2015年8月31日月曜日

止めよう! 辺野古新基地建設 ―環境への影響を考える集会(8/31, 東京)

止めよう!辺野古新基地建設 ─環境への影響を考える集会(8/31, 東京)


 辺野古新基地建設阻止の闘いは山場にさしかかっています。本体工事着工にあたっては、奄美大島や九州地方など沖縄県外からの埋立て用土砂が採取され、搬入されることになります。本土における土砂採取、搬出阻止の闘いが、辺野古新基地建設をさせないことに繋がる闘いの一つとなります。 
 そのため、8月31日に「止めよう! 辺野古新基地建設 沖縄県民の民意を無視するな! 辺野古新基地建設の問題点を探る ─―土砂の採取、埋め立てによる環境への影響を考える」集会が開かれます。どなたも参加出来ます。

 日時: 8月31日(月)18:30~20:40
 場所: 豊島公会堂(東京都豊島区東池袋1-19-1)
 交通  JR山手線、地下鉄「池袋駅」東口
      *地図 http://www.toshima-mirai.jp/center/a_koukai/ 

 講演・報告
 ・仲村未央・沖縄県議会議員、
 ・湯浅一郎・ピースデポ副代表・海洋物理学、
 ・安次富浩・ヘリ基地反対協

 資料代:500円
 
 主催: 
 フォーラム平和・人権・環境/
 沖縄・一坪反戦地主会関東ブロック/
 ピースボート/
 辺野古への基地建設を許さない実行委員会

 連絡先:平和フォーラム(電話:03-5289-8222)


●9月12日 「止めよう!辺野古新基地建設 国会包囲行動

 8月10日から9月9日までの1ヵ月、辺野古基地建設に関する一切の工事が停止して、移設問題について政府と沖縄県で協議が進められていますが、9月10日以降も工事再開を許さない闘いが必要です。
 そのため、9月12日に「止めよう!辺野古新基地建設 許すな!日本政府による沖縄の民意の圧殺を」と国会包囲行動が行われます。多くの方の参加を呼び掛けています。

 日時: 9月12日(土)14:00~15:30
 場所: 国会周辺
 内容: 関係団体決意表明、著名人あいさつなど
 主催: 止めよう!辺野古埋立て9.12国会包囲実行委員会

■詳しくはこちら⇒ http://humanchain.tobiiro.jp/


・・・
菅氏、工事再開を明言 第4回協議 知事、取り消し示唆
 米軍普天間飛行場の名護市辺野古への移設をめぐる県と政府の集中協議の第4回会合が29日、那覇市内のホテルで開かれた。協議に先立って菅義偉官房長官と意見交換した自民県連の具志孝助幹事長によると、菅官房長官は県連役員らに「工事は予定通り(集中協議の)1カ月が終わったら再開する」と述べた。
 協議最終回の第5回を前にした4回目の会合でも、双方の主張は大きく隔たったままだ。翁長雄志知事は協議終了後、「協議が延期されなければそこからの対応になる。ありとあらゆる手段を使って辺野古に基地は造らせないということはしっかり持っている」と述べ、期間終了後、辺野古埋め立ての知事承認を取り消すことを示唆した。

 普天間飛行場移設問題の原点について、サンフランシスコ講和条約で沖縄が日本から切り離されたことや米軍による土地の強制接収などによる「(県民の)魂の飢餓感が原点だ」とする翁長知事に対し、菅氏は「19年前の橋本・モンデール会談が原点だ」と説明した。

 普天間飛行場の5年以内の運用停止について、辺野古移設との関連を尋ねた翁長知事に対し、菅氏は「お互い考え方が違う」などと述べるにとどめ、5年以内運用停止は辺野古移設が前提であることを否定はしなかったという。
 米軍北部訓練場の早期返還について、菅氏は返還の条件とされる高江ヘリパッド建設に根強い反対の声があることを挙げ、県に協力を求めた。翁長知事は要請を受けたとの形にとどめ、「今、応えるわけにはいかない」と返答した。
 翁長知事は協議後、記者団に「いずれにしろ厳しい状況だというのははっきりしている。話し合いは今後もシビアになる」と述べた。菅氏は「危険性除去の方法について著しく距離がある」と述べた。(琉球新報)

2015年8月30日日曜日

「8・30国会前10万人、全国100万人行動」(国会前)











国会前、最大規模の集会 市民ら安保法案に反対
 安全保障関連法案に反対する市民団体が30日、国会近くで集会を開いた。同法案に関する抗議行動では最大規模で、主催者は約12万人が参加したと発表。雨の中、参加者は国会議事堂を取り囲み、車道にもあふれた。
 一斉行動も呼び掛け、主催者によると全国200カ所以上でデモや集会を実施。反対の民意の広がりを強くアピールし、安倍政権に廃案を求めた。
 法案をめぐっては、参院での採決をにらみ与野党の攻防が激化。9月中旬の採決を目指す与党側は「法案が誤解されている。地道に理解を求める」と強調するが、野党側は「反対のうねりは想像以上」「政権へのプレッシャーになる」と勢いづいている。(共同)

◆ 「安保法案:反対の波 全国300カ所でデモ」 毎日新聞
◆ 「安保法案反対、全国で一斉デモ 国会取り囲み廃案訴え」 朝日新聞

●「【増補版】8月30日の「戦争法案廃案」国会&全国大行動の報道集です」(杉原こうじのブログ)

・・・
モミの木形態変化/原因徹底究明し逐一説明を
 国は東京電力福島第1原発事故との因果関係を含めて原因を徹底究明し、結果を正確に公表しなければならない。
 放射線医学総合研究所(放医研)が、帰還困難区域の山林で、自生するモミの木の幹が途中から伸びない形態変化が確認されたと発表した調査結果のことだ。  環境省の依頼を受けた放医研の研究グループがまとめたものだ。

 調査は今年1月に大熊町と浪江町の計3地点で実施され、空間放射線量が高い地点ほど、上に伸びるはずの主幹が欠損している形態変化の発生頻度が高いとされた。  発生割合は福島第1原発との距離が近い地点から98%、44%、27%で、比較対象として調査した茨城県北茨城市では6%だった。  形態変化が現れた時期については、事故翌年の2012年から13年にかけて急増し、14年には減少に転じている。

  モミの幹や枝は毎年春から夏にかけて成長する。主幹になる基(原基)の部分が成長して幹が伸びるのか、伸びないのかが確認できるまで2、3年かかるとされることから、放射線量の推移との相関関係を解明することが必要だ。  環境省は事故後、福島第1原発周辺で約80種類の野生動植物を対象に放射線の影響を調べているが、モミの木以外では、形態変化などの異常は確認されていない。

 モミのような針葉樹が放射線の影響を受けやすいことは、これまでの実験やチェルノブイリ原発事故の事例などで分かっていた。  放射線生物学が専門の丹羽太貫放射線影響研究所(放影研)理事長によると、放射線の影響に大きさが関係するゲノムサイズ(生殖細胞に含まれるDNAの総量)が針葉樹の場合、ヒトの7倍ほどあるからだ。
  ただ仮に放射線の影響から形態が変化したとしても、今回のケースでは発生頻度が減少していることなどから突然変異を示すものではないとの見方ができるという。  モミの主幹欠損は気象的な影響や動物による食害でも起きるとされる。放医研は実験施設内で人為的にモミの木に放射線を照射し、同様の形態変化が起きるかを調べる必要性を指摘している。

 因果関係の究明に重要なのは、原発事故直後にモミの木が受けた被ばく線量がどの程度だったのかを正確に把握することだ。  事故直後と比べると線量は下がってきている。風評を広げたり生活空間への影響を過剰に心配することがないよう、国は原因究明を急ぎ、分かったことを逐一説明することが求められる。 (福島民友 社説 8月30日付)

2015年8月29日土曜日

国会10万人、全国100万人の大行動について

国会10万人、全国100万人の大行動について
【立憲フォーラム通信:116】

◆立憲フォーラム◆
 http://www.rikken96.com/
 https://www.facebook.com/rikken96


 天候が気になりますが、明日30日、国会10万人全国100万人の大行動です。
 『東京』は昨28日の特報欄で報じ、 『日刊ゲンダイ』が今日トップページで「10万人が安倍官邸を囲んだとき それでも国民の声を無視できるか」と安倍政権に問いかけています。

▼ 明日は午後2時~4時、総がかり行動実行委員会が、4時15分からSEALDsら若者が国会包囲行動を展開します。飲み物、カッパなどをザックに入れて参加しましょう。総がかり実行委のHPでステージなど http://sogakari.com/ 確認をしてください。

▼ 立憲フォーラムが国会議員に呼びかけた「過剰警備監視 国会議員団」は明日、混雑が予想される地下鉄の出入り口や正門前などで「たすき」をかけてウォッチしています。理不尽な規制などがあったら、伝えてください。
 監視議員団は17名で、ヘイト・スピーチなどに長く関わってこられた有田芳生参議院議員(民主)が正門前ステージでこの行動について報告する予定です。

▼ 昨日、国会監視団の行動について記者会見をしました。近藤昭一立憲フォーラム代表が「表現の自由が過剰な警備で損なわれてはならない」と行動の目的を説明。 内田雅敏弁護士からは「かっては国会議員がデモの脇を旗をたてて歩いた」ということが紹介され、立憲デモクラシーの西谷修立教大教授は「平和的なデモをあらかじめ規制しようとするのはおかしい」などと発言がありました。
  主要な各社が来てくれたのですが、掲載は『東京』6面だけのようです(『共同』は未確認)。
  右のブログに記者会見のもよう、記事が載っています。 http://健康法.jp/archives/4672

▼ 海外に在住する人たちによる安保法制に反対するOVERSEAsという団体が生まれました。
  昨日記者会見しました。   SEALDs、MIDDLEs、OLDsに続く、OVERSEAs!
  海外在住の方(含む留学・駐在)、その他海外関係の仕事をしてる方、
ぜひ声をあげて下さい。
 現在在住か、元か(今は日本在住)は問いません。
 ということで、30日、世界各地での行動も呼びかける、ということです。

1週間で数百人賛同 「OVERSEAs」が海外から安保法案に“NO”(日刊ゲンダイ)

▼ 31日(月)、日弁連は
  シンポジウム「戦争と秘密保護法―沖縄の情報公開訴訟から探る軍事秘密―」を開催します。
  18時~弁護士会館17階 1701会議室
  シンポはローレンス・レペタ明大教授、沖縄弁護士会所属の加藤裕弁護士ら。
  参加費無料、申込不要です。

2015年8月28日金曜日

さよなら原発、さよなら戦争、さよなら安倍政権

さよなら原発、さよなら戦争、さよなら安倍政権


 8月11日に再稼働が強行された鹿児島・川内原発に続き、各地の原発の再稼働が進められようとしています。これに反対して、9月に京都と東京で全国集会が開催されます。多くの方の参加を呼び掛けています。

●「さよなら原発全国集会in京都 ~高浜・川内・伊方原発の再稼働を許さない!」

 日時: 9月6日(日)
      13:00~プレイベント(音楽・トークショーなど)、
      14:00~15:30 本集会
 会場: 京都市 下京区大宮七条 「梅小路公園芝生広場
      (京都駅中央口より塩小路通を西へ徒歩15分)
       *地図 http://www.kyoto-ga.jp/umekouji/access/
 内容: 
 スピーチ 嘉田由紀子さん(前滋賀県知事)、
        鎌田慧さん(ルポライター)
       中尾ハジメさん(京都精華大学教員)、
       各地の取り組み報告など


●「さようなら原発 さようなら戦争全国集会─ NO NUKES NO WAR ─」


 日時: 9月23日(水・秋分の日)
      12:30~オープニングライブ、
      13:30~集会、
      15:15~デモ行進

 会場: 東京都渋谷区「代々木公園B地区・けやき並木」
      (JR「原宿駅」、地下鉄「明治神宮前駅」「代々木公園駅」)
       http://www.kensetsu.metro.tokyo.jp/kouen/kouenannai/park/yoyogi.html 
 
 内容: 
 呼びかけ人等のスピーチ(鎌田慧、澤地久枝、落合恵子、河合弘之)/
 福島、川内からの訴え/
 韓国から/
 戦争法案反対の行動から/
 沖縄から
 サブステージ、ブース出店もあります。

■詳しくはこちら⇒ http://sayonara-nukes.org/

 問合せ: 「さよなら原発」1千万人署名市民の会 TEL: 03-5289-8224


・・・
モミの木に異常が多発/帰還困難区域の山林
 東京電力福島第1原発事故で帰還困難区域となっている福島県大熊町と浪江町の山林に自生するモミの木で、幹が伸びない形態の異常が増えているとの調査結果を放射線医学総合研究所(千葉市)などの研究グループがまとめ、28日付の英科学誌電子版に発表した。

 調査は環境省の依頼で実施。環境省は事故後、約80種類の野生動植物で放射線の影響を調査しているが、実際に影響がうかがわれる事例が確認されたのは初めて。 今後、モミが事故後に受けた被ばく線量を正確に見積もったり、実験施設内でモミに放射線を照射したりして、放射線と異常との因果関係を調べる方針。(四国新聞)

・子どもに核のごみ授業 エネ庁講師派遣 「負担世代の理解不可欠」
 九州電力川内原発(鹿児島県薩摩川内市)の再稼働で「核のごみ」の最終処分場問題があらためて注目を集める中、経済産業省資源エネルギー庁は、地中深くに埋める地層処分を授業テーマとするよう学校への働きかけを強める方針だ。
 適地調査から埋め終えるまで100年以上かかるとあって、子ども世代の理解が不可欠と判断した。住民の反対運動で用地選定が進んでおらず、将来を見据えた“急がば回れ作戦”ともいえるが、教育関係者からは早くも異論が出ている。

 処分方法には大きく分けて地層処分のほか、地表に建てた施設で保管する「地上管理」、宇宙空間に投棄する「宇宙処分」などがある。同庁は「地上管理は長期間の監視が必要。宇宙処分はロケット発射の信頼性に問題がある」などとし、地層処分の実施を国策として決めている。
 同庁は5、6月、地層処分への理解を求める一般向けシンポジウムを各地で開催した。その中で教育現場での取り組み強化を訴える声があり、同庁放射性廃棄物対策課は「小学校から大学まで授業や講義で取り上げてもらえるよう教材の提供、講師派遣を積極的にやっていく」と本腰を入れる考えを表明。具体的な活動は、経産相の認可団体「原子力発電環境整備機構」(NUMO)が担う。

 ■中高で試行
 NUMOはこれまで、授業の進め方を学んでもらう教員向けセミナーを全国で開いてきた。それをきっかけに2013年度からは中学3年の社会科や高校3年の総合学習で、かつて最終処分場誘致に手を挙げた自治体の動きを考えたり、海外の動向を学んだりする授業=イラスト参照=が試行されている。九州では、川内原発が立地する鹿児島県で実践例がある。
 長崎大では、14年度後期に主に2年生を対象とした講義「環境と社会」で取り上げた。どの処分方法が適切かを学生に議論させたところ、地層処分と地上管理を推す声がほぼ同数だったという。担当の藤本登教授(エネルギー環境教育)は「学校現場で多くの知識と議論の場を提供することが大事」と意義を語る。

 ■保護者賛否
 同庁とNUMOは、試行段階での実践例を基に「核のごみ」教育の導入を学校現場に働きかける方針。ただ、中学理科の学習指導要領には既に「原子力などの発電の仕組みやその特徴について理解させる」とあるのに「最終処分問題まで深めて考えてもらう授業はほとんど行われてこなかった」(藤本教授)という。背景には、保護者の間で原発への賛否が割れていることがあるようだ。子ども世代の教育にも“大人の事情”が絡むだけに、狙い通りといくかは未知数だ。

●「国策の一方的説明に」専門家懸念
 国内の原発でたまり続ける「核のごみ」問題を児童・生徒が学ぶことには、原発反対派の間でも必要性を認める声がある。ただ、資源エネルギー庁やNUMOの取り組みに対しては、専門家から「授業が一方的な国策の説明になるのではないか」との指摘もある。
 今月上旬、京都市で開かれた日本エネルギー環境教育学会(経済産業省、電気事業連合会など後援)の会場に、地層処分を学んでもらうNUMOの展示車が乗り入れた。
 見学を終えた京都府宇治市の男性(42)は「直接処分は検討しなくていいのかなぁ」と納得いかない様子だった。核燃料サイクル政策を前提とした内容に疑問を持ったのだ。

 NUMOが言う「核のごみ」とは、高レベル放射性廃棄物だけを指す。使用済み核燃料を再処理し、その際に出る廃液をガラスで固めたものだ。ところが、再処理工場は本格稼働にめどが立っていない。再処理できなければ、ごみとして処分場に埋める「直接処分」となる可能性が高い。しかし、NUMOは使用済み核燃料を「資源」と説明し続けている
 「核燃料サイクル政策など今後のあり方が定まっていないものを学校で伝えるのには限界がある」と東京電機大の寿楽浩太助教(科学技術社会学)は指摘。
 香川大の笠潤平教授(科学教育)は「原発に否定的な情報提供を含めて教える必要がある」とし「NUMOは原発推進の立場。一方的な情報提供は、福島原発事故前の状況と何ら変わらないのではないか」と話す。

 ▼核のごみと原発稼働

 全国の原発では、使用済み核燃料を長期保管する貯蔵プールの容量が満杯に近づいている。使用済み核燃料からプルトニウムなどを取り出し、再利用する再処理工場(青森県六ケ所村)が稼働すれば、減らすことができるが、再処理工程でトラブルが続き、本格稼働の見通しはない。使用済み核燃料を再処理しないまま地層に埋める方法もあるとはいえ、国内に最終処分場ができなければ、貯蔵プールは満杯になって原発は稼働させられなくなり、国が最終処分場建設計画を急ぐ理由となっている。(2015/08/28付 西日本新聞夕刊)

・<最終処分場>調査見合わせ 宮城3市町抗議
 東京電力福島第1原発事故で発生した放射性物質を含む指定廃棄物の最終処分場建設をめぐり、環境省は28日午前、栗原市、宮城県大和町、加美町の3候補地で現地調査の再開を試みたが、加美町で住民らの激しい抗議を受けて作業着手を見合わせた。いったん撤収した環境省は同日午後、作業着手の機会を探った
 候補地の一つ、加美町田代岳には猪股洋文町長をはじめ住民ら約200人が早朝から集合。現地につながる町道を人垣でふさいだ。午前8時、環境省職員と作業員16人が現地に入ろうとすると、住民らは「帰れ」「候補地を撤回しろ」などと声を上げた。

 環境省東北地方環境事務所の東利博保全統括官が「以前から調査に入りたいと伝えている。 道を開けてもらいたい」と訴えたが、猪股町長は「断固反対が住民の声」と猛抗議。約20分にわたる押し問答の末、環境省側は「今は引き下がるが、すぐにでも調査を進めたい」と告げて引き返した。
 栗原市深山嶽では住民ら約60人、大和町下原でも住民ら約50人が抗議活動を展開した。加美町で作業着手が困難な状況が現地に伝わると、両地区の環境省職員はいったん現地を離れた。
 環境省は昨年10月、候補地を1カ所に絞り込むための現地調査を開始。ボーリング調査の準備作業を始めたところ、加美町で住民の抗議を受け3カ所とも中断した。11月には降雪のため現地入りが不可能になり、その後調査再開を先送りしていた。(河北新報)

・指定廃棄物処分場 反対署名1万4614人 千葉市長に市民団体提出
 東京電力福島第一原発事故で発生した指定廃棄物の処分場建設に反対する「放射性廃棄物最終処分場に反対するちば市民の会」が二十七日、熊谷俊人市長に対し、建設を受け入れないように求める一万四千六百十四人分の署名を提出した。
 候補地に選ばれた東電千葉火力発電所(中央区)の敷地は、湾岸の埋め立て地で大地震による液状化の恐れなどがあり、安全管理に問題があると強調。「負の遺産を子どもや孫に残したくない」と訴えている。


 インターネットで集めた約千人分も提出した。市役所で応対した黒川治喜(はるよし)環境局長は「国にも情報を提供したい」。同会共同代表の岡美由紀さん(55)は「短期間に多くの署名をいただけた。引き続き集めたい」と話した。 (東京新聞 内田淳二)

2015年8月27日木曜日

戦争法案廃案! 安倍政権退陣! 8.30国会10万人・全国100万人大行動

戦争法案廃案! 安倍政権退陣!8.30国会10万人・全国100万人大行動

 「戦争をさせない・9条壊すな!総がかり行動実行委員会」は、これまで再三にわたり国会前などの行動を行い、戦争法案に反対する運動を行ってきました。全国の人々の怒りの声を結び、戦争法案成立を阻止するまで、全力でたたかう決意を固めています。
 そして、8月最後の日曜日である8月30日に、国会周辺を10万人以上の戦争法案絶対反対!の怒りの声で埋め尽くそう!また、全国各地でも同時に全国100万人行動として計画されています。全国つらぬく総がかりの力で、戦争法案廃案・安倍政権退陣・政策転換実現をかちとりましょう!
 また、9月9日にも日比谷野外音楽堂での大集会、国会請願行動を行います。多くの参加を呼び掛けています。


日時: 8月30日(日)14時~15時30分
場所: 国会議事堂周辺(地下鉄「国会議事堂前」「永田町」下車)
内容: 呼び掛け団体あいさつ、政党代表あいさつ、連帯アピールなど
主催: 戦争させない・9条壊すな!総がかり行動実行委員会

※全国で一斉に声をあげよう!
下記の時刻には、全国で一斉にコールを行いたいと思います。
14:00
15:00
15:55

■詳しくはこちら→ http://sogakari.com/?p=633
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◆戦争法案廃案! 安倍政権退陣! 9.9日比谷集会・国会請願行動


 参議院で戦争法案の審議がヤマ場を迎える9月9日に日比谷野外音楽堂での集会と国会請願緊急行動が行われます。

日時: 9月9日(水)18:30~19:30
場所: 日比谷野外音楽堂(日比谷公園内) 
内容: 政党代表挨拶 国会情勢報告 賛同者・賛同団体挨拶
       ※集会後に国会請願行動を行います。

主催: 戦争させない・9条壊すな!総がかり行動実行委員会


◆とめよう!戦争法案 国会前木曜連続行動


 今後も毎週木曜日の18時30分から1時間程度、議員会館前で続きます。

日時: 8月27日、9月3日、10日、11日(金)18:30~19:30
場所: 衆議院第2議員会館

また、毎週火曜日の18時頃から都内各所の駅頭で一斉街頭宣伝行動も実施中。


◆国会前連続座り込み行動、集会


 法案採択のヤマ場となる9月14日からの週は連日、国会前での座り込み行動を行います。

日程: 9月14日(月)~18日(金)
時間: 13:00~17:00座り込み、18:30~19:30集会
場所: 国会正門前

 その他、国会情勢などによって変更や追加がありますので、ウェブサイトをご覧いただくか、連絡先までお問い合わせください。

■詳しくこちら→ http://www.anti-war.info/
■全国100万人大行動の内容はこちら→ http://sogakari.com/?p=732
  連絡先:戦争をさせない1000人委員会(03-3526-2920)


◆「戦争をさせない全国署名」8月末に第三次集約
 
 「戦争をさせない1000人委員会」では、「戦争をさせない全国署名・2015年版」の署名運動を行っています。第二次集約を6月末に行いましたが、さらに、第三次集約を8月末に設定し、集約分は9月中に提出予定です。ご協力をお願いします。

■詳しくはこちら→ http://www.anti-war.info/shomei/

2015年8月25日火曜日

再掲: 「アベノミクスはアホノミクスである」その他

再掲: 「アベノミクスはアホノミクスである」 その他

安保法制・アホノミクス・日本経済の変容
立憲フォーラム・戦争をさせない 1000 人委員会 共催 
「戦争法案」を葬ろう 8.27 院内集会

 8 月 27 日(木)午後 5 時~
 衆議院第一議員会館 1階 多目的ホール

浜矩子(同志社大教授)、参院安保委からの報告

 8 月 24 日の参議院予算委員会で、民主党の小川敏夫委員(立憲フォーラム)は「一枚看板のアベノミクス」なのに物価目標2%を達成できず、実質賃金は 7.5%下がり、政治の失敗の何ものでもない、とアベノミクスを痛烈に批判しました。頼みの株価もこの日午前1万9千円台を割り込みました。
 しかし、アベノミクスの失敗を認めるどころか、今年 4 月訪米した際、安倍首相は米国の笹川財団で「私の外交・安全保障政策は、アベノミクスと表裏一体であります」とスピーチしてきています。

 安保法制とアベノミクスとの関係をどのように理解すべきでしょうか?
 「アベノミクスはアホノミクスである」と一貫して批判を行ってきた浜矩子同志社大教授は 8 月 24 日の新聞で
 「日銀のマネタリーベースは 7 月末で 325 兆円となり、GDPの 6 割を超えています。……中央銀行が通貨価値の番人としての位置づけの放棄を強いられて、国家のための通貨供給装置となるというのは、最も極限的な『ファシズムの経済学』」だと指摘しています。

 また、武器輸出禁止 3 原則を見直して防衛装備品移転 3 原則に変えるなど日本経済のかたちも変えられようとしています。「安保法制・アホノミクス・日本経済の変容」について浜矩子教授のお話です。立憲デモクラシーなど各界からのアピールも。

・・・
・エコノミスト警鐘  「アベノミクスは極限的ファシズム経済学」

 浜矩子(同志社大大学院教授)

経済政策の本来の役割は、崩れた均衡の回復と弱者の救済です。
 この2つは表裏一体で、切っても切れない関係にあります。例えば、ものすごいインフレになれ ば、たちどころに傷つくのは経済基盤が脆弱な人たちです。だから、経済の均衡を保ちながら、困っている弱者に手を差し伸べる。それが政治に与えられた使命なのです。

 ところが安倍政権は、そういうところには目が向かず、盛んに強さをプロモーションしようとしています。「再び世界の中心で輝く日本になる」などと宣言し、強者をより強くする政策を推し進めています。こうした発想は、実にファシズム的ですね。
 ムソリーニもフランコもスターリンも、歴史に名を残したファシストたちは、誇大妄想に駆られて強 さを追い求め、国内外に力を誇示しようとしました。巨大建造物の建設に固執したり、世界的なスポーツイベントを誘致したりといった行動は、その表れです。 実際にムソリーニはイタリアにワールドカップを誘致し、ヒトラーもベルリンでオリンピックを開催した。ヒトラーは、ベルリンを巨大な建造物が並ぶ「世界首 都ゲルマニア」にしようという構想もぶち上げています。・・・」(日刊ゲンダイ 8月23日より

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◆「法の番人」が違憲の安保法制をしかる
  宮崎礼壹(元内閣法制局長官)、
  各界からのアピール

  9月 3 日(木)午後5時~ 憲政記念館 講堂

  入場無料。
  お問い合わせは江崎孝参院事務所(03-6550-0511、参‐511) 
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『安保法制を廃案へ!! 自治体議員立憲ネットワーク   9・4 緊急国会集会

 安保法制反対の声は日に日に高まり、地方各地から安保法制の廃案を求める狼煙があがっています。
 今回の緊急集会は、地方発信型で安保法制反対を訴える方をお招きし、各地の取り組みについてお話を伺います。
 ゲストスピーカーは、ピースウイング代表の山中光茂松阪市長です。
 山中市長は、2014年に安倍政権が集団的自衛権行使容認の閣議決定を行った時から自治体の長として違憲訴訟を行うことを表明しています。 小林節氏( 憲法学者・慶應義塾大学名誉教授 )を弁護団長に弁護団結成にむけ動いています。

 また、広島では自民党の県議会議員が会長となり、無所属、共産党、社民党の市議らが参加した「『 ストップ・ザ・安保法制』庄原市民の会」が立ち上がりました。 広島の超党派の動きについてもお話を伺います。
 その他、亀井静香衆議院議員・保坂展人世田谷区長、立憲フォーラム所属国会議員も参加。安保法制反対の声を地方と連携してあげていきましょう!

日時: 9月4日(金) 午後3時30分~5時
会場: 衆議院第1議員会館  第2会議室

発言者:
・亀井静香衆議院議員
・山中光茂松阪市長
・『ストップ・ザ・安保法制』庄原市民の会 (広島県の安保法案反対組織)
・保坂展人世田谷区長
・立憲フォーラム所属議員
・立憲ネットワーク所属自治体議員より各地の取り組み

会費: 無料  どなたでもご参加いただけます。
主催:  自治体議員立憲ネットワーク
共同代表:
・角倉 邦良 群馬県議会議員(民主党)
・市来 とも子 杉並区議会議員(社民党、事務局長兼任)
・西崎 光子 東京都議会議員(東京・生活者ネットワーク)
・松谷 清 静岡市議会議員(緑の党)
・玉田 輝義 大分県議会議員(無所属)

※自治体議員立憲ネットワークは、安倍政権の推し進める安保法制に反対し、立憲主義と平和主義を守るために活動する
超党派の自治体議員が加盟する全国組織です。http://rikken-net.org/
毎週木曜日は午後6時30分から国会前集会を行っています。ご参加下さい。
※立憲フォーラムからのメール情報をご希望の方は、rikken96@gmail.com までメール下さい。


・・・
危機に立つ議会制民主主義 「閣議決定」を私物化 
  経済評論家 内橋 克人 (2015/8/24)

 「安倍晋三首相はしばしば議会で「私が最高責任者だ」との発言を繰り返す。「最後の責任は首相の私にある」との「潔さ」の表明ではなく、「最高の決定権者は首相のこの私だ。文句あるか」が胸のうちであろう。この「傲慢(ごうまん)」は大いなる誤解に発している。
 米国はじめ大統領制と異なり、一与党(最大多数党)のリーダーがたまたま首相に就く「議会制民主主義」においては、首相といえども政策・法案の最終決定権はない

 有権者は個々の候補者、その延長上に政権を担う政党を選択するのであって、特定の政治家を首相として選んだわけではない。首相は間接的に選ばれる。有権者が大統領個人を直接選ぶ直接民主制の大統領制とは大きく異なる。政府(行政)の意思決定権は「閣議決定」(内閣法4条)にあり、その意思決定は閣僚全員の一致が原則である。この原則が有名無実化されれば、首相の「傲慢」と「全能」は野放図なものとなろう。・・・ 」(日本農業新聞

2015年8月24日月曜日

STOP HATE SPEECH! ~今こそ人種差別撤廃基本法の実現を~ 院内集会★part3 (9/2、東京)

院内集会★part3  
STOP HATE SPEECH! 
~今こそ人種差別撤廃基本法の実現を~(9/2、東京)

■ 開催趣旨(抜粋)■
 ヘイト・スピーチをはじめとする人種、民族などに対する差別の撤廃をめざして、日本ではじめて、人種差別撤廃条約上の義務を実施するための人種差別撤廃施策推進法案が 5月22日、民主党、社民党議員らにより国会に提出されました。
審議入りを求めて6月26日、7月22日と2回の院内集会を開いてきましたが、ついに参議院法務委員会で8月4日趣 旨説明、6日に審議が行われました。 審議では各党とも、国が深刻な人種差別に取り組む必要性を前提としての前向きな姿勢でした。

しかし、同委員会での今後の審議予定は未定であり、棚上げにされて廃案とされる 危険性もあります。今回の法案は国と社会が人種差別撤廃に取り組む確実な第一歩となります。私たちは、今国会で人種差別撤廃基本法を制定することを求めて、第3回院内集会 を開きます。多くの皆さんの参加をよびかけます。

 ◆日時  2015年 9月2日 (水) 15:00~16:00
       *14:30から1階ロビーで入館証を配布します。事前申し込み不要です。
◆会場   衆議院第一議員会館 地下1階 大会議室101号室
       (東京都千代田区永田町2-2-1)
       最寄駅:東京メトロ「永田町」駅1番出口、「国会議事堂前」駅
      〔地図〕http://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_annai.nsf/html/statics/kokkaimap.htm

◆主催  外国人人権法連絡会
・移住労働者と連帯する全国ネットワーク(移住連)
・人種差別撤廃NGOネットワーク(ERDネット)
・のりこえねっと(ヘイトスピーチとレイシズムを乗り越える国際ネットワーク)

◆プログラム
発言者
シン・ヘボンさん(青山学院大学教員/国際人権法学会理事・事務局長)
金明秀(キム・ミョンス)さん(関西学院大学教員)
国会議員

◆参加費  無料 ※事前申し込みは必要ありません。
◆お問い合わせ先 
移住連 http://migrants.jp

安保法案廃案へ!立憲主義を守り抜く大集会&パレード (8/26, 日比谷)

安保法案廃案へ!立憲主義を守り抜く大集会&パレード
~法曹・学者・学生・市民総結集!~

 日弁連は、本年5月14日、安全保障法案の改正について強く反対するとともに、その違憲性を強く訴える「安全保障法制改定法案に反対する会長声明」を公表す るとともに、6月18日には「安全保障法制改定法案に対する意見書」を公表し、一貫して安全保障法制に反対する姿勢を示してきました。

 戦後一貫して政府が堅持してきた憲法第9条の解釈を、閣議決定や個別法改正によって変更していくことは立憲主義に反します。このような動きを阻止するために、より一層社会に見える形で、安保法案の危険性とその本質を広く、社会に訴える必要があります。そこで、日比谷野音における大集会&パレードを開催することにしました。奮って、ご参加ください。

日時     2015年8月26日(水)
【集  会】 18時~19時(開場:17時15分)
【パレード】 19時15分~

場所    日比谷野外音楽堂 (千代田区日比谷公園1-5)

※定員3,000名のため、会場にお入りいただけない場合がありますが、パレードには参加いただけます。

内容(予定)
○リレートーク (発言者は随時更新します。)
・宮﨑礼壹さん  (元内閣法制局長官・法政大学法科大学院教授)
・「安全保障関連法案に反対する学者の会」のメンバー
・町田ひろみさん  (安保関連法案に反対するママの会)
・日弁連元会長
・石 健治氏(東大教授 交渉中)
・益川敏英氏(ノーベル賞受賞者・交渉中)
・廣渡清吾氏(東大名誉教授・日本学術会議前会長・学者の会代表・予定)
・上野千鶴子氏(東大名誉教授)
・奥田愛基さん  (SEALDs)
・道あゆみさん  (弁護士・東京弁護士会所属)

○パレード

チラシ(PDFファイル;615KB)

主催 日本弁護士連合会
共催(予定)  東京弁護士会、第一東京弁護士会、第二東京弁護士会、横浜弁護士会、埼玉弁護士会、千葉県弁護士会、関東弁護士会連合会

問い合わせ先
日本弁護士連合会 人権第二課
TEL:03-3580-9941
FAX:03-3580-2896
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「100大学有志共同行動」に全国の大学から参加を!
安全保障関連法案に反対する学者の会主催


8月26日(水)
12:30 集合 「ガーデンシティ永田町
13:00~14:00 100大学有志の合同記者会見

・声明発表などを行った全国の大学有志が一堂に会して会見します。
・各大学有志の会の「ノボリ」を学者の会事務局で準備します。
14:30~ 国会議員要請(参議院議員会館)

・各大学有志の声明、賛同人署名を持ちより、参加者全員ですべての参院議員を訪問し廃案を要請します。
 この後は、日弁連の「安全法案廃案へ!日本の立憲主義を守り抜く大集会&パレード~法曹・学者・学生・市民・総結集」に参加します。
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☆戦争法案に反対する宗教者・門徒・信者全国集会
 国会前抗議祈念行動

8月24日(月) 午後5時〜6時
衆議院第2議員会館前


戦争法案に反対する宗教者・門徒・信者全国集会事務局
武田隆雄拝
(090-1853-1446)

◎「宗教者九条の和」HPで8月24日の全国集会チラシはご覧いただけます。

☆瀬戸内寂聴さんの集会メッセージがあります。


「戦争法案に反対する宗教者・門徒・信者全国集会」
メッセージ
瀬戸内寂聴

不安な恐ろしい時代になりました。
前の長い戦争の果の敗戦を経験している私は、まさか、自分の生きている間に、またもや日本が戦争を始めたがる国になろうとは思いませんでした。
釈尊は、虫も殺させない方でした。
仏教の根本は「殺すなかれ 殺させるなかれ」という釈尊のお言葉が据わっています。

私たちは仏教徒です。
こういう危険の迫る国の方針には、誰よりも早く反対しなければなりません。
立ち上がりが遅すぎたと思います。
その分、私たちは仏教徒の誇りを持って、日本の未来を守るため、若者や子供たちの前途を守るため、手を組んで立ち上がりましょう。
戦争にいい戦争や聖戦はありません。
戦争はすべて人殺しで悪です。 


・・・
オスプレイ飛行 演習の終了直後
◆陸自導入へPR
 陸上自衛隊による国内最大規模の実弾射撃演習「富士総合火力演習」(総火演)が二十三日、陸自東富士演習場(御殿場市など)であり、一般来場者ら約二万六千人が見学した。演習終了直後、米海兵隊の垂直離着陸輸送機MV22オスプレイ一機が、会場上空を飛行した。安全性に関する懸念が残るオスプレイの配備を日本国内で進める日米両国が協力してPRを図った形で、来場者や地元住民から不安の声も目立った。
 MV22が現れたのは、正午ごろに演習が終了した直後。会場付近の上空を北から南に向かって着陸せずに飛び去った。飛来したのは、東富士演習場や北富士演習場(山梨県)で離着陸訓練中の米海兵隊普天間(ふてんま)飛行場(沖縄県宜野湾(ぎのわん)市)所属のMV22一機。同飛行場にはMV22二十四機が配備されている。

 陸自は二〇一八年度までにオスプレイ十七機を導入する予定。しかし、五月には米ハワイで死亡事故が発生。今回は、一般公開する総火演と米海兵隊の訓練日程が重なったことから「国民の理解を深めるため」として演習後の会場上空での飛行を要請していた。来年以降について陸自広報室は「現時点では決定していない」としている。
 この日は陸自隊員ら約二千三百人が参加。島に侵攻した敵を撃退する想定の演習では、戦車などが次々と実弾を発射した。 二十二日の予行演習では、戦車が発射した砲弾の付属部品の破片で見学者二人が軽傷を負う事故があり、この日は原因となった砲弾の使用を取りやめた。中谷元(げん)防衛相はあいさつで「誠に遺憾で心からおわび申し上げる」と謝罪した。 

◆「なぜ必要」疑問の声も
 演習終了後の午後零時十分すぎ、使用した戦車がずらりと並ぶ会場にオスプレイ独特の低いプロペラ音が響いた。二万六千人が見学した観客席の前に姿を現すと、ざわめきが起き、観客はカメラを構えてシャッターを切っていた。
 オスプレイは観客席から西方のやや離れた会場上空を移動。陸自側は「二十九日までの離着陸訓練の一環で飛行します」とアナウンスして演習とは別物と強調するも、大型スクリーンに飛行する姿を映してアピールしていた。名古屋市名東区の会社員女性(24)は「事故の報道で安全性に不安はあるが、災害時に役に立ちそうなので導入に反対できない」と見守った。

 一方、「なぜ必要なのか分からない」と疑問を口にしたのは長野県伊那市の会社員男性(44)。演習中にオスプレイを紹介する画像がスクリーンに映り、「自衛隊に導入する予定です」との説明があったが、「ヘリとの能力の違いや具体的な利用方法が知りたい」と話した。愛知県豊橋市の会社員男性(42)は「小さく、輸送能力のすごさが分からなかった」と導入に反対。「米国に高額で買わせられている印象があり、違うところに税金を使うべきだ」と批判した。
 会場近くで見守った市民団体「オスプレイに反対する東富士住民の会」事務局長の渡辺希一さん(63)は「二万五千人もの大勢の近くで危険な機体を飛ばすのは許せない」と憤った。「やりたい放題の訓練が始まるのではないか」と米側の動きを懸念した。(中日新聞 熊崎未奈、山田晃史)

2015年8月21日金曜日

川内原発の再稼働を許さない:  1号機で「復水器」トラブル

川内原発の再稼働を許さない:  1号機で「復水器」トラブル

桜島噴火警戒 レベル4継続中 関連情報http://373news.com/_sakurajima/index.php

・川内原発1号機、出力上昇を中断 再稼働後初のトラブル
 九州電力は21日、今月11日に再稼働させた川内原発1号機(鹿児島県薩摩川内市)の出力上昇を中断すると発表した。タービンを回した後の蒸気を水に戻す復水器内の配管から微量の海水が混入したとみられる。25日に予定していたフル運転も延期する。再稼働後、トラブルで工程が延期されるのは初めて

 原子炉は稼働を続けており、九電は「運転継続に支障はない」としている。1週間程度、復水器の詳細な点検を実施した後、出力上昇を再開する予定。環境への放射性物質の影響はないという。ただ、9月上旬を予定している本格的な営業運転が遅れる可能性が出てきた。(共同)

・・・
伊方再稼動、安全性懸念続々 大洲・内子・伊予市説明会
 大洲、伊予両市と内子町は20日、四国電力伊方原発3号機(愛媛県伊方町)の再稼働の是非に関する意見集約に向けた住民説明会を大洲市役所で開いた。出席者からは伊方原発の安全性を懸念する発言が相次いだ。
 開催に当たり出席者の公募をせず傍聴も受け付けなかった(!!!)。

 19日に西予、宇和島両市が西予市で開いた説明会とは異なり出席者アンケートも行わない

 20日は3市町が選考した市議や自治会、漁協、農協などの代表者計240人のうち217人が出席。経済産業省資源エネルギー庁や原子力規制庁、四電が原発の必要性や新規制基準の適合性審査の結果などを、内閣府と県は原子力防災対策をそれぞれ説明した。
 出席者からは、国の原子力規制委員会の田中俊一委員長が「絶対安全はない」などと述べていることを理由に、安全性を懸念する声が複数上がった。規制庁は「絶対安全としてしまうと安全性を向上させる取り組みがストップするという考え方」「確率的なデータでゼロにならないということだ」と強調した。(愛媛新聞)


・・・
「避難の権利」ブログより
子ども・被災者支援法をめぐる質問主意書と答弁書
「避難する状況にない」の根拠示さず、避難者を切捨てる政府の態度が明らかに

7月10日、復興庁が、「子ども・被災者支援法」の基本方針改定案を発表しました。
今回の改定案は、線量が低減したとして、「避難指示区域以外から避難する状況にはない」「(空間線量等からは」支援対象地域は縮小又 は撤廃することが適当」「当面、放射線量の低減にかかわらず、支援対象地域の縮小又は撤廃はしないこととする」した上で、福島県による自主的避難者への無 償住宅提供の打ち切り方針を追認しています。
 これについて、福島みずほ議員が質問主意書を出し(平成27年8月10日付け)、それに対する答弁書(8月18日付)が出てきました。政府は、復興庁基本方針案の内容を繰り返すだけで肝心な質問にあまり答えていませんが、おおよそ以下のことを言っています(あるいは読み取れます)

・被災者の数の把握は行っていない。
・「避難する状況にない」という文言を削除するつもりはない。
・具体的な避難者支援は何一つ示していない。

・積算線量は評価していない。 
・放射線管理区域に子どもが生活することは問題であるかどうかについては明言せず(あるいは、放射線管理区域は労働者対象なので問題ない、という趣旨か?)
・東日本の県別の土壌汚染の状況は、平成25年度以降のデータはない

・長期的な目標として年1ミリシーベルトとしているため、ICRPが勧告する参考レベルは設定しない。
・支援対象地域は拡大しない。
・健診の対象を拡大するつもりはない。

 以下、質問主意書と答弁書を掲載しました。(青字が質問主意書、赤字は編集者によるコメント。)
 (オリジナルデータは下記からご覧ください) 
・子ども・被災者支援法の基本方針改定に関する質問主意書
・答弁書
http://www.sangiin.go.jp/japanese/joho1/kousei/syuisyo/189/toup/t189234.pdf


・・・
8/25
福島原発事故: 自主避難支援の基本方針改定 閣議決定
  政府は25日の閣議で、東京電力福島第1原発事故の自主避難者らを支援する「子ども・被災者生活支援法」の基本方針改定を決定した。健康調査や除染などの ため、福島県内の33市町村を指定している支援対象地域について、空間放射線量の低減などを根拠に「縮小または撤廃することが適当」と打ち出した。ただ、 避難者が移住や帰還を判断するには一定の期間が必要だとして、当面は現在の対象地域を維持する。

 支援法は、自主避難者の住宅確保や就業、学習支援などを目的に民主党政権時代の2012年6月に議員立法で成立した。13年10月に基本方針が決まり、改定は今回が初めて。
 避難指示区域を除く33市町村の支援対象地域について、改定基本方針は、原発事故から4年あまりが経過し、被災地の空間放射線量が低減していることから「新たに避難する状況にはない」と分析。将来の縮小、廃止を前提に、帰還や定住の支援に重点を置くことを明記した。

 支援対象地域は放射線量調査に基づいて毎年見直すことになっている。しかし、指定に明確な基準がなく、見直しはこれまで行われていない。縮小、廃止には「避難者切り捨て」という批判も根強い。
 竹下亘復興相は25日の記者会見で「引き続き支援をしていくという基本は今までと変わりがない」と強調した。一方、縮小、廃止をどう判断するかについては「こういう手順という方程式があるわけではない」と述べるにとどめた。【毎日 松本晃】

2015年8月20日木曜日

「島ぐるみ会議」全国キャラバンin神奈川 ~沖縄は辺野古新基地建設を拒否する!

「島ぐるみ会議」全国キャラバンin神奈川 ~沖縄は辺野古新基地建設を拒否する! 


◆日時 8月21日(金)18時開場
◆会場 神奈川県民センターホール(横浜駅西口5分)
◆内容
◇辺野古のたたかい(映像)
◇沖縄からの訴え
   平良識子 (「島ぐるみ会議」執行委員、那覇市議)
◇報告:翁長知事訪米要請行動の意義
  猿田佐世 (新外交イニシアティブ事務局長、弁護士)
◇連帯発言
  吉田滋 (牧師、辺野古抗議船船長)
  外間三枝子 (沖縄一坪反戦地主会関東ブロック共同代表)
◇9.12国会包囲の呼びかけ

◆資料代 500円
◆主催 「島ぐるみ会議」と神奈川を結ぶ会・神奈川平和運動センター
◆島ぐるみ会議と神奈川を結ぶ会・世話人(敬称略・順不同7/20現在)

仲宗根保(鶴見沖縄県人会・前幹事長)・高梨晃嘉(元横浜市議)・山田広美(「あごら」編集長)・伊藤成彦(中央大学名誉教授)・日下景子(神奈川 県議)・山城保男(横須賀市議)・斉藤竜太(医師)・丹野貞子(I女性会議神奈川県本部委員長)・中村優子(前大和市議)・青木直史(全造船機械労組関東 地方協議会議長)・阿部知子(衆議院議員)

◆連絡・問合せ
090-7402-5245檜鼻(基地撤去をめざす県央共闘会議)
090-4822-4798深沢(沖縄講座@横浜)

0821flr

…………………………………………………………………
島ぐるみ会議」とは・・・
正式名称は「沖縄『建白書』を実現し未来を拓く島ぐるみ会議」。昨年7月27日に結成されました。
翁長知事を支える「オール沖縄」の象徴的存在です。共同代表は、大城貴代子(元県女性政策室長)・大城紀夫(連合沖縄会長)・呉屋守将(金秀グループ会長)・平良朝敬(かりゆしグループCEO)・高里 鈴代(基地・軍隊を許さない行動する女たちの会代表)・友寄信助(元社民党県連委員長)・仲里利信(元県議会議長)・宮城篤実(前嘉手納町長)・宮里政玄 (沖縄対外問題研究会顧問)・由井晶子(ジャーナリスト)・吉元政矩(元副知事)、以上11人の幅広い顔ぶれ。
8月21日には、この共同代表の一人が来県 されます。

2015年8月17日月曜日

先住民族としての琉球民族の自決権

先住民族としての琉球民族の自決権

●「沖縄、差別的状況だ」 国連特別報告者が知事と面談
 国連人権理事会や国連総会に報告書を提出することができる特別報告者のビクトリア・タウリ=コープス氏が17日午前9時すぎ、県庁で翁長雄志知事と面会し、「これだけの基地負担を沖縄が負わなければならないのは『差別的な状況』ではないかと思う。沖縄の自己決定権実現に向け、できる限り支援していきたい」と述べた。

 コープス氏は16日に名護市辺野古で座り込んでいる市民らから話を聞いたことを紹介し、「沖縄が置かれている状況について情報を得ることができた」と翁長知事に説明した。 翁長知事は沖縄の歴史や基地形成過程を説明し、
 「『普天間飛行場が世界一危険だから、またお前たちが(代替地を)負担しろ』と政府は言っている。こんな理不尽なことはない」と自身の立場を説明した。【琉球新報電子版】

●国連特別報告者コープス氏 「国連演説が好機に」
 沖縄を訪問中の国連特別報告者のビクトリア・タウリ=コープス氏が16日、沖縄大学で講演し、辺野古新基地建設問題をめぐり9月に翁長雄志知事が国連で演説することに触れた上で「国際的な場で声を上げることでさまざまな好機が出てくる」と述べた。コープス氏は今回の沖縄訪問に関する報告書を9月ごろ、国連に提出する方針。
 「知事の後押しができると思う」と述べ、新基地建設阻止に向け行動する沖縄の民意を支援していく考えを示した。

 国連特別報告者緊急来沖シンポジウム「沖縄における人権侵害―自己決定権の視座から―」(沖縄大学地域研究所主催、沖縄「建白書」を実現し未来を拓く島ぐるみ会議共催)で講演した。島ぐるみ会議国連部会長の島袋純琉球大学教授との対談も行われ、島袋氏が「沖縄の土地や辺野古の海の保全や利用について決める権利は沖縄にあるという理解でいいか」と尋ねると、コープス氏は「その通りだ。国連宣言を踏まえれば土地や資源だけでなく、海域や空域についても先住民に権利があるとうたわれている」と話した。

 シンポジウムには約150人が参加。ビクトリア氏は「沖縄は独自の文化、言語を持っていることから先住民族と言える」と指摘した上で「辺野古に基地を建設するに当たり、政府から相談を受けていないと聞いた。これは開発を行う以前に意見を聞かなければならないという先住民族の宣言に反している」と指摘した。【琉球新報電子版】


安倍談話 2015年8月14日」より
 「・・・二度と戦争の惨禍を繰り返してはならない。
 事変、侵略、戦争。いかなる武力の威嚇や行使も、国際紛争を解決する手段としては、もう二度と用いてはならない。
 植民地支配から永遠に訣別し、すべての民族の自決の権利が尊重される世界にしなければならない
 先の大戦への深い悔悟の念と共に、我が国は、そう誓いました。 ・・・」


⇒「グローバル時代の先住民族 ~ 「先住民族の10年」とは何だったのか」(法律文化社)
第Ⅱ部 先住民族の直面する課題
第四章 バイオテクノロジーと先住民族
     (ビクトリア・タウリ=コープス 【苑原俊明=訳】)
  1 はじめに
  2 定義に関する問題
  3 技術と先住民族に対する暴力
  4 バイオテクノロジーに関する様々な立場
  5 バイオテクノロジーをめぐる諸問題
  6 バイオテクノロジーへの批判と意味合い
  7 ヒトゲノム多様性プロジェクトと先住民族
  8 ヒトゲノム多様性プロジェクトへの批判
  9 ヒトゲノム多様性プロジェクトと生命特許化に対する反応
  10 結 論

 第五章 持続可能な開発に関する先住民族コーカスの経済社会開発に関する共同声明
      (ビクトリア・タウリ=コープス 【真実一美=訳】)
  1 先住民族と採掘産業
  2 先住民族とWTO
  3 先住民族と経済社会開発のための追加資源


・・・
「戦場ぬ止み」いくさばぬとぅどぅみ」 http://ikusaba.com 絶賛上映中
三上智恵です。 8月19日夕方五時から/衆議院議員会館一階ホールで/「戦場ぬ止み」国会議員向けの上映会があります。オープンだそうです。 私も少しお話をしに行きますので皆様も時間が合えばお運びください。
ポレポレ東中野 03-3371-0088 8月21日(金)イベント
●13:00の回上映後トークショー
高畑勲さん(アニメーション映画監督)×三上智恵監督
●18:20の回上映後 三上智恵監督による舞台挨拶

2015年8月12日水曜日

「必要最小限度の自衛の措置」って何?

「必要最小限度の自衛の措置」って何?


 少し、気になった文章がある。
 昨日付けの「日刊ゲンダイ」に掲載された、倉持麟太郎氏による「安保法案の欠陥を衝く/第1回 「必要最小限度に…」の礒崎補佐官の弁明は口先だけだ 」という論考のことである。
 私は、「礒崎補佐官の弁明は口先だけ」という倉持氏の見解に同意するし、「安保法案」に反対する文章全体の趣旨にも賛同する。気になったのは、「必要最小限度の自衛の措置」をめぐる氏の分析についてである。

 倉持氏は、このように書いている。 「日本は、自衛のための措置をとる場合、その措置は、必要最小限度の武力行使でなければならないのだが、実は新・旧3要件における「必要最小限度」は意味合いが違う。」
 なにが、どのように違うのか? それを倉持氏は「個別的自衛権」と「集団的自衛権」に分けて説明しようとする。まず、「個別的自衛権」。
 「個別的自衛権の場合、我が国に対する外国の武力攻撃があるわけで、目の前の火の粉を払うための「必要最小限度」は、ある程度明確である。火の粉を払いさえすればよく、しかも、この場合の自衛の措置は、自国で判断しコントロールできる」と倉持氏はいう。

 一方、「集団的自衛権」のケースではどうか。

 「日本は、存立危機事態を認定し、その存立危機事態を「終結させる」ために、集団的自衛権で攻撃国に対して「必要最小限度」の武力攻撃をする」わけだが、その場合には、
 「これは、ほぼ敵国の殲滅と同義であり、明らかに憲法9条の枠内で認められるべき「必要最小限度」 を超えてしまう。重要なのは、個別的自衛権の場合は、自国で判断できるが、集団的自衛権を行使し、他国の防衛と協働した場合、我が国だけでは判断もコントロールもできないという点だ」・・・。


 「日刊ゲンダイ」の読者は、この説明で納得しただろうか。
 なぜ、「個別的自衛権」では、「必要最小限度」の中身が「ある程度明確」であり、「自国で判断しコントロールできる」と言えるのか? 私には分からなかった。 「目の前の火の粉を払うため」だからだ、と倉持氏は言うのだが、それは「火の粉」の「粉」の実態、つまり「我が国に対する外国の武力攻撃」の性格やその規模如何によるのではないか。

 同じ疑問が、「集団的自衛権」の場合にも、言える。なぜこれが「敵国の殲滅と同義」であり、日本だけでは「判断もコントロールもできない」と言えるのか?
 早い話、「集団的自衛権」の武力による行使が、国法上可能な国家であれ、これをどの程度行使するかは、それぞれの国の「判断とコントロール」下にある。たとえば、トルコがNATO傘下の国家であるからといって、自動的に「集団的自衛権」をNATO諸国が発動したわけではないように、行使するかどうかそのものが、その国の政府の判断次第なのだ。
 また、行使した場合のその規模、期間なども、すべてその国の政治・経済情勢や、軍事力を含む総体的国力如何に規定される、と言えるだろう。

 総論的に言えば、倉持氏がこの文章の中で、安倍「安保法案」を「違憲」だと断言するその論法は、戦争と軍事のリアリズムの前では、かなり論拠薄弱なものになってしまっている、と私には思えた。これでは負けてしまう、と。


 日米安保と「必要最少限度の自衛の措置」 

 自衛隊の「本体業務」である、日本に対する「外部」からの「武力攻撃」があった際に行使する「必要最小限度の自衛の措置」とは何か?
 倉持氏が触れていないのは、 態様・規模・期間において、きわめて主観的で曖昧な、この「必要最小限度の自衛の措置」という概念と日米安保との関係である。いや倉持氏だけでなく、衆院、参院と続いてきた国会での「安保法案」をめぐる論戦の中で、ほとんど言及されていないのが両者の関係なのだ。 

 日本国憲法には、「自衛権」という言葉が存在しない。「武力」を持たず、ゆえにその「行使」もできない、まして「交戦権」も破棄した国家に、「自衛権」やその武力による「行使」という概念は「国権」の中に内包しようがないからである。 
 にもかかわらず、なぜ日米安保=武力としての在日米軍と「実力組織」としての自衛隊が存在するのか?
 これらを憲法(九条)解釈的に、つまりは「合憲!」というためには、どのようなトリックが必要なのか?
 そこで持ち出されたのが、「国家の自然権としての自衛権」なる概念だったのである。 
〈議論が深まらない社会 2015〉  「安保法案」廃案へ向けた議論を深めるために」につなげながら、検討を進めてみよう。


(つづく)


〈補記 -「安保法案」をめぐる混同と混乱〉
 「集団的自衛権」を関する上の記述に続く倉持氏の文章には、「安保法案」をめぐる若干の混同と混乱がある。
 誰もが陥りやすい誤りなので、述べておきたい。
 混同というのは、「存立危機事態」と「重要影響事態」の混同である。
 倉持氏は、「もし、戦闘の最中、日本だけが「必要最小限度を超えるから引き返す」と言えば、それこそ安倍首相の言う「世界の平和への貢献」 など画餅になる」と書いているが、ここには、やや「存立危機事態」と「重要影響事態」との混同がある。「集団的自衛権」の行使としての「存立危機事態」への対処は、 「世界の平和への貢献」のためになされるのではなく、日本の「存立」を維持するため、というのが安倍内閣の、一応の説明になっているからだ。
 もちろ ん、両者は、一部の領域で重なり合う側面はあるのだが、一応は区別されていることは正確に理解しておく必要がある。

 もう一点の混乱というのは、「集団的自衛権」の「フルスペック」論についてである。
 倉持さんは、「米国とともに他国の全ミサイル基地を叩くのであれば、政府自身が行使不可能と述べる、いわゆる「フルスペック」の集団的自衛権になってしまう」と書いている。しかし、安倍内閣は、同じように一応のところは、「「フルスペック」の集団的自衛権」は行使しないと断言していることを、きちんと踏まえておかねばならない。
 
 そもそも「集団的自衛権」の行使に、武力行使を伴う/伴わないよって、「フルスペック」=違憲、「限定的行使」=合憲とするような議論自体がナンセンスである。これに「フルスペック」も「限定的行使」もない。いずれも行使は行使なのだ。日本でしか通用しない「霞が関文学」の修辞上のトリックの欺瞞と、イリュージョンの虚構に、くれぐれも騙されないようにしよう。
  

安倍「安保法案」: 自衛隊内部資料

 安倍「安保法案」: 自衛隊内部資料

▼小池晃共産党議員
 今日の参議院特別委員会で暴露した自衛隊・統合幕僚監部の内部文書です。
 法案審議が始まった五月に克明な実施計画を作成。
 まるで戦前の「軍部独走」。
 戦争法案は撤回!

 国会質問ムービーはこちら。


●小池議員が提出した資料→ 「自衛隊統合幕僚監部資料」(PDF)
http://www.jcp.or.jp/web_download/data/20150810183700620.pdf


・・・
参院安保特:成立前提で検討資料 防衛省「2月施行」
 共産党の小池晃氏は11日の参院平和安全法制特別委員会で、防衛省統合幕僚監部が安全保障関連法案成立を前提に作成したとする内部資料を提示した。
 資料は「最も早いパターン」として法案成立を8月、施行を来年2月とし、
▽米軍による南シナ海での情報収集活動への自衛隊の関与
南スーダンでの国連平和維持活動(PKO)での駆けつけ警護・宿営地共同防衛の実施
 −−などを「検討事項」として記載していた。

 中谷元(げん)防衛相は「国会での審議中に法案の内容を先取りすることは控えなければならない」と事実なら不適切との認識を示したが、資料の内容についてのコメントは避けた。
 資料は、今年5月に内部向けの説明資料として作られたとみられ、法案成立後の「今後の方向性」についても記している。
 南シナ海での情報収集活動やPKOでの任務拡充などを「検討事項」として記載し、PKOに関しても来年2月から「新法制に基づく運用」が可能になると明記した。

 小池氏が資料の存在を認めるよう求めたのに対し、中谷氏は「同じ表題の資料は存在する」と述べるにとどめた。また、自衛隊を派遣中の南スーダンPKOについては、関連法の成立後に「他国軍との宿営地の共同防衛」が可能になるとの見解を示した。
 小池氏は自衛隊が法案成立に先立ち検討を始めているとして「戦前の軍部の独走(と同じ)だ。議論はできない」と批判し、紛糾。共産党以外の野党も同調し、同日の質疑は打ち切りとなった。【毎日 青木純、福岡静哉】


⇒2015年7月29日 「自衛隊は南スーダンPKOから撤退すべきである―「駆けつけ警護」と自衛隊の武力行使」 

 「自衛隊は国連PKOから撤退できない?

・・・一国が、現在の国連PKOに対し、どのような条件で、どのくらいの期間、自国の軍隊(自衛隊の法的地位は軍ではないが)を派兵するかは、その国の主体的判断如何によっている。その条件を国連PKO局が受け入れないというなら、派兵を拒否すればよいだけである。派兵した軍隊の撤退例は、イラクやアフガ ニスタンなど、過去にいくらでもある。
 この常識が、国連専門家や(国際)安全保障学を専攻する日本の学者には通じない。

 問題は、日本の場合、一度国連PKOに「派遣」された自衛隊の「派遣」延長/撤退問題が、閣議決定によって処理され、国会で審議に付されることもほとんどないことである。
 民主党は、最初に「派遣」した手前、撤退を主張せず、共産党も「派遣」(=海外派兵)は憲法違反と言うだけで、現地情勢の変化の分析を基に、撤退を政府に要求することもない。その他の政党は、政府に追随するか、無関心を決め込むだけである・・・」

・・・
南スーダンPKO派遣延長=政府
 政府は(8月)7日の閣議で、南スーダンの国連平和維持活動(PKO)への自衛隊派遣について、今月末となっている派遣期間を2016年2月末までの半年間延長することを決めた。
 国連安全保障理事会が派遣期間を延長したことに伴う措置。中谷元防衛相はこの後の記者会見で「自衛隊活動は現地から高い評価を得ている。国際社会と協力し活動を継続していく」と述べた。

 自衛隊は11年11月から国連南スーダン派遣団(UNMISS)に自衛隊を順次派遣。現在、司令部要員として4人が連絡調整に当たっているほか、施設部隊約350人が首都ジュバで道路整備などに従事している。(時事 2015/08/07)

PKO隊員、不祥事相次ぐ
【ニューヨーク=高橋里奈】 国連平和維持活動(PKO)隊員による不祥事が相次いでいる。
 今月上旬、中央アフリカでPKO隊員が2人の市民を殺害し、少女に性的暴行を加えたことが民間団体の調査で発覚した。国連は6月にPKOの行動指針をまとめたばかりだが、現場では犯罪が後を絶たない

 これまでも南スーダンやハイチなどで女性や子供を性的搾取したことが判明している。国際人権団体のアムネスティ・インターナショナルによると、イスラム教徒とキリスト教徒の対立が続く中央アフリカの首都バンギで、2日未明にPKO隊員が少女を屋外に連れ出し性的暴行を加えた。3日には男性市民2人を射殺した。

 中央アフリカではPKOに参加したフランス軍兵士14人が食糧の見返りに10人の子供に性的虐待をした疑いが4月に明らかになった。国連の調査によると、2008~13年に南スーダンやコンゴなどで隊員による480件の性的搾取や虐待の疑いもある。欧米では平和維持にあたる隊員による不祥事が後を絶たないことに非難の声が高まっている。(日経)

マリでイスラム武装勢力が襲撃 7人死亡、PKO職員も犠牲か
 西アフリカのマリ中部セバレで7日、イスラム過激派とみられる武装勢力がホテルを襲撃し、軍兵士5人と容疑者2人が死亡した。AP通信などが伝えた。他に国連平和維持活動(PKO)の外国人スタッフも死亡したとみられるが、国籍は不明。武装勢力は、人質を取ってホテルに立てこもっている。

 フランス公共ラジオによると、ホテルから脱出したウクライナ人は襲撃当時、ホテルに南アフリカ人が3人、ロシア人が1人いたと話した。現場は国連職員らが利用するホテルで、治安当局は武装勢力が外国人を拉致しようとした可能性があるとみている。 マリでは3月にも首都バマコのレストランが襲撃され、フランス人やベルギー人が死亡。イスラム武装勢力「アルムラビトゥン」が犯行声明を出した。(共同)

⇒2013年1月15日 「フランスのマリへの軍事介入: ~「対テロ戦争」? それともトゥアレグ遊牧民族の民族自決と自治の圧殺?」
⇒2011年10月17日 「国連PKOのハイチからの即時撤退を求める国際署名」

2015年8月11日火曜日

九電が川内原発1号機を再稼働させた日

九電が川内原発1号機を再稼働させた日
南日本新聞 PDF号外
川内原発再稼働 新規制下、全国初 (08/11)
⇒2015年7月7日 「川内原発: 「見切り発車許さぬ」

・・・
原発のリスク、忘れるな 
 九電本社前で抗議の青柳さん [鹿児島県] 
 3年7カ月ぶりに九州に原子の火がともった。福岡市の九州電力本店前にテントを張り、再稼働反対を訴え続けた青柳行信さん(68)=同市博多区=は、その瞬間を本店前で迎えた。
 座り込みの抗議を始めて1574日目。再稼働に踏み切った九電に静かに問いかける。
 「放射能の恐ろしさを前に、あなたたちは震えおののいているか」

 11日午前10時前、制御棒の耐震性に疑いがあるとして、仲間とともに九電に情報公開を申し入れたが、文書さえ受け取ってもらえなかった。その直後に原発起動の知らせを聞いた。
 「なぜ不安に感じる市民の声に耳を傾けないのか」
 テントを毎朝張り始めたのは、福島第1原発事故が起きた翌月の2011年4月20日。脱原発のムードは社会に広がり、夜通しの座り込みにも賛同者の訪問が絶えず、一時は道路にはみ出すほどだった。
 だが、時間の経過とともに、少しずつ人は減っていった

 「絶対に事故を風化させたくない」。教員をしながら社会運動をしていた若いころ、チェルノブイリ原発事故が起きた。広島、長崎の原爆を織り交ぜて核被害の脅威を訴えたが、世間は1年ほどで忘れていった。力不足を感じた苦い経験が、今回の長きにわたる運動につながった。 
 「九電本店前ひろば」と名付けたテントは、市や警察との協議で平日昼間のみの活動になったが、「目に見える拠点があることで、あの日の記憶が消えていないことを示せている。九電にも市民にも」と存在意義を強調する。

 訪問者の考えはさまざまだ。原発の即時ゼロ、段階的な廃炉、中には「あなたたちが声を上げるから安全性が高まる」と激励に来る原発推進派も。理解は広がり、社会運動とは無縁の人たちにも支えられてきた。
 周辺自治体の避難計画、火山や地震の影響、使用済み核燃料の行き先…。
 不安要素は山ほどあるが、最も九電に訴えたいのは人間としての「倫理」だ。
 「放射能と人類は共存できないことを、私たちは福島から学んだ。暮らし方を見直す時期に来ている」。ひろばはまだ閉じられそうにない。(西日本新聞)

8/12 
鹿児島・川内原発:1号機再稼働 福島を忘れたのか 
  飯舘電力社長「経済優先、変えたい」 /福島
 九州電力川内(せんだい)原発1号機(鹿児島県薩摩川内市)が11日、再稼働した。東京電力福島第1原発事故で原発の安全神話が崩壊してから4年5カ月。原発に頼らない社会を目指し太陽光発電など再生可能エネルギーの普及に取り組む人からも再稼働に疑問の声が上がった。【喜浦遊】

 「福島で何が起きているか誰もが知っているはず。それでも原発を再稼働させるのか。経済優先の現状を福島から変えていきたい」。全村避難が続く飯舘村で昨年9月、村民の出資で設立した「飯舘電力」社長の小林稔さん(63)はこう決意を語る。
 村の丘陵地に太陽光パネル約200枚が並ぶ。帰村がかなった時に村民の暮らしの支えになることを目指す飯舘電力の太陽光発電所だ。今年2月に完成した。出力49・5キロワット。20年にわたり1キロワット時当たり32円で東北電力に売電し、年約160万円の利益を見込む。

 小林さんは震災前、村の牧場で和牛約30頭を育て、11ヘクタールの水田で米作もしていた。震災直後、宮城県蔵王町の知人の牧場に牛を避難させた。今も避難先の喜多方市から通って世話をする。
 喜多方市で酒米作りに携わったことが縁で、震災を機に再生エネルギー普及を目指す「会津電力」を起こした酒造会社社長、佐藤弥右衛門さん(64)と出会い、自らも電力会社を設立することを決意した。「原発事故は飯舘村民から日常を奪った。もう原発はいらない」。佐藤さんからアドバイスを受け、村民や地元企業などから1000万円を超える出資金を集めた。

 川内原発再稼働について小林さんは「地元で暮らす人たちが判断したこと。簡単に批判できない」と話す。原発関連の企業で多くの人が働き、生活してきた事故前の福島の姿を重ねるからだ。「だが、福島の現実を見なかったことにして再稼働したのであれば悲し過ぎる」と肩を落とす。「すぐにとはいかなくても再生エネルギーで村を復興させる。その姿を全国の人に見てもらい、原発が本当に必要なのか考えてもらうしかない」 (毎日)

「国民の70年談話」 ──日本国憲法の視座から過去と向き合い未来を語る

<シンポジウム>
「国民の70年談話」
──日本国憲法の視座から過去と向き合い未来を語る

・安全保障関連法案の廃案をめざして

日時■  2015年8月13日(木)11時~13時40分(開場10時30分)
会場■  弁護士会館 2階講堂 「クレオ」ABC
参加費■ 無料 (カンパは歓迎) 

戦後70周年を迎える今年の夏、憲法の理念を乱暴に蹂躙しようとする政権と、あくまで憲法を擁護し、その理念実現を求める国民との対立が緊迫し深刻化しています。 この事態において、政権の側の「戦後70年談話」が発表されようとしていますが、私たちは、安倍政権の談話に対峙する「国民の 70年談話」が必要だと考えます。

そ のような場としてふさわしいシンポジウムを企画しました。憲法が前提とした歴史認識を正確に踏まえるとともに、戦後日本再出発時の憲法に込められた理念を 再確認して、平和・民主主義・人権・教育・生活・憲法運動等々の諸分野での「戦後」をトータルに検証のうえ、「国民の70年談話」を採択しようというもの です。

ときあたかも、平和憲法をめぐるせめぎ合いの象徴的事件として安全保障関連法案阻止運動が昂揚しています。併せて、この法案の問題点を歴史的に確認する集会ともしたいと思います。
ぜひ、多くの皆さまのご参加をお願いいたします。


◇第1部  過去と向き合う
戦後70年日本が戦争をせず、平和であり続けることが出来たことの意義
 東京大学教授  高橋哲哉
戦後改革における民主主義の理念と現状
 元日本教育学会・教育法学会会長  堀尾輝久
■人間らしい暮らしと働き方のできる持続可能な社会の実現に向けて
 埼玉大学名誉教授  暉峻淑子
日本国憲法を内実化するための闘い
 ──砂川・長沼訴訟の経験から
 弁護士  新井 章
■安全保障関連法案は憲法違反である
 一橋大学名誉教授  杉原泰雄
◇レクイエム 弦楽四重奏(日本フィルハーモニー)

◇第2部
 未来を語る会場発言リレートーク

◇第3部
 「国民の70年談話」の発表と採択 


主催■  「国民の70年談話」実行委員会      
      代表・新井章事務局長・加藤文也
連絡先■ 東京中央法律事務所(電話 03-3353-1911)

2015年8月10日月曜日

安保法制・アホノミクス・日本経済の変容

安保法制・アホノミクス・日本経済の変容 (立憲フォーラム・戦争をさせない1000 人委員会共催)

日時 8 月 27 日(木)午後5時~
場所 衆院第一議員会館1階 多目的ホール

浜矩子(同志社大教授)ほか
(入場は無料。お問い合わせは江崎孝参院事務所(03-6550-0511、参­511) )


●「アジアと日本」再構築のために ~「戦争法案」を葬ろう 8.20 院内集会
◆安倍談話・ポスト戦後 70 年の日本とアジア

日時 8 月 20 日(木)午後 4 時 30 分~(※30 分早いです)
場所 参議院議員会館1階 講堂

姜尚中(東大名誉教授)、参院安保委からの報告


 安倍政権は 8 月 14 日にも「戦後 70 年談話」を閣議決定し発表する意向のようです(8 月 6 日段階)。
 しかし、安倍首相は「遠くない過去の一時期、国策を誤り、戦争への道を歩んで国民を存亡の危機に陥れ、植民地支配と侵略によって、多くの国々、とりわけアジア諸国の人々に対して多大の損害と苦痛を与えました」という戦前の大日本帝国の「過ち」を正面から認めた戦後 50 年「村山談話」の継承を拒み、骨抜きを図ろうとしています。

 それ故、世界、なかでもアジア近隣諸国は「安倍談話」に対し警戒心を露にしています。中国の王毅外相と韓国の尹炳世(ユン・ビョンセ)外相は 5 日、クアラルンプールで戦後70年談話に対し「過去を直視し和解と協力の道へと進めるよう努力を傾ける必要がある」との認識で一致したと報道されています。
 「戦争法案」の強行と、「安倍談話」は戦後70年後の日本とアジアにどのような変化と緊張をもたらすのか。一貫して「戦争に変わる政治的構想力」を問い、「北東アジア共同の家」をめざしてきた姜尚中(かん・さんじゅん)東大名誉教授にホットなテーマでお話いただきます。


□ 毎週木曜日は午後6時30分から国会前集会を行っています。ご参加下さい。
※立憲フォーラムからのメール情報をご希望の方は、rikken96@gmail.com までメール下さい。

2015年8月9日日曜日

長崎平和宣言

長崎平和宣言


 昭和20年8月9日午前11時2分、一発の原子爆弾により、長崎の街は一瞬で廃墟(はいきょ)と化しました。
大量の放射線が人々の体をつらぬき、想像を絶する熱線と爆風が街を襲いました。24万人の市民のうち、7万4千人が亡くなり、7万5千人が傷つきました。70年は草木も生えない、といわれた廃墟の浦上の丘は今、こうして緑に囲まれています。しかし、放射線に体を蝕(むしば)まれ、後障害に苦しみ続けている被爆者は、あの日のことを1日たりとも忘れることはできません。

 原子爆弾は戦争の中で生まれました。そして、戦争の中で使われました。原子爆弾の凄(すさ)まじい破壊力を身をもって知った被爆者は、核兵器は存在してはならない、そして二度と戦争をしてはならないと深く、強く、心に刻みました。
日本国憲法における平和の理念は、こうした辛く厳しい経験と戦争の反省の中から生まれ、戦後、我が国は平和国家としての道を歩んできました。長崎にとっても、日本にとっても、戦争をしないという平和の理念は永久に変えてはならない原点です。

 今、戦後に生まれた世代が国民の多くを占めるようになり、戦争の記憶が私たちの社会から急速に失われつつあります。長崎や広島の被爆体験だけでなく、東京をはじめ多くの街を破壊した空襲、沖縄戦、そしてアジアの多くの人々を苦しめた悲惨な戦争の記憶を忘れてはなりません。
70年を経た今、私たちに必要なことは、その記憶を語り継いでいくことです。
原爆や戦争を体験した日本、そして世界の皆さん、記憶を風化させないためにも、その経験を語ってください。
若い世代の皆さん、過去の話だと切り捨てずに、未来のあなたの身に起こるかもしれない話だからこそ伝えようとする、平和への思いをしっかりと受け止めてください。「私だったらどうするだろう」と想像してみてください。そして、「平和のために、私にできることは何だろう」と考えてみてください。若い世代の皆さんは、国境を越えて新しい関係を築いていく力を持っています。

 世界の皆さん、戦争と核兵器のない世界を実現するための最も大きな力は私たち一人ひとりの中にあります。戦争の話に耳を傾け、核兵器廃絶の署名に賛同し、原爆展に足を運ぶといった一人ひとりの活動も、集まれば大きな力になります。長崎では、被爆二世、三世をはじめ、次の世代が思いを受け継ぎ、動き始めています。
私たち一人ひとりの力こそが、戦争と核兵器のない世界を実現する最大の力です。市民社会の力は、政府を動かし、世界を動かす力なのです。

 今年5月、核不拡散条約(NPT)再検討会議は、最終文書を採択できないまま閉幕しました。しかし、最終文書案には、核兵器を禁止しようとする国々の努力により、核軍縮について一歩踏み込んだ内容も盛り込むことができました。NPT加盟国の首脳に訴えます。 今回の再検討会議を決して無駄にしないでください。国連総会などあらゆる機会に、核兵器禁止条約など法的枠組みを議論する努力を続けてください。

 また、会議では被爆地訪問の重要性が、多くの国々に共有されました。改めて、長崎から呼びかけます。
 オバマ大統領、核保有国をはじめ各国首脳の皆さん、世界中の皆さん、70年前、原子雲の下で何があったのか、長崎や広島を訪れて確かめてください。被爆者が、単なる被害者としてではなく、“人類の一員”として、今も懸命に伝えようとしていることを感じとってください。
日本政府に訴えます。国の安全保障は、核抑止力に頼らない方法を検討してください。アメリカ、日本、韓国、中国など多くの国の研究者が提案しているように、北東アジア非核兵器地帯の設立によって、それは可能です。未来を見据え、“核の傘”から“非核の傘”への転換について、ぜひ検討してください。
 「ピース・フロム・ナガサキ」。平和は長崎から。私たちはこの言葉を大切に守りながら、平和の種を蒔(ま)き続けます。 また、東日本大震災から4年が過ぎても、原発事故の影響で苦しんでいる福島の皆さんを、長崎はこれからも応援し続けます。

 現在、国会では、国の安全保障のあり方を決める法案の審議が行われています。70年前に心に刻んだ誓いが、日本国憲法の平和の理念が、今揺らいでいるのではないかという不安と懸念が広がっています。政府と国会には、この不安と懸念の声に耳を傾け、英知を結集し、慎重で真摯(しんし)な審議を行うことを求めます。

 被爆者の平均年齢は今年80歳を超えました。日本政府には、国の責任において、被爆者の実態に即した援護の充実と被爆体験者が生きているうちの被爆地域拡大を強く要望します。
 この夏、長崎では世界の122の国や地域の子どもたちが、平和について考え、話し合う、「世界こども平和会議」を開きました。11月には、長崎で初めての「パグウォッシュ会議世界大会」が開かれます。核兵器の恐ろしさを知ったアインシュタインの訴えから始まったこの会議には、世界の科学者が集まり、核兵器の問題を語り合い、平和のメッセージを長崎から世界に発信します。
 原子爆弾により亡くなられた方々に追悼の意を捧げ、私たち長崎市民は広島とともに、核兵器のない世界と平和の実現に向けて、全力を尽くし続けることを、ここに宣言します。


2015年(平成27年)8月9日 

長崎市長 田上富久


・・・
・【平和宣言の意図】 「多くの人の心配」を直視 長崎市長、悩まず安保言及     
 長崎市は今年も踏み込んだ。
 9日の 田上富久 (たうえ・とみひさ) 市長の平和宣言は安全保障関連法案に言及。法案の是非には触れなかったものの、政府と国会に 「慎重で 真摯 (しんし) な審議」を求めた。
 昨年も「集団的自衛権」の文言を盛り込んでおり、またも安倍晋三首相の眼前で政府を刺激する形に。市長の発言に大きな拍手が起きると、 首相は何度か参列者の方を向いた。 市長は意図を「多くの人が心配している現実があるから」と説明した。

 「昨年に比べ、今年はあまり悩まなかった」。田上市長は取材に、平和宣言文の作成過程をこう振り返った。昨年は、政府が当時、行使容認を閣議決定した集団的自衛権の6文字を入れるかどうかが焦点だった。

 長崎の平和宣言は、被爆者や有識者らからなる起草委員会での議論を経て、市長がまとめる。昨年の起草委では、委員から「文言だけでなく、批判すべきだ」という意見が相次いだ。
 その前年の2013年の平和宣言でも政府批判を展開し、保守派などから反発を招いていた。田上市長は悩んだ末、賛否が割れる集団的自衛権への批判を避けた一方、「平和が揺らぐのではないか」と不安を訴える被爆者に寄り添い、文言を入れる決断をした。
 一方、今年は7月に市が起草委に提示した文案の中で既に安保法案への言及が入っていた。委員を25年にわたり務めた元長崎大学長で被爆者の 土山秀夫 (つちやま・ひでお) さん(90)は「以前と異なり、今年は委員会終了後に市長からの相談はなかった。迷わなかったのでしょう」と話す。

 悩まなかった理由を、田上市長は「平和の理念が、揺らいでいるのではないかという不安があるから」と、今年の宣言文に入っている一文を使って説明 した。この表現は、昨年の「平和の原点がいま揺らいでいるのではないかという不安と懸念の声」とほぼ同じ。市長は「昨年から状況が変わっていない。だか ら、安保法案への言及は当初から考えていた」と明かした。
 さらに「安全保障に関する法律は国の専管事項だが、戦争と被爆を体験した地から、平和への思い、戦争をしない国への思いが強く生まれてきている。何らかの言及をすべきだと考えた」とも付け加えた。

 今回の平和宣言について、土山さんは「本当はもっと法案反対に踏み込んでほしかったが、言及したことは評価できる」と感想を述べた。田上市長は「批判が必ずあるのは分かっている。いろいろな意見をもらうのはありがたい」と話した。(共同)

・【原水禁と原水協】 対立半世紀、和解探る 目標共通「機熟す」の声
 原水爆禁止日本国民会議(原水禁)系と原水爆禁止日本協議会(原水協)系の二つの原水爆禁止世界大会が9日、長崎市で閉幕した。半世紀前の路線対立を引きずり、原爆投下70年の節目を迎えてなお両者は分裂したまま。だが安全保障関連法案という新たな課題が浮かぶ中、和解を探る動きも。安倍政権打倒という共通目標を軸に、組織統一への道は開けるか。

▽象徴
 4日、広島市で開かれた原水協系の開会総会の壇上に 森滝春子 (もりたき・はるこ) さん(76)の姿があった。「『人類と核は共存できない』という被爆体験から生まれた理念を、70年に当たりあらためて訴えたいと思います」。そう力強く宣言すると、会場からは拍手が湧き起こった。
 森滝さんの父は広島で被爆後に反核運動を続け、原水禁の議長を務めた故・ 市郎 (いちろう) 氏だ。原水禁にとって象徴的存在の娘である森滝さんはこれまで、分裂後の原水協系の大会に出たことはなかった。だが今回、原水協側の知人から「あいさつをしてもらえないか」と打診を受け「正直言って戸惑ったが、立ち向かうべき政権は巨大。統一のためには誰かが踏み出さないといけないと思った」と決断したという。

 ▽分裂
 1954年、マグロ漁船「第五福竜丸」乗組員が米国の水爆実験で被ばくしたビキニ事件をきっかけに翌年、第1回原水禁世界大会が開かれたが、旧ソ連の核実験を容認する共産党系と「いかなる国の核実験も反対」とする旧社会党・総評系が対立。 65年 に原水協と原水禁に分かれ、大会は一時期を除いて別々に開かれ続けている。
 4日の広島でも原水協系の開会総会が終わると慌ただしく看板が片付けられ、同じ会場で数十分後に原水禁の大会が始まるというありさまだった。
 だが近年、両者の主張の違いは薄れている。共に核兵器廃絶や被爆者支援を最大の目的とし、以前は原水禁だけ掲げていた「反原発」を最近は原水協も決議などに盛り込むようになった。今年は両大会で安保法案を「戦争法案」と批判し、廃案に追い込むとした文書を採択。安倍政権への対決姿勢はいずれも鮮明だ。

 ▽悲願
 原水協の大会運営委員会の 野口邦和 (のぐち・くにかず)共同代表は「分裂を何より望んでいるのは安倍政権だ。意見の違いを超えて、運動の統一という道も模索するべきでは」と原水禁側に秋波を送る。原水禁の 藤本泰成 (ふじもと・やすなり)事務局長も「課題ごとにまとまってやることはあっていい」と共闘に前向きな立場だが、組織統一となると「分裂当時の経緯を知る人がどう思うか…。少なくとも、これまでの運動の総括がない限りは難しいだろう」と口ぶりが重くなる。
 森滝さんも統一の難しさは理解している。ただ原水協大会でのあいさつで拍手が送られ「父の理念が受け入れられた」と感じたという。統一は市郎氏の悲願でもあった。「被爆から70年、もう機は熟したのではないか」。雪解けへ、期待を込めて話した。(共同)

国立大学よ、どこに行く? 2015(2)

国立大学よ、どこに行く? 2015(2)


 安倍政権による国立大学に対する国家主義的統制が、「日の丸・君が代」強制の形をとりながら、本格化しようとしている。
 下の神戸新聞の記事によると、国立大学法人神戸大学が、学位授与の際の「日の丸」掲揚を決定し、その他の大学もこれに続く動きを見せているという。
 「戦後70年」。日本型軍産学複合体の台頭とあいまって、大学教育・研究の現場に「国家」と「天皇制」が浸透しはじめようとしているのである。

 「それにしても・・・」と、思わざるをえない。
 今にはじまったことではないけれども、国立大学は、日本の大学は国家の介入に対して、なぜ、かくも脆弱なのか? 
 大学の「財政危機」のみにその根拠を求めることはできないだろう。
 問題の根っこにあるのは、大学教育・研究の「グローバル化」と「民営化」が、一見したところ相矛盾するかのような大学教育・研究の国家戦略への統合策と一体となって推進されてきたこと、である。このプロセスにおいて危機に立たされてきたのは、「大学」という抽象的実体ではなく、実は〈教師〉・〈研究者〉としての全教員のモラルとヒューマニティ、いわば〈魂〉なのだと私は思う。

 「文系」も「理系」も「文理融合」もない。国立も公立も私立もない。
 いま「ストップ!」をかけなければ、本当に笑い話ではすまなくなってしまう。
 危機感のない大学人には、少しは危機意識をもつことからはじめてもらうしかないようだ。


⇒2015年6月16日 「国立大学よ、どこに行く? 2015
⇒2015年7月24日 「大学研究と軍事研究 2015 -日本型軍産学複合体の台頭


国旗掲揚、国歌斉唱の要請 大学自治に影響じわり 対応見直しの動きも
下村博文文部科学相が6月、全86校の国立大の学長らに対し、入学式や卒業式で国旗掲揚と国歌斉唱を実施するよう要請したことを受け、関西の国立大で対応を見直す動きが出てきた。神戸大(神戸市灘区)が、これまで屋外に置いていた国旗を学位授与する壇上に変更するほか、他大学も今後の対応を検討中。下村氏は「(各大学の)自主的な判断に委ねられている」とし、強要ではないとの姿勢だが、要請は大学の自治にじわりと影響しつつある。(上田勇紀)

「文科相の要請にはそれなりに意味があると受け止めている」
神戸大の武田廣学長は7月24日、定例会見で、要請について問われて答えた。同大は入学、卒業式を神戸・ポートアイランドのワールド記念ホールで実施。国旗は屋外に掲揚してきた。だが、6月16日の国立大学長会議での要請を受け、学内の意思決定機関で協議。今後は、国旗を学生の目につきやすい屋内の壇上へ移すことを決めた。一方、国歌は海外からの留学生が多いことを配慮し、これまで通り、斉唱はしないという。

国歌を歌っていない大阪大(大阪府吹田市)は「まだ十分な議論ができていない」。国旗掲揚、国歌斉唱のいずれも実施していない京都大(京都市)をはじめ、取材に対し多くは「検討中」と答えたが、ある大学は「要請を受けて、国歌を歌う方向で検討している」と明かす。 文科省によると86校中、今年3月の卒業式での国旗掲揚は74校、国歌斉唱は14校。 学習指導要領に規定がある小中高校とは違い、大学での実施に法令的根拠はない。憲法上の「学問の自由」に基づく「大学の自治」の侵害につながるのではないか-との批判もある。

■上脇博之・神戸学院大教授(憲法学)の話 
私立大もそうだが、国立大は特に文部科学省に予算を握られている。少子化の流れの中で交付金が削減され、改革を迫られる中での国旗国歌の要請。「言うとおりにしなければ、交付金が減らされるかもしれない」という考えが働き、大学も要請を突っぱねることができない。事実上の強制と言える。本来、各大学の自治に委ねられるべきだ。安倍政権になり、教育の中身や大学運営などについて、国の介入が激しくなっている。

【国旗国歌の要請】
4月の参院予算委員会で、安倍晋三首相が「税金によって(運営が)賄われていることに鑑みれば、教育基本法の方針にのっとって、正しく実施されるべきではないか」と述べた。下村博文文部科学相は6月、東京都内で開かれた国立大学長会議で「国旗と国歌の取り扱いについて、適切にご判断いただきたい」と口頭で要請した。

2015年8月7日金曜日

広島平和宣言

広島平和宣言


 私たちの故郷には、温かい家族の暮らし、人情あふれる地域の絆、季節を彩る祭り、歴史に育まれた伝統文化や建物、子どもたちが遊ぶ川辺などがありました。
 1945年8月6日午前8時15分、その全てが一発の原子爆弾で破壊されました。きのこ雲の下には、抱き合う黒焦げの親子、無数の遺体が浮かぶ川、焼け崩れた建物。幾万という人々が炎に焼かれ、その年の暮れまでにかけがえのない14万もの命が奪われ、その中には朝鮮半島や、中国、東南アジアの人々、米軍の捕虜なども含まれていました。
 辛うじて生き延びた人々も人生を大きく歪められ、深刻な心身の後遺症や差別・偏見に苦しめられてきました。生きるために盗みと喧嘩を繰り返した子どもたち、幼くして原爆孤児となり今も一人で暮らす男性、被爆が分かり離婚させられた女性など――苦しみは続いたのです。

 「広島をまどうてくれ!」。これは、故郷や家族、そして身も心も元通りにしてほしいという被爆者の悲痛な叫びです。
 広島県物産陳列館として開館し100年、被爆から70年。歴史の証人として、今も広島を見つめ続ける原爆ドームを前に、皆さんと共に、改めて原爆被害の実相を受け止め、被爆者の思いを噛みしめたいと思います。
 しかし、世界には、いまだに1万5000発を超える核兵器が存在し、核保有国等の為政者は、自国中心的な考えに陥ったまま、核による威嚇にこだわる言動を繰り返しています。また、核戦争や核爆発に至りかねない数多くの事件や事故が明らかになり、テロリストによる使用も懸念されています。

 核兵器が存在する限り、いつ誰が被爆者になるか分かりません。ひとたび発生した被害は国境を越え無差別に広がります。世界中の皆さん、被爆者の言葉とヒロシマの心をしっかり受け止め、自らの問題として真剣に考えてください。
 当時16歳の女性は「家族、友人、隣人などの和を膨らませ、大きな和に育てていくことが世界平和につながる。思いやり、やさしさ、連帯。理屈ではなく体で感じなければならない」と訴えます。当時12歳の男性は「戦争は大人も子どもも同じ悲惨を味わう。思いやり、いたわり、他人や自分を愛することが平和の原点だ」と強調します。
 辛く悲しい境遇の中で思い悩み、「憎しみ」や「拒絶」を乗り越え、紡ぎ出した悲痛なメッセージです。その心には、人類の未来を見据えた「人類愛」と「寛容」があります。

 人間は、国籍や民族、宗教、言語などの違いを乗り越え、同じ地球に暮らし一度きりの人生を懸命に生きるのです。私たちは「共に生きる」ために、「非人道性の極み」「絶対悪」である核兵器の廃絶を目指さなければなりません。そのための行動を始めるのは今です。既に若い人々による署名や投稿、行進など様々な取り組みも始まっています。共に大きなうねりを創りましょう。
 被爆70年という節目の今年、被爆者の平均年齢は80歳を超えました。広島市は、被爆の実相を守り、世界中に広め、次世代に伝えるための取り組みを強化するとともに、加盟都市が6700を超えた平和首長会議の会長として、2020年までの核兵器廃絶と核兵器禁止条約の交渉開始に向けた世界的な流れを加速させるために、強い決意を持って全力で取り組みます。

 今、各国の為政者に求められているのは、「人類愛」と「寛容」を基にした国民の幸福の追求ではないでしょうか。為政者が顔を合わせ、対話を重ねることが核兵器廃絶への第一歩となります。そうして得られる信頼を基礎にした、武力に依存しない幅広い安全保障の仕組みを創り出していかなければなりません。その実現に忍耐強く取り組むことが重要であり、日本国憲法の平和主義が示す真の平和への道筋を世界へ広めることが求められます。

 来年、日本の伊勢志摩で開催される主要国首脳会議、それに先立つ広島での外相会合は、核兵器廃絶に向けたメッセージを発信する絶好の機会です。オバマ大統領をはじめとする各国の為政者の皆さん、被爆地を訪れて、被爆者の思いを直接聴き、被爆の実相に触れてください。核兵器禁止条約を含む法的枠組みの議論を始めなければならないという確信につながるはずです。
 日本政府には、核保有国と非核保有国の橋渡し役として、議論の開始を主導するよう期待するとともに、広島を議論と発信の場とすることを提案します。また、高齢となった被爆者をはじめ、今この時も放射線の影響に苦しんでいる多くの人々の苦悩に寄り添い、支援策を充実すること、とりわけ「黒い雨降雨地域」を拡大するよう強く求めます。

 私たちは、原爆犠牲者の御霊に心から哀悼の誠を捧げるとともに、被爆者をはじめ先人が、これまで核兵器廃絶と広島の復興に生涯をかけ尽くしてきたことに感謝します。そして、世界の人々に対し、決意を新たに、共に核兵器廃絶と世界恒久平和の実現に向けて力を尽くすよう訴えます。


平成27年(2015年)8月6日

広島市長 松井一実


・・・
広島原爆の日:被爆者たち「非核三原則なぜ盛り込まぬ」
歴代の首相が平和記念式典で触れてきた「非核三原則」。安倍晋三首相が被爆70年の節目に言及しなかったことに、参列した被爆者たちからは戸惑いや憤りの声が上がった。
式典で市民代表として献花した広島市中区の主婦、木下百合子さん(70)は「なぜ盛り込まないのか。今年が戦争へ向けた転換期にならないといいが」と不安を口にした。原爆で兄を失った広島県廿日市市の主婦、岡村豊子さん(74)は「核兵器の無い世界の実現を願っているのに残念」と話した。
安倍首相は式典後、広島市内のホテルであった被爆者団体からの要望を聞く会に出席。その場では非核三原則の堅持を明言したが、式典のあいさつで触れなかったことに、被爆者団体からは不満の声が聞かれた。

広島被爆者団体連絡会議の吉岡幸雄事務局長(86)は「非核三原則は、原爆犠牲者の上にできた国の基本的考え方だ」と指摘し、「式典で慰霊碑に向かって非核三原則に触れてほしかった。このままでは犠牲者たちは安らかに眠れないのではないか」と話した。広島県原爆被害者団体協議会の坪井直理事長(90)は「都合の悪いことには式典の場であえて触れなかったんだろう」と語った。
一方、政府はこの日、原爆症認定の審査期間を短縮する方針を示したが、被爆者からは「遅すぎる」とあきらめの声も。白内障と舌がんに苦しんだ尾道市の三次義人さん(87)は「この年ではもう申請する気がない」と話した。【毎日 加藤小夜、成田有佳、立野将弘、瀬谷健介】

2015年8月4日火曜日

依存症治療に取り組む関係者として、安保法案に反対します

 依存症治療に取り組む関係者として、安保法案に反対します
――「戦争ストレス調査研究ネットワーク」記者会見―

8 月 6 日(木)18:30~、衆議院第 2 議員会館第 7 会議室(地下1階)


趣旨
安保法案によって海外派兵される自衛隊員に PTSD、依存症、気分障害、自殺が増加し、その家族も巻き込まれて精神的に病んでいくことを私たちは強く懸念します。 日本からサマワに派遣された自衛隊員に関してのメンタルヘルスのデータは十分に作成されていませんが、今回の安保法案は「後方支援:兵站支援」によって戦闘に巻き込まれる危険性はこれまで以上に増えると考えるのが妥当です。

米国のイラク・アフガニスタンからの帰還兵のメンタルヘルスの現状は危機的であり、2012 年8月、オバマ大統領がメンタルヘルス対策は政権の最優先課題と呼んだ程です。 国会の論議を聞く限り、政府はそのような厳しい認識をしていないし、PTSD や依存症の増加という予想される事態への覚悟もあるとは思えません。 戦闘で生じた PTSD の戦後に続く苦悩は、アルコールや薬物で癒やそうとされてアルコール・薬物依存症に陥ってしまいやすいのです。

現代の戦争には、帰還隊員にこのようなメンタルヘルスの危機という「戦後」が待ち受ける可能性があるのです。 依存症治療に関係してきた我々は、これらの病の回復には本人も家族も支援者も多大な困難を乗り越えていく必要がある故に、安保法制によって依存症が増えていくことを容認することはできません。 これほどの苦悩をもたらす戦争は防止すべきです。 神戸でも東北の震災でも PTSD 防止や依存症対策に日本人は奔走しましたが、安保法案という「人災」によって PTSD が発生していくことを私たちは看過できません。

当日は、イラクやアフガニスタンからの米国帰還兵の PTSD と依存症の実情についてデータで示しつつ、我々の考え(声明文:戦争には戦後がある!自衛隊員とその家族のメンタルヘルスを憂慮し、安保法案に反対します)を提示し、安保法制の廃案を訴えます。


スピーカー
● 猪野 亜朗(かすみがうらクリニック副院長、日本依存神経精神科学会理事、全日本断酒連盟顧問:著書「アルコール依存症・回復の手引」:小学館他)

● 奥田 宏(ひろメンタルクリニック院長、金沢工業大学教授、日本アルコール関連問題学会理事:訳書「今、ここに神はいないー米海兵隊が見た硫黄島の地獄―」:悟桐書院) なお、調査研究ネットワークのメンバーが同席します。

――戦争ストレス調査研究ネットワーク(医師 31 人、その他関連職種 55 人)
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声明文

「戦争には戦後がある!安保法案に反対し、自衛隊員とその家族のメンタルヘルスを守ります!」


 私たちは、長年、アルコール依存症を中心とした精神科医療や保健福祉に従事してきた立場から、今国会で審議されている安保法案に反対します。
 戦争は戦死の悲劇だけでなく、人間に極度のストレスをもたらし、派兵される自衛隊員に
PTSD、アルコール・薬物依存症、自殺が増えていく可能性があるからです。
 
 こ の法案では、自衛隊員の出動は「前線」でなく「後方支援」としていますが、そもそも「前線」が明確で無いのですから、「後方」と言っても戦闘に巻き込まれ る危険性が非常に高いと考えるのが妥当です。現在の戦争は、イラクやアフガニスタンの戦争のように「前線」が明確ではありません。突然の路上爆弾、自爆テ ロなどが見られ、いつ、どこで、どうなるか、予測困難で過酷な戦場のため、極度のストレスにさらされます。また、戦争においては「兵站」つまり「後方支 援」が不可欠ですから、当然、「後方」も敵から狙われることになります。

 ピュリツアー賞を報道部門で受賞したデビッド・フィンケル氏は取 材を通して、「イラクとアフガニスタンからの 200 万人の帰還兵のうち、20%から30%が、PTSD(恐怖を味わうことで誘発された精神的障害)や、外傷性脳損傷(外部から強烈な衝撃を与えられた脳が頭 蓋の内側とぶつかり、心理的な障害を引き起こす)を負っている。どの戦争にも必ず“戦争の後”があり、イラクとアフガニスタンの戦争にも戦争の後がある。 それが生み出したのは、精神的な障害を負った50万人の元兵士である。」1)と述べています。

 そして、自殺対策の軍の最高責任者は「アルコールへの過度の依存や、処方 薬への依存、その他のリスクの高い行動をとったときにも、必要なアクションを起こす事ができる。そのための努力を更に強化してもらいたいと思う」1)と述 べて、依存が自殺のリスクを高めることに注目して対策を立てることを求めています。さらに、帰還兵の家族が、帰還兵の PTSD の症状に巻き込まれて苦しみ、自殺の不安に怯える姿を報告しています。

 PTSD の臨床症状には、「突然、つらい記憶がよみがえる, 常に神経が張りつめている,記憶を呼び起こす状況や場面を避ける, 感覚が麻痺する, いつまでも症状が続く」2)が挙げられ、「PTSD の患者はアルコールや薬物の関連障害と強い関連があり、攻撃、暴力、衝動制御困難、抑うつが生じる」3)とあります。

 また、アメリカの研 究論文によると、男性兵士の自殺率は一般男性の2倍4)、女性兵士は一般女性の3倍5)、アルコールの不適切な使用については「イラクに派兵されたアメリ カ陸軍 6,527 人への 2 項目調査では 28%がアルコールの不適切な使用とされ、飲酒運転や二日酔いによる遅刻の割合も高かった。」6)と報告されています。

 本法案により、自衛隊員の出動が拡大されれば、上記のような米国の戦争と戦後の数々の悲劇が、自衛隊員とその家族に生じることを恐れます。
私たちは自衛隊員とその家族の不幸を防ぐためにも、本法案を見過ごすことはできません。

戦争ストレス調査研究ネットワーク


文献
1)デイヴィッド・フィンケル:帰還兵はなぜ自殺するのか.p18,亜紀書房,東京,2015.
2)厚生労働省:PTSD.みんなのメンタルヘルス, http://www.mhlw.go.jp/kokoro/know/disease_ptsd.html 2015.7.2.
3)ハロルド I カプラン:外傷後ストレス障害と急性ストレス障害.カプラン,p365-371, 臨床精神医学テキスト-DSM―Ⅳ診断基準の臨床への展開 メディカル・サイエンス・インターナショナル,1996.
4)Kaplan MS et al:Suicide among male veterans: a prospective population‐based study. J Epidemiol Community Health. 2007 Jul; 61(7): 619–624.
5)McFarland BH et al:Self-Inflicted Deaths Among Women With U.S. Military Service:
A Hidden Epidemic? . Psychiatr Serv. 2010 Dec;61(12):1177.
6)Santiago PN et al: Screening for alcohol misuse and alcohol-related behaviors among combat veterans. Psychiatr Serv. 2010;61:575-581.

=戦争ストレス調査研究ネットワーク(あいうえお順)= 精神保健福祉士・臨床心理士・作業療法士 医 師 保健師・看護師・国連大学教員・その他

浅 野 久木  菅沼 直樹   青木美智子  下司 孝之  堂本祐三子   山崎 文野  池田 朋広  杉山由加里   泉 知子  後藤見知子  友杉明日香  山下 一朗  猪野 亜朗  田村 修  磯田 勇人  菰口 陽明  豊田 秀雄   吉岡 幸子  内田 恒久  塚田勝比古  板倉 康広  近藤 千春  中村 雅代  吉川 晴子  遠藤健一郎  辻本 士郎  稲葉健太郎  斉藤 和夫  西田 美香   米山奈奈子

遠藤太久郎  土川権三郎   大嶋 栄子  佐古惠利子  野口 弘之   若林真衣子  小笠原一能  野田 哲朗   大谷 和美  崎岡 誠司  橋本 直子   和田 正子  奥田 宏  林 真彦  大野 佳枝  佐藤 嘉孝  廣中 直行  落合 正弘  藤城 聡   岡崎 直人  新藤 説子  稗田 里香  垣渕 洋一  二神 啓通  岡嶋 美代  鈴木 幸恵  深井 英喜  加藤 眞三  松浦 健伸   岡田 洋一  宗田美名子  畚野 真木  北野 陽子  森田 展彰  奥田 由子  袖浦美奈子  益山桂太郎  後藤 恵  柳澤 裕子  奥村 純子  高木 啓匡  南川久美子


問い合わせ先
猪野亜朗 aroino@za.ztv.ne.jp (国会内連絡先:阿部知子事務所 03-3508-7303、担当・宇佐美)

2015年8月3日月曜日

止めよう!辺野古新基地建設 沖縄県民の民意を無視するな!8.31集会

止めよう!辺野古新基地建設
沖縄県民の民意を無視するな!8.31集会



日本政府は、沖縄県民の民意を力ずくで押しつぶして辺野古新基地建設を推し進め、9月から埋め立ての本格工事を強行しようとしています。 このような中で、7月16日に、県の第三者委員会は「埋め立て承認手続きに法的な瑕疵(欠陥)が認められる」との報告書を知事に提出しました。 この報告書を受けて、翁長知事は8月から9月にかけて承認取り消しの決断をくだすでしょう。

これに対して、日本政府は公有水面埋立法を所管する国土交通省に行政不服審査法に基づき審査請求を行い、知事の承認取り消しの効力を停止して、埋め立て工事を強行する方針です。行政不服審査法は個人の権利を救済するための法律であり、防衛省が個人と同様な立場で申し立てをすることは、法の主旨に反し、悪用、乱用であり絶対に許せません。

さらに、防衛省は取り消しの決定をした知事を提訴することになります。 辺野古新基地建設を許さない闘いは、沖縄県と日本政府の全面対決の新たな局面に入ります。これまで以上に本土での連帯の闘いが重要になってきます。

翁長知事の決断、沖縄県民の島ぐるみでの闘い、そして辺野古現地での闘いをしっかりと受け止めて、辺野古新基地建設を許さない大きな闘いを決意を新たにして作り上げていきましょう。集会への多くの皆さんの参加を呼びかけます。


●日時  8月31日(月)18:00開場 18:00開始
●会場  豊島公会堂
     JR山手線、東京メトロ丸の内線、有楽町線(池袋駅)東口5分

●沖縄からの訴え
・安次富浩(ヘリ基地反対協共同代表)
・仲村未央(沖縄県議会議員)

●特別アピール
 本土から沖縄への埋め立て土砂の搬入を許さない取り組み
・湯浅一郎(ピースデポ・海洋物理学)

●資料代  500円

●主催
フォーラム平和・人権・環境
沖縄・一坪反戦地主会関東ブロック
ピースボート
辺野古への基地建設を許さない実行委員会

●連絡先
沖縄・一坪反戦地主会関東ブロック
090-3910-4140
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9.12(土)は止めよう!辺野古埋め立て国会包囲へ!14:00~15:30
http://www.jca.apc.org/HHK/
主催 :止めよう!辺野古埋め立て国会包囲実行委員会
協力:戦争させない・9条壊すな!総がかり行動実行委員会

・・・
・安保法案につながる思惑 普天間返還の舞台裏、国防総省に主導権  
 日米両政府が普天間返還協議を始めた約20年前、当時の交渉に携わったロバート・ライス元国務省次官補代理の口述記録から、本土移転を望まない日本政府と、居心地の良い沖縄を手放したくない米軍の思惑が一致し、県内移設を前提に協議を進めていた当時の交渉過程の一片が明らかになった。(本紙7月29日付2面)
 日本政府が米海兵隊を引き止めたがっていたという経緯は元駐日米大使モンデール氏(元米副大統領)の口述記録(本紙2014年9月13日1面)からも明らかとなっているが、今回の文書で注目したいのは、ライス氏が交渉の主導権を握っていたのは米軍だったと証言している点だ。

 当時を知る元米高官らによると、ちょうどそのころ、米側における対日政策に大きな変化があった。
 防衛指針の見直しを重要課題に掲げていた国防総省は、日本側との交渉を米軍に有利に進めようと思案。キャンベル国防次官補代理が奔走し、ペリー国防長官や同省高官と日本の国会議員らが懇親する場を次々と設定した結果、橋本龍太郎首相や大物議員とのパイプが強化され、対日安保政策の主導権は国務省から国防総省へと移っていった。そうした傾向はその後もさらに強まり、現在審議中の安全保障関連法案へとつながっていった。

 国防費削減にあえぐ米政府は日本が軍事費や兵力を肩代わりする新たな関係を望み、安保関連法案の成立を後押しする。米側のそうした期待を反映するかのように、先月中旬、ワシントンを訪れた自衛隊トップの河野克俊統合幕僚長はバイデン副大統領と会談するなど異例の厚遇を受けている。
 キャンベル氏は、国防総省主導で対日安保政策を担う現在の基盤を作ったいわば立役者だが、ライス氏の証言によると、普天間をめぐる交渉においては、米軍にあらゆる案を拒否されるなど同氏の仕事は「まったく報われないものだった」
 モンデール氏はじめ国務省は在沖米海兵隊の撤退の検討も視野に入れていたが、国防総省は国務省と足並みを揃えられず、沖縄を拠点として維持したいという米軍の主張がそのまま米政府の主張に反映されていった。
 普天間の移設先はなぜ県内でなければならないのかという叫びがいくら高まっても、米軍が交渉の主導権を握り、議論の入り口で沖縄を排除する両政府の姿勢は今も昔も変わらない。(沖縄タイムス 平安名純代・米国特約記者)

被爆 70周年原水爆禁止世界大会・ 国際会議(広島 8/5)

被爆 70周年原水爆禁止世界大会・ 国際会議(広島 8/5)


日時:  2015年8月5日(水)13:30~17:00(13:00開場)
場所: アークホテル広島4階「鶴の間」(定員120人)
     広島市南区西荒神町1-45/ Tel 082-263-6363
参加費: 資料・同時通訳装置代:1,000円

テーマ: 2015年 NPT再検討会議の結果と展望そして私たちの役割 ~核兵器廃絶と日本のプルトニウム政策



内容:
 国際会議は、原水禁世界大会の国際的な意義を深める重要な役割を果たします。

 今年は、 NPT再検討会議の結果を受けて、核兵器廃絶に向けた日本の役割について考えるとともに、深刻な原発事故を経験したにもかかわらず再稼働しようとし、原発輸出や核燃料サイクルとたまり続けるプルトニウムの問題など、日本の原子力政策(特にプルトニウム利用政策)が国際社会に与える影響について、日・英・米・韓の専門家が一堂に会して忌憚のない意見をたたかわせます。

司会: 藤本泰成(原水禁事務局長)

報告者:
・ポール・マーチン(アメリカ/ピースアクション)
・ニック・リッチ-(イギリス/ヨーク大学)
・イ・キョンジュ(韓国/参与連帯)
・田窪雅文(日本/WEBサイト「核情報」主宰)

プログラム:
開会あいさつ 川野浩一
司会/あいさつ、
パネリスト紹介 藤本泰成
国際会議の意義について 藤本泰成


各パネリストからの報告基本各 20分提起

●ポール・マーチン
NPT再検討会議を受け、核大国・米国で核軍縮に向けてピースアクションをはじめとした平和運動が何ができるか。特に核の先制使用の問題や、核のアラート(警戒)体制解除の問題などに言及していただきます。

●ニック・リッチ
イギリスの核の状況を提起していただきます。イギリスの唯一の核兵器は、スコットランドに配備された原子力潜水艦4隻の潜水艦発射弾道ミサイル「トライデント」のみとなっています。スコットランドでは「非核スコットランド」の動きが盛り上がっています。今回、核兵器をめぐる政府や政党、国民の意識・関心について報告していただきます。

●イ・キョンジュ
米韓原子力協定の改定の問題(特に再処理について)と日本のプルトニウム利用政策をどう韓国社会はとらえているのかをら報告していただきます。また、朝鮮民主主義人民共和国の核問題を、韓国社会はどのように捉えているかについても報告していただきます。

●田窪雅文
日本が進める原子力政策、特にプルトニウム利用政策が国際社会では、核拡散問題として捉えられていることを訴え、その問題点を明らかにします。
。。
司会者・報告者からの質疑応答
会場からの質疑応答
閉会/終了

同時通訳:森あさみ/藤岡美恵子/古川るみ子

・・・
六ヶ所再処理工場 監視機器が故障(青森県)
2日夜、六ヶ所再処理工場で放射能レベルの高い廃液の漏れなどを検知する装置など4つの装置の故障が見つかった。日本原燃は他の装置で監視しており、周辺環境への影響はないと説明している。工場周辺で発生した雷が影響した可能性もあると見て原因を調査中。[ 8/3 青森放送]

2015年8月2日日曜日

ストップ! 川内原発 再稼働ありきの高経年化審査を問う緊急院内集会と政府交渉  

ストップ! 川内原発
再稼働ありきの高経年化審査を問う緊急院内集会と政府交渉


日時 8月4日(火) 13:30~17:00
場所 衆議院第一第6会議室(地下1階) 
 http://kiseikanshi.main.jp/2015/07/29/kokeinenka-2/

スケジュール
    13:00~ ロビーにて通行証配布
    13:30~15:00 院内集会
    15:00~16:30 政府交渉
    16:30~17:00 まとめ
    資料代:500円


 川内原発が再稼働間近となっていますが、老朽化(高経年化)で大きな問題を抱えています。
 32年目の1号機は、新規制基準の審査とは別に老朽化(高経年化)審査が未了であるのに再稼働させようとしています。そのことを指摘すると、こんどは再稼働の日程にあわせて審査を、8月5日に強引に終わらせようとしています。本末転倒です。
 手続き上の問題だけでなく、主給水系配管の腐食減肉を想定した評価で、許容値ギリギリの危険個所も見つかっています。なおさら慎重審査が必要です。

 スケジュール優先のずさん審査は許されません!
 政府交渉で、現場検証や意見聴取を含む慎重審査を迫り、再稼働への動きにストップをかけたいと思います!
 鹿児島からも駆けつけます!
 この問題で国会内で活動されている菅直人元首相も参加されます!
 どなたでもご参加いただけます。ぜひご参集ください!

主催
・ 川内原発30キロ圏住民ネットワーク、
・反原発・かごしまネット、
・玄海原発プルサーマルと全基をみんなで止める裁判の会、
・グリーン・アクション、
・美浜・大飯・高浜原発に反対する大阪の会、
・原子力規制を監視する市民の会、
・国際環境NGO FoE Japan、他(調整中)

問い合せ: 090-8116-7155(阪上)
////////////////////////////////////

・高経年化検討チーム会合での九電説明資料(審査会合 第9回)
    http://www.nsr.go.jp/data/000114565.pdf
・  (審査会合 第9回 他の配布資料 http://www.nsr.go.jp/disclosure/committee/yuushikisya/keinenka/00000005.html
・補正書の耐震評価は以下の別紙5にあります。
    http://www.nsr.go.jp/disclosure/law/PWR/00000061.html
・政府交渉の事前質問についてはHPをご参照ください。
    http://kiseikanshi.main.jp/2015/07/29/kokeinenka-2/
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原子力規制委員会前アピール行動
    川内原発高経年化のずさん審査・再稼働を許さない!

    日時 8月5日(水)    9:30~10:00、11:45~12:30
    場所 原子力規制委員会前(最寄り駅:六本木一丁目)
    主催 原子力規制を監視する市民の会
    協力 国際環境NGO FoE Japan(エフ・オー・イー・ジャパン)

2015年8月1日土曜日

地位協定の見直しから、日米安保の見直しへ

地位協定の見直しから、日米安保の見直しへ


 参議院での審議と論戦に入った安倍「安保法案」への反対運動に、最も抜け落ちている、あるいは未だに表面に出てこない論点が、「安保法案」の土台になっている日米安保体制への問いかけである。
 「安保法案」反対運動は、恒久条約と化している日米安保条約、永遠の安保と、恒久駐留軍と化している在日米軍、永遠の米軍基地問題を、これからムーブメントの中にどのように位置づけうるだろうか。  
 自衛隊の海外派兵、海外での武力行使、戦争行為に反対するとして、日米安保と在日米軍は「現状維持」で良いのだろうか。
 自衛隊が海外で武力を行使せず、自衛隊員や日本人が戦死しなければそれでよいだろうか?

 誰もが、「よくない」という。
 しかし、今のままでは、安保と米軍基地は、永遠に「そこにある」ことになる。 
 「違憲立法」論に終始し、安倍政権の「立憲主義・民主主義」破壊批判に収斂される運動では、沖縄をはじめ、日々、日米安保と在日米軍の犠牲になっている全国各地の人々の顔が見えなくなってしまう。 

 安倍「安保法案」は、「永遠の安保、永遠の米軍基地、そして永遠のテロル」の産物である。
 「戦後70年」の今年、ほんとうに見直され、議論されねばならないのは、「戦後」、世界中のひとびとに「戦争体験」を強いてきた「永遠の安保と永遠の米軍基地」ではないかと思うのだが、どうだろう。
 「安保法案」反対運動は、日米安保と在日米軍に、いかに立ち向かうのか?
 「戦後70年」、猛暑の8月の暑いテーマである。


・・・
・地位協定の見直し要望 米軍基地持つ14都道県
  米軍基地を抱える14都道県の知事でつくる「渉外知事会」の黒岩祐治会長(神奈川県知事)と翁長雄志副会長(沖縄県知事)は30日、日米地位協定の見直しや、基地の早期返還を求める要望書を防衛、外務両省に提出した。その後、在日米大使館を訪れハイランド臨時代理大使と面会、要望内容を説明した。

 要望書は、自治体職員が基地内の環境汚染の状況について立ち入り調査ができるように地位協定を改めることなどを求めている。受け取った防衛、外務両省の副大臣は「住民負担をできる限り低減する方向を目指したい」などと応じた。ハイランド氏も、要望実現に努力する姿勢を示したという。
 翁長氏は知事会の要望に加え、沖縄県知事として米軍普天間飛行場(宜野湾市)の名護市辺野古への移設工事中断などを重ねて求めた。(共同)

・F35初実戦配備へ 米、岩国基地移転予定の隊
【ワシントン=共同】 米海兵隊は七月三十一日、最新鋭ステルス戦闘機F35の十機が初めて、実戦配備が可能となる「初期運用能力」を獲得したと発表した。ダンフォード海兵隊司令官は声明で、F35の高い能力は「われわれが戦い、勝つ方法を変えるものだ」と強調した。

 十機の配備先は、西部アリゾナ州ユマの第一二一戦闘攻撃飛行隊。同飛行隊は二〇一七年に米軍岩国基地(山口県岩国市)へ移転し、F35を運用する部隊となる見通し。関係者は「岩国が米国外で最初のF35の配備先になる可能性が高い」との見方を示した。
 F35はソフトウエアの不具合などで開発が遅れていた。今回の十機には性能が限定された初期段階のソフトが搭載されており、本格実戦配備にはさらに改良を重ね、ソフトを完成させる必要がある。

 海兵隊は計四百二十機のF35を購入する計画で、AV8ハリアー垂直離着陸機やFA18戦闘攻撃機などと順次交換を進める。既に五十人以上のパイロットと約五百人の整備員を養成したという。 航空自衛隊が次期主力戦闘機として四十二機を購入する予定のF35は空軍仕様で、まだ実戦配備はされていない。 
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とめよう!戦争法案 集まろう!国会へ 8.30国会包囲行動
日時: 8月30日(日)14時~15時30分
場所: 国会議事堂周辺(地下鉄「国会議事堂前」「永田町」下車)
内容: 呼び掛け団体あいさつ、政党代表あいさつ、連帯アピールなど
主催: 戦争させない・9条壊すな!総がかり行動実行委員会

■詳しくはこちら→ http://www.anti-war.info/schedule/1507181/

とめよう!戦争法案 国会前木曜連続行動
今後も毎週木曜日の18時30分から1時間程度、衆議院第二議員会館前で続けられます。
8月6日、13日、20日、27日、
9月3日、10日、17日

また、毎週火曜日の18時頃から都内各所の駅頭で一斉街頭宣伝行動も実施中。その他、国会情勢などによって変更や追加がありますので、ウェブサイトをご覧いただくか、連絡先までお問い合わせください。

■詳しくこちら→ http://www.anti-war.info/action/
■総がかり行動→ http://sogakari.com/?page_id=67
■戦争をさせない1000人委員会連絡先(03-3526-2920)


【再録】
永遠の安保、永遠の米軍基地、そして永遠のテロル
2009年3月30日

 世界的な米軍再編に伴い、二〇〇八年十月一日、米軍の「アフリカ司令部」、AFRICOMが正式に発足した。これで六つの独立した米軍司令部が、地球をスッポリ包み込み、分割・支配する体制ができあがった。
 ブッシュが残した人類への遺産。永遠の安保、永遠の米軍基地、永遠のテロルの時代の幕開けである。⇒下の地図はペンタゴンの広報サイト、Defense Linkより。


 世界中に拡大する米軍基地。下の米軍基地の配置図をみると、ヨーロッパにおいては第二次世界の敗戦国、ドイツとイタリアが真っ黒になっているのがわかる。そして米国の戦略的同盟国、イギリス。
 世界の真ん中に、米軍基地で黒こげになったイラクとアフガニスタン。そしてイラク北西の、西洋社会とNATOへの参加にヤッキになっているトルコから、ぐるっとアジアに目を転じると、同じく第二次世界大戦の敗戦国日本、そして米国に「解放」された韓国がみえる。(地図のPDFデータはGlobal Policy Forumからダウンロードできる

 この米軍基地の世界地図が、AFRICOMの創設を突破口に、これからソマリアをはじめ、アフリカ大陸各地に広がろうとしている。

ところで、海上自衛隊がアデン湾での「護衛」活動を開始した。アラビア半島の南の国、オマーンからソマリアの北、ジプチの間を往復しながら、日本「関連」の船舶を「警備」するのだという。
 オマーンには海軍と空軍の米軍基地があり、ジプチにも米軍基地がある。これで日本の海上自衛隊は、「補給支援」活動と合わせて、インド洋からアデン湾にわたる「海賊・武装強盗」との戦いの名において、米軍の「中央司令部」CENTCOMとAFRICOMの両方と「連携」しながら展開することが既成事実化したわけである。現行憲法の下で、である。
 
 日本のマスコミの「海賊」報道。何かが決定的に欠けている。意図的ともいえる、情報操作がある。あるいは無知がある。
 PACOM、CENTCOM、そしてAFRICOM。「アジア太平洋」から「中央アジア・中東」を経て、「アフリカ大陸の東海岸」に至るまで、「多国籍軍」という体裁を取りながら自衛隊と米軍との共同作戦体制が構築されはじようとしている。問題は、これにいつ「アフリカ大陸」へ陸自の部隊の上陸が実現するかである。

 いま国連安保理では、米国が昨年十二月に提起したソマリアへの国連PKOの派遣問題の検討が進んでいる。その主力部隊および指揮は、もちろんAFRICOMが担うことになる。AFRICOMの主要な任務は、アフリカの「戦争予防」と「平和維持」活動ということになっている。そしてその軍事拠点になるのが、二〇〇二年にジプチにつくられた米軍基地である。

 ソマリアPKOへの陸自の参加。この問題が、日本のマスコミで取り沙汰されるのも、そう遠い先のことではないだろう。


・・・
福島で原水禁大会開幕 核廃絶と脱原発訴え
 原水爆禁止日本国民会議(原水禁)などが主催する原水爆禁止世界大会が1日、福島県いわき市で始まった。原爆投下から70年、九州電力川内原発1号機の再稼働も見込まれる中、被爆者や東京電力福島第1原発事故の被災者らが集い、核兵器廃絶や脱原発を訴えた。
 いわき市内の公園で、原爆や東日本大震災の犠牲者らに黙とうした後、長崎で被爆した原水禁の川野浩一議長(75)が「私たちは断固として核廃絶、脱原発を目指し、憲法を守り抜く」とあいさつした。原発事故で全町避難が続く福島県楢葉町の町議会議長の青木基さん(64)が被災地の現状を報告し、集会後には市内をデモ行進。(福島民報)

NSA盗聴: ウィキリークス「日本の要人など35カ所も」
 内部告発サイト「ウィキリークス」は31日、米国家安全保障局(NSA)が日本の中央省庁、商社などの民間企業を含む35カ所を盗聴していたと公表した。 同サイトは入手した文書などから、NSAは少なくとも第1次安倍政権(2006〜07年)時にさかのぼって、日本の貿易交渉地球温暖化対策原子力を含むエネルギー政策などについての情報を集めていたと指摘している。米国の情報活動を巡り、日本国内の具体的な盗聴先が明らかになったのは初めて。同サイトによると、NSAの最優先の盗聴先として
 ▽官房長官秘書官
 ▽政府の要人専用回線
 ▽経済産業相
 ▽日本銀行
 ▽三菱商事の天然ガス部門
 ▽三井物産の石油部門−−などが挙げられている。一連のリストは電話番号の一部を伏せた形で公表された。

 また日本の気候変動政策や貿易交渉に関してNSAが07〜09年に作成したとする文書も同時に公開した。07年4月の安倍晋三首相(当時)の訪米前の文書では、日本政府が「50年までに温室効果ガスの排出量を半減する」とした目標を同年5月下旬に発表するとの見通しを示した上で、「(日本の)外務省は事前に米国側に通知することは考えていない」という政府内部の動きが記載されていた。別の文書では世界貿易機関(WTO)の多角的貿易交渉(ドーハ・ラウンド)に関する内容も含まれている。
 盗聴内容の一部は、米国から英国、オーストラリア、カナダ、ニュージーランドにも情報提供可能とする記載もあった。ウィキリークスは「日本への教訓」として「監視大国に誠実さや敬意を期待してはいけない」とする創設者のジュリアン・アサンジ容疑者のコメントを掲載した。
 NSAの情報活動を巡っては、フランスのオランド大統領など過去3代の大統領の通信や、ドイツのメルケル首相の携帯電話を盗聴していたことが表面化。オバマ米大統領は14年に同盟国首脳への盗聴停止を表明している。【毎日 八田浩輔】

Target Tokyo (wikileaks)
NSA high priority targets for Japan