛争と混乱の火種の一つになってきた。しかし、国連PKOへの自衛隊参加、「武器使用」基準緩和などを論じ、いわゆる日本の「平和構築」を推進しようとする官僚、政治家、メディア、大学研究者のほとんどは、このことを論じない。自衛隊の国連PKO「派遣」、さらには「平和構築」論のデタラメさを、改めて検証するよい機会だと思う。そこでは、これまで自衛隊の海外派兵に反対してきた「反戦・平和」運動や、左翼勢力側の分析の総括もが問われることになるだろう。
 ともあれ、税金の無駄使いを少しでも減らすためにも、自衛隊の役割と機能をめぐる社会的な議論はもっともっと深められるべきたと私は思う。
・・

⇒「シリア内戦を長引かせているのは誰か?(2)--「ポスト・アサド」とオバマの「暗殺リスト」」へつづく

・・・
「シリア難民50万人超える」 国連発表、支援訴え
 国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)は11日、内戦状態が続くシリアから戦闘を逃れ国外に脱出した難民が50万人を超えたことを明らかにした。UNHCRに難民登録したか、登録待ちの人数で、実際には80万人以上に上るとみられる。
 隣国のヨルダン、レバノン、トルコ、イラクのほか、エジプトなどにも逃れている。シリア国内の戦闘の激しい地域で居住地を追われた国内避難民などは250万人に達しているとみられ、国連は難民とともに支援が急務としている。 ただ、激戦地では国連の支援物資が奪われるケースも頻発。支援に当たる国連スタッフも一部が国外退避するなど、シリア国民の窮状は深刻さを増している。(共同)

シリアへ人道支援「自由のための列車」(NHK)
「・・・特別列車には、フランスが承認した反政府勢力の統一組織「シリア国民連合」のマフース大使も乗り込み、「ヨーロッパ各国は、シリア国民を殺りくから守るため、反政府勢力に対して武器を供給してほしい」と述べ、国際社会に支援を呼びかけました・・・」

「批評する工房のパレット」内の関連ページ
⇒「「介入の政治」と覇権主義を超えて- 〈 NGOと社会〉の会ニューズレター最新号より
⇒「「保護する責任」(R2P)に関するヒューマン・ライツ・ウォッチ(HRW)への質問状と回答: 解説」

『福島と生きる』メールマガジン第2号――息長く〈福島〉とつながり続けるために――

『福島と生きる』メールマガジン第2号
――息長く〈福島〉とつながり続けるために――
2012年12月13日発行(不定期刊)

ー目次―
◆イベント情報
◆ニュースクリップ
◆遊雲の里ファームの杵つきもち販売
-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・

◆イベント情報(イベント情報は変更されることもあります。必ず主催者サイトでご確認下さい)
1.12月14日(金)-16日(日)(郡山市)
  「フクシマ・アクション・プロジェクト
   ※日本政府と国際原子力機関(IAEA)共催の「原子力安全に関する福島閣僚会議」に対するアクションと申し入れ、市民集会など。 詳細→イベントサイト
   ※原発いらない女たちの会も「私たちを抜きに福島のことを決めるな!」をスローガンに非暴力アクションを行います。詳細→イベントサイト

2.12月14日(金)18:30-20:30(東京・会議室 内海 3F教室)
  「アレクセイ・ヤブロコフ博士講演会ーー低線量被ばくの健康影響:国際機関の放射線安全概念を問う
  ※主催:FoE Japan  詳細→イベントサイト

3.12月14日(金)ー15日(土)(東京・国分寺市)
  「放射能対策セルフケア講座
  ※共著者の一人、橋下俊彦さん(NPOライフケア)による「放射能対策セルフケア10時間講座 ~自分のからだは自分で守ろう~」。
  ※主催:NPO法人自然育児友の会  詳細→ライフケア・イベントスケジュール

4.12月15日(土)-16日(日)(東京)
  「脱原発世界会議2
  ※「原子力を規制する」「チェルノブイリに学ぶ」「脱原発社会のつくりかた」の3つのテーマで行われる国際市民会議。
  ※FoE Japanコーディネート企画:
  ①「低線量被ばくと国際原子力機関(IAEA)・世界保健機関(WHO)」、
  ②「放射線防護のための被災者支援のあり方とは」(ともに12月15日)
  詳細→イベントサイト

◆ニュースクリップ
1.「ヨウ素剤無配布、健康調査不開示・・・国連専門家が国・県批判」 2012年11月29日、東京新聞
 「政府が住民にヨウ素剤を配布していなかったのは残念」「福島県の健康管理調査は不十分」─。福島原発事故の被災地などを現地調査した国連の専門家は、行政側の「被災者目線」の欠如を批判した。政府や県は国際社会の厳しい
視線を受け止め、説明責任を果たせるのか。(中略)
 県の子どもを対象とした甲状腺検査についても、「子どもの親は診断資料を受け取れない。医療記録にアクセスする権利を否定されている」と、県の対応を痛烈に批判した。
 一方、福島県外への避難を希望する人に対する県の住宅支援の新規申し込みは、来月28日で打ち切られる。行政の被災者支援については「政府は、すべての避難者が避難を続けるのか、自宅に戻るのかを自分の意思で決められるようにするべきだ。経済的な支援や補助金を継続、復活させなければならない」と問題提起した。(以下略)

※健康を享受する権利に関する国連特別報告者のプレス・ステートメントは以下のサイトで読めます。http://unic.or.jp/unic/press_release/2869/

2.「会長の井戸川双葉町長辞任 後任に山田広野町長 双葉地方町村会」2012年12月11日、福島民報
 双葉郡町村長から双葉地方町村会長の辞任要求を受けた会長の井戸川克隆双葉町長(66)は10日、郡山市の県農業総合センターで開かれた双葉地方町村長会議で会長を辞任した。新会長には副会長の山田基星広野町長(64)が就いた。任期は残任期間の来年3月31日まで。辞任理由について井戸川町長は「町村会の円滑な運営のため」と説明したが、東京電力福島第一原発事故に伴う中間貯蔵施設の現地調査をめぐり、他の首長と対立したことが原因とみられる。 (略)
 井戸川町長は辞任の理由について「国や県などの中間貯蔵施設建設に向けた進め方に不満がある。郡内の町村長でも中間貯蔵施設に関する考え方が異なる」と指摘した上で「町村会の運営を円滑に進めるためにも自分から辞任した」と語った。(以下略)

3.「福島の水産物風評被害」2012年12月11日、宮崎日日新聞社説
 福島県いわき市が、東京電力福島第1原発事故による水産物の風評被害対策に乗り出した。 「いわき見える化プロジェクト“見せます!いわき”」と銘打って、地元の小名浜港などに水揚げされるカツオやサンマについて放射性物質測定データの随時公表を始めたのである。正確なデータをネット上に迅速に公開し、消費者の理解に努めたいという地道な取り組みを評価したい。

■加工業者と一心同体■
 暖流と寒流が混ざる福島県沖は、「潮目の海」として豊かな漁場を形成してきた。ところが昨年3月の原発事故以降、北部の一部海域での試験操業を除き、南部海域では操業を全面自粛。はるか沖合で漁獲したカツオやサンマに限って地元の小名浜港などへ水揚げしている。
 これらの魚は福島県以外の港に水揚げすれば問題とされないが、地元に持ち帰れば外部の厳しい視線にさらされることになる。 それでも小名浜港へ水揚げするのは、地元に魚が揚がらなければ水産加工業者も生活が成り立たないからだ。漁師も加工する人間も浜では一心同体なのである。この関係を考えずに、真の水産復興はあり得ないというわけだ。
 そんな地元の苦境を察したイオンが、震災復興の一環として6月から小名浜港に水揚げされたカツオの販売を始めた。自社でも放射性物質の検査をした上で、漁獲水域と水揚げ港名を明記して販売したところ、首都圏の消費者の反応は良く、このカツオを加工したファストフィッシュが現在売り出されている。 「正しい情報が消費者に伝われば風評被害は減らせるのではないか」と担当責任者は説明する。

■魚を取って存在価値■
 福島双葉漁協は、福島原発の北部海域で6月からバイ貝やタコなどの試験操業を続けている。検査を繰り返しながら魚種を少しずつ増やし、消費地の市場でも受け入れられている。 「常磐もの」と呼ばれたアナゴやカレイが大量に水揚げされた震災前を考えれば微々たる試みだ。それでも「補償金に頼るだけの生活でいいのか。われわれは魚を取ってこそ存在価値がある」という漁師の言葉には重みがある。(以下略)

4.「重い一票 悩む学生 復興、原発…政策の差見えず 未来誰に託す」 2012年12月12日、福島民報
(略)
 会津若松市の会津大学短期大学部2年の国嶋麗(うらら)さん(20)が候補者の主張で最も関心を寄せるのは原発問題の対応だ。福島市出身で、市内でも比較的線量が高い地域に実家がある。家族や友人が心配で、自身も今年夏、内部被ばく検査を受けた。「しっかりと見極めたい」。インターネットで各党のマニフェスト(政権公約)を見比べている。
 「貴重な一票。必ず投票に行く」。福島市の桜の聖母短大2年の加藤朋栄さん(20)は力を込める。震災と原発事故が発生したのは市内の高校を卒業した直後。短大入学後に震災復興支援のサークルに入り、市内の避難所や仮設住宅で子どもの世話や物資配布のボランティアをしてきた。
 避難者の中には、先が見えない生活を送るうち、将来の希望を見失う人もいるのを感じた。「国は、政治家は実態を理解しているのか」。一向に現状が改善されない状況に、疑問を持つこともあった。被災地の声を中央に届け、政策に反映させる国会議員の重要性を実感した。「当選後も福島に何度も足を運んでくれる人に票を入れたい」。被災地に寄り添ってくれる政治家を選ぶという自分なりの条件を決めている。(略)
 福島市の福島大行政政策学類4年の男子学生(22)も投票先を決めかねている。新しい党をつくるばかりで、肝心の政策がよく伝わってこないと感じる。「必ず選挙には行くが、このままでは白票を投じるしかない」

◆遊雲の里ファームの杵つきもちとお米の販売
 ※『福島と生きる』共著者・菅野正寿さんの遊雲の里ファーム(福島県二本松市)で「杵つきもち」の販売が始まりました。棚田米コシヒカリの販売も行っています。

 菅野さんをはじめ福島県の有機農家のみなさんは、3・11以降、セシウムを作物に移行させないためにさまざまな試行錯誤と努力を重ねています(詳細は『福島と生きる』の菅野さんのインタビューをお読みください)。販売物はすべて放射能検査済みです。
 添加物の一切ないお餅は本当に美味でした!
 詳細→遊雲の里ファーム注文ページ

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『福島と生きる』メールマガジン第2号
2012年12月13日発行
※『福島と生きる』メールマガジンは、『福島と生きる--国際NGOと市民運動の新たな挑戦』の共同執筆者の団体や活動の関連情報を発信していきます。
発行人=中野憲志・藤岡美恵子(『福島と生きる--国際NGOと市民運動の新たな挑戦』共編者)

破壊される玉川上水の緑

破壊される玉川上水の緑

皆様
沖縄でのオスプレイ配備、フクシマ被災民の黙殺、巨額の宣伝費を費やしたオリンピック招致活動の裏での福祉・障害者対策のメッタギリ、その一方でのポピュリズム煽るマスコミとそれに酔いしれる右翼政治家たち、、、、。そして、いよいよ平和憲法の改正、自衛軍の誕生、歴史教科書の全面的改訂、さらに大学秋入学化の先に見えるものは・・・・?

こうしたことに比べれば誠に些細なことかもしれませんが、東京の郊外でもオリンピックを想定してとんでもないことが次々が起こりつつあります。以下は、写真家の私の弟からのメールです。東京の西、小平市の玉川上水の緑、津田塾大学の前の緑がまもなく消えます。暴力的な手口はメキシコのPPPと全く同様です。以下、転送させていただきます。
北野 収(獨協大学)
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小平に住むお知り合いの方へ

こんにちは。
ご存知かもしれませんが、鷹の台中央公園の雑木林をつぶして、幅36m以上の道路を通す計画が本格化しそうです。多摩地区南北の道路整備自体には必要を感じますが、計画があまりに暴力的なので、危機感を感じています。形ばかりの「住民説明会」という”イベント”がありましたが、行政は住民に説明するつもりも、意見を聞くつもりも一切ないようでした。

3月に認可が出れば、都は用地買収に入ります。しかし認可が出た時点で行政代執行(つまり強制的な工事施行)の権限が発生します。あとはベルトコンベアーのように進み、林はなくなり、カワセミのいる上水の環境は激変するでしょう。そしてロードサイドにはコイデカメラやドンキなどの大型店舗が立ち、鷹の台の商店街は大打撃となるでしょう。住民から行政にアクセスする方法は(残念ながら日本には)ほとんどありません。(次期?)猪瀬知事はオリンピックを御旗に凍結していた道路開発を再開するでしょう。

が、ほとんど唯一の民主的な方法があります。住民投票です。そのために動きだした人がいて、1月11日までに市内の有権者3000人の有効署名が必要だそうです。とても短期間です。道路計画に反対のための住民投票ではなく、 「住民参加によって見直す必要があるか、その必要はないか」を問う住民投票であるところがミソです。

この署名、法律的にかなりきちんとしたもので、受任者(住民の代表)が集めなくてはなりません。うちの奥さんが受任者の一人になったので、お正月でも[一緒に]署名してもらえませんか。 (また有権者のお知り合いがいたら、ぜひ。)
ぜひぜひ、よろしくお願いします。
北野謙  (以下に、さらにくわしく書きます。)
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僕の住む玉川上水と雑木林のある小平市は環境のよい住宅地です。武蔵野美術大学や津田塾大学のある、西武線鷹の台駅周辺は、玉川上水沿いに公園と広い雑木林がひろがり、貴重の動植物も生息する、エリアです。

ところが、その雑木林の大部分をつぶして、幅36m4車線の道路を通す計画が、来年3月までに国の事業認可を受けて、やはて着工されようとしています。この計画は50年前に出来たものです。また都の発表した交通量予測と実際の交通量は大きく乖離 (都の予測値は過大予測)しています。そしてすぐ近くを通る府中街道を拡げるのではなく、府中街道からわずか55~200mを平行して、新たに道路を造るなど、住民のひとりとして問題と思える計画です。

ムサビ生の皆さん、ご存知でしたか? 国の認可が通れば(出せば確実に通るのですが)、極端な話、すぐに工事をしてもよい権限が発生します。ムサビの学生さんたちが野外展をひらいているあの林はすぐにでも消えて、ロードサイドに大型店舗が並ぶ、劣悪でありきたりの風景にとってかわるかもしれません。危急の課題です。

住民の意思を都に反映させる手だては、残念ながら極めて少ないようです。でもぜんぜんないわけではないようです。「住民参加により(3・2・8号線)計画案を見直す」べきか「見直しは必要でない」かを問う住民投票をしようという呼びかけをしている方々います。

雑木林で幻灯会や観察会を催している「どんぐりの会」の皆さんや 「小平都市計画道路に住民の意思を反映させる会」の皆さんです。道路計画に反対する住民投票ではなく、「住民参加によって見直す必要があるか、その必要はないか」を問う住民投票であるところがミソです。言ったら話し合いのための住民投票。数少ない殆ど唯一の民主的な手続きです。

住民投票を行う為には12月17日~1月11日の間に小平市の有権者の3000筆の署名が必要です。
署名してくださる方は、私にご一報くださるか、下記までお問い合わせ下さい。道路計画の詳細や街頭署名の日程もでています
http://jumintohyo.wordpress.com/2012/12/10/

来週から署名期間がはじまります!
どんぐりの会
http://www.facebook.com/events/224397617693024/
http://jumintohyo.wordpress.com/2012/11/28/
中沢新一x國分功一郎-講演会
12月8日(土)開催

ご協力下さい!

2012年12月4日火曜日

「東アジアに平和の海をつくる」

「東アジアに平和の海をつくる」
~Vol.1 パネル・ディスカッション: 竹島/独島問題を手がかりに~

1)領土問題で対立するのではなく、「平和の海」をつくるためのアイデアを出し合う。
 領土 問題の冷静な議論を続ける必要があるが、領土問題だけを取り上げて対立を深めることは、誰にも利益にならない。むしろ、東アジアに平和の 海をつくるために何ができるのか。何を議論するべきなのか。対話の場をつくりたい。 対立点は明確にしつつ、他方で、同意できる共通項は何 なのかを探りたい

2)そのために、国籍、民族、政治的立場を越えた、異なる意見の持ち主の対話の場(パネ ル・ディスカッション、シンポジウム、インタヴュー等)を作る。

3)規模は、最初は小規模な対話集会とする。1回ではなく、数回の継続性を。 第1回は竹島 /独島。

4)日程 2013年1月12日(土)午後1時30分~5時(開場1時)

5)会場 スペースたんぽぽ
東京都千代田区三崎町2-6-2 ダイナミックビル4階
03-3238-9035
http://www.tanpoposya.net/main/index.php?id=336 *60名規模の会場。

6) パネリスト
木 村三浩さん(一水会代表)
康  煕奉さん(在日朝鮮社会科学者協会)
朴 炳 渉さん(竹島=独島問題研究ネット)

7)参加費(資料代含む):500円

8)協賛 週刊金曜日

9)主 催:平和力フォーラム
192-0992 東京都八王 子市宇津貫町1556 東京造形大学内
TEL 042-637-8872(直通)
E-mail:maeda@zokei.ac.jp

メキシコに大統領はいない、メキシコと全世界はペニャ・ニエトを認めない

メキシコに大統領はいない、メキシコと全世界はペニャ・ニエトを認めない
México No Tiene Presidente, repudio a Peña Nieto en México y el mundo
 
desInformémonos--Periodismo desde abajo 大統領就任式(12/1)当日の抗議行動(メキシコシティー)の模様を伝えるフォトルポルタージュ
Soy 132のFace book
 
日本語関連サイト
⇒「「メキシコには大統領がいない」...数千人就任反対デモ」(レイバーネット、チョン・ウニ記者)

2012年11月29日木曜日

島崎直美さんを国会へ

島崎直美さんを国会へ

みなさまへ
 私たちの友人である島崎直美さんが、衆議院選挙に北海道9区から、アイヌ民族党の公認候補として立候補することになりました。立候補を決めたのが、11月21日だということですから、ほんとうに大胆な、ある意味では無謀とも言える挑戦です。
 島崎さんはアイヌ女性として、長くアイヌ民族の権利回復や複合差別の問題に取り組み、踊りや唄などアイヌ文化の継承・発展にも力をいれてきました。
 私たちは、島崎さんの立候補はアイヌ民族の先住権確立のための大事なステップになると考えています。2008年6月に「アイヌ民族を先住民族とすることを求める国会決議」が可決されてから4年過ぎましたが、アイヌ民族の具体的な権利回復はなかなか進んでいません。島崎さんの立候補は、この状況を打開するためにも大きな意味を持つと思います。
 

 私たちは、島崎さんが所属する「アイヌ民族党」から要請されたのではなく、自分たちの気持ちとして「アイヌ女性として衆議院選挙に挑む島崎さんを応援しよう」と決めました、そして、この思いを同じくする人たちに選挙への応援をお願いすることにしました。投票はできなくても、支援の呼びかけや財政的サポートなどいろいろできることはあると思います。
 とにかく急な立候補だったので、お金も人手も全く足りていません。ほんとうに「準備不足」のままでスタートしています。ぜひみなさんのご協力をお願いします。何よりも資金が足りません。ほんとうに心苦しいのですが、皆さんからのご寄付をお願いします。
 島崎さんの個人後援会もできていないので、選挙資金のカンパは「アイヌ民族党」の郵便振替口座に振り込んでいただくことになります。その場合は「島崎選挙支援」と明記していただくようお願いします。
・郵便振替口座 口座番号 02780-3-46557
・加入者名 アイヌ民族党
 また選挙のお手伝いなどについては、アイヌ民族党事務局
TEL 01457-4-6033 FAX 01457-4-6035
info@ainu-org.jp  へお問い合わせください。
 
島崎直美さんを国会へ送る会(仮称)呼びかけ人
上村英明 弓野恵子 草梛高志 越田清和 
この件についてのお問い合わせは 
越田 090-7519-1731  koshida@jca.apc.org
--
越田清和
http://yaplog.jp/koshidakiyo/
http://www.facebook.com/kiyokazu.koshida

2012年11月25日日曜日

県出身研究者ら「琉球独立学会」設立へ(沖縄タイムス)

県出身研究者ら「琉球独立学会」設立へ(沖縄タイムス)
     
 沖縄の基地負担をなくして平和を実現するために、日本からの独立を追求しようと、大学教員ら県出身者が来年4月に「琉球独立総合研究学会」を新設することが分かった。松島泰勝・龍谷大学教授(49)と友知政樹・沖縄国際大学准教授(39)が23日、三重県津市で開かれた日本平和学会の集会で初めて発表した。2人は「独立を目指すことを前提に、円滑な達成方法や世界の事例を研究して実践につなげたい」と話す。

 すでに今月8日、発起人5人で準備会を立ち上げた。会合を重ね、来春までに学会の規約をまとめる。発起人の年齢は26~49歳と若く、ウチナーグチの教育普及に取り組む大学院生や雑誌編集者、子育て中の主婦が参加し、学会の運営方法や研究内容などを議論している。

 新学会では、国連の手続きにのっとって独立の是非を問うため、住民投票の実施を決めた米領グアムや仏領ニューカレドニアの事例に加え、地域政府が樹立された英スコットランドやスペイン・カタルーニャの独立運動の動向を学ぶ予定。沖縄独立後の統治体制や、基地に依存しない持続可能な経済発展のあり方も議論する計画だ。

 23日の研究集会で、太平洋諸島の脱植民地化を研究する松島教授は「オスプレイの強行配備をみても、日本国が琉球人を守ろうとしないことは明らか」「琉球の体制そのものを変えていかないと、私たちは未来永劫(えいごう)、非平和的な状況を受け入れざるを得ない」と、独立の必要性を強調した。

 オスプレイの訓練を阻止しようと米軍普天間飛行場周辺でたこ揚げを続ける友知准教授は、同じ集会で、独立学会の会員を「琉球人に限定する」と説明。「琉球人の定義を含め、自分たちで郷土のあり方を主体的に議論したい。日本と米国による暴力から琉球を解放するには、そうした過程が欠かせない」と語った。(新里健)


「批評する工房のパレット」内の関連ページ
⇒「基地と原発、振興開発と住民の〈自己決定権〉
⇒「RevolutionとDevolution
 

2012年11月18日日曜日

イスラエルのガザでの新たな殺戮を止めよう、今こそイスラエル・ボイコットを!

イスラエルのガザでの新たな殺戮を止めよう、今こそイスラエル・ボイコットを!
http://d.hatena.ne.jp/stop-sodastream/

抗議行動は、関東では今日(11/18)http://midan.exblog.jp/)、関西では21日に抗議行動があります。

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イスラエルによるガザ攻撃を許さない11・21緊急申入れ行動
(在神戸イスラエル名誉領事館/在大阪アメリカ領事館)

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イスラエルによるガザ攻撃の激化を受け、11月21日(水)、下記の要領にて抗議の申入れ行動を行います。多くの市民の参加をよろしくお願いします。
■午後4時45分~(約30分)
在神戸イスラエル名誉領事館(JR元町駅から北へ約5分)
神戸市中央区中山手通5-2-3扇都センタービル(兵庫県庁北向かい)
■午後6時半~(約1時間)在大阪アメリカ総領事館(地下鉄淀屋橋駅から北へ約5\分)
http://japanese.osaka.usconsulate.gov/map-contact.html

イスラエルによるガザ住民に対する新たな虐殺が始まっています。11月14日のイスラエル軍によるハマース幹部のアハマド・ジャバリ氏の暗殺以降、市街地への空爆によって、11名の子供を含む48名の住民が殺害され、450人が負傷しています。18日現在、イスラエルは地上準備を着々と進めています。

今回の攻撃が、選挙を前にしたイスラエル政府の周到に計画された作戦であることは、多くの識者が指摘していることです。しかし、日本のマスメディアは、あたかもガザからのロケット攻撃に原因があるかのような報道を行い、イスラエルの情報戦に加担してます。1400名の犠牲者を出した2008-9年のガザ侵攻の事態を繰り返させないためにも、国際世論による圧力が緊急に求められています。

イスラエルは、国際法を遵守し、直ちにガザ攻撃を中止しなければなりません。そして、人びとが普通の暮らしを送れるよう、ガザ地区の封鎖を解かなければなりません。西岸地区においては、和平への可能性を閉ざすイスラエル入植地拡大政策を即時停止し、不法に奪った土地と資源をパレスチナ人に返還しなければなりません。また、イスラエルは、国連決議で要求されているパレスチナ難民の帰還権を認めなければなりません。ガザ住民の7割は現イスラエル領から追放された難民とその子孫であり、ハマースが、イスラエル国家の存在を容認できない背景にもこの問題があります。彼らをいくら殺害しても、民族浄化の歴史事実と責任を消し去ることはできません。

以上の要求をイスラエル政府および彼らを支えるアメリカ政府に伝えたいと思います。また、出来る範囲で、プラカード等、各自用意していただければと思います。

呼びかけ団体(11月18日現在)
・パレスチナの平和を考える会
・ATTAC関西
・関西共同行動
・「ストップ!ソーダストリーム」キャンペーン
・アハリー・アラブ病院を支援する会
・占領に反対する芸術家たち

■連絡先:palestine-forum@gmail.com

兵庫県警の強制捜査に対する抗議声明: 「フィリピンの子どもたちの未来のための運動」(CFFC)


兵庫県警による強制捜査に対する抗議声明:
 「フィリピンの子どもたちの未来のための運動」(CFFC)
 
各位
さる2012年11月14日、私たち「フィリピンの子どもたちの未来のための運動」(CFFC)に関連して、兵庫県警による「旅行業法違反」を口実とした不当な強制捜査と「公務執行妨害」を理由とする逮捕が起こりました(経過は下記の抗議声明をご参照ください)。私たちは兵庫県警に厳重に抗議するとともに、皆さんに以下の点での協力をお願いします。

1.抗議声明への賛同をお願いします。抗議声明に賛同していただける個人・団体は下記メールアドレスかFAXまでお知らせください(あわせて公表の可否をお知らせください)。
(TEL/FAX)0774-48-1100   (Eメール) cffc_1989@yahoo.co.jp
 
2.ぜひ兵庫県警への抗議FAXを送ってください。添付の抗議声明にお名前をご記入のうえ、以下のFAX番号に送付をお願いします。
兵庫県警本部
住所 神戸市中央区下山手通5丁目4番1号
FAX 078-341-2110


私たちCFFCは市民の自発的な活動として、第三世界の貧困や抑圧に苦しむ人々を支援し、繋がっていこうと1989年に活動を開始しました。以降、ささやかながら、フィリピンの貧困地区の子どもたちへの支援や、自然災害の被災者への支援、また、日本のODAや企業進出によって土地を奪われたり環境やコミュニティや人権の破壊に直面している人々への支援に地道に取り組んできました。
今回の「旅行業法違反」容疑がどのような事実を対象としたものであるのかは、今のところ全く明らかにされていませんが、市民の国際的な交流・連帯の活動に対する妨害としか思えません。多くのNGOがスタディ・ツアーを実施していると思います。一般に広く募集をするものでなくても、会員の方々と共に、海外の支援事業の成果の確認や、支援対象国の状況を理解するために、現地を訪問することは重要な活動の柱であると思います。

市民の国際的な活動を監視し、自分たちが必要と思えばいつでも強制捜査を行なって、個人情報を含めて情報収集をするという警察の意図が透けて見える、違法・違憲の行為です。このような横暴を許すことはできません。ぜひ、多くの方が、この問題に関心を払い、出来る方法で抗議の意思を表明していただけるようお願いします。

2012年11月15日
フィリピンの子どもたちの未来のための運動(CFFC)
〒611-0031 京都府宇治市広野町西裏99-14 パール第1ビル3階
(TEL/FAX)0774-48-1100   (Eメール) cffc_1989@yahoo.co.jp


抗議声明
兵庫県警の不当な強制捜査・逮捕に抗議します。フィリピンの子どもたちの未来のための運動(CFFC)の連絡先である共同事務所に、2012年11月14日午前10時30分、兵庫県警の強制捜査が行なわれました。捜査令状によれば、「被疑者不詳、旅行業法違反の疑い」で、共同事務所のフロア全体を対象とする強制捜査でした。

CFFCのスタディ・ツアーが容疑の対象であるらしいことを捜査員が発言していますが、いつのどのような行為が旅行業法に違反しているのかを尋ねても、全く回答が無く、雲をつかむような話です。
さらに、この突然の強制捜査に対して抗議したAさんが公務執行妨害で逮捕される事態になりました。Aさんは、現在も兵庫県警本部で拘留されています。(11月15日段階で10日間の拘留決定がなされました)


どのような事実にもとづく容疑なのかも明らかにせず、突然の強制捜査で、共同事務所に踏み込んで、複数の団体や労働組合の日常業務を5時間以上に渡って妨害し、容疑の対象も明らかにしないで、事務所の全ての場所を捜索することが許されてよいものでしょうか。本当に、旅行業法に違反している疑いがあるなら、事情聴取をするなり、資料提供を求めるなりすれば良いことです。突然の強制捜査をする必要などどこにもありません。

この捜査自体が全く違法なものです。まして、このような違法な強制捜査に抗議したAさんを「公務執行妨害」で逮捕するなど決して許されることではありません。私たちは、兵庫県警の違法な捜査に強く抗議し、Aさんを直ちに釈放することを求めます。

2012年11月15日
フィリピンの子どもたちの未来のための運動(CFFC)

2012年11月17日土曜日

ただちに行動せよ! ガザ: 新たな集団虐殺

ただちに行動せよ! ガザ: 新たな集団虐殺
2012/11/14

 占領下パレスチナ、封鎖されたガザ発――イスラエルに対するアカデミック・ボイコットのためのパレスチナ人学生キャンペーン、大学教員連盟、および民主的一国家グループは、可能な限りもっとも激烈な言葉で、ガザ地区の無辜のパレスチナ人に対するイスラエルの犯罪的攻撃を弾劾する。
 過去6時間のあいだに、7歳のラナ・アラファトを含む7名以上が殺された。ひどい火傷をからだに負った子どもたちがシファー病院やガザ地区各地の設備も乏しい病院に続々と担ぎ込まれている。この極悪非道の犯罪は、バラク・オバマが大統領二期目に当選したその翌週から始まった。ガザのパレスチナ人を可能な限り多数、死滅させることに対してゴーサインが出たとテルアビブ[イスラエル政府]は主張する。

 ガザは2006年以来、イスラエルによる絶滅政策と破壊行為を耐え忍んできた。われわれはあらためて非難する、これら継続するイスラエルの犯罪を前に、国際社会が共謀して沈黙を守っていること、そしてアラブ諸国の無能さを。われわれは指摘しておく、いかなるアラブの国によっても、イスラエルに対して、何らの行動もこれまでとられたことはなかったことを。
 われわれが殺戮されているのを、アラブの春は傍観しているつもりなのか? 空疎な修辞はもう結構だ。非難の言葉はアクションへと翻訳されなければならない!

 われわれはまた、全市民社会の組織、政党に対し、イスラエル大使館をボイコットし、自らの政府にアパルトヘイト国家イスラエルとの外交関係を断絶させるよう、繰り返し要請する。今回、アパルトヘイト国家イスラエルが、ガザの無辜の市民に対するその犯罪から逃げおおせるなどということがあってはならない。学生、学者はすべて、パレスチナ人の学生や学生と連帯しなければならない。

 われわれは問う、国際社会が行動の必要性を得心するには、ガザの子どもたちの何十という遺体を前にしてもなお十分でないというのか? ガザで現在進行中の集団殺戮をやめさせることは、ひとえに市民社会と良心ある者たちの手に委ねられている。
 国際社会の無為無策がわれわれにこの事態を招いたのだ。
 ただちに、行動せよ、手遅れになる前に。

民主的一国家グループ
イスラエルに対するアカデミック・ボイコットのためのパレスチナ人学生キャンペーン
大学教員連盟

・・・
・イスラエルがガザ地上侵攻を準備か、7.5万人の予備役招集を承認(ロイター)

electronicintifada.net

2012年11月16日金曜日

福島セルフケア・レポート(NPO法人ライフケア 橋本俊彦)

福島セルフケア・レポート
NPO法人ライフケア 橋本俊彦

 昨年5月から、福島市、郡山市、二本松市、飯館村など福島県内11市町村を訪問し、セルフ・ケア講座と健康相談会を重ねてきた。原発事故後の過酷な状況において、とにかく現場に足を運ばなければ問題の解決策は見いだせない、と考えてのことだった。私たちが活用しているライフエネルギーテストでは、昨年6月の時点ですでに甲状腺、泌尿器系をはじめ各臓器にマイナス反応が出始めており、この傾向は現在も継続している。当然ながら、内部被曝の影響は否定できない。

 福島県内の講座や相談体制を充実させるために、今年9月、「NPO法人ライフケア」を立ち上げた。現在、県内7カ所において、健康相談会及び放射線対策講座を定期的に行なっている。
 「排泄と修復」をキーワードに、放射性物質を入れない、入った物は出す、そして免疫力を高める、この3点を対策の柱に据えて、操体法、内臓の手当て法、未精白の穀物と野菜、発酵食品をよく噛んで食べること、排泄力を高める薬草茶スギナ、ヨモギ,ドクダミ、ケツメイシ、黒煎り玄米などの摂取を勧めている。薬草はライフエネルギーテストで調べ、その人に合っているものを摂取できるようにしている。

 これまでの福島県立医大による健康調査・甲状腺検査に対して保護者はもちろん、住民の医療不信は高まるばかりである。世界各地の医療水準を見渡しても、たぶん福島は医療の最貧エリアの1つに数えられるだろう。原発事故を受けて、被曝の現実を受け止め、身体を守っていくために医療はなにができるのか。残念ながら現時点で、近代西洋医学に具体的な予防策は見当たらない
  一方、自然医学では食養生、漢方、鍼灸など、これまでの経験則に根ざした取り組みが、真に試される時期にきている。自らの手に医療を取りもどす行為とは、生活のなかで健康に生きていくための智慧を実践すること以外、道はありえないと考える。
 それを共に考え、提案できるかどうか、それが医療に求められている。

NPO法人ライフケア
963-7741
福島県田村郡三春町八島台6-8-4
黒電話0247-62-2126
 
主な事業
健康相談会
放射線対策講座
仮設住宅訪問
保養企画

『福島と生きる』メールマガジン創刊号

『福島と生きる』メールマガジン創刊号

『福島と生きる』メールマガジン創刊にあたって
――ひとりひとりができることをしよう


 3・11から一年半が経過した2012年9月、原発災害の「風化」が早くも語られる中、私たちは『福島と生きる--国際NGOと市民運動の新たな挑戦』を新評論から刊行しました(http://www.shinhyoron.co.jp/blog/3137.html)。
 原発事故が福島の人々にどのような苦悩と苦境をもたらしたのかを知り、福島のさまざまな声に耳を傾け、この苦難をともに乗り越えるために、NGOや市民運動、ひとりひとりの個人に何ができるかを考えよう――それがこの本のメッセージです。
 これからも息長く〈福島〉とつながり続ける一助として、同書の共編者で『福島と生きる』メールマガジンを刊行します。『福島と生きる』の共同執筆者である団体や個人の活動や関連情報を発信していきます。お知り合いにも広めていただければ幸いです(転送歓迎)。

中野憲志・藤岡美恵子(『福島と生きる--国際NGOと市民運動の新たな挑戦』共編者)

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『福島と生きる』メールマガジン創刊号
2012年11月15日発行(不定期刊/発行人=中野憲志・藤岡美恵子)
◆イベント情報
◆ 『福島と生きる』出版記念イベント開催
◆ 『福島と生きる』書評

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◆イベント情報
(イベント情報は変更されることもあります。必ず主催者サイトでご確認下さい)

1.11月17日(土)13:00-18:00(相模原市・藤の芸術の家クリエーションホール)
  「311から未来へ―見て聞いて味わうライブ講演」
   ※橋本俊彦さんが「自然医学放射線防護情報室からの福島セルフケアレポート」と題して講演します。
   ※世界ヒバクシャ展(写真展)も同時開催。同じイベントが12月8日、
埼玉県・小川町でも開催されます。
   詳細・申込→イベントサイト

2.11月18日(日)14:00~16:30(福島市・チェンバ大町)
  11月22日(木)18:00~19:50(東京・参議院議員会館 B107)
  「チェルノブイリから学ぶ~ウクライナの子どもたちは今」
  ※FoE Japanが共催するイベントです。
  ※講師は「チェルノブイリ被害調査・救援」女性ネットワークの吉田由布子さん。
  詳細→FoE Japanイベントサイト

3.11月23日(金・祝)9:00-17:00(東京・カトリック世田谷教会)
  「下北沢あおぞらマルシェ Vol.3」
  ※あぶくま高原・遊雲の里ファームの菅野瑞穂さん(ブログ)が新米の試食会、杵つきもち、棚田米の販売をします。
  詳細→下北沢あおぞらマルシェ Vol.3

4.11月24日(土)13:30-16:30(福島市・コラッセふくしま)
  「フクシマ・アクション・プロジェクト結成集会」
  ※国際原子力機関(IAEA)が福島県に事務所を設置して、被曝と除染の研究拠点にすると発表。12/15-17には日本政府との共催で「原子力安全に関する福島閣僚会議」を開催するとの動きを受け、福島の人々がアクションに立ち上がります!原発いらない福島の女たちも参加を呼びかけています。
 詳細→原発いらない福島の女たち

5.11月29日(木)19:00- (東京・たんぽぽ舎)
  「チェルノブイリ原発視察&民間交流ツアーを終えて」
  ※原発いらない福島の女たちの黒田節子さんが視察報告をします。
  詳細→たんぽぽ舎

  
6.11月30日(金)16:25-17:55(明治学院大学白金校舎2101教室)
  「明治学院大学平和学講座―原発危機の分断を越えて」第9回
  ※子どもたちを放射能から守る福島ネットワークの吉野裕之さんが「放射能から子ども達を守るネットワーク」と題して講義します。
  ※一般聴講もできます(予約不要)。
  ※共著者の一人、猪瀬浩平さんがコーディネータを務める授業です。
  詳細→講座「原発危機の分断を越えて」

7.11月30日(金)19:30~21:00 (東京・JVC事務所)
  「シリーズ南相馬第1回 思いをつなげる、人をつなげる。」
  ※JVCの谷山由子さん・谷山博史さんが南相馬でのJVCの活動報告を行います。
  詳細→JVCイベントサイト 

◆ 『福島と生きる』出版記念イベント開催
  『福島と生きる』出版記念イベントを10月8日に東京で、11月4日に福島市で開催しました。東京のイベントには共同執筆者の国際NGO4団体(JVC、シャプラニール、FoE Japan、JANIC)が登壇し、これまでの支援活動を振り返り、福島支援の今後の課題を議論しました。福島の状況を伝え分断を乗り越えるために、人と人が直接出会う中で学び、考えること、「人がメディアになる」ことが重要だとの指摘がありました。

 11月4日の福島市でのイベントでは、福島の4団体(子どもたちを放射能から守る福島ネットワーク、原発いらない福島の女たち、自然医学放射能防護情報室(現NPO法人ライフケア)、あぶくま高原・遊雲の里ファーム)とJVC、シャプラニール、JANICが報告。福島の現状を学びに来たという一橋大学の学生グループをはじめ、東京、宮城、山形、栃木など遠方からも多くの人が参加しました。各団体の報告と質疑応答の後は懇親会とネットワーキングが行われました。 両イベントの当日資料と報告は後日、新評論のウェブサイトに掲載予定です。

◆ 『福島と生きる』書評
 書評が11月4日付の京都新聞、河北新報と『THE BIG ISSUE』202号(2012年11月1日号)に掲載されました。

2012年10月30日火曜日

防災指針に関する原子力規制委員会に対する要請文

防災指針に関する原子力規制委員会に対する要請文

原子力規制委員会委員長 田中俊一 様、委員各位
 審議開始から約1ヶ月、原子力災害対策指針(防災指針)の素案公表(10月24日)からわずか1週間で、10月末に指針策定はあまりにも性急すぎます。再稼働準備のために急いでいるとしか思えません。
 現在の指針には、被災者支援も一般市民の声も反映されていません。実際に事故が生じた場合は広く国民に影響が及ぶのにもかかわらず、パブコメも行われません。現行のあまりに高すぎる20mSv基準をもととした避難政策の検証・見直しが行われていないなど、多くの問題点が残されています。
 核物質の拡散シミュレーションでは、IAEAの、7日間に100mSvという異常に高い値が使われていますが、実際に福島原発事故後、政府が避難指示を行ったのは年20mSvを超える区域でした。これを踏まえシミュレーションをやり直すべきです。よって、私たちは以下を要請します。

要請事項
1.福島原発事故時の防災・避難の実態を踏まえ、自治体・市民も含めて十分に議論して下さい。

2.避難者、被災者からのヒアリングを行ってください。また、パブリックコメントにかけて下さい。

3.30kmの重点防災対策区域(UPZ)は狭すぎます。見直してください。

4.年20mSv基準を撤回し、より厳しい避難基準を設定してください。避難政策を検証の上、避難政策を見直してください。
 福島原発事故後、避難指示の遅れにより、多くの住民が無用の被ばくを強いられました。賠償もないままの避難を強いられた方々がたくさんいます。

5.核物質拡散シミュレーションでの7日間100mSvは異常に高い値です。実際に福島原発事故後、
最終的には年20mSvを基準に政府の避難指示が出されました。この現実を踏まえ、もっと低い値でシミュレーションをやり直すべきです。

☆自治体にも言おう!☆
全国原発立地自治体首長様 近隣県首長様
原発事故から住民を守るため、原子力規制委員会に上記を申し入れてください。

◆要請の理由◆
現在、防災指針(原子力災害対策指針)が急ピッチで策定されています。30km圏内の自治体は、
この原子力災害対策指針に基づいて、年度内に原発事故防災計画を策定することとなっています。しかし、現在の防災指針は下記の点で大問題です。

1.審議開始から約1ヶ月、防災指針
(原子力災害対策指針)の素案公表(10月24日)からわずか1週間で、10月末に指針策定はあまりにも性急すぎます。

2.指針策定前に、福島原発事故の避難者、被災者からヒアリングを行うべきです。

3.自治体、市民も含めて十分な議論を行うべきです。
 パブリックコメントも実施すべきです。冬の積雪の中で避難ができるのか等々、十分な議論が必要です。自治体首長からも多くの戸惑いの声が出されています。新潟県知事は「シミュレーションの前提や考え方を確認する必要がある。原子力規制委員会の委員には、住民の命と暮らしを守るという考えが欠けている」と述べています。

4.「指針の素案」のいくつかの問題点
(1)30kmの重点防災対策区域(UPZ)は狭すぎます。福島原発事故では60km離れた飯舘村も避難区域となりました。原子力規制委員会が公表した被ばくシミュレーションでさえも、30km超えても7日間で100mSvに達する地点があります。30kmに限ったUPZとの整合性はどうなるのでしょうか。

(2)現在と同様に年20mSvの避難基準を導入しようとしていますが、より厳しい基準を設定すべきです。福島原発事故では、この基準によって、多くの人々が無用の被ばくを強いられました。

(3)避難のためにあらかじめ定める基準(EALやOIL)がIAEA基準を基に7日間100mSvと高い数値に設定される可能性があります。スピーディーの活用、30km外のプルームによる被ばく対策等々、重要な課題は先送りにされています。

(4)避難に伴う補償や「避難の権利」などについて何も考慮されていません。

5.7日間100mSv
 10月24日に公表された被ばくシミュレーションは、風向きを平均化するなど被ばく量の過小評価につながります。さらにIAEAの7日間で100mSvという異常に高い値に達する地点のみしか公表していません。
 実際に避難指示が出されたのは、最終的には年20mSv以上の区域です。この避難指示の遅れにより、多くの住民に無用の被ばくが強いられました。7日間100mSvの被ばく量のみのシミュレーションではなく、もっと低い値でのシミュレーションを公開すべきです。
署名 一次締め切り:10月30日正午

⇒ 署名フォーム
https://fs222.formasp.jp/k282/form1/
⇒団体賛同はこちら
https://pro.form-mailer.jp/fms/93e6d83635090

呼びかけ団体
国際環境NGO FoE Japan
福島老朽原発を考える会
原発を考える品川の女たち
グリーン・アクション
美浜・大飯・高浜原発に反対する大阪の会(美浜の会)
経産省前テントひろば
福島原発事故緊急会議
再稼働反対!全国アクション

※問い合わせ※
・国際環境NGO FoE Japan  tel: 03-6907-7217
fax: 03-6907-7219
担当:満田夏花(みつた・かんな)  090-6142-1807
・福島老朽原発を考える会(フクロウの会)
東京都新宿区神楽坂2-19 銀鈴会館405 共同事務所AIR
TEL/FAX 03-5225-7214 
阪上 武 090-8116-7155

2012年10月10日水曜日

イスラーム社会のNGO~その多様性と実践に学ぶ(10/27)

【〈NGOと社会〉の会 2012年連続シンポジウム】
■第2回■ イスラーム社会の変革の胎動とNGO
~「イスラーム的価値」の社会的実践から学ぶ~


 かたくなな主義の主張と暴力、そして圧政と人権侵害・・・。
 欧米諸国や日本におけるイスラームやムスリム(イスラーム教徒)をめぐる言説は、これらの否定的なイメージに彩られています。そして、国際社会の介入・援助による「改革と民主化」が、不可避であるとの思考法に私たちはとらわれているのではないでしょうか。 しかし、こうした偏った情報への接し方や思考法によって私たちの眼から遠ざけられているものがあります。その一つが、イスラーム圏において国際的なネットワークを構築しながら、平和・開発・人権・人道支援などの分野で活動するムスリムの非政府系組織(NGO)の存在です。

 イスラーム社会の中でNGOは、今、どのような社会的役割を果たしているのか?
 また「イスラーム的価値」はその活動にどのように活かされているのか?
 そして非イスラーム圏に生きる私たちは、こうしたイスラーム社会のNGOやその活動から何を学ぶことができるのか?
 これらの問いは、さらにイスラーム世界に対する日本の「援助」政策の再考を迫る問いへと発展します。イスラーム社会を対象にした欧米や日本の政府開発援助(ODA)は、これまでイスラーム社会の市民組織やNGOにどれだけ目を向けてきたのか、また平和を求め、異文化との共生を志向する「イスラーム的価値」の広がりにどの程度貢献、あるいは阻害してきたのか?

 〈NGOと社会〉の会では、これらの問いを考えるヒントを探るものとして6月の第1回シンポジウムに引き続き、法政大学国際文化学部との共催の下、第2回シンポジウムを開催します。 ぜひ、ご参加ください。

□日時: 10月27日(土) 午後2時~5時半
□場所: 法政大学市ヶ谷キャンパス(JR/地下鉄 飯田橋駅下車)
      58年館5階 856教室(正門を入って正面の建物、左側入口)
地図 https://www.hosei.ac.jp/gaiyo/campus/ichigaya/ichigaya.html

□発題:
・「イスラーム社会における「市民社会」の台頭:その特徴とパレスチナ問題への影響
  イヤース・サリーム(パレスチナ・ガザ地区出身。同志社大学大学院博士  課程/元中部大学講師)(英日通訳あり)
・「イスラーム的慈善制度とは何か
  子島進(東洋大学教員)
・「ムスリムのNGOに日本のNGOができること
  長谷部貴俊(日本国際ボランティアセンター[JVC] 事務局長)

□参加費: 500円(資料代込/法政大学・大学院学生は無料)
□司会:  中野憲志(先住民族・第四世界研究)

※全体討論では、「テロとの戦い」と「国際協力」をキーワードに、イスラーム社会に対する日本の援助政策の在り方を見つめ直します。

【共催】 の会・法政大学国際文化学部
【連絡先】 ㈱新評論編集部・〈NGOと社会〉の会事務局
Tel.03-3202-7391/Fax. 03-3202-5832

【講演者紹介】
イヤース・サリーム
パレスチナ・ガザ地区出身。国際援助ワーカーとして10年以上の経験を持つ。現在、トルコを中心としたイスラーム社会におけるNGOの研究を行っている。
子島進(ねじま すすむ)
文化人類学、南アジア地域研究、イスラームと開発をめぐる問題を中心に研究。イスラーム的な価値観に根ざしたNGO活動に関心をもつ。東洋大学准教授。著書に『現代パキスタン分析―民族・国民・国家』(岩波書店、2004年。共著)など。
長谷部貴俊(はせべ たかとし)
日本国際ボランティアセンター(JVC)事務局長。最近までアフガニスタン現地代表。日本アフガンNGOネットワーク調整員も兼務し、現地での事業運営と政府への提言活動などを行ってきた。

・・・
(第1回の報告と第2回のパネリストによる寄稿は、の会ニューズレター第9号をご覧ください。→http://www.shinhyoron.co.jp/blog/wp-content/uploads/2012/09/NL9rev.pdf

福島の再生・復興のために、いま何が問われているか

福島の再生・復興のために、いま何が問われているか

3・11から一年半を経てもなお、
福島の再生・復興、そして福島第一原発の「事故収束」の展望は何も見えていません
放射能汚染が広がる中、健康被害の実態さえ把握されていません
福島から避難した人、福島に残る人々への生活支援や賠償も進んでいません
 
解散・総選挙に向けた政局にメディアの関心が集中する中で、
福島の人々が直面するこうした問題が見過ごされ
解決が先送りにされています
 
福島の再生・復興、そしてこれからの支援活動に問われていることは何か?
それぞれの団体の活動の報告と経験の交流を通じて考えます。ぜひ、ご参加ください
11月4日(日)午後1時~5時 
ふくしまNGO協働スペース
(福島市栄町6-5 南條ビルA館3F/福島駅東口正面(グリーンホテル隣)

□第1部 福島の各団体の発言

吉野裕之(放射能から子どもを守る福島ネットワーク)
 「気持を結ぶ~保養プログラム」
黒田節子(原発いらない福島の女たち)
 「これまでの女たちのアクションをふりかえって」

橋本俊彦(自然医学放射線防護情報室、9月よりNPO法人ライフケアに改称)
 「健康相談会の現場から~大災害を生き延びる智慧~」
菅野瑞穂(あぶくま高原遊雲の里ファーム)
 「人とつながる農業再生を目指して~福島の大地を笑顔に!~」

□第2部 支援NGOの活動紹介と今後に向けた全体討論

シャプラニール、日本国際ボランティアセンター(JVC)
国際協力NGOセンター(JANIC)、環境NGO FoE Japan〈予定〉

■主催:〈NGOと社会〉の会 
■参加費:500円(予約不要)

■問い合わせ: ㈱新評論編集部内
〈NGOと社会〉の会事務局
Tel.03-3202-7391/Fax.03-3202-5832

「栃木県北地域と『隠れた被災者』 ―市民による除染と子どもの安全のための活動を事例として―」

「栃木県北地域と『隠れた被災者』 ―市民による除染と子どもの安全のための活動を事例として―」
■日時:2012年10月13日(土)13:00~17:00(入場無料・事前予約不要)
■場所:宇都宮大学峰キャンパス 基盤教育B棟1223教室

■プログラム
13:00~ 第一部 栃木県北地域の現状報告
砦の住民活動と除染の実際 」 
報告者:大笹貴靖(「NPO法人 那須希望の砦」事務局長)
「子どもを取り巻く放射能汚染問題と市民による防護活動」
報告者:手塚真子(「那須塩原放射能から子どもを守る会」代表)
      瀧アケミ(同副代表)
「県北地域 震災を受けての乳幼児保護者アンケート」結果報告
報告者:清水奈名子(宇都宮大学国際学部准教授)

第二部 コメントとパネル・ディスカッション
隠れた被災者」への支援とその課題」 
 パネリスト:大笹貴靖、手塚真子、瀧アケミ、清水奈名子
 コメンテーター:原口弥生(茨城大学准教授・FnnnP茨城拠点長・茨城大学有志の会メンバー)          
高橋基樹(神戸大学教授・国際開発学会理事/前副会長)
司会:重田康博(宇都宮大学国際学部教授・FSP代表・国際開発学会研究部会代表
チラシはこちらです
 http://www.utsunomiya-u.ac.jp/docs/fsp報告会.pdf

3.11東日本大震災から1年半が経過しようとしていますが、いまだに多くの被災者が困難な状況にあり、不安を抱えた生活を続けています。今回は特に、栃木県北部の「隠れた被災者」問題に焦点を当て、前半は県北地域の放射能汚染問題に関する現状報告を、そして後半では「隠れた被災者」への支援の在り方をめぐる議論を行う予定です。

福島第一原子力発電所事故によって放出された大量の放射性物質は、県境を越えて福島県以外にも飛散・沈着したにもかかわらず、栃木県北部地域をはじめ、近隣県の被災状況やその住民の方々の生活上の問題については、いまだに十分な調査や議論がなされていないのが現状です。

本企画では、栃木県北部で放射線量の計測や除染、また子どもの防護のための活動をしている住民の方々からの活動報告を受けるとともに、FSPの活動として7月に実施した県北地域の乳幼児の保護者アンケートの結果を報告し、現状の分析と今後の課題について議論を行います。 今回は国際開発学会「原発震災から開発・発展を再考する」研究部会との合同報告会となります。詳細はチラシをご覧ください。皆様お誘い合わせのうえ、一人でも多くの方にご来場いただければ幸いです。

2012年10月1日月曜日

「あきらめないぞ! オスプレイ配備阻止」

「あきらめないぞ! オスプレイ配備阻止」

⇒生中継サイト
 http://www.ustwrap.info/multi/iwj-okinawa1::iwj-okinawa2::iwj-okinawa3
⇒OAM(沖縄オルタナティブメディア)
http://www.ustream.tv/channel/okinawa-alternative-media-0#utm_campaign=t.co&utm_source=4776410&utm_medium=social

・・
田場祥子です。
 普天間ゲート前で頑張っている仲間からの連絡です。
 普天間の3つのゲート前で沖縄の市民が座り込みを続けています。足蹴にされたリして暴力を受けていますが皆さん頑張っています。

Sent: Sunday, September 30, 2012 7:10 PM
Subject: 野嵩ゲート 合意してない
 背中のゲートにMP、遠巻きに見る米兵。土手の上に警察、夕闇紛れて右翼の姿チラホラ。国道330は道路通行規制も始まり、レッカー車が待機しています。沖縄の民主主義が懸けられた幾度となく繰り返された瞬間を、みんなで座って待っています。警棒も来ました。

Sent: Sunday, September 30, 2012 3:04 PM
Subject: あきらめないぞ!
 子ども達も来て穏やかな午後が、機動隊の強引な介入によってこなごな毀されました。子どもの見ている前で、さっきまで楽しく話していた大人達は、引きちぎられ、足蹴りされ、気を失うほどの暴力に晒されました。車内に籠城した女性の歌声に応えて、「ひとりじゃないぞ、仲間がいるぞ」と叫び声があがり、一緒に歌う人もいました。大丈夫、現場にはちっとも挫折感はありません。わたしたちはあきらめません。
Sent: Sunday, September 30, 2012 1:48 PM
 大山ゲートでは、車の外の人間を引きずり剥がし、車内に人を乗せたまま強引なレッカー始めました。抗議を、警察に集中して下さい。法的根拠のない暴挙です。

Sent: Sunday, September 30, 2012 12:12 PM
Subject: 普天間ゲート前 解放区へ結集を!
 風も穏やかに心地良く、大山ゲートからは鮮やかな東シナ海の広がりが見えます。高校生や子ども達、海外の取材班が集まり、真夜中の緊張がほぐれて来ました。国会議員や県議会議員たちも訪れ始めました。しかし米軍は、明日までの排除を日本に求めているはずです。できるならいま。夕方から明日明け方までが一つの大きな山場となります。現場で維持している人たちは、台風前からゲート前で徹夜を続け疲れ切っています。現場への結集をお願いします。67年ぶりに市民が取り戻した基地ゲート前の解放区の維持に参加してください。

・・・
普天間飛行場ゲート:悲鳴 怒号 強制排除‏(沖縄タイムス)
・オスプレイ:「反対無視、許せぬ」 普天間、岩国で抗議(毎日)

2012年9月30日日曜日

大間原発の建設断念を強く求める

大間原発の建設断念を強く求める

 内閣総理大臣 野田佳彦 様
 経済産業大臣 枝野幸男 様
 電源開発(株)社長 北村雅良 様

 新聞報道によると、「電源開発(東京)は9月28日、建設が中断している大間原発(青森県大間町)について年内に工事を再開する方針を固めた」とされている。私たちは、電源開発に対して、大間原発の工事再開に反対し、建設を断念することを強く求める。

 また9月15日に枝野経済産業大臣が「既に設置許可を与えている原発について、 これを変更することは考えていない。」と述べ、それを追認するかたちで、建設再開を政府として支持する旨の考えを表明した野田政権に対しても、大間原発の建設再開容認を取り消すことを求める。

 大間原発の建設再開は、日本社会の多数派となった脱原発を求める声を無視し、ふみつぶそうとするものだ。同時に、政府が決めた「2030年代の原発ゼロ」をめざす「革新的エネルギー・環境戦略」を政府自らが踏みにじる行為である。私たちは、日本政府と電源開発が一体となって進めるデタラメな大間原発建設を絶対に認めない。原発なしでも電力が足りることは、この夏に証明されており、大間原発を建設する理由は、何もないのである。

 しかも大間原発は、商業用では世界で初めてのMOX燃料を全炉心で使用する、きわめて危険性の高い原発であり、もし稼働したら、青森県や北海道に放射能が放出され基幹産業である漁業や農業の一次産業などに被害を与えることになる。事故が起これば、その被害の大きさがどれほどになるか想像もつかない。まして大間の前沖に複数の活断層がある可能性も指摘されているのだから、建設そのものが間違っている。

 大間町では6月に全国から130人が集まり、30年ぶりの反原発デモが行なわれた。これまで反対の声を出せなかった地元でも不安の声が広がっている。建設予定地から23キロしか離れていない対岸の函館市では、9月25日、市議会で大間原発の無期限凍結を求める決議案を全会一致で可決した。「大間原発はいらない」という声は広がっている。電源開発は、こうした声に耳をかたむけ、大間原発建設から撤退すべきである。

 日本政府は、「原発の新増設は行わない」という方針を守り、大間原発の建設再開容認を撤回すべきである。
 大間原発建設を断念することを、重ねて強く求める。

呼びかけ団体
大間原発訴訟の会 
SHUT泊 STOP!原発 北海道 
ほっかいどうピースネット 
 脱原発をめざす女たちの会北海 
市民自治を創る会

(この件についてのお問い合わせは
越田 090-7519-1731 koshida@jca.apc.org まで。
http://yaplog.jp/koshidakiyo/
http://www.facebook.com/kiyokazu.koshida

沖縄平和市民連絡会からのメッセージ

沖縄平和市民連絡会からのメッセージ

  みなさまへ
 台風で、やっとメールをする時間ができました。ただ、 台風の中でも普天間野嵩ゲート(第3ゲート)の 封鎖をしている宣伝カー2台を防衛するために 頑張っている仲間から、米兵(十数名)がゲートを開けて迫ってきているとの緊急連絡があって、応援の緊急連絡を 始めたところに、直ぐまた、連絡が入って米兵はプラスチック製のブロック(中に水を入れて使用する)をかたづけて帰ったとの連絡が入り緊張が解けたところです。
 なお、「野嵩ゲートへ集合」と言っても外は猛烈な暴風(今年一番の強い風)が吹き荒れて身動きが取れない状況です。交代要員をよこせとの声もありますが、非情ではありますが「風が収まるまで待ってくれ」としか言えない状況です。

 ところで、沖縄の反基地闘争はこの「オスプレイ沖縄配備反対闘争」で新たな段階に入りました。特にここ十数年の「辺野古新基地建設阻止闘争」 「高江ヘリパッド(オスプレイパッド)建設阻止闘争」の帰趨を決める結節点の闘いとして、この「オスプレイ沖縄配備阻止闘争」はあると言えます。

 日米両政府(特に日本政府)が在日米軍再編が沖縄県民の辺野古新基地建設阻止闘争で糞詰まり状況にあるのを突破せんとしての窮余の戦術(世界一危険な基地に欠陥機オスプレイを配備し、より危険性を高めて、沖縄県民に県内移設(辺野古移設)を飲ますとの思惑= 県民世論の分断)は、逆に世界一危険な普天間基地を閉鎖(封殺)する沖縄県民の闘いでボロボロになるであろ う。
 否、ボロボロにしなくてはなりません。つまり、普天間基地のゲート封鎖等の普天間基地閉鎖の戦術→オスプレイ配備阻止→高江のオスプレイ建設阻止→辺野古新基地建設阻止につながり、串差しになる構図にあります。

 全ての民主的手法(間接民主主義と直接民主主義)を尽くしての「オスプレイ配備反対」の沖縄県民の総意を鼻であしらい、愚弄する日本政府官僚・防衛族等に対しての県民の怒りは頂点に達しています。全ての知恵と力を結集して普天間基地の閉鎖に向かいましょう。
 まずはゲートの閉鎖に向かいましょう(普天間基地の一番の弱点は、兵士を含めて維持する人が全て通勤であることです。それゆえに7時~8時の通勤時間にゲートが閉まれば大混乱します)。(←出勤は6時半から。辺野古浜通信)
戦術なき戦略は単なるホラでしかありません。普天間基地のゲート閉鎖に結集しよう!がスローガンです。

 今、普天間野嵩ゲートにおいて、県民大会実行委員会が7時~8時まで早朝の集会が開催されています。そこに集まった多くの政治家(超党派の議員、首長、)の皆はほとんどが議会開会中との事情もあり、直ぐ帰られますが、その後を受けて、平和運動センター、平和市民連絡会、普天間爆音、嘉手納爆音(各支部で輪番を組んで参加しています)などがゲート封鎖に立ち上がっています。その主力は高齢者(?)です
 金武湾まもる会で闘った人、反戦地主会で闘っている人、公害環境問題で闘っている人、辺野古の海上闘争で闘った人、高江で闘っている人、読谷で飛行場返還闘争を闘った人、恩納村で米軍の都市型訓練施設建設反対を闘った人、本部の自衛隊基地P3C通信基地を闘った人、中部地区労で闘った人たちの顔が見えます。

 その代表格の一人が山内徳信参院議員です(山内さんは読谷村長時代の読谷補助飛行場の返還闘争でタイヤを燃やしたり等あらゆる戦術を駆使して勝利した経験の持ち主、戦略・戦術家)。山内さんは3日間連続で参加され闘いを指導されています。この3日間の闘いの先端を切り開いた初日の闘いが私たちの周辺の高齢者でした。そして、2日目以降は出張から帰ってきた平和運動センターの事務局長の山城博治氏が頑張っています。三日間の詳しい闘いの内容は不十分ですが沖縄の沖縄タイムス、琉球新報の両紙参考にしてください。

 この闘いで、目立つことは日本政府の意向を受けた沖縄県警の動きです。初日から県警機動隊を導入して座りこみを排除しています。初日は確認していませんが2日目(9/27)は大型車3台を含む8台の車両、3日目(9/28)は大型車6台を含む12台に増やし県警機動隊を増強していました。そして全ての指揮・判断は現場ではなく県警本部から行って、容赦なく座りこみの住民を襲わせています(まるで、アメリカの無線機が住民を爆撃するかの如く)。 お陰で、この闘いで2人が肋骨にヒビが入るケガを負わさせられ、一人が卒倒して救急車で運ばれています。しかし、肋骨ヒビの2人はコルセットをしながら行動に参加する元気さではあります。今後の闘いについては、台風が通過し風が収まり次第大山ゲート(第1ゲート)に集合することにしています。

 日本政府と米軍も台風が収まり次第普天間へオスプレイの飛来を行おうとしています。呼びかけ合って、ゲート封鎖行動にご参加してください。なお、座りこみができない方でも周辺で警察に抗議をすることはできますので、ご参加下さい。 市民の大結集が一番の力です。

・・・
⇒「基地ゲートの座り込み」(琉球朝日放送)
IWJ沖縄 マルチチャンネル
普天間3ゲート、車で封鎖 米兵、市民引っ張る(琉球新報)
普天間ゲート封鎖 法の隙間突く(沖縄タイムス)

2012年9月29日土曜日

10/8 「福島と生きる -再生・復興にいま必要なこと」 ―『福島と生きる』出版記念企画

10/8 「福島と生きる -再生・復興にいま必要なこと」 ―『福島と生きる』出版記念企画

 3・11から一年半を経てもなお、福島の再生・復興、そして福島第一原発の「事故収束」の展望は何も見えていません。
 放射能汚染が広がる中、健康被害の実態さえ把握されていません。福島から避難した人、福島に残る人々への生活支援や賠償も進んでいません。
解散・総選挙に向けた政局にメディアの関心が集中する中で、福島の人々が直面するこうした問題が見過ごされ、解決が先送りにされています。

 福島の再生・復興、そしてこれからの支援活動に問われていることは何か?
 それぞれの団体の活動報告と経験の交流を通じて考えます。ぜひご参加ください。
※本企画は、『福島と生きる―国際NGOと市民運動の新たな挑戦』の出版記念イベントです

【東京企画】 
「いま福島で何が起きているか、これからの福島支援で問われるもの」

■日時
2012年10月8日(月・祝) 14:30~17:00
■場所
早稲田奉仕園アバコビル6F スカイラウンジ  
(東京都新宿区西早稲田2-3-18/地下鉄東西線・早稲田駅 徒歩5分)

■内容
①各団体の活動報告とディスカッション
②参加者を交えた意見交換

■スピーカー:
南相馬での復興FM・仮設支援活動の今後
  ・・・谷山由子(日本国際ボランティアセンター)
いわき市における被災者の現状と支援活動のこれから
  ・・・小松豊明(シャプラニール)
被災者支援の確立に向けて: 原発事故子ども・被災者支援法を中心に
  ・・・渡辺瑛莉(FoE Japan)
国際協力NGOネットワークとしてのJANICの福島支援: 現状と今後の課題
  ・・・竹内俊之(国際協力NGOセンター) 
■コーディネータ: 中野憲志・藤岡美恵子
■参加費 500円(予約不要)
■主催 〈NGOと社会〉の会
■問合せ ㈱新評論編集部・〈NGOと社会〉の会事務局
Tel. 03-3202-7391/Fax. 03-3202-5832

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【福島企画 11/4】
「福島の再生・復興のためにいま何が問われているか」

■日時:11月4日(日)午後1時~5時
■場所:ふくしまNGO協働スペース
福島県福島市栄町6-5 南條ビルA館3F/福島駅東口正面

■内容:
第1部 福島の各団体の発言
吉野裕之(放射能から子どもを守る福島ネットワーク)
橋本俊彦(自然医学放射線防護情報室、9月よりNPO法人ライフケアに改称)
黒田節子(原発いらない福島の女たち)
菅野瑞穂(あぶくま高原遊雲の里ファーム)

第2部 各NGOの活動紹介と今後に向けた全体討論
(シャプラニール、JANIC、JVC、FoE Japan〈予定〉)

2012年9月26日水曜日

『福島と生きる 国際NGOと市民運動の新たな挑戦』(目次)

福島と生きる 国際NGOと市民運動の新たな挑戦』 (目次)

はじめに…………藤岡美恵子 
題字に寄せて……山田久仁子

Ⅰ 福島の声

1 ふくしまを生きる  吉野裕之
震災の起きるまで /震災が起きてから /市民グループの自然発生的な発足 /行政の対応とその課題 /市民活動という可能性 /表現にまで還元する /おわりに

2 福島に生きる  黒田節子
福島集団疎開裁判 /福島原発告訴団 /「原発いらない福島の女たち」のアクションとこれから /最後に

3 大災害を生きていくために  橋本俊彦
健康相談を始めるまで /自然療法による手当て法 /数値だけではわからないこと /現場を見据える /大災害を生きのびる智慧 /最後に

4 原発のない、住民主体の復興と農の再生をめざして  菅野正寿(インタビュー)
一 すべてを変えた三・一一 
原発と真の地域づくり /原発事故─混乱と不安の中で
二 農家に負担を押し付ける作付制限 
やはり種を播こう、耕そう /国と東電の責任
三 放射能汚染との格闘 
きめ細かな放射線量調査 /再生の光─土がセシウムを吸着する
四 食品の放射線量の基準について 
みなで問題を乗り越えていく 
五 住民主体の復興をめざして 

Ⅱ 福島とともに

5 福島支援と脱原発の取り組み  満田夏花
はじめに 
一 なぜ、FoEJapanが原発に取り組むのか? 
三・一一後の忘れえぬ日々─「いま何をなすべきか」徹底議論 /「素人に何がわかる」への葛藤
二 二〇ミリシーベルト撤回運動 
ある日の文科省前 /文科省「二〇ミリシーベルト」の衝撃 /高まる批判の声 /五月二日、政府交渉での攻防 /五月二三日文科省前要請行動と文科省「一ミリシーベルト」通知 
三 「避難の権利」確立に向けて 
避難の権利とは? /避難したくてもできない、福島の実情 /避難区域設定の問題点 /福島の声をきけ! /正当な賠償を求める市民運動 /原発事故の被災者生活支援の法制化の動き 
四 「渡利の子どもたちを守れ」─避難問題の最前線の状況 
面的に広がる高い放射線量 /効果を発揮しない除染 /市民団体による調査 /立ち上がった住民たち /「わたり土湯ぽかぽかプロジェクト」 
五 原発輸出─ベトナムで見たものとは 
六 何を得たか、発見と出会い─日本の市民運動の担い手たち 
おわりに 

6 自分の生き方の問題  原田麻以
福島へ─見えない、感じない放射能 /「福島」で見たもの、「釜ケ崎」で見てきたもの /釜ケ崎から福島へ、東北移住から現在まで /時間とともに /生き方の問題 /他者の人生でなく自分の人生を生きる─場と出会いとまなびと

7 南相馬での災害FM支援を通して ─活動におけるコミュニティへの展開と葛藤 谷山博史/ 谷山由子
はじめに 
一 福島で活動を始めるまでの経緯 
JVC内の議論と放射能の壁 /活動地と活動分野の絞り込み 
二 南相馬での支援活動 
支援の開始 /新たな課題――被災と復興の狭間でのFM放送の役割 /コミュニティFMの放送化に向けて /コミュニティFM化に向けた最初の一歩 /災害FM以外の活動――仮説住宅でのサロン活動 
三 国外の活動と国内の活動の共通点と違い 
人々の力を信じる /物資だけではない長期的視点に立った支援 /当事者としての福島支援 
四 活動の振り返りと教訓 
福島への関わりを考える /外部から支援に入ることの難しさ /行政を窓口に支援に入るということ 
おわりに

8 「雪が降って、ミツバチが死んだ」  ─原子力災害の中で、大学という場から思うこと 猪瀬浩平
剥き出しにされた〈個〉 /揺さぶられた大学─東京電力は私たちではなかったのか? /おずおずと始めたこと /「雪が降って、ミツバチが死んだ」 /「生きるための必需品」としての知に向かって

9 シャプラニールの震災支援活動 ─外部支援者としての経験から考える国際協力NGOの役割  小松豊明
はじめに 
一 緊急救護活動の開始 
活動実施の決定 /北茨城、そしていわきへ /緊迫度の違い 
二 復旧支援、そして生活支援へ 
災害ボランティアセンターの運営 /生活支援プロジェクトの実施 /被災者の声を聴く 
三 被災地の現状とこれからの課題 
その1─避難者の生活支援 /その2─情報発信および市民交流 
四 国内災害における国際協力NGOの役割 
直面した課題 /次へ活かすために /「現地パートナー」としての経験 /今後の役割 
おわりに

10 国際協力NGOが福島の「震災支援」に関わる意味  竹内俊之
福島支援に関わる国際協力NGOの現状 /なぜ関わるのか─国際協力NGOは国際救助隊か? /福島から地球規模の世直し運動へ /国際協力NGOに求められること /「ソーシャル・ジャスティスNGO」へ

11 NGO共同討論-福島はNGOに何を教えたか?  
「三・一一以後」のNGOを考える/復興の大合唱と現実のギャップ /軋轢・葛藤・分断 /福島支援の位置づけと「出口戦略」 /福島に関わる意味 /なぜ福島に関わるNGOが少ないのか /福島はNGOに何を教えたか /「自立支援」と再生・復興─NGOだからできること /海外での活動を振り返る /教訓をどう生かすか

12 境界を超え、支援と運動を未来につなげる ─複合惨事後社会とNGOの役割 中野憲志
 
はじめに 
一 「国民が守られない国家」とNGO 
福島の再生・復興に向けた諸課題 
二 NGOの「専門性」と「ミッション」を問い直す 
三 NGO自身のエンパワメント 
政策提言力のアップ /被災者の自立支援とNGOの自立
おわりに 

あとがき…………藤岡美恵子・中野憲志
 

執筆者 
猪瀬浩平 明治学院大学教員
黒田節子 原発いらない福島の女たち
小松豊明 シャプラニール=市民による海外協力の会
菅野正寿 福島県有機農業ネットワーク
竹内俊之 国際協力NGOセンター(JANIC)
谷山博史・谷山由子 日本国際ボランティアセンター(JVC) 
橋本俊彦 自然医学放射線防護情報室(9月よりNPO法人ライフケアに改称)
原田麻以 NPO法人インフォメーションセンター
満田夏花 FoE Japan
吉野裕之 子どもたちを放射能から守る福島ネットワーク

編著者
中野憲志 先住民族・第四世界研究
藤岡美恵子 法政大学大学院非常勤講師、〈NGOと社会〉の会代表

2012年9月21日金曜日

「領土紛争」の長期化を回避するために

「領土紛争」の長期化を回避するために


 紛争解決(conflict resolution)の大前提は、当の紛争の当事者(個人、企業、国家、国際機関・・・)が、自らを紛争の当事者として認識することにある。
 
 客観的に見れば、明らかに紛争状態に陥っているにもかかわらず、紛争の当事者が他者との間の紛争の存在を認めず、自己主張と自己正当化に終始し、もう一方の紛争当事者に対する非難と攻撃をくりかえす限り、紛争は終わらない。永続化するだけである。「テロとの戦い」然り、「竹島」/「独島」、「尖閣諸島」、「北方領土」問題然りである。

 紛争の当事者が、紛争の存在を認め、その暴力的発展を未然に防ぎ、当事者間の解決を望む場合には、まず、他方の当事者の主張に冷静に耳を傾ける必要がある。そして、その主張に同意しなくとも、少なくともそれが自己との間の紛争を引き起こしている根拠になっていること、すなわち、自分は認めなくとも、もう一方の当事者の論理に従うならその主張にもそれなりの正当性があることを、文字通り、正当に認める必要がある。
 個人がかかえる紛争であれ、大企業や国家がかかえる紛争であれ、「話し合い」や「対話」によって紛争を解決するためには、このような当事者による「紛争の認知」が不可欠になる。

 次に紛争の当事者は、当事者間で紛争の解決ができないと判断する場合には、「第三者」による調停/仲裁によって紛争の解決を追求することができる。その場合、「第三者」は、当の紛争事案の「利害関係者」でないことが必須の条件になる。日本が周辺諸国とかかえる「領土紛争」に関して言えば、米国は紛争に強烈な利害を有する国家であり、「第三者」たりえない。

 米国は、東アジアにおける「領土紛争」の当事国である。米国に「中立的立場」を取る選択肢などありえないし、それを認めてはならないだろう。これまで何度も述べてきたように、米国は、他の当事国と並び、戦後の東アジアにおける国際秩序と国際法の枠組みにおいて、それぞれの「領土紛争」に対する自国の公的な見解を国際的に明らかにすべきなのだ。

 「第三者」は、その米国の見解をも含め、各当事国の利害から中立の立場で、紛争解決に向けた提案を取りまとめる義務と責任を負う。「第三者」は、一国や複数の国家、既存の国際機関、あるいは国際的な「専門家委員会」など、さまざまな組織的形態を取ることができるだろう。


 昨日(9/20)、中国の漁業監視船が「尖閣諸島」の「接続水域」内などで中国漁船に立ち入り検査を行った。これに対し、玄葉外相は今日、「日本の漁業管轄権を侵害した」として、中国側に抗議したという。
 この事態を報じた読売新聞は、「接続水域は沿岸国が漁業資源などの独占的な権利を持つ排他的経済水域(EEZ)に含まれる。日中のEEZの境界は画定していないが、日本は日中の中間線の日本側を自国のEEZとしている」と解説している。

 まず、このような日中両政府による「対抗措置」の応酬と「国際広報合戦」の展開が、「尖閣諸島」をめぐる日中間の領土紛争をいたずらに長期化させるだけだということを、私たちは認識する必要があるだろう。
 日中両政府は、ともに「固有の領土」論を主張することに終始し、「接続水域」「排他的経済水域」の軍事化・緊張化を増幅させているだけである。米国はと言えば、これに便乗し、自国の軍産学複合体の利益のために日米安保と米軍基地の永続化をもくろんでいる。そして、米国の軍産学複合体の利害にさらに便乗する日本の「日米同盟ムラ」が、「動的防衛力」と「離島防衛」の名の下に、日本の「周辺」のいっそうの軍事化をもたらそうとしている。

 「南・東シナ海」の「領土紛争」を、「第三者」の調停/仲裁を通じ、当事国間の話し合い・対話にとって「平和的に解決」できるなら、「動的防衛力」もろとも日米安保を存続させる論理の根幹が崩れ去ってしまうことを、私たちは見抜いておかねばならないだろう。


 野田首相が 来週明けから始まる国連総会で「一般討論演説」を行い、その中で尖閣・竹島の問題を取り上げ(「北方領土」問題はどうしたのだ?)、「国際社会に向けて日本の立場を説明する」らしい。「法の支配」を強調し、日本固有の領土であることを主張」することが目的なのだという。
 読売新聞電子版によると、野田首相は、26日に予定されているその国連演説において、「国際司法裁判所(ICJ)で他国から訴えられた場合に応じる義務が生じる「義務的管轄権」の受諾を、各国に呼びかける意向」なのだという。
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 日韓の間の島根県・竹島や、中国と周辺国の間の南シナ海の領有権問題などを念頭に、国際法に基づく平和的解決の必要性を訴える。同時に、義務的管轄権を受諾していない韓国や中国と、受諾済みの日本との国際法に対する姿勢の違いを際立たせ、日本の主張の正当性を国際社会にアピールする狙いもありそうだ。

 ICJが領有権問題の裁判手続きに入るためには、紛争当事国間の同意が前提となるが、一方が提訴しても、他方が義務的管轄権を未受諾ならば応じる義務がなく、制度上の課題となっている。
・・

  一般論として言えば、私は「義務的管轄権」の「呼びかけ」に賛成である。しかし、外務官僚が考案したこの方針は矛盾に満ちている。
 なぜなら、まず第一に、日本と同じ論法で「独島は韓国固有の領土であり、日韓間に領土問題は存在しない」と主張する韓国が、「義務的管轄権」を受諾する謂れも、見込みも存在せず、この方針の破産は、現時点においてすでに確定していると言えること、
 そして第二に、外務省は領土問題の「国際法に基づく平和的解決」を言いながら、「北方領土」や「尖閣諸島」問題の「国際法に基づく平和的解決」をめざそうとしていないからである。
 そのことは、玄葉外相が、上に述べた21日の記者会見で、沖縄県・尖閣諸島をめぐる中国との対立を国際司法裁判所(ICJ)で争うかどうかについて、「尖閣は国際法上、歴史上疑いのないわが国固有の領土だ。現時点において必要性は考えていない」と述べていることにもはっきりと示されている。

 つまり、政府・外務省は、「北方領土」と並び「尖閣諸島」に関しても、意味不明の「国有化」宣言以降(「国際法上、歴史上疑いのないわが国固有の領土」を、なぜ「国有化」する必要があるのか?)、これだけの事態を引き起こしておきながら、いまだに「領有権問題は存在しない」という立場が国際的にまかり通ると考えているのである。(これと同様のことが中国(と台湾)政府に対しても言えることは、改めて指摘するまでもないだろう)。

 「尖閣紛争」は、たとえば孫崎亨氏などの元外務官僚の評論家が言うようには、もはや従来通りの「棚上げ・解決先送り」策では通用しないところにまできてしまった。ロシア、韓国、中国/台湾との「領土紛争」を長期化させず、できるだけ早く解決するためには、そのことの自覚を、私たち市民一人一人が持つことが先決であるだろう。
 紛争を、真剣に解決しようとしない、国家と(元)官僚の論理に惑わされ、だまされてはいけない。

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長期化懸念の声も=過去最多の中国監視船-尖閣沖でにらみ合い・海保
「・・・海保は全国から巡視船数十隻を投入し、監視船と1対1で対応。ただ、国連海洋法条約により外国公船には実力行使ができず、退去要請のほか、伴走や追跡で圧力をかけるにとどまる・・・。
 中国政府が保有する船は1000隻以上とみられ、対する海保の巡視船艇は357隻。ある海保幹部は「長期化し総力戦になれば、少ないこちらの方が状況は厳しい」と苦慮する・・・。船や乗員の交代も必要で、別の幹部は「士気を維持し、常駐数が減らないようにする。やるしかない」と語気を強めた・・・」(時事)
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「接続水域」の本質的定義は公海であって、日本の領海ではない。
どこまでを日中双方の「了解」「接続水域」「排他的経済水域」とするか、要するに「東シナ海」における日中の国境ラインをめぐる最終的な合意が存在しないことがこの問題の核心なのである。
 であるなら、まず日中の国境ラインを、そして次に相互に合意できる不確定領域を確定することが、先決になるはずではないか。
 国連安保理常任理事国たる中国と、常任理事国入りを執拗に追求する日本政府・外務省は、ともに「国際の平和と安全」を軍事に依らず守る、国際的な責任を負うという自覚の下に、「対話」による「尖閣紛争」の解決に向け、全力を傾注すべきなのだ。
 日・中・台の「市民社会」からそういう声が高まらない限り、この問題は永遠に解決しようがない。

中国税関:日本検査を強化 生産、販売へ影響懸念(毎日)
新たな脅威 台湾抗議船出現 無秩序行動の恐れも(産経)
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「領土紛争」の解決のために、すべての当事国のメディアは、扇動的報道を厳に慎むべきである。

スリーマイル原発「大音響」発し、緊急停止

スリーマイル原発「大音響」発し、緊急停止

 スリーマイル島原発(米国、ペンシルベニア州)の1号機で20日、冷却水のポンプが突然停止し、原子炉が緊急停止した。「周辺住民に聞こえるほどの大きな音」がし、「蒸気」が外部に放出されたという。例によって、原発運営企業、エクセロン社は「原子炉は必要な時には自動停止する仕組みになっており、周辺住民の健康や安全性には問題ない」と言ったという。
 また、CNNによると、米原子力規制委員会(NRC)の報道官は「原子炉の安全システムが設計通りに機能していることを示すもの」と話したという。
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同原子炉の緊急停止は過去1カ月で2度目となる。8月22日には加圧水用の加熱装置に問題が見つかり、この装置の交換が行われた。検査の結果、残る2つの装置に問題はないと判断し、9月5日に原子炉の運転を再開していたという。
・・

 周知のように、スリーマイル原発では1979年に2号機でメルトダウンが起きている。「大音響」→「蒸気」の外部放出とは、一般的には、何らかの爆発→メルトダウン→ベントが考えられるが、早計には断定できない。下の記事では、ベントそのものが「大音響」を出したとも推測できるからである。
 いずれにしても、当面、NRCの公式な「事故調査」報告と米国の専門組織/NGOの分析を待つしかなさそうである。

・・・
Three Mile Island nuclear reactor shuts down unexpectedly
...The system tripped when "the pump stopped operating and created a power/flow imbalance," said NRC spokesman Neil Sheehan.
...Exelon, the plant operator, said in a statement that "during the shutdown, steam was released into the atmosphere, creating a loud noise heard by nearby residents."(NBC)

Threee Mile Island nuclear plant shuts down unexpectedly(USA Today)

2012年9月12日水曜日

「リリウムの会」が面白い

リリウムの会」が面白い
 
東海第2原発のある村で、立ち上がった女たち。もう男たちだけには任せていられない! 
・・・
たった3人の主婦から始まった「リリウムの会」
今では、沢山の心強い協力者が沢山出来ました
素人の私たちに出来る事には、限界があります・・・・
「本当にこの3人で大丈夫かな?」と心配にさせる位の方が、有能な方々が次々と「応援するよ」「協力するよ」と、優しく力強い言葉を掛けて下さいます 本当に有りがたいです
そんな、力強い協力を得て、なんとか作り上げたのがこの「リリウム通信 創刊号」です・・・。
・・
 
ブログ最新記事(9/12)
知ってますか?茨城県東海村に福島の94倍のセシウム137が保管:ガレキ受け入れと同じ問題
全国の原発から出る高レベル廃液,一時保管地は青森県と茨城(ki)県那珂郡東海村.
茨城(ki)県民ご存知だろうか?
どこの県も嫌がる高レベル廃液が青森と茨城(東海第2原子炉)に一時保管. 
東日本大震災のガレキ焼却は・・・  この茨城県に集められた高レベル廃液と同じ問題.

誰だって,自分の県には置きたくない.
じゃあ,どこに置きますか・・・・・・
自分の県でガレキ処理は誰だってイヤな事は判りますが・・・・・・  
高レベル放射性廃棄物,原発がある県で保管するようになります.
もう保管場所がない状態になります.

廃液セシウム137が茨城県東海村に,福島で大気放出した分の約94倍が保管されている.
青森県は約58倍.東海村のほうが膨大に保管されている. 
電源喪失で冷却できなくなると自己崩壊熱で約40時間で沸騰を始め,爆発の可能性がある.
もし破局的な爆発が起きると・・・下の評価図を参照.
・・・

第一回脱原発サミット in 茨城

10月14日(日)

開場:午後12時30分
開演:午後1時~
会場:東海文化センター  茨城県那珂郡東海村船場768-1
029-282-8511 常磐線東海駅東口右方向徒歩10分
参加費:前売り1300円 当日1500円 (チケット販売:東海文化センター他)

パネリスト紹介
佐藤栄佐久氏 1939年生まれ
1983年参議院初当選 1988年福島県知事就任
5期18年の間、東京一極集中に異議を唱える。原発、道州制で政治と対決した「闘う知事」 2006年辞職
東京電力によるトラブル隠しが発覚した後、福島第一第二原子力発電所の増設、プルサーマル導入に一貫して反対の立場を明らかにし、福島原子力事故では「事故は人災だった」と断定し歴代政府と原子力安全委員会を批判している。
著書に「福島原発の真実」

根本良一氏 1937年生まれ
連続無投票当選で6期、矢祭町長の職に就いた。2001年「市町村合併をしない矢祭町宣言」で全国に知られる
さらに、全国で最初に住民基本台帳ネットワークシステムへの接続拒否を表明。2007年6期24年務めた町長を退職
2012年、住民に近い基礎自治体の目線で原子力政策や再生可能エネルギー、福島への支援策などについて勉強会や視察を実施し、政府や国会に政策を提言する「脱原発をめざす首長会議」を呼びかけ、発足させた。

 村上達也氏 1943年生まれ
 東海村村長 1997年東海村村長就任
1999年のJCO臨界事故で、国や県の対応を待たず人命第一として村民の避難を行った。その後、原子力に依存した村が発達できる時代は終わったとして二度の村長選で新規の原子力発電所建設に慎重姿勢を示した福島原発事故後には、原子力撤廃の姿勢を鮮明にし東海第二発電所の廃炉を提案している。

コーディネーター
佐高信氏 1945年生まれ
高校教師、経済雑誌の編集者を経て評論家に。「社畜」という言葉で日本の企業社会の病理を露わにし会社・経営者批評へ一つの分野を築く。経済評論にとどまらず、憲法、教育など現代日本の直面する諸問題について鋭い視点からの評論活動を続ける
原発に関する著書に「電力と国家」「原発文化人50人斬り」など多数


「批評する工房のパレット」内の関連ページ
⇒「東海村の「原子力センター」構想
⇒「村上東海村村長が東海第2原発の廃炉を要望
⇒「やっかいな放射線と向き合う(茨城大学有志の会)

・・・
坂本龍一さんの政治活動、山口市「配慮」要望へ
「山口市は、市が設置した山口情報芸術センターの10周年記念祭総合芸術監督を務める音楽家の坂本龍一さん(60)が「脱原発」などの活動をしていることに対し、今後、「配慮」を求めることを明らかにした。  12日の市議会一般質問で市幹部が答弁した。
 市議会では、議員が「(芸術監督として)税金を使って活動するのだから、政治活動を慎むよう申し立ててほしい」と市に要請した。  答弁に立った市幹部は「個人としての思想言論の自由は、基本的には尊重されるべきだ」としながら、「記念祭が国内外から高い評価を得られるよう、本人に配慮いただくようお伝えしたい」と述べた・・・」(読売)