再稼働前に乾式貯蔵を 米科学者がプール燃料懸念
米国の科学者らでつくる「憂慮する科学者同盟」のエドウィン・ライマン氏が9日、東京都内で記者会見し、九州電力川内原発(鹿児島県)などを再稼働する前に、不測の事態に備えるため、原子炉建屋の使用済み核燃料プールの燃料を可能な限り、乾式貯蔵施設に移すべきだと訴えた。
東京電力福島第1原発事故の際、建屋が爆発した4号機でプールの冷却水が失われる危険があり、露出した燃料から大量の放射性物質が外部に放出される懸念が高まった。
事故の教訓を生かすため、ライマン氏は再稼働する前に、地震やテロ攻撃でプールが破損し冷却が止まる事態に備える必要があると強調した。(共同)
川内原発 なぜ説明できないの?
避難計画のあいまいさ、予知不能の火山…。多くの不安や疑問を置き去りにしたままで、九州電力川内原発(鹿児島県)は再稼働へ突き進む。安全に自信があるなら、なぜ、説明に応じないのか。
聞く耳を持たぬとは、このことか。時代劇でも見るようだ。
今年三月、鹿児島県内の百近い市民団体で組織した実行委員会が、約十万人の署名を携え、福岡市内の九州電力本店に、対話を求めて訪れた。
住民側が要望したのは、次の三点だった。
(1)3・11後に国の指針で避難計画の策定を義務付けられた川内原発三十キロ圏内の九自治体で、住民説明会を開催すること
(2)再稼働について、九自治体の正式な議決を求めること
(3)住民の要望があれば、三十キロ圏外でも、説明会を開催すること。
不安に答えるに、無理な要求とは思えない。
「頭から再稼働反対を訴えるつもりはない。対話を求めて落としどころを探りたい」という住民側の姿勢にもうなずける。
しかしこれらは広報担当の段階で、ことごとく拒否された。
屋久島や種子島など県内六市町の議会が求める住民説明会の開催にも、九電は応じていない。
電力側がよって立つのは、3・11後の新規制基準に適合したという原子力規制委員会の判断だ。
「あくまでも規制委の基準に沿って、再稼働を進めていく」と、人ごとのように繰り返すだけの政府が、後ろ盾になっている。
ところが当の規制委は「安全を保証するものではない」とこちらも繰り返す。万一の責任は誰が取ってくれるのか。
福祉の現場や専門家などからも、避難計画の不備や周りに多い火山対策の甘さを指摘する声が引きも切らない。ヨウ素剤配布や避難計画が必要になるものは、そもそも動かすべきではない。
遠くない口永良部島の突然の噴火で、住民の不安は増した。
広範囲の住民がより詳細な説明を求めるのは当然で、九電にはその責任があるはずだ。
火山対策について、巨大噴火の兆候がもしあれば、原子炉を停止して核燃料を運び出せるという。
川内原発1号機では核燃料の装填(そうてん)作業が完了した。二十四時間体制で三日がかりの作業になった。
噴火の予測はかなうのか。核燃料を運び出す余裕はあるか…。素朴な疑問に十分な答えが出せない限り、再稼働は許されない。(7/10, 東京新聞・社説)
川内原発に核燃料装填
新基準下初、4年ぶり再稼働へ
九州電力は7日、川内原発1号機(鹿児島県薩摩川内市)の原子炉容器に核燃料を装(そう)填(てん)する作業に入った。
10日までに燃料157体を入れる。
装填後に異常がなければ8月中旬に再稼働し、発電した電力の送電が始まる。
福島第1原発事故を受けて策定された新規制基準の下では、全国で初めてとなる。
「見切り発車許さぬ」
川内原発きょう燃料装填
反対派集会抗議
このまま原発を見切り発車させていいのか-。
九州電力川内原発1号機(鹿児島県薩摩川内市)の核燃料装填(そうてん)作業が開始された7日、原発のゲート前では朝から再稼働に反対する住民が抗議集会を開き、「再稼働は許さない」と訴えた。一方、原発敷地内の安全対策を視察した市議の多くは「安全への配慮は尽くされた。再稼働すべきだ」と強調した。
ゲート前には住民120人が集結。警察官が警備するものものしい雰囲気の中、「核燃料装荷は事故への一歩」との横断幕を掲げ、「再稼働を許さないぞ」「われわれは原発と共存できない」と、声をそろえた。七夕にちなみ「原発やめて」「再稼働しないで」などと書いた短冊を結んだササも持ち込み、燃料装填に抗議した。
主催した市民団体の向原祥隆事務局長(58)は「地震、火山対策、避難計画、使用済み核燃料をどうするのか。九電は説明できないなら再稼働をやめよ」と訴えた。ほとんどが認知症の施設「逃げられない」
参加者の中で、同県いちき串木野市でデイサービス施設を運営する男性(58)は「施設の70~90代の通所者22人はほとんどが認知症だ。事故が起こった場合、どう避難させればいいのか」と不安を吐露した。施設は原発から15キロ。通所者が長時間の避難や避難所生活に耐えられるとは思えない。排せつの世話やボンベによる酸素吸入が必要な人もいる。マイクを握り「うちの通所者は事故が起きても逃げられない。再稼働はやめて」と訴えた。
一方で、薩摩川内市議16人が、原発敷地内の安全対策を視察。津波防護壁などの防災設備を約2時間かけて見て回った。森満晃市議は「津波や竜巻に対し、過剰ともいえる安全対策を取っており、一安心した」。川添公貴市議は「安全性は十分確保されていた。核燃料装填を終え、早く再稼働してほしい」と強調した。(西日本新聞)
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<安倍安保法制関連>
・衆特委 さいたまで参考人質疑(7月7日、NHK)
http://www3.nhk.or.jp/shutoken-news/20150706/3039121.html
・【動画あり】安保法案3人が反対、2人は理解 沖縄で参考人質疑 (7月6日、沖縄タイムス) https://www.okinawatimes.co.jp/article.php?id=123000
【集団的自衛権問題研究会 News&Review :特別版 第14号】
https://twitter.com/shumonken/
米国の科学者らでつくる「憂慮する科学者同盟」のエドウィン・ライマン氏が9日、東京都内で記者会見し、九州電力川内原発(鹿児島県)などを再稼働する前に、不測の事態に備えるため、原子炉建屋の使用済み核燃料プールの燃料を可能な限り、乾式貯蔵施設に移すべきだと訴えた。
東京電力福島第1原発事故の際、建屋が爆発した4号機でプールの冷却水が失われる危険があり、露出した燃料から大量の放射性物質が外部に放出される懸念が高まった。
事故の教訓を生かすため、ライマン氏は再稼働する前に、地震やテロ攻撃でプールが破損し冷却が止まる事態に備える必要があると強調した。(共同)
川内原発 なぜ説明できないの?
避難計画のあいまいさ、予知不能の火山…。多くの不安や疑問を置き去りにしたままで、九州電力川内原発(鹿児島県)は再稼働へ突き進む。安全に自信があるなら、なぜ、説明に応じないのか。
聞く耳を持たぬとは、このことか。時代劇でも見るようだ。
今年三月、鹿児島県内の百近い市民団体で組織した実行委員会が、約十万人の署名を携え、福岡市内の九州電力本店に、対話を求めて訪れた。
住民側が要望したのは、次の三点だった。
(1)3・11後に国の指針で避難計画の策定を義務付けられた川内原発三十キロ圏内の九自治体で、住民説明会を開催すること
(2)再稼働について、九自治体の正式な議決を求めること
(3)住民の要望があれば、三十キロ圏外でも、説明会を開催すること。
不安に答えるに、無理な要求とは思えない。
「頭から再稼働反対を訴えるつもりはない。対話を求めて落としどころを探りたい」という住民側の姿勢にもうなずける。
しかしこれらは広報担当の段階で、ことごとく拒否された。
屋久島や種子島など県内六市町の議会が求める住民説明会の開催にも、九電は応じていない。
電力側がよって立つのは、3・11後の新規制基準に適合したという原子力規制委員会の判断だ。
「あくまでも規制委の基準に沿って、再稼働を進めていく」と、人ごとのように繰り返すだけの政府が、後ろ盾になっている。
ところが当の規制委は「安全を保証するものではない」とこちらも繰り返す。万一の責任は誰が取ってくれるのか。
福祉の現場や専門家などからも、避難計画の不備や周りに多い火山対策の甘さを指摘する声が引きも切らない。ヨウ素剤配布や避難計画が必要になるものは、そもそも動かすべきではない。
遠くない口永良部島の突然の噴火で、住民の不安は増した。
広範囲の住民がより詳細な説明を求めるのは当然で、九電にはその責任があるはずだ。
火山対策について、巨大噴火の兆候がもしあれば、原子炉を停止して核燃料を運び出せるという。
川内原発1号機では核燃料の装填(そうてん)作業が完了した。二十四時間体制で三日がかりの作業になった。
噴火の予測はかなうのか。核燃料を運び出す余裕はあるか…。素朴な疑問に十分な答えが出せない限り、再稼働は許されない。(7/10, 東京新聞・社説)
川内原発に核燃料装填
新基準下初、4年ぶり再稼働へ
九州電力は7日、川内原発1号機(鹿児島県薩摩川内市)の原子炉容器に核燃料を装(そう)填(てん)する作業に入った。
10日までに燃料157体を入れる。
装填後に異常がなければ8月中旬に再稼働し、発電した電力の送電が始まる。
福島第1原発事故を受けて策定された新規制基準の下では、全国で初めてとなる。
「見切り発車許さぬ」
川内原発きょう燃料装填
反対派集会抗議
このまま原発を見切り発車させていいのか-。
九州電力川内原発1号機(鹿児島県薩摩川内市)の核燃料装填(そうてん)作業が開始された7日、原発のゲート前では朝から再稼働に反対する住民が抗議集会を開き、「再稼働は許さない」と訴えた。一方、原発敷地内の安全対策を視察した市議の多くは「安全への配慮は尽くされた。再稼働すべきだ」と強調した。
ゲート前には住民120人が集結。警察官が警備するものものしい雰囲気の中、「核燃料装荷は事故への一歩」との横断幕を掲げ、「再稼働を許さないぞ」「われわれは原発と共存できない」と、声をそろえた。七夕にちなみ「原発やめて」「再稼働しないで」などと書いた短冊を結んだササも持ち込み、燃料装填に抗議した。
主催した市民団体の向原祥隆事務局長(58)は「地震、火山対策、避難計画、使用済み核燃料をどうするのか。九電は説明できないなら再稼働をやめよ」と訴えた。ほとんどが認知症の施設「逃げられない」
参加者の中で、同県いちき串木野市でデイサービス施設を運営する男性(58)は「施設の70~90代の通所者22人はほとんどが認知症だ。事故が起こった場合、どう避難させればいいのか」と不安を吐露した。施設は原発から15キロ。通所者が長時間の避難や避難所生活に耐えられるとは思えない。排せつの世話やボンベによる酸素吸入が必要な人もいる。マイクを握り「うちの通所者は事故が起きても逃げられない。再稼働はやめて」と訴えた。
一方で、薩摩川内市議16人が、原発敷地内の安全対策を視察。津波防護壁などの防災設備を約2時間かけて見て回った。森満晃市議は「津波や竜巻に対し、過剰ともいえる安全対策を取っており、一安心した」。川添公貴市議は「安全性は十分確保されていた。核燃料装填を終え、早く再稼働してほしい」と強調した。(西日本新聞)
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<安倍安保法制関連>
・衆特委 さいたまで参考人質疑(7月7日、NHK)
http://www3.nhk.or.jp/shutoken-news/20150706/3039121.html
・【動画あり】安保法案3人が反対、2人は理解 沖縄で参考人質疑 (7月6日、沖縄タイムス) https://www.okinawatimes.co.jp/article.php?id=123000
【集団的自衛権問題研究会 News&Review :特別版 第14号】
https://twitter.com/shumonken/