エネルギー基本計画」(素案)を読む(5)---「安定供給」・「完全自由化」という神話
⇒「エネルギー基本計画政府案の撤回を求める」声明(2/28)
・・・
先週の金曜(2月28日)、新「エネルギー基本計画」(政府原案)を巡り、自民党の合同会議が行った議論の中で、省エネなどの具体的な数値目標を明記すべきだとの意見が出された。
自民党の中には、「原発ゼロの会」をはじめ、原案そのものに反対する議員もいるが、総エネルギー供給に占める各電源の比率なき、つまり近未来の日本のエネルギー政策の具体的なビジョンなき政府原案に対しては、原発推進派の人々からの批判や疑問もかなり耳にする。
きわめてまっとうな意見だと思う。
こうした批判や疑問に対し、経産官僚や自民党内の原子力ムラ族議員たちは、「今回の計画では、原発についても数値目標は盛り込まれておらず、電源の構成割合の議論は行うべきではない」と答える。しかし、前回の「エネルギー基本計画」(素案)を読む(4)」において述べたように、「盛り込まれておらず」ではなく、「盛り込めない」のである。
だから、「行うべきではない」というより、「行えない」と言った方が正確である。
なぜか? 自民党は、「3・11」直後に自ら打ち出した「今後、10年をかけて、原発政策をどうするかを議論し、決める」という党の方針をなし崩し的に清算し、再稼働問題を含めた党としての原発政策の策定作業を放棄してしまったからである。 原発・再稼働・核燃サイクル絶対推進の安倍自公連立政権の与党自民党の中に、決して無視できない数の議員を擁する「原発ゼロの会」が「抵抗勢力」として存在するのは、こうした理由による。
自民党や公明党支持者はもとより、「原発をすぐにゼロにするのは無理だとしても、数十年をかけて原発への依存をなくしていくべき」と考える人々は非常に多い。原発支持者の中にも多いだろう。新「エネルギー基本計画」の政府原案は、脱原発派のみならず、こうした人々の期待や願いも踏みにじるものであることを確認しておくことが重要である。
・・
3/7
・エネ計画、与党作業チーム初会合 原発で主張に隔たり
政府が3月中の閣議決定を目指しているエネルギー基本計画に関する自民、公明両党の合同作業チームが7日、初会合を開き、原発の位置づけや再生可能エネルギーの取り扱いを議論した。
両党の公約に沿って意見を集約していくことで一致したが、公明党は昨年7月の参院選で将来的な原発ゼロを公約に掲げるなど、両党間の主張には隔たりがあり、調整が難航する可能性もある。 会合では、両党がそれぞれのエネルギー政策に関する公約を説明。公明党は、原発を新増設しないことや、再生エネルギーの数値目標を明記することを主張した。(共同)
↓
かねてより、ずっと不思議でならないのだが、公明党という政党はなぜ自民党と連立政権を組んでいるのだろう? いや、組めるのだろうか?
・・
要するに、安倍政権は、原発の「安全基準」と再稼働問題については原子力規制庁に丸投げし、新「エネルギー基本計画」原案については経産官僚に丸投げするかたちで、いわば政権としての政策策定の政治責任を放棄してしまったのである。
(⇒2012年2月7日 「原発再稼働における「政治主導」とは何か」)
その結果、今後、何が起こるのか?
原子力規制庁の「安全審査」なるもので「安全」と判断された停止中原発の、最高(最低?)60年間におよぶ存続と、既存電力企業が新規に建設申請し、規制庁が「安全」と審査した新原発の着工認可である。
「電力供給においては、地熱、一般水力(流れ込み式)、原子力、石炭といった安定して安価なベースロード電源と、需要動向に応じ出力を機動的に調整できる天然ガスなどのミドル電源、石油などのピーク電源を適切なバランスで確保するとともに、再生可能エネルギー等の分散電源も組み合わせていくことが重要である。」(電力需要に対応した電源構成の考え方。出典:経済産業省)
原子力規制庁というマシーン
もちろん、たとえば2020年、あるいは2030年段階で日本に存在する原発の数、エネルギー供給に占める原発の比率、また稼働率がどうなっているかは誰にもわからない。
しかし、理論的に言えば、現在の日本には原子力規制庁・委員会が「安全」と認めた原発の再稼働・新規建設を、政府が「政治判断」によって撤回する/させる法的な根拠は存在しない。ここが重要なのだ。
原子力規制庁・委員会は、政治的・社会的な「事象」のことはいっさい考慮にいれず、また原発政策に関する政府への「勧告」「提言」を行う法的権限もなく、ただただ機械的に提出された「申請」を受け付け、「安全審査」をくりかえす機構(マシーン)にすぎない。
そこでは、「過酷事故」が再び起こった際に、地域住民を守るきちんとした「避難計画」が策定されているか、体制が整っているかなどは、いっさい判断の埒外に置かれることなる。そして、ただ規制庁がいうところの原発の工学的な「安全審査」が行われるだけである。
なぜ、こんな規制庁を生み出してしまったのか?
私たちは、今後数十年をかけて、このような規制庁を生み出してしまった、「3・11」以後の民主党政権と自公連立政権の失政・失策のツケを、非常にリアルに、払わせ続けさせられることになるだろう。
⇒2012年7月20日 「原子力規制委員会の布陣」
⇒2012年3月22日 「原子力規制庁の正体」
⇒2011年8月16日 「原発推進機関としての「原子力安全庁」にNO!」
Ⅰ 「安定供給」・「完全自由化」という神話
本題に入ろう。
このシリーズの目的は、新「エネルギー基本計画」政府原案がこれまでの、既存の電力大手による電力生産・供給における「地域独占」体制を本当に解体するのか、言葉をかえると、この間、マスコミでもてはやされてきた電力の「完全自由化」を本当に実現するのかどうか、を考えることにある。
結論を先に言えば、すくなくとも、実態はマスコミで肯定的に評価され、キャンペーンされているものとは、かなりかけ離れたものになりそうだ。
以下では、それを考える手がかりとして、福島第一のメルト・ダウン→メルト・スルーを起こした原子炉の製造元、①GMの「再生エネルギー」市場への参入問題、
②東電をはじめとする既存電力大手や、グル―バル巨大資本のこの市場の参入拡大問題を取り上げてみたい。
ごく率直に言って、私たちはGMが福島第一の「事故」責任を何も負わず、何くわぬ顔で「風力」や「再生エネルギー」市場に参入することを、どこまで認めることができるだろう。
また、東電が、原発とともに、「再生エネルギー」への市場参入拡大をもって、「脱国有化」(?)をめざし、企業としての延命をはかることを、どこまで許容することができるだろう。
・・
・東電が柏崎刈羽再稼働へ“本腰” 原賠機構法改正案の閣議決定で
原子力損害賠償支援機構法改正案が閣議決定されたことを受け、東京電力は、国の支援で福島第1原発の汚染水問題を速やかに収束し、柏崎刈羽原発(新潟県)の再稼働に向けた“土台”作りを急ぐ。ただ、2月にも新たな汚染水漏れが発覚するなど廃炉作業には多くのハードルが待ち受けている。
「廃炉の支援体制を強化する」。茂木敏充経済産業相は28日の記者会見で法改正案の狙いをこう説明した。
原賠機構は「原子力損害賠償・廃炉等支援機構」に改組し、国の関与を強める。東電も4月に原子力部門から廃炉・汚染水対策を担う部門を社内分社化し、事故処理に集中できる態勢を整える。
経産省幹部は「原発事故処理の推進は、原子力政策への信頼を高める大前提」と強調する。東電と原賠機構は、国民の信頼を取り戻し、柏崎刈羽を再稼働できれば、損益を大幅に改善できると期待する。
しかし、福島第1では昨年8月に300トン、今年2月には100トンもの高濃度汚染水が漏れた。原子力規制委員会の田中俊一委員長は2月26日の記者会見で「原発を動かすのに見合う力量や安全文化がないと困る」と東電に苦言を呈した。
汚染水処理が軌道に乗っても、「廃炉は30~40年かかる難事業」(東電関係者)だ。このため、自民党内の一部からは、社内分社ではなく「完全分社化」や「独立行政法人化」を求める意見が今もくすぶる。将来的に東電の経営形態をめぐる議論が再燃する可能性がある。(産経)
・・
新「エネルギー基本計画」政府原案が描く、「計画」なきエネルギー政策の未来像は、相もかわらず原子力ムラと巨大グローバル企業中心のものであって、私たちのような「小口」の電力消費者の選択肢をより広げ、「地域単位の「エネルギーの自立と自治」をめざそうとするものではない。そこに問題の核心があるように思えるのである。
実は、この点に非常に関係する、しかも「電力消費者」にとってきわめて重要なことを、「総合資源エネルギー調査会 基本政策分科会 電力システム改革小委員会」の「第3回制度設計ワーキンググループ」(2013年10月21日)の席上、稲垣隆一委員(弁護士)が指摘している(32頁より)。
稲垣氏が以下に述べていることを、現在に至るも、何も具体的に「制度設計」されていないことを念頭に置きながら、読んで頂きたい。 要は、いったい誰のための新「エネルギー基本計画」であり、何のための「電力自由化」なのか、ということである。
・・
今までの資料を見ていると、・・・、送電と小売の当事者の課題については、それぞれの当事者の課題について議論されているんです。ところが、小売と需要家については、・・・、例えば価格設定とかについてなんですけれども、そういう小売側の課題は検討されているのですが、需要家側の課題については非常に検討が薄いんです。
これは需要家でも多様で、大口あるいは力を持った、つまり自分の利益を守るための力を持った大口需要者、それから高圧需要者についてはまた別途だと思うんですけれども、低圧の需要者については、いわゆる多くの分散した消費者ですが、これについては、特別なというか、格別にその利益を確保するための仕組み、それからそのための情報提供、それからそうした制度設計を行う体制と制度設計、そしてそれがきちんと行われていることを確認・確保するための制度が必要だと思うんです。
ところが、それについては今のところ、どこに位置づけるのか。
例えば、消費者は市場への直接参加とか、ネガワット取引とか、いろいろな形で消費者側からの発信の需要が上がっています。それから情報提供についても、消費者、需要家の承諾というところが挙がっていて、一定の主体的・能動的な選択によって活動するということが想定されているわけですけれども、一番大きいのは取引で小売事業者を選択することなんですが、
そこの課題の検討とか、その課題を集約する、あるいはその課題についてどういう課題があるのかをリードしていく、そうした活性化した消費者、需要家の活動をリードし、かつ把握し、自立を確保していく、そうした仕組みについて、これが必要だという認識が少し薄いように思います。
というわけで、これをまず体制としてどこで検討するのか。消費者庁に丸投げしてしまうのか。あるいは、この制度の中で議論する、それを広域系統運用機関の中にそうしたセクションを置くのか。市場においてはどうするのだと。
例えば、いずれにしてもそれは違うだろう、広域のところは送配電だろう、市場はB to Bだろう、市場参加需要家といっても大口だろうということが今のところの想定だろうと思うんですが、
一番大きなイノベーションというのは、低圧需要家のところで、それからそこでの電力の使い方、そうしたことによる情報を把握したいろいろなサービスの展開というところで起こると思うので、ぜひこれからその制度設計をする段階で、低圧の多様な需要家の自立を確保し支援する、そうした体制、それからルールづくり、情報提供を確保するための制度についても目を配っていただけたらと思うわけであります。
それから第2点なんですが、今度は情報絡みなんですけれども、・・・、エリアを越えたスイッチが阻害される可能性をいかに低減させるかというところで議論になっていて、情報提供がエリアごとに異なるといろいろな問題が出てくるということで、・・・、ここでも需要家情報のスイッチングに際しての情報提供、これについても消費者の選択というものをどう保護するのかという観点ももう一つ論点に挙げてほしいと思うんです。・・・。
従前のいわゆる消費者基本法の前の消費者保護というのは、国あるいは事業者が消費者の適切な利益をそんたくして図っていく。消費者基本保護法の後は、それぞれの消費者が自立的に発言し、能動的に活動するということを想定しているわけですけれども、もう随分時間がたっていますし、 これからの電力の自由化の中で一番大きな小売の自由化のところで、需要家の活発で能動的な活動があればこそ自由化のメリットが出てくるし、イノベーションも発生するということがあると思いますので、・・・、
むしろ積極的な消費者のニーズとか声といったもの、あるいはその情報をどこに提供するかとか、どういう事業者にどういう情報を提供する仕組みをどうつくらせるのかとか、そういう電力の制度全体に対する消費者の声をきちんと届けるというか行き渡らせるための仕組みという意味で、消費者の情報提供についての仕組みをきちんと配慮してほしいと思うわけであります。
それが一番如実にあらわれるというか、一番必要とされるところはスイッチング手続のところだということなので、今この41の6ページということでお願いしたいと思うわけであります。・・・。
もう一つは、需要家情報の活用について、新ビジネス創出に向けた情報の活用ということで、13ページです。それの論点の3について、各論なんですけれども、情報の集約・加工・提供等にかかる費用を誰がどのように負担するのかということを論点として検討していくということで、これはぜひきちんとやっていただきたいと思うわけであります。
そのときに配慮すべき事柄というのがあると思うので、ちょっと原則と例外というか、原則をはっきりさせておいてもらいたいと思います。その原則は、従前蓄積された需要家のデータというのは一体誰のものなのだということ、それから何ゆえに今その事業者が持っているのかという背景を把握した上で、これは今回の改革のときに送配電施設についてはインフラと位置づけているわけですが、この情報データ自体はやはり自由化のためのインフラそのものなんだと。
この情報がなければ、新しい小売の参入とか自由化された市場というのは実現できないといった認識にきちんと立ってもらいたいということであります。
要するに、従前の流れ、今現在までの状況と今後の社会があるわけですけれども、自由化された社会に移行するためには、現在事業者が持っている需要家情報というものを改革後の事業者にも全部行き渡らせた上で初めて自由な競争環境が構築できるわけです。 具体的に言うと、新事業者が店開きをしてくれなければ、自由化というのは実現できないんです。選手がスタートラインに並んでこそ初めて徒競走が行われるということです。
問題は、選手が徒競走のスタートラインに並ぶためには、あるいは店開きするためには、どこにどういうビジネスを企画し、どう参入していくのかというところまでの投資計画をするに足りるだけの、あるいは従前事業者と同じ程度でいいわけですけれども、そうした事業を行うための前提の基盤がつくられていなければ、これは自由化にはならない。 そのためには、送配電施設についてはそういう議論がなされた。あとは過去の需要家から吸い上げたデータだと思うんです。
過去の需要家のデータは、・・・、過去の独占体制があればこそそこに集約できたわけだから、その考え方も含めて、それはもとに戻して、今後の自由化を決める以上は、一旦市場の中に投げ込んで、みんなで使えるということを前提にすべきだと思うんです。
それなしにこの情報の提供にかかる費用負担のあり方というものを考えられると、これはスタートラインに並ぶのに金を払えるやつでなければ並べないということなので、本来の考え方と違うと思うんです。そういうことで、ぜひその辺はご検討いただきたいと思います。
・・
(つづく)
【参考資料】
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・GE、風力で日本再参入 日立や東芝と競争激化
【ニューヨーク=小川義也】 風力発電機世界最大手の米ゼネラル・エレクトリック(GE)は日本市場に再参入する。再生可能エネルギーの固定価格買い取り制度を背景に安定した需要が見込めるためで、日本の事情に合わせた高性能の機器を新たに開発。今春から販売を始める。他の外資も存在感を高めており、日本メーカーとの競争が激しくなりそうだ。
世界的な重電機器大手のGEは2002年に、破綻した米エネルギー大手エンロンから事業を買収して風力発電機市場に参入。米ブルームバーグ・ニュー・エナジー・ファイナンスによると12年の世界シェアは11.8%でデンマークのヴェスタスと並ぶ首位となっている。
日本からは採算悪化などで07年ごろにいったん撤退した。ただそれまでに約300基を販売、サービス網も維持しており、1年半ほど前から再参入を検討していた。
日本向けには出力が2850キロワット、風車の直径が103メートルと同社の従来製品より大きい新型の発電機を開発した。1基で2000世帯分の電力を供給できる能力がある。日本の法規制に準拠し台風や落雷などへの対策を強化したほか、発電機同士をネットワークでつないで細かく制御、5%出力を向上させるという。(2/25 日経電子版)
・日本の風力発電は“今がチャンス” GE、再参入のねらいとは
風力発電機大手の米ゼネラル・エレクトリック(GE)は26日、日本向けの風力発電タービン2.85-103(定格出力2.85MW、ブレード直径103m)を発表した。日本特有の乱流や台風、落雷を考慮した設計で、日本の法規に準拠するという。
東京で開催中の「Wind Expo 2014(国際風力発電展)」で、GEパワーウォーター、再生可能エネルギー部門のアン・マッケンティ社長兼CEOが概要を説明した。
同氏によると、「日本の総合エネルギーの多様性が鍵となる」という。福島第一原発事故後、原子力にかわり天然ガスや石炭の需要が伸びたとしつつ、「燃料不要で二酸化炭素を排出しない、再生可能エネルギー分野で可能性がある」と語った。
【FIT制度導入も、再生可能エネルギーのうち風力はわずか1.1%】
GEは2007年、事業悪化のため日本から撤退。今回、再生可能エネルギーの固定価格買取価格(FIT)を背景に安定した需要を見込み、7年ぶりに再参入したとウインドパワー・マンスリー誌は報じた。
2012年7月のFIT制度導入以降、新規投資はほとんどない一方、太陽光発電が急成長している。GEの日本への新規投資は「機が熟した」との考えだとブルームバーグは報じた。日本メディアは、早ければ今春から販売を始めると報じている。
ブルームバーグは、中国やアメリカと比べて日本は風力発電設備がおくれていると指摘。世界風力エネルギー協会によると、2013年末で中国の風力発電設置容量は日本の34倍だという。
経済産業省のデータによると、FIT制度開始以降、新たに発電した再生可能エネルギーのうち、太陽光は97%、風力はわずか1.1%だという。
【風力タービン修理の世界的イノベーションラボを開設】
なおGEは世界に2万3000基の風力発電タービンを設置しており、その維持・修理のため1100人の技術者を現場に配置している。ただ、空中数百フィートの風力タービンのギアボックスの修理は簡単ではない。クレーンを借りると、実に高価で時間がかかる。
そこでGEは約50万ドルを投資し、現場修理をより効率的かつ安全に行うため、アルバニーに風力タービン修理のイノベーションラボを開設したとタイムズ・ユニオン紙は報じた。違うメーカーのさまざまなギアボックスをそろえ、エンジニアらにいろいろなパーツになれる機会を提供するという。
目標は、風力タービンのライフサイクルコストを削減し、他の電力源より多くの電力をつくること。3D印刷などによるパーツ交換のプロトタイプの試験もしているという。
GEウィンド・サービシズのグローバルセールスマネジャー、ジェフ・ウィーナー氏は、「クレーンを使わず修理できれば、全体コストは半分に削減する」と期待を語っているという。(http://newsphere.jp/business/20140227-5/)
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3/4
・日立システムズと東電、エネルギー業界向けのICT新会社を設立
株式会社日立製作所(以下、日立)、株式会社日立システムズ、東京電力株式会社(以下、東電)の戦略的業務提携に基づき、株式会社テプコシステムズから新設分割された「株式会社日立システムズパワーサービス」が3日、発足した。
日立グループは、社会イノベーション事業を強化するとともに、成長戦略の柱としてサービス事業の拡大を進めている。日立システムズは、情報・通信システム事業の中核を担うグループ会社として、あらゆる業種の顧客へ情報システムサービスを提供。同時に、電力業界を含む社会インフラ分野向けの事業強化を図っており、今回の日立システムズパワーサービスを中核に、今後さらなる事業拡大を目指すとしている。
新会社は、資本金1億円。出資比率は、日立システムズが51.0%、東電が33.4%、日立が15.6%。従業員数は723名。システム開発・保守、システム運用、カスタマーサービス業務、東電グループ情報ネットワーク業務、コンピューターソフトの販売などを事業内容とする。
→プレスリリース http://www.hitachi- systems.com/news/2014/20140303.html (CW 川島弘之)
・東電、マンション向け電力供給事業に参入へ 東京電力が今春にも、マンション向け電力を割安で供給する事業への参入を検討していることが(2月)26日、分かった。マンション管理会社や管理組合が電気を大量の電気を一括で買い、各世帯に配る仕組みで、価格を通常より5%程度安くできる。同種のマンション向け割安供給事業は大手以外が手がけて人気を集めており、東電は事業参入で顧客離れを防ぎたい考えだ。
●東京電力 「安定供給を支える電力設備 再生可能エネルギーについて」
●東京電力 「太陽光発電(メガソーラー)」
・JXエネ、発電能力を3倍に拡大 自由化にらみ異業種最大級
石油元売り最大手のJX日鉱日石エネルギーが、発電能力を2030年までに現在の3倍に当たる400万キロワットに拡大する検討を始めたことが27日、分かった。
20年度に300万~500万キロワットの発電能力を目指す東京ガスと並び、異業種の発電能力としては国内最大級となる。
政府の電力改革により、16年をめどに家庭向け電力小売りが自由化され、発電や小売り部門で大手電力と異業種の新規参入者の間で競争が進む見込み。JXエネはこれをにらみ、4月に「電気事業部」を創設してビジネス戦略を練る。ガソリン需要の減少を背景に「総合エネルギー企業」への脱皮を模索中。 (2/27 長崎新聞)
・三菱電機、福島県のメガソーラー設備工事を受注
三菱電機は(2月)24日、三菱商事が福島県いわき市で推進するメガソーラー発電事業の「小名浜太陽光プロジェクト」向けに合計18.4メガワット(MW)の太陽光発電設備工事を受注したと発表した。
同社によると、発電設備の設置場所は日本化成の小名浜工場敷地内と、小名浜石油の敷地内の2カ所。小名浜工場には12.19メガワットの設備を設置し、2014年8月に営業運転を開始する予定。小名浜石油には6.18メガワットのの発電設備を設置し、2015年3月に営業運転を開始する予定。
同社は、重電メーカーとして培ってきた技術を活用し、メガソーラー発電所の設計・製造・建設・維持管理などの総合的なサービスを提供している。メガソーラー発電設備の主要設備である太陽電池モジュールについては、太陽電池モジュールの信頼性保証体制の認証「JIS)Q 8901」を取得している。
【参考サイト】
●会津自然エネルギー機構
⇒「「エネルギー基本計画」(素案)を読む(4)」
⇒「「エネルギー基本計画」(素案)を読む(3)」
⇒「「エネルギー基本計画」(素案)を読む(2)」
⇒「「エネルギー基本計画」(素案)を読む (1)」
⇒「エネルギー基本計画政府案の撤回を求める」声明(2/28)
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先週の金曜(2月28日)、新「エネルギー基本計画」(政府原案)を巡り、自民党の合同会議が行った議論の中で、省エネなどの具体的な数値目標を明記すべきだとの意見が出された。
自民党の中には、「原発ゼロの会」をはじめ、原案そのものに反対する議員もいるが、総エネルギー供給に占める各電源の比率なき、つまり近未来の日本のエネルギー政策の具体的なビジョンなき政府原案に対しては、原発推進派の人々からの批判や疑問もかなり耳にする。
きわめてまっとうな意見だと思う。
こうした批判や疑問に対し、経産官僚や自民党内の原子力ムラ族議員たちは、「今回の計画では、原発についても数値目標は盛り込まれておらず、電源の構成割合の議論は行うべきではない」と答える。しかし、前回の「エネルギー基本計画」(素案)を読む(4)」において述べたように、「盛り込まれておらず」ではなく、「盛り込めない」のである。
だから、「行うべきではない」というより、「行えない」と言った方が正確である。
なぜか? 自民党は、「3・11」直後に自ら打ち出した「今後、10年をかけて、原発政策をどうするかを議論し、決める」という党の方針をなし崩し的に清算し、再稼働問題を含めた党としての原発政策の策定作業を放棄してしまったからである。 原発・再稼働・核燃サイクル絶対推進の安倍自公連立政権の与党自民党の中に、決して無視できない数の議員を擁する「原発ゼロの会」が「抵抗勢力」として存在するのは、こうした理由による。
自民党や公明党支持者はもとより、「原発をすぐにゼロにするのは無理だとしても、数十年をかけて原発への依存をなくしていくべき」と考える人々は非常に多い。原発支持者の中にも多いだろう。新「エネルギー基本計画」の政府原案は、脱原発派のみならず、こうした人々の期待や願いも踏みにじるものであることを確認しておくことが重要である。
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・エネ計画、与党作業チーム初会合 原発で主張に隔たり
政府が3月中の閣議決定を目指しているエネルギー基本計画に関する自民、公明両党の合同作業チームが7日、初会合を開き、原発の位置づけや再生可能エネルギーの取り扱いを議論した。
両党の公約に沿って意見を集約していくことで一致したが、公明党は昨年7月の参院選で将来的な原発ゼロを公約に掲げるなど、両党間の主張には隔たりがあり、調整が難航する可能性もある。 会合では、両党がそれぞれのエネルギー政策に関する公約を説明。公明党は、原発を新増設しないことや、再生エネルギーの数値目標を明記することを主張した。(共同)
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かねてより、ずっと不思議でならないのだが、公明党という政党はなぜ自民党と連立政権を組んでいるのだろう? いや、組めるのだろうか?
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要するに、安倍政権は、原発の「安全基準」と再稼働問題については原子力規制庁に丸投げし、新「エネルギー基本計画」原案については経産官僚に丸投げするかたちで、いわば政権としての政策策定の政治責任を放棄してしまったのである。
(⇒2012年2月7日 「原発再稼働における「政治主導」とは何か」)
その結果、今後、何が起こるのか?
原子力規制庁の「安全審査」なるもので「安全」と判断された停止中原発の、最高(最低?)60年間におよぶ存続と、既存電力企業が新規に建設申請し、規制庁が「安全」と審査した新原発の着工認可である。
「電力供給においては、地熱、一般水力(流れ込み式)、原子力、石炭といった安定して安価なベースロード電源と、需要動向に応じ出力を機動的に調整できる天然ガスなどのミドル電源、石油などのピーク電源を適切なバランスで確保するとともに、再生可能エネルギー等の分散電源も組み合わせていくことが重要である。」(電力需要に対応した電源構成の考え方。出典:経済産業省)
原子力規制庁というマシーン
もちろん、たとえば2020年、あるいは2030年段階で日本に存在する原発の数、エネルギー供給に占める原発の比率、また稼働率がどうなっているかは誰にもわからない。
しかし、理論的に言えば、現在の日本には原子力規制庁・委員会が「安全」と認めた原発の再稼働・新規建設を、政府が「政治判断」によって撤回する/させる法的な根拠は存在しない。ここが重要なのだ。
原子力規制庁・委員会は、政治的・社会的な「事象」のことはいっさい考慮にいれず、また原発政策に関する政府への「勧告」「提言」を行う法的権限もなく、ただただ機械的に提出された「申請」を受け付け、「安全審査」をくりかえす機構(マシーン)にすぎない。
そこでは、「過酷事故」が再び起こった際に、地域住民を守るきちんとした「避難計画」が策定されているか、体制が整っているかなどは、いっさい判断の埒外に置かれることなる。そして、ただ規制庁がいうところの原発の工学的な「安全審査」が行われるだけである。
なぜ、こんな規制庁を生み出してしまったのか?
私たちは、今後数十年をかけて、このような規制庁を生み出してしまった、「3・11」以後の民主党政権と自公連立政権の失政・失策のツケを、非常にリアルに、払わせ続けさせられることになるだろう。
⇒2012年7月20日 「原子力規制委員会の布陣」
⇒2012年3月22日 「原子力規制庁の正体」
⇒2011年8月16日 「原発推進機関としての「原子力安全庁」にNO!」
Ⅰ 「安定供給」・「完全自由化」という神話
本題に入ろう。
このシリーズの目的は、新「エネルギー基本計画」政府原案がこれまでの、既存の電力大手による電力生産・供給における「地域独占」体制を本当に解体するのか、言葉をかえると、この間、マスコミでもてはやされてきた電力の「完全自由化」を本当に実現するのかどうか、を考えることにある。
結論を先に言えば、すくなくとも、実態はマスコミで肯定的に評価され、キャンペーンされているものとは、かなりかけ離れたものになりそうだ。
以下では、それを考える手がかりとして、福島第一のメルト・ダウン→メルト・スルーを起こした原子炉の製造元、①GMの「再生エネルギー」市場への参入問題、
②東電をはじめとする既存電力大手や、グル―バル巨大資本のこの市場の参入拡大問題を取り上げてみたい。
ごく率直に言って、私たちはGMが福島第一の「事故」責任を何も負わず、何くわぬ顔で「風力」や「再生エネルギー」市場に参入することを、どこまで認めることができるだろう。
また、東電が、原発とともに、「再生エネルギー」への市場参入拡大をもって、「脱国有化」(?)をめざし、企業としての延命をはかることを、どこまで許容することができるだろう。
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・東電が柏崎刈羽再稼働へ“本腰” 原賠機構法改正案の閣議決定で
原子力損害賠償支援機構法改正案が閣議決定されたことを受け、東京電力は、国の支援で福島第1原発の汚染水問題を速やかに収束し、柏崎刈羽原発(新潟県)の再稼働に向けた“土台”作りを急ぐ。ただ、2月にも新たな汚染水漏れが発覚するなど廃炉作業には多くのハードルが待ち受けている。
「廃炉の支援体制を強化する」。茂木敏充経済産業相は28日の記者会見で法改正案の狙いをこう説明した。
原賠機構は「原子力損害賠償・廃炉等支援機構」に改組し、国の関与を強める。東電も4月に原子力部門から廃炉・汚染水対策を担う部門を社内分社化し、事故処理に集中できる態勢を整える。
経産省幹部は「原発事故処理の推進は、原子力政策への信頼を高める大前提」と強調する。東電と原賠機構は、国民の信頼を取り戻し、柏崎刈羽を再稼働できれば、損益を大幅に改善できると期待する。
しかし、福島第1では昨年8月に300トン、今年2月には100トンもの高濃度汚染水が漏れた。原子力規制委員会の田中俊一委員長は2月26日の記者会見で「原発を動かすのに見合う力量や安全文化がないと困る」と東電に苦言を呈した。
汚染水処理が軌道に乗っても、「廃炉は30~40年かかる難事業」(東電関係者)だ。このため、自民党内の一部からは、社内分社ではなく「完全分社化」や「独立行政法人化」を求める意見が今もくすぶる。将来的に東電の経営形態をめぐる議論が再燃する可能性がある。(産経)
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新「エネルギー基本計画」政府原案が描く、「計画」なきエネルギー政策の未来像は、相もかわらず原子力ムラと巨大グローバル企業中心のものであって、私たちのような「小口」の電力消費者の選択肢をより広げ、「地域単位の「エネルギーの自立と自治」をめざそうとするものではない。そこに問題の核心があるように思えるのである。
実は、この点に非常に関係する、しかも「電力消費者」にとってきわめて重要なことを、「総合資源エネルギー調査会 基本政策分科会 電力システム改革小委員会」の「第3回制度設計ワーキンググループ」(2013年10月21日)の席上、稲垣隆一委員(弁護士)が指摘している(32頁より)。
稲垣氏が以下に述べていることを、現在に至るも、何も具体的に「制度設計」されていないことを念頭に置きながら、読んで頂きたい。 要は、いったい誰のための新「エネルギー基本計画」であり、何のための「電力自由化」なのか、ということである。
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今までの資料を見ていると、・・・、送電と小売の当事者の課題については、それぞれの当事者の課題について議論されているんです。ところが、小売と需要家については、・・・、例えば価格設定とかについてなんですけれども、そういう小売側の課題は検討されているのですが、需要家側の課題については非常に検討が薄いんです。
これは需要家でも多様で、大口あるいは力を持った、つまり自分の利益を守るための力を持った大口需要者、それから高圧需要者についてはまた別途だと思うんですけれども、低圧の需要者については、いわゆる多くの分散した消費者ですが、これについては、特別なというか、格別にその利益を確保するための仕組み、それからそのための情報提供、それからそうした制度設計を行う体制と制度設計、そしてそれがきちんと行われていることを確認・確保するための制度が必要だと思うんです。
ところが、それについては今のところ、どこに位置づけるのか。
例えば、消費者は市場への直接参加とか、ネガワット取引とか、いろいろな形で消費者側からの発信の需要が上がっています。それから情報提供についても、消費者、需要家の承諾というところが挙がっていて、一定の主体的・能動的な選択によって活動するということが想定されているわけですけれども、一番大きいのは取引で小売事業者を選択することなんですが、
そこの課題の検討とか、その課題を集約する、あるいはその課題についてどういう課題があるのかをリードしていく、そうした活性化した消費者、需要家の活動をリードし、かつ把握し、自立を確保していく、そうした仕組みについて、これが必要だという認識が少し薄いように思います。
というわけで、これをまず体制としてどこで検討するのか。消費者庁に丸投げしてしまうのか。あるいは、この制度の中で議論する、それを広域系統運用機関の中にそうしたセクションを置くのか。市場においてはどうするのだと。
例えば、いずれにしてもそれは違うだろう、広域のところは送配電だろう、市場はB to Bだろう、市場参加需要家といっても大口だろうということが今のところの想定だろうと思うんですが、
一番大きなイノベーションというのは、低圧需要家のところで、それからそこでの電力の使い方、そうしたことによる情報を把握したいろいろなサービスの展開というところで起こると思うので、ぜひこれからその制度設計をする段階で、低圧の多様な需要家の自立を確保し支援する、そうした体制、それからルールづくり、情報提供を確保するための制度についても目を配っていただけたらと思うわけであります。
それから第2点なんですが、今度は情報絡みなんですけれども、・・・、エリアを越えたスイッチが阻害される可能性をいかに低減させるかというところで議論になっていて、情報提供がエリアごとに異なるといろいろな問題が出てくるということで、・・・、ここでも需要家情報のスイッチングに際しての情報提供、これについても消費者の選択というものをどう保護するのかという観点ももう一つ論点に挙げてほしいと思うんです。・・・。
従前のいわゆる消費者基本法の前の消費者保護というのは、国あるいは事業者が消費者の適切な利益をそんたくして図っていく。消費者基本保護法の後は、それぞれの消費者が自立的に発言し、能動的に活動するということを想定しているわけですけれども、もう随分時間がたっていますし、 これからの電力の自由化の中で一番大きな小売の自由化のところで、需要家の活発で能動的な活動があればこそ自由化のメリットが出てくるし、イノベーションも発生するということがあると思いますので、・・・、
むしろ積極的な消費者のニーズとか声といったもの、あるいはその情報をどこに提供するかとか、どういう事業者にどういう情報を提供する仕組みをどうつくらせるのかとか、そういう電力の制度全体に対する消費者の声をきちんと届けるというか行き渡らせるための仕組みという意味で、消費者の情報提供についての仕組みをきちんと配慮してほしいと思うわけであります。
それが一番如実にあらわれるというか、一番必要とされるところはスイッチング手続のところだということなので、今この41の6ページということでお願いしたいと思うわけであります。・・・。
もう一つは、需要家情報の活用について、新ビジネス創出に向けた情報の活用ということで、13ページです。それの論点の3について、各論なんですけれども、情報の集約・加工・提供等にかかる費用を誰がどのように負担するのかということを論点として検討していくということで、これはぜひきちんとやっていただきたいと思うわけであります。
そのときに配慮すべき事柄というのがあると思うので、ちょっと原則と例外というか、原則をはっきりさせておいてもらいたいと思います。その原則は、従前蓄積された需要家のデータというのは一体誰のものなのだということ、それから何ゆえに今その事業者が持っているのかという背景を把握した上で、これは今回の改革のときに送配電施設についてはインフラと位置づけているわけですが、この情報データ自体はやはり自由化のためのインフラそのものなんだと。
この情報がなければ、新しい小売の参入とか自由化された市場というのは実現できないといった認識にきちんと立ってもらいたいということであります。
要するに、従前の流れ、今現在までの状況と今後の社会があるわけですけれども、自由化された社会に移行するためには、現在事業者が持っている需要家情報というものを改革後の事業者にも全部行き渡らせた上で初めて自由な競争環境が構築できるわけです。 具体的に言うと、新事業者が店開きをしてくれなければ、自由化というのは実現できないんです。選手がスタートラインに並んでこそ初めて徒競走が行われるということです。
問題は、選手が徒競走のスタートラインに並ぶためには、あるいは店開きするためには、どこにどういうビジネスを企画し、どう参入していくのかというところまでの投資計画をするに足りるだけの、あるいは従前事業者と同じ程度でいいわけですけれども、そうした事業を行うための前提の基盤がつくられていなければ、これは自由化にはならない。 そのためには、送配電施設についてはそういう議論がなされた。あとは過去の需要家から吸い上げたデータだと思うんです。
過去の需要家のデータは、・・・、過去の独占体制があればこそそこに集約できたわけだから、その考え方も含めて、それはもとに戻して、今後の自由化を決める以上は、一旦市場の中に投げ込んで、みんなで使えるということを前提にすべきだと思うんです。
それなしにこの情報の提供にかかる費用負担のあり方というものを考えられると、これはスタートラインに並ぶのに金を払えるやつでなければ並べないということなので、本来の考え方と違うと思うんです。そういうことで、ぜひその辺はご検討いただきたいと思います。
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(つづく)
【参考資料】
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・GE、風力で日本再参入 日立や東芝と競争激化
【ニューヨーク=小川義也】 風力発電機世界最大手の米ゼネラル・エレクトリック(GE)は日本市場に再参入する。再生可能エネルギーの固定価格買い取り制度を背景に安定した需要が見込めるためで、日本の事情に合わせた高性能の機器を新たに開発。今春から販売を始める。他の外資も存在感を高めており、日本メーカーとの競争が激しくなりそうだ。
世界的な重電機器大手のGEは2002年に、破綻した米エネルギー大手エンロンから事業を買収して風力発電機市場に参入。米ブルームバーグ・ニュー・エナジー・ファイナンスによると12年の世界シェアは11.8%でデンマークのヴェスタスと並ぶ首位となっている。
日本からは採算悪化などで07年ごろにいったん撤退した。ただそれまでに約300基を販売、サービス網も維持しており、1年半ほど前から再参入を検討していた。
日本向けには出力が2850キロワット、風車の直径が103メートルと同社の従来製品より大きい新型の発電機を開発した。1基で2000世帯分の電力を供給できる能力がある。日本の法規制に準拠し台風や落雷などへの対策を強化したほか、発電機同士をネットワークでつないで細かく制御、5%出力を向上させるという。(2/25 日経電子版)
・日本の風力発電は“今がチャンス” GE、再参入のねらいとは
風力発電機大手の米ゼネラル・エレクトリック(GE)は26日、日本向けの風力発電タービン2.85-103(定格出力2.85MW、ブレード直径103m)を発表した。日本特有の乱流や台風、落雷を考慮した設計で、日本の法規に準拠するという。
東京で開催中の「Wind Expo 2014(国際風力発電展)」で、GEパワーウォーター、再生可能エネルギー部門のアン・マッケンティ社長兼CEOが概要を説明した。
同氏によると、「日本の総合エネルギーの多様性が鍵となる」という。福島第一原発事故後、原子力にかわり天然ガスや石炭の需要が伸びたとしつつ、「燃料不要で二酸化炭素を排出しない、再生可能エネルギー分野で可能性がある」と語った。
【FIT制度導入も、再生可能エネルギーのうち風力はわずか1.1%】
GEは2007年、事業悪化のため日本から撤退。今回、再生可能エネルギーの固定価格買取価格(FIT)を背景に安定した需要を見込み、7年ぶりに再参入したとウインドパワー・マンスリー誌は報じた。
2012年7月のFIT制度導入以降、新規投資はほとんどない一方、太陽光発電が急成長している。GEの日本への新規投資は「機が熟した」との考えだとブルームバーグは報じた。日本メディアは、早ければ今春から販売を始めると報じている。
ブルームバーグは、中国やアメリカと比べて日本は風力発電設備がおくれていると指摘。世界風力エネルギー協会によると、2013年末で中国の風力発電設置容量は日本の34倍だという。
経済産業省のデータによると、FIT制度開始以降、新たに発電した再生可能エネルギーのうち、太陽光は97%、風力はわずか1.1%だという。
【風力タービン修理の世界的イノベーションラボを開設】
なおGEは世界に2万3000基の風力発電タービンを設置しており、その維持・修理のため1100人の技術者を現場に配置している。ただ、空中数百フィートの風力タービンのギアボックスの修理は簡単ではない。クレーンを借りると、実に高価で時間がかかる。
そこでGEは約50万ドルを投資し、現場修理をより効率的かつ安全に行うため、アルバニーに風力タービン修理のイノベーションラボを開設したとタイムズ・ユニオン紙は報じた。違うメーカーのさまざまなギアボックスをそろえ、エンジニアらにいろいろなパーツになれる機会を提供するという。
目標は、風力タービンのライフサイクルコストを削減し、他の電力源より多くの電力をつくること。3D印刷などによるパーツ交換のプロトタイプの試験もしているという。
GEウィンド・サービシズのグローバルセールスマネジャー、ジェフ・ウィーナー氏は、「クレーンを使わず修理できれば、全体コストは半分に削減する」と期待を語っているという。(http://newsphere.jp/business/20140227-5/)
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・日立システムズと東電、エネルギー業界向けのICT新会社を設立
株式会社日立製作所(以下、日立)、株式会社日立システムズ、東京電力株式会社(以下、東電)の戦略的業務提携に基づき、株式会社テプコシステムズから新設分割された「株式会社日立システムズパワーサービス」が3日、発足した。
日立グループは、社会イノベーション事業を強化するとともに、成長戦略の柱としてサービス事業の拡大を進めている。日立システムズは、情報・通信システム事業の中核を担うグループ会社として、あらゆる業種の顧客へ情報システムサービスを提供。同時に、電力業界を含む社会インフラ分野向けの事業強化を図っており、今回の日立システムズパワーサービスを中核に、今後さらなる事業拡大を目指すとしている。
新会社は、資本金1億円。出資比率は、日立システムズが51.0%、東電が33.4%、日立が15.6%。従業員数は723名。システム開発・保守、システム運用、カスタマーサービス業務、東電グループ情報ネットワーク業務、コンピューターソフトの販売などを事業内容とする。
・東電、マンション向け電力供給事業に参入へ 東京電力が今春にも、マンション向け電力を割安で供給する事業への参入を検討していることが(2月)26日、分かった。マンション管理会社や管理組合が電気を大量の電気を一括で買い、各世帯に配る仕組みで、価格を通常より5%程度安くできる。同種のマンション向け割安供給事業は大手以外が手がけて人気を集めており、東電は事業参入で顧客離れを防ぎたい考えだ。
一般的なマンションは、各戸が電力会社と個別に契約を結び、電気を購入している。だが、マンション単位で契約を結べば、商業ビルや大規模事務所などと同様に高圧で大量の電気を購入できるため、単価が抑えられるという。
割安供給事業をめぐっては、三菱商事などが出資する中央電力、NTTファシリティーズ、長谷工グループなどが相次いで参入。東電が2012年9月に家庭向け料金を平均8・46%値上げしたことも影響し、東電管内のマンション向けの割安供給は10万戸規模にまで市場を拡大している。
東電は、まず既存のマンション向けに割安供給を開始。将来的には、新築にまで対象を広げることなどを視野に今後、具体策を詰める。(産経)
・・割安供給事業をめぐっては、三菱商事などが出資する中央電力、NTTファシリティーズ、長谷工グループなどが相次いで参入。東電が2012年9月に家庭向け料金を平均8・46%値上げしたことも影響し、東電管内のマンション向けの割安供給は10万戸規模にまで市場を拡大している。
東電は、まず既存のマンション向けに割安供給を開始。将来的には、新築にまで対象を広げることなどを視野に今後、具体策を詰める。(産経)
●東京電力 「安定供給を支える電力設備 再生可能エネルギーについて」
●東京電力 「太陽光発電(メガソーラー)」
・JXエネ、発電能力を3倍に拡大 自由化にらみ異業種最大級
石油元売り最大手のJX日鉱日石エネルギーが、発電能力を2030年までに現在の3倍に当たる400万キロワットに拡大する検討を始めたことが27日、分かった。
20年度に300万~500万キロワットの発電能力を目指す東京ガスと並び、異業種の発電能力としては国内最大級となる。
政府の電力改革により、16年をめどに家庭向け電力小売りが自由化され、発電や小売り部門で大手電力と異業種の新規参入者の間で競争が進む見込み。JXエネはこれをにらみ、4月に「電気事業部」を創設してビジネス戦略を練る。ガソリン需要の減少を背景に「総合エネルギー企業」への脱皮を模索中。 (2/27 長崎新聞)
・三菱電機、福島県のメガソーラー設備工事を受注
三菱電機は(2月)24日、三菱商事が福島県いわき市で推進するメガソーラー発電事業の「小名浜太陽光プロジェクト」向けに合計18.4メガワット(MW)の太陽光発電設備工事を受注したと発表した。
同社によると、発電設備の設置場所は日本化成の小名浜工場敷地内と、小名浜石油の敷地内の2カ所。小名浜工場には12.19メガワットの設備を設置し、2014年8月に営業運転を開始する予定。小名浜石油には6.18メガワットのの発電設備を設置し、2015年3月に営業運転を開始する予定。
同社は、重電メーカーとして培ってきた技術を活用し、メガソーラー発電所の設計・製造・建設・維持管理などの総合的なサービスを提供している。メガソーラー発電設備の主要設備である太陽電池モジュールについては、太陽電池モジュールの信頼性保証体制の認証「JIS)Q 8901」を取得している。
【参考サイト】
●会津自然エネルギー機構
⇒「「エネルギー基本計画」(素案)を読む(4)」
⇒「「エネルギー基本計画」(素案)を読む(3)」
⇒「「エネルギー基本計画」(素案)を読む(2)」
⇒「「エネルギー基本計画」(素案)を読む (1)」