2011年3月6日日曜日

武力「介入の責任」に動き出す英仏

武力「介入の責任」に動き出す英仏

安保理決議へ英と協力=リビア飛行禁止―仏外相 
3月6日(日)【パリ時事】
ジュペ仏外相は5日、記者団に対し、リビア上空への飛行禁止区域設定で「国連安保理決議採択に向け英国と協力している」と述べた。AFP通信が伝えた。飛行禁止区域に前向きな英国に対し、ジュペ外相はかねて安保理での明確な決議が必要との立場を示している。 同外相は記者団に「われわれは、自由獲得と民主的な体制移行を願う全ての人々の味方だ」と言明。リビアのカダフィ政権を離れ反政府派に合流したオベイディ前公安書記(公安相)と、5日朝に電話で話をしたことを明らかにした。

⇒「リビア:NATO 介入支援を準備で合意」(毎日)
・北大西洋条約機構(NATO、加盟28カ国)は2日、ブリュッセルで大使会合。リビア情勢への対応を協議、国連安保理から要請がある場合に備えて介入支援の準備を進めることで合意。
・「飛行禁止空域」の設定や、国境地帯に殺到している避難民の救援作戦が討議。現時点での本格的な軍事介入の是非については不一致。
・「リビアにおける暴力行為と人道状況」に全加盟国が懸念表明。国連や欧州連合(EU、加盟27カ国)と連携し「あらゆる事態」を想定して支援の用意を整えることを確認。
・ヘイグ英外相は2日、リビア反体制派に合流したオベイディ前公安相との電話協議で「飛行禁止空域の設定を含む対応計画を立案中」と説明。ジュペ仏外相によると、フランスはNATO大使会合で軍事介入への「慎重姿勢」を表明。
・フランスは2日、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)などの要請を受け、チュニジア国境に殺到しているエジプト人労働者の帰還を支援するため、ヘリ空母をリビア沖に派遣すると発表。英国も帰還用チャーター機をチュニジアに。
・EUのバローゾ欧州委員長は2日、国境地帯の人道状況の悪化を踏まえ、避難民に対する人道支援を先月25日に表明済みの300万ユーロ(約3億4000万円)から1000万ユーロ(約11億3500万円)に増額すると発表。

⇒「リビア反体制派、半年以内の選挙目指す 暫定政権へ調整」(朝日)
・反体制派が5日、東部ベンガジで国民評議会の発足に向けた初会合。アブドルジャリル前司法書記(法相)を議長とする同評議会を運営母体として暫定政権をスタートさせることで最終調整。
・国民評議会は、暫定政権下での最高意思決定機関の位置づけで、民主的な選挙を経て新政権を発足させるための準備をするのが目的
・首都トリポリなど各都市からの代表者に、人口比に応じた議席を配分。軍に代わる軍事評議会を傘下に設置し、国民評議会の指示の下で治安維持。軍事評議会の代表者や、反体制デモに参加した若者の代表らにも議席を振り分ける。民意を反映した暫定政権との位置づけ。定数30議席程度。
・いつまでにカダフィ政権を崩壊に追い込めるかの見通しはない。リビア西部と東部で激化している政府軍による攻撃で多くの死傷者。反体制派の指導者には様々な意見。暫定政権が構想通りに進むかは、前法相が反体制派内を一つにまとめる指導力を発揮できるかにかかっている。