2015年8月1日土曜日

地位協定の見直しから、日米安保の見直しへ

地位協定の見直しから、日米安保の見直しへ


 参議院での審議と論戦に入った安倍「安保法案」への反対運動に、最も抜け落ちている、あるいは未だに表面に出てこない論点が、「安保法案」の土台になっている日米安保体制への問いかけである。
 「安保法案」反対運動は、恒久条約と化している日米安保条約、永遠の安保と、恒久駐留軍と化している在日米軍、永遠の米軍基地問題を、これからムーブメントの中にどのように位置づけうるだろうか。  
 自衛隊の海外派兵、海外での武力行使、戦争行為に反対するとして、日米安保と在日米軍は「現状維持」で良いのだろうか。
 自衛隊が海外で武力を行使せず、自衛隊員や日本人が戦死しなければそれでよいだろうか?

 誰もが、「よくない」という。
 しかし、今のままでは、安保と米軍基地は、永遠に「そこにある」ことになる。 
 「違憲立法」論に終始し、安倍政権の「立憲主義・民主主義」破壊批判に収斂される運動では、沖縄をはじめ、日々、日米安保と在日米軍の犠牲になっている全国各地の人々の顔が見えなくなってしまう。 

 安倍「安保法案」は、「永遠の安保、永遠の米軍基地、そして永遠のテロル」の産物である。
 「戦後70年」の今年、ほんとうに見直され、議論されねばならないのは、「戦後」、世界中のひとびとに「戦争体験」を強いてきた「永遠の安保と永遠の米軍基地」ではないかと思うのだが、どうだろう。
 「安保法案」反対運動は、日米安保と在日米軍に、いかに立ち向かうのか?
 「戦後70年」、猛暑の8月の暑いテーマである。


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・地位協定の見直し要望 米軍基地持つ14都道県
  米軍基地を抱える14都道県の知事でつくる「渉外知事会」の黒岩祐治会長(神奈川県知事)と翁長雄志副会長(沖縄県知事)は30日、日米地位協定の見直しや、基地の早期返還を求める要望書を防衛、外務両省に提出した。その後、在日米大使館を訪れハイランド臨時代理大使と面会、要望内容を説明した。

 要望書は、自治体職員が基地内の環境汚染の状況について立ち入り調査ができるように地位協定を改めることなどを求めている。受け取った防衛、外務両省の副大臣は「住民負担をできる限り低減する方向を目指したい」などと応じた。ハイランド氏も、要望実現に努力する姿勢を示したという。
 翁長氏は知事会の要望に加え、沖縄県知事として米軍普天間飛行場(宜野湾市)の名護市辺野古への移設工事中断などを重ねて求めた。(共同)

・F35初実戦配備へ 米、岩国基地移転予定の隊
【ワシントン=共同】 米海兵隊は七月三十一日、最新鋭ステルス戦闘機F35の十機が初めて、実戦配備が可能となる「初期運用能力」を獲得したと発表した。ダンフォード海兵隊司令官は声明で、F35の高い能力は「われわれが戦い、勝つ方法を変えるものだ」と強調した。

 十機の配備先は、西部アリゾナ州ユマの第一二一戦闘攻撃飛行隊。同飛行隊は二〇一七年に米軍岩国基地(山口県岩国市)へ移転し、F35を運用する部隊となる見通し。関係者は「岩国が米国外で最初のF35の配備先になる可能性が高い」との見方を示した。
 F35はソフトウエアの不具合などで開発が遅れていた。今回の十機には性能が限定された初期段階のソフトが搭載されており、本格実戦配備にはさらに改良を重ね、ソフトを完成させる必要がある。

 海兵隊は計四百二十機のF35を購入する計画で、AV8ハリアー垂直離着陸機やFA18戦闘攻撃機などと順次交換を進める。既に五十人以上のパイロットと約五百人の整備員を養成したという。 航空自衛隊が次期主力戦闘機として四十二機を購入する予定のF35は空軍仕様で、まだ実戦配備はされていない。 
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とめよう!戦争法案 集まろう!国会へ 8.30国会包囲行動
日時: 8月30日(日)14時~15時30分
場所: 国会議事堂周辺(地下鉄「国会議事堂前」「永田町」下車)
内容: 呼び掛け団体あいさつ、政党代表あいさつ、連帯アピールなど
主催: 戦争させない・9条壊すな!総がかり行動実行委員会

■詳しくはこちら→ http://www.anti-war.info/schedule/1507181/

とめよう!戦争法案 国会前木曜連続行動
今後も毎週木曜日の18時30分から1時間程度、衆議院第二議員会館前で続けられます。
8月6日、13日、20日、27日、
9月3日、10日、17日

また、毎週火曜日の18時頃から都内各所の駅頭で一斉街頭宣伝行動も実施中。その他、国会情勢などによって変更や追加がありますので、ウェブサイトをご覧いただくか、連絡先までお問い合わせください。

■詳しくこちら→ http://www.anti-war.info/action/
■総がかり行動→ http://sogakari.com/?page_id=67
■戦争をさせない1000人委員会連絡先(03-3526-2920)


【再録】
永遠の安保、永遠の米軍基地、そして永遠のテロル
2009年3月30日

 世界的な米軍再編に伴い、二〇〇八年十月一日、米軍の「アフリカ司令部」、AFRICOMが正式に発足した。これで六つの独立した米軍司令部が、地球をスッポリ包み込み、分割・支配する体制ができあがった。
 ブッシュが残した人類への遺産。永遠の安保、永遠の米軍基地、永遠のテロルの時代の幕開けである。⇒下の地図はペンタゴンの広報サイト、Defense Linkより。


 世界中に拡大する米軍基地。下の米軍基地の配置図をみると、ヨーロッパにおいては第二次世界の敗戦国、ドイツとイタリアが真っ黒になっているのがわかる。そして米国の戦略的同盟国、イギリス。
 世界の真ん中に、米軍基地で黒こげになったイラクとアフガニスタン。そしてイラク北西の、西洋社会とNATOへの参加にヤッキになっているトルコから、ぐるっとアジアに目を転じると、同じく第二次世界大戦の敗戦国日本、そして米国に「解放」された韓国がみえる。(地図のPDFデータはGlobal Policy Forumからダウンロードできる

 この米軍基地の世界地図が、AFRICOMの創設を突破口に、これからソマリアをはじめ、アフリカ大陸各地に広がろうとしている。

ところで、海上自衛隊がアデン湾での「護衛」活動を開始した。アラビア半島の南の国、オマーンからソマリアの北、ジプチの間を往復しながら、日本「関連」の船舶を「警備」するのだという。
 オマーンには海軍と空軍の米軍基地があり、ジプチにも米軍基地がある。これで日本の海上自衛隊は、「補給支援」活動と合わせて、インド洋からアデン湾にわたる「海賊・武装強盗」との戦いの名において、米軍の「中央司令部」CENTCOMとAFRICOMの両方と「連携」しながら展開することが既成事実化したわけである。現行憲法の下で、である。
 
 日本のマスコミの「海賊」報道。何かが決定的に欠けている。意図的ともいえる、情報操作がある。あるいは無知がある。
 PACOM、CENTCOM、そしてAFRICOM。「アジア太平洋」から「中央アジア・中東」を経て、「アフリカ大陸の東海岸」に至るまで、「多国籍軍」という体裁を取りながら自衛隊と米軍との共同作戦体制が構築されはじようとしている。問題は、これにいつ「アフリカ大陸」へ陸自の部隊の上陸が実現するかである。

 いま国連安保理では、米国が昨年十二月に提起したソマリアへの国連PKOの派遣問題の検討が進んでいる。その主力部隊および指揮は、もちろんAFRICOMが担うことになる。AFRICOMの主要な任務は、アフリカの「戦争予防」と「平和維持」活動ということになっている。そしてその軍事拠点になるのが、二〇〇二年にジプチにつくられた米軍基地である。

 ソマリアPKOへの陸自の参加。この問題が、日本のマスコミで取り沙汰されるのも、そう遠い先のことではないだろう。


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福島で原水禁大会開幕 核廃絶と脱原発訴え
 原水爆禁止日本国民会議(原水禁)などが主催する原水爆禁止世界大会が1日、福島県いわき市で始まった。原爆投下から70年、九州電力川内原発1号機の再稼働も見込まれる中、被爆者や東京電力福島第1原発事故の被災者らが集い、核兵器廃絶や脱原発を訴えた。
 いわき市内の公園で、原爆や東日本大震災の犠牲者らに黙とうした後、長崎で被爆した原水禁の川野浩一議長(75)が「私たちは断固として核廃絶、脱原発を目指し、憲法を守り抜く」とあいさつした。原発事故で全町避難が続く福島県楢葉町の町議会議長の青木基さん(64)が被災地の現状を報告し、集会後には市内をデモ行進。(福島民報)

NSA盗聴: ウィキリークス「日本の要人など35カ所も」
 内部告発サイト「ウィキリークス」は31日、米国家安全保障局(NSA)が日本の中央省庁、商社などの民間企業を含む35カ所を盗聴していたと公表した。 同サイトは入手した文書などから、NSAは少なくとも第1次安倍政権(2006〜07年)時にさかのぼって、日本の貿易交渉地球温暖化対策原子力を含むエネルギー政策などについての情報を集めていたと指摘している。米国の情報活動を巡り、日本国内の具体的な盗聴先が明らかになったのは初めて。同サイトによると、NSAの最優先の盗聴先として
 ▽官房長官秘書官
 ▽政府の要人専用回線
 ▽経済産業相
 ▽日本銀行
 ▽三菱商事の天然ガス部門
 ▽三井物産の石油部門−−などが挙げられている。一連のリストは電話番号の一部を伏せた形で公表された。

 また日本の気候変動政策や貿易交渉に関してNSAが07〜09年に作成したとする文書も同時に公開した。07年4月の安倍晋三首相(当時)の訪米前の文書では、日本政府が「50年までに温室効果ガスの排出量を半減する」とした目標を同年5月下旬に発表するとの見通しを示した上で、「(日本の)外務省は事前に米国側に通知することは考えていない」という政府内部の動きが記載されていた。別の文書では世界貿易機関(WTO)の多角的貿易交渉(ドーハ・ラウンド)に関する内容も含まれている。
 盗聴内容の一部は、米国から英国、オーストラリア、カナダ、ニュージーランドにも情報提供可能とする記載もあった。ウィキリークスは「日本への教訓」として「監視大国に誠実さや敬意を期待してはいけない」とする創設者のジュリアン・アサンジ容疑者のコメントを掲載した。
 NSAの情報活動を巡っては、フランスのオランド大統領など過去3代の大統領の通信や、ドイツのメルケル首相の携帯電話を盗聴していたことが表面化。オバマ米大統領は14年に同盟国首脳への盗聴停止を表明している。【毎日 八田浩輔】

Target Tokyo (wikileaks)
NSA high priority targets for Japan