2011年7月10日日曜日

菅内閣は退陣すべきである

 ⇒「大震災以来初の津波観測 三陸沖でM7.3

菅内閣は退陣すべきである

 これまで私は、菅内閣が退陣し、政権が変わったところで、「菅内閣と同じ程度か、それより酷い政権になるだけだ」という思いから、退陣問題に関して言及してこなかった。
 しかし、「3・11」から丸四ヶ月を迎える7月11日を前に、立場を明らかにしておかねばならないと考えた。菅内閣は退陣すべきである。

 理由は、菅内閣の「ガバナンス」(統治能力)以前の問題である。
 第一に、首相をはじめ閣僚が自分の言動にまったく責任を取らないこと、
 第二に、そのことによって菅内閣の下では、
1、「3・11」からの復興・復旧および原発政策の確定に、さらなる時間がかかり、
2、福島の復興に支障をきたし
3、原発立地自治体のいっそうの混乱を招くこと。この二点である。⇒「ストレステストに疑念噴出 県主催「原発説明会」」(佐賀新聞)

〈「ストレステスト」問題〉
 私は、昨日、毎日新聞の記事に触れて、次のように書いた。
①「新たに安全性を点検」するものとして「ストレステスト」をやると政府は言明していない、
②政府の「方針」が「変更」になった根拠はない、
③首相が「脱原発」に「傾」いている、とも言えない。

 ①については、まず下の記事を参照して欲しい。
原発安全基準、玄海は簡易テストで…3閣僚合意
 枝野官房長官と海江田経済産業相、細野原発相は8日、全国の原子力発電所を対象に実施するストレステスト(耐性検査)など安全性の新基準に関する統一見解について協議した。 その結果、
〈1〉九州電力玄海原発(佐賀県玄海町)などについては簡易的なテストを実施し、内閣府原子力安全委員会が安全性の判断加わる
〈2〉全原発に適用する本格的なテストは別途策定する――ことで大筋一致した。菅首相と最終調整した上で、週明けに発表する考えだ。
 3閣僚は8日、首相官邸で2度にわたって統一見解について協議した。安全性の新基準をめぐっては、ストレステストを原発再稼働の前提と位置づける首相と、玄海原発などすでに安全性が確認された原発についてはテストを経ずに再稼働させるとする海江田氏との間で対立(???)があった。(読売)
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 「クローズアップ2011:全原発耐性テスト 再稼働、突然「待った」」より。

 元々、原発の「安全性の新基準」をめぐり菅首相と海江田経産相との間で「対立」など、何もなかった
 ①浜岡原発以外は停止しない、②停止中原発の再稼働については、保安院が策定した、主に「津波対策」としての「緊急安全対策」と、「水素爆発」対策としての「シビアアクシデント」対策をクリアしたものから、順次再稼働させるというのが菅内閣の「方針」であり、その下で海江田経産相は「安全宣言」を発し、再稼働要請に動いたのだ。
 〈私たち〉は、①と②が菅内閣の既定の方針であることを大前提に、それを批判してきたわけである。

 菅内閣は、再稼働を認めない佐賀を始めとする全国的脱原発運動と世論に押され、「3・11」以後、国内外に向け語ってきた「方針」を変えようとしている。であるなら、①市民から拒絶された方針を決定したこと、②実際にその実行に向け動いてきたこと、さらに③その結果、大混乱を招いてきたこと、この3つの政治責任を取り、速やかに退陣すべきである。

 菅内閣は、原発推進内閣である。再生可能エネルギーへの依存率を相対的に高め、原発への依存率を相対的に低めようとする「新エネルギー政策」を菅内閣は打ち出したが、自民党もほぼ同様の政策を8月にまとめる計画を発表した。
⇒「自民:「原発推進」転換へ…「脱」には抵抗感、縮小で検討」(毎日、7/13)
 つまり、原発を含む「エネルギー」政策において、菅内閣、いや民主党の存在意義がなくなりかけているのだ。(自民党には「2050年までに脱原発」路線を提唱する河野路線を支持する一部議員さえいる。)

 自らの言動に責任を取らず、統治能力に欠け、「国民」を引き回し、革新的(イノベイティヴ)な政策も打ち出せない政党や政権には、退いてもらうしかない。菅内閣は、脱原発運動にとって、益にならないばかりか害になる。私はそう思う。みなさんはどうだろう。


〈「玄海原発などについては簡易的なテストを実施」をどう考えるか〉
 「玄海原発などについては簡易的なテストを実施」とは、「玄海原発を含む、当初経産省が再稼働を予定していた停止中原発に、これまでの「検査」に毛がはえたような、あまり時間がかからない幾つかの検査項目を設定し、検査を実施」するという意味である。これが「ストレステスト」になどならないことは、改めて指摘するまでもない。

 班目原子力安全委員会委員長が、「ストレステスト」について、「停止中の原発の再稼働の条件だとは思っていない」と明言した。 
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ストレステスト 2段階 再稼働判断
 政府は九日、原発再稼働をめぐる統一見解の概要をまとめた。ストレステスト(耐性評価)の実施を明記。
(1)玄海原発など定期検査中の原発は損傷が生じるまでの幅である「裕度」をまず確認
(2)その上で欧州連合(EU)のストレステストを参考に総合的な安全評価をする-の二段階で行う。
 再稼働の可否は第一段階で決定。ただ、安全への信頼性を高めるためにより具体的なテストも行うことにした。 原子力安全委員会も安全性の判断には関与し、具体的な裕度を関係自治体に示した上で再稼働への同意を取り付ける方針だ。枝野幸男官房長官が十一日に発表する。(東京新聞の記事より抜粋
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⇒「「ストレステスト」: 2段階で再稼働判断?---「政府統一見解」のマヤカシ」へつづく
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原発ストレステスト「再稼働の条件」 細野原発相が明言
 細野豪志原発担当相は10日朝のフジテレビの番組で、全国の原発を対象に新たに導入を検討している安全性評価(ストレステスト)について「再稼働の条件になってくる」と述べた。 政権はストレステストを含む原発の新たな安全確認手順について、細野氏と枝野幸男官房長官、海江田万里経済産業相で最終調整しており、11日にも政権の統一見解を公表する。
 細野氏は番組で「ストレステスト自体が明確に定義されていない。欧州でよく使われる言葉だが、先進的な事例を参考にした上で日本流のものをつくらなければならない。テストの結果と再稼働が全く別ということは考えにくい。日本版の安全基準を作り、それをクリアして再稼働になる」と述べた。
 テストの対象となる原発は「稼働中のものも当然対象になり得るし、(定期点検などで停止中で)再稼働するものも対象になる」として、運転状況にかかわらず全国の原発が対象になるとの考えを示した。(朝日)
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 この細野発言は、予定されている「政府統一見解」から明らかに逸脱した、無責任な発言である。

原発:再稼働、テスト前提 首相了承、11日統一見解
 政府は8日、定期検査中の原発の再稼働に関し、原子力安全委員会の要請に基づき新たな安全評価を実施する方針を決めた。枝野幸男官房長官と海江田万里経済産業相、細野豪志原発事故担当相が同日の協議でこうした方針をまとめ、最終的に菅直人首相が了承した。原発の再稼働は現在、経産相の判断で決めることができるが、原子力安全委員会が関与して策定した安全評価を再稼働の前提とすることで、原発の安全性をさらに担保する。11日に統一見解として発表する。
◇「玄海」から適用へ
 統一見解は、欧州で実施されているストレステスト(耐性試験)を参考にして「新たな手続き、ルールに基づく安全評価を実施する」と明記。安全評価は、原子力安全委員会の要請に基づき、経産省原子力安全・保安院が策定した上で、安全委が再度チェックするとした。
 安全評価はまず、九州電力玄海原発(佐賀県玄海町)で実施する予定だが、玄海原発を巡っては、九州電力による「やらせメール」問題で地元住民の反発が強まり、政府高官は「安全評価の結果にかかわらず再稼働は難しい」との見通しを示した。 原発の再稼働を巡っては、海江田氏が玄海原発の再稼働を佐賀県に要請した後、菅首相が全原発に対するストレステストの導入に言及するなど、政府の対応が混乱。首相は8日の閣僚懇談会で自身の指示の遅れを陳謝したが、閣僚からも「意思統一を図ってもらいたい」などの苦言が続出し、政府は安全基準に関する統一見解を策定する必要に迫られた。
 枝野氏は8日の記者会見で「エネルギー供給の安定以上に、原子力に対する安全と安心の方が優先度の高い課題だ」と述べ、原発の安全確保に向け新たな評価が必要との認識を示した。(→これまで自分が何を語ってきたかを顧みない、まったく無責任な発言である)

 さらに統一見解について「3閣僚(の考え)は一致している」と強調する一方「原発立地地域に大変な心配とご迷惑をかけており、発表の仕方は相当慎重にしたい」とも述べていた。政府は当初、統一見解を8日に発表する予定だったが、首相の了承を得るのが遅れた(???)ことなどから、発表は週明けの11日にずれ込んだ。【毎日・影山哲也】

原発耐性試験:「地元は非常に混乱」 原子力施設の安全対策で市町村長会議/青森
◇ストレステスト、戸惑いや批判の声
 福島第1原発の事故を受け、県は8日、原子力施設の安全対策に関する市町村長会議を青森市内で開いた。席上、国が突如表明した原発の追加対策「ストレステスト」(耐性試験)について説明。出席した首長からは「国のエネルギー基本政策の方向性が見えてこない」などと、戸惑いや批判の声が上がった。 会議には、藤崎町を除く県内39市町村の首長や代理が出席。経済産業省と県内5事業者が事故を踏まえた緊急安全対策などの説明を行った。
 ストレステストについて、経産省原子力安全・保安院の新井憲一・地域原子力安全統括管理官が「いきなりの話で、迷惑をかけている」と陳謝。テストの位置付けについて「安全性について周辺住民の理解がなかなか得られにくい状況にある。住民への説明のツールだ」と説明し、理解を求めた。 これに対し、東北電力東通原発のある東通村の越善靖夫村長は、海江田万里経産相が既に原発の安全宣言を行ったと指摘。「唐突なテストの実施表明は、地元として非常に混乱している。政府の原子力政策を巡る言動に一貫性がない」と批判。「地元に納得のいく説明をしながら進めてほしい」と注文した。
 むつ市の野戸谷秀樹副市長もテストの日程を尋ねたが、新井管理官は「実施計画や評価方法はまだ検討段階」と釈明。「テストが終了しないと東通原発の安全宣言は出されないのか」との鹿内博青森市長の問いにも「(経産相の)安全宣言を撤回したわけではなく、より安心感を持ってもらうために行う趣旨」と述べるなどあいまいな答弁に終始した。時間が短く、説明が十分でないと一部首長から不満の声も漏れた。
 一方、三村申吾知事の姿勢についても鹿内市長が質問。福島県などの動きを踏まえ「脱原発の考え方はないのか」との質問に、三村知事は「原子力や再生可能エネルギーなどのベストミックスが大切だ」と述べた。県原子力安全対策検証委員会の検証結果を市町村長に報告するのかとの質問にも、佐々木郁夫副知事が「先の手順は今日の段階で明言できない。できる限りお伝えしていきたい」と述べるにとどまった。【毎日・山本佳孝】

原発ストレステスト、終了は最短でも年明け
 政府は枝野幸男官房長官、海江田万里経済産業相、細野豪志原発事故担当相の3閣僚を中心に、ストレステスト(耐性調査)に関する政府の統一見解を早期にまとめる方針だ。ストレステストが定期検査で停止している原子力発電所の再稼働の前提条件とされれば、原発の運転状況に大きな影響を及ぼすのは確実だ。
 現在、定期検査で停止中の原発は調整運転に入ったものを除くと、九州電力玄海原発、関西電力美浜原発などに14基ある。順当に行けば、このうち12基が今冬(2011年12月~12年2月)までに運転を再開するスケジュールになっている。
 だが、ストレステストが7月中に始まり、来年初めごろまで続くとすると、その間は運転を再開できない。順調に再稼働すれば見込めたはずの12基分の供給電力、約1000万キロワットが使えないことになる。 一方、この間に現在運転している19基の原発も次々と定期検査に入り、運転を停止する。関西電力高浜原発4号機、同大飯原発4号機など、今冬までに計15基が定検入りし、1300万キロワットの電力が失われる。
 このシナリオだと、来年の春先には、全54基の原発のうち50基が停止。動いているのは4基のみになる計算だ。供給電力は約450万キロワットと、全54基が稼働していた場合の10分の1以下の電力しか供給できない。残る4基も来年5月には停止し、原発が全停止状態になる可能性もある。
 ストレステストが終わっても、すぐに原発を再稼働できるとは限らない。テストで原発の安全性に脆弱な部分が見つかれば、当然補強する対策が必要になるためだ。 また、仮に政府がストレステストを再稼働の前提条件にしなくても、同様のシナリオになる可能性は高い。原発の立地県の知事らから「新たな対策を行う以上、終了まで再稼働は認められない」との意見が出ているためだ。首相による唐突なテストの導入で、原発の再稼働へのハードルは格段に高くなった。(日経)

〈ストレステストにならない「ストレステスト」〉
原発ストレステスト、通常審査との違いは
原子炉損傷の限界を確認
 政府は全国の原子力発電所を対象に「ストレステスト」(耐性調査)の実施を決めた。どのような内容で、既存の安全審査とどこが違うのかをまとめた。
Q どんなテストか。
A 東日本大震災で起きたような激しい揺れや大津波などに、原発がぎりぎりどこまで耐えうるかを評価する新しい手法。通常の安全基準は原発の設置や運転を認めるかどうかの判断に使うが、ストレステストは安全基準を満たしている場合でも実際の限界がどの程度かを把握するのが狙い。安全基準から本当の限界までの「余裕度」を調べる。
 老朽化で「余裕度」は小さくなる可能性がある。また一つ一つの部品や機器の安全基準は満たしていても全体としてうまく動くとは限らない。ストレステストは原発の総合的な防災対応のかさ上げに役立つとされる。
 福島第1原発事故を受け、欧州連合(EU)は6月から域内の143基の原発を対象に実施している。中間報告が出るのは9月、最終報告は年末の予定だ。国際原子力機関(IAEA)の6月下旬の閣僚会合でも世界の原発でストレステストを緊急に実施する必要があるとの認識で一致した。
Q 実施方法は。
A 安全基準を上回る過酷な状態をコンピューターの計算で作り出し、炉心溶融(メルトダウン)までにどれだけ時間がかかるかなどを明らかにする。机上の作業なのでテストのために原子炉を止める必要はない。
 今後のストレステストの具体的なチェック項目は決まっていない。国の原子力安全委員会は経済産業省原子力安全・保安院に、今月半ばごろまでに項目や手順をまとめ提出するよう求めた。電気事業法や原子炉等規制法に基づく審査と異なり、行政指導で実施する。
Q 現在の安全審査の仕組みは。
 A 原発の設置許可を得るのに必要なものと、運転開始後の定期検査がある。原発の設置時には保安院が指針に基づき設置計画を審査する。その結果の是非を経産相が安全委員会に諮問し、問題ないと判断されれば設置を許可するダブルチェック制だ。
 炉心の過熱などが原因で起きる水素爆発を防ぐためのベント(排気)などの装置は、事業者による自主的な設置に任せている。保安院は緊急対策としてこうした対策も電力各社に指示済み。さらに安全委員会は全電源喪失などへの対策も安全基準に含めるよう、改定作業に着手している。(日経)

原子力安全条約改正に慎重論 IAEA閣僚級会合
 ウィーンで開催中の国際原子力機関(IAEA)の閣僚級会合は(6月)23日、すべての作業部会を終えた。東京電力福島第一原子力発電所の事故を教訓に、原発の安全を定めた「原子力安全条約」強化の必要性が指摘されていたが、参加者から条約改正に慎重意見が相次いだ。 原子力安全条約は1986年のチェルノブイリ原発事故を教訓に作られ、96年に発効した。原発について、国際的な安全基準を達成するよう、締約国に義務づけている。
 フランスで5月にあった主要国首脳会議(G8)で採択された首脳宣言では、福島の事故を受けて、原子力安全条約の強化を検討する必要性が指摘されていた。 ところが、この日の作業部会では、条約の改正には非常に長い時間がかかるほか、各国の主権にかかわる法律問題になるとして、参加国から慎重論が相次いだという。参加者は「概して慎重論が多かった」と話す。
 ただし、現在の条約を拡充する仕組みの提案もあった。条約締約国・機構は72で、IAEA加盟国の半数以下でしかない。条約に消極的な国の一覧を公表する案も出た。 作業部会では、国際原子力法学会(INLA)や、チェルノブイリ原発事故を経験したウクライナの代表から条約についての報告があった。安全強化に向けた議論の要点は、会合最終日の24日、作業部会の要約に盛り込まれる見通しだ。(朝日・ウィーン=玉川透、小堀龍之)
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〈福島第一原発〉
「脱原発」復興理念に 福島県検討委が提言書
 福島県が策定する復興ビジョンをめぐり、学識経験者でつくる検討委員会(座長・鈴木浩福島大名誉教授)は8日、「脱原発」を基本理念の一つに据えた提言書を佐藤雄平知事に手渡した。 鈴木座長は「原子力にどのように向き合うかを抜きにしては、県の復旧復興は考えられない」と強調。「原子力に依存しない社会づくり」を進めるよう申し入れた。 国に対しても、十分な財政支援と、損害賠償に関する特別法の制定、復興特区の設置を要請するよう求めた。 ほかの基本理念は「全ての人々が結集した復興」「誇りある古里再生の実現」。 県議会の特別委員会も8日、原子力からの脱却を復興ビジョンの理念に掲げるよう佐藤知事に要請した。県は提言などを基に15日までに原案を作成し、県民の意見を募った上で8月初めに正式決定する。(河北新報社)

原発事故処理「最終的には数十年単位」 首相が見通し
 菅直人首相は9日、民主党本部で開かれた党全国幹事長・選挙責任者会議であいさつし、東京電力福島第一原子力発電所の事故について「事故の処理をめぐっては3年、5年、10年、いや最終的には数十年単位の処理の時間がかかる見通しになっている」と述べた。(→ほとんど、何の意味もない発言。)
 原子炉の廃炉や周辺の土壌汚染対策などを念頭に置いた発言とみられる。 政権や東電はこれまでの工程表で、遅くとも来年1月中旬までに原子炉を安定化させて冷温停止状態にするめどを示している。首相発言はその後の中長期的な見通しを示したものだが、最終処理の年限に自ら言及したのは初めて。ただ、事故処理の具体的な内容は明らかにしなかった
 首相は「原子力のリスクとメリットの考え方を根本から見直さざるを得ないところに来ている。原子力行政のあり方、そしてエネルギー政策そのものを抜本的に国民的に議論していく必要がある」と語り、再生可能な自然エネルギーの利用拡大などを訴えた。 原発の再稼働問題をめぐっては、首相は「週明けにはきちっとした方向性を出すことができる」と説明。安全性評価(ストレステスト)を含む新たな安全確認手順の内閣統一見解を11日にも公表する考えを示し、内容について「国民の安全、安心という点で考えている」(???)と強調した。(朝日)

福島第一廃炉まで数十年 東電の中長期工程案
 東京電力福島第一原子力発電所の事故で、東電と原子炉メーカーが検討している廃炉に向けた中長期的な工程表案が明らかになった。早くて3年後に使用済み燃料プールから燃料の取り出しを始め、10年後をめどに原子炉内の燃料を取り出し始める原子炉を解体して撤去する廃炉まで、全体で数十年かかるとしている。
 朝日新聞が入手した資料によると、福島第一原発1~4号機の使用済み燃料プールに保管されている3108体の燃料を、十分に冷やした後、3年後の2014年度初頭をめどに取り出しを始める。取り出した燃料は敷地内の共用プールに移すことを検討する。共用プールの改造のほか、燃料の輸送容器の製造などが必要になる。

汚染水浄化装置を停止 福島第一原発、薬剤漏れる
 東京電力は10日、福島第一原子力発電所にある高濃度の放射能汚染水を浄化する装置から薬剤が漏れ、午前4時53分に同装置を停止した、と発表した。薬剤は放射性物質を汚染水から取り除くためのもので成分は公表されていないが、東電は「漏れた薬剤には放射性物質は含まれておらず、毒性もない」としている。 漏れが起きたのは、汚染水に含まれる放射性物質を沈殿させて取り除く仏アレバ社の装置。「薬剤注入装置」から「凝集沈殿装置」につながる部分から薬剤が漏れた。漏れた場所や量、原因は不明。東電によると、この装置の停止は先月30日以来という。 同原発では、たまり続ける汚染水を処理して原子炉を冷やすために使っているが、当面は、施設に保管している処理水を使うという。(朝日)

政府・東電「工程表」一元化へ…原発相
 細野原発相は8日、読売新聞などとのインタビューで、東京電力福島第一原子力発電所事故の収束に向けて政府と東電が別々に公表してきた「工程表」について「政府が一歩前に出て、一体として出す」と述べ、今後は一元化する考えを明らかにした。
 また、「原子炉の安定的な冷却を目指す」とした工程表の「ステップ1」について、目標の7月中旬までに達成できるとの見通しを表明。原子炉を冷温停止状態とすることを目指す「ステップ2」への切り替えを19日に発表する考えも示した。さらに、原子力の安全規制を担う経済産業省原子力安全・保安院の組織見直しについて、「経産省から完全に分離することは間違いない」と強調した。(読売)
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菅政権の原発対応、地方組織から批判 民主幹事長会議
 民主党は9日、党本部で菅直人首相(党代表)も出席して全国幹事長・選挙責任者会議を開いた。4月の統一地方選の落選者対策などが議題だったが、地方組織から菅政権の原発問題への対応などに批判が出た。 首相はあいさつで「皆さん方が私の不十分さもあってご苦労いただいていることは、十分承知している」と述べつつ、辞任の時期は明言しないで「最後の一秒に至るまで全力で責任を果たす覚悟だ」と訴えた。首相の退席後、岡田克也幹事長は首相の早期辞任を強調し、「いつ新しい体制になるかわからない。(様々な課題は)今月中に方向性を作りたい」と述べた。
 原発対応をめぐっては、九州電力玄海原発がある佐賀県連が安全性評価(ストレステスト)実施などについて「県連に対する情報提供をきちんとしてほしい」と要請。原発がある北海道連や福井県連はストレステストをめぐり「内閣の中で意見が一致していないのではないか」と批判した。(朝日)

放射性物質:焼却灰から7万ベクレル超を検出 千葉・柏(毎日)
清掃工場焼却灰から1万ベクレル超のセシウム
 千葉県柏市内の2清掃工場と、同県印西市など3市町でつくる印西地区環境整備事業組合の印西クリーンセンターで出た焼却灰から、国が埋め立てせずに保管するよう指示している1キロ・グラム当たり8000ベクレルを超す放射性物質が検出されていたことが9日、分かった。 柏市幹部によると、北部クリーンセンター(柏市船戸)と南部クリーンセンター(同市南増尾)はともに、6、7月の検査で1キロ・グラム当たり1万ベクレル以上の放射性セシウムを検出した。
 環境省は東京電力福島第一原子力発電所の事故を受け、東北、関東の15都県に、一般ごみ焼却施設から出る焼却灰について放射性物質を測定し、1キロ・グラム当たり8000ベクレルを超えた場合は埋め立てせずに一時保管するよう通知。このため、両クリーンセンターでは現在、焼却灰の最終処分場への埋め立てを中断し、敷地内に保管している。
 このほか、印西市、白井市、栄町でつくる印西地区環境整備事業組合が4日、ゴミ処理施設「印西クリーンセンター」(印西市大塚)で出た焼却灰について放射性物質を測定したところ、1キロ・グラム当たり1万3970ベクレルの放射性セシウムを検出。同組合は、印西市岩戸の最終処分場への埋め立てを中止し、同処分場と同じ敷地内にある倉庫に密閉して保管しているという。(読売)
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⇒「「原発ジプシー」と被曝」(7/10更新)