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11月20日、法政大学(市ヶ谷キャンパス)で、シンポジウム「日本の「国際協力」と人道的介入」を開催した。
主催者としては、休日の大学での企画、またこのような非常に「マイナー」なテーマにもかかわらず計40人ほどの参加を得て、成功裏に終了することができたと考えている。休日の午後の貴重な時間を割き参加していただいた方々に、改めて感謝の言葉を贈りたい。
成功裏に終えることができたと考えるのは、人数だけではない。理由の一つは、写真をみても理解していただけるように、法政大学だけでなく、他大学の学部・院生から年配の人々まで、またNGOのスタッフから大学研究者まで、多様な世代と立場の人々の参加を得たことである。
もう一つは、一部と二部のそれぞれの終わりに設けた質疑応答の時間に出た参加者からの質問・意見とパネリストそれぞれのそれらへの応答を通じて、シンポジウム全体の内容を深めることができたことである。パネリストの一人としては、非常に濃密な時間が持てたのではないかと思っている。
シンポジウムの雰囲気を伝えるために、参加者の皆さんにお願いしたアンケート(19人回答)結果と、感想の一部を紹介しておこう。
全体的評価としては、「とてもよかった」が13人、「よかった」が5人、「どちらともいえない」が1人と、おおむね好評だった。感想の中には、こんなものがあった。
・「重要なテーマについての問題提起ありがとうございました。NGOスタッフとしてしっかり受け止めることができました。私も含めて国際協力NGOのスタッフの中で、R2Pを知っている人がどれだけいるか、それ以前に国際政治、国際法の動きにどれだけ知識・関心を持って活動しているか、反省が必要だと思いました。
この状態をどう変えるか、急いで考えます」
・「研究者、NGOという包括的な視点で考えることができました。また、保護する責任(人道的介入)に対する批判は主流(国際関係)では聞くことができず、今回聞けてとてもよかったです」
・「言葉と実態の違いへのいら立ちと不快感を感じ続けていたので、今回のシンポジウムでずいぶんスッキリしました」
・「それぞれの話をしっかり結びつけていて、コーディネーターやパネリストの質の良さが目立った。
たくさんの事を学ばせてもらって助かりました」
・「この会に出席してよかったと思う。大分啓蒙していただいた」
私が行った発題、「「保護する責任」にNO!と言う責任」に引きつけ、上にある「保護する責任(人道的介入)に対する批判は主流(国際関係)では聞くことができず」という、ある意味では現役学生の「告発」とも解釈しうる感想について少し考えてみたい。「国際関係」のみでなく、たとえば「国際法」や「国際政治学」、あるいは「平和学」等々の分野においても、「主流」では「保護する責任(人道的介入)に対する批判は聞くことができず」、だからこそ「言葉と実態の違いへのいら立ちと不快感を感じ続け」なければならない学生や国際NGOのスタッフが増えている、と思うからである。
⇒「自衛隊は何をしに南スーダンに行くのか?(2)」と、
「〈リビア以後〉における「保護する責任」に関する発展的議論のために~「北朝鮮における『人道に対する罪』を止める国際NGO連合」をめぐって」につづく。