2014年3月2日日曜日

【アナンド・グローバー氏来日シンポジウム】 国連人権理事会グローバー勧告を受けて(3/20)

【アナンド・グローバー氏来日シンポジウム】
国連人権理事会グローバー勧告を受けて
~福島原発事故後の「健康の権利」の現状と課題 (3/20)

福島第一原発事故から3年が経過しようとする今も、政府による原発災害被害者への対応は大きな課題を残したままです。国連「健康の権利」特別報告者のアナンド・グローバー氏は2012年11月、福島原発事故後の人権状況について事実調査を実施、昨年5月に国連に調査報告書を提出、年間追加被ばく線量1ミリシーベルトを基準とする住民保護の施策など、人権を中心におく重要な勧告を提起しました。

しかし、政府はこの勧告に耳を貸すことなく、低線量被ばくによる健康被害を軽視し、公衆の被ばく限度、健康調査、住民参加、情報公開などについて、従前の政策をいずれも改めていません。周辺住民に対する健康調査のあり方についても、2012年に成立した「原発事故子ども被災者支援法」の実施についても、住民の切実な声や願いは政策に反映されていません。

こうしたなか、国連「健康の権利」特別報告者のアナンド・グローバー氏が多忙にも関わらず、再度日本に来日します。この機会に、グローバー氏に勧告の内容と意義について講演いただき、第一線の専門家、当事者の方を交えて、今後の課題を議論します。

是非今回出された勧告をわたしたち一人ひとりの人権、健康に生きる権利と関連づけて学び、今後に生かしたいと思います。多くの方のご参加をお待ちしております。
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●日 時/2014年3月20日(木) 18時から21時(開場17時30分)
●会 場/明治学院大学白金校舎 3号館3101教室
●主 催/特定非営利活動法人ヒューマンライツ・ナウ(HRN)

【共催】 明治学院大学国際平和研究所(PRIME)・CNRS(フランス国立科学研究センター)
【協力】 ピースボート
【定員】 370人 【資料代】500円(学生無料)

【参加申し込み方法】 Human Rights Nowホームページよりお申し込みください。http://hrn.or.jp/activity/event/320/
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【式次第】
◆基調講演  アナンド・グローバー氏(弁護士、国連特別報告者)
◆原発災害被災者の方等からの発言
シンポジウム  福島原発事故後の健康に対する権利の課題を問う。
発言者
・井坂晶氏(福島県双葉郡医師会顧問(前会長))
・木田光一氏(福島県医師会副会長)
・崎山比早子氏(高木学校/元放医研・主任研究員/元国会事故調査委員会委員)
・島薗進氏(上智大学神学部教授/同大学グリーフケア研究所所長)
コーディネーター 
・伊藤和子(ヒューマンライツ・ナウ事務局長)

【問い合わせ先】
特定非営利活動法人ヒューマンライツ・ナウ
〒110-0005東京都台東区上野5-3-4クリエイティブOne秋葉原7F
Tel:03-3835-2110 / Email:info@hrn.or.jp / Web:http://hrn.or.jp

グローバー勧告とは
国連人権理事会は、「健康の権利」に関する特別報告者を選任し、特別報告者は世界で最も健康に対する権利をめぐる状況が懸念される国と地域に事実調査を実施し、その結果を国連に報告しています。

2012年11月、ヒューマンライツ・ナウ等日本のNGOの要請を受け、国連「健康の権利」に関する特別報告者アナンド・グローバー氏が来日、福島県をはじめとする地域で聞き取り調査を実施し、2013年5月27日、人権理事会に対し、調査報告書を報告、日本政府の対応が十分でなく健康に対する権利に深刻な懸念があるとして、年間追加被ばく線量1mSv(ミリシーベルト)の地域を対象とする住民保護施策を勧告、住民の被ばく限度を年間1mSv以下とするよう施策を講じるとともに健康調査を充実させる等の勧告を出しました。

日本政府はこれに対し、詳細な反論を国連に提出。勧告を誠実に遵守する姿勢があるのか、問われています。
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グローバーさん招聘を支えてください!
この招聘イベントには多くのお金がかかりますが、まだ不足しています。
是非皆様の寄付でこの企画をサポートさせてください!
寄付はこちらから⇒ 「Ready for?」 https://readyfor.jp/projects/hrn
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※翌日21日には、福島大学にてシンポジウムを開催いたします。こちらも併せてご注目ください。
http://hrn.or.jp/activity/event/321/

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福島第1原発事故 追加被ばく線量、日本の安全基準を疑問視
 −−国連人権理事会・特別報告者


 ◇健康調査徹底強調
 福島第1原発事故を巡る健康影響を調査した国連人権理事会の特別報告者、アナンド・グローバー氏を迎えたシンポジウムが21日、福島市の福島大で開かれた。
 追加被ばく線量について国が「年20ミリシーベルト以下は安全」としている点を批判し、グローバー氏は「1ミリシーベルト以上の安全性には議論があり、リスクがある前提で移住や健康調査の方針を住民合意で決定するべきだ」と訴えた。

 基調講演で、グローバー氏は「100ミリシーベルト以下は危険性がないとは言えない」と説明し、低線量の被ばくでも健康影響が出る可能性があるという「しきい値なし」という考えが科学的知見であると主張した上で、「甲状腺以外の部位ががんになる可能性は否定できない」として、1ミリシーベルト以上の地域での健康調査を徹底することの必要性を強調した。

 また、第1原発の元作業員への聞き取りを行い、東電の下請けの非正規労働者が100ミリシーベルトの被ばくをして失職し、長期的なモニタリングや健康調査が行われないケースがあると指摘。「インドでもないような悲惨な労働者が日本にいることが信じられず、こうした問題にも目を向けるべきだ」と指摘した。
 グローバー氏はインド最高裁の首席弁護士で、2008年から人権理事会の特別報告者。
 12年11月に来日して原発事故の被害調査をした。【毎日 深津誠】