玄海と川内が危ない!
原発立地自治体の、すべての首長に要望したいことがある。その一つは、もしも「3・11」が自分の自治体で起こっていたならどうなっていたか、その想像力を働かせて欲しいということだ。福島第一原発よりひどい大惨劇を招いていたであろうことを、実直に認める勇気をもってほしい。
もう一つは、「ここ当面」は「第二の3・11」は起こらないという、絶望的な楽観主義に浸るのをやめること。国も電力会社も、誰も何も保証することなんてできないのだから。大熊町や双葉町の現実を、福島県の今を、市民の「安全・安心」に責任を追う自治体の長として直視して欲しい。
そして最後に、「原発マネー」に「原発雇用」、原発漬けの「地域経済」から脱却するための中長期的なビジョンを、住民とともに構想する取り組みを始めること。 「原発銀座」福島県にそれができるなら、それができない自治体など日本に存在しない。国と地方の政官財の圧力に屈しないで欲しい。まして、今の民主党連立政権に、自治体の首長は何も期待することはできないのだから。⇒「玄海原発:菅首相、佐賀知事との会談に難色か 経産相要請」「海江田経産相:原発再稼働見解、首相に事前報告せず」(毎日)
地方の「自治」とは何か、地方の「主権」とは何かを、どうか考えて欲しい。
最後の最後まで踏ん張って、それでもダメなら辞任し、意思決定を地域住民に委ねればよい。冗談でも何でもない。それを責める人は、今の日本には一人もいないだろう。その勇気を持って欲しいと思うのだ。
そういう声を、自治体財政の6割を「原発マネー」に依存する玄海町と佐賀県に、川内市と鹿児島県に届けよう。 その次には、柏崎刈羽と新潟県が控えている。
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・山口・上関原発一時凍結に言及 県議会が意見書
山口県議会は5日、中国電力が同県上関町で計画する上関原発について「計画を一時凍結せざるを得ない状況」と言及した意見書案をまとめた。8日の本会議で可決される見通しで、その後、首相や経済産業省などへ提出する。
意見書案は国への要望事項として「福島第1原発事故の原因究明」「原発の安全指針見直しを早急に進めること」「自然エネルギーの導入促進」などを盛り込んだ。こうした事項が国によって解決されない限り、計画を一時凍結せざるを得ない、とした。 計画をめぐっては、福島事故を受けて既に二井山口県知事が、来年失効する予定地の公有水面埋め立て免許延長を認めない方針を表明。【共同通信】
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〈玄海原発〉
⇒「ストップ!玄海原発、対九電行動 関連情報」
・佐賀県民向け 原発説明会(佐賀新聞)
・原発再稼働同意 岸本町長・九電社長 記者会見
-慎重論もある中で同意した理由は
町長 福島と同程度の津波が起きても緊急安全対策によって、安全性は確保されている。玄海町の立場として再稼働してもいいのではと返答した。ヒューマンエラーをなくす体制をさらにお願いしたい。
-決断の最大の理由は
町長 東日本は厳しい生活状況で、その手伝いも含めて安定した電力供給ができる状況を早くつくることが光を与える(???)。年内には1、4号機も定期検査で止まる。それを考えれば2、3号機が動いていないと安定供給はできない。
-周辺自治体には依然として不安が根強い
町長 立地状況は他の原発より優れ、安全性にかなっている。加えて36年間、玄海で事故は起きていない。九電との信頼関係ができている。
-隣接市町の同意は必要ないのか
社長 明確に必要とか必要でないとか、そこまで断定的には…。現段階で、原子力の安全性と必要性について理解していただくことが第一。
-全国初の同意だが、全国に与える影響は
町長 電力安定供給は国力維持につながる。逆に影響が出てくれた方がありがたい。
-唐津など周辺自治体が同意しないと再開しないということはないか
社長 地元の玄海町、佐賀県が代表して同意していただいていると思っている。
-長崎や福岡など県外の自治体も、佐賀県知事が代表して判断していると思うのか
社長 古川知事は技術的に判断されていると思う。これはある意味、どなたがどの場で判断しても同じ答えになるのではないか。
・原発再稼働、玄海町なぜ急ぐ 周辺自治体から疑問の声
「なぜ、そんなに焦るのか」。玄海原発2、3号機の再稼働に岸本英雄玄海町長が同意した4日、県内外の周辺自治体から疑問の声が上がった。EPZ(防災対策の重点実施地域)拡大を求めている首長からは、合意形成の在り方に不満がにじんだ。
「時期尚早。周辺自治体への配慮が欠けている」。伊万里市の塚部芳和市長は定例会見で不快感をわらわにした。「EPZ拡大やモニタリングポスト設置など、周辺自治体の防災対策が途中の段階での運転再開には同意しかねる」
玄海原発から半径10キロ圏に一部が含まれる長崎県松浦市の友広郁洋市長は「これまでと同様に立地する県と町だけで合意形成するシステムはおかしい。周辺自治体に情報を提供し、その意向を尊重すべき」と話した。
福岡県糸島市の松本嶺男市長も「原発から20キロ圏内で風下にある自治体として(再稼働は)非常に心配」とコメント。国に要望している説明会の開催は決まっておらず、「蚊帳の外で何の情報もない。再稼働容認が妥当かどうかすら判断できない」(同市危機管理課)と嘆きも漏れた。
九州電力の眞部利應社長は岸本町長との対談後の会見で「了解や同意というのは重い判断。それを地元の玄海町と佐賀県に代表してやってもらっている」と述べ、「技術的判断なので、だれが判断しても同じ結論になる」として、立地自治体以外の「同意」は必要ないとの認識を示した。 ただ、眞部社長は会談後、そのまま唐津市を訪問。最隣接地への配慮を見せ、市が求める安全協定の締結についても「真摯に対応する」と前向きに発言した。一方、坂井俊之市長は「現時点ではまだ不安が解消されたとは思っていない」と従来の立場を強調、「6日の市議会特別委や8日の県民説明会での意見を踏まえ、県に意向を伝えたい」と話した。
・「再稼働容認しないで」 市民団体が抗議文
九州電力玄海原発(東松浦郡玄海町)2、3号機の再稼働に反対する市民団体が4日、岸本英雄玄海町長や古川康知事宛てに、再稼働を容認しないよう求める抗議文や勧告書を提出した。 岸本町長と九電の眞部利應社長の会談に先立ち、地元の住民グループのメンバーらが玄海町役場を訪れ、「県議会などの意向を聞かず再稼働することに抗議し、撤回を要求する」などとする抗議文を提出した。 会談を傍聴した住民グループのメンバーは「県民説明会を控えた今、なぜ容認するのか」と批判。「町長は福島の事故を人ごとと思っていないか」と憤った。 県庁では、脱原発を呼び掛け県内外の有志でつくる団体が「再稼働を認可しない決断を」とする知事宛ての勧告書を提出。また、知事の“安全性クリア”発言を受け、県地域婦人連絡協議会や県退職女教師会など女性団体が急きょ結成した市民団体も、1号機の即時停止など3項目の請願書を県に提出した。
・脱原発の市民団体、県主催説明会に合わせ8日に説明会
脱原発を訴える全国の市民団体などでつくる「『わたしたちがつくるエネルギーの明日』プロジェクト」は、佐賀県が多久市で開く県民説明会に合わせ、8日午後6時半から玄海原発に関する説明会を佐賀市のメートプラザ佐賀で開く。原発技術者などを迎え、参加者の疑問に答える。 福島第1原発6号機などの建設に携わった鹿児島大非常勤講師の菊地洋一さん、元慶應義塾大物理学助教授の藤田祐幸さん、反原発団体「美浜の会」の小山英之代表が登壇。原発の潜在的な危険性や問題点などを説明した後、会場からの疑問や質問に答える。
同プロジェクトは、県主催の説明会は入場者枠が決められ、「組織力に勝る運転再開派が多数を占める」と懸念。「慎重派や反対派、中間派を含めた説明会で、理解を深めてほしい」と企画した。 また、11日の県議会原子力安全対策等特別委員会に合わせて「佐賀県庁を取り囲む1000人アクション」を計画。「佐賀を原発再稼働の発火点にしないため、一歩踏み出して行動を」と呼び掛ける。問い合わせは石丸さん、電話090(6772)1137。
・原発再稼働 同意した玄海町に抗議の電話殺到 佐賀
岸本英雄玄海町長が玄海原発2、3号機の再稼働に同意した4日、佐賀県東松浦郡の同町役場には全国から約80件の抗議電話が殺到した。 岸本町長が海江田万里経産相と会談し再稼働容認の意向を示した6月末ごろから抗議電話が1日30~40件寄せられていたが、この日、同意を九州電力に伝えたことで抗議が一気に増加した。 多くは東京、埼玉、千葉など関東圏からの電話で、全国に波及するとされる同原発の再開問題の大きさをうかがわせた。「福島第1原発事故で放射線を浴びているのに、事故が起きたらだれが責任を持つのか」「1町だけで判断していいのか」といった内容だった。 原子力対策担当の財政企画課は「職員10人で手分けして応対したが、仕事ができない状況」と話した。
〈川内原発〉
・九電、川内原発の安全対策を説明 鹿児島県議会特別委
原子力発電に関する問題を集中審査する鹿児島県議会の原子力安全対策等特別委員会は4日、九州電力の山元春義副社長ら幹部を参考人招致し、福島第1原発事故後、国の指示を受けて実施した緊急安全対策や重大事故を想定した措置について質疑を行い、川内原発の安全性を協議した。 同特別委は、川内原発周辺地区選出者を中心に15議員で構成。九電からは原子力発電本部長を兼任する山元副社長ら8人が出席、委員13人が質問した。
津波の緊急安全対策について「短期対策だけでは安全と言えないのではないか」との質問に、九電側は「短期対策で原子炉は冷却できる。中長期などの対策はさらなる安全性確保が目的」と答弁。 緊急対策後に国から追加指示を受けた重大事故を想定した水素爆発防止対策などについても「万一に備えたもの」とし、実施済みの津波の短期対策で安全性を確保したとの立場を繰り返した。 川内原発周辺で想定外の地震が発生する可能性には「大規模な地震は起こりえない」との見解を示した。
・原発再開、玄海町の手順踏襲 鹿児島県薩摩川内市長
佐賀県玄海町長が九州電力社長に、定期検査で停止している玄海原発2、3号機の再稼働への同意を伝えたことを受け、同様に一部停止中の川内原発がある鹿児島県薩摩川内市の岩切秀雄市長は4日の記者会見で「玄海町なりの手続きを踏んだ上での決断だろう。おおむね同町がした手続きを踏まえたい」と述べた。 川内原発では1号機が定期検査中。岩切市長は運転再開について
(1)玄海原発の再開に地元が同意
(2)住民説明会を開き国が安全性を保証
(3)市議会が同意
(4)福島第1原発の事故を受けた国の安全指針に九電が従う-
の4条件が満たされれば、同意する意向を示していた。
岩切市長は同意を判断する時期の見通しについて「説明会の日程がまだ決まっていないので答えられない」とした。 薩摩川内市議会は同日、原子力発電所対策調査特別委員会を開き、次回以降の特別委で九電と経済産業省原子力安全・保安院の担当者を参考人招致することを決めた。(西日本新聞)
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〈「原子力安全協定は市民の「安全・安心」を保証しない」のつづき〉
上に引用した記事、「原発再稼働、玄海町なぜ急ぐ 周辺自治体から疑問の声」の内容を、もう一度読んで欲しい。
玄海原発から半径10キロ圏に一部が含まれる長崎県松浦市の友広郁洋市長が、「これまでと同様に立地する県と町だけで合意形成するシステムはおかしい。周辺自治体に情報を提供し、その意向を尊重すべき」と話したと書かれている。
この友広市長の言葉によって、停止中原発の再稼働、建設再開、新規建設などにおいて、私が「広域的住民投票制度」の導入を訴える根拠とその正当性が理解していただける思う。私が問題にしているのは、一部の原発周辺自治体が要求しているEPZ(防災対策の重点実施地域)の距離的拡大→既存の原子力安全協定の締結では、市民の「安全・安心」は保証されない、ということである。論点と問題を整理しよう。
1、原発の「安全基準」について
「レベル7」(「レベル8」については今議論する段階ではない)までの原発災害に対応した、「万が一」が起こらないようにするための「安全基準」(指針)の策定とその実行、そして「万が一」が起こった場合の「安全対策」(指針)の策定とそれを実行しうる体制の確保。
これが稼動中のすべての原発と、停止中原発の再稼働にあたり、国・電力会社・自治体が、私たち市民に保証しなければならない「安全・安心」の最低限の基準である。
言うまでもなく、これらが何も保証されぬまま、現に原発が稼働し、また再稼働が目論まれているところに根本的な問題があるのだが、少し冷静になって考えてみたい。いったい、ポスト「3・11」における原発の「万が一」とは何なのか、を。
〈私たち〉は「第二の3・11」が必ず起こると言っているのではない。〈私たち〉は、第一に、日本の原発がどのレベルまでの自然災害に耐えうるのか、何も分からないこと、つまり「3・11」以後、いわゆるまともな「ストレス・テスト」(耐性検査)を日本の原発が受けておらず、たとえば再稼働なら再稼働の可否を判断しようがないこと、そのデータが公開されていないことを問題にしているのである。 その意味で、〈私たち〉は脱原発派の中でも、かなり「保守派」である。なぜなら、すべての原発の即時停止→廃炉を主張しているのではないからだ。
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たとえば、以下のものは、〈私たち〉が言う「ストレス・テスト」ではない。
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・全原発に新たな安全性検査 経産相、導入表明
海江田万里経済産業相は6日、全国の原子力発電所全54基を対象に、安全性検査(ストレステスト)をすると発表した。テストでは、地震や津波などで、冷却装置が安全に機能するか、冷却装置がとまった場合にバックアップ機能が働くかなどについて、個別の原発ごとに検証するとみられる。海江田氏は「立地地域の方々に、よりいっそうの安心感を得るため」と説明している。 欧州連合(EU)は、東京電力福島第一原発事故を受け、6月から域内14カ国にある143の原発すべてを対象に同様のテストを開始。来年4月末に終える見込みだ。(朝日)
⇒「原発:全てで耐性テスト…再稼働準備中を優先 経産相表明」(毎日)
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けれども、「ストレス・テスト」の定義に入る前に、前提的に確認しなければならないのは、次のようなことである。
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・原発、検査中なのにフル稼働 泊・大飯、手続き先送り
定期検査中の原発の運転再開が遅れている問題で、北海道電力の泊原発3号機(北海道)と関西電力の大飯(おおい)原発1号機(福井県)が、定検終了直前の「調整運転」を4カ月近く続けている。フル稼働で送電しており営業運転と同じだが、国と電力会社、立地自治体が安全評価の責任を押し付け合い、定検中のまま手続きの先送りを3カ月近く続ける異例の事態になっている。
両機が13カ月に1度の定検に入ったのは、昨年12月から今年1月。約50項目の検査を終え、泊3号機は3月7日、大飯1号機は3月10日と、いずれも大震災直前に原子炉を起動し、調整運転に入っていた。 調整運転は通常、約1カ月行われる。徐々に出力を上げ、フル稼働時点で、経済産業省原子力安全・保安院から、正常に作動しているかを最終チェックする総合負荷性能検査を受ける。 両機とも4月上旬に営業運転に移る予定だったが、震災と原発事故で状況は一変した。保安院は3月と先月、緊急の安全対策を指示。海江田万里経済産業相は先月18日、両機を含む原発について「対策は適切」と再開を認めた。 だが北海道電と関電はその後も最終検査を受けず、営業運転に踏み切らない。理由については両社とも「地元自治体の理解が得られていないので……」(???)と歯切れが悪い。(朝日)
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「ストレス・テスト」とは、原子力発電所(原子炉・格納容器・圧力容器・各配管・電気系統・原子炉建屋・「プール」・発電建屋・中央統御室・・・・)のそれぞれのコンポーネントが、どの程度までの
①地震・津波・洪水・ハリケーン・トルネードなどの自然災害と、
②旅客機墜落や「自爆・爆破攻撃」などの人為的災害の負荷に耐えられるか、その耐性を検査することをさす。設計・建設段階ではなく、今現在のそれである。
たとえば、「で、私たちは原発をどうするのか?--原発の「合理的に達成可能な安全水準」は安全を保証しない」(2011年3月30日)で紹介した、「浜岡原発の地震対策について--耐震設計の基本的な考え方」では、次のように書かれていた。
・浜岡原子力発電所では、近い将来起こるといわれている想定東海地震や過去に繰り返し起こっている南海トラフ沿いの巨大地震も、考慮して設計をおこなっています」
・「南海トラフ沿いの海域では、マグニチュード(M)8クラスのプレート境界地震が、100年から150年程度の間隔で繰り返し起こったことが、古文書の記録などから確かめられています。近年では、1944年に東南海地震、1946年に南海地震が起こっています」
・「浜岡原子力発電所の敷地周辺は、過去に安政東海地震(M8.4)などのプレート境界型の巨大地震による揺れを経験しており、下図のaおよびbの領域にM8.4の地震を想定して設計をおこなっています。更に余裕を持たせ、これと同じaおよびbの領域に、これを上回るM8.5の地震を考慮して設計をおこなっているため、安政東海地震よりも規模の小さいM8.0の想定東海地震(図のaの領域)に対して十分安全性は確保されています」(⇒「安全性」は「確保」されていない)
しかし、「設計」上、「M8.5の地震を考慮」していたのだとしても(それが本当だとして)、実際に浜岡原子力発電所(原子炉・格納容器・圧力容器・各配管・電気系統・原子炉建屋・「プール」・発電建屋・中央統御室・・・・)のそれぞれのコンポーネントが、今現在、どのレベルまでの地震に耐えうるか、私たちには何も分からない。日本のすべての原発がそうだ。これは、「定期検査」なるものが本来的な意味におけるストレス・テストになっていないことに根本原因がある。
あるいは津波はどうか。「津波対策」とは、ただ波の高さだけを問題にしても始まらない。
「今回の地震では、津波の高さが14メートルを超えたとされる宮城県女川町で、高さ12メートルのRC造りの建物などが土台ごと浮き上がり横倒しになったほか、耐力壁や柱が壊れる被害が相次いだ。避難ビルでは構造的に大きな被害は報告されていないが、女川消防署が屋上まで水没したほか、南三陸町の志津川病院も4階まで波をかぶり壁にひびが入った。
こうした被害を受け、国土交通省は津波が押し寄せた際にどんな力が加わったかの検証が必要と判断。設計上想定した浸水の高さと実際の浸水状況を比べ、水圧の算定方法が現状のままでよいか、がれきなど漂流物の荷重がどれだけかかるかなどの検証を始めた。想定される津波の浸水の高さと建物の階数の目安も見直す方針」(「東日本大震災:鉄筋コンクリート造り、基準の見直し開始」(毎日))
もっと言えば、現在欧州では、②がホット・イシューになっている。関心のある人は下の記事を読んで欲しい。玄海町の町長さんは、再稼働容認にあたり、九電社長に「テロ対策」を要請し、それに対して社長が「テロ対策は国の管轄だが、検討する」(何をどのように「検討」するのか?)と答えたと言うが、両人とも自分が何を要請し、回答しているのか、まったく意味を理解していないと言わざるをえない。
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Nuclear stress tests
No stress for nuclear industry, as tests set to fall short in key safety areas Agreement on the content of the proposed EU nuclear stress tests was officially announced this morning by EU energy commissioner Oettinger. The Greens are concerned that the tests will fall short of testing the safety in crucial areas in spite of earlier promises by commissioner Oettinger.
Commenting on the agreement Greens/EFA co-president Rebecca Harms said: "Despite the repeated assurances of commissioner Oettinger, it seems that the nuclear industry will get a stress-free ride under the proposed EU nuclear safety tests. Pro-nuclear EU member states seem to have got their way and ensured key safety risks will not be part of the core stress tests. The proposed working group for assessing the potential risk of terrorist attacks smacks of being a face-saving exercise, which will fail to actually test the ability of key sites in Europe to withstand an attack, like a plane crash, which it is widely known they cannot.
"Serious and binding stress tests, worthy of the name, would assess not only the risk of terrorist attacks but also technical problems caused through disruption of operation or the ageing of nuclear reactors. However, this would raise fundamental questions about the safety of nuclear power. Instead we are left with alibi tests."
Green MEP and energy spokesperson Claude Turmes added: "It remains unclear what would happen if a reactor fails a stress test. The promise of total transparency in the assessment of nuclear reactors has also been broken. The proposed peer reviews will also come far too late, long after the political debate will have finished. Commissioner Oettinger is trying to talk up the agreement but nobody should be fooled that this is a climb-down for him from his promises."
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早い話、「3・11」以降、このような「ストレス・テスト」が、私たちが信頼できる機関の下で行われ、「第二の3・11」にも耐えられる、という「科学的」な検査結果が公表されてきたなら、少なくとも私は「稼働中原発の段階的一時停止」を訴えることはなかっただろう。私個人の脱原発論は、もっと早く「防災対策」や市民の「安心基準」に移っていただろう。
ともあれ、菅政権に求められていたのは、「緊急安全対策」と同時にこうしたストレス・テストを実施し、その上で新安全基準(指針)を策定することにあったのである。
「原発:全てで耐性テスト…再稼働準備中を優先 経産相表明」(毎日)は、このように報じている。「定期検査などで停止し、再稼働準備中の原発を優先して実施。具体的な試験項目は、細野豪志原発事故担当相や原子力安全委員会と協議して決定する。ただ、ストレステストの実施で原発の再稼働がさらに遅れるのは確実で、今夏の電力需給が逼迫するのは必至だ。 ストレステストの実施については、5日の菅直人首相と海江田、細野両氏の会談で決まった」・・・。
私たちは、このような政府・執行権力を持ってしまった、私たち自身の不幸を嘆くしかないようだ。
〈緊急安全対策になっていない「緊急安全対策」〉
・経済産業省がまとめた原発の「緊急安全対策」(3/29)
①津波や地震で非常用電源が使えなくなっても、原子炉や使用済み燃料プールを冷却できるよう、電力会社に緊急時の代替電源を用意することを義務づける。
②11の電力会社に対し、1か月以内に全原発で安全対策を講じ、状況を報告するよう求める。
安全対策は海江田経産相が今月中に通知。〈電力の安定供給には引き続き原発が重要だと判断し、既存の原発について安全規制を強化〉。具体的には、
③電源喪失時に必要な要員の配置や訓練、
④電源車や消防車、消火ホースを備え付けることなど。(⇒こういう問題?)
定期検査を終え今月末以降に再稼働の予定だった九州電力の玄海原発2、3号機(佐賀県)は、安全対策を優先するため稼働時期が1か月程度遅れる(???)ことに。
⇒「「ストレス・テスト」と市民の「安全・安心」」へつづく
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・佐賀・玄海原発:再稼働同意 「県をバカにしている」 経産省への批判続出 /福井
佐賀県玄海町が定期検査中の九州電力玄海原発の再稼働に同意した4日、県議会厚生委員会では石塚博英・県安全環境部長が「安全性に確証が得られない以上、再起動は認められない」と改めて表明した。委員会では、東京電力福島第1原発事故を受けての国の対応や、従来の原発推進施策に批判の声が相次ぐ一方で、再稼働容認とみられる発言もあった。
斉藤新緑委員(自民党県政会)は「(福島の)事故対策もできていないのに、さっさと『再稼働はOKです』と報告する。県をバカにしている」と、経産省の対応を厳しく批判。山本正雄委員(民主・みらい)も「国が原発推進だったから耐震も津波も過小評価され、大きな間違いだった。推進賛成の学者を集め、検証すべき所をしてこなかった」と述べ、県原子力安全専門委員会には原発に批判的な委員を入れるよう提言した。 一方、山本芳男委員(自民党県政会)は「国が示す事故防止対策が容認されるものなら、再稼働してもいいのかなという気持ちがしてならない」。山岸猛夫委員(同)は「今後、知事がどの時点で再稼働を認めるかは、今後の日本の原子力政策に大きな一石を投じると思う」と述べた。【毎日・安藤大介】
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⇒「千葉の劣化ウラン管理倉庫 震災コンビナート火災で「危機一髪」」(J-Cast)
⇒「空自F15墜落 那覇基地所属 伊江島沖140キロ」(琉球新報)
・名護市長:防衛省の政務三役が面会を拒否
北沢俊美防衛相ら防衛省の政務三役は5日、上京した沖縄県の稲嶺進名護市長との面会を拒否した。米軍普天間飛行場(同県宜野湾市)の名護市辺野古への移設に関し、沖縄防衛局の説明を市側が拒んでいるのが理由で、北沢氏は記者会見で「聞く耳を持たないで上京するより、状況を十分承知した上で、意思表明や提言をしてほしい」と批判した。
稲嶺氏は、外務・防衛担当閣僚による日米安全保障協議委員会(2プラス2)で確認した辺野古移設の見直しを関係省庁に申し入れるために上京。首相官邸は福山哲郎官房副長官、外務省は伴野豊副外相、民主党は岡田克也幹事長が面会した。 稲嶺氏は玉城デニー衆院議員(民主)の国会内事務所で防衛省の課長級職員と面会したが、申し入れ文を手渡さずに抗議。玉城氏も「政治家の申し入れには、政治家が真摯に対応すべきだ」と同省を批判した。 稲嶺氏は記者団に「主管官庁がこんなにかたくなな態度で地元に理解を求めるのは、道理に合わない。誠実さ、真剣さは感じられない」と語った。【毎日・坂口裕彦】