2011年10月20日木曜日

日本の「国際協力」と人道的介入-- 『脱「国際協力」——開発と平和構築を超えて』出版記念シンポジウム

日本の「国際協力」と人道的介入-- 『脱「国際協力」——開発と平和構築を超えて』出版記念シンポジウム

 「国際社会への脅威」であるテロリストを掃討するとの名目でアフガニスタン戦争が始まって10年。
 しかし、米軍とタリバンとの戦闘はむしろ激化し、カルザイ政権に対するアフガニスタンの人々の不信・不満も強まっています。この10年は一体何だったのかと疑問に思わざるを得ません。
 一方、今年3月、英仏米とNATO軍は、カダフィ政権による虐殺から市民を保護するためとして軍事介入を行いました。私たちはこの介入をどう考えるべきなのでしょうか。

 ここ数年、人権侵害や大量殺害から市民を保護するという理由で、外国の紛争や内戦に介入する例が増えています。国連も、自国民を保護する意思や能力のない国家に代わって、国際社会が市民を「保護する責任」という考え方を推進しています。

 しかし、大量殺害を防ぐためなら軍事介入もやむなしという考え方は正当化できるのでしょうか?
 軍事的手段以外に人権侵害や大量殺害をやめさせる方途はないのでしょうか?
 軍事介入で本当に民主化や平和を導けるのでしょうか?
 こうした根本的な疑問が存在する一方で、人権を守るために国際社会の介入が必要だという考え方もあり、人権・人道団体の間でも意見は分かれています。

 本シンポジウムでは、リビアとアフガニスタンの事例を通じて、人権や民主化を理由にした軍事介入がどのような問題をはらむのかを考え、そうした事態に日本の「国際協力」がどう対応すべきかを話し合います。
 リビアへの早期の介入を支持してきた国際人権団体、ヒューマンライツ・ウォッチ(本部)に対してシンポジウム主催者が送った、「保護する責任」に関する公開質問状の回答も紹介します。
 ぜひご参加ください。

■日時 11月20日(日)午後2時~5時
■場所 法政大学市ヶ谷キャンパス ボアソナードタワー6階0610教室
東京都千代田区富士見2-17-1(JR/地下鉄 飯田橋・市ヶ谷駅各徒歩約10分)
地図 http://www.hosei.ac.jp/hosei/campus/annai/ichigaya/access.html
■参加費 500円

■プログラム
●「「国際協力」誕生の背景とその意味」
北野収(獨協大学教員)
●「これからのアフガニスタン支援をどうするか」
長谷部貴俊(日本国際ボランティアセンター・アフガニスタン現地代表)

●「保護する責任」に関する公開質問状に対するヒューマンライツ・ウォッチの回答
(文書と口頭による紹介)
●「「保護する責任」にNO!という責任」」
中野憲志(先住民族・第四世界研究)
●「国際法におけるオリエンタリズム」
阿部浩己(神奈川大学法科大学院教員)

●質疑応答・討論

■主催 〈NGOと社会〉の会・法政大学国際文化学部
■お問い合わせ(予約不要)
(株)新評論編集部内 〈NGO と社会〉の会
TEL 03-3202-7391/FAX 03-3202-5832