2013年12月20日金曜日

〈危機の時代〉の日本と中東--- 「オイル・ショック」40年の政治/軍事の構造転換を考える

2013・年末企画:
〈危機の時代〉の日本と中東
 「オイル・ショック」40年の政治/軍事の構造転換を考える

■第一部:講演
板垣雄三さん(東京大学名誉教授):
「〈テロとの戦い〉の末路-40年を総括すると人類史の転換が浮かび上がる」
■第二部:報告
・福好昌治さん(軍事評論家):
「この40年の日本・中東、アメリカ・イスラエルの軍事協力」
・役重善洋さん(パレスチナの平和を考える会):
「国家戦略としてのアラブ・ボイコットから草の根運動としてのイスラエル・ボイコットへ」

■日時:12月21日(土)14時~17時30分(開場13時30分)
■場所:東京麻生台セミナーハウス(大阪経済法科大学アジア太平洋研究センター)
  2階大研修室
■アクセス:東京メトロ日比谷線「神谷町」駅
  (一番出口から地上に出て左、道なりにまっすぐ歩いて約5分) 港区麻布台1-11-5 
http://www.keiho-u.ac.jp/research/asia-pacific/access.html
■参加費: 500円
※予約は必要ありません。直接会場にお越し下さい。

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 あっという間に2013年も残すところ僅かとなりました。昨年末に成立した第二次安倍政権は、「主権回復の日」開催やTPP交渉参加、集団的自衛権行使容認に向けた動き、原発輸出の動きの加速、普天間へのオスプレイ配備、国家安全保障会議(日本版NSC)設置や特定秘密保護法‥、等々と、古くさい成長神話とナショナリズムに寄りかかり、「同盟国」アメリカの意思をも越えた軍事強化の道を進もうとしています。
 また2020年の開催が決定された東京オリンピックに向け、ナショナリズムがさらに動員され、セキュリティ強化と治安管理が進行してゆくことも間違いないでしょう。

 このような状況は今年に顕著であったにせよ、いきなり始まったことではありません。植民地主義を推し進め総力戦に至った近現代日本の姿、それがきちんと清算されることなく始まった〈戦後〉の歴史が問われなくてはならないのはもちろんですが、今回は中東諸国を震源地とする1973-74年の石油危機(いわゆる第一次オイル・ショック)から40年目という時間軸を設定するなかから見えてくる問題を考えてみたいと思います。

 石油危機が先進諸国の経済・産業構造の転換を促してゆくなか、アメリカは、「資源ナショナリズム」を発動するアラブ産油国支配体制との関係を再調整しつつ中東への軍事的関与を深め、戦争を正当化するロジックを生み出してきました。行き当たりばったりの「油乞い外交」と没思考的な「対米追従外交」に終始した日本は、状況に振り回されつつも構造転換を後追いし、大衆的な合意不在のまま「戦後体制からの脱却」を果たそうとしています。

 私たちは現在の「日本」の状況に対して一国的に批判し問題化するのではなく、日本の問題を考えることが本来、同時に中東とりわけパレスチナの事態を考えることでもあるということを、どのような言葉によって提起してゆけばよいか、考え続けています。試行錯誤のなかではありますが、大きな話と等身大の課題をクロスさせながら、さまざまな問題が山積する私たちの〈現在〉を考える手がかりを得たいと思います。

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■この企画は、「ストップ!ソーダストリーム全国一斉クリスマス・アクション★5デイズの一環として行われます。同キャンペーンに関する情報はこちらをご覧下さい。
http://d.hatena.ne.jp/stop-sodastream/

【主催】
ミーダーン〈パレスチナ・対話のための広場〉
「ストップ!ソーダストリーム」キャンペーン
【問い合わせ先】midan.filastine@gmail.com

2013年12月12日木曜日

『福島と生きる』メールマガジン 第13号

『福島と生きる』メールマガジン 第13号
――息長く〈福島〉とつながり続けるために――
2013年12月12日発行(不定期刊)
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―目次―
◆11/23オーガニック・フェスタ参加報告
◆イベント情報
◆キャンペーン・活動情報
◆保養情報
◆ニュースクリップ
◆秘密保護法にNO! 福島県議会とNGOの声明

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◆11/23オーガニック・フェスタ参加報告
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オーガニックフェスタ・シンポジウム「放射能とくらしを考える」報告
2013年11月23日(郡山市・ビッグパレット)

コーディネーター/小池光一(福島市大波)
パネラー/
 関 元弘(二本松市・農家)
 有馬克子(須賀川市・自然食レストラン銀河のほとり)
 藍原寛子(福島市・ジャーナリスト)
 特別ゲスト 秋吉久美子(女優・東北未来がんばっぺ大使)

 11月23日、福島県郡山市で「ふくしまオーガニック・フェスタ2013」に参加した。
(詳細はhttp://fukushima-organicfes.net/
 実行委員会の呼びかけには「原発事故と放射能汚染のなか、現場でその対策にとりくんできた生産者の声を消費者に届け、食と農のあり方を一緒に考えたい」とある。
 実行委員長である菅野正寿さんが『福島と生きる』(新評論)所収のインタビューで語っているように、福島の有機農家は原発事故後、作付を制限され、取引先を失う中で、自分たちの力で土壌の放射線量を測り、放射能を低減すべく研究者とタッグを組んでさまざまな実験や試行錯誤を行い、作物へのセシウムの移行係数を明らかにしていった。
 食品汚染の問題は「農家の問題」ではなく、消費者も一緒になってみなで考えるべき問題であり、原発のない、人間の命と環境が守られる未来をともに考えていこう、という菅野さんたちの訴えは、この2年9カ月で多くの人たちの心を掴んだ。

 フェスタのハイライトの一つ、「放射能とくらしを考える」シンポジウムを聞いていてあらためて感じたのは、放射能と格闘する人々の現場の声に直に触れることの大切さだった。たとえば、自分で栽培した有機野菜を使ったレストランを経営する有馬克子さんは、2011年8月に開かれた県民の意見を聞く会で、「原発を再稼働するというなら、放射能を一粒残らず持って行ってくれ」と発言したという(このくだりでは秋吉久美子さんも拍手!)。

 放射能汚染への不安やもやもやした思いはいまも消えていないと語る。フェスタに集まった有機農家の人たちも、不安のなか「放射能よ、悪さしねえでおくれよ」と祈るような気持ちで、大変な苦労をしながら土壌を測り、セシウム低減活動にとりくんで来たことだろう。そんな祈りの賜物がフェスタに出品されている。それをみなさんと分かち合いたい――そんな有馬さんの言葉を聞くと、あらためて農産物のベクレル数ばかりに目が行きがちな消費者のありかたを考えさせられた。

 特別ゲストの秋吉久美子さんは、大使就任を機に、有機農家の人々の活動を勉強したとそうだ。セシウムが土中に固定され作物への移行係数が低いことが有機農家の手によって明らかにされたが、これは世界的発見ではないか、と問いかけた。「世界的」という言葉が秋吉さんの口から出てくるとは予想していなかった。
 秋吉さんはさらに、持続可能・循環型社会を目指していた有機農業が、放射能汚染という事態に対しても、人類にとっての新たな希望を提示しているのではないかと感じるという。いまこの会場で、世界的にみてすごいことが行われているのではないか、という秋吉さんの言葉に、まさにそうだと思った。
 藍原さんも、いろいろな人がいろいろなことに挑戦し、この事態に立ち向かっている福島は、いま新しい時代を迎えている、福島から発信していくことが重要だ、と語った。

 パネリスト全員の発言に共通するのは、目の前の汚染をどうするかということだけに関心を奪われるのではなく、未来に目が据えられていることだった。こう書けば、楽観的すぎるのではないかと感じる人もいるかもしれない。でも、それは、ただただ経済の再生と人口の回復を目標とするような行政主導の「復興」とは、まったく異質なものだ。なぜなら、有機農家の問いかけは、原発を生み、事故を生んだこの社会を、私たちの生き方を根本的に問い直そうという呼びかけだからだ。

 有馬さんは、電気に頼らず練炭のこたつを使っていたから、震災後の停電の際も寒い思いをすることはなかったそうだ。これまでの生き方を一つ一つ見直していきましょう、という呼びかけに、多くの聴衆が頷いていたように感じた。(文責/藤岡美恵子)

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◆イベント情報
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(イベント情報は変更されることもあります。必ず主催者サイトでご確認下さい)

1.「快医学ネットワーク 第5回 原発被災者支援活動報告会」
  12月14日(土)13:00-17:30(東京・富坂キリスト教センター)
  ※「快医学ネットワーク」では、福島や関東のホットスポットで健康相談や手当会などを続けてきました。それぞれの現場で前向きに危機的状況を打開しようと活動してきたスピーカーの方たちから、新聞やテレビでは聞こえてこない生の声を聞き、今ここで私たちができること、ライフスタイルについて考え、話し合い、新しい方向性を見出すための出会いと気づきの機会として、第5回報告会を開催します。どなたでも参加できます。
  ※参加費: 1000円

  ※報告
    橋本俊彦「福島での健康相談の現状」
    関久雄 「佐渡へっついの家、福島子ども保養プロジェクト/記録映像の一部」
    小林恒司「心療内科医師、ベラルーシ視察報告」
    有馬克子「市民測定所の測定結果と自然食レストラン『銀河のほとり』」
    香取直孝「ホットスポットに生きる」記録映画予告編
           快療法の保養所「はくりゅうの家」
  ※特別スピーカー
    鵜沼友恵「双葉町避難所住民の交流の場、『カフェ珠寿』の現状と、これから」
  ※問い合わせ: NPO快医学ネットワーク事務局
                 070-6672-8254(野本)/rengesouan@mx6.ttcn.ne.jp

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◆キャンペーン・活動情報
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シャプラニールより活動の近況が届きました

◎まちの交流サロン「まざり~な」協力店舗が増えました!
 広いいわきで既存の交流サロンまでの交通手段がなかったり、身近に話ができる日とがいないなど、民間借り上げ住宅に住むみなさんは地域で交流できる機会が限られてしまっています。
 そこで、いわきで復興支援に取り組むNPOのネットワーク「みんぷく(3.11被災者を支援するいわき連絡協議会)」の借上げ住宅支援部会では、いわき市内に店舗を構えるお店の店主さんにご協力をお願いし、情報紙や行政からのお知らせを置いていただき、気軽に立ち寄れるお店として誰でも活用できる場所を広げようと活動しています。

 8月に4店舗から始まった「まざり~な」もいわきに避難されている方のために何か力になりたい、と少しずつ賛同の声が広まって、12月で13店舗になりました。お米屋さん、味噌屋さん、コーヒー豆販売店、学習塾と地元のみなさんのお店や店舗のショーウィンドウに「まざり~な」のステッカーを貼って、みなさんをお待ちしています。
 気軽に立ち寄れる交流の場所として、また買い物ついでにちょっとおしゃべりができる場所としていわきに住む皆さんにご活用いただけるように広報を進めています。

◎いわき市災害公営住宅申し込み締め切り迫る
 10月下旬から始まったいわき市民の公営住宅受け付けは、12月24日までとなっています。まだお申込みでない方はお早めに、また記入方法が分からないとお困りの方はいわき市土木課までご連絡ください。(電話0246-22-7497)

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◆保養情報
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ほよーん相談会
※子どもローテーション保養のデータベース。全国各地の保養情報が掲載さ
れています。全国の避難者支援団体の情報もあります。
サイトはこちら http://hoyou.isshin.cc/

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◆ニュースクリップ
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1.除染、8町村が不安視 福島原発周辺12市町村・本社調査
  河北新報、2013年12月12日
  http://www.kahoku.co.jp/news/2013/12/20131212t63016.htm

 福島第1原発事故で政府が除染目標に掲げる「年間追加被ばく放射線量1ミリシーベルト以下」について、原発周辺自治体の多くが目標の維持を求める一方、達成を「困難」と判断している自治体もあることが、河北新報社の調査で分かった。福島県は除染目標の堅持を政府に要望しているが、目標を疑問視する自治体があることは避難住民の帰還施策に影響しそうだ。(後略)

2.福島原発汚染水、漏えいタンクに違法労働の影
  ロイター通信、2013年12月10日
  http://jp.reuters.com/article/jp_energy/idJPTYE9B906720131210?rpc=131

 東京電力福島第1原子力発電所でなお続く大量の放射能汚染水流出。その大きな原因となった貯蔵タンク漏えいの影には、廃炉現場における違法な雇用実態があった。
 深刻な人手不足の中、不透明な契約で作業員たちをかき集める「人員調達網」は遠く沖縄まで広がる一方、現場では「質」を問わない性急な工事が行われていた、との指摘は少なくない。(後略)

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◆秘密保護法にNO! 福島県議会とNGOの声明
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◎福島県議会の意見書
「原発の安全性に関わる問題や住民の安全に関する情報が、核施設に対するテ口活動防止の観点から「特定秘密」に指定される可能性がある」「本法案は、情報掩蔽を助長し、ファシズムにつながるおそれがある。もし制定されれば、民主主義を根底から覆す瑕疵ある議決となることは明白である」
http://wwwcms.pref.fukushima.jp/download/2/2509iken01.pdf

◎秘密保護法を制定しないことを求める国際協力NGOの要請書
「秘密保護法案はこれが施行された場合、国会審議が制限され、市民社会の発展の基礎である基本的人権が侵害され、民主主義に不可欠の市民参加が損なわれる恐れがあります」
http://www.ngo-jvc.net/jp/tokyostaffdiary/2013/11/20131114-ngo100.html


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『福島と生きる』メールマガジン 第13号(2013年12月12日発行)
※『福島と生きる』メールマガジンは、『福島と生きる--国際NGOと市民運動の新たな挑戦』の共同執筆者の団体や活動の関連情報を発信していきます。

発行人=中野憲志・藤岡美恵子(『福島と生きる--国際NGOと市民運動の新たな挑戦』共編者)


・・・
・福島の子供たちに長期「留学」を 長野・松本のNPOが受け入れ計画
 長野県松本市のNPO法人「まつもと子ども留学基金」が、福島県の小中学生が安心して生活し勉強できる場所をつくろうと、子どもたちが親元を離れ松本市で寮生活をしながら地元の公立学校に通う計画を進めている。受け入れ先の小中学校を紹介するなど松本市も協力。同市によると、東京電力福島第1原発事故の後、放射線への不安から親子で避難するケースは多いが、子どもだけが移住するのを支援するのは珍しい。

 同市の菅谷昭市長は、チェルノブイリ原発事故で医師として現地で支援に携わった経験があり、低線量地域の健康への影響は未解明な面が多いとしている。
 計画では松本市にスタッフが常駐する寮を設け子どもたちを共同生活させる。対象は小学3年から中学3年までで、寮費は月約3万円。家賃や光熱費はNPOが負担し、NPOの運営は助成金や募金で賄う。来年4月から実施予定で、数人の希望者がいるという。(産経12/17)

2013年12月4日水曜日

「♪多民族の多文化な祭典♪国際移住者デー2013 in 新大久保」(12/14、東京)

「♪多民族の多文化な祭典♪国際移住者デー2013 in 新大久保」(12/14、東京)
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 国連が定めた「国際移住者デー」(12月18日)を記念したイベントが、“多文化のまち”として知られている新大久保(新宿区)で開催されます。

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 開催概要
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●日時:2013年12月14日 (土) 12:00~17:00
●会場:日本福音ルーテル東京教会
   (東京都新宿区大久保1-14-14)   
 〔地図〕http://www.jelc-tokyo.org/i_map.html
 -電車:JR山手線「新大久保」駅より徒歩5分ほど/地下鉄「東新宿」駅・B1出口より徒歩6分ほど
●参加費:無料  *映画上映のみ、500円
●進行言語:日本語・英語(逐次通訳)

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 プログラム
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 ● 映画上映&トーク  13:00~15:00
 【上映作品】
  『ハーフ』(HAFU)  http://hafufilm.com/ (2013年 / 日本 / 87分)
  ・監督・撮影:西倉めぐみ、高木ララ
  ・英語字幕あり

 日本初!ハーフの女性監督2人による、ハーフたちの本音に迫ったドキュメンタリー映画
 厚生労働省の統計によると、日本の新生児の49人に1人が、日本人と外国人の間に生まれています。「ハーフ」という日本語が私たちの生活の中で日常的に使われる一方で、日本に住む「ハーフ」たちが何を感じ、何に悩み、どのように生きているのかはあまり知られていません。
  外見が目立つ人と全く目立たない人、日本語を話せる人と話せない人、日本で暮らす人と日本での生活は未知の世界という人・・・。背景や国籍、年齢もばらばらな5組のハーフたちの本音に、自身もハーフである女性監督二人が迫った貴重なドキュメンタリー。

 ● 多文化パフォーマンス  15:00~16:30
  アジア、アフリカ、ラテンアメリカの出身者たちが出演!ダンスや演劇を披露します。
  一緒に国際移住者デーをにぎやかにお祝いしましょう。
 ● エスニック屋台・フリーマーケット  12:00~売切れ次第、終了
  アジアや南米各国の料理、物品が並びます。12時からオープンしますので、ぜひランチにエスニック料理をお楽しみください!
 ● トーク  *随時
  多民族・多文化にまつわる興味深いお話を、いろんな人から話してもらいます。新大久保が位置する新宿区の外国籍住民の現状がわかるレポートなども予定しています。

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 主催団体
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●主催:国際移住者デー実行委員会
 共催:移住労働者と連帯する全国ネットワーク(移住連)
    外国人人権法連絡会
    反差別国際運動日本委員会(IMADR-JC)
    人種差別撤廃NGOネットワーク(ERD-NET)
    外国人住民基本法の制定を求める
    全国キリスト教連絡協議会(外キ協)
    多文化共生・自治体政策研究会
    コリアNGOセンター

*このイベントは、来年夏予定の人種差別撤廃委員会の日本審査に向けたNGOによるキャンペーン『STOP!レイシズム』の取り組みとしても行なわれます。

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 開催趣旨 <賛同の呼びかけ>
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 1990年12月18日、国際連合総会において、「すべての移住労働者およびその家族の権利の保護に関する国際条約」が採択されました。そして2003年7月1日、20ヶ国が批准したことによって、この条約が発効しました。
 すなわち、この条約が定める移住労働者とその家族の権利を保障する国際人権基準は、国際社会ですでに始動しています。日本で暮らす外国人は約200万人、海外に暮らす日本人が100万人を超える今、日本においても、この条約の早期批准が求められています。
 国連はこの12月18日を記念して<国際移住者デー>としました。その趣旨を活かすことを目的に、12月14日に『多民族の多文化な祭典─国際移住者デー2013 in 新大久保─』を開催することにしました。ぜひご参加、ご賛同ください。

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◇賛同された方のお名前は、当日会場で掲示します。
 (掲示をご希望にならない方は、その旨お伝えください。)
◇賛同される団体・個人は、12月9日(月)までに下記に連絡ください。
 <担当:コリアNGOセンター東京事務所>
   tokyo@korea-ngo.org または FAX:03-6457-6155
◇賛同金:<個人>一口 1,000円、 <団体>一口 3,000円
 *複数口のご賛同、大歓迎です。
 *賛同金は、当日持参されるか、あるいは下記に振り込んでください。
  ◆郵便振替口座  口座番号 00100-5-335113 口座名称 外国人人権法連絡会
   
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 【お問合せ先】
 ◆移住労働者と連帯する全国ネットワーク(移住連)
    TEL:03-5802-6033  smj-office@migrants.jp
 ◆コリアNGOセンター東京事務所
    TEL:03-3232-0215  tokyo@korea-ngo.org

2013年11月26日火曜日

2012年─オバマ大統領、自分は「練達の人殺し」であると側近らに語った

2012年─オバマ大統領、自分は「練達の人殺し」であると側近らに語った
【APA‐Jフラッシュ No.252】より

 2012年─オバマ大統領、自分は「練達の人殺し」であると側近らに語ったとされる。2009年ノーベル平和賞受賞者に、この発言はふさわしいとは言えないだろう。

 2012年の大統領選挙を記録に留めた、ジャーナリストのマーク・ハルぺリンとジョン・ヘイルマンの新刊『ダブル・ダウン』によれば、無人機攻撃の協議のなかでバラク・オバマ大統領は、自分は「練達の殺人者である」と側近らに語ったという。ワシントン・ポスト紙のピーター・ハンビーが同書の書評でこの重要性を指摘した。

 米軍最高司令官であるオバマのこの主張は、あからさまであり、恐ろしい。
 オバマの采配の下で、2009年のアフガニスタンへの増派、2011年の、NATOのリビア作戦での145回の無人機プレデターによる攻撃、2011年5月のオサマ・ビン・ラディンを死に至らしめた奇襲攻撃、そして最近のパキスタン・タリバン運動の最高指導者およびソマリアに拠点をおく過激派集団アル・シャバブの幹部を殺害した無人機攻撃がなされた。

 オバマ政権は無人機による戦争も拡大した。ジョージ・ブッシュのもとでは合計52回だったのに対し、パキスタンに326回、イエメンに93回、ソマリアに数回の無人機攻撃が遂行された。2011年の無人機攻撃のうちの2回では、米国生まれのアル・カーイダ伝道者であるアンワル・アウラキと、同じく米国生まれの16歳の彼の息子を2週間のうちに相次いで殺害した。

 オバマの下で、米国の無人機操作担当者らは「識別特性爆撃」を実践し始めた。これは、テロリストと疑われる行動パターンを根拠に攻撃目標を選別し、殺されることとなる者たちの身元は明らかでなくても構わないという戦法である。(オバマ政権は攻撃範囲内にいるすべての「軍人年齢に達した男性」を戦闘員とみなしている。)

その上、「ダブル・タップ」──立て続けに同一箇所を爆撃する方法で、しばしば最初に駆け寄った救護者を叩く──という不穏な傾向が一般的なやり方になってきた。統合特殊作戦コマンド(JSOC)がブッシュ政権のテロ対策を担う主要な司令部へと発展した後、同司令部による捕獲および殺害任務の拡大についてもまた、オバマは容認した。

 あるJSOC司令官は、『汚い戦争:世界は戦場だ』の著者であり調査報道ジャーナリストのジェレミー・スケイヒルに、こう述べた。「オバマ指揮下での地球規模の軍事作戦は、ホワイトハウスの全面的支援を得て、より激しく、より速く、より即時性のあるものになっている」。

 『汚い戦争』のタイトルでドキュメンタリー映画も制作したスケイヒルは、NBCニュースで、オバマは「米国が世界各地で暗殺作戦実行の権利を行使するプロセスを合法化し、体系化した大統領として歴史に記録されるだろう」と述べた。

 言うまでもなく、多くの罪も無い人々が戦闘員と共に殺害されている。斯くの如くオバマ大統領は「練達の殺人者」であると証明されてはいるのだが、その実演は崇高なものである必要はなかった。

マイケル・ケリー  

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出典:ビジネス・インサイダー(2013年11月2日)
翻訳:さよか(APA‐J翻訳チーム)
翻訳チェック:原田唯 監修:APA‐Jデスクチーム

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「批評する工房のパレット」
2012年12月30日
シリア内戦を長引かせているのは誰か?(2) ~「ポスト・アサド」とオバマの「暗殺リスト」」より

2 対テロ戦争を永続化させるオバマ政権と「テロリスト暗殺リスト」

 日本の主要メディアが、その分析はもとより事実さえまともに報じていない「オバマ政権の暗闇」の一つに、今年の5月下旬にニューヨーク・タイムズ紙が詳細に報じた「極秘のテロリスト暗殺リスト」、通称"Kill List”と呼ばれているものがある。
Secret ‘Kill List’ Proves a Test of Obama’s Principles and Will

 このアルカイダおよびこれと関係があるとされる「イスラーム過激派」勢力の個別的殺害を目論み、その対象リストをまとめた「暗殺リスト」に関しては、その後米国の様々な市民メディアがその問題性をめぐって報道している。その中の一つに、Democracy Now!のGlenn Greenwald: Obama’s Secret Kill List "The Most Radical Power a Government Can Seize"がある。Democracy Now! Japanがまとめたその概要を引用させていただこう。
・・
グレン・グリーンウォルド:オバマの秘密殺害リストは「政府が手にし得る究極の権力」
 ニューヨーク・タイムズ紙は今週、オバマ大統領が自ら「秘密殺害リスト」作成を監督しているという事実を明らかにしました。このリストには米国が無人機による暗殺の標的としている人物たちの名前と写真が掲載さているということです。
 同紙によると、オバマはイエメンソマリア、さらに複雑で危険をはらむパキスタンでの攻撃において、殺害対象とされる人物すべてについて自ら承認を与えています。このリストには米国市民や17歳の少女たちまでが含まれています。

 「この米国大統領は、人を殺せという命令を出す権限を自分が持っていると信じている──それも徹底して秘密裏に、何ら法的手続きをも踏まずに、不透明なまま、いかなる種類の監査も受けることなくです」とSalon.comのブロガーであり憲法専門弁護士であるグレン・グリーンウォルドは言います。「これは文字どおり、政府と大統領が手にし得る究極の権力だと思いますよ。しかもオバマ政権はそれを獲得し積極的に実行しているが、議論が起きることはほとんどありません
・・
 
 この「暗殺リスト」に基き、個別的殺害を狙った無人爆撃機によるオバマ政権による「対テロ戦争」が、ありうるかもしれない「ポスト・アサド」のシリアにおいて、アルカイダと関係がある、とされている現在の反政府武装勢力内の「イスラーム過激派」に向けられればどうなるか?
 すでに終わっているアサド政権を退陣に追い込むだけでは、シリアに平和は訪れない。
 「復興支援」も「国家再建」もありえない。
 そこまでを見越した上での〈シリアの平和〉をめぐる議論が必要だ。


 「暗殺リスト」がはらむ問題は、米国の民主政治のあり様や、米国市民の市民的権利や人権問題を中心問題に考えるなら、グリーンウォルドが言うように、米国大統領が「徹底して秘密裏に、何ら法的手続きをも踏まずに、不透明なまま、いかなる種類の監査も受けることなく」「人を殺せと言う権限」を持つにいたった、ということで済ませることができるかもしれない。

 もちろん、既存の「米国民主主義」という名の政治制度を信奉している人々にとっては、そんなことは絶対にあってはならない、許せないことになる。 また、「米国民主主義」を信奉していない私のような人間にとっても、この事態を通じて大統領制という政治制度が、大統領個人や大統領府に権限や権力を集中させればさせるほど、このようなことが「合法的」に行われるようになってしまう政治制度なのだということを、改めて学んでおくよい機会だと思う。

 日本においてもこの30年ほど、「政治改革」の名において「内閣および内閣総理大臣の政治的権限の強化」、つまりは「大統領的内閣総理大臣」の形成に向けた法的・制度的「改革」が進んできたが、それが極めて危うい政治的賭け、「両刃の剣」なのだということも知っておいてよいだろう。(→上にいう「合法的」とは、あくまでもただ単に「オバマ政権が「合法性」を主張できる」という意味での「合法性」であって、国際法的意味におけるそれや米国憲法に無前提的に違反しないという意味でのそれでもない。誤解なきようにしてほしい)。

 しかし、歴史を振り返ってみれば、このようなことはイスラエルやロシアなど、実はこれまで米国以外の国々、しかも米国やその他の西洋諸国、日本などが「民主主義国家」と呼んできた国々において「反体制派」を撲滅するための「国家テロ」として繰り返し行われてきたことである。いや、「リスト」があったかどうかは知らないが、米国政府・CIAが直接手を染めたし政治的暗殺さえあっただろう。

 対叛乱戦略におけるこれまでの米国の常套手段は、武器や資金を、ある場合には国家にまたある場合には非合法の非正規軍勢力に援助しながら、直接には自分の手を汚さず、そうした国家テロを国々や武装勢力を養成したり、支援したりするというものだった。 私が少し歴史を知るラテンアメリカは、そういう国々であふれている。その意味で、個人的に言えば、このニュースに接したときに「米国もここまであかさまにやるようになったか」とは思ったが、殊更に驚いたりすることはなかった。

 では〈問題〉はどこにあるのか?
 それは無人爆撃機であれ特殊部隊であれ、この「暗殺リスト」に基く米軍による「テロリスト」殺害作戦が、ブッシュ政権時に編み出された「対テロ戦争」を永続化させてしまうことにある。その結果、米国、英国、フランスを中心としたNATO諸国による軍事介入を国際法的合法化し、正当化するような(「保護する責任」?)「不安定」地域を、半永久的に世界各地に、とりわけイスラーム圏社会に再生産し続けてしまうことにある。 ・・・・」

⇒「フランスのマリへの軍事介入: ~「対テロ戦争」? それともトゥアレグ遊牧民族の民族自決と自治の圧殺?」と
⇒「マリを「第二のソマリア」にしてはならない ~フランスの軍事介入が失敗に終わる理由」につづく

「批評する工房のパレット」内の関連ページ
⇒「シリア内戦を長引かせているのは誰か?~最近のシリア情勢に関し、知っておきたい2、3の情報

・・・
・防衛秘密、6年間で4万件を破棄 
半数超に相当  政府答弁書で判明
 防衛省が自衛隊法で規定している「防衛秘密」の管理に関して、2007~12年の6年間で約4万2100件の秘密を破棄していたことが、政府が26日決定した答弁書で明らかになった。同省は06年から12年までに約7万4300件を指定している。民主党の長妻昭氏の質問主意書に答えた。

 防衛秘密は防衛上特に秘匿することが必要な情報を防衛相が指定する。漏洩した場合は最高5年の懲役を科される。特定秘密保護法案が成立すれば特定秘密に移行する。
 防衛秘密は歴史的文書を国立公文書館などで保存することを定めた公文書管理法の対象外。保存期限が過ぎた場合は同省幹部の判断で破棄が可能だ。
 防衛省はこのほか「省秘」約30万件中27万件、日米相互防衛援助協定(MDA)秘密保護法で米国から提供を受けた「特別防衛秘密」約2500件中700件も廃棄していたことも明らかになった。(日経

辺野古基地建設を許さない!オスプレイの沖縄配備撤回!12.4集会

辺野古基地建設を許さない!オスプレイの沖縄配備撤回!12.4集会

沖縄県名護市辺野古の米軍基地建設問題は、安倍第2次政権発足後、「水面下」で新基地推進がはかられてきました。さらに沖縄の全自治体の反対の声を無視して、オスプレイ配備が強行され、県民は不安な毎日を送っています。

辺野古基地建設の動きが山場を迎えるなか、これを許さない運動を作り上げるため、12月4日に集会を開催いたします。どなたも参加できます。

日時:12月4日(水)18時30分~
場所:東京・文京区「全水道会館4階大会議室」 JR「水道橋駅」東口2分、地下鉄「水道橋駅」1分
    *地図 http://www.nijou.jp/page108.html
内容:沖縄からの訴え 山城博治さん(沖縄平和運動センター議長)
参加費:500円
主催:平和フォーラム、沖縄・一坪反戦地主会関東ブロック
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「辺野古埋め立て申請反対と基地建設断念を求める緊急署名」
防衛大臣宛
●「辺野古の海の埋め立て申請の取り下げと、辺野古への基地建設の断念を求める緊急署名」
沖縄県知事宛
●「辺野古の海の埋め立て申請の不承認を求める緊急署名」

署名用紙はこちらhttp://www.peace-forum.com/henoko_shomei2013.pdf
集約日:2013年12月末まで
集約先:〒101-0061 東京都千代田区三崎町2-2-13-502
沖縄・一坪反戦地主会関東ブロック気付(電090-3910-4140)
辺野古への基地建設を許さない実行委員会

・・・
・県関係自民議員 辺野古「容認」で一致
【東京】自民党の県関係国会議員5人は25日午前、党本部で石破茂幹事長と会談し、米軍普天間飛行場の移設方針について協議した。
 会談後、記者会見した石破氏は「(名護市)辺野古を含むあらゆる可能性(??)を排除しないことで一致した」と説明。 事実上、5人全員が辺野古への移設を容認した。

 「県外」の立場を主張してきた衆院議員の国場幸之助(1区)は協議後、記者会見し「県外の公約は堅持する。あらゆる可能性は排除しない」と述べ、公約は変えない方針を強調。
 同じく「県外」を掲げてきた比嘉奈津美氏(3区)は記者団に「訴えた公約と方向性が違ったことには責任を感じている」と述べた。
 これまで県外を主張していた宮崎政久氏(比例、2区)は24日に辺野古移設も選択肢として容認する立場を表明。
 西銘恒三郎氏(4区)と島尻安伊子参院議員は、すでに辺野古移設容認の姿勢を示していた。(沖縄タイムス

自民沖縄県連も辺野古容認へ 普天間移設で調整本格化
 政府、自民党は25日、沖縄県を地盤とする党所属の衆参両院議員5人が米軍普天間飛行場(同県宜野湾市)の名護市辺野古への県内移設を容認したのを受け、移設実現に向けた調整を本格化させた。

 「県外移設」を主張していた党沖縄県連も近く容認に転じる見通しで、移設に必要な辺野古沿岸部の埋め立て申請に対する仲井真弘多県知事の可否判断が今後の焦点となる。
 政府は、来年1月の名護市長選の結果に左右されないよう年内に仲井真氏から埋め立ての承認を取り付けることを目指している。 (共同 琉球新報

2013年11月24日日曜日

★★緊急集会!!★★ 民主主義社会に「秘密保護法」はいらない!!

11/26
国会周辺は騒然 市民団体ら反対集会
 国会周辺では特定秘密保護法案に反対する市民団体などによる集会が朝から開かれています。
  「特定秘密保護法反対」  午前8時から総理官邸前で行われた特定秘密保護法案に反対する集会にはおよそ120人が参加しました。
  「自由な意見を言えないような 世の中にするのは、民主主義の破壊だと思う」(参加者)
  「情報はもっと皆が平等に共有できるものでなければならないのではないかと思う」(参加者)
  法案採決に向けての動きもにらみながら、国会周辺では、抗議の集会や座り込みが夜まで続く予定です。(JNN)

・「これが民主主義か」=怒号飛び交う特別委―秘密保護法案、強行採決
 「数の横暴だ」「これが民主主義か」。特定秘密保護法案が衆院特別委員会で可決された26日午前、傍聴席からは激しい抗議の声が上がり、野党議員らが委員長席に詰め寄った。
  午前9時から始まった特別委には、法案に反対する市民ら約100人が傍聴に訪れた。中には約40人しか入る余裕がなく、入れ替わり立ち替わり審議を見守った。

  質疑には安倍晋三首相が出席。与党議員が「締めくくり総括と理解して質問している」などと発言すると、野党席から「していない」「それはないだろう」などとヤジが飛んだ。
  午前11時10分ごろ、予定の質疑が終了し、首相が退席する。野党議員が委員長席に詰め寄り、「数の横暴だ」「将来に禍根を残す」などと激しく抗議し、傍聴席からも「強行採決反対」と声が上がった。「採決は無効」などと叫び、外に連れ出される市民もいた。
  審議は打ち切られ、起立採決で可決。散会を宣言した委員長は、紅潮した表情で退出した。(時事)

特定秘密保護法案 与党きょう衆院通過の構え 維新は反対 NSC法案は27日成立へ
 機密を漏らした公務員らへの罰則を強化する特定秘密保護法案について、衆院国家安全保障特別委員会は25日、安倍晋三首相が出席して26日に質疑を行うことを額賀福志郎委員長(自民党)の職権で決めた。
 自民、公明両党は同日中に採決し、本会議に緊急上程して可決、参院に送付する構え。法案の修正で合意した日本維新の会は26日の衆院通過に反発しており、与党は引き続き協力を求める。

 特別委は25日、福島市での地方公聴会に続き、与党と維新、みんなの党が合意した修正案の提案理由説明を行った。同日夜の理事会で、与党は26日の首相出席の質疑を提案したが、民主党と維新が反対した。
 政府・与党は年末の予算編成作業などへの影響を避けるため、12月6日までの今国会の会期を延長しない考えで、自民党幹部は記者団に「26日の衆院通過は譲らない」と強調した。維新は「審議が不十分」として採決の欠席も視野に26日に幹部らが対応を協議する。
 一方、参院国家安全保障特別委員会は25日夜、国家安全保障会議(日本版NSC)創設関連法案の採決を行い、与党などの賛成多数で可決した。27日の参院本会議で成立する見通し。(産経
・・

★★緊急集会!!★★
民主主義社会に「秘密保護法」はいらない!!

 何が秘密かも、秘密!?
 いま、私たちの民主主義と自由は、大きな危機に直面しています。
憲法で禁じられているはずの軍事力強化、私たちの暮らしをまるごと多国籍企 業に明け渡すTPPの推進、福島の被害を考えれば言い出すことさえで きないはずの原発再稼動と輸出、そして、憲法の改悪。
 こうした「危険すぎる政策」を強行しようとする安倍政権は、特定秘密保護法 によって、私たちから情報を奪おうとしています。情報こそ民主主義に なくてはならないものです。私たちは主権者として、政府が何をしようとしているか、 私たちの税金が何に使われているかを知る権利と責任がありま す。「何が秘密 かも、秘密。」という秘密保護法は、民主社会を死に至らせる最悪の法律です。
 人権の尊重に裏付けされた公正な社会、市民の連帯による参加型の民主主義社会をつくっていくために、私たち主権者もまた、ともに考え、ともに動 き出す ときです。ぜひお集まりください!!

【日時】2013年12月1日(日) 18:30〜20:30(開場18:15)
【会場】連合会館2階 大会議室
     東京都千代田区神田駿河台3-2-11 T)03-3253-1771
【参加費】500円 ※申込不要

【プログラム】
司会:木内みどり(女優)
○あいさつ 実行委員長 宇都宮健児(弁護士・反貧困ネットワーク代表)
○問題提起
・秘密保護法:田島泰彦(上智大学教授・監視社会を拒否する会共同代表)
・原発:海渡雄一(弁護士・脱原発法制定全国 ネットワーク事務局長)
・解釈改憲:高田健(許すな!憲法改悪・市民連絡会)
・メディア:東海林智(毎日新聞記者・元新聞労連委員長)
・TPP:内田聖子(PARC事務局長・STOP TPP!! 市民アクション)
・市民活動:満田夏花(FoE Japan理事・原子力規制を監視する市民の会)
○ディスカッション

【主催・呼びかけ】
「民主主義社会に秘密保護法はいらない!」実行委員会
T)03-3571-6051(東京市民法律事務所内)
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立憲フォーラム主催
「秘密保護法」を考える院内集会
日時:11月28日(木)17:00~
場所:衆議院第一議員会館 1階 国際会議室」(地下鉄「国会議事堂前」「永田町」下車)
内容:「ジャーナリズムを死なせてはならない」
講師:保阪正康さん(ノンフィクション作家)
衆院第一議員会館入り口で16:30から入館証を配布します。
問合せ:参議院議員・江崎孝事務所(電03-6550-0511)
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11・25 福島公聴会・緊急アピール行動
秘密保護法に異議あり!
-秘密保護法に反対します! 福島をアリバイづくりに使わないで-


◆11月25日(月)公聴会前アピール行動
 ・公聴会開始前  9:00~10:00
 ・公聴会終了後 12:30~13:30
◎場所:福島駅東口 中合デパートのツイン広場周辺
◎呼びかけ:
「秘密保護法に異議あり!ふくしまの会」
「秘密保護法を考える市民の会」
※市民による平和的なアピールです。主催者の指示にしたがって、節度のある行動をお願いします。
・・
秘密保護法案 原発事故隠される 福島で公聴会 住民らデモ
 「福島をアリバイに使うな」「情報を隠さないで」。二十五日に福島市で開かれた、特定秘密保護法案を審議する衆院国家安全保障特別委員会の初めての公聴会。会場のホテル前では、東京電力福島第一原発事故で被害を受けた福島県の住民らが法案に反対するデモを行い、公聴会に入れない人らが怒りの声をあげた。 

 JR福島駅東口にあるホテル前では肌寒い曇り空の下、朝八時ごろから「特定秘密法案 廃案しかない」と書かれた横断幕やのぼりを掲げた住民ら約百人が参加した。
 原発事故で飲食店を廃業した無職武藤類子さん(60)=福島県三春町=は「法案は原発事故の真実を隠す」と書かれたプラカードを持参。けさ自宅で作ったという。「今でさえ原発事故がどのように起きたか真実がわからないのに、法案ができたらどんどん隠されていってしまう」

 会場の傍聴者席は五十席。傍聴券が必要と知らない人も多く、席は半分ほどしか埋まらなかった。会場に入れない福島市野田町の佐々木慶子さん(71)は「公聴会は広く国民の声を聴く場所のはず。福島でも千人以上入れる会場はいっぱいあるのに」と衆院事務局員に詰め寄った。
 佐々木さんは「きょう公聴会があることを知った人もいる。立ち見でも全員入れてほしい。国会議員が(傍聴を認めると)決めれば済む話」と批判した。(東京新聞
・・・・・・・・・・・・
「アリバイ作りなのか」 秘密保護法・福島公聴会
OurPlanetTV

「・・・・空席なのに市民締め出し 
今回の傍聴枠は50人限定。枠は事前に各政党に割り当てられ、政党と繋がりをもたない市民は傍聴することが出来なかった。開始時間前には、福島の住民などおよそ10名が傍聴を求めて会場を訪れたが、会場には入れなかった
 また事前にテレビでの生中継を希望した放送局もあったが、衆議院国家安全保障に関する特別委員会の福島地方公聴会担当者は「スペースの関係でテレビの生中継はお断りしている」としていた。しかし、当日公聴会が開かれた会場では空席や空スペースが目立った。・・・・」

●「国家安全保障に関する特別委員会〜福島地方公聴会
日時:11月25日(月)10時~12時55分
会場:ホテル辰巳屋(福島市栄町5-1)

<プログラム>
額賀団長あいさつ
○意見陳述者の意見陳述(各10分、計1時間10分/陳述順)
馬場有(浪江町長)
槇裕康(福島弁護士会副会長)
二瓶由美子(桜の聖母短期大学キャリア教養学科教授)
名嘉幸照(株式会社東北エンタープライズ会長)
畠中信義(いわき短期大学と特任教授)
荒木貢(弁護士)
佐藤和良(いわき市議会議員)
 
○意見陳述者に対する質疑(各15分、計1時間45分)
今津寛  (自民)
近藤昭一 (民主)
丸山穂高 (維新)
遠山清彦 (公明)
畠中光成 (みんな)
赤嶺政賢 (共産)
玉城デニー(生活)
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「とどけよう!脱原発の声を」報告集会
日時:11月26日(火) 18:30~19:30
会場:日比谷公園大音楽堂(日比谷野音)
地下鉄「霞ヶ関駅」「内幸町駅」、JR線「有楽町駅」「新橋駅」
※地図 http://hibiya-kokaido.com/yaonpage.html
内容:署名呼びかけ人および福島からの訴え、署名された方からのメッセージ朗読
日比谷公園~東京電力本店前~銀座方面デモ行進
■詳しくはこちら  http://sayonara-nukes.org/2013/11/1117_1126/

2013年11月21日木曜日

福島第2の廃炉判断先送り??

福島第2の廃炉判断先送り??

・福島第2の廃炉判断先送りを検討
 福島県が廃炉を求めている福島第2原発について、東京電力が廃炉の判断を来年以降に先送りする方向で検討していることが20日、分かった。
 当面の追加的な資金負担を回避し、福島第1原発の廃炉作業に経営資源を集中させる狙いがある。 年内にとりまとめる新しい総合特別事業計画(再建計画)に廃炉方針を示さない方向で調整している。
  地元では福島県議会が2011年10月に県内全基の廃炉を求める請願を採択しており、第2原発の再稼働はきわめて困難な状況にある。(共同)


 「批評する工房のパレット」内の関連ページ
2013年4月1日
⇒「で、私たちは福島第一5、6号機、第二原発をどうするのか? 2013
2012年8月1日
⇒「「議論が深まらない社会」(1)--「脱原発依存社会」をめぐって 」
2012年1月19日
⇒「3・11福島大集会の〈アジェンダ〉を考える
2011年12月14日
⇒「で、私たちは福島第一5、6号機と第二原発をどうするのか?
2011年12月10日
⇒「東電一時「国有化」=(電気料金値上げ+増税)+(柏崎刈羽+福島第二再稼働)?

国会議員のみなさん、有権者は、あなたを見ています

国会議員のみなさん、有権者は、あなたを見ています
秘密保護法案に反対の一票を
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すべての国会議員のみなさん
党の方針がどうあれ、秘密保護法案に反対の一票を投じてください!
問題の多い秘密保護法案に多くの有権者が反対しています。
審議時間もまったく十分ではなく、与党の答弁はころころ変わっています。

たとえば、「TPP」は特定秘密の範囲かどうか政府の説明は二転三転していますが、これは特定秘密の範囲は政府の解釈次第であるということを示しています。
政府が恣意的に特定秘密の範囲を決める秘密保護法案は、たいへん危険なもので、民主主義の根幹を揺るがします。
国会の権限も損ね、罪刑法定主義にも反します。特定秘密に対する第三者機関も明記されていません。
法律は条文がすべてです。口約束で、「今後の改善」などという説明には到底納得できません。
国家安全保障と情報への権利に関する国際原則(ツワネ原則)にも大きく反します
有権者からの信頼を裏切らないでください。有権者は、あなたの行動をみています。
党の方針がどうあれ、本法案に「反対」の一票を投じてください。

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みなさんのお力を。国会議員に届けます!
一人でも多くの有権者の声を、国会議員に!!

超緊急の48時間署名です。締切は、締切:11月20日(水)23:00

署名フォーム5:https://pro.form-mailer.jp/fms/ff7a506050754 …他のフォームがパンクしているようなので、さらに新設しました。PCでも携帯でも可

署名フォーム1:http://goo.gl/dq7I6E …PC用
署名フォーム2:https://pro.form-mailer.jp/fms/4da5988050661 …PCでも携帯でも(ただし、アクセス数が多くなると、パンクします)
署名フォーム3:https://pro.form-mailer.jp/fms/7b22982f50698 …PCでも携帯でも。フォーム2がアクセスがしずらくなっているので、新設しました。

署名フォーム4:https://pro.form-mailer.jp/fms/974a058850752 …フォーム2もパンクしているようなので、新設しました。
★11月20日(水)10時までに集まった署名は、10,742筆に達しました。メッセージもとても理性的で説得力のあるものでした。本日の議員事務所訪問で、衆議院の自民党・公明党・みんな・維新の議員たちに提出させていただきました。
21日(木)に、各党の国会議員に提出します。ぜひ、みんなで提出に行きましょう!
朝10時に参議院議員会館ロビーにご集合ください。
★提出したあと、11時から記者会見を行います。こちらにもぜひ、みなさんご出席ください。
場所はまだとれていないのですが、参議院議員会館ロビーに11時にご集合ください。

「避難の権利」ブログ
秘密保護法を考える市民の会
 国家をして国民をしばる秘密保護法に対し、みんなでアクションを!

・・・
与党、維新と修正合意=秘密指定「最長60年」―26日に衆院通過方針 自民、公明両党は20日夜、機密を漏らした公務員らへの罰則を強化する特定秘密保護法案について、日本維新の会と修正合意に達した。秘密指定の期間を武器や暗号など7項目を除き「最長60年」とする。既に法案賛成を決めたみんなの党に続き、維新も賛成に回ったことを受け、与党は26日の衆院本会議で採決に踏み切る方針だ。

  修正合意に関し、政府関係者は20日、「法案の目的を害する修正はしていない」と指摘した。維新が主張した秘密指定の妥当性を監視する第三者機関も検討課題にとどまっており、国民の「知る権利」が制約されかねない懸念は残っている。

  衆院国家安全保障特別委員会は20日、秘密保護法案の採決の前提となる地方公聴会を25日に福島市で開催することを議決。与党は当初目指していた週内採決は断念したが、野党第1党の民主党との修正協議が調わない場合でも、26日の衆院通過は譲らない考えだ。 (時事)

2013年11月17日日曜日

STOP! 「秘密保護法」11.21大集会 ~「何が秘密?それは秘密」 それはイヤだ!~

秘密法に反対するすべての人たち、大集合

STOP! 「秘密保護法」11.21大集会
~「何が秘密?それは秘密」 それはイヤだ!~


「特定秘密保護法」が国会に提案されました。
「秘密」がどこにあるのかは、誰にも知らされません。「秘密」を漏らしたり、漏らすよう求めたりした人は懲役10年の重罰に処せられてしまいます。誤って漏らした人も同様です。秘密を探ろうとする人も処罰されます。

公務員やジャーナリストだけの問題ではありません。原発の情報やTPP交渉のような、命や暮らしにかかわる情報もすべて隠されてしまうでしょう。国が都合の悪いことを人々の目から遠ざけようとするとき、そこには必ず戦争への準備がありました。戦争は秘密から始まるのです。

国の情報は政治家や官僚のものではありません。必要なのは情報公開です。こんな法を作ろうとしているのは、先進国では日本だけです。時代に逆行する秘密保護法の成立は何としても阻止しなければなりません。「秘密保護法反対!」の一点で結集し、政府と国会に私たちの声をぶつけましょう!

■日時 11月21日(木)
午後6時半・開会/午後7時半・国会請願デモ
■会場 日比谷野外音楽堂

◆集会内容◆
(1)主催者あいさつ 海渡雄一
(2)国会議員あいさつ
(3)日弁連あいさつ(予定)
(4)呼びかけ団体あいさつ
(5)ゲスト・スピーカー
青井未帆(憲法学者、学習院大学法科大学院教授)
落合恵子(評論家)

◆主催◆
STOP!「秘密保護法」大集会実行委員会
◆連絡先団体◆
新聞労連(03‐5842‐2201)/
平和フォーラム(03-5289-8222)/
5・3憲法集会実行委員会
(憲法会議03-3261-9007、許すな!憲法改悪市民連絡会03-3221-4668)
秘密法に反対する学者・研究者連絡会(田島泰彦)
秘密法反対ネット
(盗聴法に反対する市民連絡会090-2669-4219、日本国民救援会03‐5842-5842)

・・・
・秘密保護法案 修正より廃案に全力を
 機密を漏らした公務員らに厳罰を科す特定秘密保護法案をめぐり、与党と日本維新の会、みんなの党が修正協議を始めた。民主党も近く対案をまとめて与党との協議に入る。  国会論戦では、政府が恣意(しい)的に秘密の範囲を拡大できることなど法案が重大な欠陥を数多く抱えていることが一層、鮮明になっている。  だが、修正協議は秘密保護法の必要性を認めることが前提となる。野党がその土俵に上がれば政府・与党のペースに巻き込まれかねない。

   情報漏えい防止は国家公務員法など現行法で可能であり、新法は不要だ。野党は修正協議よりも、法案の問題点を徹底追及し、廃案に追い込むことに全力を挙げるべきだ。  法案は別表で、特定秘密として防衛、外交など4分野23項目を列挙しているが、うち11カ所に「その他」という文言がある。  秘密の対象がいかに曖昧かを端的に示す事実だ。野党がこれを追及したのに対し、安倍晋三首相は「恣意的指定が行われないよう重層的な仕組みを設けている」と答弁した。  その仕組みとして首相は「外部有識者の意見を反映させた指定基準」を挙げたが、それだけでは「重層的」とは言えまい。第三者が指定の妥当性をチェックする制度もない。

 与党との協議で野党側は、こうした点などの修正を求めているが、与党は大幅修正には応じない方針だ。  新法の必要性のなさは衆院の質疑でさらにはっきりした。  首相は答弁で、過去15年間で起きた主要な情報漏えい事件として政府が挙げた5件のうち、特定秘密に該当するのは2008年の中国潜水艦の動向の漏えいだけだと言明した。  漏えいした公務員は起訴猶予となった。15年間で、立件さえ見送られた漏えい1件だけというのが実態なのだ。懲役10年の厳罰を伴う新法など不要なのは明白ではないか。

 気になったのは自民党の町村信孝元外相の国会発言だ。「国民の知る権利は担保しました、しかし個人の生存が担保できません、国家の存立が確保できませんというのは全く逆転した議論ではないか」と述べた。  外交、防衛のためには国民の目と耳をふさいでも構わないと言わんばかりだ。  知る権利が保障されてこそ、国民監視の下、国が針路を誤らずに進むことができるのであり、町村氏の主張の方が逆転している。

 野党が町村氏と同じような認識で修正協議に臨んでいるとすれば問題だ。国民の前で法案の危険性を徹底的にあぶり出し、与党の数まかせの強行突破を許さない状況をつくることこそ野党の責務だ。(北海道新聞、社説

2013年11月14日木曜日

『福島と生きる』メールマガジン 第12号

『福島と生きる』メールマガジン 第12号
――息長く〈福島〉とつながり続けるために――

2013年11月14日発行(不定期刊)
-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・

―目次―
◆イベント情報
◆キャンペーン・活動情報
◆保養情報
◆ニュースクリップ

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◆イベント情報 (イベント情報は変更されることもあります。必ず主催者サイトでご確認下さい)
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1.「誰も知らない27年後のチェルノブイリ」
  11月20日(水)13:30-16:40(郡山市・福島県教職員組合郡山支部会館)
  ※講演: タチアナ・アンドロシェンコ
        (ウクライナ、「食品と暮らしの安全基金」調査コーディネータ)
   「食品と暮らしの安全基金」では、ウクライナを訪れ、多くの子どもが健康  障害で苦しんでいる実態を知りました。その調査のコーディネータを務め、  自身もチェルノブイリ事故で健康被害に遭ったアンドロシェンコさんのお話を聞きます。
  ※福島以外の予定: 
    11/16(土) さいたま市産業文化センター
    11/18(月) 盛岡アイーナホール
    11/19(火) 仙台市市民活動サポートセンター
    11/21(木) 衆議院第一議員会館・多目的ホール
  ※主催: 福島実行委員会/NPO法人食品と暮らしの安全基金
  ※問い合わせ: 048‐851‐1212、mall@tabemono.info
  ※詳細: イベントサイト 

2.「ふくしまオーガニックフェスタ2013」
  11月23日(土)(郡山市「ビックパレットふくしま」展示ホールB)
  ※農産物販売のほかに、放射能とくらしを考えるシンポジウム、農家による
  放射能低減のとりくみのパネル展などさまざまな企画が行われます。
  ※詳細: イベントサイト 

3.「健康相談会」
  12月3日 (火) 午後(山形市・おいたまサロン 2F 「ふわっと」)
  ※快医学健康相談 橋本俊彦(鍼灸師・快医学)
    医師健康相談  小林恒司(心療内科医師)
  ※主催: NPO法人ライフケア
  ※申し込み・問い合わせ: 07​0-5629-3229
  ※詳細はこちら 

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◆キャンペーン・活動情報
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「原発いらない福島の女たち」2014年度版カレンダー予約受付中
※売上は「女たち」の活動資金になります。カレンダーで「女たち」を支えてください。詳細はこちら 

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◆保養情報
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ほよーん相談会
※子どもローテーション保養のデータベース。全国各地の保養情報が掲載されています。全国の避難者支援団体の情報もあります。サイトはこちら 

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◆ニュースクリップ
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1.復興加速化案 帰還・費用の原則一転 支援の線引き、難しく
  http://mainichi.jp/shimen/news/20131112ddm003040111000c.html
  毎日新聞 2013年11月12日 東京朝刊
 与党が11日、東京電力福島第1原発事故の復興加速化案を安倍晋三首相に提出したのを受け、政府は具体策作りを急ぐ。
 民主党政権時代に決めた「被災者の全員帰還」や、賠償や除染などの事故処理費用を東電が一手に担う「汚染者負担」の原則を転換、長期にわたり帰還が困難な人には移住支援策を提供し、除染や廃炉作業の迅速化を目指す内容だが、住民や国民の理解に向けた調整は難しそうだ。(後略)

2.動2013:福島復興加速化案
  毎日新聞 2013年11月14日 東京朝刊
  http://mainichi.jp/shimen/news/20131114ddm005010047000c.html
 ◇飯舘村長「一人一人の判断に寄り添った支援策を」
 東日本大震災からの福島復興加速化案を政府に提言した自民党の大島理森前副総裁ら与党幹部が13日、東京電力福島第1原発周辺12市町村の首長らへの説明に訪れた。(中略)
 移住支援などを巡る政府の対策を「現実路線」にかじを切る今回の提言。
 首長からは「線量が高い所は一定期間帰れない。方向性を示した点は評価できる」(大熊町の渡辺利綱町長)と理解を示す声があった一方、帰還困難▽居住制限▽避難指示解除準備−−の3区域の線引きで、賠償額や帰還方針に差が生じることへの懸念も相次いだ。
 村内が3区域に分かれた飯舘村の菅野典雄村長は「避難指示解除準備区域でも帰れない人はいて、差が生まれれば分断が続く。一人一人の判断に寄り添った支援策を示すべきだ」と訴えた。
 

 都路(みやこじ)地区東部の避難指示が来春以降に解除される見通しの田村市の冨塚宥〓(ゆうけい)市長も「戻った人と戻らない人で差が出れば、『戻らない』という選択をする人が出てくる」と指摘。浪江町の馬場有(たもつ)町長は「(提言は)総花的で具体性に欠ける。地域ごとに異なる課題を抱えており、より細かな支援策が必要だ」と批判した。(後略)

3.福島被災地・慰謝料打ち切り方針の波紋
  東京新聞、2013年11月12日
  http://www.tokyo-np.co.jp/article/tokuho/list/CK2013111202000138.html
 文部科学省の原子力損害賠償紛争審査会は先月下旬、福島原発事故による避難指示区域の住民への月十万円の慰謝料について、指示の解除後、一年を目安に打ち切る方針を決めた。事故は収束しておらず、被災住民の多くは帰還に不安を抱いている。
 だが、対象外の住民からは慰謝料の長期支払いに批判の声も上がる。(後略)


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『福島と生きる』メールマガジン 第12号(2013年11月14日発行)
※『福島と生きる』メールマガジンは、『福島と生きる--国際NGOと市民運動の新たな挑戦』の共同執筆者の団体や活動の関連情報を発信していきます。

発行人=中野憲志・藤岡美恵子(『福島と生きる--国際NGOと市民運動の新たな挑戦』共編者)


・・・
甲状腺がん、前回比8人増の26人 県民健康調査
 福島医大は12日の県民健康管理調査検討委員会で、原発事故当時18歳以下が対象の甲状腺検査結果(9月30日現在)を報告、甲状腺がんと診断された人数が前回(7月31日現在)と比べ8人増加し、26人になったことを明らかにした。このうち1人は、がんの種類を精査している。

 手術で良性と確認された1人を合わせると「がん、またはがんの疑い」と診断された人数は59人(前回比15人増)となった。医大によると、新たにがんと診断された男児1人は手術を受けるかどうか、保護者らと相談しているという。ほかの人は手術を受け経過が良好としている。
 検討委の星北斗座長(県医師会常任理事)は終了後の記者会見で「現時点で甲状腺がんが原発事故の影響で明らかに増えているわけではないと理解している」と話した。  (福島民友)

●福島県ホームページ – 組織別 – 県民健康管理調査検討委員会
http://wwwcms.pref.fukushima.jp/pcp_portal/PortalServlet?DISPLAY_ID=DIRECT&N
EXT_DISPLAY_ID=U000004&CONTENTS_ID=24809
●Ustream.tv ユーザー OurPlanetTV 第13回福島県「県民健康管理調査」検討委員会
01, 第13回福島県「県民健康管理調査」検討委員会 01. 速報…
http://www.ustream.tv/recorded/40697668
●福島県検査で甲状腺がん58人~最年少は8歳  OurPlanet-TV:特定非営利活動法人 (アワープラネット・ティービー)
http://www.ourplanet-tv.org/?q=node/1674
細胞診の結果は
・悪性/悪性疑い  59例
・手術       27例
・良性     1例
・乳頭ガン  26例
・男女比  男性 25例:女性 34例
・平均年齢   16.8歳

・知事「移住支援」提言容認 帰還の方針は維持
 東京電力福島第一原発事故からの復興に向けた自民、公明両党の第三次提言について、佐藤雄平知事は12日、「全員帰還」を原則としてきた政府の避難者対策に、新たに帰還困難者の移住支援が盛り込まれたことを容認する考えを明らかにした。自民党の東日本大震災復興加速化本部の大島理森本部長と県庁で懇談後、記者団に語った。将来的には住民帰還を目指す姿勢を維持しながらも、移住支援による生活再建という提言の「現実路線」に理解を示した。

 佐藤知事と大島本部長の懇談は冒頭以外、非公開で行われた。懇談を終えた佐藤知事は、移住支援が明確に盛り込まれた提言について、「避難が長期化する中で、(帰還に関する)避難者アンケートの意向が違ってきている。将来的に帰還を目指す県の方針は変わらないが、住民の意見を聞き、意向に添える対応、施策を進めてほしい」と語り、移住支援を選択肢として明確に打ち出す必要性を認めた。  一方、大島本部長との会談では「最終的には避難者が古里に帰還を果たせるよう県として取り組む覚悟なので、支援をお願いしたい」と述べ、将来的な住民帰還への環境整備を引き続き要望した。

 提言は、14万人超の避難者について早期帰還の促進を目指す一方で、放射線量が高く帰還が困難な区域については「今後、何年間帰還できないか明確にすべき」と指摘。新しい生活を選択するために必要な判断材料を国と自治体が提示する責任があるとしている。
 提言の実現には課題もある。移住支援は基本的に帰還困難区域を想定しているが、同区域以外にも局所的に放射線量が高かったり、住環境が荒廃したりして帰還を断念せざるを得ない避難者は少なくないとみられ、移住支援の対象範囲の捉え方が焦点の一つになる。
 さらに、移住支援策にどれだけ県や市町村、住民の意見を反映させ、実効性のある対策を示せるかも不透明だ。避難者に帰還か、移住かの選択肢を平等に提示するには、早期帰還者への支援策のさらなる強化も求められる。

■全基廃炉など盛り込み要望
 大島本部長との懇談で、佐藤知事は県内原発の全基廃炉、除染の長期目標などを提言に盛り込むよう要望した。  要望では
(1)国が主体性を持って廃炉・汚染水対策に取り組むこと
(2)県民の総意である全基廃炉の実現
(3)国による線量基準の説明責任
(4)除染の長期目標である追加被ばく線量1ミリシーベルトの堅持
(5)十分な損害賠償の実施-を求めた。
 提言の骨子を説明した大島氏は「国がもう一歩前進し、新たな加速化へのスタートにしたい」と述べた。 (福島民報)

2013年11月11日月曜日

『福島と生きる』メールマガジン 特別号No.4-2

『福島と生きる』メールマガジン 特別号No.4-2
――息長く〈福島〉とつながり続けるために――

2013年11月11日発行(不定期刊)
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インタビュー
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満田夏花さん(FoE Japan )
――行政の責任を問い続け、被災者支援と脱原発の運動を広げたい
パート2

<目次>
I 被災者支援の運動を広げるには何が必要か
II 脱原発運動と被災者支援運動
III 運動を未来につなげるために


I 被災者支援の運動を広げるには何が必要か

Q1  被災者支援を進める上で最大の障壁は何でしょうか?

満田  やはり、低線量被ばくの過小評価と、それに基づく帰還促進政策偏重がネックです。子ども・被災者支援法(「支援法」)は避難、居住、帰還と、どれを選択しても、それぞれのニーズに応えるという中立的な趣旨の法律です。ところが、10月11日に閣議決定された支援法の基本方針は避難者向けの政策が少なく、とくに新規避難者に対して冷たい内容です。

借り上げ住宅の新規申し込は、帰還政策とバッティングするという理由で昨年12月に打ち切られました。支援対象地域の基準を放射線量年1mSvにしようとしないのも、1mSvにならないと戻らないと言われると困るから、風評被害が起きると困るからというのが理由でしょう。支援法自体は中立的なのですが、国や福島県は帰還に対するインセンティブをつけたいと考えているのではないでしょうか。

Q2  原子力災害に限らず、災害が起きると国や行政は災害前の枠組みを復元しようと動きます。しかし、一人一人の市民にとっては既存の自治体イコール自分のコミュニティではない。原子力災害においては、既存の自治体を復元したからといって必ずしも以前の生活に戻れるわけではなく、避難・移住も視野に入れなければならない。

つまり、既存の自治体を復元するという枠組みを取り払わないと、住民の権利を守ることはできません。インセンティブを与えて帰還を促進するのは、帰還できない・しない住民には不利になり、住民の間に差別化を持ち込むことにつながります。今後、帰還を促す動きは続いていくでしょうから、こうしたより根本的な点を問うことが必要になってくると思いますが、その点をどう考えますか?

満田  先日、自民党の提言で、「原発事故の影響で避難している住民全員の帰還を事実上、断念」という報道がながれましたが、それは帰宅困難区域などもっとも汚染が厳しい区域についてであり、帰還促進政策そのものを覆すことはできないと思います。

 一方で、帰還したくない人が現にいます。その人たちへの賠償の打ち切りなどの不利益が生じないようにすることはできるはずですし、やるべきだと思います。帰還運動が住民間に差別を持ち込むものだという認識は、被災者支援に関わっている人たちの間でも共有されています。行政は帰還することにインセンティブを与えようとしていますが、私たちはそれが避難する人の不利益に
つながることがあってはならないと要求しています。

 費用については、行政は明らかにケチっていて、ハードのインフラ整備などには資金を注ぐのに、個人がそれぞれの選択に基づき、生活を再建するというニーズにはお金をかけていません。「支援法の支援対象地域をこれこれとすると、これぐらいの費用がかかる」という試算さえ出ていません。いままで、「除染する」ということで、避難を抑制してきたのに、除染が効果があがらないとみると、今度は、「公衆の被ばく限度年1ミリシーベルト」という除染の長期目標すら見直しかねない状況です。

Q3  被災者・市民の声をもっと強くするにはなにが必要でしょうか? 政党や議員への働きかけですか? 世論を盛り上げたりマスコミ対策の方が重要でしょうか?

満田  いまの状況では議員と政党にはあまり大きな期待はできません。ですから世論とマスコミへの働きかけが必要です。10月4日に「放射能からこどもを守ろう関東ネット」のお母さんたちが、福島県外でのホットスポットにおける健診の実施を求めて、復興庁・環境省・文部科学省との交渉を行いました。事故前は政府との交渉なんて思いもよらなかった人たちが、復興庁相手に丁々発止の交渉をしていました。彼女たちは自分たちが当事者だという意識が強くあり、それが多くの人の共感を集めています。

 支援法というのは原発再稼働問題のように人がたくさん集まるようなイシューではありませんが、丁寧に話せばみなさん納得して何かしら動いてくれます。反原発運動の人たちも共感してくれ、地元の議員に対して働きかけます、という声が出てきます。やはり世論とマスコミに働きかけるのが一番重要になると思います。

 その際、一般の人たちに耳を傾けてもらえる工夫が必要だと思います。再稼働反対デモでは、訴えがあまりに熱狂的すぎて、一般市民から浮いている感じがします。大声を出して再稼働反対を訴えるのも重要ですが、一般の通行人の中にはすごく嫌がる人もいます。反対のための反対ではいけないと思います。街頭行動の目的は、街ゆく人に、原発反対の主張が「たしかにそうだ」と思わせることです。そこをもっと気をつけなければならないと、私自身も自戒しています。


II 脱原発運動と被災者支援運動

Q4  脱原発運動の中でも「福島を忘れない」という集会スローガンに象徴されるように、被災者支援を意識化しようという動きもあります。それでも、反原発運動の中で被災者支援という課題が大きな位置を占めていないような印象があります。たとえば、8月30日に、支援法基本方針案に対する共同声明(「被災者の声なきままの基本方針案は手続き違反」)が、FoEをはじめ数多くの被災者グループや市民グループの連名で提出されました。http://shiminkaigi.jimdo.com/2013/08/30/statement/

 これほど重大な問題に関する声明ですから、本来なら、各地の反原発運動の団体や労働組合、教職員グループ、いろいろな社会問題にとりくむ団体など、全国各地の幅広い分野の団体や著名人が名を連ねてしかるべきだと思います。脱原発・再稼動反対の声はこれほど大きくて広範なのに、それに比して被災者支援という課題が、なぜそれほど大きく扱われていないのか。

 福島からは「脱原発は東京の暇な人がやってくれ」という声もあると聞きます。それは、脱原発に反対ということではなく、政府や自治体が責任ある政策を打ち出さない中、生活や将来の健康に関して不安を抱える人々から見て、脱原発運動の打ち出すメッセージの中に、自分たちのおかれた境遇への関心や共感、連帯感が感じられないと思っているからではないでしょうか。

 脱原発運動と被災者支援運動は別物であってはならないと思いますが、別もののように見えるのはなぜだと思いますか?また、脱原発運動の中で被災者支援という課題をもっと多くの人たちに取り組んでもらえるようにするために、何が必要だと考えますか?

満田  脱原発運動に関わっている人たちも多様です。でも、支援法に関して議員への働きかけや政党への働きかけの呼びかけに対してすぐに動いてくれたのは、昔から反原発運動をやってきた人たちでした。みなさん社会問題に敏感で、被害者が苦しんでいるのに黙ってはいられないという人たちです。

 全体的にはよくわかりませんが、「福島を忘れるな」がキャッチフレーズになっているし、大きな集会では必ず福島の人が話をします。いま脱原発にとりくむ人たちのモチベーションは、やはり福島にあるのではないかと思います。それがないとしたら問題です。

 たしかに、反原発運動をやってきた人たちにとって、支援法問題はメインのテーマではありませんでした。でも、共感してくれる人は多いのです。基本方針の閣議決定を前に、半ばあきらめかけていたら、関西の反原発運動をしている方が「政党への働きかけをすべきだ」と提案してくれて、政党回りを呼び掛けるとびっくりするぐらい多くの方が熱心に回ってくれました。

 つい最近反原発運動を始めたようなグループも、地元の神奈川でいろいろ働きかけをし、神奈川に避難している人たちとも関係を作って、議員訪問などをしてます。九州でも、私が会ったこともないような人たちが、九州に避難している人たちと一緒になって、各地で議員訪問をしてくれて、逆に私にアドバイスをくれました。この議員がポイントらしいとか、この人にコンタクトした方がいいとか。そして、わざわざ東京にも来てくれ、国会議員まわりにも参加してくれました。
 こうして、各地で、反原発に取り組む市民たちが、避難者と一緒に行動してくれたのは、この先につながる明るい材料です。


III 運動を未来につなげるために

Q5  FoE Japanをはじめ、脱原発運動でもっと強化すべきだと思うのはどういうところですか?若者の間で、たんにイベントの手伝いをするとか集会に参加するといったところから一歩踏み込んで、運動の作り手になっていくという動きは見られますか?また新しい活動の担い手を育てるために意識していることはありますか?

満田  FoE自体の話をすれば、一番頭が痛いことは、財政的にピンチだということです。2011年、2012年は寄付金もあったのですが、いまはそれも尽きて来ました。団体への寄付はいまも続いていますが、全体的には減ってきているし、助成金も減りました。

 FoEは原発・福島支援について3人の有給スタッフを擁してフルタイムで活動しています。私は福島関係と再稼働・汚染水問題、規制問題を担当しています。その他にエネルギー政策や若者向けの活動の担当者と、原発事故こども・被災者支援市民会議の担当者がいます。他に5人くらいのボランティアやインターンの人たちが強力に支えてくれています。ボランティアやインターンの方は、
企画に参加したり、セミナーや集会の運営を手伝ってくれたり、福島でやっている子どもたちの保養プロジェクトの実際の担い手にもなってくれています。 

 残念ながら活動に参加する若い人は増えていないです。自ら動いて頑張っているのは30代以上で、20代ではイベントに参加したりする人はいますが、担い手としては少ないです。でも例外もいます。自らベラルーシに行った経験を活かして、ベラルーシの若者たちとの交流事業を考えてくれる若者もいました。また、FoEではインターンの若者たちが企画してくれた「エネルギーを若者向けに」というセミナーをやったりしています。インターンも募集しています。 

 FoEの原発・福島チームのインターンやボランティアをやめた後、自分で活動を始める人もいます。たとえば、FoEの保養プログラム「ぽかぽかプロジェクト」を手伝ってくれていた学生が、自分で資金を集めて東京で保養プログラムを立ち上げました。

 
Q6 原発や福島に関して何かしたいという人に、FoEはどういう活動を提案しますか?また、どういう応援がほしいですか?

満田  私たちが取り組んでいる問題は、たとえば福島支援など、ときに「私たちには関係ない」と無視されるようなものもあります。そういう状態を変えたいと思い自分で動く人たちと一緒に活動したいですね。

 応援でほしいのは「参加」「寄付」「発信」でしょうか。私たちの活動は、街頭での一般の人たちに訴える行動から、国会議員や政府に対する政策提言まで多岐にわたっています。いずれにしても、たくさんの市民が関心を持っているんだということを政府に見せることが大きな力になります。
 
 また、活動を継続するための資金が不足しています。「寄付」によってFoEを支えてください。

  「発信」については、たとえば若者に伝わるような仕方の発信や、マスメディア向けの発信、原発立地の住民向けなど、相手に応じた発信をできる人がいるといいと思います。

 街頭行動でも人を振り向かせるような発信の仕方が必要だと思います。人は一瞬で通り過ぎて行ってしまいますから、立ち止まらせるような工夫が必要です。同じ考えをもつ仲間同士で燃えあがろう、というのもいいですが、通りすがりの人にも「なるほど」と思わせるような、再稼働に関わる経済問題とか、福島のリアルな状況とか、何か目新しい情報を入れる、人の心を捉える工夫が重要だと思います。


(2013年10月5日、8日のインタビューをもとに構成
インタビュアー/文責:『福島と生きるメールマガジン』)

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『福島と生きる』メールマガジン 特別号No.4-2
(2013年11月11日発行)
※『福島と生きる』メールマガジンは、『福島と生きる--国際NGOと市民運動の新たな挑戦』の共同執筆者の団体や活動の関連情報を発信していきます。

発行人=中野憲志・藤岡美恵子(『福島と生きる--国際NGOと市民運動の新たな挑戦』共編者)

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20ミリ以下、大きな影響なし 規制委、住民帰還で提言へ
 東京電力福島第1原発事故で避難している住民の帰還に向け、放射線防護対策の提言を検討している原子力規制委員会が、年間の追加被ばく線量が20ミリシーベルト以下であれば健康に大きな影響はないという見解を提言に盛り込む方針を固めたことが8日、分かった。
 放射線防護対策を議論する11日の検討チームで提言案を示し、月内にもまとめる。規制委の提言を受け、政府は住民帰還に向けた具体的な放射線対策を年内にとりまとめる方針。(共同、11/9)

米懸念受け原発ゼロ法制化見送る 開示公文書で経緯判明
 東京電力福島第1原発事故を受けて民主党政権が昨年、「2030年代の原発ゼロ」を明示した新政策を法制化する構想を検討し、最終段階で見送った経緯が11日、政府が共同通信に開示した公文書で分かった。
 法制化を断念した理由について、関係者は「ねじれ国会」や米政府の懸念があったと証言。新政策の法的位置づけがあいまいになった結果、現在の安倍政権の原発回帰につながった可能性がある。 多くの国民が今も求める原発ゼロを法制化する試みが挫折した詳細な過程が判明した。(共同)

脱原発運動にメール攻撃 

脱原発運動にメール攻撃 

・脱原発33団体に大量メール 253万通以上 刑事告訴を検討
 脱原発などを訴える全国33の市民団体に9~11月に計253万通以上のメールが送りつけられていたことが11日、関係者への取材で分かった。専用のプログラムで大量のメールを送信するサイバー攻撃の可能性が高く、団体側は威力業務妨害容疑などでの刑事告訴を検討している。

 脱原発弁護団全国連絡会によると、メールが送られたのは「首都圏反原発連合」(東京)、「福島原発告訴団」(福島県)、「さよなら島根原発ネットワーク」(松江市)など33団体。
 団体へのメールは9月中旬に始まり、同月30日までに計210万通以上が送りつけられた。このうち2団体には10~11月に計約43万通が届いた。
 「反原発教徒を皆殺しにしなければ世界平和はやってこない」などと脅す文言のメールもあった。

 大量メールは、メールマガジンの登録などの際に確認のメールが自動的に返信される仕組みを悪用。標的とした市民団体のメールアドレスを専用のプログラムで別のサイトに大量に入力し、確認のメールを送りつけたとみられる。発信元の特定を妨げるため匿名化ソフト「Tor」を使っていた。(日経

・大量メール攻撃に「姿見せず、ひきょうだ」 怒る脱原発団体
 「姿を見せずに活動をまひさせようとしている。ひきょうだ」。
 大量のメール攻撃にさらされた各地の脱原発団体の関係者は10日、怒りをあらわにした。
 松江市の「さよなら島根原発ネットワーク」では9月以降、ホームページ(HP)を通じて架空の入会申し込みが大量にあった。他の脱原発団体などのメールアドレスが申込者の連絡先として使われ、事務局には入会確認のメールが殺到。逆に、アドレスを悪用された他団体には入会に感謝する旨のメールが自動的に送信され、拡散した。

 現在、入会申し込み欄はHPから削除しており復旧のめどは立っていない。事務局の芦原康江さんは「脅迫文が届いたことはあるが、こういう嫌がらせは初めて。活動のために復旧させたいが、他団体に迷惑をかけかねない」とこぼす。
 「福島原発告訴団・北陸」(金沢市)にはブログ上の事務局への問い合わせ機能を通じ、「a」という件名のみを記したメールなどが約149万通寄せられメールが使えなくなった。(産経
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「・・・脱原発弁護団全国連絡会は10日、脱原発を掲げる市民団体に大量の嫌がらせメールが送りつけられていたことを明らかにした。
 同会共同代表の海渡雄一弁護士によると、9月中旬と10月24日~11月4日、福島県内の住民でつくる福島原発告訴団などに計約253万通のメールが送信されたという。金沢の団体には149万通が送られていた・・・。」(読売新聞より

命と安全を脅かす「秘密保護法案」に反対するかながわ集会

命と安全を脅かす「秘密保護法案」に反対するかながわ集会
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★日時:11月12日(火)午後6時30分
★会場:かながわ県民センター301号室
★お話 海渡雄一さん(日弁連秘密保全法案対策本部委員)
 「市民の生命と安全を脅かす秘密保護法案—厳罰化と処罰の早期化—」
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安倍政権が今国会で成立をめざす「特定秘密保護法案」は、市民の生命や安全を脅かすような危険な法案です。市民団体、報道関係、法曹界と反対の声も日々に大きくなっていますが、公明党も修正案に合意していよいよ国会に提出されます。

この法案は、1980年代に中曽根政権が制定しようとして、世論の大きな反対で挫折した「国家秘密法」の内容をさらに拡大し、重罰化したものです。政府・官僚が安全保障上、重要とする外交、防衛、安全脅威活動(スパイ活動)、テロ活動の防止、に関わる情報を「特定秘密」とし、これらの情報を公務員などが漏らしたり、漏らすように唆したり、煽動、共謀した者も、最高懲役10年の厳罰が科されます。

福島原発事故における情報隠しを見れば、原発情報などは、まずテロ対策を理由に広範に「秘密」とされるでしょう。

政府は、この法案を外交・安全保障政策の司令塔となる「国家安全保障会議設置法案」とともに今国会で成立させるため、公明党が要求した「知る権利」や「取材の自由」を明記し、秘密指定の基準作りに有識者が意見を述べる場をつくる等の修正をしましたが、小手先のごまかしに過ぎず、根本的な問題は残ったままで法律の危険性が解消するわけではありません。
「特定秘密保護法案」は、市民の知る権利、表現の自由を侵害し、民主主義を否定し、私たちの生活と安全そして平和を脅かす違憲の法案です。世論を盛り上げて何としてもこれを廃案に追い込みましょう。

★共催団体
盗聴法に反対する神奈川市民の会
日本国民救援会神奈川県本部 (050-3310-1368)
日本キリスト教団国家秘密法反対特別委員会
住基ネットに「不参加」を!横浜市民の会
すべての基地にNO!を・ファイト神奈川
さよなら原発・神奈川
★後援:神奈川平和運動センター
★参加費:500円

★集会賛同団体募集:11.12 緊急市民集会への賛同を呼びかけます。
安倍内閣、特別委員会、神奈川県選出国会議員、マスコミ等に賛同団体の名簿を添えて集会決議を提出します。
<連絡先> e-mail:h2kubo@jcom.home.ne.jp FAX:045−788ー0838

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・NSC事務局が6部門に編成 防衛、外務、警察で配分
 外交・安全保障政策の司令塔となる国家安全保障会議(日本版NSC)の事務局「国家安全保障局(安保局)」が、「戦略」「情報」など6部門の分野別に編成されることが9日、分かった。
 部門トップのポストは防衛省に3、外務省に2、警察庁に1を配分する。政府関係者が明らかにした。

 6部門はほかに「総括」「同盟・友好国」「中国・北朝鮮」「その他地域」。
 全体の調整役となる「総括」を筆頭部門に位置付け、トップには防衛官僚を起用する。
 安保局の局次長には、外務官僚と防衛省内局官僚(背広組)出身の官房副長官補を充てる。(共同、11/10)

2013年11月4日月曜日

第2回 東電解体・東電本店合同抗議

放射能汚染水海洋流出抗議!柏崎刈羽原発の再稼働するな!
第2回 東電解体・東電本店合同抗議


11月6日(水) 18時半~20時 東電前
呼びかけ団体;経産省前テントひろば、首都圏反原連、東電株主代表訴訟、たんぽぽ舎

東電福島第一原発の放射能汚染水流出は「完全にコントロールされている」という安倍の大ウソとは反対に、益々深刻化しています。東電は当事者能力を失っており、汚染水と混ざり合った雨水を敷地内にまき散らすなど、完全に泥沼状態に陥っています。

フクイチの現場では人的体制の崩壊的危機の進行が指摘され、高放線量下で益々苛酷となっていく労働環境での技術者・作業員の不足、過重労働、劣悪な労働条件、管理体制の破綻等々が、東電の安全対策より企業経営第一の姿勢によって加速され、次々と破綻・「ミス」を生じさせ、東電の破綻企業としての現実をさらけ出しています。

さらには、このような当事者能力を失っている破綻企業東電の下で、4号機プールからの使用済み核燃料棒の取り出し作業が始められ、ヒビの入った排気筒の地震による東海の危険性が指摘される等、フクイチの現場は全く予断を許さない事態が進行しています。

これに対して、政府・自民党はあくまで東電の企業として延命させることを第一にして、フクイチの分社化や除染費用免除や大規模な国費(税金)投入を画策しています。それはフクイチでの人的体制や汚染水対策をはじめとする安全対策の危機を解決するものにならないばかりか、柏崎刈羽原発の再稼働と連動したものとなるのは明白なことです。

東電を破綻処理し、銀行や株主にも責任を負わせ、資産をはき出させ、国が直接に責任を負う事故収束ー廃炉に向けた体制を構築することが急務となっています。東電本店合同抗議は、10月2日に第1回が400名の参加で行われました。東電本店抗議は一層重要な位置をもっています。11月6日の第2回抗議はそれを遙かに上回る規模で東電に迫ることが求められます。第2回 東電解体・東電本店合同抗議にご参加下さい。

経産省前テントひろば 八木健彦

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福島で脱原発7千人集会 「不安抱き続けている」 
 脱原発を求める福島県民の思いを伝えようと県内の市民団体が2日、福島市で「なくせ!原発大集会」を開き、約7千人が参加した。呼び掛け人を代表し、福島県楢葉町から同県いわき市に避難している住職早川篤雄さん(74)が「原発事故が収束する保証はなく、県民は不安を抱き続けている。実情を全国に知ってほしい」とあいさつした。
 政府や東京電力に、福島第1原発事故の被害に対する賠償や除染、汚染水問題の解決を求めるアピールを読み上げた後、市内をデモ行進した。(共同)

⇒「なくせ!原発大集会」公式ブログ

2013年11月3日日曜日

「人道的介入」と人権NGO---日本平和学会秋季研究集会

「人道的介入」と人権NGO
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日本平和学会秋季研究集会
「植民地主義と平和」分科会のお知らせ
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 日本平和学会の「植民地主義と平和」分科会では、秋季研究集会で「「人道的介入」と人権NGO」をテーマに取り上げます。
 1990年代半ば以降、極度の人権侵害に対する武力介入(「人道的介入」)を支持する声が、人権を重視するリベラル派の間で強まっています。

 欧米諸国が主導する「人権」の名の下の武力介入は、帝国主義的、植民地主義的との批判もある中、国際人権NGOはこの問題をどう考え、どう対応しているのか。
 武力介入が人権の保障につながるのか。
 これらの問題を考えます。是非お越しください。
※学会員以外の方も参加できます(参加費あり)

日時:2013年11月10日(日)13:20-15:20
場所:明治学院大学白金キャンパス
(http://www.meijigakuin.ac.jp/campus/shirokane/)
(教室番号は、当日受付でお尋ねください)

報告:藤岡美恵子(法政大学)「『人道的介入』と人権NGO 」
討論:清末愛砂(室蘭工業大学)
司会:佐伯奈津子(早稲田大学アジア研究機構)

秋季研究集会全体のプログラムはこちら
http://www.psaj.org/modules/news/article.php?storyid=41
分科会のプログラムはこちら
http://www.psaj.org/modules/news/article.php?storyid=42

2013年10月29日火曜日

『福島と生きる』メールマガジン 特別号No.4-1

『福島と生きる』メールマガジン 特別号No.4-1
――息長く〈福島〉とつながり続けるために――
2013年10月29日発行(不定期刊)
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インタビュー
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満田夏花さん(FoE Japan )――行政の責任を問い続け、被災者支援と脱原発の運動を広げたい

<目次>
パート1
 I 被災者の声が反映されない子ども・被災者支援法
 II 国と自治体の責任を問う
 III 対政府交渉の総括点


パート1
I 被災者の声が反映されない子ども・被災者支援法


Q1  満田さんはこの間、子ども・被災者支援法(「支援法」)の具体化を求める政府との交渉に関わってこられました。昨年6月に成立した支援法は、具体的な施策が決まらないまま1年以上もたなざらしにされていましたが、8月30日に復興庁が支援法実施の基本方針案を発表。パブリックコメントの期間は当初わずか2週間でした(抗議を受けて10日間延長)。

 基本方針の内容は被災者の声にほとんど応えていないと満田さんたちは指摘しています【※1】。子ども・被災者への支援に関するこの間の政府・自民党の対応について、またそれについてどう評価しているかお聞かせください。

【※1】「パブコメ無視の「(修正)基本方針」は遺憾」(原発事故子ども・被災者支援法市民会議プレスリリース、2013年10月10日)を参照。http://shiminkaigi.jimdo.com/2013/10/10/pressrelease/

満田  支援法の基本方針には、5,000件近くのパブリックコメントが集まり、説明会でもたくさんの切実な声があがりました。多くの人が、各地で公聴会を開いてほしい、支援対象地域を年1mSvを基準に拡大してほしい、健診を県外でもやるべき、借上げ住宅制度の長期適用をしてほしいなどの意見を表明しました。
 しかし、政府は、これらの意見に耳を傾け、支援法の基本方針の大々的な修正をするつもりはないようです【注-政府は被災者や市民団体の要望をほとんど聴くことなく、10月11日に基本方針を閣議決定した】。
 支援対象地域については、市民や関係自治体から年1mSvを根拠にせよとの強い要望が出されました。国際的な勧告や国内法令的な根拠も強いので、それを否定することは政府としては難しい。それで福島県33自治体に限るという曖昧な結論にしたのではないかと推測しています。

 現在、避難も帰還も基準は年20mSvです。民主党政権時代に帰還の基準を5mSvにすべきという議論もあったようですが、賠償や風評被害をおそれる政府や福島県が拒否したと朝日新聞が報じました。
 支援法や帰還問題について政府とやりとりしていて感じるのは、放射線被ばくが怖いから帰還したくない、線量が高いので帰還できないという住民の声を抑えるのに政府は躍起になっているということです。支援法の支援対象地域の決め方にもそれを感じました。

 支援法のもう一つの重要な柱は健康問題ですが、それに関する環境省の対応はかなり頑なでした。環境省をはじめ政府は、原子放射線の影響に関する国連科学委員会(UNSCEAR)、国際原子機関(IAEA)、世界保健機関(WHO)がチェルノブイリ後に実施した調査に基づいて、甲状腺がん以外に健康への影響はないという考え方を採っています。甲状腺がん以外の健康調査は行う必要がない、福島県外で行う必要もないという頑なな態度です。

Q2  今後の支援法に関して、具体的な成果を挙げるためにどこに焦点を置こうと考えていますか?

満田  短期的には、政府は閣議決定を強行しそうで、それを押しとどめる方法はなさそうです。ただ、健診の拡大や、借り上げ住宅制度の長期延長や借り換え・新規再開は、被災者の死活問題でもあるので、そこは個別具体的に頑張ろうと思っています。健康対応については、環境省が今年度
中に有識者会議を立ち上げる計画をもっていますが、そもそもその必要があるのか、何をするのかという点が議論になっています。

 環境省は帰還する人に線量計を持たせて、個人の外部被曝量を測るという方式を考えているようです。その線量は空間線量より低く出ると言われています。健康への影響は心配ない、として健診の要求を受け流すつもりなのではないかと推測しています。県外の人にも実験的に持たせる計画で、「測ってみたら1mSv以下だったからみなさん安心してください」ということにしたいのかもしれません。

 有識者会議に放射線医学総合研究所(放医研)や東大や長崎大学の研究者など、政府と同じ考え方の人たちを入れようと考えているのでしょう。でも、それでは市民は全然納得できません。県外でも健診をやってという強い要求がある中、なんのために有識者会議を作るのかが明確ではありません。設置するのであれば、ちゃんとした専門家と被災当事者を入れてほしい、健診を行うことを決めてその具体的内容を議論してほしいと要望しています。

 住宅については、公営住宅の入居円滑化という案が出ていますが、入居可能性は不透明だし、現在、借り上げ住宅制度があるので、いまある制度を支援法の中で位置づけて活用してほしい、長期延長と借り換えを認めてほしい、新規避難者にも適用してほしいという要望を出しています。
 長期的には、被災当時者が復興庁や関係省庁・自治体と議論できる場を持てるような仕組みを作りたい。また対象地域の基準を被ばく線量年1mSvにすべきという点は言い続けるべきだと感じています。今後、外部線量計を持たせるなどして、福島県内で放射線安全論を広めようとするでしょう。

 「公衆の被ばく限度は1mSv」という認識は意外と広く人々の間に広がっています。長期的に「放射線安全論」に立ち向かうためにも、1mSvを守れと言い続ける必要があると思っています。

帰還モデルを問う
Q3  この基本方針の内容をみると、政府は住民の生活と権利を守るという、最低限果たすべき責任を果たしていないと言わざるをえません。現在の除染-帰還モデルは自治体の存続を優先していて、そこに住む住民の権利をないがしろにしています。

行政が行政としての責任を果たしていないことを、もっともっと問題化する必要があるのではないでしょうか。そのあたりをもっと具体的に追求しようという議論や動きは出ていますか?

満田  みんなが当事者だと私たちは言ってきました。この基本方針は避難者に冷たいだけでなく、住んでいる人にも決して温かくありません。放射能に関する具体的な心配に対しては、「そんなのは心の病だ」とでもいうような冷淡な対応です。健診を充実させようという内容もない。中通りや浜通りの避難区域外に住み続けながらも本当は避難したいという人にとっても冷たい方針です。

 また、具体的な内容をみてみると、帰還に向けた支援が充実しており、避難し続けるという選択肢に対する支援が薄いのがわかります。こういう点もしっかりと行政に問うていく必要があります。


II 国と自治体の責任を問う

Q4  安倍政権になってから政府の姿勢に変化は起きていますか?

満田  以前の平野復興担当大臣のときは、民主党議員の仲介で大臣と被災者の会合も実現しました。しかし、自民党政権になってからは、このように市民と政府をつなぐ動きは少なくなりました。
 また、復興庁は支援法の具体化を引き延ばしていることについて、紋切型の返事しかしなくなってきました。パイプ役の議員の数が減ったこともあって、政府の動きが見えなくなってきました。

Q5  福島県では、帰還した人に対して「寝た子を起こすな」的な雰囲気があります。自治体行政がそういう雰囲気を醸成するような役割を果たしています。福島県や自治体に対してはどういう働きかけをしているのでしょうか? また、福島県内の自治体の議員はどう考え、どう行動しているのでしょうか。

満田  私たちは、住宅借り上げの新規申し込みを打ち切らないでほしいという要求や、県民健康管理調査の関連で福島県と会合をもちました。住宅借り上げの新規申込の打ち切りは、帰還重視の考え方の反映ですね。健康調査について県の健康管理課長と話したことがありますが、福島県の住民が県や自治体と対話をもつのがベストだと思います。
 現在、公的なお金を使って放射線安全論を刷り込むような活動が行われていますが、放射線の影響が現時点で分かっていないのだから、分からないなりに専門家や医師に加わってもらって健全な議論をする場を作ればいいと思います。

住民に説明なしの避難勧奨の指定解除
 自治体当局が住民の信頼を失うような状況もあります。伊達市小国地区の特定避難勧奨地点は、2012年12月に解除されました。住民に対する説明会は開かれませんでした。実際に線量を計測すると全体に高く、局所的には10μSvを越えるところもあるのにです。特定避難勧奨地点は世帯ごとに指定され、賠償をめぐって地域が分断されたために、伊達市自身が解除を求めたのです。
全域の指定を求めるのではなく、賠償を受けられない住民の方に合わせて解除を求めた。それに対して怒っている住民もいます。伊達市に帰還する人は少ないのに、指定が解除されて賠償は打ち切られてしまいました。

 福島市の大波小学校も休校になってしまいましたが、地区でまとまって移転できていれば、小学校ごと線量が低い場所に移すこともできていたでしょうし、子どもたちもちりじりにならずに済んだと思います。もちろん簡単なことではないかもしれませんが、それにしても痛ましいです。自治体当局や市長が望む方向ではなく、むしろ逆に自治体当局が信頼を失う状況が生まれています。

 福島県内の自治体の議員の対応はいろいろです。2011年当初の避難区域設定の問題では、自治体議員さんの意見はさまざまでした。それでも、いわき市で9月20日に行われた「原発事故子ども・被災者支援法いわきフォーラム」【※2】には10人近い市議さんたちが参加していました。関心は高いと思います。

【※2】「原発事故子ども・被災者支援法いわきフォーラム」報告
http://shiminkaigi.jimdo.com/2013/09/20/iwakiforum-report/


III 対政府交渉の総括点

Q6 これまでの政府交渉の総括点を聞かせてください。どういう成果があって、どういうところに突破できない壁があるとお感じですか?

避難基準、再稼働問題
満田  20mSvの撤回や自主避難者の賠償問題については、問題を世の中に知らしめたという成果はあったと思います。学校の利用基準の20mSvを、形式上とはいえ撤回させたことは一つの成果です。自主的避難賠償については、被災者のみなさんと辛抱づよく声を上げ続け、雀の涙ほどでしたが、「自主的避難者等に関する賠償」を政府の賠償指針に入れさせたのは成果だと思います。

ただ、避難基準の見直しについてはまったく成果は上がっていません。2011年の段階で、福島市の渡利地区の問題をマスコミが報じて、避難問題に注目が集まったのは成果と言えるかもしれませんが、現実には何も動いていません。

 再稼働問題については、去年、大飯原発再稼働が問題になったころは、官邸前行動が社会現象になりましたし、たくさんの国会議員が動いてくれました。これは市民運動の成果と言えます。破砕帯の調査が始まったのも私たちの働きかけの結果だと思います。調査をきっかけに議論が巻き起こって、原発の敷地直下に活断層があるかもしれないことや、活断層の判定は非常に難しいもの
だということが知られるようになりました。しかし、ここ半年ほどはすごく難しい時期に来ていると感じています。

汚染水問題
 汚染水問題については、資源エネルギー庁が非公開で行う、議事録も公開されない秘密会議でゼネコンがプレゼンした凍土方式に国費を付けることになっています。国は「国としてとりくむ」と言っていますが、東電を前面に立てていて中途半端です。かたや、東電は死にそうになっているはずなのに、柏崎刈羽の再稼働のために3,200億円を投じると言っています。本来は汚染水対策に投じるべきです。こういう体制的な矛盾を明らかにしたいと思っています。

 私たちは、東電も国も、いまは汚染水を止めることに集中すべきだということを主張しています。私たちFoE Japanは、汚染水対策の対案を示せと言われてもできません。そしてそれは、誰にとっても難しい話しであることは理解しています。しかし、いまのように中途半端に東電にやらせて国費で補填するやり方は、汚染水を止めるためにも、透明性の点からも、責任の取り方の点からもよくないということは主張していきたいです。
  すぐに汚染水を止めるための対策の技術的議論も大事ですが、本来であれば破綻しているはずの東電を事故対策の前面に立てているので、東電はお金をケチり、汚染水対策にお金をかけなかった結果、いまの問題が起きています。この点を一緒に活動をしているみなさんとともに、主張していきたいと思っています。

Q7  今後、東京オリンピックに向けて「復興色」、再稼働必要論はますます高まり、「風化」はどんどん進むと思われます。

満田  「風化」は確かに進んでいますが、一方で汚染水問題は福島原発事故そのものに匹敵するような深刻な問題です。原発事故をなかったことにして、復興して、東京でオリンピックをやるという、現政権が思い描くシナリオは、汚染水問題でおじゃんになる可能性だってあります。

 私たちのやっている活動は、原発事故で苦しんでいる人がいることが忘れられないようにすることです。首都圏の人々に対しては、私たちが東電の電気を使ってきたのだから知らんぷりすることはできないと訴えたい。そういう意味で私たちは加害者です。また、関東に住む私たちも、福島の人たちほどではないにしても多少は被ばくしているという意味で被害者でもあります。東京でこそ、より深刻な被害を抱えた人たちを守るような行動をとっていこうと訴えています。

(パート2に続く)
(2013年10月5日、8日 インタビュアー/文責:『福島と生きるメールマガジン』)

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イベント
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◇福島・三春の“収穫祭” 2013◇
 ※収穫の秋を迎えた福島・三春では、何事も放射能測定からはじまります。何も出ないことを、そして買ってもらえることを祈りながら、一年の農作業の手じまいに忙しく働いています。「フクシマ」とは、わたしたち自身のこと。福島の不安と怒りを共有し、明日を生きる力を交換し合う「祭り」、三春・収穫祭。ぜひご参加をお待ちします。

■日程:2013年11月2日(土)~3日(日)1泊2日
■場所:福島県三春町 三春の里田園生活館   
http://miharunosato.com/index.html   
■主催:芹沢農産加工グループ/福島「農と食」再生ネット/
    滝桜花見祭実行委員会(JVC,PARC,APLA、福島「農と食」再生ネット他)
■協力:三春町/JAたむら
≪申込み締切≫ 2013年10月30日(水)
≪問合せ・申込み先≫
特定非営利活動法人APLA (吉澤)
■TEL:03-5273-8160(平日10時~17時)/FAX:03-5273-8667 
■E-mail:info@apla.jp

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『福島と生きる』メールマガジン特別号 No.4-1 (2013年10月29日発行)
※『福島と生きる』メールマガジンは、『福島と生きる--国際NGOと市民運動の新たな挑戦』の共同執筆者の団体や活動の関連情報を発信していきます。

発行人=中野憲志・藤岡美恵子
(『福島と生きる--国際NGOと市民運動の新たな挑戦』共編者)

『みんなで作るシリア展』

『みんなで作るシリア展』

 
 
 11/3(日)と11/17(日)のシリアカフェでは、『ズフラートティー』という中東の草花をたっぷり使ったハーブティーを販売します。すべてナチュラルハーブなので体にもとっても優しいそうで、シリアの知人は風邪の引き始めによく飲むと言ってました。
 また、11/3のシリア難民支援報告会にお越しの方には、ズフラートのティーバッグ1個プレゼント致します。
 
 

2013年10月28日月曜日

ルー・リード(Lou Reed) 、死す

ルー・リード(Lou Reed) 、死す

 ロックにおける芸術性や文学的な表現の可能性を切り開き、自身の特異な芸術的衝動に従うことで半世紀にも渡りロック史に影響を与え続けたルー・リード(Lou Reed) が27日死去
 英紙・ガーディアンがTwitter上でルー・リードのエージェントであるチャールズ・アーサー(Charles Arthur) に確認、死因は現在明らかにされていないが、今月肝臓移植手術を受けていた。

 1965年にヴェルヴェット・アンダーグラウンド(The Velvet Underground) を結成、ニューヨークのグリニッジ・ヴィレッジにあるカフェ・ビザールを拠点として演奏していたところをアンディ・ウォーホルに見出されたことから、ウォーホルがプロデュース、ジャケットを手がけた歴史的アルバム「ヴェルヴェット・アンダーグラウンド・アンド・ニコ 」をリリース。
Lou Reed . Rimes Rhymes
Reed's official site, with information on his latest projects, a timeline, online diary and discography.

Lou Reed, Velvet Underground Leader and Rock Pioneer, Dead at 71
New York legend, who helped shape nearly fifty years of rock music, underwent a liver transplant in May
Read more: http://www.rollingstone.com/music/news/lou-reed-velvet-underground-leader-and-rock-pioneer-dead-at-71-20131027#ixzz2iz35BNvp
・ルー・リードさん死去、ロック界の伝説的存在(CNN)

2013年10月22日火曜日

民主主義社会を破壊する秘密保護法

民主主義社会を破壊する秘密保護法
2013年10月23日(水)18時45分~21時
明治大学リバティタワー12階(1125教室)
ゲスト 山下幸夫さん(弁護士)

「特定秘密保護法案」が15日から始まる臨時国会に提出される。継続審議になっている日本版「国家安全保障会議(NSC)」創設法案とセットでの成立を目指す。CIA元職員のスノーデン氏のリークで明らかにされた監視国家米国をモデルにした法案である。安倍政権は5年前から検討されてきた「秘密保全法」の名称をオブラートに包むように改称して今日に備えてきた。

法案の骨子は、防衛、外交、特定有害活動の防止、テロリズムの防止の4分野を行政機関の長が「特別秘密」に指定し、故意に漏曳したり、管理を害する行為(特定取得行為)をすれば最高で懲役10年の厳罰に処すという内容だ。罰則規定では、従来の自衛隊法や国家公務員法を超越しており、この点に批判が集まっている。

国家秘密とジャーナリズムの関係では、取材の自由が保障されるのかが議論を呼んできた。政府による法案原案は、「報道の自由に十分に配慮する」との規定を設けようとしているが、「報道の自由」を保障する米国で横行してる内部告発者狩り、記者への盗聴や監視の実態を考えれば、そのような抽象的な解釈条項を入れても、何の意味もないことは明らかだ。

10月定例会は、『秘密保全法批判-脅かされる知る権利』(日本評論社)の執筆者の一人、山下幸夫さんをゲストにお招きします。メディアだけでなく、「国権の最高機関」である国会すら骨抜きしてしまいかねない危険性について解説していただきます。

■会 場 明治大学リバティタワー12階1125教室(東京都千代田区神田駿河台1-1)
■交 通 JR・地下鉄「御茶ノ水」・都営線「神保町」下車
■費 用 ビジター1500円、会員・学生・年金生活者・ハンディのある方1000円
■主 催 明治大学軍縮平和研究所・アジア記者クラブ(APC)

■連絡先 アジア記者クラブ(APC)
〒101-0061東京都千代田区三崎町2-2-13-502
Tel&Fax:03-6423-2452 
http://apc.cup.com
E-mail:apc@cup.com ※最新の情報(変更・中止の場合があります)は、必ずHPでご確認ください。

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秘密保護法案: 森担当相「処罰対象は西山事件に匹敵」
 特定秘密保護法案の国会審議を担当する森雅子少子化担当相は22日の記者会見で、沖縄返還に伴う密約を報じて記者が逮捕された西山事件は同法の処罰対象になるとの認識を示した。これに対し、密約を報じた元毎日新聞記者、西山太吉氏は「森担当相の発言は全体的な捉え方をしておらず、的外れだ」と指摘した。
 法案は機密を漏らした公務員らへの罰則強化を盛り込んでおり、森担当相は、罰則を科す取材活動に関し「西山事件に匹敵するような行為と考える」と述べた。

 ◇西山氏「違法な秘密を『秘密』にするのか
 これに対し、西山氏は「沖縄密約は憲法違反の重大な政治犯罪。政府高官が保護されるべきではない違憲、違法な秘密を『秘密』としたことは法治国家を根底から覆すことだ。政府に都合の悪いものを全部隠せる法律を認めてはならない」と話した。(毎日 内田久光)

「秘密保護法、絶対反対」=官邸前で400人アピール-東京
 政府が今国会で成立を目指す特定秘密保護法案に反対する学者や市民グループは22日午後、東京・永田町の首相官邸前に集まり、「絶対反対」「何のための法案なのか」などと廃案を求めた。
 上智大の田島泰彦教授(メディア法)の呼び掛けで約400人(主催者発表)が参加。「秘密守って民を守らず」「いらない!秘密保護法」と書かれたプラカードや横断幕を掲げ、拳を振り上げて「都合の悪いことは秘密にするな。政府は恥を知れ」などと繰り返した。(時事

2013年10月21日月曜日

「エクアドル~経済開発と、豊かな自然の間で」~11月1日講演会

「エクアドル~経済開発と、豊かな自然の間で」
ナマケモノ倶楽部駐在員・和田彩子さん講演会

2013年11月1日(金)18時半~@京都市左京区

 南米大陸に位置する赤道直下の国・エクアドルは、自然と文化の多様性、健在するコミュニティで豊かに暮らす人々の魅力にあふれています。日本からみれば地球の反対側に位置するその国と、近代的な「開発」への代替であるスロービジネス(フェアトレード)を通してつながってきた日本の市民団体(NGO)があります。その名も「ナマケモノ倶楽部」。1999年の発足以来、常に活動の原点であり続けたそのエクアドルで2002年から現地駐在スタッフとして活動する和田彩子さんが一時帰国されます。

 和田さんは同国のコタカチ郡に住み、現地の人々が開発に頼らず経済的に自立する手段としてのフェアトレードやコミュニティーづくり、同国北部のインタグ地方で人々を脅かす鉱山開発への反対運動や環境プロジェクトにも関わり、サポートされてきました。

 インタグは銅の埋蔵量が世界でもトップクラスですが、大規模な鉱山開発は森林伐採、水質汚染、地域の天候の変化や砂漠化を招きます。そこに住む人々は移住を余儀なくされ、それを受け入れるか受け入れないかで家族やコミュニティーの分断をも生み出します。環境にとっても社会にとっても持続可能とはとても言えません。

 1990年代には日本政府&企業、2000年代に入ってからはカナダ企業、そして現在はエクアドル政府がインタグの鉱物を開発しようとしていますが、多くの住民たちは反対。地元の草の根団体「DECOIN」による環境教育や反鉱山開発キャンペーンのおかげもあって、現在に至るまで地域は鉱山開発を受け入れず、一方で有機コーヒー栽培やエコツーリズム、女性グループによる手工芸品など、環境を破壊しないオルタナティブな産業に取り組んできました。
 またインタグが属するコタカチ郡も環境保全郡を宣言し、環境保全群条例を作るなど法的設備も整えてきました。そうした取り組みを、ナマケモノ倶楽部はフェアトレードによるコーヒーや手工芸品とともに日本に伝えてきました。

 エクアドルでは07年に反米左派とされるコレア政権が誕生。同国のアマゾン地域のヤスニ国立公園の中にあるイシュピンゴ・タンボコチャ・ティプティニ(ITT)地区で、国際社会から補償金を得られれば油田開発をしないという「ヤスニITTイニシアチブ」を掲げたことでも注目されました。
 ヤスニ国立公園はアマゾン流域でも最も自然が損なわれていない地区の一つで、複数の先住民族が生活。世界で最も生物多様性に富んだ地域の一つで、国際連合教育科学文化機関(UNESCO)により「生物圏保護区」に指定されています。

 一方で9億2000万バレルの原油が埋蔵されていると推定され、コレア大統領は07年、油田開発を中止して推計4億トンの二酸化炭素が大気中に放出されるのを避ける代わりに国際社会から36億ドルの森林保全基金を募る計画「ヤスニITTイニシアチブ」を発表。

 国連開発計画(UNDP)が管理する信託基金に民間企業やベルギー、チリ、フランス、イタリア、スペイン、インドネシアなどが資金を拠出してきましたが、コレア大統領は今年8月、集まったのは1330万ドル(約13億円)で目標額の0・37%にとどまったとして油田開発に着手する方針を表明しました。そのヤスニ国立公園を、和田さんも今年4月に視察し、コレア政権の光と影を実感されてきました。インフラ整備や福祉を進めるコレア大統領は貧困層からの支持を多く受けていますが、一方でその政策により、人々のオルタナティブな取り組みは影響を受けてもいるのです。

 和田さんが日本に帰国されるのは7年ぶり。福島第1原発で事故が起きた東日本大震災から2年半。「成長路線」に戻ろうとする力が大きく働くなか、私たちがめざす「豊かさ」がどこにあるのか、エクアドルからの視点も交えて、一緒に考えてみませんか。

日時:2013年11月1日(金) 18時開場、18時半開演、20時半閉会予定。
場所:多目的カフェ「かぜのね」
   〒606-8204 京都市左京区田中下柳町7の2 電話:075-721-4522
   http://www.kazenone.org/modules/contents/index.php?content_id=3
参加費:資料代含めて1000円
主催:日本ラテンアメリカ協力ネットワーク
共催:ナマケモノ倶楽部
問い合わせ:電子メール:recom@jca.apc.org(日本ラテンアメリカ協力ネットワーク)

☆ナマケモノ倶楽部http://www.sloth.gr.jp/
 1999年7月に生まれたNGOで、略称「ナマクラ」。つながりを大切にする「スローな社会」を目指し、①環境運動(森林保全、多様性保持のための活動)②文化運動(低エネルギーなライフスタイルの提案と実践)③スロービジネス(フェアトレード、社会的起業の応援)の3つの柱で活動を展開しています。
 ナマクラが提案する「スロー」とは、いのちや自然、人とのつながりを大切にしていくこと。食べること、共に生きること、愛すること・・・。これらの時間は本来、効率優先ではなく、ゆっくりとしたものではないでしょうか? ナマクラは様々なイベントやセミナーを行い発信することで、「スロー」を世の中に広げ、大きな流れ「ムーブメント」をつくっていくことを目指しています。

☆和田彩子さんプロフィール
 1975年生まれ。ナマケモノ倶楽部および㈱ウィンドファームエクアドルスタッフ。1999年2月、第1回エクアドルツアーに参加、2002年より長期滞在。先住民族(キチュア民族)のパートナーと結婚し、2005年にお子さんが生まれてからは居住拠点を先住民族コミュニティに移し、家族で有機農園クリキンディを営みながら自給的な暮らしに取り組んでいます。

☆日本ラテンアメリカ協力ネットワークhttp://www.jca.apc.org/recom/
 1992年に設立。略称はRECOM(レコム)。中南米で公正な社会づくりに取り組む現地の市民運動とつながり、サポートや情報発信を続けるNGOです。主な活動地域はグアテマラで、差別と弾圧を受けてきたマヤ先住民族を中心とする市民団体が平和と民主化、人権尊重を求める取り組みを直接支援。他の国々も含めて幅広い情報を、会報誌「そんりさ」などで発信しています。

エジンバラ大学、米国無線操縦無人機の部品製造企業への投資終止

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エジンバラ大学、米国無線操縦無人機の部品製造企業への投資終止
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 英国屈指の名門大学が、米国の殺人無線操縦無人機の部品を作る軍需会社への投資120万ポンド(およそ1億8600万円)をやめることにした。理由は、この会社の事業が社会的責任を果たしていないからだという。
 エジンバラ大学は、学生やキャンペーン活動グループからの要求に従い、ウルトラ・エレクトロニクス社への投資を終止した。ミドルセックスのグリーンフォードに本社をおくこの企業は、米空軍のプレデターやリーパーなど無人飛行機向けに航行制御装置を製造している。

 こうした無人機はヘルファイア・ミサイルを搭載し、テロリストと見られるグループを標的として殺害するためパキスタン、イエメン、ソマリアへ送られている。しかし、ロンドン大学を拠点とするビューロー・フォー・インヴェスティガティヴ・ジャーナリズム(「調査報道局」2010年設立。市民に真実や情報を届けることを使命とするNPO組織)によれば、2002年以降430回以上の攻撃で、少なくとも428人の一般人が殺され、内173人は子どもであった。

 人権擁護専門の弁護士は、米国が交戦状態には無い国でこうした攻撃を行っているのは国際法違反であると主張している。ペシャワールのパキスタン高裁は、攻撃が戦争犯罪であると5月に判決を下し、現在国連によって調査が進められている。

 エジンバラ大学学友会(Eusa)、学生環境保護グループ「ピープル・アンド・プラネット」、人権擁護慈善団体「リプリーブ」は、大学に投資を止めるよう求め6月に運動を開始。情報公開請求に応じた大学の回答により、2012年末現在ウルトラ・エレクトロニクス社への投資残高は124万4672ポンドであることが明らかとなった。

 大学によると、それ以後、投資は「積極的運用」の下に行われており、投資額は約40万ポンドにまで減少した。「Eusaによって提起された問題を受け入れ、ウルトラ・エレクトロニクス社への投資を止めることにした」と、大学の広報担当者は当紙(ガーディアン)に語った。
 「我々は、社会的責任ある投資を一貫して遂行しており、ヨーロッパで国連の責任ある投資原則に最初に署名したのは、本学である。」

 エジンバラ大学は、約2億3千万ポンドの投資資産を保有する。オックスフォード、ケンブリッジに次いで3番目であり、投資先は、シェル、トタル、テスコ、モンサントなど100社以上の企業にわたる。キャンペーンを立ち上げた活動家たちは、大学の対応を歓迎し、次は化石燃料企業への投資を止めるよう働きかけている。「大学の投資を浄化する取組みは、環境責任問題まで広げることが可能であり、必要」と「ピープル・アンド・プラネット」のアンディーン・シュミット氏は述べている。

  「リプリーブ」のキャサリン・ギルフェダー氏は他の大学にもエジンバラ大学を模範として後に続くように求めた。「無人飛行機の隠密計画により、パキスタンとイエメンでは何百人もの市民が殺され、多くの人々が傷つき、トラウマの被害を受けています」と語った。
 「エジンバラ大学は、ウルトラ・エレクトロニクス社への投資をやめることで、殺戮から利益を得るような企業を非難し、社会的責任ある投資の重要性を表明したのです。」

 ウルトラ・エレクトロニクス社は、航空機の航行制御部品を製造したことを認めたが、顧客の名前は守秘義務があるとして回答を拒んだ。しかし会社のウェブサイトには、プレデターやリーパーの地上制御局に技術提供していると書かれている。
 「当社は、製品と技術を責任を持って輸出しており、国内外の輸出管理規制を厳格に遵守しています」と広報担当者は述べ、「ウルトラ・エレクトロニクス社はロンドン証券取引所に上場しており、個人でも団体でも希望に応じて自由に同社株を取引できます」と続けた。

ロッド・エドワーズ
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出典:ガーディアン(2013年9月19日)
翻訳:四季(APA‐J翻訳チーム)
翻訳チェック:HSナオコ 監修:APA‐Jデスクチーム ppsg@jca.apc.org

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ロボティック・シンポジウム
ロボット関連技術の境界線 発展する無人機の可能性と国際動向


開催日時:2013年11月8日(金) 14:00-18:30(開場13:30)
開催場所:東京ビックサイト 会議棟701+702会議室
参加費:無料(定員80名)
申し込み先:seminasanka@npo-ric.org
***件名に「ロボティック・シンポジウム参加希望」と明記し、氏名、所属先、役職、メール・アドレスを記載の上、お申し込みください。定員になり次第締切りとなります。

主催:NPO法人ロボティック普及促進センター
共催:公益財団法人川崎市産業振興財団、一般財団法人機械振興協会技術研究所、「武器と市民社会」研究会
後援:かわさき・神奈川ロボットビジネス協議会
企画運営:(株)ロボットメディア

<主なプログラム>
- 第1部 無人機の開発と実用化動向
 14:00-15:30
・報告1「実用化無人機(業務用無人機)の紹介」
大津良一(知能技術(株) 代表取締役)
・報告2「災害監視無人機システムの研究開発と実証実験」
石川和敏(宇宙航空研究開発機構航空本部運航システム・安全技術研究グループ無人機システム技術セクション セクションリーダ)
・報告3「災害対応ロボット向け通信システム等の検討」
竹内芳明(総務省総合通信基盤局電波部電波政策課長)

- 第2部 軍事用無人機の研究開発動向 15:40-16:40
・報告1「防衛省における無人機研究の取組み」
野間俊人(防衛省経理装備局技術計画官)
・報告2「諸外国の軍事用ロボットの概要」
岩永正男((一財)防衛技術協会 防衛用ロボット研究部会長)

- 第3部 軍事用無人機の国際的な制度と規範形成のトレンド 16:50-17:50
・報告1「イントロダクション:軍事用無人機をめぐる諸問題」
福田毅(国立国会図書館調査員)
・報告2「UNROCA、ワッセナー・アレンジメント、オタワ・オスロ条約からATTへ:近年の国際規範形成の経緯と背景」
夏木碧((特非)オックスファム・ジャパン ポリシー・オフィサー)
・報告3「致死性自律型ロボットの国際法規制に関する新動向」
岩本誠吾(京都産業大学法学部教授)
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・・・
【米英無人機攻撃】市民の巻き添えを止めよ (高知新聞 10/20)
米無人機攻撃、パキスタンでは市民400人超が犠牲に=国連調査(ロイター、10/18)


批評する工房のパレット」内の関連ページ
⇒2013年7月17日 ヒューマノイド兵士開発・研究の現段階 
⇒2013年4月3日無人爆撃機(drones)廃絶と武器貿易条約(ATT)を考えるための基礎的情報

2013年10月18日金曜日

これ以上海を汚すな!漁業者と市民交流会

10/25
<福島第1原発>排水溝3地点から過去最高値の汚染水
 東京電力は25日、福島第1原発の外洋につながる排水溝の3地点で採取した水から、1リットル当たり2500~2900ベクレルの放射性物質を計測したと発表した。数値はいずれも過去最高外洋との間に土のうなどの仕切りはなく、外洋に流出しているとみられる。

 3地点は8月に300トンの汚染水漏れが判明したタンク群の近くで、24日に採取。 最も海に近い採取地点は排水溝出口から150メートルで、1リットル当たりの数値は海に近い方から
▽2500ベクレル(過去最高1900ベクレル)
▽2900ベクレル(同2000ベクレル)
▽2500ベクレル(同2300ベクレル)。
 東電は「降り続いている雨の影響で、放射性物質を含む水が排水溝に流れ込んだ可能性が高い」と説明している。(毎日)

10/24
 東京電力は24日、福島第1原発の汚染水を貯蔵する地上タンクで約300トンの漏洩があった「H4北」エリア付近の排水溝で23日に採取した水から、ストロンチウム90などベータ線を出す放射性物質が1リットル当たり最大14万ベクレル検出されたと発表。
 過去最高値だった22日採取分の5万9千ベクレルから約2.4倍上昇。
 
10/23
汚染水:排水溝から5万9千ベクレル 過去最高値上回る
東京電力は23日、福島第1原発の汚染水を貯蔵する地上タンクで約300トンの漏えいがあった「H4」エリア付近の排水溝で22日に採取した水から、ストロンチウムなどベータ線を出す放射性物質が1リットル当たり最大5万9000ベクレル検出されたと発表した。過去最高値だった17日採取分の3万4000ベクレルを上回った
排水溝は海の汚染拡大防止のため、測定地点の下流を土のうでせき止めている。東電は放射性物質が付着した周辺の土壌などが、雨で流れ込んでたまっていることが上昇の原因とみている。(共同)

10/22
衆院予算委: 首相改めて「汚染水は完全にブロック」
 「安倍晋三首相は22日の衆院予算委員会で、東京電力福島第1原発の汚染水問題について「モニタリングをして(放射性物質の)基準値をはるかに下回っている。汚染水の影響は、完全にブロックされている」と述べ、海洋への影響を否定した・・・」(毎日より) 
 
港湾外から再びセシウム 沖合1キロ最高値 福島第一
 「東京電力は二十二日の定例会見で、福島第一原発の港湾外の海水で放射性セシウム137が一リットル当たり一・六ベクレル検出されたことを明らかにした。原発の沖合約一キロ地点。八月に調査を始めて以来、検出は二度目で最高値となる。汚染が港湾外の外洋に継続的に広がっている可能性があり、国内外で懸念が強まりそうだ。

汚染水の海洋流出をめぐっては、安倍晋三首相が九月の国際オリンピック委員会(IOC)総会で「港湾内〇・三平方キロの範囲内で完全にブロックされている」とアピールした。 しかし東電は今月十日、「港湾口東側」と呼ばれる同じ調査地点で、セシウム137が一リットル当たり一・四ベクレル検出されたと発表した。今回、再び検出されたことで首相発言との整合性があらためて問われることになる・・・。」(東京新聞より
 
10/21
台風27号でも直接排出か 汚染水タンクせき内の水
 東京電力は21日、福島第1原発の汚染水タンク群を囲む漏えい防止用のせきから排出基準を超える放射性物質を含んだ雨水があふれた問題で、今週中にも接近する恐れのある台風27号に対策が間に合わない可能性があるとして、これまでと同様に緊急時には基準を下回る水をせきから直接排出する考えを示した。(共同)
 
・「福島第1原発の汚染水タンクを囲む12カ所のせきから雨水があふれ出た問題で、このうち7カ所で、放射性物質の濃度がせきの外に排出可能な基準を上回っていることがわかった。
 福島第1原発周辺では20日、激しい雨に見舞われ、汚染水タンクを囲む12カ所のせきで、雨水が外にあふれ出た
 そのため、せきの中にたまっていた雨水を東電が調べたところ、12カ所のうち7カ所で、放射性物質の濃度がせきの外に排出可能な基準を上回っていたという。最も高いもので、ストロンチウム90が、1リットルあたり710ベクレル(Bq)検出されていて、基準の70倍以上だった。
 汚染された雨水は海へ流出した可能性があり、東電は海水の調査をしている」
FNN
 
-東電は21日、あふれたのは23区域中11区域に上り、うち6区域の水が排出基準を上回る放射性物質を含んでいたと発表。
-今回、あふれた雨水を分析したところ、6区域でストロンチウム90が同710〜10ベクレル含まれ、排出基準を上回っていた。
-最大値の710ベクレルは、8月に汚染水約300トンが漏れた区域の西隣にある「H2南エリア」。放射性セシウムはすべて検出限界値未満か基準を下回っていた。(毎日新聞より)
・・・
 
 
10/20
せきの水5カ所であふれる=過去に排出基準超の場所も-福島第1
東京電力は20日、福島第1原発で放射能汚染水を貯蔵するタンク群の5カ所で、せき内の水が降雨で増加し、あふれて流出したと発表した。うち少なくとも3カ所では、東電が定めたせきの水の暫定排出基準値を上回る放射能濃度が測定されたことがある。
 東電によると、流出した水の総量は不明。今回あふれた場所で、9月に測定した際に最も濃度が高かった所は、ストロンチウムなどのベータ線を出す放射性物質が1リットル当たり2万9000ベクレル検出されていた。(時事
・・
-「20日午後4時半ごろ、福島第一原発の1号機から4号機の山側に当たる西側や南側の5か所で、汚染水を貯蔵しているタンクを囲う「せき」から水があふれているのが相次いで見つか」る。
-「福島第一原発の北側にある浪江町では、午後3時から4時の1時間で32ミリの雨量が、午後2時から5時の3時間では合わせて65ミリの雨量が観測」。
-福島第一原発では、今月初めに台風が接近した際、せきの水があふれたり、余裕のないタンクに水を入れ過ぎて汚染水が流出したりしたほか、台風26号が接近した今月16日には、タンクを囲う「せき」9か所で、放射性物質の濃度を測ったうえで原子力規制委員会が認めた基準を下回ったとして敷地内に放出。(NHKニュースより)

原発事故対応「なぜ税金」 福島・前双葉町長が講演
 東京電力福島第1原発事故当時、福島県双葉町長だった井戸川克隆氏が19日、大阪市で講演し、脱原発への思いとともに「なぜ東電が起こした事故なのに、税金が使われるのか。国が下請けになっている」と政府の対応を疑問視した。
 今後のエネルギー政策に関し「原発と付き合うのは無理だ」と強調。脱原発実現に向け、太陽光の屋内照明利用や公共施設の照度基準を引き下げるべきだと訴えた。
 井戸川氏は事故直後、町民の県外避難を決断し、埼玉県に役場機能を移転した。(福島民報
 
・・
10/18
・トリチウム79万ベクレル=漏出タンク北の井戸水-福島第1
東京電力は18日、福島第1原発で放射能汚染水300トンが漏れたタンク北側の観測井戸から、1リットル当たり79万ベクレルのトリチウムが検出されたと発表した。
 前回の測定から3倍以上に上昇した。この井戸では、ストロンチウムなどベータ線を出す放射性物質が同40万ベクレル検出されている。
 
排水溝1800ベクレルに上昇=福島第1 
東京電力は18日、福島第1原発の海まで約300メートルの排水溝で、17日に採取した水からストロンチウムなどベータ線を出す放射性物質を1リットル当たり1800ベクレル検出したと発表した。16日採取分の同1400ベクレルから上昇しており、2日連続で最高値を更新した。
時事
 
漏えいタンク付近で40万ベクレル 6500倍以上に上昇 福島第1
東京電力は18日、福島第1原発で高濃度汚染水が漏れた地上タンクの観測用井戸で、地下水からストロンチウム90などベータ線を出す放射性物質を1リットル当たり40万ベクレルの濃度で検出したと発表した。水は17日に採取したもので、16日分の61ベクレルから6500倍以上に上昇し、この井戸での最高値。
 井戸は、8月に約300トンの高濃度汚染水漏れが判明した「H4」エリアのタンクから北に約20メートルの場所にあり既に放射性物質のトリチウムが最高で32万ベクレルの濃度で検出されている。今回の濃度上昇で、汚染水漏れの地下水への影響があらためて示された。
 東電は「タンクからの新たな漏えいはない」とした上で比較的早く移動するトリチウムに続いて、ストロンチウム90などが時間をおいて井戸に到達したとの見方を示している。台風26号による大雨の影響もあるとしている。(産経
・・ 
 
台風で放射性物質流入か 福島第1、排水溝の濃度が急上昇
 東京電力は17日、福島第1原子力発電所の港湾外の外洋に直接つながる排水溝の水から、ストロンチウム90などのベータ線を出す放射性物質が1リットル当たり最大2300ベクレルの濃度で検出されたと発表した。水は台風26号で大雨が降った16日に採取。15日までに採取した水に比べ、濃度が急上昇した。
ベータ線を出す放射性物質の半分を占めるストロンチウム90の法定基準は30ベクレル。排水溝を通じ外洋に流出したとみられるが、政府・東電は海水で希釈されるため環境への影響はないとしている。

東電は「原発事故での地表面への降下や地上タンクからの汚染水漏えいで、土壌に付着した放射性物質が雨水で排水溝に流入したことが原因とみられる」と説明。16日に一部の地上タンク群のせきから排出した雨水は濃度が低いため、影響していないとの見方を示した。
 海に接する排水溝出口まで約150メートルの測定地点では1400ベクレルだった。同地点の15日採取分は19ベクレルだった。
また、17日朝、海洋流出を防ぐために1、2号機の東側護岸の「ウェルポイント」という設備でくみ上げた汚染水が、一時貯留用の小型タンクからあふれた。水があふれても井戸に戻る仕組みになっており、海洋流出はないという。(共同)

・・
安倍首相:今後も原発推進と原発輸出推進の意向 参院代表質問
 安倍首相、18日の参院本会議の代表質問。
 「東京電力福島第1原発事故の経験と教訓を世界に共有することにより、世界の原子力安全に貢献していくことがわが国の責務だ。相手国の意向や事情を踏まえつつ、技術を提供していく」
 「原発停止で石油など化石燃料への依存を高めている。3兆円以上の燃料輸入費の増加や電力料金の上昇という形で、国民生活や経済が大きな影響を受けている」(毎日より

2013年10月15日火曜日

『福島と生きる』メールマガジン第11号

『福島と生きる』メールマガジン第11号
――息長く〈福島〉とつながり続けるために――
2013年10月15日発行(不定期刊)
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―目次―
◆イベント情報
◆キャンペーン・活動情報
◆保養情報
◆ニュースクリップ
◆予告
◆編集後記

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◆イベント情報(イベント情報は変更されることもあります。必ず主催者サイトでご確認下さい)
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1.「減容化? ちょっと待った!放射性ゴミ焼却を考える学習会」
  10月20日(日)13:30~16:30 (郡山労働福祉会館3F大ホール)
  ※国は除染を加速化し、廃棄物を効率的に減容化するため、県内のあちこちに減容化施設設置を進めています。二次被ばくのピンチです。
  ※講師:藤原寿和(3.26政府交渉ネット、廃棄物処分場問題全国ネット
       ワーク共同代表)
  ※主催:放射能ゴミ焼却を考えるふくしま連絡会
  ※共催お問い合わせ: 原発いらない福島の女たち(080-4518-7368)
  ※詳細: http://onna100nin.seesaa.net/

2.「福島の今を知り、私たちの未来を考えるたび」第4弾
  ○りんごの収穫 11月2日(土)-3日(日) 
   かーちゃんの力プロジェクトの受け入れでりんごの収穫手伝いなど。※詳細: ツアーサイト 

3.「ふくしまオーガニックフェスタ2013」
  11月23日(土)(郡山市「ビックパレットふくしま」展示ホールB)
  ※農産物販売のほかに、放射能とくらしを考えるシンポジウム、農家による放射能低減のとりくみのパネル展などさまざまな企画が行われます。  ※詳細はこちら 

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◆キャンペーン・活動情報
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1.【子ども・被災者支援法基本方針】 緊急プレスリリース
  「パブコメ無視の「(修正)基本方針」は遺憾」
  原発事故子ども・被災者支援法市民会議(2013年10月10日)
  ※「子ども・被災者支援法基本方針」(10月11日に閣議決定)は多くの被災当事者や支援者の意見や、待ち望んでいた具体的な要望は、一切反映されていません。  ※全文はこちら 

2. 「まつもと子ども留学」発足
  原発事故から2年以上の歳月が経過した今も、不透明な状況の中で、育ち盛りの子どもたちにとって制約の多い暮らしが続いていることが危惧されます。「まつもと子ども留学基金」は、被災地の子どもたちが安心して生活し、遊び、勉強する場所づくりを目指して、信州松本の地で留学プロジェクトを立ち上げました。
 ☆概要☆
 自然の恵み豊かな長野県松本市の北部四賀地区。ここに寮を設けて生活し、地元の学校に通学します。寮にはスタッフが常駐し、子どもの身の回りの世話をします。また、保護者の方は勿論、地域の人たちとの関わりを大切にし、地域と一緒になって子どもたちを育てていきたいと考えています。
 ☆運営団体☆

 特定非営利活動法人「まつもと子ども留学基金」 (NPO法人申請中) 
 説明会、現地見学会その他詳細はブログ(順次更新予定)をごらんください。

3.「原発いらない福島の女たち」2014年度版カレンダー予約受付中
  ※売上は「女たち」の活動資金になります。カレンダーで「女たち」を支えてください。詳細はこちら 

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◆保養情報
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 ほよーん相談会
  子どもローテーション保養のデータベース。全国各地の保養情報が掲載されています。全国の避難者支援団体の情報もあります。  サイトはこちら 

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◆ニュースクリップ
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1.東日本大震災:福島第1原発事故 被災者支援法、大枠維持
  「当事者の声聞け」官邸前でNGO抗議
  毎日新聞 2013年10月12日 東京朝刊
  http://mainichi.jp/feature/20110311/news/20131012ddm041040028000c.html
 
 11日の閣議で決定した東京電力福島第1原発事故の被災者を支援する「子ども・被災者生活支援法」の基本方針。復興庁は8月に基本方針案を公表した後、パブリックコメントの意見などを反映し、9カ所を修正したが、支援対象地域を福島県東部33市町村に限定するなどの大枠は維持した。意見を寄せた被災者支援団体や、支援対象に指定するよう求めていた自治体などからは「法律の趣旨をねじ曲げている」「あまりに不透明だ」などと厳しい批判が上がった。(中略)
 復興庁はパブリックコメントで寄せられた主な意見と、見解をホームページで公表した。復興庁によると、寄せられた4963件のほぼ全部が批判的な内容で、評価する意見はわずか2件だった。
(後略)

2.福島除染・帰還目安線量 算出精度に疑問
  東京新聞、2013年10月13日
  http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2013101302000097.html 
 東京電力福島第一原発事故で汚染された地域で、家が放射線を遮る効果を、国がまるで環境の異なる場所の調査で計測した値を基に、算出していたことが分かった。放射線量は除染や住民帰還の目安になるが、この算出方法ではデータのばらつきが大きく、専門家も精度を疑問視している。 (後略)

3.福島・双葉町でボーリング開始 環境省、中間貯蔵候補地
  共同通信、2013年10月11日
  http://www.47news.jp/CN/201310/CN2013101101002211.html 
 環境省は11日、東京電力福島第1原発事故による汚染廃棄物を保管する中間貯蔵施設をめぐり、建設候補地の一つの福島県双葉町でボーリング調査を始めたと発表した。 環境省はほかに候補地としている同県大熊町と楢葉町で既に調査を終え、9月下旬に施設の建設は可能と判断。双葉町でも同様に建設が可能かどうか調べる。 中間貯蔵施設の建設見通しが不透明なことは、除染が進まない理由の一つとなっている。
 環境省は2015年1月の使用開始を目指しており、候補地で建設可能と判断した町とそれぞれ合意できれば、来年度予算に建設費用を盛り込みたい意向。

■■予告■■
◎FoE Japanの満田夏花さんインタビュー
 子ども・被災者支援法や、原発汚染水・再稼働問題をめぐる対政府交渉に、市民側の中心メンバーの一人として関わっている満田さんに、これまでの運動の評価や、今後、被災者支援・脱原発運動を広げていくために何が必要か、一人一人が何ができるかを聞きました。『福島と生きる』メールマガジン特別号No.4(10月末を予定)としてお届けします!


■■編集後記■■
 被災者の一年半にわたる訴えも、5千件のパブリックコメントも、多くの自治体首長の要望も無視して、子ども・被災者支援基本方針案が閣議決定された。国策で推進してきた原発がこれだけの大事故を起こしたのだから、住民の健康不安の声に応え、避難した人、とどまった人を問わず、生活を、人生を一変させられた人々の不安と困難を少しでも減らすべく対策をとるのが当たり前なの
に、その当然の期待にすら応えない政府。
 これは福島だけの問題ではない。 将来、同じような事故が起きれば、同じように住民の声は無視されるだろう。住民の命と生活を守らない官主導の政治と統治のあり方を変えなければ、この国の未来に希望はない。

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『福島と生きる』メールマガジン第11号(2013年10月15日発行)
※『福島と生きる』メールマガジンは、『福島と生きる--国際NGOと市民運動の新たな挑戦』の共同執筆者の団体や活動の関連情報を発信していきます。
発行人=中野憲志・藤岡美恵子

2013年10月4日金曜日

とどろかせよう!アイヌ、沖縄・琉球の声

とどろかせよう!アイヌ、沖縄・琉球の声
─世界に認められた先住民族の権利をもとに─」(10/21,東京)

2007年、先住民族の権利に関する国連宣言が採択され、翌年には日本政府がアイヌ民族を日本の先住民族と認めました。現在アイヌ文化の保護促進の取り組みがなされているものの、民族の権利回復は遅々としてすすんでいません。また、「沖縄/琉球民族は先住民族だ」という主張に関して、日本政府は国連の勧告にもかかわらず、認めていません。

日本の先住民族が抱える問題を、先住民族権利宣言や人種差別撤廃条約など国際的な人権基
準から見るとどのように見えるのでしょうか。来年秋には、国連本部で特別総会として世界先住民会議が開催されます。北海道と沖縄から、長年国連でそれぞれの権利を訴えてきたお二人を招いてお話を伺い、その声に連なり、広くとどろかせていく集会にしていきたいと思います。

どなたでも参加できます。お気軽にご参加ください!

◆日時:2013年10月21日(月)午後6時半~8時半
◆場所:松本治一郎記念会館5階会議室(東京都中央区入船1-7-1 )
 http://imadr.net/about/access/
 地下鉄日比谷線、JR京葉線・八丁堀駅 A2出口より徒歩3分
 地下鉄有楽町線・新富町駅 5番出口より徒歩7分

◆内容                 
司会:木村真希子(市民外交センタ─副代表)
・「先住民族として文化だけではないアイヌ民族の権利回復を
 阿部ユポ(アイヌ民族評議会会長・北海道アイヌ協会副理事長)
・「沖縄と大和(ウチナーとヤマトゥ)ウチナーグチとヤマトゥグチそしてチナーンチュとヤマトゥー
 当真嗣清(琉球弧の先住民族会代表代行)
コメント:上村英明(市民外交センター代表)
質疑応答・意見交換

◆参加費:500円(主催団体会員、学生無料)
◆主催:人種差別撤廃NGOネットワーク、アイヌ民族評議会、琉球弧の先住民族会(AIPR)
 市民外交センター、反差別国際運動日本委員会(IMADR-JC)
◆賛同:「国連・人権勧告の実現を!」実行委員会
◆連絡先:反差別国際運動日本委員会(IMADR-JC) 
 〒104-0042 東京都中央区入船1-7-1
 Tel:(03)6280-3101 Fax:(03)6280-3102 
 E-mali:yhara[at]imadr.org(担当:原)

※この集会は「国連人種差別撤廃委員会日本審査に向けたSTOP!レイシズムなくそう!日本の人種差別」集会シリーズの一環として行なわれます。
チラシは以下をご覧ください。http://imadr.net/ainuryukyugathering/

2013年9月28日土曜日

【緊急集会】原発汚染水流出事故と柏崎刈羽原発

10/4
福島原発汚染水の処理また停止 唯一試運転中の設備
 東京電力は4日、福島第1原発で試運転中の新たな汚染水処理設備「多核種除去設備(ALPS)」で午前6時40分ごろ、処理工程に異常があることを知らせる警報が鳴り、汚染水処理が停止したと発表した。東電が原因を調べている。汚染水の漏えいは見つかっていない。

 東電によると、処理が停止したのは、A~Cの3系統あるうち、現在唯一試運転中のC系統。9月27日午前0時すぎに試運転が始まったが、約22時間半後に不具合で停止。設備のタンク内部に置き忘れたゴム製のシートがタンクの排水口をふさいだのが原因と判明し、30日未明に汚染水処理を再開していた。(共同) →東電は「自動運転の設定に問題があった」と発表。暫定的対策を取り、同日夜に運転再開。

10/3
地上タンクで新たな漏えい 福島第1原発、海洋流出か 
 東京電力は2日、福島第1原発の「B南」と呼ばれるタンク群の1基の上部から水の漏えいが見つかったと発表した。タンク群を囲むせきにたまった水からベータ線を出す放射性物質が1リットル当たり20万ベクレルの高濃度で検出され、タンク内部の汚染水が漏れ出たと判断。汚染水の一部はタンク点検用の足場を伝って、せきの外にも出た
 タンク脇の側溝が、外洋(原発港湾外)につながる排水溝につながっており、東電は「汚染水が海に流出した可能性が高い」としている。3日未明に福島県庁で記者会見し「心配をかけて申し訳ない」と謝罪した。

 東電は原子炉等規制法に基づき国に通報するとともに、漏えい量を調べている。原子力規制庁は海への流出防止や汚染土壌の回収などを東電に指示した。 東電によると、2日午後8時5分ごろ、B南エリアにあるタンクの天板部から水が流れ出ているのを作業員が見つけた。8月に300トンの漏えいが確認されたのとは別のタンク群。・・・。」(共同より)
 

10/1
・窒素発生装置停止=作業ミス原因-福島第1
 東京電力は1日、福島第1原発1~3号機の原子炉内に窒素を注入する装置で、作業員が誤って停止ボタンを押したため(??)、稼働していた2系統のうち1系統が停止したと発表した。残る1系統で必要な窒素量は確保できており、周囲の放射線量などに異常は確認されていないという。

 東電によると、同日午前10時45分ごろ、1~3号機の水素爆発を防ぐため、原子炉に窒素を注入して水素濃度を下げる装置が停止しているのを確認した。同日午後に再起動する予定。
 東電は窒素注入装置2系統を使用し、午前5時時点で1時間当たり計約60立方メートルを注入していた。東電は1系統だけでも最大で120立方メートルを注入できると説明している。

・汚染水4トンあふれる=福島第1、移送先タンクで-東電
 東京電力は1日、福島第1原発で放射性物質が含まれた水をタンクに移送したところ、約4トンがあふれて周囲の土壌に染み込んだと発表した。水の入れ過ぎが原因(??)とみられ、東電が経緯を調べている。
 東電によると、1日午前11時50分ごろ、福島第1原発4号機南西側で、汚染水を保管している貯蔵タンク群を囲むせき内の水を、近くの別のタンクへ移送していたところ、移送先の貯蔵タンクから水があふれているのを協力企業の作業員が見つけた。約20分後に移送を停止した。 あふれた水に含まれている放射性物質の種類や濃度は分かっていないという。(時事より)
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 「・・・タンク内の放射性物質の濃度を調べたところ、ストロンチウムなどが排出の法定基準(1リットルあたり30ベクレル)の10倍以上に相当する1リットルあたり390ベクレル含まれていたという。
 当初は雨水を別のエリアの堰に移送する計画だったが、何らかの理由でホースの接続が仮設タンクに変更されていたという。漏れ出た雨水の大半が地面にしみこんだとみられる・・・」(日経より)。
 
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【緊急集会】原発汚染水流出事故と柏崎刈羽原発

 原発汚染水事故が深刻な中、東電は、柏崎刈羽原発の再稼働の申請を強行しまし た。
 再稼働のために3000億円以上つぎ込もうとしています。
 異常事態です。
 汚染水事故への集中と柏崎刈羽原発の廃炉、そして被災者支援法の具体化を求めて、緊急の集会を行います。
 10月13日(日)は反原発★統一行動が午後に日比谷からスタートしますが、集会は午前中に同じ日比谷で行います!
 新潟から金子さんが急遽駆けつけます!
 デモの前にお立ち寄りください!

■【緊急集会】原発汚染水流出事故と柏崎刈羽原発
 ~再稼働どころではない!柏崎刈羽原発の廃炉と支援法実現を求めて~
10月13日(日)10:15~12:00
■日比谷図書館・地下コンベンションセンター(予定)
■お話
 新潟から 金子貞男さん(原発からいのちとふるさとを守る県民の会)
 阪上 武さん(原子力規制を監視する市民の会)
 満田夏花さん(国際環境NGO FoE Japan)他
■参加費:500円
■主催:原子力規制を監視する市民の会/国際環境NGO FoE Japan/福島老朽原発を考える会(フクロウの会)/プルトニウムなんていらないよ!東京
■問合せ:090-8116-7155阪上まで

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福島原発の汚染水対策について院内集会・署名提出と政府交渉

□10月2日(水)13:00~16:30
□参議院議員会館 講堂
12:30~ ロビーにて通行証を配布します
13:00~14:30 院内集会
15:00~16:30 署名一次提出・政府交渉
□交渉相手:原子力規制庁/経済産業省

□呼びかけ:グリーン・アクション/国際環境NGO FoE Japan/グリーンピース・ ジャパン/おおい原発止めよう裁判の会/美浜・大飯・高浜原発に反対する大阪の会(美浜の会)/原子力規制を監視する市民の会/福島老朽原発を考える会(フクロウの会)/ピースボート/NNAA(No Nukes Asia Actions)/ノーニュークス・アジアフォーラム・ジャパン
問合せ:阪上(原子力規制を監視する市民の会)まで

原発の汚染水処理を停止、東電 27日再開の新型設備

9/29
 福島第一原子力発電所の汚染水を処理する放射性物質除去装置「ALPS(アルプス)」が停止した問題で、東京電力は29日、アルプス内のタンクから板状のゴム(縦横各20センチ、厚さ3ミリ)が見つかったと発表した。
 このタンクは汚染水から一部の放射性物質を取り除く役割を担っている。処理で生じた廃液はタンクの底からポンプで排出されるが、東電は、ゴムがポンプの入り口を塞いだため、アルプスに不具合が起きたとみている。

 東電によると、アルプスの運転前に行った点検で、仮設のはしごが動かないようにするため、はしごの下にゴムを2枚敷いていた。不具合の発覚後に、タンク内部をカメラで調べたところ、ゴム1枚が剥がれて底から見つかった。もう1枚は元の場所にあった。作業員が2枚とも回収した。
 本来は点検終了時にゴムを回収するが、忘れていたという。アルプスは汚染水対策の柱の一つだが、改めて東電の管理体制のずさんさが浮き彫りになった。(読売より

9/28
 
 27日午後10時40分ごろ、設備の一部で、薬剤による放射性物質の除去に伴い発生する泥の排出量が通常よりも大幅に少なくなった。東電が原因を調べている。

 不具合があったのはA~Cの3系統のうち、27日午前0時すぎに試運転を再開したC系統で、1日もたたないうちに汚染水の処理が停止した。再開から停止までに処理した汚染水は約100トンという。 ALPSは汚染水から約60種類の放射性物質を除去する装置。(共同)
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 「・・・ 汚染水から取り除いた放射性物質をタンクから排出する部分で問題が生じた。放射性物質を含む泥状の沈殿物を流し出す仕組みだが、出口での沈殿物の排出流量が減少していた。沈殿物の詰まりなどが考えられるが、原因は不明という。不具合の理由がわかるまでALPSの運転を停止する。
 福島第1原発のタンクにたまっている汚染水には63種類の放射性物質が含まれているが、ALPSはこのうち62種を取り除ける。当初は昨年秋に稼働する予定だった。

 汚染水問題の解決には浄化が不可欠で、政府はALPSの9月中の稼働を求めていた。
 ALPSは現在、3基あり、最も新しく試験運転をしていなかった1基を27日に動かし始めた。
 汚染水は毎日400トンずつ増え、いまはタンクなどに約35万トンたまっている。ALPSの本格稼働が遅れれば、汚染水処理計画が狂い、問題は深刻化する。」(日経より
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●「福島原発告訴団」代理人に聞く・・・なぜ東京電力を「公害罪」で刑事告発したのか?
 福島第一原発の貯蔵タンクから汚染水が流出した問題をめぐり、原発事故で被害を受けた住民らが結成した「福島原発告訴団」は9月3日、東京電力と広瀬直己社長をはじめとする同社幹部ら32人について、福島県警に告発状を提出した。

 告発状は、東電側が必要な注意義務を怠ったために、大量の放射性物質を含む汚染水がタンクから漏えいし、海洋に流出したと指摘。その上で、汚染水流出を「犯罪」としてとらえ、「人の健康に係る公害犯罪の処罰に関する法律(公害罪法)」違反にもとづいた処罰を求めている
 彼らがこのような告発を行なった理由と、東電の汚染水対応が公害罪法違反だとする根拠について、告訴団代理人の河合弘之弁護士に聞いた。(弁護士ドットコムより)
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汚染水事故の対策案公表 政府・廃炉対策会議
 東京電力福島第1原発でタービン建屋東側や地上タンクから汚染水が漏れている問題で、政府の廃炉対策推進会議の汚染水処理対策委員会は27日、現在の汚染水対策が失敗した場合や、今後発生する恐れのある汚染水事故への対策案を公表した。
 大量の汚染水がたまっているとみられる原子炉建屋やタービン建屋への排水ポンプ設置や、汚染水を移送する配管の多重化などを検討する。 汚染水の浄化などの新技術を国内外から公募する。

  同委は対策の優先順位や具体的な内容、実施時期などを検討し、年内の取りまとめを目指す総合的な汚染水処理対策に反映させる。
 同委は、今後起こりうる事故として建屋や配管、セシウム除去装置などからの汚染水漏えいや、巨大津波など大規模災害による汚染水の増加、タンクの破損などを挙げた。
 対策として排水ポンプの整備や配管多重化のほか、防潮堤の設置や高濃度廃棄物を保管する施設設置などを検討する必要があるとした。(福島民友)

「・・・今回の方針は、こうした問題が起きるたびに対処するという後手に回ってきた対応を反省し、まとめられた。 潜在リスクでは、原子炉建屋からの汚染水漏れのほかに、
▽汚染水の移送配管からの漏れ
▽放射性セシウム除去装置からの漏れ
▽セシウム除去後に生じる放射性廃棄物の存在
▽地震や竜巻などの自然災害による汚染水保管設備の破損−−などを列挙。

 対策として、
▽1〜4号機の建屋から生じる汚染水を浄化装置に直接移送する
▽壊れた建屋に地下水が流れ込み汚染水が1日400トン増加しているため、建屋外壁の貫通部を止水する
▽防潮堤を新設する−−などを挙げている。
 一方、すでに問題となっている汚染水の海洋流出や貯蔵タンクの漏れについては、現状の対策が失敗した場合に備え、
▽港湾内の海水に含まれる放射性物質の除去技術の開発や、
▽貯蔵タンクから微少な漏れを察知するために設置エリアの地表の除染、
▽設置を計画中の地中の土を凍らせて建屋周りに壁を造る凍土遮水壁以外の「追加的な遮水壁」の検討方針も明らかにした。

 今回まとめたリスクと予防・追加策は「実現性は考慮していない」(対策委)とし、多くは国内外からの「技術公募」を前提としていて、実現性は未知数だ。このため、対策委は、取り組むべき対策の優先順位や工程などを議論した上で年内にも改めて整理するほか、現時点で把握できていないリスクも、判明すれば盛り込む方針。」(毎日、鳥井真平

・凍土壁 「影響慎重評価し実施判断を」
-  福島第一原発の廃炉に必要な技術を研究するため電力会社や研究機関が設立した「国際廃炉研究開発機構」の会合が27日開かれた。

-  イギリスの専門家、エイドリアン・シンパー氏は地下水が建屋周辺に流れ込まないよう、地下を氷の壁で囲う「凍土壁」について、「地下水に何らかの形で介入すると地下に非常に大きな影響が出るおそれがある」と述べ、地下の詳しい状況を調べ完成後に予想される影響を慎重に評価したうえで、実施するかどうか判断すべきだと指摘。
-  これに対し、東京電力の相澤副社長→「凍土壁は非常に挑戦的な課題だが、対策の切り札になり得るので実証実験などを通して慎重に対応していきたい」。
- このほか、トレンチと呼ばれる地下トンネルにたまっている汚染水の処理を最優先に進めることや原発事故で使えなくなった地下水のくみ上げ設備の復旧を急ぐべきだといった意見が出されました。 (NHKより
・・

9/26
・福島第1原発:シルトフェンス破損 数値に異常なし
 東京電力は26日、福島第1原発の港湾内の放射性物質が海へ拡散しないように設置している「シルトフェンス」が破損しているのを、作業員が発見したと発表した。破損状況や原因などは調査中で、海のモニタリングの数値にも異常は出ていないという。
 東電によると、破損したのは5、6号機の取水口付近。シルトフェンスは港湾内に設置した水中カーテンで、厚さ0.5〜0.8ミリのポリエステルなどの合成繊維製。東電は「5、6号機周辺の放射性物質濃度は低く、放射性物質が拡散する可能性は低い」としている。
 安倍晋三首相は同原発の汚染水の影響について、「港湾内の0.3平方キロで完全にブロックされている」と発言したが、シルトフェンスは0.3平方キロの内側にあり、「ブロック」の根拠の一つとされている。(毎日、渡辺諒