2013年4月8日月曜日

福島第一「収束」せず、「冷温停止」もせず

福島第一「収束」せず、「冷温停止」もせず

 
 黒川清・元国会事故調査委員会委員長が、今日、福島第一原発の「事故は明らかにまだ収束していない」と発言した。この発言は、当然のことを当然のこととして語ったに過ぎないものだが、「事故」が収束していない最大の根拠は、第一の1~3号機が「冷温停止」しなかったことにある。

 安倍政権は福島第一「事故」が収束していないという事実、未だ日本全体が危機的状況にあるという認識に立ち、国会事故調の「調査報告書」においてつき出された諸点をめぐる、国会での徹底した議論・論戦を本格的に開始すべきである。


「批評する工房のパレット」内の関連ページ
⇒「「冷温停止」で冷却停止? 」(2011, 12/18)
⇒「政府・東電は、なぜ「冷温停止」を急ぐのか? 」 (011, 10/18)

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・福島原発「収束せず」と黒川氏 元事故調委員ら参考人招致 
 衆院の原子力問題調査特別委員会は8日、東京電力福島第1原発事故に関する国会事故調査委員会の黒川清・元委員長(元日本学術会議会長)らを参考人招致した。
 黒川氏は、地下貯水槽から汚染水が漏れた問題やネズミが原因で停電が起きた問題などを念頭に「事故は明らかにまだ収束していない」と強調した。
 国会事故調は昨年7月、調査報告書を衆参両院議長に提出して解散したが、衆院事務局によると、国会として調査についての説明を元委員から直接聞くのは初めて。 また黒川氏は「報告書の内容に(日本が)どう対応していくか、世界が注目している。着実に実行してほしい」と述べた。(共同)

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●「福島原発周辺で「動植物異常」相次ぐ チョウやニホンザルなどに異常、研究者が被曝影響と指摘」(4/3 東洋経済)
 「福島市や全村民が避難を余儀なくされている福島県飯舘村など、福島第一原原子力発電所からの放射性物質で汚染された地域で、動物や植物に異常が多く見られることが研究者による調査で明らかになった。・・・・」

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冷温停止状態を維持 福島第一原発1~4号機
 東京電力は(2月)28日、福島第一原発1~4号機の安定化と廃炉に向けた現状を示した。1~3号機の原子炉の温度は10~30度台の冷温停止状態を維持。1~3号機の放射性セシウム放出量は1時間当たり最大計約1千万ベクレルで事故当初の約8千万分の1に減少するなど、落ち着いた状態(??)にあるとしている。
 原子炉で最も高いのは2号機の格納容器内の31・5度、燃料プールは4号機の19・0度となっている。
 1~3号機の放射性セシウム放出量は、注水により格納容器内の蒸気の発生を抑制することで低減傾向(??)が続いている。敷地境界の被ばく線量は年間0・03ミリシーベルトと評価し(??)、自然放射線による年間線量(日本平均=年間約2・09ミリシーベルト)の約70分の1(??)という。
 万一の事故で原子炉への複数の注水機能が同時に失われた場合でも、3時間程度で注水を再開できるバックアップ設備も確保(??)したとしている。

 建屋地下階に滞留している高濃度の放射性物質を含む汚染水の処理に向けては、建屋への地下水流入を抑制するバイパスや、汚染水中の放射性物質を取り除く「多核種除去設備(ALPS)」の早期整備・稼働(??を目指すとした。(3/1 福島民報