原発の「安全基準」と市民の「安心基準」
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「これからどうするか?」 全国各地で「6・11」に参加した人、都合があって参加できなかった人、みんなそう考えている。原発が安全でないことは、もうわかった。原発を止めなければならないことも、わかった。 問題はそれで、どうやって再稼働・工事再開を目論む原発を止め、原発を廃止するかである。
原発が安全でなくとも、私たちが安心できなくとも、この国は原発を捨てないし、廃止するつもりもない。それももう、はっきりしたはずである。
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・「原発重視」発言に化石賞 / 環境保護団体が日本政府に
ドイツ・ボンで開催中の気候変動枠組み条約の特別作業部会の会場で、各国の環境保護団体でつくる「気候行動ネットワーク」は11日、地球温暖化対策として引き続き原発を重視する姿勢を示したとして、日本政府に対し、交渉で後ろ向きな発言をした国を対象とした「化石賞」を贈った。
京都議定書では、先進国が発展途上国で実施した事業によって削減した温室効果ガスを、自国の目標達成向けにカウントできるCDMという制度を定めている。化石賞の授賞理由は「CDMを改正し、原発も対象にすべきだとの従来の主張を繰り返した」という点。 関係者によると、日本代表団の政府関係者が非公開の会議で、そうした意見を主張したという。(ボン共同)
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前回、「国と電力会社は、3月の「緊急安全対策」に基づき、それをクリアしたと言って再稼働に乗り出そうとする。「3・11」事態を前提した「安全基準」では、二度と再稼働・建設再開ができないからである」と書いた。事実、経産省の資源エネルギー庁と安全・保安院は停止中原発の7月再稼働に向けた自治体への説得工作を続けている。そこでまず、原発の「あるべき安全基準」とは何かを考えてみよう。
〈原発の「安全基準」の再定義〉
原発に安全はありえない。しかし、国や電力会社が原発は「安全」だと言って存続させようとする以上、電力会社がまとめ、国と自治体が認可するその「基準」を私たちは問題にせざるをえない。
最も核心的な問題は、ポスト「3・11」の原発の「安全基準」を考える場合、もはや原子炉の「耐震性」や非常時電源確保・冷却機能保持・発電所の「津波対策」は、「安全基準」の必要条件とは言えても、必要十分条件とは言えない、ということだ。「専門家」も含め、多くの人がこのことを理解していない。
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・原発の安全指針、今月中に見直し着手
内閣府原子力安全委員会の班目春樹委員長は13日、原発の安全設計審査指針など各種指針について、「抜本的な見直しが必要。できるところからどんどん見直していく」と述べ、今月中にも見直し作業に着手する方針を示した。安全委の下部組織である専門部会で議論したうえで指針を改定する考えだ。(毎日)
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では、何が「基準」/「指針」になるのか。それは、現実に福島第一原発においてメルトダウン→メルトスルーが起きてしまった以上、福島以外の全原発で同様のメルトスルーが起こったときに、今回の事後対策よりも迅速かつ確実な措置や処置が取れるか否か、そういう体制と態勢が国・電力会社・道府県-市町村レべルの自治体三者で取れるか否かにある。
東日本大震災レベルの地震や津波を想定した諸対策は、実は「3・11」以前から取っておかねばならなかった対策なのであって、それをしていなかった電力会社が新たに対応策を講じることは当然のことだ。問題は、「第二の3・11」に国・各電力会社・自治体が対応できるか否かにあり、それができなければ、残るすべての原発は「安全基準」を満たしていないことになる。
起こってしまった事態を前提に、次の安全基準や安全対策を策定する。何事もこれが基本であり、原則である。災害が起こるたびに、人工構築物の安全基準と国・自治体の防災対策が見直され、それらの改善が図られてきたが、今回もその例外であってはならない。「レベル7」の事態を起こしてしまった国の原発は、「レベル1」から「福島第一原発的レベル7」すべてのレベルに対応する安全・防災対策が策定されるべきであり、それができなければ、もうこの国で原発を稼働させてはならないのである。これが市民の「安心」を保証する最低限度の基準である。
「万が一」に備えるためにもすべての原発を停止しなければならない。しかし国と自治体がそうしないと言い、現実に原発が稼働し、再稼働が目論まれている以上、私たちはこの現実を前提に、原発の「安全基準」と「防災対策」の最適化を国・電力会社・自治体に要求せざるを得ない。その「基準」がこれである。
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〈メルトスルーを前提した原発の「安全基準」は可能か〉
不可能だ。不可能だからこそ停止し、再稼働させてはならないのだが、なぜ不可能か、不可能だからこそ何をしなければならないかを、脱原発派は国・電力会社・自治体に突きつける必要がある。
不可能の理由は単純なことだ。東電を含むすべての日本の電力会社と国は、そんな事態を想定して原発を建設して来なかったからである。いつだったか書いたように、この国(というよりどこの国でもそうだが)の原子力行政は原子炉・格納容器・圧力容器の健全性が、メルトダウン→メルトスルーによって破壊されることを想定しない。メルトダウン→メルトスルーは「制御不能」を意味し、制御不能になることを想定して原発を建設することなんて、それこそ不可能であるからだ。
技術者が想定している「あってはならない最悪の事態」とは「ベント」である。つまり、メルトダウンを起こし、一時的「空焚き」状態になり、原子炉内の圧力が高まり、そのまま放置すれば爆発を起こす、その前段階の「ベント」である。だから、今回のような制御不能の事態が対処不能に陥ることは、当然と言えば当然のことなのだ。(後日追記)
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〈自治体の方針決定のプロセスに、あらゆる手段を尽くして介入する〉
A 広域的住民投票制度の導入--国民投票論に先走る前に
原発が「安全基準」も市民の「安心基準」も満たしていないというのに、7月再稼働に向け、国と電力会社は必死の巻き返しをはかろうとしている。「地元」はどういう動きになっているのか。どこを取りあげても良いのだけれど、ここでは玄海原発の「地元」佐賀県の最新動向を見ながら、その様子を探ってみよう。北海道から鹿児島県まで、佐賀県と似たような事態がすでに起こっており、再稼働に向けたプロセスが始まっている。手遅れになる前にこのプロセスにあらゆる手段を駆使して介入し、自治体に認可させない運動が必要である。
⇒佐賀新聞・「再検証・玄海原子力発電所」
まず、「玄海原発、資源エネ庁が再稼働要請 知事は判断を保留(6月10日)」を読むと、「資源エネ庁」が実に姑息な動きをしていることがよくわかる。
・経産省「資源エネルギー庁は原発停止の長期化による影響に触れ、「電力需給の安定化や東日本大震災の復興と日本経済全体の再生に原発の再稼働は不可欠」として地元の理解と協力を要請」。
・同庁の横尾英博電力・ガス事業部長。「停止中の原発が再稼働できない場合、「火力発電の比率が低い九州電力は、追加の燃料調達がほかより厳しい。九電の需給は大変ひっ迫する」と懸念。さらに電力供給不安による国内産業の空洞化、火力の代替発電により全国で年間3兆円以上の燃料コスト増になる試算を示し、再稼働の必要性を訴えた」
・「経産省はこれまで緊急安全対策の実施によって運転に「支障はない」とする一方、再稼働の判断は立地県に委ねてきたが、ひっ迫する夏場の電力需給をにらみ、直接要請に踏み込んだ。
・保安院の黒木慎一審議官。「事故が深刻化した要因について科学的データを示し、「地震発生時の異常値はみられず、地震による配管の破損はなかった。津波によって電源が喪失し、深刻な状態になった」とした。
・古川康知事。「判断を保留し、慎重な姿勢」。「「(原発の)必要性の議論もゼロではないが、まずは安全性の判断、確認を中心に据えたい」「具体的なデータで説明されたことは、前回より前進した。内容は自分たちなりに分析したい」。
・県議会。「電力会社任せでなく、燃料を調達するのが国の仕事ではないか」「このままでは運転再開は認められない」。原子力安全対策等特別委員会の木原奉文委員長。「エネルギー庁は問題外の説明だ。まだ安全安心を判断するまでの議論に至っていない。(次回の)7月1日の特別委で結論を出すことはない」。
「再稼働問題をめぐっては、地元の岸本英雄玄海町長が今月中にも同意を九電に伝える意向を示しており、古川知事がどう判断するかが焦点」。
⇒「原発の「安全基準」と市民の「安心基準」(2)」につづく。
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・新たに6人被ばく限度超える
東京電力福島第1原発で緊急作業に従事する東京電力社員2人の被ばく線量が限度(250ミリシーベルト)の倍以上の600ミリシーベルト超だった問題で、厚生労働省は13日、東電の簡易検査で新たに6人が限度を超えた可能性があると発表した。いずれも東電の男性社員で、最高値は内部被ばくと外部被ばくを合わせて497ミリシーベルト。現在、精密な検査を受けている。 同省によると、東日本大震災以降、6人のうち1人が3、4号機の中央制御室におり、5人は室外で電気機器や計測機器の保守に従事していた。また、この他に6人(東電社員4人、協力会社員2人)が200~250ミリシーベルトを被ばくした疑いがあり、同省は東電にこの12人を緊急作業から外すよう指示した。 東電はこれまで緊急作業に従事してきた約3700人の被ばく線量の検査を進め、13日までに約2300人分の結果を同省に報告した。【毎日・井上英介】
・電源、津波対策中心、原発安全か 耐震、高経年化に懸念 (6/11 福井新聞)
最悪の事態に陥り収束の見通しさえ立たない東京電力福島第1原発事故は、国内最多の14基の原発を抱える福井県を揺さぶり続けてきた。関西電力、日本原電、日本原子力研究開発機構は電源車の配備・増強や万一に備えた訓練など緊急安全対策を実施。津波を防ぐ防潮堤の設置などの中長期対策にも取り組んでいる。ただ、政府の指示に基づく安全対策は電源喪失や津波対策が中心。地震や高経年化(老朽化)の影響はないのか、防災面での備えが万全なのか、県や立地市町は厳しい目を向ける。安全と安心をどう担保するのか、根本的な見直しを迫られている。
■電源喪失■
福島第1原発は送電線からの電力供給が断たれた上、津波で非常用ディーゼル発電機が停止。全ての電源を失って緊急炉心冷却装置(ECCS)を作動させられず、原子炉や使用済み燃料プールを冷却できないまま過酷事故(シビア・アクシデント)につながった。
政府は非常時の電源確保を指示。県内3事業者は中央制御室などの監視機能を維持するため、電源車を増強して原発構内にある高台などに配備した。 ECCSを動かすための非常用ディーゼル発電機は、中長期対策として福島第1原発で唯一稼働した「空冷式」を追加配備する。送電線(鉄塔)の耐震強化にも取り組む。
ただ、地震でがけ崩れが起こるなど原発構内の通路が寸断されれば、高台に置いた電源車などの資機材が運べない恐れがある。福島第1原発ではがれきが電源車の接続や注水を阻んだ。政府は、国際原子力機関(IAEA)への事故報告書に伴う追加の短期対策として重機の配備を求めている。
■炉心冷却■
日本原電敦賀1号機を除く県内の商業炉は加圧水型軽水炉で、福島第1原発とは構造が違う。全電源を失った場合、蒸気で動く補助給水ポンプで蒸気発生器に水を送り、1次冷却水を通して原子炉を冷やす仕組みが“命綱”となる。ただ、反原発の市民団体からは「この系統に全面依存し、冷却機能の多重性がない。福島レベルの事故で故障しない保証はない」との指摘もある。緊急安全対策では、蒸気発生器に水を送る復水タンクに注水するための消防ポンプやホースを配備した。
福島と同じ沸騰水型軽水炉の敦賀1号機は、非常用復水器に消防車などから直接注水するための専用配管を新たに設け、冷却機能を多重化する。 一方、高速増殖炉「もんじゅ」は仕組みが大きく異なり、全電源を失った際、ナトリウムの特性を生かし自然循環の空気冷却で炉心を冷やす仕組み。原子力機構は5月末、安全上の課題を検討する委員会を設けて過酷事故対策の検証を始めたが、委員からは「設計を超える危機を想定して対応すべきだ」との厳しい指摘も出ている。
■津波対策■
福島第1原発は高さ14~15メートルの津波に襲われ、冷却系の海水ポンプが故障するなど、重要な設備が次々に破壊された。県内各原発では海水ポンプやタンク周りの防護壁設置に順次取り組み、建屋の浸水対策として扉の水密化なども進めている。 これまで県内の各原発では津波の高さを2~5・2メートルと設定していたが、政府は9・5メートルを上乗せするよう指示。関電は防波堤のかさ上げや陸に防潮堤建設を予定し、原電も防潮堤を検討している。 ただ、全国一律の上乗せに県などは「地理的特徴や過去の津波記録に応じて安全対策すべき」と指摘している。 もんじゅは、安全上重要な設備が海面から高さ21メートルの位置にあるため、防潮堤の設置を講じる必要はないとされた。
■使用済み燃料プール■
福島第1原発では原子炉が停止中だった4号機でも爆発が起こり、建屋の上部が吹き飛んだ。プールにある使用済み燃料の一部が損傷する事故になり、苦肉の注水作業が行われた。 プールにふたなどはなく、外部とは建屋の壁で隔てられているだけで、安全上の「死角」。緊急安全対策で各原発は、プールに海水などを注水するための消防ポンプとホースを配備した。中長期対策として、プールの耐震強化や水位監視カメラの設置に取り組む。福島と同型の敦賀1号機は、プールに消防車などから直接注水するための専用配管を設置する方針だ。
■耐震、高経年化■
東電は事故後、津波到達までに配管や機器類の大きな損傷はなかったと主張してきたが、3号機で緊急炉心冷却装置の配管が地震で破損していた可能性が明らかになるなど、地震が事故につながったのではとの疑念は消えていない。
また、福島第1原発1号機は運転開始から40年を超えている。県内にはより古い敦賀1号機、美浜1号機を抱えるだけに、高経年化が事故の背景にあるのかどうか、知事らは検証を求めている。政府はIAEAへの報告書に伴う過酷事故対策で、高経年化対策の在り方を再評価するとしたばかりだ。
・小浜市会、原発脱却求め意見書可決 全会一致 国へ5項目要望(6/10 福井新聞)
・関電株主、原発からの撤退を 総会に提案
関西電力の株主124人が、同社に原発からの撤退を求めるといった計7議案を、29日に大阪市で開かれる株主総会に提案したことが12日分かった。関電の取締役会は反対を表明している。 株主124人は東京電力福島第1原発事故などを受け、「放射能の処理ができない原発はやめる」と定款を変更することを提案。原発から撤退するまで役員に報酬を支払わないことも求めている。 これとは別に、株主36人が「原発から自然エネルギー発電への転換を宣言する」ことを求めるなど計10議案を提案。関電の取締役会はこちらにも反対している。
・高速増殖炉技術、フランスへ 原子力研究者を受け入れ
(5/13福井新聞) 福井大附属国際原子力工学研究所、高速増殖炉(FBR)「もんじゅ」、仏原子力庁の原子力科学技術高等学院(INSTN)の共同研究。「仏では新たなFBR開発プロジェクトが進められており、政府が来年プロジェクトに関する可否を判断するという。・・・「将来の原子力エネルギーの主力となるFBR技術を学びたい」」。
・太陽光発電、県内電力消費の38%可能 県が自然エネ指針を策定
山梨県はクリーンエネルギー先進県を目指した「やまなしグリーンニューディール計画」の推進指針を策定した。太陽光発電は「利用可能量」を県の年間電力消費量(6800ギガワット時)の38%、2559ギガワット時と試算。(山梨日日新聞より)
・事故の深刻さ解説 七尾で「日本の原発考える」
福島第一原発事故による放射能汚染や今後の原発をめぐる状況を考える講演会が九日夜、七尾市藤橋町の真宗大谷派能登教務所で開かれた。チェルノブイリ原発事故後に現地調査した物理学者の藤田祐幸さんが、「いま日本の原発で何が起きているのか?」と題して話した。(青木真)
福島の事故の深刻さを「四基で事故が同時進行し、幸いにして大破局の一歩手前にとどまっている」と表現した藤田さん。チェルノブイリ事故の汚染地図を示し「距離ではなく、汚染の度合いで住民を避難させた。百万人近い農民が家や土地を捨て、無人の荒野になった」と振り返った。
地震が原因となって起きた原発事故は福島と二〇〇七年の柏崎刈羽原発の二例だけだとして、「原発事故の原因は無数にあり、常に想定外。今回、津波対策だけが論議され、防潮堤を築けばいいという無能な対応がなされている」と切り捨てた。
さらに、「ヨーロッパ諸国は放射能の動きを想定したシステムをつくり、公表して対応することをチェルノブイリで学んだが、日本政府は情報を出さず放置した」と批判。被ばく限度の放射線量が引き上げられたことについては「広島、長崎の被爆者を調査し、命の代償として得られた数値。被爆国としてなすべきことではない」と批判した。講演会は能登地区を中心に県内有志でつくる実行委員会が主催し、約百十人が聴講した。
・電力事業の抜本改革を、首相 自然エネ普及で懇談会
菅首相は12日、自然エネルギーに関する有識者懇談会を官邸で開いた。菅首相は全国10電力会社が地域独占する現行体制について「国鉄、通信改革のような、社会制度の根幹をなす電力改革の議論を始めるチャンスだ」と述べ、抜本的見直しが必要との認識を示した。 懇談会にはソフトバンクの孫社長とサッカー日本代表の岡田前監督ら、自然エネルギーに関心が高く「脱原発色」の強い人々が参加した。
孫氏は「畑を耕したりパンを焼くようにあらゆる国民が電気を起こす。志ある人が発電事業にどんどん参入すべきで、そのためには制度が必要だ」と述べ、電力の固定価格買い取り制度の早期導入を求めた。【共同通信】
・福島原発取水口でストロンチウム 地下水からも初検出
東京電力は12日、福島第1原発の取水口付近の海水から、最高で法令の濃度限度の240倍の放射性ストロンチウムを検出したと発表した。1、2号機付近の地下水からも検出され、いずれも今回の事故の影響と考えられるとしている。 経済産業省原子力安全・保安院によると、ストロンチウムは第1原発の放水口付近や沖合などで、濃度限度以下が検出されたことはあったが、地下水からは初めて。 東電によると、検出されたのは1~4号機の取水口付近と、放射性物質の拡散防止のため2、3号機の取水口近くに設置した「シルトフェンス」内側の計3カ所で、5月16日に採取した海水。【共同通信】
・汚染水処理2、3日遅れ=セシウム吸着塔の不具合相次ぐ
福島第1原発事故で、東京電力は12日、新しく造った高濃度放射能汚染水の処理システムの本格運転が、当初予定の15日から2、3日程度遅れると発表した。セシウム吸着塔で10日に配管接続部の水漏れが見つかったほか、11日に一部系統に水が流れないトラブルが発生。修理などでほぼ解決したが、低濃度の汚染水を流す試運転の開始が13日にずれ込んだ。 セシウム吸着塔は米キュリオン社の技術で造られ、内部に細かい軽石状のゼオライトが詰められている。4系統計24基あり、各系統ごとに主に(1)油分とテクネチウム(2)セシウム(3)ヨウ素-の順で吸着処理する。
水漏れ修理やポンプのコンピュータープログラム修正は終わったが、1系列6基分で試験用の水が流れないトラブルが発生。12日の再試験では水が流れたため、流量調節弁の一時的な故障だった可能性が高いという。 東電は13日に改めて不具合がないか確認後、セシウム吸着塔の試運転に入るか、フランス・アレバ社の技術で造られた薬剤で放射性物質を沈殿処理する除染装置の試運転を先に行うか決める。
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⇒「「負担は限界」 住民集会、嘉手納統合案撤回訴え」(琉球新報)
⇒「【シンポジウム】震災の裏で動く沖縄基地問題~普天間と高江のいま~」(セイピースプロジェクト)
⇒「特集・米軍移転計画」(南日本新聞)