2011年12月10日土曜日

原発再稼働・工事再開・新規建設における自治体の責任を問う、何度でも

原発再稼働・工事再開・新規建設における自治体の責任を問う、何度でも

 脱原発の「牙城」は地方から落とされてゆく。全国的な運動の広がりは、立地自治体(道県・市町村)レベルから崩されてゆく。 これまでもそうだったし、これからもそうだろう。
 だから、首都圏や大都市圏を始め、それぞれの地域の脱原発派は、諸個人の生活空間を超えて、原発再稼働・新規建設にGO!サインを出そうとする全国各地の立地自治体の行政や議会に対し、それぞれに可能なあらゆる手段を尽くして、ローカルに介入にする必要がある・・・。 そういったことを、この夏、何度か書いた記憶がある。たったひとりでも、海外からでもできることは、いくらでもあるのだと。

 最近の立地自治体の動きの中で、特に注目したいのは青森県だ。
 下の奥羽新報の記事にあるように、知事や立地自治体の首長たちは、原発再稼働・工事再開の判断を事業主体たる電源開発・日本原燃・東北電力・東電に丸投げし、自らの行政責任を回避しようとしている。地域住民の生活の「安全・安心」を顧みず、旧態依然の原発マネーへの立地自治体の屈服である。

 それを背後で操作しているのが野田政権・経産官僚だ。「国策・民営」を法的に正当化する原発関連の現行法体系を口実とした国と自治体の行政責任の放棄が、再び野田政権の下で行われようとしている。
 そしてさらに、こうした国と自治体の政治的・行政的無責任、原発企業の社会的無責任に対し、「科学的知見」の名の下にお墨付きを与え、自らその知恵袋となっているのが、旧帝大7大学を中軸とする国立大学の「専門家」たちだ。「恥を知る」という能力が、人間には本当に備わっているのだろうか?

 歴史はくり返される。二度目は悪夢として。
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大間原発工事 再開に国関与せず
 電源開発(Jパワー)が大間町に建設を計画している大間原発(工事休止中)について、経済産業省資源エネルギー庁原子力立地・核燃料サイクル産業課の森本英雄課長は7日、工事再開の判断に関し「(国として)規制上の手続きはない」と述べ、判断はあくまでも事業者が行うもの-との考えを強調した。
 同日県庁で開かれた県議会原子力・エネルギー対策特別委員会で答弁した。
 建設中の原発をめぐっては、野田佳彦首相が「個々の案件ごとに地元の意向なども踏まえて判断する」としており、一部建設容認を示唆している。
 国は現在、原子力発電を含むエネルギー政策の見直し議論を進めているが、森本課長は「政策を検討しているからといって、工事再開中止を要請することはない」と断言。「地元に説明を行い、理解を得た上で、事業者が判断すること」と繰り返した。
 大間原発は東日本大震災の発生以降、本体工事を中断している。同社の日野稔副社長は特別委で「工事再開は県や地元の理解を得て当社が総合的に判断する。まずは、安全強化対策を着実に実施し、信頼をいただくことが何にも増して重要だと考えている」と説明した。(奥羽日報)
⇒「大間原発の建設凍結 国に要請へ 市議会で函館市長」(北海道新聞)
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  「「揺れは想定内、津波は想定外」?? --東電の「中間報告書」と「検証委員会」の無責任」の中で、「原発の安全神話」から私たちが目覚め、解放されるだけでは「ポスト3・11における原発推進の論理」、すなわち「福島第一原発事故は二度と繰り返さない。ハード面とソフト面における万全の「過酷事故対策」を整備する」という論理に対抗することはできないだろう、と書いた。 まさにこのことが今、青森を始め全国各地で問われている。
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原子力事業者 施設再開は自主判断
 県内原子力施設の安全対策を妥当とした県原子力安全対策検証委員会の判断に関する県議会「原子力・エネルギー対策特別委員会」(神山久志委員長)の質疑が7日、終了した。各委員は、検証結果や今後の対応について技術的な観点も含め、検証委員や事業者らの意見をただした。
 三村申吾知事は安全対策の是非を判断する時期について「県議会や市町村の意見も踏まえて総合的に判断する」(→意味不明)と従来の姿勢を強調。各事業者は試験や工事の再開について自主的に判断する考えを示した。 県庁で開かれた特別委では、
現在運転休止中の東北電力東通原発
試験中断中の日本原燃六ケ所再処理工場
建設休止中の電源開発(Jパワー)大間原発
リサイクル燃料貯蔵使用済み核燃料中間貯蔵施設
東京電力東通原発の安全対策に関する検証結果
などについて質疑。検証委の田中知委員長(東京大学大学院教授)ら検証委のメンバー、国や事業者幹部ら29人が参考人として出席した。

 委員の質問は、県内各施設の再開時期や県の関与などに集中した。東北電力東通原発の再稼働について、三村知事は「ストレステスト(耐性評価)を踏まえ、政治的な判断をするのは国」と強調。他の施設について、県エネルギー総合対策局の阿部耕造局長は「工事や試験は自主的に事業者が中断している。再開については、事業者がさまざまな状況を踏まえて総合的に判断する」と答えた。
 各事業者も、県の姿勢に合わせるかのように「社として総合的に(再開を)判断する」とそろって答弁。経済産業省原子力安全・保安院の山田知穂・原子力発電安全審査課長は「国として安全上の観点から停止する理由はない」として事業者が最終的に判断する-とした。ただ、東通原発の再稼働について「地元の理解を得られているか確認した上で政治レベルで判断する」と立地自治体の意向も考慮する姿勢だ。

 一方で、検証委が「完全なる安全はない」と県への報告書に記した(!!!)ことに、高橋修一委員(自民)は「技術論としては理解するが、地元としてはそういう施設なら再開を受け入れられないという思いが募る。事業者は完全に安全な施設と明言できるのか」と質問。安藤晴美委員(共産)は、施設再開判断に関与しない県の姿勢を批判した。
 県は8日に、青森市内で市町村長会議を開き、市町村長や議会関係者から意見聴取するほか、特別委の議論を踏まえ、県議会各会派からも意見を聞く方針だ。三村知事は月内にも安全対策の妥当性を判断するとみられる。

解説/知事発言修正は責任回避
 県が設置した外部検証委の検証結果を“揉(も)む”県議会特別委が終了。三村申吾知事は月内にも県内原子力施設の安全対策の是非を判断する。しかし、知事自身が最近になって各施設の工事や試験再開、原発再稼働については「事業者が自主的に止めている」「県が判断する立場ではない」などと軌道修正しており、結局は各事業者に判断を委ねたにすぎない。
 原発再稼働などに“お墨付き”を与えるという意味合いが濃かった検証委の存在意義も、国がストレステスト(耐性評価)の実施を前提とするなど、原子力をめぐる情勢が二転三転するにつれて薄れたと言える。
 原子力施設の工事や試験再開に、県の同意を必要とする法的根拠はない。だが、原子力施設の立地をめぐっては、これまで県はじめ地元市町村の意向が強く反映された歴史がある。
 三村知事は以前から県民の安全安心確保を前提に原子力政策に協力してきた。一方、今回の安全対策に関する県民説明会については、7月に既に開催したとして開かない考えだ。
 施設の工事、試験再開は事業者の判断に委ねられるが、国のエネルギー政策の方向が定まっていない状況で、各事業者が独断で再開、再稼働を判断することは事実上困難で、しかも世論の反発を招きかねない。知事の軌道修正発言は、落としどころを見失った検証委の役割を事業者に丸投げしたかのようで責任回避に映る。(東奥日報)

検証委の結果に市町村長異論なし
 県内原子力施設の安全対策を妥当とした県原子力安全対策検証委員会の判断を踏まえ、県は8日、県内市町村長に対する説明会を青森市のホテル青森で開いた。原子力施設が立地する下北地域の首長は、運転・工事休止中の原発の再開や避難道路の整備を主張。立地地域外の首長からは安全対策の徹底などを求める声が出た。検証結果に対する異論はなく、各市町村長らも“お墨付き”を与えた形となった。(東奥日報)

原発工事再開に慎重論も/市町村長説明会
 青森県は8日、県原子力安全対策検証委員会の検証結果に関する市町村長説明会を、青森市内で開いた。大間町で建設中の大間原発の工事再開をめぐり、隣接する風間浦村の飯田浩一村長は避難道路整備を訴え、「安心、安全が得られないうちに(工事を)やるのは不安だ」と慎重論を唱えた。一方、原発が立地する同町の金澤満春町長と東通村の越善靖夫村長は、従来通り原子力政策推進の必要性を強調した。 (デーリー東北)
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青森県原子力安全対策検証委員会
設置要綱(趣旨)
第1 県は、県内の原子力施設に係る安全確保について、県民の安全・安心のために、国及び事業者が行う安全対策を独自に厳しく検証することが必要であることから、専門家による県独自の検証を行うため、青森県原子力安全対策検証委員会を設置する。
・出光一哉(九州大学大学院工学研究院エネルギー量子工学専攻教授)
・今村文彦(東北大学大学院工学研究科教授)
・片岡俊一(弘前大学大学院理工学研究科准教授)
・片田敏孝(群馬大学大学院教授 広域首都圏防災研究センター長)
・釜江克宏(京都大学原子炉実験所附属安全原子力システム研究センター教授 兼 京都大学大学院エネルギー科学研究科エネルギー社会・環境科学専攻教授)
・神田玲子(放射線医学総合研究所放射線防護研究センター上席研究員)
・柴田鉄治(科学ジャーナリスト・元朝日新聞論説委員)
・杉山憲一郎(北海道大学大学院工学研究院教授)
・滝田貢(八戸工業大学大学院工学研究科建築工学専攻教授)
田中知(東京大学大学院工学系研究科教授)⇒委員長
・谷口武俊((財)電力中央研究所研究参事)
・本間俊充(日本原子力研究開発機構安全研究センター副センター長)
・山口彰(大阪大学大学院工学研究科環境・エネルギー工学専攻教授)
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 いったいこの面々で、「県民の安全・安心のために、国及び事業者が行う安全対策を独自に厳しく検証する」ことが可能だろうか?
 「検証委」の委員長たる田中教授は、安全・保安院に10月設置された全国の原発の「安全対策の妥当性」を議論する専門家による「意見聴取会」のメンバーであるが、来年1月に「中間報告」が、3月までには「最終報告」をまとめるというこの「意見聴取会」の内容も、読まなくとも透けて見えるようだ。( なお、「東大原子力グループ」を代表しながら世界の原子力産業を「先導」するという田中教授の紹介については「福島第一原発は「止まった」か?」の下段を参照してほしい。)
 青森県民や道南の人々は、なぜ上の「意見聴取会」による「最終報告書」がまとまる前に県の「検証委」が結論を出せるのか、このことをまず田中教授に質すべきだろう。
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原発検査の抜本見直しを 独法評価委、経産相に要請
 総務省の政策評価・独立行政法人評価委員会は9日、ミスが相次いで発覚した原子力安全基盤機構の原発検査業務について「国民の期待に応えてきたとは言い難い」として、抜本的な見直しを求める通知を所管する枝野幸男経済産業相に出した。
 通知は、機構が原子力事業者の出身者を検査員として多数採用していることに「検査の中立性、公平性に疑念が生じている」と指摘。事業者に頼らずに検査員を育成するよう求めた。(共同)
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 「評価委員会」が「通知」するまでもなく、こんなことはかねてより指摘されてきたことである。
 青森県、立地自治体は「検証委」の報告を、公開の場で、抜本的に再検証すべきである。検査のみならず、検証の「中立性、公平性に疑念が生じている」し、その存在自体が「県民の期待に応えてきたとは言い難い」。 はっきり言って、無茶苦茶である。

 さらに、今日(12/10)の毎日新聞(「原発:耐震指針改定へ…「海外の大津波も考慮を」」)によれば、「原発の安全審査の基準となる耐震設計審査指針」の改定を議論する内閣府原子力安全委員会の小委員会は、「原発ごとに最大規模の津波を想定する際、周辺地盤の調査だけでなく、海外で起きた大規模津波も考慮するよう求める方針を固め」、「12日の小委員会で指針改定案をまとめる予定」だという。

 「現行指針では「極めてまれに発生する可能性がある津波によっても、安全機能が重大な影響を受けない」としか規定がない」。これに対し、「改定案では、各原発周辺の地震動調査に基づいて規模を想定するだけでは「限界がある」として・・・海外で起きた地震に伴って発生する「遠地津波」も考慮するよう規定する」。
 「一方、想定を超えた津波が来た場合の対応については、指針ではなく電力各社に義務づける「過酷事故対策」で、機器、部屋、建屋の各段階で止水対策などを講じるよう事業者に求める方向で、安全委が最終調整を進めている」。 
 要するに、青森県(および立地自治体)は、最低限、これからまとめられる国の新指針に適合するものとして、
・現在運転休止中の東北電力東通原発
・試験中断中の日本原燃六ケ所再処理工場
・建設休止中の電源開発(Jパワー)大間原発、
・リサイクル燃料貯蔵使用済み核燃料中間貯蔵施設
・東京電力東通原発の安全対策に関する検証結果、
これらすべての「安全対策」を一から検証し直す行政責任を負っている。 そしてこのことは必然的に、三村知事が「月内にも安全対策の妥当性を判断」することの不可能性を意味することになる。

 知事や立地自治体の首長としては、来週末にも政府が発表するであろう「冷温停止」の政治宣言を受け、「安全対策の妥当性」を政治宣言するつもりだったのかも知れない。が、間違ってもそんなことが起らぬよう、青森県に対するモニタリングを、私たちはさらに厳しくする必要があるだろう。

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東海第二原発再稼働 村、周辺自治体と是非協議へ
 茨城県東海村は村内にある定期検査中の東海第二原発の再稼働の是非などを周辺自治体と話し合う懇談会を来年一月にも設置し、議論をスタートさせる方針を明らかにした。七日の村議会で川崎篤子(共産)、豊島寛一(光風会)両氏の一般質問に村側が答えた。(井上靖史)
 実務責任者の前田豊・同村理事によると、これまでに隣接する日立、ひたちなか、那珂、常陸太田の各市と同原発のおおむね二〇キロ圏に入る水戸市が参加を表明。今後さらに増える可能性がある。
 福島第一原発事故では影響が立地自治体を超えて広範囲に及んだことから、東海第二原発も広域で対応を考える必要があるとの意見で一致した。懇談会は首長で構成し、事務局は東海村に置く。必要に応じて事業者の日本原子力発電や国から説明を求めるという。
 議会休憩中に取材に応じた村上達也村長は懇談会を「無理に意見を統一するものではない。最終的な判断は各自治体がすればいい」とし、原発に対する問題点などの話し合いの場とする意向だ。ここで各自治体の足並みがそろう可能性もある。東海村が検討している研究機関などを集約した「原子力センター構想」での連携も議題にしたいという。(東京新聞)

東海第2原発、圧力容器から22トン漏水 作業ミスか「環境影響ない」
 日本原子力発電(原電)は(10月)26日、定期検査中の東海第2原発で、原子炉圧力容器の下部にある制御棒を出し入れする駆動装置から放射性物質を含む水が漏れたと発表した。漏えいは約4時間にわたり、原電の推計では原子炉内の冷却水約22・4トンが格納容器内に流れ出た。周辺環境への影響はなかった。作業員4人が水をかぶったが、被ばくは確認されていない。
 定期検査に伴い制御棒を取り外して分解点検する作業中で、原電は、同装置から水漏れを防ぐ鉄板を取り外す際、作業員が外す箇所を間違えた可能性が高いと見て、詳しく原因を調べている。

 原電によると、同日午前10時20分ごろ、格納容器内の廃液を回収する設備の水位上昇を示す警報が鳴り、運転員が制御棒駆動装置の下端部1カ所から水が漏れているのを確認。作業員の1人が鉄板のねじを外した箇所のパッキンが緩み、水が漏れ出たという。 使用済み燃料プールに移していた制御棒1本を同装置に戻して穴をふさいだ後、ねじを締め直し、午後2時14分に漏水停止を確認。漏水はすべて廃液処理系の設備で回収した。水に含まれる放射性物質は1立方センチメートル当たり0・4ベクレルと微量。定期検査中のため、原子炉の燃料は使用済み燃料プールに移された状態だったが、水位の変動や冷却機能への影響はなかった。
 同装置は制御棒の挿入により水を通さない仕組みで、制御棒を取り外す際は漏水防止用の鉄板を取り付ける。通常の手順では制御棒を戻した後に鉄板を外すが、作業員は誤って制御棒が挿入されていない別の箇所の鉄板を外したと見られる。 原電は同日、県庁で会見し「原子炉からの漏えいであり、重大な問題と受け止めている」と謝罪。来年8月上旬まで延長が決まっている定期検査の工程には影響しないとの見通しを示した。県と東海村など周辺7市町村は同日、東海第2原発を立ち入り調査した。(茨城新聞)

浪江・小高原発中止決議案を可決 南相馬市議会全会一致
 5日開会した南相馬市の12月定例議会で、市議会の東日本大震災及び原発事故対策調査特別委員会は東北電力が計画している浪江・小高原子力発電所の建設中止と県内全ての原発の廃炉を求める決議案を提出。決議案は全会一致で原案通り可決した。
 市の合併協定書に「電力需要、社会環境の変化を踏まえ地域住民の安全確保と環境保全に最大限留意しながら関係機関と検討する」とあることから、渡部寛一委員長は「東京電力福島第一原発事故後、立地を受け入れる要素はない」と決議案を読み上げた。 市は国の原発関連交付金を辞退するなど、脱原発を表明している。議会で決議案が可決されたことで、市の脱原発の姿勢を明確にした。(福島民報)

南相馬市も脱原発 (日テレnews24より抜粋)
――浪江小高原発は、強い反対の声もありながら、用地買収が着々と進められていた。その背景にあったのは、「原発マネー」と「安全神話」だった。
 私たちがむかったのは、市内の仮設住宅。 「人間の欲だ。そういうのがでていてね…」
 こう語るのは、市内・小高区から避難する兼業農家の鈴木敬徳さん。 「(当時・農協の)組合員の総会があったんだよ。そのときに原発建設反対の緊急動議が出された。そこで満場一致で反対が出された」 しかし、いつしか多くの人たちの気持ちに変化が出ていた。
 「現実に声を上げて反対ということは酒飲み話では出てきたが普通の会合であまり聞かない話」
 いまや、多くの人が避難する原因になってしまった原発。それがなぜ、反対から誘致に傾いていったのでしょうか。 「浜通り、相双地区がこれといった企業もなく働く場所もなかった時代に、東京電力が原発を作ったらものすごい雇用の創出になった。それがみんなね、このへんは出稼ぎをやっていた、出稼ぎをしなくてそれよりもいい賃金がとれる、きそって東電の建設に従事していた」
 そんな原発をわが町にも、そんな思いだったのかもしれない。鈴木さんも当時、原発の建設工事に従事した。
 「私も日雇いで通っていた、そのときの安全神話は100パーセント信用していた」
 「原発マネー」と「安全神話」でいつしか原発誘致に傾いていったのだ。「いまの東京電力のあの状態をみれば、いまさら自分のそばに原発をつくるのはかんがえられない。放射能におわれて、私たちは避難しているわけだから」 そして、提出された決議案は可決された。
*南相馬市・桜井市長インタビュー
 「市民の皆さんが一日も早く戻るために、原発の廃炉があって、歴史的に先達から受け継いだ土地に戻れることがなにより、きょうの議決は歴史的意味がある」
 脱原発の動きが広がる県内。 東北電力では「浪江・小高原発の開発について見通しをいう状況にはない」としている。

2011年12月7日水曜日

「揺れは想定内、津波は想定外」?? --東電の「中間報告書」と「検証委員会」の無責任

「揺れは想定内、津波は想定外」?? --東電の「中間報告書」と「検証委員会」の無責任


 昨日(12/6)、経産省の原子力安全・保安院が東電社員に対して行った「聞き取り調査」の結果の「メモ」が公表された。 その中で、ベントを行おうとした際、べント配管が地震で破損していたために操作できなかったこと、つまりは第一原発が地震に耐える事ができなかったがゆえにベントに失敗した「可能性」がある(と指摘した社員がいた)ことが明らかにされた。 復習しておくなら、べントとは、原子炉の爆発や損壊を回避するために、格納容器の圧力を下げる目的で放射性物質が充満する内部の気体を原子炉外部に放出すること、である。言わば、今回のようなメルトダウン→メルトスルーを回避する「最後の、そのまた最後の手段」と定義することができる。

 このことを念頭に置きながら、先週の金曜(12/2)に公表された東電による「事故調査」の「中間報告書」を読んで頂きたい。全文を転載することはできないので、ネットから削除される前に新聞報道をクリップしておこう。
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「揺れは想定内、津波は想定外」東電が中間報告書
 東京電力は2日、福島第一原発の事故調査に関する中間報告書を公表した。法令や国の指導に基づいて安全対策を施し、過酷事故に備えたが、想定を超える津波に襲われて事故が起きたと結論づけた。自己弁護ともとれる内容で、報告書を検証した外部の専門家らの指摘ともかみ合わず、不明な点も多く残った。

 報告書は、東電が作った事故調査委員会が、計測されたデータや運転員ら250人以上の聞き取りをもとに作成した。だが、1号機の原子炉建屋で爆発前に放射線量が異常に上昇したにもかかわらず、水素爆発を考えずに対策をとらなかった経緯などは記述がなく、不明のままだ。
 地震直後に1号機で起動した原子炉を冷やす非常用復水器については、運転員の判断で手動で止めた。しかし、運転し続けたとしても、すでに炉心損傷は起きており、事故の拡大は防げなかったとの見解を示した。  機器の故障を想定して複数の非常用冷却設備を設置するなどの事前の対策が、国の安全審査に適合していたことを強調。過酷事故への対応策も「国と一体になって整備を進めた」と記した。

 今回の地震は2002年に示された国の地震調査研究推進本部の見解や、869年の貞観地震より震源が広範囲な巨大地震だったが、揺れは想定と同程度で、確認した範囲では揺れによる安全上重要な機器の損傷はないとした。一方、津波は想定を大きく超え、最新の知見に沿って自主的な検討や調査もしたが、結果的に津波に対する備えが足りず、被害を防げなかったと説明した。
 このため、非常用発電機は6号機の1台を除きすべて使えなくなった。安全の想定を超えた事象が起き、原子炉を冷やすための機能が失われ、1~3号機で炉心損傷が起きた。さらに原子炉建屋で水素爆発が起きた。
 津波到達後は、消火用の配管を使って原子炉を冷やす作業を実施。事故対応のマニュアルにはなかったが、消防車のポンプを使うなど臨機応変の動作(??)を試みたなどとした。

 東電は今回、矢川元基東京大名誉教授(注)ら外部の専門家による検証委員会を設置し、調査内容について意見を聞いた。委員会は「事故の直接の原因は未曽有の津波だが、アクシデントマネジメント(過酷事故対策)を含むハード面、ソフト面での事前の安全対策が十分でなかった」とし、「過酷事故が起こり得ないという『安全神話』から抜け出せなかったことが背景にある」と指摘した。
 これに対し、東電事故調査委員長の山崎雅男副社長は「できるだけの安全対策に努めてきていることは事実として確認している。アクシデントマネジメントについても必要な対策をとってきた。今回の事故は想定を超える津波による浸水が原因だった」と話した。
 今回は、中間報告で事故時の設備の状態などを調査した。東電は調査結果をふまえ、非常用発電機などが浸水しないよう対策をとる。今後、社内の意思決定過程や情報公開のあり方などについても調査し、来年6月ごろに最終報告書をまとめる。(朝日・坪谷英紀)
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なぜ、「中間報告書」を問題にするのか?
 東電の「中間報告書」がこのような内容になることは、「3・11」直後からわかっていた。だからこそ私は徹底して東電の責任を問題にしてきたわけだが、東電という一企業体とそれに対する批判は私の中ですでに終わっている。
 では、なぜ今更これを問題にするのか? それは簡単に言えば、脱原発の論理を「原発の安全神話」批判から、原発の事業主体たる電力会社とそれを「監督・指導」すべき国の「ガバナンス」批判へと発展させるためである。

 これまで何度か述べてきたように、原発は工学的に「安全」だから建設されてきたわけではないし、「不安全」「危険」だから廃止できるわけでもない。もちろん、「原発の安全神話」から私たちが目覚め、解放されることが脱原発の大前提になる。しかしそれだけでは「ポスト3・11における原発推進の論理」、すなわち「福島第一原発事故は二度と繰り返さない。ハード面とソフト面における万全の「過酷事故対策」を整備する」という論理に対抗することはできないだろう。

 「国策・民営」で管理・運営される日本の原発は、東電に象徴される日本の電力企業の「コーポレート・ガバナンス」と、既成政党(民主党であれ自民党であれ)と官僚機構(内閣府・経産省・文科省・・・)による「ガバナンス」の質と水準ではメルトダウン→メルトスルーに対処しきれない。私たちはそのことを「ポスト3・11」の全過程における国と東電(+米仏の原子力企業)の対応を見る中で、こちらの気が滅入ってしまうほど、厭というほど思い知らされた。

 これはもはや原発が「安全」か否か云々、「ソフト面」における「リスクマネジメント」をどうするこうする云々、今更のようにドラッカーを読んでどうなるこうなるの問題ではない。私たちは今のこの国の政府・官僚機構・東電という一企業の在り方、その無責任体系の中に投影された〈私たち自身のガバナンスの質と水準〉において、原発という持ってはいけないもの、持てるはずがなかったもの、を持ってしまったのである。
(⇒「政府・東電は、なぜ「冷温停止」を急ぐのか?」(10/18)を参照)

 幾分文学的な表現をするなら、東電はその意味で私たち自身の姿を映す鏡でもある。だから、国や東電をただコキ下ろすことだけを目的にしたような外在的批判では「原発問題の本質」を捉え、乗り越えるヒントをつかむことはできないだろう。「中間報告書」に読むべきは、そういうことではないかと私は思う。
 「慙愧に耐えない」とは、まさにこういうことを言うのではないだろうか。


「検証委員会」の無責任
 冒頭の朝日新聞の記事は、「中間報告書」が「自己弁護ともとれる内容で、報告書を検証した外部の専門家らの指摘ともかみ合わず、不明な点も多く残った」と書いている。「外部の専門家らの指摘」は「中間報告書」と本当に「かみ合」っていないのだろうか、そうだとしたら何がかみ合っていないのか。
 この問題を考えるにあたって、まずは政府の「事故調」の動きをみておこう。 
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原発事故調、住民への情報に不備 可能だった津波対策
 政府の東京電力福島第1原発事故調査・検証委員会(委員長・畑村洋太郎東大名誉教授)が
(1)大津波に備えた防水対策や電源準備は可能だったが、実施されなかった
(2)避難住民に被ばく軽減のため必要な情報や指示が届けられなかった
の2点を問題視し、26日に公表する中間報告で事故の教訓を得るための考察の柱にする方向で調整していることが7日分かった。
 また吉田昌郎前所長が調査委の事情聴取で、原子炉格納容器が爆発して収束作業が不可能になり、はるかに多くの放射性物質が飛散する事態を懸念したと証言したことが分かった。(共同)
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(つづく)

(注)
矢川元基(東京大学大学院工学系研究科修了、東京大学名誉教授)
(公益財団法人)「原子力安全研究協会(NSRA)」理事長。
・略歴
日本原子力学会理事、日本原子力研究所特別研究員、国土交通省・放射性物質等海上輸送技術顧問会会長、 文部科学省科学技術・学術審議会専門委員、フランス原子力庁国際諮問委員などを歴任。
・原発関連著作
『原子炉構造工学』 原子力工学シリーズ, 東京大学出版会, 1976 (宮 健三、矢川元基)
『原子炉構造設計』 培風館, 1989 (矢川元基、一宮正和)
『核融合炉構造設計』 培風館, 1995 (矢川元基、堀江知義)
『原子力プラントのエイジングと寿命評価』 原子力安全研究協会, 2008 (矢川元基)

・・
12/8
東電、汚染水の海洋放出を計画 漁業団体が猛反発
 東電は8日、福島第1原発で貯蔵している低濃度汚染水を来年3月にも海洋に放出する計画をまとめ、漁業団体に説明したことを明らかにした。過去に漁業関係者や海外から批判を浴びており、今回も漁業関係者らは強く反発している。
 計画しているのは建屋地下などに流入した汚染水から放射性物質を分離処理後の水。原子炉への注水などに利用しているが、注水に必要な量以上の処理水が発生している。 放出する場合は、放射性ストロンチウムなども処理し、法令で定める周辺海域での基準値以下まで下げるとしている。 建屋地下への流入水は、来年3月にも貯蔵しきれなくなるおそれがあるという。(共同)

12/7
東電撤退「伝達あった」=原発事故で菅前首相
 民主党の菅直人前首相は7日午前、TBSテレビの番組に出演し、3月の東京電力福島第1原発事故の直後に東電が同原発から全面撤退する意向を首相官邸に伝達したとされる問題について、「直接の話は清水正孝社長から海江田万里経済産業相、枝野幸男官房長官(いずれも当時)にあった」と述べた。
 東電の社内調査委員会が2日にまとめた中間報告では、撤退伝達を否定している。これについて菅氏は「東電はその後、全面撤退ではなく一時避難だと言っているが、受け止めた2人(海江田、枝野両氏)は『撤退したいという話で重大な問題だから』と私に話があった」と語った。 (時事)
 ↓
 「全面撤退ではなく一時避難」? どこから、どこへ「避難」するというのか? 福島から自宅?
 私には意味がさっぱりわからない。

前所長らの証言内容、保安院が東電依頼で修正
 経済産業省原子力安全・保安院が東京電力福島第1原子力発電所の吉田昌郎・前所長らに現場の状況などを聴取した結果の概要を9月に発表した際、東電本店の依頼に応じて、証言の内容を修正していたことが6日に保安院が公開した聴取結果の資料から分かった。 保安院は「(事実関係が確認できず)表現を東電と調整した」と説明している。事故発生当初の現場関係者の声に手を加えて発表してきたことになり、調査の信頼性が問われそうだ。

 保安院は8月に吉田前所長ら8人に聴取し、9月に結果の概要版を発表した。概要版では、福島第1原発1号機の非常用復水器2台の津波襲来時の運転状況について「両方とも隔離弁の開閉状態は不明」としていた。
 ところが6日公開された聴取結果の資料によると、現場関係者は「両方とも閉止していた」と証言。保安院によると、概要版公表前に内容を調整し、東電側が証言が事実かどうか不明と主張したため「不明」と書き換えたという。 保安院は「公開しない前提で調査し(東電の)意向を尊重した」(???)と説明。聴取結果の資料の20カ所以上の黒塗り部分についても「東電の依頼で非公開にした」(!!)という。(日経)

想定甘く準備不足 福島原発事故、前所長ら聴取結果 /冷却装置、動作と誤認 保安院公表
 経済産業省原子力安全・保安院は6日、東京電力福島第1原子力発電所の事故について、吉田昌郎前所長ら8人に現場の状況などを聞き取り調査した結果を公開した。全電源が失われ放射線量も高い環境下で、人員や機材が足りず作業に手間取った。燃料損傷の可能性には早い段階で気付いたが水素爆発は考えず、想定の甘さや準備不足が改めて浮き彫りになった。
 調査は8月4~19日、保安院担当者らが東電本店と福島第1原発で実施した。公開された調査結果は「所内の情報伝達」「手順書・マニュアル」などの項目ごとに聞き取りで判明した状況をまとめており、個々の証言者名は示していない。黒塗り部分が20カ所以上ある。 調査結果によると、緊急時に集まる担当者は決めてあったが、

1~6号機の同時事故は想定していなかった
協力企業の一部が大津波警報で退避し、資材の保管場所が分からない東電社員が作業した。

 電源車が必要と判断したのは3月11日午後6時ごろ。自衛隊による空輸は重量オーバーで断念。同日午後9時~12日未明に陸路で着いたが、接続しやすい中圧タイプはなかった。メーカーから仮設電源盤を取り寄せ、外部電源の復旧に着手できたのは15日だった。
 冷却用の注水では手順書に示された消火栓が使えず、消防車を利用。しかし発電所にあった3台のうち1台は津波で故障、1台は所内道路の損傷で12日午後まで動かせなかった。

 津波直後は全体の状況把握で精いっぱいで、1号機の原子炉を冷やす非常用復水器の作業に集中できなかった。復水器は動作していると誤認、水位計の誤表示で燃料の露出にも気付かなかった
 燃料損傷の可能性は11日夜に1号機原子炉建屋で放射線量が上昇した時に認識。水素が発生すると分かっていたが、建屋が水素爆発するとは考えなかった。調査結果はベント(排気)の作業に必要な、ボンベと弁をつなぐ配管が地震で壊れていた可能性にも触れている。(日経)

「批評する工房のパレット」内の関連ページ
⇒「福島第一原発は「止まった」か?」(10/31)
⇒「原発推進派のコスト論のコスト」(10/27)

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美浜原発2号機でトラブル、手動停止へ
 関西電力は7日、運転中の美浜原子力発電所2号機(福井県美浜町、加圧水型軽水炉、出力50万キロ・ワット)で、原子炉格納容器内にある加圧器の圧力を調整する装置から1次冷却水が漏れるトラブルがあり、8日未明に原子炉を手動停止すると発表した。 トラブルによる環境への放射能の影響はないという。

 関電によると、この装置は、加圧器内の圧力が高まると自動的に弁が開き、加圧器に水を送って圧力を下げる仕組み。11月9日頃に装置内の弁の一部から、水漏れを想定して設けている配管内に漏れ始め、11月18日に1時間あたり30リットルの漏れを確認した。その後、漏えい量は12月7日に同230リットルにまで増え、今後、液体廃棄物の処理能力を超える可能性があるため手動停止を決めたという。(読売)

原発住民投票法案を提出=みんな
 みんなの党は7日、原発住民投票法案を参院に提出した。定期検査を終えた原発を再稼働させるため、国は都道府県知事の同意を求めなければならないと規定。都道府県知事は近隣住民の意見を尊重し、必要に応じて住民投票を行うことができるとしている。(時事)
⇒「原発再稼動の是非は広域的住民投票によって決めよう! 」(10/10)

自衛隊の「国際平和協力」と「保護する責任(R2P)」

 自衛隊の「国際平和協力」と「保護する責任(R2P)」


 『外交』という名の外務省の広報雑誌(創刊は去年)を、ご存知だろうか。
 いや、「外務省の広報雑誌」という言い方は編集委員に失礼かもしれない。たとえ外務省が発行元(つまり、発行に税金が投入されているということ)であれ、各号の「企画・内容は独立した編集委員会が決定」し、「国内唯一の外交専門誌として、幅広い論者が意見を交わす「場」」、というのが雑誌のフレコミになっているからである。

 ところが。外務省の「広報・出版」のサイトを見ると、冒頭に『外交』が紹介されている。どうも外務省にとってのこの雑誌の位置付けと編集側のフレコミにはギャップがあるようなのだが、これはどのように理解すればよいのだろう。

 編集委員長の中西寛(京都大学大学院教授)氏。この人は、
・「「21世紀日本の構想」懇談会」(1999年5月 - 2000年1月)に始まり、首相の私的諮問機関である
・「安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会」(2007年4月-08年6月)、
・「安全保障と防衛力に関する懇談会」(2009年1月 - 8月 麻生内閣)、
「新たな時代の安全保障と防衛力に関する懇談会」(2010年2月 - 8月 鳩山内閣〜菅内閣)と、
自公連立時代から政権交代後の民主党政権を股にかけ、これら「懇談会」の「委員」を務めてきた大学人である。
 また、編集委員には日本のNGOを代表する立場かどうかは定かではないが、ジャパン・プラットフォームの代表理事であり、「難民を助ける会」の理事長でもある長有紀枝氏(立教大学教授)も名を連ねている。

 この『外交』の最新号に、『脱「国際協力――開発と平和構築を超えて』の書評が掲載されている。龍谷大学でのシンポジウムを終え、紅葉をまだ楽しめた関西から戻ると、版元の新評論から送られてきていて、つい先ほどまで目を通していた。

 書評を読んで感じた微妙な違和感について、書く時間の余裕はない。というのも、①シンポジウムの報告を始め、②原発関連(東電による「事故調査」の「中間報告」、原発の海外輸出問題(東芝や三菱重工の動き)、東海第二原発における放射能に汚染された冷却水漏出問題、等々)、③「世界経済のメルトダウン(改定版)、⑤壊れる世界の大学と学生運動(改定版)等々等々と、書き記しておかねばならないことが、たまりにたまっているからである。

 しかし、本題に入る前に、一言だけ書評について触れておきたいことがある。それは、書評では私が書いた序章と「「保護する責任」にNO!という責任」が言及されているのだが、「保護する責任」に関する私の論文が「「保護する責任」に対する慎重論を展開」していると、論文の本旨を完全に歪曲しながら紹介されていることについてである。

 私は、R2Pに対する「慎重論」を「展開」した覚えはない。国際人権・開発NGOや、「難民を助ける会」などの「緊急人道支援」NGOが、軍民一体となって「破綻国家」に介入する責任を主張し、紛争や内戦を長期化させ、その国に生きる人々の自立を阻むR2Pに対して、「NO!という責任」があると「展開」しているのである。
 
 外務省の広報誌で何であれ、自分が関わった本を批評し紹介してもらうのは、とても有難いことだ。それが内容のある批判であれば、もっと有難いと思うだろう。 しかし、論旨の歪曲は困る。これはどのような書評であれ、評者が守るべき「最低ラインのルール」だと思うのだ。

 ではなぜ、R2Pに「NO!という責任」がR2Pに対する「慎重論」へと歪められてしまうのか?
 『外交』が外務省の広報雑誌であるという点から考えるなら、その理由はいたって単純明快だ。 
 安保理常任理事国構成国による武力行使抜きには成立しないR2Pを、情報開示もせず私たちが知らない間に、しかも国会での事前審議も抜きに外務省が国連で承認し、R2Pはいまや
①「国際の平和と安全」に「貢献」するという外務省主導の外交・開発援助戦略(アフガニスタン・イラク・リビア・南スーダン「復興開発・人道」支援、ソマリアに対する対テロ戦争と一体化した人道支援・・・)や、
②「平和構築」と並ぶ自衛隊の「国際平和協力」活動、つまりは武力紛争の真っ只中にある国や地域における、武力行使を排除しない国連PKOへの部隊参加を正当化する、そのための「規範」や「大義」として位置付けられるようになったからである。

 外務省としては、自らが発行元になっている広報雑誌に、自らが戦略的に推進してきたR2Pの「地球規範」化に「「NO!」という責任」を主張する論考の本旨を掲載するわけにはいかない、また、実は中西編集委員長はもとより長編集委員もまたR2Pの積極的な支持者であり推進者であってみれば、このような歪曲が起こったとしても何ら不思議はない・・・。

 ここで注目しておきたいのが、防衛省所管の「統合幕僚学校」に設置された「国際平和協力センター」である。この「センター」が主催する第1回の「国際平和と安全シンポジウム」が、まさに今日と明日の二日間に及び開催されている。そして驚くなかれ、このシンポで「文民の保護」と題した講演をヒューマン・ライツ・ウォッチ(東京オフィス)の土井香苗氏が行っっている。

「国際人権NGO」、ヒューマン・ライツ・ウォッチは〈どこまで〉ゆくのか?

(つづく)

・・・
自衛隊の「国際平和協力」と「保護する責任(R2P)」(資料)
グローバル・テロ対策フォーラム(GCTF)
・9月22日、ニューヨークにおいて設立。(GCTF:Global Counterterrorism Forum)
・GCTF設立文書採択、カイロ宣言と暴力的過激主義対策のためのセンター設置について発表。
・玄葉外務大臣→「テロという国境をこえた人類にとっての脅威に国際社会が一致団結してあたる必要性に言及」。「我が国が、GCTFの活動とその発展に積極的に貢献する旨表明」。

・GCTFは、「米国により提唱され、テロ対策に係る新たな多国間の枠組みとして、
1)実務者間の経験・知見・ベストプラクティスを共有し、
2)法の支配、国境管理、暴力的過激主義対策等の分野におけるキャパシティ・ビルディングの実施等を目的に、
3)テロ対策の政策決定者・実務者が一堂に会して知見を共有する場。
 組織として、調整委員会、テーマ別・地域別の作業部会、事務局を設置。
 メンバーは以下の29か国及びEU国連がパートナーとして参加。
・米国、フランス、イギリス、中国、ロシアの国連安保理常任理事5カ国
・日本、ドイツ、イタリア、豪州、カナダ、デンマーク、オランダ、スイス、スペイン
・中東→サウジアラビア、ヨルダン、カタール、トルコ、UAE
・アフリカ→アルジェリア、モロッコ、エジプト、ナイジェリア、南アフリカ
・ラテンアメリカ→コロンビア
・アジア→インド、インドネシア、パキスタン

アフリカの角」(ソマリア、ケニア、エチオピア、ジブチ)への人道支援に関する閣僚レベル・ミニ・サミット」(9/24)
・玄葉外務大臣スピーチ。
 「東日本大震災の際にアフリカ諸国から表明された温かい連帯の気持ちに応えるためにも、日本として深刻な干ばつ被害への対策をアフリカ諸国と協力して進めていきたい」
 「我が国が「アフリカの角」の干ばつ対策として今年既に1億ドル近い支援を実施しており、今般、これに加えて新たに約2,100万ドルの食糧支援を実施する旨表明」。
・米国・英国・EU→「同地域に対する支援を引き続き行っていく」。
 ジプチには米仏の軍事基地、自衛隊初の「海外拠点」が、ケニア・エチオピアは米仏英の軍事支援・援助を受けソマリアに軍事侵攻。
 日米欧の「人道・食糧支援」は「干ばつ被害」から「アフリカの角」を救うか?
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12/8
武装集団が襲撃、40人死亡 南スーダン、民族対立
 国連平和維持活動(PKO)のため日本の陸上自衛隊施設部隊が派遣される南スーダンからの7日の報道によると、同国東部ジョングレイ州の村を5日に武装集団が襲撃、子どもを含む少なくとも40人が死亡した。現場は首都ジュバなど陸自の活動予定地域からは離れている。
 背景には異なる民族間の対立がある。武装集団は村で多数の住居を焼き払った上、家畜の牛を盗んだという。現地PKOの国連南スーダン派遣団(UNMISS)は調査団を派遣した。
 ジョングレイ州では8月にも民族衝突があり約600人が死亡、その後も断続的に衝突が続いた。南スーダンは7月にスーダンから分離独立したが、治安の安定が課題の一つとなっている。(共同)

⇒「南スーダン軍、民兵組織からの脱却の困難」(12/7,時事)より。
・2005年の包括和平合意以来、スーダンと南スーダンは法的には和平状態にあるが、両国は資源が豊富な国境の州を拠点とする互いの反政府勢力に、互いが資金提供していると非難の応酬を続けている上、脆弱な経済がいっそう安定を失っているため、新たな戦闘が勃発しかねない状況だ。
・国連の「スーダン共和国における武装解除・動員解除・社会復帰計画(Sudan Disarmament, Demobilization and Reintegration Programme、DDR)」の下、軍の再編と軍事費削減の一貫として、南スーダン政府は兵士8万人と警官など治安要員7万人の解除を計画している。しかし、実際には軍に再び吸収される元反政府勢力と、解除される兵士の数が変わらない状況で、真の平和が訪れるまでDDRは効果がないという批判も聞こえている。SPLA特殊部隊の元訓練官リチャード・ランズ(Richard Rand)氏は、3~5年で軍の再編が完了するという国際社会の予想は楽観的すぎると警告する。
⇒「自衛隊は何をしに南スーダンに行くのか?」(9/26)

12/7
米司令官、アフガン撤収の一時中断を主張
 米紙ウォールストリート・ジャーナル(電子版)は6日、アフガニスタン駐留米軍のジョン・アレン司令官が、治安確保のため米軍部隊の撤収を来年夏で一時中断し、2014年に再開すべきだと米議会関係者などに訴えていると報じた。
 アレン司令官は、米軍兵力が現在予定されている通り来年夏に6万8000人を割り込めばアフガン辺境地域での治安確保や補給路の維持が困難になるとして、兵力削減の中断を求めているという。
 オバマ政権は、09年発表のアフガン新戦略に基づき増派した3万3000人を来年夏までに撤収させて兵力を6万8000人規模とし、その後も段階的に撤収を続けて14年にはアフガン政府に治安権限を完全移譲させると表明している。 (読売、ワシントン=黒瀬悦成)

・アフガン変革へ支援継続を確認 国際会議閉幕
 ドイツ西部ボンで開かれたアフガニスタンに関する国際会議は5日夕、国際治安支援部隊(ISAF)からアフガン側への治安権限移譲を終えた後の2015年から24年までをアフガンの自立に向けた「変革の10年」とし、国際社会の継続的な支援を確認する総括文書を出して閉幕した。
 会議後の記者会見で、主催国ドイツのベスターベレ外相は「国際社会はアフガンの国民に、我々は決してアフガンを見捨てないという明確なメッセージを送った」と述べた。
 総括文書は治安面について、計35万2千人にまで増員する軍・警察に対し、治安権限移譲が完了する14年末以降も国際的な支援が必要だと確認。資金援助計画などを来年5月に米シカゴで開かれる北大西洋条約機構(NATO)首脳会議までに検討するとした。 (朝日)

米軍、エチオピアに無人機基地 ソマリアの武装勢力攻撃
 米軍が、アフリカ東部ソマリアのアルカイダ系組織の攻撃を目的に、隣国エチオピア南部に軍事拠点を極秘に開いたことが分かった。米紙ワシントン・ポストが(10月)27日、米空軍の話として報じた。エチオピア政府はこの拠点の存在を否定しているという。
 同紙によると、軍事拠点は首都アディスアベバから南に約500キロの町にある民間空港の一部を転用。米空軍の要員が駐留して無人機リーパーを運用している。米空軍は「エチオピア政府が受け入れる限り(無人機攻撃を)続ける」と同紙にコメントしている。攻撃対象はソマリア中南部を支配するイスラム武装勢力シャバブ米軍はこのほかに、東アフリカのジブチや島国セーシェルにも、無人機の運用拠点を設けているという。
 オバマ政権はアフガン、イラク、イエメンなど世界の6カ国で無人機による攻撃をしている。テロ容疑者を裁判を経ずに殺害するうえ、民間人の巻き添えも出ていることから、批判が高まっている。(朝日、ワシントン=望月洋嗣)

2011年12月3日土曜日

パレスチナと沖縄を結ぶ――民族自決権と開発

シンポジウム「パレスチナと沖縄を結ぶ――民族自決権と開発」 (再掲)

日時:2011年12月3日(土)午後2時~5時
場所龍谷大学深草キャンパス 21号館501教室
京都市伏見区深草塚本町67 (地下鉄「くいな橋」駅下車、徒歩7分/JR奈良線「稲荷」駅下車、徒歩8分/京阪「深草」駅下車、徒歩3分 )→ アクセスマップ: http://www.ryukoku.ac.jp/about/campus_traffic/traffic/t_fukakusa.html
参加費:500円(龍谷大学学生は無料)

プログラム
第一部
パレスチナ/イスラエルの脱植民地化と日本:アパルトヘイト政策と開発政策の共謀
役重善洋(パレスチナの平和を考える会)
イスラーム社会における市民運動:その特徴とパレスチナ問題への影響」(英語、通訳あり)
イヤース・サリーム(パレスチナ・ガザ地区出身、元国際援助ワーカー、現同志社大大学院生)

第二部
琉球の自己決定権――開発による米軍基地押し付け政策からの解放を目指して
松島泰勝(龍谷大学済学部国際経済学科教授、ゆいまーる琉球の自治代表)
■質疑応答・討論

コーディネータ: 中野憲志
通訳: 藤岡美恵子

共催〈NGOと社会〉の会パレスチナの平和を考える会NPO法人ゆいまーる琉球の自治龍谷大学民際学研究会国際開発学会島嶼部会
お問い合わせ(予約不要)
(株)新評論編集部内 〈NGO と社会〉の会:
TEL 03-3202-7391/FAX 03-3202-5832

・・・
11/29
「官僚のおごり」 県内で反発の声
 米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設計画をめぐり、田中聡沖縄防衛局長が28日夜、米軍普天間飛行場の名護市辺野古への移設に向けた環境影響評価書の提出時期をめぐり「犯す前に、犯しますよと言いますか」と発言した件で、県内の市民団体からは29日、「県民への侮辱だ」「差別意識の表れだ」など怒りや批判の声が相次いだ。
 沖縄防衛局は29日も、米軍北部訓練場の一部返還に伴うヘリパッドの移設に向けた工事を東村高江区で着手しようとし、住民らと対峙(たいじ)した。
 座り込みを主導している沖縄平和運動センターの山城博治事務局長は「140万県民に対する侮辱。防衛相は県民に説明と謝罪し、局長を更迭すべきだ。大臣の任命責任も問われる」と指摘。「沖縄県民への差別、力でねじ伏せようとする官僚のおごりが見え見え。居酒屋では何を言っているのかよく分かった。絶対に許せない」と声を荒らげた。
 名護市ヘリ基地反対協議会の安次富浩代表委員は、発言が環境影響評価書の年内提出を前提にしていることについて「本来なら、地方の出先機関は地元の怒りの声を含め諸問題を収集し、本省に上げなければいけない。(同局長のスタンスは)ただ上から言われただけの伝達係でしかない」と糾弾。発言については「日本の政府官僚の沖縄に対する差別意識の表れだ。個人の発言ではなく、組織的な沖縄に対する視点が言葉に出たものだ」と憤った。(琉球新報)
【号外】田中防衛局長を更迭 不適切発言で処分」(琉球新報)

11/27
「米国任せ変わらず」運用改善に批判相次ぐ
 日本平和大会in沖縄(主催・同実行委員会)3日目の26日、那覇市内で日米地位協定をめぐり、各地の報告やパネルディスカッションがあった。米軍属の公務中の犯罪を一定の条件下で日本が裁けるようにする日米地位協定の運用「改善」について、識者や米兵犯罪の被害者らからは「平時における裁判権は日本側にあることを主張すべきなのに後退した」「人間として平等の扱いを求めるべきだ」と批判が相次いだ。
 地位協定改定を実現するNGO事務局長の新垣勉弁護士は「たとえ事故を起こしても、米軍施設間の移動だからといって特別な扱いを受けるのはおかしい。少なくとも平時においては、軍隊といえども受け入れ国の国民の人権を保護する責務がある」と強調した。平時においては軍属への軍当局の裁判権は、違憲とする1960年の米連邦裁判決が出されたことなどを説明。

 「平時においては原則的に軍当局は裁判権を有していないにもかかわらず今回、日本政府が米軍人・軍属の公務中の犯罪は米側が第1次裁判権を持っていると確認したことにあぜんとする。交渉の舞台裏を解明する必要がある」と指摘し、日本の主権を後退させたと批判した。
 国会で米軍属への不透明な司法手続きを追及してきた井上哲士参院議員(共産)は「本来ある裁判権を毅然(きぜん)と行使してこなかったから、こうなった。その場限りの対応で、米国任せは変わらず、根本的な解決にはつながらない」とした。
 2006年、通りがかりの空母キティホークの乗員だった米兵に妻=当時56歳=を惨殺された横須賀市の山崎政則さん(67)は「生きがいだった妻を失っただけでなく、当初、警察の取り調べで犯人扱いされた。(米兵らは)『基地の中へ逃げればなんとかなる』と思っている。平等に裁かれる地位協定にしないと米軍人や軍属の犯罪は減らない」と訴えた。(沖縄タイムス)
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11/17
・パレスチナ「国家」扱いに…国連総会議長
 ナシル・アブドルアジズ・ナセル国連総会議長は16日、都内で読売新聞と単独会見し、パレスチナが国連オブザーバーとしての地位を現在の「機構」から「国家」に格上げする国連総会決議案の提出を模索していることについて、「パレスチナは(採択に)十分な数の加盟国の支持を持つ。一歩前進になると思う」と述べ、肯定的な見解を示した。
 パレスチナは先に国連加盟を申請したが、加盟を審査する国連安全保障理事会の常任委員会は一致した見解を出せず、安保理は申請を「門前払い」する見込みだ。オブザーバーは総会での投票権はないが、発言権は認められており、地位格上げは国連加盟断念の場合の次善の策となる。ナセル氏は、パレスチナは安保理の決定後、オブザーバーの地位格上げに関する総会決議案の提出について判断するとの見通しを語った。(読売)

11/10
・パレスチナ戦略に暗雲 国連加盟 安保理9カ国賛成 困難
 国連に独立国家としての加盟を目指すパレスチナだが、安全保障理事会で目標としていた九カ国の賛成票獲得が困難な情勢となりつつある。イスラエル擁護の立場を取る米国に拒否権をやむなく行使させ、孤立を印象付けて事実上の勝利を得る戦略は、見直しを迫られる可能性が高まってきた。十一日にも予定される安保理による加盟問題についての協議が注目される。
 パレスチナは先月末に一足早く、国連教育科学文化機関(ユネスコ)への加盟を実現した。国際社会からの支持を印象付け、イスラエルと米国の外堀を埋める戦略の一環だ。
 パレスチナ自治政府の高官は今月初め、本紙取材に「すでに世界保健機関(WHO)の申請準備を始めた。すべての国連機関で一つずつ勝利を得たい」と言明。フルード・デイベス観光・遺跡担当相は「われわれの正当な要求を各国が理解してくれれば結果は得られる」と自信を示した。

 ただ、中核の国連加盟は、安保理で米国が拒否権を持つため絶望的。真の狙いは拒否権を行使せざるを得ない状況に追い込み、ユネスコ加盟への反発に続き、ここでも米国の孤立を際立たせることだった。 安保理十五カ国のうち九カ国以上が賛成し、常任理事国が拒否権を行使しないのが加盟の条件。米国は、中東などで反米感情が悪化することへの懸念から拒否権の行使は避けたいのが本音だ。
 自治区ヨルダン川西岸の評論家ジヤド・アブ・ジヤド氏によると、自治政府では「九カ国の賛成がないまま安保理に採決を求めるべきだ」との意見が優勢。「国際社会は採決にあたり米国の圧力があったと理解してくれるとの見立てからだ」と説明する。
 安保理で否決された場合は、国連総会のオブザーバー資格について現行の「組織(パレスチナ解放機構=PLO)」から「非加盟国」への格上げを目指すシナリオが次の焦点だ。 【東京新聞、カイロ=今村実】

2011年12月1日木曜日

〈リビア以後〉の「保護する責任」にNO!と言う責任~「北朝鮮における『人道に対する罪』を止める国際NGO連合」をめぐって

 〈リビア以後〉の「保護する責任」にNO!と言う責任~「北朝鮮における『人道に対する罪』を止める国際NGO連合」をめぐって


  「北朝鮮における『人道に対する罪』を止める国際NGO連合」(ICNK)なる団体が9月に結成された。そして先週(11月25日)には、ICNKとしての国会ロビーイング活動の第一弾として、ICNK主催の「院内集会」が開催された。
 拉致と核、「人権問題」を含めた、いわゆる「北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)問題」と一般に呼ばれているものの問題の在り処とその解決の方向性に関する私見については、4年前の2007年夏に出版された『制裁論を超えて-朝鮮半島と日本の〈平和〉を紡ぐ-』にまとめているので、関心のある人はこの書を参照して頂きたい。

 「北朝鮮問題」に関する私の基本的考え方は、4年前と何ら変わっていない。なぜなら、『制裁論を超えて』の中でも指摘した、「対話なき圧力」、国際的対北朝鮮包囲網の形成=制裁の強化を「北朝鮮問題」の解決をはかる「外交」とはき違えている日本政府・外務省の〈政策なき力の政治〉、しかも「他人の褌で相撲を取る」ような米国への全面依存のそれ、が当時も今も何も変わっていないからだ。議論をさらに深めようにも、私には外務省の〈トラの威を借り、他人の褌で相撲を取る、政策なき力の政治〉に関するこの4年間の経緯をなぞるようなことくらいしかできない。

 しかし、状況的に言えば、この4年間で変わったことが二つある。それは、
国連による「保護する責任」の「地球規範」化(2005年)に基づき武力によるその「実行」がコートジボワールとリビアにおいて今年行われたこと、そして、
②「保護する責任」を「市民社会」レベルから推進し、「人道に対する罪」や「戦争犯罪」国家と国連安保理が規定する国家(国連総会による決議を経たそれでないことに注意)に対する軍事・非軍事両面にわたる制裁の強化と実行を各国政府にロビーイングする勢力が国際的に台頭するようになったこと、この二つである。
 ②の日本的現象、それが「北朝鮮における『人道に対する罪』を止める国際NGO連合」(ICNK)なのである。 


  私が「「保護する責任」にNO!と言う責任」のスケッチを描き始めた去年の10月末段階では、「保護する責任」(R2P)の実行としてのリビアに対する武力攻撃→反乱軍への軍事支援を通じた政権転覆が、まさかこんなに早くやってくるとは予想だにしていなかった。
 米英仏=安保理常任理事国の軍隊にその他のNATO軍とカナダ軍が加わり実行された、R2Pの現実政治(パワー・ポリティクス)への適用。これがもたらした事態をどう総括するか。このことが今、国際政治・国際法の海外の研究者の「ホット・トピック」になっている。 (一例だけ挙げると、ケンブリッジ大の「Ethics & International Affairs」の最新号のテーマも、まさにリビアに対するR2Pの適用問題に関してである) 

  国際人権・人道・開発NGOとしてR2Pを推進する勢力が「リビア(とコートジボワール)以後の問い」として設定しているのは、以下の諸点である。

1,How decisive was the Libyan crisis in the evolution of R2P? →誰がカダフィ政権を育て、武器を与え、長年におよぶその強権的人権侵害を黙過してきたのか? 「リビアの危機」に責任を負うのは、カダフィ政権だけだったのか? その意味では、R2P連合軍と反乱軍による戦争、殺戮と人権侵害の犠牲者から見れば、リビアはR2Pの実験場とされただけではなかったか?
2,To what extent did values or interests dictate the response to Libya? →誰の「価値観と利害」のことか? リビア民衆の「価値観と利害」でなかったことだけは明白である。
3,Was there an alternative to resolution 1973? →この問いは、上の1の問いに戻る。
4,Does the resort to the use of force mean a return to “humanitarian intervention?” →「保護する責任」を「第三の柱」=武力行使を切り離し、「人道的介入を目的としたものではなく予防のためにある」という、これまでの推進派による議論の無効性がリビアとコートジボワールに対する武力攻撃の現実性によって明らかになった、と見るべきである。
5,Did NATO overstep their Protection of Civilians mandate in Libya?
→上の4と下の6に同じ。

6,What were the main challenges facing the military strategy to protect civilians in Libya? →核軍事大国(リビアのケースにおいては米英仏)による、徹底的で集中的な空爆、これと連動したその後の地上戦の展開(=「軍事戦略」の実態)によって一般市民が「保護」できるという考え方自体が、根本的に誤っている。
7,What factors explain why the Security Council took action on Libya but not Syria? →いわゆる、「保護する責任」適用のターゲット国選定における恣意性と二重基準の問題。現実政治においてはこの重大問題を免れることはできない。
8,What do Côte d’Ivoire and Libya tell us about the relationship between R2P and regime change? →国家に対する武力攻撃は、その国家の政権転覆とその後の国内「紛争」(内戦的事態)の長期化をもたらさずにはいない。アフガニスタンとイラクにおいて、私たちは何を学んだのか?
9,What more could have been done to prevent atrocities in Côte d’Ivoire? →武力攻撃を回避するために安保理常任国が、国連事務局がやれたであろうとことは無限に存在する。
10,What do recent experiences in Libya and Côte d’Ivoire suggest about the R2P responsibilities of regional organizations? →武力攻撃を最後まで避けるべき安保理常任理事国および安保理構成国の責任を問わず、地域機構の責任を論じるのは本末転倒である。
11,Has implementation in Côte d’Ivoire and Libya undermined the credibility of R2P? →これまでR2Pに、いったいどのような国際的credibility(信頼性)が存在したというのか? 国際的に見ても、R2Pは「総論」=一般的理念に賛成したとしても、その現実的適用の在り方についての一致は見られなかった。政治的・国際法的概念としてのR2Pは、きわめて論争的な「地球規範」であり続けている。


アムネスティ・インターナショナル(日本)よ、どこへゆく
 以下、上の諸点に対する私見を述べながら、R2PおよびICNKの問題点を指摘しておきたい。先日法政で行ったシンポジウムには、アムネスティ・インターナショナル(日本)の人も参加していただいたが、以下に書く内容をアムネスティに対する個人的メ―セージとして贈りたい。私自身の友人・知人の中にも会員になっている人々が存在するアムネスティ内部で、今後R2PおよびICNKについて議論を深める素材の一つになれば、と考えている。

① 〈リビア・コートジボワール以後〉におけるR2Pがはらむ根源的問題 
 『脱「国際協力」 ~開発と平和構築を超えて~』に収録された拙論、「第六章 「保護する責任」にNO!という責任――21世紀の新世界秩序と国際人権・開発NGOの役割の再考」において、私がR2Pをめぐる議論の最大の論点としたのは、R2Pが「問題設定の在り方」と「問題の解決に向けた課題設定の在り方」の両方において根本的に誤っている、ということである。
 詳しくは拙論を参照して頂くしかないが、一言で言えば、「保護する責任の履行」と題された現国連事務総長名による「報告書」の中に、「ジェノサイド」「人道に対する罪」「戦争犯罪」「民族浄化」の解決策を見出すことはできない、ということである。「原発の安全神話」から私たちが根源的に目覚めなければ日本における脱原発などありえないように、〈「保護する責任」が一般市民を守るという神話〉から人権をかたるNGOが根源的に目覚めない限り、その組織や個人は「人権」や「人道」を語りながら他国や地域に永遠に介入し続け、自国の「価値観」と「利害」を追求し続ける大国の「トロイの木馬」となるだけだ、と私自身は考えている。

 これまでR2Pを推進してきたヒューマン・ライツ・ウォッチを含む国際人権・開発NGOは、この真理を自ら掴み、R2Pの抜本的再検証を、国連事務局・安保理、各国政府に「提言」すべきである。これらの国際NGOには、今後の国連および安保理改革の重要なアジェンダの一つとして、国連総会における「保護する責任の履行」の再討議に向けたキャンペーン活動を展開する責任がある、と思うのである。
 その理由については日を改めて、上に述べた諸点をさらに敷衍するものとして、問題提起することにしたい。

 最後に。この問題を考え、議論を広げる重要性を読者に理解して頂くために、9月7日に行われ、ヒューマン・ライツ・ウォッチが主催した「北朝鮮人権国際会議」にボランティアスタッフとして参加した、都内のとある国立大学の女子学生の感想を引いておこう(個人情報保護の観点から、大学名・実名等は伏せておきたい)。
・・
 このシンポジウムでは、脱北された方々や拉致被害者家族、NGOや政府関係者が結集した。
 私は北朝鮮で行われている人権侵害について恥ずかしいほど無知であったため、証言の数々に絶句した。
 北朝鮮の独裁政権は、国民の大多数を収容所に送り、人権を剥奪することで成り立っていた。
 この狂気の独裁政権を倒し、民主化を推し進めるべきというのが、会議の概括的意見に挙げられた。
 今回参加して個人的に分かったことを3つ整理しておく。
①拉致問題は、とくに強制収容所における人権問題であるということ。
 北朝鮮の強制収容所で行われていることは、フランクル著作の『夜と霧』に描かれたアウシュビッツよりも残虐であり、1万人規模の収容所が狭い国土に大量にひしめいているという・・・。
・・
 「狂気の独裁政権を倒し、民主化を推し進めるべき」というのが、「会議の概括的意見」であったらしい。
 女子学生は、「わかったこと」の三点目として、
 「やっぱり法律の勉強がんばらなければいけないということ。国際弁護士の方やHRW日本局長とお話しする機会があり、食べれる仕事もやりながら自由にボランティアやNGOに携わる生き方がとても素敵だと思った。なにより、専門分野はしっかり持つことがたいせつであると実感した」と語っている。

 読書家であり、おそらくはとても優秀であるに違いないこの学生が、北朝鮮の「人権侵害」を「フランクル著作の『夜と霧』に描かれたアウシュビッツよりも残虐」 「1万人規模の収容所が狭い国土に大量にひしめいている」と語るパネリストたちのスピーチを批判的に咀嚼することなく鵜呑みにするという、その事実の中に、「北朝鮮における『人道に対する罪』を止める国際NGO連合」が流布する「価値観と利害」の危うさが潜んでいるのではないだろうか?

 非常に重たい問題ではあるのだが、新事務局体制に移行したアムネスティ・インターナショナル(日本)の地域グループの会員の皆さんを始め、読者も事実を事実として客観的かつ理性的に判断するなら、きっとそう考えるに違いない、と私は確信している。
 
⇒「自衛隊の「国際平和協力」と「保護する責任(R2P)」
⇒「〈リビア以後〉の「保護する責任」にNO!と言う責任(2)---「人権と人道の政治性」について」につづく
⇒「「保護する責任」(R2P)に関するヒューマン・ライツ・ウォッチ(HRW)への質問状と回答


「批評する工房のパレット」内の関連ページ
⇒「リビアへの武力攻撃開始」(3/20)
 このページに、ヒューマン・ライツ・ウォッチ等の「保護する責任」を推進する国際NGOの問題点に関する私見を書いたページへのリンクがさらにあるので、関心のある人は参照して頂きたい。
 時代は、「保護する責任」をめぐってとんでもない方向へと、さらに向かいそうだ。「こんなはずじゃ、なかった」のではないのか? なぜ、こんなはずじゃなかったことが、こんなことになってしまうのか? 「文科系」ばかりでなく、「理科系」の人たちも、ぜひ一緒に考えてほしい。

基地と原発、振興開発と住民の〈自己決定権〉

基地と原発、振興開発と住民の〈自己決定権〉

 今週の土曜(12/3)、京都の龍谷大学(深草キャンパス 21号館501教室)で行うシンポジウム、「パレスチナと沖縄を結ぶ――民族自決権と開発」の準備のために、いろいろ資料にあたっていたらパネリストの一人、 松島泰勝さん(龍谷大学済学部教授、ゆいまーる琉球の自治代表) からメールが入り、レジュメが届いた。
 パワーポイント24頁に及ぶそのレジュメの中に、「4.振興開発の総括と琉球人の自己決定権の行使」という項目がある。その内容は、以下のようなものである。
・・
・1972年から2001年まで、琉球の振興開発を主管とする沖縄開発庁は米軍基地の存在を前提とした開発行政を実施。
・しかし、特に1996年以降、米軍基地を固定化し、再編・拡大する手段として振興開発が流用。
・2001年に設立された内閣府沖縄担当部局は、振興開発と基地問題双方を統括する機関となり、開発と基地とのリンケージを強化
「復帰」後約40年間の開発行政は格差是正・経済自立を実現させず、国への依存度を深め、基地の固定化を進め、環境を大きく破壊し、失敗であったと総括できる。
〈失敗の主な原因〉
①画一的な開発手法
②予算配分率の固定化
③開発計画の策定・実施過程における琉球側の主体的な参加の欠如
④中央官庁による介入・規制・指導
⑤基地と振興開発とのリンケージ
(11月20日に行った法政大学でのシンポジウムのレジュメ、「保護する責任」に関する私たちの公開質問状に対するヒューマン・ライツ・ウォッチの回答を含め、すべてのレジュメ・資料は〈NGOと社会〉の会のサイトに掲載される予定になっているので、全文の公開は今しばらく待っていただきたい)
・・

 琉球の米軍基地・普天間問題については、改めて論じることにしたい。私が松島さんのレジュメに目を通しながら感じたことは、「戦後」の国・自治体の「原発行政」が「基地行政」と同様に、
①画一的な開発手法、
②予算配分率の固定化、
③開発計画の策定・実施過程における「立地自治体」の主体的な参加の欠如
④中央官庁による介入・規制・指導、
原発と振興開発とのリンケージの下で行われてきたことだ。そして、結局のところ、
 「開発行政は格差是正・経済自立を実現させず、国への依存度を深め、原発の固定化を進め、環境を大きく破壊し、失敗であったと総括できる」のではないか、ということである。

 こうした「中央官庁による介入・規制・指導」を打ち返し、自治体の原発マネーへの依存構造からの脱却をはかり、住民の「自己決定権」を確立するには、いったいどうすればよいのだろう。 その具体的かつ現実的なビジョンを、立地自治体の人々とともに考え、構想し、支援することが脱原発派に問われている。
 下の記事にある西と東の「原発銀座」の自治体の「方針」を対比しながら、私たちそれぞれがその「ビジョン」を考え、ともに議論し合うべき時期を迎えているのではないだろうか。 

県内全10基の廃炉要求へ 福島知事が表明
 福島県の佐藤雄平(さとう・ゆうへい)知事は30日の記者会見で、東日本大震災と東京電力福島第1原発事故を受けて年内にまとめる県の復興計画に「国と東電に対して、県内の原発10基すべての廃炉を求める」と明記することを発表した。計画策定後、国と東電に廃炉を要請する。 原発立地県で、県内にあるすべての原発の廃炉を求めるのは初めて。
 佐藤知事は会見で「国、事業者が主張してきた安全神話が根底から覆された」と指摘。「原発を立地して財政的に恩恵を受けてきた以上に、事故は自然、社会、教育に大きな影響を及ぼしている。原子力に依存しない新生福島を創造するとの決断に至った」と述べた。
 廃炉で生じる放射性廃棄物の処理については「県内に最終処分場は認めない」と強調。核燃料税や交付金が失われるなど財政上の問題には「税制を精査して取り組む」とした。加えて原発のある双葉郡など沿岸部の復興のため、原発関連に替わる雇用を生み出す方針も打ち出した。

 佐藤知事が原発から決別する姿勢を明確に示した一方で、政府と東電は、第1原発の1号機から4号機の廃炉方針は決定しているものの、同5、6号機と福島第2原発の4基については、態度を明らかにしていない。 廃炉をめぐっては、福島県議会が10月、全10基の廃炉を求める請願を賛成多数で採択。佐藤知事は「(採択は)本当に重い。第1、第2原発の再稼働はあり得ない」と述べていた。
 県は復興計画の策定にあたり、既に「原子力に依存しない社会を目指す」との「脱原発」の基本理念を決定。佐藤知事は脱原発の実現に向けて、県幹部と協議を重ね、雇用などの地域経済や自治体財政に与える影響を考えた上で、原発のあり方を復興計画にどう記載するか検討していた。 (共同通信)

原発の存続、推進を経産相に要請 県原発所在市町協議会
 4市町でつくる福井県原子力発電所所在市町協議会は29日、枝野幸男経済産業相に安全確保を前提に原発の存続、推進を求める要請書を提出した。計画的な新増設や高経年炉の廃炉と新設を同時に行うリプレース(置き換え)も求めた。 会長の山口治太郎美浜町長をはじめ野瀬豊高浜町長、河瀬一治敦賀市長、時岡忍おおい町長と各市町会議長が参加。年内にも国のエネルギー政策に関する各種の中間報告をまとめるのを前に要望した。

 山口町長は「大前提の安全を確保し、持続的発展のために電源のベストミックスが求められる中、原発の必要性が示され、活用されていくことを望んでいる」と要望。原子力政策の早期明確化や計画的な新増設など9項目を要請した。「脱原発に対するリスク」は何も示されていないとも指摘した。
 枝野経産相は「早くしっかり議論した上で国の方針を固めていきたい」と述べるにとどまった。ただ「国の(原子力)政策の転換があった場合でも(立地自治体に)約束したことへの責任はしっかり果たしていく」と応え、地元の意向に配慮する考えを示した。
 奥村展三文部科学副大臣にも同様の要請をした。要請後、河瀬市長は記者団に「もんじゅを含め要請した内容は理解してもらえたと思う」と話した。 30日は細野豪志原発事故担当相、古川元久国家戦略担当相に要請する。(福井新聞)

・・
<福島第1原発>1号機燃料85%超落下 東電など解析
 東京電力福島第1原発1号機で、炉心溶融(メルトダウン)によって原子炉圧力容器が破損し、85%以上の核燃料が格納容器に落下したとの解析を、経済産業省所管のエネルギー総合工学研究所が30日発表した。東電の解析でも相当量の核燃料が格納容器に落ちてコンクリートを最大65センチ侵食したと推計した。核燃料は格納容器の外に漏れていないが、事故の深刻さを改めて示す結果で、政府や東電は廃炉作業などに活用する。
 同研究所は、詳細に原子炉内の状況を追跡できる方法を使用し、核燃料の損傷状態を試算した。その結果、1号機では地震による原子炉の緊急停止から5時間31分後に核燃料の被覆管が壊れ、7時間25分後に圧力容器の底が破損。核燃料の85~90%が格納容器に落下したと算出された。2、3号機でも約7割の核燃料が溶けて格納容器に落下した可能性があると推定した。

 また、東電は別の方法で解析。1号機では、溶け落ちた核燃料の量は不明だが、「相当な量」とした。2、3号機も一部の核燃料が落下したと推定。いずれも落下した溶融燃料が格納容器の床のコンクリートを溶かす「コア・コンクリート反応」が起き、1号機では最大65センチ侵食した。燃料から格納容器の鋼板までは最悪の場合、37センチしかなかったことになる。ただし、格納容器の下には厚さ7.6メートルのコンクリートがあり、地盤に達していないとしている。汚染水が大量発生している原因は、配管の隙間(すきま)などから格納容器の外に漏れているためと考えられる。

 一方、2号機での侵食は最大12センチ、3号機で同20センチと推計した。
 今回の解析が冷温停止状態の判断に与える影響について、経産省原子力安全・保安院は「原子炉の温度などの実測値を基にしているので関係ない」と説明。岡本孝司・東京大教授(原子力工学)は「燃料が格納容器の底に落ちていても、水につかって冷やされており原子炉は安定している。さらに情報を集めて解析精度を上げ今後の作業に役立てる必要がある」と提言する。【毎日、河内敏康、西川拓】

電力業界 政界に多額の献金
・全国の電力会社からは、役員らの個人献金や労働組合などの献金の形で、去年までの3年間に少なくとも4億8000万円が政界に。
・「昭和50年代から沖縄電力を除く全国の9つの電力会社では、役員らが、自民党の政治資金団体の「国民政治協会」に毎年、献金」。
・「去年までの3年間に、各電力会社の役員や管理職など少なくともおよそ700人が、合わせて1億1700万円を寄付」。
・「東京電力では、例えば社長が30万円、常務が10万円程度などと相場が決まっていて、執行役員以上の幹部には、総務部の担当者が献金を呼びかけていた」
・「一方、電力各社の労働組合からも政治献金が行われ、民主党の複数の国会議員に、政治団体を通して去年までの3年間に合わせて少なくとも1億円が献金」

・「電力各社の子会社や関連会社では、去年までの3年間で31社が自民党の「国民政治協会」に合わせて2億5800万円を、4社が民主党の政治資金団体「国民改革協議会」に470万円を献金」。
・「こうした献金について、電力各社は「個人などがそれぞれの意思で行っているもので、関知していない」」
・「民主党は「政治献金自体非難されることではなく、党の政策が左右されるという懸念はまったく当たらない」」、「自民党は「寄付はすべて政治資金規正法に従って受けている。献金によって政策がゆがめられることはない」とコメント。(NHK)

玄葉外相、新たな原子力協定締結に前向き
 玄葉光一郎外相は30日の衆院外務委員会で、原発輸出を可能にする原子力協定について「諸外国が希望する場合、核不拡散を確保しながら原子力協力を行うことは意義がある」と述べた。インドやトルコなどを念頭に「交渉を開始、または交渉開始を決めた国についても、原子力協力を行う意義がある」と述べ、新たな協定締結に前向きな姿勢を示した。
 一方、原発輸出に反対する環境NGO「FoEジャパン」の満田夏花理事は同日、国会内で記者会見し、「福島の教訓を踏まえず、国民の多くが反対する中で、税金を投入してまで原発輸出を進めるのは理解できない」と批判した。 (朝日)

「脱原発は困る」 電力労組、民主議員に組織的な陳情
 全国の電力会社や関連企業の労働組合でつくる「電力総連」が、東京電力福島第一原発の事故後、原発存続に理解を得るための組織的な陳情活動を民主党の国会議員に展開していたことが分かった。2010年の政治資金収支報告書によると、全国の電力系労組13団体が組合員らから集めた「政治活動費」は総額約7億5千万円。この資金は、主に同党議員の支援に使われ、陳情活動も支援議員を中心に行ったという。
 同党の有力議員の秘書らは「脱原発に方向転換されては、従業員の生活が困ると陳情を受けた」「票を集めてくれる存在だから、選挙を意識して対応せざるを得ない」と証言。電力総連関係者は「総連側の立場を理解してくれた議員は約80人」と見積もる。豊富な政治資金を持つ電力総連が、民主党側に影響力を行使する実態が浮かび上がった。

 収支報告書などによると、全国の電力10社と関連3社の各労組の政治団体は10年に、組合員ら約12万7千人から会費などの形で約7億5千万円の「政治活動費」を集めた。うち計約6400万円が、電力総連の政治団体「電力総連政治活動委員会」に渡っていた。  活動委は同年、東電出身の小林正夫・民主党参院議員(比例区)の関連政治団体と選挙事務所に計2650万円、川端達夫総務相の政治団体に20万円などを献金。小林議員は同年の参院選で再選を果たした。 (朝日)

東電の元顧問2人、退任発表の翌日に嘱託採用
 東京電力が今年5月、経営合理化のために退任させると発表した顧問11人のうち、元執行役員ら2人が、退任翌日から嘱託社員として勤務し報酬を得ていたことが30日、分かった。 東電によると、顧問は5月時点で21人で、計2億1900万円の報酬を得ていたが、経費削減などのため6月28日付で11人を退任させた。同時期に、清水正孝前社長ら3人が新たに顧問に就任したが、無報酬とし、顧問全体の報酬総額は計9800万円に圧縮されたと発表していた。
 ところが、退任した11人のうち、元執行役員販売営業本部副本部長(69)と、原子力部門出身の元理事(68)の2人が、翌29日付で嘱託社員として採用されていた。東電は2人の採用をこれまで明らかにしていなかった。(読売)

2011年11月27日日曜日

自衛隊は何をしに南スーダンに行くのか?(2)

自衛隊は何をしに南スーダンに行くのか?(2)

 日本における安保をめぐる言説、その神話性は、原発をめぐるそれととてもよく似ている。
 これまで「原発は絶対安全」という神話の下で、「日本のエネルギー政策にとって原発は絶対必要」という二重の神話が作られてきた。それと同じように、安保をめぐっても「在日米軍=抑止力」という神話の下で、「日本の安全保障政策にとって日米安保体制(=米軍の無期限駐留)は絶対必要」という二重の神話が作られてきた。

 前者は「3・11」によって崩壊した。しかし後者は、いまだ日本社会において支配的だ。
 原発神話は「原子力ムラ」と主要メディアの面々がねつ造してきたわけだが、それが満天下に明らかになった今日でも私たちの多く(=「文科系」のアカデミズム主流、主要メディア等々に強い影響を受けている人々、としておこう)は、「安保ムラ」がねつ造する神話から目覚めようとしない。

 どうすれば、この状況を変えることができるのか? 気負った言い方に聞こえるかもしれないが、1960年に改定された現安保条約の歴史とともに生きてきた世代の一人として、自分が生き、死んでゆく時代に自分なりの決着をつけるためにも、おそらく私は死ぬまでこの問いと格闘し続けることになりそうである。

 先週、法政大学で行ったシンポジウムの中で、確か「都の西北」にある某大学の院生が「告発」したように、「保護する責任」批判が、国際関係論・国際政治学・国際法・平和学などの主流では聞くことができない、というのも実はこのこと、すなわち「文科系」のアカデミズム主流、主要メディア等々が、「安保ムラ」がねつ造する神話から目覚めようとせず、むしろその神話を一緒になってねつ造する役割を果たしてきた/いること、と深く関係している。

 しかし、この問題に入る前に、安保と「保護する責任」に深く関係したもう一つの問題、自衛隊の南スーダン国連PKOへの部隊派遣についてその問題点を整理しておこう。
 読者の注意を喚起しておきたいことは、南スーダンへの自衛隊派遣が、ソマリアに対する米仏による本格的な軍事介入の動きと同時一体的に行われようとしていることである。
 まずは、この間の経緯を押さえておこう。

⇒「自衛隊は何をしに南スーダンに行くのか?」(9/26)より

「批評する工房のパレット」内の関連ページ
⇒「国連PKOのハイチからの即時撤退を求める国際署名」(10/17)

・・・
南スーダンPKO、日米連携へ…治安情報を共有
 南スーダンでの国連平和維持活動(PKO)について、政府は、来年1月から派遣する陸上自衛隊施設部隊の安全を確保するため、アフリカで対テロ作戦を行っている米軍から治安情報の提供を求める方針を固め、米政府と調整に入った。 陸自が連携するのは、米軍のアフリカ軍。日本のPKO部隊が米軍と連携するのは異例だ。
 日本のこれまでのPKOは、いずれも比較的治安が安定した地域への派遣だったが、今回の南スーダンは、武力衝突などに巻き込まれる危険性がなお残るとされている。このため政府は、治安が悪化しているスーダン国境に近い北部情勢などについて、米軍との情報共有を図ることにした。
 陸自部隊の派遣規模は約300人。当初は治安が安定している南部の首都ジュバ周辺で道路補修などのインフラ整備を担う予定だ。ただ、国連は、整備が遅れている北部での活動を日本側に要望しており、既にジュバから約150キロ北のボアなどでの活動を打診している。(読売、11月27日)
 ↓
 読売新聞の記者は、「日本のPKO部隊が米軍と連携するのは異例」と言う。確かにそう言えなくはないが、より正確には「日本のPKO部隊が米軍と連携するのは必然」 と書くべきである。しかし、読売新聞を始めとした主要メディアはこのことを報じようせず、今日の国連PKOおよびそれへと自衛隊の参画の問題性を論じようとしない。なぜかと言えば、「国際関係論・国際政治学・国際法・平和学などの主流」がこのことを問題化しようとしないからだ。なぜかと言えば、冷戦崩壊以後のこの20年におよび、自民党政権時代も政権交代以降の民主党も「日本のPKO部隊が米軍と連携する」ことを国家戦略化してきたことに対し、アカデミズム「主流」が批判しない〈状況〉が作られてしまったからである。

 去年上梓した『日米同盟という欺瞞、日米安保という虚構』の「終章 日米同盟を再考し、日米安保に期限をつけるために」は、その「2 米軍協力としての「国際平和協力」を事業仕分けする」において、まさにこのことを論じている。 (小節の見出しは以下の通り。「「国際平和協力」とは何か/湾岸戦争と「国際平和協力」/掃海艇のペルシャ湾「派遣」/五五年体制崩壊の序曲/「新世界秩序」の中の自衛隊」)

 日米安保条約を無期限に「自動延長」し、在日米軍を無期限に駐留させ、米軍の戦略転換にその都度対応した「日米共同作戦態勢」を構築してきたのであるから、自衛隊の海外展開の一つとしての国連PKO派遣、とりわけブッシュ政権時の米軍のアフリカ司令部設置後のそれが、米軍のアフリカ大陸における作戦展開と「連携」し、いずれはその「後方支援」を担うことになるのは「異様」ではなく、必然である。(米軍のアフリカ司令部については「永遠の安保、永遠の米軍基地、そして永遠のテロル」(3/30,2009)を参照)

 しかし、今日の国連PKOがはらむ構造的・本質的な問題とは、以下の記事で明らかなように、紛争の解決主体としてではなく、武力紛争が継続中の国や地域に国連そのものが紛争当事主体となって軍事的に介入し、紛争長期化の原因を自ら作っているところにある。
 
南スーダンPKO、決まらぬ宿営地 陸自派遣、ずれ込む公算
 南スーダンの国連平和維持活動(PKO)への陸上自衛隊施設部隊派遣を控え、陸自の活動拠点となる宿営地がまだ確保できていないことが(11月)24日、分かった。首都ジュバでバングラデシュ軍が使用する兵舎を引き継ぐはずだったが、国連が同国軍の活動延長を求めたため、兵舎に空きがなくなった。これにより年明けに予定していた先遣隊数十人の派遣は大幅にずれ込む公算が大きい。 複数の政府高官が明らかにした。
 政府は24日、国連南スーダン派遣団(UNMISS)の司令部要員として陸自隊員2人を28日に出発させると発表したが、政府の調整能力不足は国際社会に不信感を広げている。  南スーダンは7月に分離独立し、旧スーダンでは南北内戦後の包括和平合意に基づき2005年3月から別のPKO部隊が展開している。政府と国連の調整では、バングラデシュ軍が年内で活動を終え、兵舎を陸自に明け渡す予定だった。ところが、国連は11月になって活動延長を要請。バングラデシュもこれに応じる意向を示したため、兵舎明け渡しの時期が白紙に戻ってしまったという。
 政府は、兵舎新設には時間がかかりすぎるため、次善の策として、バングラデシュ工兵部隊より先に活動を終える見通しの同軍歩兵部隊の撤収を待ち、先遣隊を送る検討に入った。だが、先遣隊派遣が遅れれば、2~3月を予定していた施設部隊本隊(200人弱)の派遣も遅れかねない。南スーダンは5月から雨期に入るため、この時期まで本隊派遣がずれ込めば活動が大きく制約される可能性がある。(産経)

南スーダンPKO、ルワンダ軍が陸自を警護
 南スーダンの国連平和維持活動(PKO)に派遣する陸上自衛隊施設部隊の警護は、ルワンダ軍が担うことになる。国連南スーダン派遣団(UNMISS)トップのヒルデ・ジョンソン事務総長特別代表が22日、自民党調査団の中谷元・政調会長代理に明らかにした。
 ジョンソン氏は、南スーダンの首都ジュバで中谷氏と会談し、自衛隊派遣を「各国が好意的に受け止めている」と歓迎した。その上で、自衛隊の警護について「国連本部とルワンダ政府で協議しており、最終段階だ」と説明し、ルワンダ軍の歩兵部隊を充てる方針を表明した。ただ、警護場所などの詳細は明らかにしなかった。
 自衛隊の活動内容は「道路や橋の建設。河川港も期待する」と言及。内戦時代に埋められた地雷の撤去については「地雷撤去は入っていない」と否定した。活動地域は「今のところジュバしか考えていない」と述べ、当面は治安のいいジュバに限定する考えを強調。宿営地はバングラデシュ軍が現在使っているジュバ市内の兵舎跡地を使う方向であることも説明した。
 ただ、自衛隊の活動期間については「(派遣の)更新は1年で、その後は派遣国の意思による」と明言を避けた。「部隊の需要は期間が終わっても続く」とも話し、長期間の派遣に期待感をにじませた。 (朝日)

・・・
・ソマリア:エチオピア軍侵攻 過激派への包囲網強化
 アフリカ東部ソマリアに隣国エチオピア軍が侵攻し、国際テロ組織アルカイダ系とされるイスラム過激派組織「アルシャバブ」への包囲網が強化されつつある。アルシャバブは、首都モガディシオでソマリア暫定政府を防衛する「アフリカ連合」(AU)の派遣部隊との戦闘も継続しており、勢力が分散化しだした可能性もある。
 ケニア軍は10月中旬、ソマリア南部へと侵攻。今月20日までにエチオピア軍がソマリア中部ベレドウェインなどに進軍した。ロイター通信によると25日、エチオピア政府は越境を認めた。

 今月半ばにはケニアとウガンダ、ソマリア暫定政府首脳がケニアの首都ナイロビで非公式会合を開き、アルシャバブ掃討に向けた軍事作戦の協力を確認した。AU部隊の主体となっているウガンダ、ブルンジなどの首脳は部隊増強に向け、緊急的援助をアフリカ各国へと呼びかけた。AU部隊との戦闘でアルシャバブが弱体化しているのを好機とみたケニア、エチオピア両軍が米国など国際社会の意向を受ける形で相次いで侵攻している可能性もある。
 ソマリアは中央政府の崩壊した91年以降、事実上の無政府状態にあり、暫定政府が首都モガディシオの一部を統治しているが中・南部はアルシャバブが実効支配してきた。しかし、ここにきて各地での戦闘でアルシャバブ勢力が分散化し、内部抗争や資金不足に直面しているとの観測も流れ始めている。
 一方、AUも資金難に直面しており、アルシャバブ掃討に向けて、AUが一枚岩となれるかは不透明なままだ。
 エチオピア軍は06年、米国の支持を受け、イスラム原理主義勢力が首都モガディシオを掌握していたソマリアに軍事介入し、エチオピア軍が支援する暫定政府が全土をほぼ制圧したが治安は悪化し、09年に撤退した経緯がある。 【毎日、ヨハネスブルク高尾具成】

・ケニア軍、ソマリア過激派のキャンプを空爆 10人殺害 
 ソマリア南部に進軍中のケニア軍報道官は24日、ソマリア南部でイスラム過激派組織アルシャバーブの三つの軍事キャンプを(11月)23~24日に空爆するなどし、アルシャバーブのメンバー10人を殺害したと発表した。
 一方、ソマリアとの国境に近いケニア北東部マンデラで24日、道路に仕掛けられた爆発物が爆発、トラックでパトロール中のケニア軍兵士1人が死亡、4人が重傷を負った。ロイター通信によると、東部ガリッサでは同日、レストランなどで手りゅう弾によるとみられる爆発が起き、2人が死亡、15人が負傷した。
 ケニア軍は10月中旬、同国東部で9月以降相次いだ外国人誘拐にアルシャバーブが関与したとしてソマリア南部に進軍。その後、ケニア国内では爆発物を使った事件が続発している。(共同)

仏海軍がソマリア爆撃か ケニア軍報道官
 AP通信によると、ソマリア南部に進軍中のケニア軍の報道官は24日までに、フランス海軍がソマリア南部キスマユ近郊を(10月)22日夜に爆撃したと述べた。ケニア軍の作戦には欧米諸国の協力があると指摘されていたが、ケニア当局者が初めて認めた形。ただフランスは爆撃への関与を否定している。
 ケニア東部では9月以降、闘病中のフランス人女性を含む外国人がソマリアに誘拐される事件が続発し、ケニア軍はイスラム過激派組織アルシャバーブが関与したとみて進軍した。フランス海軍はこのフランス人女性の捜索に参加していたが、同国外務省は今月19日、女性の死亡を発表した。
 キスマユはアルシャバーブの拠点の一つで、飛来する米国の無人機が住民に何度も目撃されており、9月には無人機が墜落したと伝えられた。(共同)

・・・
クラスター爆弾:オスロ条約に支持加速も 「骨抜き」廃案
 クラスター爆弾の全面禁止条約(オスロ条約)に規制の緩い条約を対抗させ、骨抜きにしようとした米露中などによる外交工作は失敗に終わった。大半の国が禁止条約に加盟することで大量保有国による兵器の使用を事実上やめさせる、というオスロ条約派の方法論への支持がさらに強化されそうだ。
 「骨抜き条約」は、「特定通常兵器使用禁止制限条約(CCW)締約国会議」で提起されたが25日、全会一致の支持が得られず廃案となった。提案理由について米政府高官は、オスロ条約加盟国が「(軍事大国の周囲に)長い壁を作り、爆弾を使うことをためらわせようとしている」と語り、包囲網が米国を外交工作へと突き動かしたことを認めた。

 オスロ条約はクラスター爆弾の8~9割を持つ米露中が加盟せず野放しになっているため、「実効性がない」と批判されてきた。米国はその弱点を突いて規制の緩い条約案をぶつけてきたが、オスロ条約の中核国の結束は固く、廃案まで持ち込んだ。
 しかし、米国などは今回、市民の被害を考えて条約を作ろうとした「実績」を作ったことで、「何もしていない」とのオスロ条約側に反論できる。さらに「オスロ条約加盟国が交渉を妨害した」との論理で、今後の使用が正当化される可能性もある。
 一方、独仏イタリアなど一部の加盟国が骨抜き条約をまとめようと動き、足並みが乱れたのはオスロ条約側には痛手だった。ドイツ外交筋は「大量保有国にも規制をかけ世界全体を安全にするのが長期目標。オスロ条約を阻害する意図はない」と釈明する。  日本は、最後まで骨抜き条約に反対を表明せず、オスロ条約に賛同するまで後手後手に回ったかつての失態をまた繰り返した。【毎日、ジュネーブ斎藤義彦】

・NATO部隊ヘリが越境攻撃、パキスタン兵24人死亡
 パキスタン北西部の部族地域で(11月)26日未明、隣国アフガニスタンに展開する北大西洋条約機構(NATO)主体の国際治安支援部隊(ISAF)のヘリコプターが越境し、パキスタン治安部隊の検問所を攻撃した。軍によると、兵士24人が死亡、13人が負傷した。
 ISAFは攻撃があった地域のアフガン側で最近掃討作戦を始めており、今回は誤って越境したとみられる。だが、パキスタン側では「国家主権に対する攻撃だ」(地元州知事)などと反発が強まっており、同国外務省は実質的にISAFを率いる米国のマンター大使を呼び、抗議した。
 また、パキスタンはISAFの重要補給路だが、政府は国境を封鎖し、補給物資の輸送車の動きを止めた。ISAFは26日午後、アレン司令官が遺族らに哀悼の意を表し、徹底した事実調査を行うと述べたとする声明を出したが、さらなる関係悪化は必至だ。 (朝日)

New Drone Sensor Could Instantly Spot Any Shooter (Nov.23, 2011, WIRED)

「自主」避難者に、正当で幅広い「損害賠償」を!

「自主」避難者に、正当で幅広い「損害賠償」を!
・避難費用実費を賠償すべき
・一律の、雀の涙の「見舞金」など許されない!!
http://hinan-kenri.cocolog-nifty.com/blog/2011/11/post-cdf5.html
第一次締め切り 12月2日(金)、第二次締め切り 12月9日(金)
◆署名フォーム1(PC対応): http://goo.gl/2HQzW
◆署名フォーム2(PC、携帯対応):
https://pro.form-mailer.jp/fms/795bfc1624252

 11月25日に開催された原子力損害賠償紛争審査会では、自主避難者・残留者を問わず、すべて一律同額の賠償とする方向で議論が進められました。このままでは、避難に伴う生活費の増加や何度も往復する交通費、子どもや妊婦の付き添いで必要な家族の避難にかかわる費用など、避難に関わる実費を算入することができなくなります。結果的に、一律の見舞金的なものとして、実際に避難にかかった費用に比べて大幅な減額となる可能性が出てきます。

 審査会での「一律同額」の根拠は、行政手続きが煩雑になるということでしたが、これは理由になっていません。中間指針に示されている避難区域内の避難者への賠償と同様、被害者からの実費の請求で済む話です。区域内からであろうと、区域外からであろうと、賠償は同様であるべきです。
 また、賠償が支払われる期間があまりに短すぎます。審査会では、草間委員から、「緊急時避難準備区域が解除された9月まで」という驚愕の発言がとびだし、結果的には12月という方向が示されていますが、除染に2年かかる、すなわちそれまでには線量が十分さがらないということを考えれば、賠償を認める期間は最低でも2年とし、それ以降も検討できるようにすべきです。

 さらに「第二期」(事故後一定期間が経過したのちの期間)は子ども・妊婦本人しか賠償の対象にしないなど、賠償の範囲があまりに限定的です。子ども・妊婦への配慮は、基本的な賠償の範囲を決めて、さらに追加的に賠償範囲を広げる議論の中でなされるべきものであり、賠償範囲を限定するために持ち出されるべきではありません。私たちは、これらの問題を指摘するとともに、原子力損害賠償紛争審査会に、とりわけ以下を要請します。
●一律一括の金額ではなく、避難費用の実費がカバーできる賠償とすること
賠償期間は、少なくとも2年間とすること、また、
●東京電力に対しては審査会の議論がどうあれ、自主避難にかかった実費を完全に補償することを求めます。

(呼びかけ)
国際環境NGO FoE Japan(エフ・オー・イー・ジャパン)
福島老朽原発を考える会(フクロウの会)
問い合わせ先:
国際環境NGO FoE Japan 満田/090-6142-1807
福島老朽原発を考える会 阪上/090-8116-7155

・・・
⇒「県内全域で賠償を 原発自主避難精神的損害」(12/9,福島民友)
⇒「クローズアップ2011:避難区域外の原賠審指針 避難の実費、認めず」(12/7,毎日)
⇒「「自主避難」と「風評被害」」(3/26)より
・・

 国や自治体は、私たちが何もしないで放っておいたら、私たちの「生命と財産」を守らない。これが「ボトムライン」だ。

 私たちは、福島第一原発から漏出し、放出される放射能に汚染されずに生きる「権利」がある。しかし、その「権利」は憲法にも法律にも明文化されていない。つまり、国や自治体にはその「権利」を保障する憲法/法律上の「義務」はない。
 私たちは、憲法やいろんな法律の関連条文・条項を引っ張り出し、国・東電・自治体に対して、私たちが放射能に汚染されずに生存する「権利」を保障させるよう、仕向けるしかない。そして国・東電・自治体が果たすべき行政・企業責任を明確にし、被害を受けた場合には、その補償をきちんとさせる。あたりまえの事だ。そのために私たちは政府・自治体に税金を払い、東電に電気代を払い、彼/彼女らすべての、特権的でぜいたくな生活を保証している/かれらが真っ先に、勝手に自分たちに保証することを許しているのだから。

 法律的に言えば、現在私たちは「原子力災害対策特別措置法」が定める「原子力緊急事態宣言」発令後、「原子力緊急事態解除宣言」が発令されるまでの中間期間に生きている。政府がいまやっているのは、「原子力災害(原子力災害が生ずる蓋然性を含む)の拡大の防止を図るため実施すべき応急の対策」ということになる。
 いま政府は、「緊急事態応急対策及びその実施責任」を負っている。逆に言えば、私たちは政府にその「責任」を果たさせなければならない

 政府が果たすべき/政府に果たさせるべき「責任」の内容は、「措置法」第二十六条が規定している。 具体的には、
 一  原子力緊急事態宣言その他原子力災害に関する情報の伝達及び避難の勧告又は指示
 二  放射線量の測定その他原子力災害に関する情報の収集、
 三  被災者の救難、救助その他保護
 四  施設及び設備の整備及び点検並びに応急の復旧、
 五  犯罪の予防、交通の規制その他当該原子力災害を受けた地域における社会秩序の維持
 六  緊急輸送の確保、
 七  食糧、医薬品その他の物資の確保、居住者等の被ばく放射線量の測定、放射性物質による汚染の除去その他の応急措置の実施、
 八  前各号に掲げるもののほか、原子力災害(原子力災害が生ずる蓋然性を含む)の拡大の防止を図るための措置

 昨日の報道の問題は、「避難の勧告」地域の拡大が、「異常な水準の放射線量」の「検出」が「前提」でなければならないかのように、政府が主張したことに対し、その批判的論評がなかったことだ。(⇒ここで言う「放射線量」とは、第十五条一項が定める「主務大臣が受けた通報に係る検出された放射線量又は政令で定める放射線測定設備及び測定方法により検出された放射線量」のことをさす)
 毎日新聞の記事は、次のように書いている。
・・・・・・・・
1, 20~30キロ圏内に対する自主避難要請は24日夜、首相官邸の主導で対象の9市町村に伝えられたうえで、枝野幸男官房長官が25日の記者会見で発表。
2, 原子力災害対策特別措置法(原災法)に基づく避難指示を出せば、放射性物質による汚染拡大を政府が正式に認定することになり、周辺住民の不安に拍車をかけかねない(⇒完全なる詭弁、欺瞞)。一方、屋内退避の長期化で不自由な生活への不満が住民側に強まっていたため、超法規的な「要請」によって政府批判の緩和を狙った・・・。
3, 原発事故の対応を超えた政治判断は保安院にはできないため、25日に原子力安全委員会の臨時会を開き、放射線のモニタリング結果などを理由に、自主避難が「望ましい」と助言する形をとった・・・。
4, 原災法に基づく避難指示は「異常な水準の放射線量」の検出が前提。自主避難を自治体に要請する根拠法はなく、実際に住民を避難させるかどうかの判断は各市町村に委ねられた。避難先の確保や移動手段なども市町村が考えなければならず、野党からは「中途半端」などの批判がかえって強まっている・・・。
5, 菅直人首相は25日夜、避難指示に切り替えなかったことについて「原子力安全委員会の専門家の判断を尊重した対応」と強調、しかし保安院関係者は「先に判断したのは官邸。避難指示は放射線量が高いまま下がらない場合などに検討する」と語り、官邸指示に従った苦肉の策だと認めた・・・。
・・・・・・・・
 私は、上の1~5、すべてが無茶苦茶だと思う。
 おそらくこの問題、原発事故をめぐる「被害」と「避難」の問題は、「原爆訴訟」や「水俣訴訟」と同様に、今後半世紀以上をかけた対東電、国賠訴訟へと発展してゆくだろう。


 毎日新聞は今日(3/26)の社説で、こう書いている。
 「原発から20~30キロ圏の人々は長期にわたる屋内退避を指示されたまま、日常生活が困窮している。被ばくを恐れ、外部からの物資も届かない。こうした状況は、かねて指摘してきたように、一刻も早く解消すべきだった。
 政府は25日になって、この地域に「積極的な、自主的避難」を呼び掛けた。なんともあいまいな表現だが、政府や自治体は住民がスムーズに避難できるよう、手立てを尽くしてほしい。事情があって後に残る人々への手当てにも、責任を持ってもらいたい。(⇒政府が「責任」をとろうとしないから「あいまいな表現」にしようとするのである)。
 放射性物質の拡散の仕方をみると、同心円状の避難対策では対応しきれない(?)こともわかってきた。原発の北西約35キロでも一日中外にいると一般人に定められた1年間の線量限度を超える地点が出てきている。 政府は、まず、各地域の放射線量の積算値や増減傾向を地図上で示してほしい。さらに、今後の「注意予測」を、地域ごとに示してほしい。そうした情報があってこそ、自治体も住民も行動計画が立てられる」。

 「こうした状況は、かねて指摘してきたように」と書いているが、私は毎日新聞が「自主避難」地域の撤廃→避難地域の拡大を社説で「指摘」した事実を知らない。もちろん、私が見落としているだけかもしれないが、事故発生後、朝日、読売、産経の社説でそのような主張をしたものは一つもない。日経や東京新聞の社説に関する記憶もない。
 おそらくこれが、大地震による災害報道と原発による災害報道の決定的違いだろう。メディアの「眼」が、放射能汚染の拡大に焦点があてられ(首都圏への「影響拡大」など)、現場周辺地域で汚染や被曝の被害を受ける人々の存在に向わないのだ。原発事故被災者の「見捨て/見殺し」の構図である。

 「放射性物質の拡散の仕方をみると、同心円状の避難対策では対応しきれない」というのも、私には意味がわからない。これは放射性物質が第一原発から同心円状=均一的に拡散しないという、当たり前の事後的調査の結果をもってそう言っているだけのことであって、避難地域を拡大しないことの正当化にはなりえない。どこにどれだけ放射能被害が現れるかを事前に予想することはできないからだ。つまり、避難区域は同心円的に拡大する以外に方法はない。それをした上で、被害が集中している地域をモニタリングによって特定し、その地域に対する重点的救援・支援を実施する責任が国にはあるのである。
 

 「原子力災害対策特別措置法」は国、原子力安全委員会、原発電力会社に都合のよい法であり、今回の事故により明らかになったことを教訓化し、より被災者と潜在的被災者(=私たち)の視点に立ち、全面的に改正される必要がある。
・・
・・・
福島第1原発:08年に津波可能性 本店は対策指示せず
 2008年に東京電力社内で、福島第1原発に想定を大きく超える津波が来る可能性を示す評価結果が得られた際、原発設備を統括する本店の原子力設備管理部が、現実には「あり得ない」と判断して動かず、建屋や重要機器への浸水を防ぐ対策が講じられなかったことが27日、分かった。東電関係者が明らかにした。
 12月に中間報告を出す政府の事故調査・検証委員会も経緯を調べており、研究の進展で得た津波リスク評価の扱いや対応が適切だったかが焦点となる。

 東電関係者によると、社内研究の成果である新たな津波評価を受け、原子力・立地本部の幹部らが対応策を検討した。その際、設備を主管する原子力設備管理部は「そのような津波が来るはずはない」と主張。評価結果は学術的な性格が強く、深刻に受け取る必要はないとの判断だったという。同本部の上層部もこれを了承した。  原子力設備管理部は、06年に発覚したデータ改ざんの再発防止のため実施した07年4月の機構改革で「設備の中長期的な課題への計画的な対応や設備管理の統括をする」として新設された。部長は発足時から昨年6月まで吉田昌郎現福島第1原発所長が務めた
 東電は08年春、明治三陸地震が福島沖で起きたと仮定、想定水位5.7メートルを大幅に超え、最大で水位10.2メートル、浸水高15.7メートルの津波の可能性があるとの結果を得た。東電関係者は「評価結果をきちんと受け止めていれば、建屋や重要機器の水密性強化、津波に対応できる手順書作りや訓練もできたはずだ」と指摘している。

 東電広報部は「自主的に試算した内容については、土木学会に審議してもらい、設備に反映させていくつもりだった。学会に審議を要請したのは08年10月で、軽視や放置をしていたわけではない」としている。(毎日)

2011年11月22日火曜日

11/20シンポジウム「日本の「国際協力」と人道的介入」報告

 1
 11月20日、法政大学(市ヶ谷キャンパス)で、シンポジウム「日本の「国際協力」と人道的介入」を開催した。
 主催者としては、休日の大学での企画、またこのような非常に「マイナー」なテーマにもかかわらず計40人ほどの参加を得て、成功裏に終了することができたと考えている。休日の午後の貴重な時間を割き参加していただいた方々に、改めて感謝の言葉を贈りたい。
 
 成功裏に終えることができたと考えるのは、人数だけではない。理由の一つは、写真をみても理解していただけるように、法政大学だけでなく、他大学の学部・院生から年配の人々まで、またNGOのスタッフから大学研究者まで、多様な世代と立場の人々の参加を得たことである。
 もう一つは、一部と二部のそれぞれの終わりに設けた質疑応答の時間に出た参加者からの質問・意見とパネリストそれぞれのそれらへの応答を通じて、シンポジウム全体の内容を深めることができたことである。パネリストの一人としては、非常に濃密な時間が持てたのではないかと思っている。

 シンポジウムの雰囲気を伝えるために、参加者の皆さんにお願いしたアンケート(19人回答)結果と、感想の一部を紹介しておこう。
 全体的評価としては、「とてもよかった」が13人、「よかった」が5人、「どちらともいえない」が1人と、おおむね好評だった。感想の中には、こんなものがあった。

・「重要なテーマについての問題提起ありがとうございました。NGOスタッフとしてしっかり受け止めることができました。私も含めて国際協力NGOのスタッフの中で、R2Pを知っている人がどれだけいるか、それ以前に国際政治、国際法の動きにどれだけ知識・関心を持って活動しているか、反省が必要だと思いました。
 この状態をどう変えるか、急いで考えます」
・「研究者、NGOという包括的な視点で考えることができました。また、保護する責任(人道的介入)に対する批判は主流(国際関係)では聞くことができず、今回聞けてとてもよかったです」
・「言葉と実態の違いへのいら立ちと不快感を感じ続けていたので、今回のシンポジウムでずいぶんスッキリしました」
・「それぞれの話をしっかり結びつけていて、コーディネーターやパネリストの質の良さが目立った。
 たくさんの事を学ばせてもらって助かりました」
・「この会に出席してよかったと思う。大分啓蒙していただいた」

 私が行った発題、「「保護する責任」にNO!と言う責任」に引きつけ、上にある「保護する責任(人道的介入)に対する批判は主流(国際関係)では聞くことができず」という、ある意味では現役学生の「告発」とも解釈しうる感想について少し考えてみたい。「国際関係」のみでなく、たとえば「国際法」や「国際政治学」、あるいは「平和学」等々の分野においても、「主流」では「保護する責任(人道的介入)に対する批判は聞くことができず」、だからこそ「言葉と実態の違いへのいら立ちと不快感を感じ続け」なければならない学生や国際NGOのスタッフが増えている、と思うからである。

⇒「自衛隊は何をしに南スーダンに行くのか?(2)」と、
〈リビア以後〉における「保護する責任」に関する発展的議論のために~「北朝鮮における『人道に対する罪』を止める国際NGO連合」をめぐって」につづく。

2011年11月21日月曜日

徹底討論!「原発輸出」――政府がメディア取材を理由に交渉拒否

みなさま
 FoE Japanの満田です。
 11月21日に開催を予定している「緊急討論!:原発輸出」ですが、政府側 (外務省・経産省・財務省)が「ネット中継+メディアへのオープンするならば政府交渉への出席をしない」と言ってきました。曰く、「メディアがいる場では、腹をわって話せない」と。
 当方は、「多くの国民が関心をもっている。政府は原発輸出に関して説明責任を果たすべき」と交渉しましたが、とくに外務省が難色をしめし、経産省、財務省がそれに便乗する形で、応じませんでした。
 質問状への政府の回答をききたいところではありますが、政府に妥協してメディアをシャットアウトすれば、悪しき前例をつくることとなりますし、密室の場でのやりとりは政府側に責任をもった回答を求めることは無理だと判断し、今回は政府交渉をとりやめることといたしました。結果的に、事実上の政府の交渉拒否となりました。

 よって21日は公開セミナーに政府を招聘し、コメントを求めることとしました(交渉中)。
 公開セミナーでは、ベトナムの原発建設予定地の現地調査報告、タイなどの周辺国の状況、ヨルダンの情勢および原子力協定、公的融資などに関する最新の情報をもとに、議論を進めたいと考えています。一方で、説明責任を堂々と果たそうとしない政府の立場を問うていくとともに、今回提出した公開質問への回答を改めて求めていきます。
※政府宛の公開質問状はこちら
http://dl.dropbox.com/u/23151586/111114_export_nuc.pdf
改めて、公開セミナーの修正版をご案内します。ぜひ、ご参加いただければ幸いです。
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【緊急院内セミナー】徹底討論:「原発輸出」
11月21日(月)14:00~17:00 @衆議院第二議員会館第一会議室
http://hinan-kenri.cocolog-nifty.com/blog/2011/11/post-5ae9.html
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◆日時:2011年11月21日(月) 14:00~17:00
○公開セミナー(予定) 14:00~16:00
「原発輸出すべきでない、これだけの理由」
-ベトナムの事例(現地調査報告)
-周辺国の状況~タイ・ラオスの現状から
-ヨルダンの事例と原子力協定
-公的資金と原発輸出
-政府側コメント(交渉中)
-質疑 +議論

○今後に向けて:論点整理+参加者による戦略会合 16:00~17:00
◆場所:衆議院第二議員会館第一会議室(定員120名)
(東京都千代田区永田町1-7-1)
最寄駅:東京メトロ・国会議事堂前、永田町駅 徒歩5分
http://www.shugiin.go.jp/index.nsf/html/index_kokkaimap.htm
◆主催:国際環境NGO FoE Japan(エフ・オー・イー・ジャパン)
「環境・持続社会」研究センター(JACSES)
メコン・ウォッチ
◆要申込:下記よりお申込みください。
https://pro.form-mailer.jp/fms/7f19434f23905
◆資料代:500円(主催団体会員は無料)
◆連絡先:国際環境NGO FoE Japan(エフ・オー・イー・ジャパン)
TEL:03-6907-7217
E-mail:finance@foejapan.org

・・・
3.11後の暮らしと子どもたちの未来を考えるフォーラム-- みんなでつくろう!緑の党
(2011.11.20 13:00~16:30 東京YMCAアジア青少年センター)
http://www.ustream.tv/recorded/18633150
●開会あいさつ/共同代表:松本なみほ
●応援あいさつ/ドイツ緑の党ジルビア・コッティング=ウール連邦議会議員
●基調提言「2013年緑の党が政治を変える」/共同代表:すぐろ奈緒
資料: http://greens.gr.jp/pdf/20111120kityou.pdf
●パネルディスカッション①「経済成長神話にサヨナラ~脱成長こそ環境と雇用・生活を守る
論点提起・コーディネ―ト/共同代表:中山均
資料: http://greens.gr.jp/pdf/20111120datuseityou.pdf
パネラー/飯田哲也、満田夏花、松本哉、星野泉
http://www.ustream.tv/recorded/18634966
●パネルディスカッション②「サヨナラおまかせ民主主義~大事なことはみんなで決めよう
論点提起・コーディネート/運営委員:渡辺さとこ
資料: http://greens.gr.jp/pdf/20111120minnsyusyugi.pdf
パネラー/平田仁子、白井和宏、畑山敏夫
●脱原発アピール
①へびいし郁子・郡山市議/滝田はるな・郡山市議
②みどりの未来脱原発担当:杉原浩司
http://www.ustream.tv/recorded/18635992
http://www.ustream.tv/recorded/18636031
http://www.ustream.tv/recorded/18636031
●ゲストスピーチ/ジルビア・コッティング=ウール連邦議会議員
●ユースチームからのアピール
●賛同者・メッセージの紹介(いしだ壱成、鎌仲ひとみ、星川淳、他)
●閉会あいさつ/共同代表:八木さとし
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2011年11月18日金曜日

政府・東電は「冷温停止」前倒し宣言を撤回し、謝罪すべきである(2)

11/20
福島第1原発:3号機で毎時1600ミリシーベルトを計測
 東京電力は20日、福島第1原発3号機の原子炉建屋1階で毎時約1600ミリシーベルトの放射線量を計測したと発表した。3号機では最も高い。14日にも付近で毎時1300ミリシーベルトが検出されていた。原子炉格納容器内から漏れたとみられる少量の水のふき取り作業とともに再計測した。ロボットによるふき取り作業は難航しているという。【毎日・奥山智己】

福島原発2号機は揺れで損傷か 専門家が解析
 東京電力福島第1原発2号機で、原子炉格納容器下部の圧力抑制プールが地震の揺れで早期に損傷したか、劣化した可能性が高いとする解析結果を19日までに、原子力安全の専門家がまとめた。
 東電は、地震による原子炉の明らかな損傷はなく、津波による電源喪失が事故原因との立場。揺れで損傷していれば、福島第1と同様に従来の耐震基準が適用されている他の原発への影響も必至だ。東電や政府の事故調査・検証委員会の調査結果が注目される。
 解析したのは日本原子力研究開発機構の元研究者で、社会技術システム安全研究所(茨城県ひたちなか市)の田辺文也所長。(共同)
・・

 「年内達成ありきで冷温停止判断がなされてはならない」・・・。
 その通りだと私は思うし、読者も異論はないだろう。
 しかし、細野原発担当相(つまり、野田政権)はそう語りながら、「冷温停止」前倒し宣言がすでに破たんしていることを認めようとしない。 そればかりか、いまだに「冷温停止」→「ステップ2の年内達成」が「可能と考えている」と述べているらしい。

 一方、東電の相沢善吾副社長は、昨日の記者会見で「謝罪」したという。

 が、相澤副社長(=東電)は、いったい何を謝罪したのか?
 昨夜遅く帰国し、時差ぼけ頭に悩まされている人間には、まったくわからない。
 相沢副社長と言えば、本ブログの読者には、原子力委員会の「新大綱策定会議」(第6回)での「福島第一原発は止まった」発言でおなじみの人であるが、何がどうなっているのか。
 まずは、「政府・東電は「冷温停止」前倒し宣言を撤回し、謝罪すべきである」(11/6)以降の状況をじっくり把握することから始めよう。


・・
年内の冷温停止に自信 細野担当相が福島第1原発の工程表改定で
 福島第1原発事故で、政府と東京電力の統合対策室は17日、事故収束に向けた工程表の改定版を公表した。放射性物質の放出が管理され、放射線量が大幅に抑えられているとの見方を示した。
 1-3号機の原子炉圧力容器底部の温度は全て70度を下回って安定しているが、会見した細野豪志原発事故担当相は、原子炉の「冷温停止」を最大目標とする工程表「ステップ2」の達成宣言には踏み込まず、「ステップ2の年内達成は可能と考えている」(???)と述べるにとどめた。

 改訂版では、格納容器から新たに放出されている放射性物質の量は毎時0・6億ベクレルと、先月の同約1億ベクレルからさらに減少していると報告。これによる敷地境界での年間被ばく量は約0・1ミリシーベルトと、目標値(1ミリシーベルト)を大幅に下回っているとした。  また、圧力容器底部の温度は、1号機37度、2号機69度、3号機59度と100度以下で安定、損傷した核燃料が容器内に漏れだしていたとしても、十分に冷却されて蒸気発生が抑えられ、格納容器からの放射性物質の放出の危険も無いとの認識を示した。
 ただ、細野担当相は「年内達成ありきで冷温停止判断がなされてはならない」と慎重姿勢を強調。循環注水冷却システムの安定運転が確保されていることなどを評価したうえで「冷温停止宣言」をし、年内の「ステップ2」完了につなげる考えを示した。(産経)

「冷温停止」先送り 「避難域解除方針出ず、宣言できないのが実情」か
 17日に改訂された福島第1原発の事故収束に向けた工程表で、年内の最大目標である「冷温停止状態」の宣言は見送られた。冷温停止は避難区域の解除の前提でもあり、宣言を待ち望む人は多い。すでに1~3号機とも、9月末には冷温停止状態の条件を達成した(?)が、なぜ宣言が行われないのか。
 矛盾する説明に、民主党政権が重視する「政治主導」が垣間見える。(原子力取材班)
■あとは何が必要?
 「故障や地震などが発生しても現状を維持できるか慎重に評価している(?)ところだ」。細野豪志原発事故担当相は記者会見でそう述べ、冷温停止状態の宣言はしなかった。
 しかし、冷却装置などのバックアップ体制は強化されている。東京電力が示した工程表ステップ2以降の「施設運営計画」についても、原子力安全・保安院は「妥当」と評価する。政府や東電の従前の説明に照らすと、今回宣言を見送った理由は見当たらない。
■矛盾する説明
 政府・東電の説明には矛盾もある。2号機では11月2日、原子炉から放射性キセノンが検出され、核分裂が連鎖する臨界の可能性が浮上した。結果的に否定されたが、原子炉の状況が、今も把握できていないことが浮き彫りとなった。
 2号機に設置された「ガス管理システム」により判明した事実だが、1、3号機にはまだ設置されていない。東電は設置を急いでいるものの「冷温停止の判断には関連しない」(東電)(???)としている。臨界の有無など原子炉の状況把握につながる装置の完成を待たずに冷温停止宣言に持ち込む構えは、「慎重判断」の姿勢とは対照的だ。
■パフォーマンス
 こうした対応について、政府・東電統合対策室のある幹部は「冷温停止宣言はいつでも出せるが、それとセットの避難区域解除の方針がまだ決まっておらず、宣言したくてもできないのが実情」と明かす。
 だが、冷温停止の「年内達成」は是が非でも実現させたいのが政府の本音。年内の設置が間に合いそうにないガス管理システムを、冷温停止の条件に加えないのもそのためとも取れる。
 エネルギー総合工学研究所・原子力工学センターの内藤正則部長は「冷温停止の判断は周辺住民の安心・安全にも関わり、技術的に判断すべきこと。政治パフォーマンスで決められたら、たまったものではない」と話している。(産経)

福島第1原発:3号機北東側で1300ミリシーベルト
 東京電力は(11月)16日、福島第1原発3号機の原子炉建屋1階の北東側で、毎時約1300ミリシーベルトの放射線量を計測したと発表した。3号機の原子炉建屋内で計測された中で最も高い
 14日、格納容器入り口にあるコンクリート製扉を動かすレールにたまった水をロボットがふきとった際、床面から高さ10~20センチで検出された。ロボットは、格納容器内の気体を浄化して外部に放出する「ガス管理システム」の取り付け作業の準備で投入した。松本純一原子力・立地本部長代理は「事故で格納容器内の圧力が高くなって、放射性物質が漏えいした可能性がある」と語った。
 1号機の原子炉建屋では8月に毎時5000ミリシーベルト超が計測されている。【毎日・久野華代】

福島2、3号機の手順書公開 長時間無電源に対応不能
 経済産業省原子力安全・保安院は16日、東京電力福島第1原発2号機と3号機の事故時運転操作手順書を公開した。10月の1号機に続き、個人名を除いて黒塗りの部分はほとんどなかった。
 公開したのは、原子炉停止や全電源喪失時の対応など今回の事故に直接関係する部分で、全体の約1割。手順書と実際の対応を比較した東電の資料も公開した。
 1号機と同様に、長期間の電源喪失を想定せず、今回のような事故には対応できない内容。保安院は「今後の事故調査の中で、専門家の意見も聞きながら分析する」としている。【共同通信】

・・・
大飯4号機の安全評価提出 関西電力、全国3例目
 関西電力は17日、定期検査で停止中の大飯原発4号機(福井県おおい町)について、再稼働の前提となる「安全評価」の1次評価結果を、経済産業省原子力安全・保安院に提出した。関電の大飯3号機、四国電力伊方3号機に次ぎ、全国で3例目。
 関電は10月、大飯3号機について、想定する揺れの強さ(700ガル)の1・8倍、津波は想定の4倍の11・4メートルまでは核燃料が損傷せずに耐えられる(?)との1次評価結果を提出。構造がほぼ同じ4号機についても、評価を進めていた。 【共同通信】

福島第一、タンクの森 増える汚染水を保管
 東京電力福島第一原発の敷地内で、森林を伐採して放射能汚染水をためるタンクの設置が進められている。17日現在で容量は11万トンを超えた。上空から見ると、青色や灰色のタンクがずらりと並ぶ。汚染水は増える一方で、東電はタンクの増設に追われている。
 原子炉を冷やした水や地下水が建屋地下に流れ込み汚染水としてたまり続けている。東電は汚染水を浄化処理などしてタンクにためている。タンク置き場は、かつては「野鳥の森」と呼ばれた敷地内の森林。東京ドームの8倍もの広さに相当する37万平方メートルを切り開いてつくった。
 タンクの容量の8割にあたる約9万トンにすでに汚染水が入れられた。現時点で1~4号機の建屋地下に約8万トン残っている。東電はたまった汚染水を浄化処理して減らし、年内にゼロにする計画だった。しかし、地下水などの流入が予想外に多く、実現のめどは立っていない。

環境省:送られた汚染土壌、職員が空き地に投棄…自宅近く
 細野豪志環境相は17日会見し、福島市内で採取されたとみられる放射性物質を含む土壌が今月、環境省に2度送りつけられ、そのうち1回分の土壌を同省職員が埼玉県内の空き地に投棄していたことを明らかにした。細野氏は「除染の役割を担っている環境省として決してあってはならないこと。国民に深くおわび申し上げる」と謝罪した。
 同省によると8日午前9時ごろ、A4コピー用紙入りの箱よりも一回り小さい段ボール箱が送られてきた。中にはビニール袋入りの土と「福島市の自宅で採取した土で、環境省で保管、処分してほしい」という趣旨の手紙が添えられ、送り主の記載もあった。手紙には自宅周辺の放射線量のデータも記載されていたという。 放射線量は、0.8メートル離れた時点で1時間当たり0.18マイクロシーベルト、ビニール袋の外側で0.6マイクロシーベルト。放射性物質濃度は推定で1キロ当たり約4000ベクレルだった。

 この土壌の処分法を検討する過程で、官房総務課長が「送ってくる住民の気持ちは分かる。線量は低いので、千葉県柏市の自宅の庭で処分しようか」と話したため、同課職員が12日に埼玉県内の自宅に持ち帰り、翌日、近くの空き地にすてたという。  16日にも、同一人物と思われる送り主から前回より小さい箱が送られてきたため細野氏ら同省幹部に報告、不適切な処分が発覚した。この箱は品名欄に「灰」と書かれており、開封せずに線量を測定した結果、前回と同程度だった。
 細野環境相は、「何人も汚染土壌をみだりに投棄してはならない」と定めた福島第1原発事故による放射性物質汚染の対処に係わる特別措置法(来年1月施行)に違反する可能性があり、極めて不適切として、官房総務課長を異動させるなど、関係職員の処分を検討、自身の監督責任も検討中としている。【毎日・江口一、藤野基文】

九電原発再稼働「認めない」 枝野氏、経営姿勢を問題視
 枝野幸男経済産業相は17日の参院予算委員会で、九州電力が経営姿勢を改めない限り原発を再稼働させない考えを明らかにした。社民党の福島瑞穂党首の質問に、「自ら委託した第三者委員会の報告書を受け止めず、メンバーとトラブルになっているガバナンス(企業統治)の状況では、到底(原発の)再稼働を認めることができる会社ではない」と答えた。
 枝野氏はこれまで、記者会見などで「やらせメール」問題をめぐる九電の対応を批判してきたが、国会で批判するのは初めて。枝野氏は真部利応社長の続投方針などに不快感を繰り返し示しており、事実上、第三者委の見解を受け入れた上で、経営陣を刷新してガバナンスを見直すよう求めたものと見られる。
 また、福島氏が「傲岸不遜(ごうがんふそん)な九電の態度を見ていると(電力会社の)地域独占が問題だと思う」と指摘したのに対し、枝野氏は「九電に対する評価は全く同感だ」と応じた。

 第三者委の委員長を務めた郷原信郎弁護士ら3人の元委員もこの日、福岡市内で記者会見を開き、九電のトップが暴走しているとして経産省が適切に指導、監督するよう要望した。郷原氏は、真部氏は第三者委の見解を受け入れず、細部の反論にこだわっているとして「自分たちの組織を変えるつもりがなく、原発を運営する事業者として信頼は得られない」と述べた。 (朝日)

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馬毛島の開発許可取り消し検討 鹿児島県知事
 鹿児島県の伊藤祐一郎知事は18日の定例記者会見で、西之表市馬毛島の開発をめぐり県の現地調査を拒否しているタストン・エアポート(東京)に対し、開発許可の取り消しを検討する意向を明らかにした。「調査拒否は許可条件に違反する」としている。
 馬毛島は米軍空母艦載機の陸上離着陸訓練(FCLP)の移転候補地で、同社が島の大半を所有している。滑走路整備に無許可開発の疑いなどがあり、県は2回にわたって現地調査の実施を要請したが、拒否されている。  伊藤知事は「一般的に、調査をさせてもらえないなら開発許可もストップになる。その手順をどうするか、丁寧に考えていきたい」と述べた。 (南日本新聞)
⇒「馬毛島の軍事施設化を許さない屋久島の会
⇒「特集 米軍移転計画」(南日本新聞)

与那国「民意」二分 陸自説明会紛糾
 夜の公民館に怒号が飛び交った。「誘致ありきじゃないか」「町民無視だ」―。
 17日、与那国島への自衛隊部隊配備について防衛省と与那国町が開いた住民説明会。賛成派を上回る町民556人の署名を集め、誘致は町民全体で合意されていないとする反対派町民に対し、2009年の町長選で民意は示されたとする外間守吉町長の主張は平行線。島内を二分したまま、配備が着々と進み島民の反発と危機感が強まっている。(又吉嘉例)

 説明会冒頭。反対派町民でつくる与那国改革会議の崎原正吉議長が、防衛省職員の紹介を制し「町民全体の議論がなされていない。町民の合意を基に、防衛省が説明するのが筋だ」と発言。「どうして誘致か、町長が説明会を持て」「誘致反対の署名数をどう受け止めるのか」と続いた。
 外間町長は「誘致について町長選と別に民意を問うつもりだったが、皆さん(反対派)が争点にして私が当選した。すでに民意は出ている。町として説明することは何もない」と拒否。
 与党多数の町議会9月定例会で、自衛隊誘致活動の中止を求める要請決議案が否決されたことも挙げ「(否決は)誘致に向けて頑張ってくれ、という意思表示だ」と述べた。

 反対派町民は「防衛省の説明を受けたら、既成事実づくりになる」と数十人が退席。公民館の外で集会を開き、「町長は住民の声を聞け」「防衛省は帰れ」と気勢を上げた。
 崎原議長は「町民全員が納得した上で説明会をやったと思われたらたまらない。賛成、反対はあっても議論に基づき決めるのが民主主義のルール。町民を無視したやり方で進めるのはおかしい」と町側を批判。
 集会では牧野トヨ子さん(88)が「沖縄戦では与那国も空襲を受けた。何もないところに弾は飛んでこない。平和な島に自衛隊はいらない」と訴えた。
 集会に参加した与那国中学校の2年生は「島の将来を守るのは僕たち中学生。自衛隊に任せるのはおかしい」と誘致を疑う。 一方、集会後に与那国防衛協会の金城信浩会長は「賛成派、反対派が話し合う機会ができてよかった。皆さん納得したと思う」と配備計画が進むよう期待した。(沖縄タイムス)

2011年11月17日木曜日

原発を問 う民衆法廷実行委員会への賛同・協力をお願いします

原発を問う民衆法廷実行委員会への賛同・協力をお願いします。

 福島第一 原子力発電所事故は、国際評価尺度レベル7の重大事故であり、いまだに収束せずに放射能汚染を拡大し続けています。深刻な放射能汚染は今 後数十年の長期にわたり、私たちの生活と生命をおびやかし続けます。人類が経験したことのない重大な福島原発事故に対し、「原発犯罪」と いう言葉が用いられるようになってきました。民衆にとって「原発犯罪」は理解できる概念です。

 そもそも 人間がコントロールできない原発を「安全神話」で国策として推進してきたこと、情報操作・隠蔽、腐敗した利権構造。その結果としての重大事故、地域・生活破壊、食品汚染、不十分な賠償。これらの責任を誰が取るのでしょうか、不処罰でよいのでしょうか。避難・被害者の権利実 現は、賠償・補償はどのようになされるべきでしょうか。今、法の正義が問われているのです。事故責任の解明も、反省・処罰もなく、原発再稼動がすすめられてはなりません
 残念なが ら、原子力基本法や原子力損害賠償法など原発に関わる現行法は、原発推進の法体系です。今まで司法権力が原発に関連して下した判決は、原発推進を後押しするものでした。法の正義が実現されないとき、民衆が立ち上がり原発をめぐる法規範を確立するのが必然です。

 原発を問 う民衆法廷は、歴代政府の原発推進政策から今回の事故について、将来の賠償・補償も含めトータルに把握し、個別の犯罪だけでなく、全体と しての原発犯罪の構造を明らかにしたいと考えます。そのために、民衆の知恵と創意を集め原発民衆法廷実行委員会を構成し、現代世界におけ る正義の規範を打ち立てる運動としていきます。
 原発民衆 法廷実行委員会は、みなさんの賛同・参加を得て2011年内に発足し、原発に関す る申立て(訴え)を受けながら、判事団を構成し、全国各地で巡回法廷(公判)を持ち、法的決定(勧告)を出していきます。被災者の避難、 除染、賠償・補償や、原発再稼動問題など緊急性を求められる事項から解明していきます。最終的には国策としての原発推進政策そのものを憲法レベルから裁く憲法裁判所の役割を果たしたいと考えます。
 原発民衆 法廷実行委員会は、実際の原発に関するすべての訴訟と連携し、支援する運動となりながら、また、被災者のすべての権利実現の諸活動に貢献 できるように、法理論の構築を目指していきたいと思います。

 以上の目的を遂行し、原発・放射能の恐怖を子どもたちの未来に残さないために、原発を問 う民衆法廷の実行委員会への参加・賛同を呼びかけるものです。

2011年11月

よびかけ人
青柳行信 (人権・正義と平和連帯フォーラム代表)
足立昌勝(関東学院大学教授)
阿部浩己(神奈川大学教授)
上原公子(元国立市長)
河合弘之(弁護士、脱原発弁護団全国連絡会議代表)
黒田節子(原発いらない福島の女たち~100人以上の座り込み[世話人])
澤野義一(大阪経済法科大学)
谷 百合子(無防備平和のまちをつくる札幌市民の会)
田部知江子(弁護士)
新倉 修(青山学院大学教授)
新村繁文(福島大学教授)
萩尾健太(弁護士)
布施哲也(反原発自治体議員市民連盟)
渕上太郎(経産省前テントひろば・9条改憲阻止の会)
武藤類子(ハイロアクション福島原発40年実行委)ほか

原発民衆法廷顧問:
河合弘之(弁護士、脱原発弁護団全国連絡会議代表)ほか

◆連絡先:
矢野秀喜(090-2466-5184)、
Email: qqq568d9k@extra.ocn.ne.jp

<お知らせ>
●12月17日(土)午後1:30より 第1回実行委員会
●場所:明治大学リバティータワー(神田駿河台校舎)20階120C教室

*********************

原発を問う 民衆法廷実行委員会に賛同します。 

●賛同金 1口千円(何口でも結構です)
●氏名(団体名) 
●(氏名公表:可・不可)
●住所・連絡先

2011年11月6日日曜日

政府・東電は「冷温停止」前倒し宣言を撤回し、謝罪すべきである

政府・東電は「冷温停止」前倒し宣言を撤回し、謝罪すべきである

 福島第一原発3号機の原子炉建屋1階の最大放射線量が、最大毎時620ミリシーベルトであることが確認された。「格納容器ガス管理システム」設置前の準備調査で計測されたのである。
 下の時事通信の記事によると、東電の松本原子力・立地本部長代理は5日の記者会見において、1~3号機への「格納容器ガス管理システム」の設置は年内いっぱいかかる、と言ったという。

 これによって、これまで政府・東電が宣言してきた「冷温停止」の年内前倒し宣言は、事実上、破綻した。なぜなら、「格納容器ガス管理システム」の設置と、その後の一定期間におけるガス内の放射性物質の分析抜きに、1~3号機の原子炉の再臨界の可能性がなくなった、とは言えなくなったからだ。

 松本氏は、「線量が高いため、設置作業の前には遮蔽(しゃへい)や除染が必要になる」と言ったらしい。しかし、問題はそんなことにあるのではない。問題は、最大毎時620ミリシーベルトの放射線量値が、「小規模」「局所的」であれ、3号機の再臨界の可能性を示唆しているところにある。遮蔽も除染も必要だが、それ以前に放射性物質の早急な分析が求められているのである。

 一方、細野原発相は、5日の浜松市内での講演において、2号機で放射性キセノンが検出されたにもかかわらず、「(原子炉の『冷温停止状態』を目指す)工程表の『ステップ2』の年内に達成という方針を変える必要はない」と「強調」したという(読売)。2号機のキセノン検出は、再臨界ではなく自発核分裂だと断定したのは東電であって、最終的な分析結果はまだ出ていないはずだ。
 つまり、細野氏は、「冷温停止」前倒し宣言を見直なすべき事態に直面しているのに、その事実に目をそむけ、ただ前倒しを政府として宣言してしまった、ただそれだけの理由で見直さないと強弁しているに過ぎないのである。

 私たちは、改めて政府・東電に対して、「冷温停止」前倒し宣言の撤回を要求しなければならないだろう。政府・東電は、面子にこだわらず、宣言を撤回し、国際社会と全国民に謝罪すべきである。
 それと同時に、1~3号機の格納容器内の状態について、何を、どこまで把握しているか/何が把握できていないか(何も把握していない?)、そのすべてを情報公開することも、併せて要求しなければならないだろう。

 また、新聞メディアを含むマスコミに対しても、東電の発表を鵜呑みし、垂れ流すのではなく、政府・東電がきちんと説明責任を果たすことを強く要求すべきであること、このことを指摘しておかねばならないだろう。

 マスコミも私たちも、もう少し事態を深刻に受け止めたほうがよさそうだ。

・・・ 
11/7
臨界判定基準見直し 東電方針 キセノン検出を反映
 東京電力は六日、福島第一原発の臨界判定基準を見直す方針を明らかにした。経済産業省原子力安全・保安院に先月提出した報告書では、半減期の短い希ガスが検出されないことを条件としていたが、今月二日に2号機で自発核分裂により発生したとみられる放射性キセノンを検出。実態と合わなくなり、修正を余儀なくされた
 二日にキセノンを検出した際、東電は「臨界の可能性がある」と発表したが、その後、検出量が少なかったことなどから「自発核分裂によるものだった」と訂正していた。 東電の川俣晋原子力品質・安全部長は、六日の記者会見で「再臨界かどうかでは、大変心配をおかけした。報告書の改訂版を準備している。その中で見解を示す」と述べた。
 十月十七日に保安院に提出していた「中期的安全確保」に関する報告書では、キセノンなど半減期の短い希ガスが検出されないことが臨界判定基準だった。(東京新聞)
 ↓
 政府(安全・保安院)と東電は.「中期的安全確保の考え方」において、
①放射性物質の放出抑制・管理、
②崩壊熱の適切な除去、
③臨界防止、
④水素爆発防止、の四つを「冷温停止」後の、次のステップに進む際の「安全確保」の4つの指標としていた。つまり、政府・東電の「冷温停止」前倒し宣言は、上の①から④がすでに達成されているという、まったく誤った(能天気な)認識の下で発せられていた、ということである。
 もしも2号機のキセノン検出が、「小規模」かつ「局所的」なものであれ臨界状態を示したものであれば、①から③のすべてに政府・東電は失敗したことになり、とてもじゃないが「冷温停止」など程遠いことが歴然となる。

 ここで注意しておきたいことは、1、「臨界防止」は①と②の蓄積された結果であって、①から③が独立しているのではないこと、また2、「自発核分裂」は、確かに起こりうるが、その可能性はきわめて低いこと(3%程度と言われている)、である。
 1、3号機からのキセノン検出の危機に陥った東電は、当初自らが定義した「臨界要件」からキセノン検出を除外し、あくまでも「冷温停止」前倒し宣言に、姑息に固執する腹積もりらしい。 ここまで来れば、もう「語るに落ちた」というべきで、まともに取り合う気力も萎えてしまう。

 しかし、これが「冷温停止」の政治的定義とその政治的宣言のリアリティなのである。

.玄海原発の低レベル廃棄物、青森・六ヶ所村へ
九州電力は6日、玄海原子力発電所(佐賀県玄海町)で発生した低レベル放射性廃棄物を日本原燃の低レベル放射性廃棄物埋設センター(青森県六ヶ所村)に運ぶための船積みを行った。
 九電によると、輸送は昨年に続き、11回目。今回は3、4号機の部品だった金属類やプラスチックなどをセメントで固め、容量200リットルのドラム缶440本分。放射能測定の結果、缶表面は基準値を下回った。
 缶は8本ずつ鋼鉄製の輸送容器(縦約3・2メートル、横約1・6メートル、高さ約1・1メートル)に収容し、原発専用港に停泊中の専用輸送船「青栄丸」(約4000トン)にクレーンで積み込んだ。( 読売)

11/6
3号機建屋内、依然高線量=ガス管理装置、年内設置―福島第1
 東京電力福島第1原発事故で、東電は5日、ロボットを使った3号機原子炉建屋1階の調査で、最大毎時620ミリシーベルト(!)の高い線量を確認したと発表した。
 調査は、格納容器内の空気を抜き出し、フィルターで浄化した後に外部に放出する「格納容器ガス管理システム」設置準備の一環として実施。2、3日の両日、ロボット3台を使って同建屋1階北東側の床面に散乱するがれきなどを移動させた後に測定した。その結果、作業場所に最も近い地点で毎時215ミリシーベルト、約3メートル離れた地点で同620ミリシーベルトを記録した。
 同システムは、格納容器内の気体の採取も可能なため、既に設置されている2号機では水素濃度の確認や核分裂反応を示す半減期の短い放射性物質の検知に用いられており、東電は1、3号機でも設置を急いでいる。
 東電の松本純一原子力・立地本部長代理は5日の会見で、「線量が高いため、設置作業の前には遮蔽(しゃへい)や除染が必要になる」と説明。1号機も含め、同システムの設置完了は年内いっぱいかかるとの見通しを示した。 

低線量被曝の健康影響調査…原発相が方針
 細野原発相は5日、浜松市内で講演し、東京電力福島第一原子力発電所事故に関連し、放射性物質の年間20ミリ・シーベルト程度の低被曝ひばく線量が健康に及ぼす影響を解明するため、内閣官房に有識者による作業部会を作り調査する方針を明らかにした。
 細野氏は「100ミリ・シーベルト以下の影響は学問的にも最終的にすべて解明し切れていない部分がある」と語った。その上で、より広い範囲で影響を調べるため、国際放射線防護委員会(ICRP)が事故収束時の住民の被曝限度の目安としている20ミリ・シーベルト程度の低被曝線量を対象に、内閣官房の放射性物質汚染対策顧問会議の下に作業部会を新設するとした。

 また、細野氏は、福島第一原発の事故収束に向けた工程表について、同原発2号機で放射性キセノンが検出されても、「(原子炉の『冷温停止状態』を目指す)工程表の『ステップ2』の年内に達成という方針を変える必要はない」と強調した。(読売)

・・・
電力2社から計157億円 青森・東通村、使途明かさず
 青森県東通村が、村内で原発を立地・建設中の東京電力と東北電力から、約30年間に計約157億円を受け取っていたことが分かった。電力2社は「寄付金」や「負担金」として支出したと説明するが、村はこれらの資金を予算の「雑入」に分類して見えなくしていた。使い道の詳細も明らかにせず、不透明な財政運営を続けていた。
 東通原発では、東電と東北電が2基ずつ建設する計画で、東北電は2005年に1号機の運転を開始した。電力2社の資金に、国が原子力施設の立地自治体に支払う電源三法交付金を加えると、02年度は計41億円に達し、村予算の38%を占めた。村は潤沢な原発マネーを使い、94億円を投じた東通小・中学校の建設など施設整備を進めている。
 電力2社によると、資金提供は村の要請に応じて1983年度から始まり、2社が受益者となるインフラの整備に充てるための「負担金」と、地域振興向けの「寄付金」として支出。会社関係者によると、東電と東北電の負担割合は2対1。自治体への資金提供では最大規模とみられる。
 一方、村はその使途について、道路や上下水道などの整備費、漁業施設の建設費などに充てたとだけ説明し、個別の事業費などを公表していない。(朝日)

2011年11月5日土曜日

で、私たちは東電をどうするのか?(3)

で、私たちは東電をどうするのか?

 東電に対する野田政権の基本姿勢は、はっきりしている。
①東電を、公的資金を投入しながら、救済する、
②東電が「原子力事業」を継続することを承認する、
③資金投入分は、消費税導入・増税・電気料金値上げによって回収・補填する。

 私は、税金を投入し、東電を救済することに反対である。また、東電が柏崎刈羽を含め原子力事業を継続することにも反対である。被災者・被曝者の賠償・補償に税金が投入されることは、やむなしとする者だが、そのためには最低上の二点と、今回の原発災害に対する政府・東電・自治体の行政的・法的な責任を明確にする、ということが条件になる。
1、福島第一原発の5、6号機と第二原発の廃炉を正式に決定し、
2、東電から原子力事業を切り離し、柏崎を国の管轄下に置き、その将来的処遇は「広域的住民投票」で決定する、
3、賠償・補償については東電に「無限責任」を課すことを基本とし、「電力自由化」を経て東電が倒産するなら国=税金で補填する、という考え方えである。
 私個人は「電力自由化」そのもには、さして関心を持たないが、上の1から3を方針化しないから「自由化」も進行しないのである。 
 さて、読者は東電をどうすべきだと考えるだろう。
 原子力事業をかかえたままの東電の救済を支持するだろうか?

⇒「福島第一原発は「止まった」か?」更新

「批評する工房のパレット」内関連ページ
⇒「福島原発大災害の賠償/補償と政府-自治体・東電の責任-- ①で、私たちは東電をどうするのか?」(4/5)
⇒「で、私たちは東電をどうするのか?(2)」(5/15)

・・・
東電援助、8900億円決定 経産相、事業計画認める
 野田政権は4日、東京電力による福島第一原子力発電所の事故の賠償を円滑に進めるために作った「緊急特別事業計画」を認めた。東電が政府に8900億円の援助を求め、年度内に5900億円のリストラをすることなどが柱。電気料金の値上げは今回の計画に盛り込まず、来春以降につくる総合特別事業計画で検討する。

 計画は、東電と原子力損害賠償支援機構が共同で作り、10月28日に政府へ提出。本格的な賠償を進めるにあたり適切な内容かどうかを経済産業省などが確認していた。政府は4日午前、「電力改革及び東京電力に関する閣僚会合」の初会合を開き、機構担当の枝野幸男経産相が計画認定を決めた。
 枝野氏は、閣議後の記者会見で、「国民のお金を一時的とはいえ預かる責任を十分踏まえ、徹底した合理化をするよう(東電や機構に)伝えた」と述べた。
 東電は今回の計画で、当面の賠償に必要な金額を約1兆円と見積もった。政府の保険制度で1200億円を受けとれるため、差額の8900億円を当面の賠償資金として援助を要請。東電が将来的に返していく。 (朝日)

東電歴代役員に1兆円賠償求める 一部株主が代表訴訟へ
 福島原発事故で東京電力が巨額の損失を出したのは、経営陣が津波や地震への安全対策を怠ったためだとして、一部の株主が歴代役員に計約1兆1千億円の賠償を求める株主代表訴訟を起こす方針を固めたことが4日、関係者への取材で分かった。
 関係者によると、訴訟を起こすのは脱原発を求める株主ら約30人。東電が8月に発表した原発事故の損失見込み額約1兆1千億円を賠償するよう、勝俣会長ら過去20年の役員約60人に求める。請求額は増える可能性がある。 11月中に東電の監査役に訴訟を起こすよう求めるが、応じない可能性が高い。60日以内に応じなかった場合、株主代表訴訟に移行する。 【共同通信】
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 私はこの要求を当然のことだと考えている。全面的に支持する。

東電:終身年金3割カット 10年で経費削減2.5兆円超
 東京電力と原子力損害賠償支援機構が策定した「緊急特別事業計画」(仮称)の全容が27日、明らかになった。福島第1原発の賠償資金を捻出するため、退職者も含めて企業年金を見直し、80歳以上に支払う「終身年金」の給付額を3割カットするなど経営合理化を徹底。今後10年間で総額2兆5000億円超の経費を削減し、新たに約5800億円の資金援助を政府に申請する。

 東電と支援機構は計画を月内に枝野幸男経済産業相に提出し、11月上旬の認定を目指す。認定後に政府から賠償資金の援助を受け、合理化による資金と合わせて原発事故の被害者救済を急ぐ。
 2013年3月末までに約4兆5000億円と試算される賠償費用のうち、当面の必要額は政府援助約5800億円と原子力損害賠償法に基づき申請した政府補償分1200億円を合わせた約7000億円で賄う。対象とする賠償期間は、原子炉をより安定的に冷却し冷温停止状態に持ち込む「ステップ2」の終了までを目安とする。

 経営合理化では、11年度内に約2400億円の経費を削減。年金見直しでは、65歳以上80歳未満に支払う「有期年金」も、会社が保証する運用利回りを最低2・0%から1・5%に引き下げ、削減効果を10年間で総額1000億円超と見込む。見直しには労働組合の同意や、退職者の3分の2以上の同意が必要となる。
 合理化の具体的なペースや達成期限、手順などを明示する「工程表」を策定。東電と支援機構の首脳や実務者レベルの作業部会を設置し、工程表の進捗(しんちょく)状況を確認する。
 東電と被害者の賠償交渉が難航して訴訟に発展する事態を避けるため、東電が「原子力損害賠償紛争解決センター」の和解仲介案を尊重することを明記。センターに実質的な強制力を持たせる。(毎日)
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 読者は、これで十分と考えるだろうか?

三菱重、トルコ原発に意欲 仏アレバと共同参入を示唆
 トルコ英字紙ヒュリエト・デーリー・ニューズ(電子版)は4日までに、同国の黒海沿岸シノップの原子力発電所建設計画について、三菱重工業の有原正彦執行役員が「計画への参画に関心を抱いている」と述べ、受注に向けた意欲を示したと伝えた。
 同紙によると、有原氏は、フランス原子力大手アレバと共同で受注を目指す可能性を示した。また、三菱重工が手掛ける加圧水型(PWR)原子炉を運用する関西電力が、運営主体として参入する可能性にも言及したという。【カイロ共同】

原発地元に匿名寄付500億円 福井、大半は電力業界か
 全国最多の原発15基(1基は解体中)を抱える福井県と県内立地4市町に、匿名を希望する大口寄付が2010年度までに少なくとも計502億円寄せられていたことが、自治体への情報公開請求などでわかった。朝日新聞の今回の取材で、約3割の150億円は、同県内に原発をもつ関西電力など電力事業者からと特定できた。
 自治体関係者は「電力事業者以外に大口寄付はほぼない」と語っており、残りも電力業界からの可能性がある。福井県と原発近くの県内市町には1974~2009年度に、電気利用者が払う電気料金を原資とした「電源三法交付金」が国を通して計3245億円交付されているが、ほかにも巨額の金が利用者に見えない形で地元に入っていた。
 判明した匿名寄付は、福井県・計197億5千万円(92~10年度)▽敦賀市・計133億1千万円(69~10年度)▽おおい町・計102億4千万円(81~10年度)▽高浜町・計13億4千万円(80~10年度)▽美浜町・計55億3千万円(91~10年度)。千万円以上を計上し、電力事業者からと判明した匿名寄付は小口分も含めた。
(朝日)

原発事故自主避難の411世帯、東電に賠償請求
 東京電力福島第一原発事故を受け、政府が指定した避難対象区域外から自主的に避難した福島県内の住民らが(8月)12日、東電に転居費用や慰謝料など計約11億7000万円の賠償を求める請求書を提出した。
 支援団体によると、請求したのは、すでに自主避難したり自主避難を検討したりしている同県や宮城、茨城両県などの計411世帯。
 政府の原子力損害賠償紛争審査会が今月5日に決定した中間指針では、自主避難した住民は賠償の対象に盛り込まれず、今後も議論されることになった。
 請求書と同時に提出した要請書で、住民らは「現状では、自主的に避難した住民は賠償などを得られる保証がない。東電は責任を持って自主避難者への賠償を明言するべきだ」と訴えた。これに対し、東電は「紛争審査会の検討を待ちたい」と回答したという。(2011年8月12日 読売)

⇒「11/5 避難の権利集会 in 東京 ~自主的避難に賠償を!~
1.「自主的」避難と東電賠償~原子力損害賠償紛争審査会の最新の議論より
2.区域外の福島で、生じていること~渡利問題の今
3.自主避難者の訴え
4.渡利からのアピール

2011年11月2日水曜日

「冷温停止」状態にある福島第一1、2、3号機で核分裂、臨界、キセノン検出?

「冷温停止」状態にある福島第一1、2、3号機で核分裂、臨界、キセノン検出?

11/3 ①
 キセノン検出について、東電は「自発核分裂」と断定し、この報告を受け、安全・保安院が東電の断定が妥当を否かを判断する、ということになった。NHKニュース
・原子力安全・保安院の森山善範原子力災害対策監。「自発核分裂の可能性は高いと思うが、科学的に見て、局所的な臨界の可能性をすべて否定できるわけではないので、東京電力の調査内容を含めて専門機関の分析結果を見て評価したい。さまざまなリスクを分析したうえで、ホウ酸水の注入など、万一の事態に備えた設備面での対応ができているかどうか、東京電力に確かめていきたい」。

 つまり、現時点では東電の断定が妥当かどうか分からない、「福島第一1、2、3号機で核分裂、臨界、キセノン検出?」状態が継続している、ということだ。しかし、小規模・局所的な臨界が発生したのであれ、自発核分裂であれ、事態の深刻さは変わらないと私は考えている。

 なぜなら、もしも前者であれば、これまでの東電、というよりも統合対策本部の原子炉・格納容器の監視体制そのものが問われるからであり(統合対策本部は、なぜ3月の途中で中性子の動きを制御するホウ酸水の注入をやめてしまったのか?その判断の根拠は何だったのか? いつだったかは調べてみないと分からないが、私はこのブログで「ホウ酸注入はどうなったんだ?」と書いたことがある)、
 後者であれば、今後の監視体制をより一層厳しく、かつ入念にする必要があるからだ(自発核分裂→中性子放出→連鎖的核分裂の阻止)。

 各検索サーバーのトップページやニュース欄、また一部新聞メディアの記事を地球の反対側から流し読みすると、何か東電が「自発核分裂」と断定したことに安堵感というか、「大した、深刻な問題ではなくて胸をなでおろした→安心した/安心せよ」とでもいったような、今回の事態を過小評価するような雰囲気が漂ってくるのだが、そのような受け止め方は、福島第一原発の現状を判断する基本姿勢において、明らかに間違っている。
 事実は、こうだ。「東日本大震災:福島2号機、キセノン検出 原子炉内、なお不安定 「冷温停止」黄信号」(毎日新聞)を引用しながら、問題点を整理しておこう。
・「小林圭二・元京都大原子炉実験所講師によると、圧力容器底部の温度低下によって水の密度が高まり、効率よく核分裂させる中性子が生じやすくなることなどによって、臨界が起きた可能性がある」「核燃料の場所も把握できていない。事故収束を議論する以前の問題だ」。

・「ガス管理システムを導入した際1%だった2号機の格納容器内の水素濃度は、10月30日には2・7%まで上昇した。4%まで高まると爆発する恐れがある。
 東電は「格納容器内の水素がガス管理システムで吸引された可能性がある」として、窒素ガスの注入量を上げるなどした。今回のキセノン検出でも、東電は2日未明にホウ酸水を注入したが、ともに対症療法に終始した。
 ↓
 「対症療法に終始」と言うより、「対症療法」しかできず、それをしっかりやる以外に(再)臨界を阻む手はない、ということだ。濃度が「低い」としても(つまり、「この程度」のキセノンの検出は、もともと核燃料総量に含まれるプルトニウム総量から言えば、検出されて「当然」だと仮に言えたしても、これまでの「対症療法」に落ち度があったということの方が重大であり、深刻なのである。 

・九州大の工藤和彦特任教授(原子炉工学)。「キセノン濃度は低く、核分裂の規模は極めて小さいと考えられる。政府と東電は原子炉から外部に出ている放射性物質の管理に全力を挙げるべきだ」
 ↓
 重要なことは、福島第一原発から依然として放射性物質が「外部に出ている」という事実認識をしっかり持つ、ということだろう。 もっと分かりやすい言い方をすれば、「レベル7」の「深刻な事故」を起こした福島第一原発は、依然として、
①「放射性物質の少量の外部放出」がメルクマールとされる「レベル4」の「所外への大きなリスクを伴わない事故」状態と、
②「放射性物質の極めて微量の外部放出」=「レベル3」の「異常事態」の間を浮遊する、
極めて不安定な状態にある。
 「核分裂炉」の物理的解体作業に着手するまで(最短でも30数年後? ということは40年後もありうる?)、「対症療法」と「原子炉から外部に出ている放射性物質の管理に全力を挙げ」る以外に、道はないのである。

⇒「福島第一原発は「止まった」か?」を更新 

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2号機「臨界」 情報開示さらに徹底を
 福島第一原発の2号機で核分裂が連続する「臨界」が起きた可能性が濃厚だ。東京電力や政府の見通しの甘さの証しといえる。今回の事態を軽く見ず、詳しい情報の開示をさらに徹底すべきである。
 メルトダウン(炉心溶融)した2号機の核燃料がどんな状態なのか、実は誰も分からない。溶け出した核燃料が、原子炉の圧力容器や格納容器の底に堆積しているとみられている。そこに大量の水を注ぎ込んでいるのは、核燃料を冷やし、安定させるためだ。
 ところが、格納容器内の気体の状態を調べる装置から、キセノン133と同135と推定される放射性物質が検出された。自然界に存在せず、核分裂に伴って生成される物質だ。 しかも、半減期はキセノン135の場合だと、約九時間である。つまり核分裂反応が連鎖的に続く「臨界」が局所的に起きた可能性が高いとして、東電は核分裂を抑えるホウ酸水を注入したのだ。

 最悪のシナリオを描けば、冷却水が沸騰したり、核燃料が露出したりすると、破損した原子炉から外部に大量の放射性物質がばらまかれる恐れが出てくる。
 経済産業省原子力安全・保安院は「大規模な臨界が起きる可能性はほとんどない」「全体として安定した状態だ」とコメントしているが、本当に信用できるのか。実はキセノン131は八月中旬にも検出されていたが、「原発事故当時のものだ」と軽視していたのだ。今回の結果は、原子炉がいまだ極めて不安定な状態にあることを示すものだといってよい。
 まず取り組むべきことは、原発周辺に住んでいた人々に事態を丁寧に説明することだ。緊急時避難準備区域が解除されてから、自宅に帰還している住民たちがいる。原発に不安定な疑いが出た段階で、早めに手を打たないと、再び被ばくを広げる結果を招きかねない。日本のみならず、全世界が注視している問題でもある。
 原発の循環注水冷却システムが万全かどうか再点検も必要になる。水素爆発を起こした1号機や3号機でも「臨界」が起きている可能性も否定できず、さらに精緻な調査が求められよう。
 原子炉を年内に「冷温停止状態」にするという工程表は、もはや信頼性を失ったも同然である。「状態」というあいまいな用語で冷温停止を宣言しても、全国の原発再稼働ありきを前提にした“見切り発車”だと誰もが見破る。(中日新聞社説 11/3)

「批評する工房のパレット」内関連ページ
⇒「「内省に欠ける国」の避難準備区域解除」(10/3)
⇒「「原子力緊急事態宣言」解除前の「緊急避難準備区域」の解除?」(10/4)


11/3 ②
 2号機に続き、1、3号機も核分裂→臨界(「小規模」だから問題ない?)の「可能性」が出てきた。 
 とりいそぎ、事実と報道を記録し、私たちの記憶に刻むために、主要な記事をクリップしておこう。
 果たして、福島第一原発は、「止まった」と言えるのか? 記事を読みながら、この問題も併せて考えていただきたい。
 状況は、仮に「危険が迫っているような状態」(経産省原子力安全・保安院は)ではないにしても、「科学的」にも政治的にも、かなり深刻である。

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1、3号機も小規模臨界の可能性 福島原発、分析進める
福島第1原発2号機で核分裂が生じ一部で小規模な臨界が起きた可能性がある問題で、東京電力は2日、2号機格納容器から吸い出した気体を再分析し、臨界があったかどうかを確かめる作業を進めた。東電は「1、3号機についても同様のことが起きている可能性がある」としており、早期に燃料の状態を把握する必要がある。
 また政府、東電が年内に目指している「冷温停止」状態の達成について、専門家からは危ぶむ声が出ている。 東電によると、2号機に設置した格納容器内から気体を吸い出し浄化する装置で、1日に採取した 気体に放射性キセノン133、135が含まれていることを示す兆候があった。 (共同)

福島2号機の核分裂ほぼ確実 キセノン確認、臨界調査中
 東京電力福島第1原発2号機でのキセノン検出に関し、経済産業省原子力安全・保安院は2日、日本原子力研究開発機構の評価でキセノンが確認されたと発表、核分裂が起きたことがほぼ確実となった。
 東電が同日、2号機格納容器の気体浄化装置に新たに取り付けたフィルターからも微量の放射性キセノンが検出された。小規模な臨界が起きたかどうかは引き続き調査する。
 細野豪志原発事故担当相は「データは安定しており臨界はないと考えている」(???)と述べ、連鎖的な核分裂反応には否定的な見方を示した。さらに政府、東電が目指す年内の冷温停止は「達成できる」と強調(!)した。(共同)

福島第1原発:キセノン検出確認 「長時間臨界」は否定
 東京電力福島第1原発2号機の原子炉格納容器内で、核分裂によって生じる放射性キセノン133やキセノン135とみられる気体がごく微量検出された問題で、経済産業省原子力安全・保安院は2日、検出されたのはキセノン133と135だったと発表した。また、東電も同日、キセノンとみられる気体を検出した気体を再度測定した結果、同程度の濃度のキセノンとみられる気体が含まれている可能性があると発表。保安院は「核分裂反応が起きキセノンが発生した可能性は高い」と話している。
 東電は、日本原子力研究開発機構に気体の詳細分析を依頼。同機構がキセノンの検出を確認した。

 東電は容器内の気体について、格納容器内の気体を浄化して外部に放出する「格納容器ガス管理システム」(10月28日稼働)を使って1日午後に採取して測定した気体を再測定した。その結果、1回目の測定と同様にキセノン133とみられる気体を1立方センチあたり100万分の1ベクレル程度、キセノン135とみられる気体を1立方センチあたり10万分の1ベクレル検出した。
 さらに、2日昼にも気体を採取して測定。キセノン133とみられる気体は検出できなかったが、同濃度のキセノン135とみられる気体を検出した。
 東電の松本純一原子力・立地本部長代理は会見で「2度も同じような値が出たので核分裂が起きた可能性は高い。ただ、核分裂が起きていたとしても小さいレベルで、大量のエネルギーを出している状況ではないので問題はない」(???)と説明。圧力容器の温度や圧力のデータに大きな変化はなく、臨界が長時間続いた可能性を否定した。このため、これまでもホウ酸水の注水は「事故発生直後などは念のため入れてきた」(東電の松本氏)が、継続的には実施してこなかったという。

 2号機の格納容器内の気体については、8月にも今回と別の方法で調査を実施。この時も2種類のキセノンがごく微量発生していた可能性があったが、検出できる濃度の限界値が高かったため検出されず、再臨界の可能性も低いとして詳しい測定をしていなかった。
 保安院の森山善範原子力災害対策監は会見で「キセノンが検出されたことから、核分裂が起きた可能性は高い。局所的な臨界も否定できない」と述べた。【毎日・奥山智己、関東晋慈、久野華代】

2号機で核分裂 一時臨界の可能性
 東京電力は2日、福島第1原発2号機で原子炉格納容器内の気体に放射性キセノン133と135が含まれている可能性があり、核分裂が起きている恐れが否定できないとして、核分裂を抑えるホウ酸水を原子炉に注水した。原子力安全・保安院は同日、分析の結果、キセノンが確認されたと発表した。半減期の短いキセノンが検出していたことで、直近に核分裂反応が起きていたことになる。
 東電は、核分裂が連鎖する再臨界については、原子炉温度や圧力が安定しており、「一時的、局所的に発生した可能性はあるが臨界が続いている状況ではない」とした。
 原子炉の温度や圧力、放射線量を測定する敷地周囲のモニタリングポストの値には変動はなく、保安院の森山善範原子力災害対策監は「局所的な臨界が起きた可能性は否定できないが、全体的には安定した状態にある」としている。
 2号機には原子炉内の気体を吸い出す装置があり、1日に採取した気体を分析したところ、キセノンとみられる物質をごく微量検出し、日本原子力研究開発機構に分析を依頼していた。 キセノンが発生したことで、
(1)再臨界が起きた
(2)単発的に中性子が放射性物質に衝突した
(3)放射性物質が自ら分裂する「自発核分裂」が起きた-
の3通りの可能性が考えられるといい、東電は再臨界が起きたかどうかを評価している。(キセノンとは? 半減期5日と9時間 ウランが核分裂する際にできる希ガス)(産経)

福島第1原発:“臨界”連絡遅れ保安院長に厳重注意
 藤村修官房長官は2日の記者会見で、東京電力福島第1原発2号機で臨界が一時的に起きた可能性がある問題について、首相官邸や経済産業相への連絡が遅かったとして、枝野幸男経産相が深野弘行原子力安全・保安院長に厳重注意したと発表した。
 藤村氏は「原発事故収束の取り組みは政権の最優先の事案で、場合によっては核分裂反応に発展している可能性があるという情報だった。速やかに伝達すべきだった」と語った。

 核分裂で発生する放射性キセノンが検出されたのは1日午後。保安院は1日夜の段階で東電から連絡を受けたが、藤村氏は「(保安院は)温度や圧力のデータからただちに危険を生じる事態でないということで、翌朝に官邸や経産相に報告すると判断したと聞いた」と経緯を説明した。
 保安院は首相秘書官に2日午前7時過ぎに連絡し、野田佳彦首相には秘書官から報告が入った。その後、枝野氏に伝わり、藤村氏が報告を受けたのは午前9時ごろだった。【毎日・小山由宇】
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11/2
 東電は今日(11月2日)、福島第一原発2号機の格納容器内のガスから、2種類の放射性物質キセノンを検出したと発表した。 東電は、原子炉内で核分裂が起きている「可能性がある」(?)と言い、中性子を吸収して核分裂を止めるホウ酸水を注入し始めたという。
 これに対し、経産省原子力安全・保安院は、「2号機の原子炉の温度や周辺の放射線量に大きな変化はなく、危険が迫っているような状態(?)ではない」(読売新聞)とのコメントを発表した。(キセノン133は半減期約5日、同135は半減期約9時間)。

 ところで、政府・東電によれば、福島第一原発は、もちろん2号機を含め、事実上「冷温停止」状態にあるのではなかったか? 「冷温停止」状態にある原子炉が、「危険が迫っているような状態」であるかどうかが問題になるとは、いったいどういうことか。
 ほんの2週間ほど前、政府・東電が何を言っていたか、思い出してみよう。
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「冷温停止状態、発表出来る状況」…平野復興相
 平野復興相は(10月)18日、福島県二本松市で開かれた民主党の会合で、東京電力福島第一原子力発電所事故の収束に向けた工程表に関連し、「ステップ2」の柱である原子炉の冷温停止状態は事実上、達成済みとの認識を示した。
 平野氏は「明日にでも冷温停止状態を発表しようと思えばできるが、警戒区域(の縮小など)をどうするか、セットで出すべきだということで、発表を差し控えている状況だ」と説明した。政府と東電は17日に改訂した工程表で、冷温停止状態の達成時期を「年内」と明記している。(読売)
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 「原子炉の冷温停止状態は事実上、達成済み」?
 「明日にでも冷温停止状態を発表しようと思えばできるが、発表を差し控えている」?
 平野復興相は、2号機の核分裂→キセノン検出をどのように受け止めたか、記者会見を開き、明らかにすべきだろう。こういう、およそ「科学的知見」を持たないとしか思えない人には、とても「復興大臣」は務まらないと思えるので、釈明をきちんとしてもらった上で、辞任してもらうのが適切かも知れない。

 一方、東電の松本純一原子力・立地本部長代理は、「冷温停止前倒し」宣言に関し、「上部からの注水で十分冷却できており問題ない」と説明していた。これに対して私は「政府・東電は、なぜ「冷温停止」を急ぐのか?」の中で、次のように指摘した。
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 この発言に触れて、私は改めて「なぜ東電の技術屋は、自分たちが過去何度も判断を誤り、前言を翻し、「訂正」を繰り返し、そうすることで日本中を恐怖と不安に叩き込んできたことを顧みようとせず、かくも断定的に物が言えるのか?」と考え込んでしまったものだ。自分たちの判断はまた誤ってしまうかもしれない、慎重には慎重をきす、という姿勢が、どうしても感じられないのである。
 横柄とか傲慢という言葉では形容できない、何かが根本的に欠落しているとしか私には思えない、そんな人間の姿を垣間みてしまうのである。
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 東電は、また一つ、判断を誤ってしまったようだ。
 自分たちの判断は、今後もまた誤ってしまうかもしれない、慎重には慎重をきす、という姿勢を忘れないでいてほしいものである。

1、政府・東電は、何を置いてもまず「冷温停止年内前倒し」宣言を撤回すべきである。
2、そして、なぜこの時期になって2号機が核分裂を起こし、新たに放射性物質を放出しているのか、その解明をなし、情報をすべて開示すべきである。

私たちは、玄海原発4号機の再稼働を深刻に受け止めるべきである

 それともう一つ、玄海原発4号機の再稼働問題。
 私たちはこれを深刻に受け止めるべきである。その理由を二つだけ、あげておこう。
 一つは、福島第一原発災害後初の停止中原発の再稼働に関し、国が「政治判断を下さない、という政治判断」を下し、「地元合意」を無視した九電の再稼働見切り発車、いわば暴走を容認したことである。

 もう一つは、玄海原発4号機の再稼働は、実は福島第一原発が「止まった」という認識、つまり福島第一原発のメルトダウン→メルトスルーは、
①M8クラス、震度7の地震によってもたらされたものではなく、「誰も予想だにしなかった天変地異としての巨大津波」によるもの、という認識に基づいた、
②非常にアリバイ的な、できあいの「緊急安全対策」なるものによって原発の「安全性」は保証されているという前提に基づき、強行されたことである。

 一点目に関して言えば、「地元合意」を無視した九電の見切り発車、暴走が、きわめて意図的で、計画的なものであることを見抜いておく必要がある。
 NHKのニュース、「原発交付金 多くの自治体申請」によれば、先月末段階で、原発や関連施設がある全国44の自治体のうち40の自治体が例年どおり申請を行い、「脱原発」などを理由に申請を取りやめたのは4自治体にとどまった。
 つまり、「地元合意」も何も、佐賀県にしろ玄海町にしろ、「原発マネー」を政府(および九電)から受け取ります、とすでに宣言していたわけである。(NHKニュースによれば、
①「原発の建設が計画されている福島県南相馬市と浪江町が「脱原発」を理由に交付金の申請を辞退したほか、鹿児島県と薩摩川内市が、今後、増設する予定の九州電力川内原発3号機について申請を行わな」かった。
②「このほか、立地自治体の周辺の合わせて66の自治体も例年どおり申請」。
③「立地自治体と周辺自治体が申請した交付金の総額は、今年度の上期だけでもおよそ700億円」。
④「また、ほとんどの自治体が、来年度以降も引き続き交付金を受け取る意向で、原発事故のあとも多くの自治体が、国からの交付金を求めている実態が浮き彫りに」なった)

 要するに、九電にしろ国にしろ、こうした全国各地の原発立地・周辺自治体の状況を踏まえた上で見切り発散、暴走し、それを黙過するという「政治判断」を下したわけである。「立地・周辺自治体から反対は出ないだろう」という判断の下で。国と自治体の行政のレベルでは、すでに「合意」は取られていたということだ。
 だからこそと言うべきか、住民/市民の総意思を反映しない、国・自治体行政・電力業界の暴走に歯止めをかけるためにも、「広域的住民投票制度」の導入が必要なのである。
 
 二点目。 これについては、まず原子力安全・保安院が、6月9日、佐賀県に対して提出した「緊急安全対策の対応状況等に関するご質問へのご回答を読んでほしい。
 この中で、佐賀県の「①緊急安全対策は津波対策だけだが、福島第一原子力発電所の事故は地震動で起きたのではないか」という質問に対し、保安院fは次のような見解を「まとめ」として示していたのである。

・・
・数千ページにおよぶプラントパラメータ等の科学的データに基づき、以下の確認結果から、地震発生時に「止める」、「冷やす」、「閉じこめる」の各安全機能が正常に動作していたことを確認。

地震発生時に運転中のプラントは正常に自動停止するとともに、外部電源喪失後に非常用ディーゼル発電機は正常に起動し、機能していること
冷却機能についても、各原子炉の状態に応じた機器が作動し、正常に機能していること
津波の到来により、全交流電源を失った後に、バッテリー、配電盤等の電源系が被水・冠水したため、電源喪失期間が長期に渡り、深刻な状態に至ることとなったこと
 なお、地震が安全機能に関わる機器以外のどのような機器等に影響したかについては、今般の地震被害を正確に把握し、今後の安全規制に必要に応じて反映する観点から、更なる調査を引き続き実施することが重要である。 
・・

 分かりやすく言えば、福島第一は地震には耐えたのであり、何も問題はなかった、しかし地震の後に誰も予想できなかった大津波の襲来によって「事故」へと至った。だから、「事故」後の全国の原発の「緊急安全対策」としては津波対策だけで十分なのだ(しかし、実際上はきわめて不十分なそれ)、と保安院は言っているのである。 
 かくして、玄海原発4号機は、定期検査→「ストレステスト」に入る直前において、東日本大震災レベルの「複合災害」への「安全対策」を持たぬまま、再稼働が強行されたわけである。

⇒「福島第一原発は「止まった」か?」につづく

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福島第一原発2号機、核分裂の可能性 ホウ酸水を注入
 東京電力は2日未明、福島第一原発2号機の原子炉内で溶けた燃料が核分裂反応を起こしている疑いがあるとして、反応を抑えるためにホウ酸水を注入した。核分裂反応が連鎖的に続く臨界が局所的に起こった可能性もあるという。発電所周辺の放射線量の測定値に異常な変動はみられないという。状況によっては年内の事故収束を目指している工程表に影響する恐れがある。
 2号機では、放射性物質の放出を抑えるため、格納容器内の気体を浄化するガス管理システムが10月28日から稼働していた。東電によると、処理した気体を1日に調べた結果、放射性キセノン133、135とみられる放射性物質を検出した。ほかの物質が間違えて検出された可能性があるので、現在、研究機関で再評価をしている。

 放射性キセノンはガス状で、炉内で燃料のウランが核分裂する際にできる。放射性物質の量が半分になる半減期は、キセノン133が約5日、135が約9時間と短い。検出されたとすれば、事故直後のものとは考えにくく、今も溶けた燃料で核分裂反応が起きていることを示すものだ。
 これを受け、東電は2日午前2時48分から、原子炉を冷却するための水にホウ酸を混ぜて核分裂反応を抑える措置をとった。ただし、採取した気体からは核分裂でキセノンと一緒に生じる放射性ヨウ素は検出されなかった。また建屋周辺で核分裂の際に出る中性子線は検出限界以下だった。 (「と、東電は言っている」という話である。)(朝日)

危険大、伊方原発差し止め提訴へ 四国と広島の住民ら 
 日本最大級の断層帯・中央構造線に近い四国電力伊方原発(愛媛県伊方町)は大地震による事故の危険があるとして、四国4県と広島県の住民らの団体が1~3号機の運転差し止めを求める訴訟を松山地裁に起こすことが1日、訴訟関係者への取材で分かった。 3日に松山市で開く集会で訴訟参加を募り、12月上旬にも提訴する方針。
 伊方原発は、現在1、3号機が定期検査中で停止しており、2号機も来年1月に定検に入る見通し。四電は3号機の早期再稼働を目指している。 同原発をめぐっては、73年に住民らが全国初の原発訴訟として1号機原子炉の設置許可取り消しを求める訴訟を起こしたが敗訴。【共同通信】

保安院、東電に装備提供させる 防護服、線量計など
 東京電力福島第1原発事故が発生して以降、規制当局の経済産業省原子力安全・保安院が、現場の原子力保安検査官用の防護服や全面マスク、アラーム付きデジタル線量計といった被ばく対策装備を、すべて東電に無償で提供させていたことが2日、保安院関係者への取材で分かった。
 被ばく対策を含めた東電の事故対応を厳しくチェックする側の規制当局が、最低限の装備でさえ電力会社に依存していた形。保安院は10月、ようやくデジタル線量計30個を自力で調達したが、電力会社との癒着体質があらためて浮き彫りになった。【11/3 共同通信】