集団的自衛権: 閣議決定案
【冒頭】
略
【1、武力攻撃に至らない侵害への対処】
わが国を取り巻く安全保障環境が厳しさを増していることを考慮すれば、純然たる平時でも有事でもない事態が生じやすく、これによりさらに重大な事態が生じかねないリスクを有している武力攻撃に至らない侵害において、いかなる不法行為に対しても切れ目のない十分な対応を確保するための態勢を整備することが一層重要な課題となっている。
さまざまな不法行為に対処するため、警察・海上保安庁等の関係機関が、それぞれの任務と権限に応じて緊密に協力して対応するとの基本方針の下、おのおのの対応能力を向上させ、連携を強化するなど各般の分野における必要な取り組みを一層強化することとする。
離島の周辺地域等において外部から武力攻撃に至らない侵害が発生し、近傍に警察力が存在しない場合や警察機関が直ちに対応できない場合に、手続きを経ている間に被害が拡大することがないよう、早期の下令や手続きの迅速化のための方策について具体的に検討することとする。
自衛隊と米軍が連携して切れ目のない対応をできるよう、自衛隊法第95条による武器等防護のための「武器の使用」の考え方を参考にしつつ、自衛隊と連携し てわが国の防衛に資する活動(共同訓練を含む)に現に従事している米軍部隊の武器等であれば、米国の要請または同意があることを前提に、自衛隊法第95条 によるものと同様の極めて受動的かつ限定的な必要最小限の「武器の使用」を行うことができるよう法整備をすることとする。
【2、国際社会の平和と安定への一層の貢献】
(1)いわゆる後方支援と「武力の行使との一体化」
いわゆる後方支援と言われる支援活動それ自体は、「武力の行使」に当たらない活動である。
例えば、国際の平和および安全が脅かされ、国際社会が国際連合安 全保障理事会決議に基づいて一致団結して対応するようなときに、わが国が当該決議に基づき正当な「武力の行使」を行う他国軍隊に対してこうした支援活動を 行うことが必要な場合がある。
わが国による支援活動については、他国の「武力の行使と一体化」することにより、憲法の下で認められない「武力の行使」を行ったとの法的評価を受けることがないよう、活動の地域を「後方地域」や「非戦闘地域」に限定する等の法律上の枠組みを設定してきた。
安全保障環境がさらに大きく変化する中で、国際協調主義に基づく「積極的平和主義」の立場から、国際社会の平和と安定のために、自衛隊が幅広い支援活動で十分に役割を果たすことができるようにすることが必要である。
政府としては、「武力の行使との一体化」についての議論の積み重ねを踏まえつつ、こうした枠組みではなく、他国が「現に戦闘行為を行っている現場」ではな い場所で実施する補給、輸送等のわが国の支援活動については、当該他国の「武力の行使と一体化」するものではないとの認識の下、以下の考え方を基本とし て、わが国の安全の確保や国際社会の平和と安定のために活動する他国軍隊に対して必要な支援活動を実施できるよう法整備を進める。
(1)わが国の支援対象となる他国軍隊が「現に戦闘行為を行っている現場」では、支援活動は実施しない
(2)仮に、状況変化により支援活動を実施している場所が「現に戦闘行為を行っている現場」となる場合には、直ちにそこで実施している支援活動を休止・中断する。
(2)国際的な平和協力活動に伴う武器使用
わが国は、これまで必要な法整備を行い、過去20年以上にわたり、国際的な平和協力活動を実施してきたが、「駆け付け警護」に伴う武器使用や「任務遂行の ための武器使用」については、これを「国家または国家に準ずる組織」に対して行った場合には、憲法第9条が禁ずる「武力の行使」に該当するおそれがあるこ とから、自衛官の武器使用権限はいわゆる自己保存型と武器等防護に限定してきた。
「国家または国家に準ずる組織」が敵対するものとして登場しな いことを確保した上で、PKO等の「武力の行使」を伴わない国際的な平和協力活動における「駆け付け警護」に伴う武器使用および「任務遂行のための武器使 用」のほか、領域国の同意に基づく邦人救出等の「武力の行使」を伴わない警察的な活動ができるよう、以下の考え方を基本として、法整備を進める。
(1)PKO等では、PKO参加5原則の枠組みの下で、「当該活動が行われる地域の属する国の同意」および「紛争当事者の当該活動が行われることについて の同意」が必要とされており、受け入れ同意をしている紛争当事者以外の「国家に準ずる組織」が敵対するものとして登場することは基本的にない(???)と考えられ る。
住民保護等の治安の維持を任務とする場合には、特に、その任務の性格上、紛争当事者の受け入れ同意が安定的に維持されていることが必要である
(2)自衛隊の部隊が、領域国政府の同意に基づき、当該領域国における邦人救出等の「武力の行使」を伴わない警察的な活動を行う場合、領域国政府の同意が及ぶ範 囲、すなわち、その領域において権力が維持されている範囲で活動することは、その範囲においては「国家に準ずる組織」は存在しない(???)ことを意味する
(3)受 け入れ同意が安定的に維持されているかや領域国政府の同意が及ぶ範囲等については、国家安全保障会議での審議等に基づき、内閣として判断する
(4)なお、 これらの活動における武器使用については、警察比例の原則に類似した厳格な比例原則が働くという内在的制約がある。
【3、憲法第9条の下で許容される自衛の措置】
(1)いかなる事態においても国民の命と平和な暮らしを守り抜くためには、これまでの憲法解釈のままでは必ずしも十分な対応ができないおそれがあることか ら、いかなる解釈が適切か検討してきた。その際、政府の憲法解釈には論理的整合性と法的安定性が求められる。
従って、従来の政府見解における憲法第9条の 解釈の基本的な論理の枠内で、国民の命と平和な暮らしを守り抜くための論理的な帰結を導く必要がある。
(2)憲法第9条はその文言からすると、 国際関係における「武力の行使」を一切禁じているように見えるが、憲法前文で確認している「国民の平和的生存権」や第13条が「生命、自由および幸福追求 に対する国民の権利」は国政の上で最大の尊重を必要とする旨定めている趣旨を踏まえて考えると、憲法第9条が、わが国が自国の平和と安全を維持し、その存 立を全うするために必要な自衛の措置をとることを禁じているとは到底解されない。
一方、この自衛の措置は、あくまで外国の武力攻撃によって国民の生命、自 由および幸福追求の権利が根底から覆されるという急迫、不正の事態に対処し、国民のこれらの権利を守るためのやむを得ない措置としてはじめて容認されるも のであり、そのための必要最小限度の「武力の行使」は許容される。
これが、憲法第9条の下で例外的に許容される「武力の行使」について、従来、 政府が一貫して表明してきた見解の根幹、いわば基本的な論理であり、昭和47年10月14日に参院決算委員会に対し政府から提出された資料「集団的自衛権 と憲法との関係」に明確に示されているところである。 この基本的な論理は、憲法第9条の下では今後とも維持されなければならない。
(3)これまで政府は、この基本的な論理の下、「武力の行使」が許容されるのは、わが国に対する武力攻撃が発生した場合に限られると考えてきた。
しかし、 冒頭で述べたように、パワーバランスの変化や技術革新の急速な進展、大量破壊兵器等の脅威等により、わが国を取り巻く安全保障環境が根本的に変容し、変化 し続けている状況を踏まえれば、今後他国に対して発生する武力攻撃であったとしても、その目的・規模・態様等によっては、わが国の存立を脅かすことも現実 に起こり得る。
わが国としては、紛争が生じた場合にはこれを平和的に解決するために最大限の外交努力を尽くすとともに、これまでの憲法解釈に基づいて整備 されてきた既存の国内法令による対応や当該憲法解釈の枠内で可能な法整備等あらゆる必要な対応をとることは当然であるが、それでもなおわが国の存立を全う し、国民を守るために万全を期す必要がある。
こうした問題意識の下に、現在の安全保障環境に照らして慎重に検討した結果、わが国に対する武力攻 撃が発生した場合のみならず、
わが国と密接な関係にある他国に対する武力攻撃が発生し、これによりわが国の存立が脅かされ、国民の生命、自由および幸福追 求の権利が根底から覆される明白な危険がある場合において、
これを排除し、わが国の存立を全うし、国民を守るために他に適当な手段がないときに、必要最小 限度の実力を行使することは、従来の政府見解の基本的な論理に基づく自衛のための措置として、憲法上許容されると考えるべきであると判断するに至った。
(4)わが国による「武力の行使」が国際法を順守して行われることは当然であるが、国際法上の根拠と憲法解釈は区別して理解する必要がある。憲法上許容さ れる上記の「武力の行使」は、国際法上は、集団的自衛権が根拠となる場合がある。
この「武力の行使」には、他国に対する武力攻撃が発生した場合を契機とす るものが含まれるが、憲法上は、あくまでもわが国の存立を全うし、国民を守るためのやむを得ない自衛の措置としてはじめて許容されるものである。
(5)また、憲法上「武力の行使」が許容されるとしても、それが国民の命と平和な暮らしを守るためのものである以上、民主的統制の確保が求められることは 当然である。
政府としては、わが国ではなく他国に対して武力攻撃が発生した場合に、憲法上許容される「武力の行使」を行うために自衛隊に出動を命ずるに際 しては、現行法令に規定する防衛出動に関する手続きと同様、原則として事前に国会の承認を求めることを法案に明記することとする。
【4、今後の国内法整備の進め方】
これらの活動を自衛隊が実施するに当たっては、国家安全保障会議における審議等に基づき、内閣として決定を行うこととする。こうした手続きを含め、実際の自衛隊による活動の実施には根拠となる国内法が必要となる。
あらゆる事態に切れ目のない対応を可能とする法案の作成作業を開始することとし、十分な検討を行い、準備ができ次第、国会に提出し、ご審議をいただく。
・・・
・海外防衛装備で情報網 政府方針 ジェトロ、商社にも協力要請
「政府は27日、海外主要国の防衛装備の動向に関する情報網を整備する方針を固めた。
従来の武器輸出三原則に代わる 「防衛装備移転三原則」が4月に閣議決定され、一定の条件を満たせば国産装備品の輸出や国際共同開発への参加が可能になったことを受け、親密国の防衛当局 などとの接点を強化し移転促進につなげる。
情報収集力を強化するため、政府は日本貿易振興機構(ジェトロ)や商社など民間企業にも協力を求める。
【冒頭】
略
【1、武力攻撃に至らない侵害への対処】
わが国を取り巻く安全保障環境が厳しさを増していることを考慮すれば、純然たる平時でも有事でもない事態が生じやすく、これによりさらに重大な事態が生じかねないリスクを有している武力攻撃に至らない侵害において、いかなる不法行為に対しても切れ目のない十分な対応を確保するための態勢を整備することが一層重要な課題となっている。
さまざまな不法行為に対処するため、警察・海上保安庁等の関係機関が、それぞれの任務と権限に応じて緊密に協力して対応するとの基本方針の下、おのおのの対応能力を向上させ、連携を強化するなど各般の分野における必要な取り組みを一層強化することとする。
離島の周辺地域等において外部から武力攻撃に至らない侵害が発生し、近傍に警察力が存在しない場合や警察機関が直ちに対応できない場合に、手続きを経ている間に被害が拡大することがないよう、早期の下令や手続きの迅速化のための方策について具体的に検討することとする。
自衛隊と米軍が連携して切れ目のない対応をできるよう、自衛隊法第95条による武器等防護のための「武器の使用」の考え方を参考にしつつ、自衛隊と連携し てわが国の防衛に資する活動(共同訓練を含む)に現に従事している米軍部隊の武器等であれば、米国の要請または同意があることを前提に、自衛隊法第95条 によるものと同様の極めて受動的かつ限定的な必要最小限の「武器の使用」を行うことができるよう法整備をすることとする。
【2、国際社会の平和と安定への一層の貢献】
(1)いわゆる後方支援と「武力の行使との一体化」
いわゆる後方支援と言われる支援活動それ自体は、「武力の行使」に当たらない活動である。
例えば、国際の平和および安全が脅かされ、国際社会が国際連合安 全保障理事会決議に基づいて一致団結して対応するようなときに、わが国が当該決議に基づき正当な「武力の行使」を行う他国軍隊に対してこうした支援活動を 行うことが必要な場合がある。
わが国による支援活動については、他国の「武力の行使と一体化」することにより、憲法の下で認められない「武力の行使」を行ったとの法的評価を受けることがないよう、活動の地域を「後方地域」や「非戦闘地域」に限定する等の法律上の枠組みを設定してきた。
安全保障環境がさらに大きく変化する中で、国際協調主義に基づく「積極的平和主義」の立場から、国際社会の平和と安定のために、自衛隊が幅広い支援活動で十分に役割を果たすことができるようにすることが必要である。
政府としては、「武力の行使との一体化」についての議論の積み重ねを踏まえつつ、こうした枠組みではなく、他国が「現に戦闘行為を行っている現場」ではな い場所で実施する補給、輸送等のわが国の支援活動については、当該他国の「武力の行使と一体化」するものではないとの認識の下、以下の考え方を基本とし て、わが国の安全の確保や国際社会の平和と安定のために活動する他国軍隊に対して必要な支援活動を実施できるよう法整備を進める。
(1)わが国の支援対象となる他国軍隊が「現に戦闘行為を行っている現場」では、支援活動は実施しない
(2)仮に、状況変化により支援活動を実施している場所が「現に戦闘行為を行っている現場」となる場合には、直ちにそこで実施している支援活動を休止・中断する。
(2)国際的な平和協力活動に伴う武器使用
わが国は、これまで必要な法整備を行い、過去20年以上にわたり、国際的な平和協力活動を実施してきたが、「駆け付け警護」に伴う武器使用や「任務遂行の ための武器使用」については、これを「国家または国家に準ずる組織」に対して行った場合には、憲法第9条が禁ずる「武力の行使」に該当するおそれがあるこ とから、自衛官の武器使用権限はいわゆる自己保存型と武器等防護に限定してきた。
「国家または国家に準ずる組織」が敵対するものとして登場しな いことを確保した上で、PKO等の「武力の行使」を伴わない国際的な平和協力活動における「駆け付け警護」に伴う武器使用および「任務遂行のための武器使 用」のほか、領域国の同意に基づく邦人救出等の「武力の行使」を伴わない警察的な活動ができるよう、以下の考え方を基本として、法整備を進める。
(1)PKO等では、PKO参加5原則の枠組みの下で、「当該活動が行われる地域の属する国の同意」および「紛争当事者の当該活動が行われることについて の同意」が必要とされており、受け入れ同意をしている紛争当事者以外の「国家に準ずる組織」が敵対するものとして登場することは基本的にない(???)と考えられ る。
住民保護等の治安の維持を任務とする場合には、特に、その任務の性格上、紛争当事者の受け入れ同意が安定的に維持されていることが必要である
(2)自衛隊の部隊が、領域国政府の同意に基づき、当該領域国における邦人救出等の「武力の行使」を伴わない警察的な活動を行う場合、領域国政府の同意が及ぶ範 囲、すなわち、その領域において権力が維持されている範囲で活動することは、その範囲においては「国家に準ずる組織」は存在しない(???)ことを意味する
(3)受 け入れ同意が安定的に維持されているかや領域国政府の同意が及ぶ範囲等については、国家安全保障会議での審議等に基づき、内閣として判断する
(4)なお、 これらの活動における武器使用については、警察比例の原則に類似した厳格な比例原則が働くという内在的制約がある。
【3、憲法第9条の下で許容される自衛の措置】
(1)いかなる事態においても国民の命と平和な暮らしを守り抜くためには、これまでの憲法解釈のままでは必ずしも十分な対応ができないおそれがあることか ら、いかなる解釈が適切か検討してきた。その際、政府の憲法解釈には論理的整合性と法的安定性が求められる。
従って、従来の政府見解における憲法第9条の 解釈の基本的な論理の枠内で、国民の命と平和な暮らしを守り抜くための論理的な帰結を導く必要がある。
(2)憲法第9条はその文言からすると、 国際関係における「武力の行使」を一切禁じているように見えるが、憲法前文で確認している「国民の平和的生存権」や第13条が「生命、自由および幸福追求 に対する国民の権利」は国政の上で最大の尊重を必要とする旨定めている趣旨を踏まえて考えると、憲法第9条が、わが国が自国の平和と安全を維持し、その存 立を全うするために必要な自衛の措置をとることを禁じているとは到底解されない。
一方、この自衛の措置は、あくまで外国の武力攻撃によって国民の生命、自 由および幸福追求の権利が根底から覆されるという急迫、不正の事態に対処し、国民のこれらの権利を守るためのやむを得ない措置としてはじめて容認されるも のであり、そのための必要最小限度の「武力の行使」は許容される。
これが、憲法第9条の下で例外的に許容される「武力の行使」について、従来、 政府が一貫して表明してきた見解の根幹、いわば基本的な論理であり、昭和47年10月14日に参院決算委員会に対し政府から提出された資料「集団的自衛権 と憲法との関係」に明確に示されているところである。 この基本的な論理は、憲法第9条の下では今後とも維持されなければならない。
(3)これまで政府は、この基本的な論理の下、「武力の行使」が許容されるのは、わが国に対する武力攻撃が発生した場合に限られると考えてきた。
しかし、 冒頭で述べたように、パワーバランスの変化や技術革新の急速な進展、大量破壊兵器等の脅威等により、わが国を取り巻く安全保障環境が根本的に変容し、変化 し続けている状況を踏まえれば、今後他国に対して発生する武力攻撃であったとしても、その目的・規模・態様等によっては、わが国の存立を脅かすことも現実 に起こり得る。
わが国としては、紛争が生じた場合にはこれを平和的に解決するために最大限の外交努力を尽くすとともに、これまでの憲法解釈に基づいて整備 されてきた既存の国内法令による対応や当該憲法解釈の枠内で可能な法整備等あらゆる必要な対応をとることは当然であるが、それでもなおわが国の存立を全う し、国民を守るために万全を期す必要がある。
こうした問題意識の下に、現在の安全保障環境に照らして慎重に検討した結果、わが国に対する武力攻 撃が発生した場合のみならず、
わが国と密接な関係にある他国に対する武力攻撃が発生し、これによりわが国の存立が脅かされ、国民の生命、自由および幸福追 求の権利が根底から覆される明白な危険がある場合において、
これを排除し、わが国の存立を全うし、国民を守るために他に適当な手段がないときに、必要最小 限度の実力を行使することは、従来の政府見解の基本的な論理に基づく自衛のための措置として、憲法上許容されると考えるべきであると判断するに至った。
(4)わが国による「武力の行使」が国際法を順守して行われることは当然であるが、国際法上の根拠と憲法解釈は区別して理解する必要がある。憲法上許容さ れる上記の「武力の行使」は、国際法上は、集団的自衛権が根拠となる場合がある。
この「武力の行使」には、他国に対する武力攻撃が発生した場合を契機とす るものが含まれるが、憲法上は、あくまでもわが国の存立を全うし、国民を守るためのやむを得ない自衛の措置としてはじめて許容されるものである。
(5)また、憲法上「武力の行使」が許容されるとしても、それが国民の命と平和な暮らしを守るためのものである以上、民主的統制の確保が求められることは 当然である。
政府としては、わが国ではなく他国に対して武力攻撃が発生した場合に、憲法上許容される「武力の行使」を行うために自衛隊に出動を命ずるに際 しては、現行法令に規定する防衛出動に関する手続きと同様、原則として事前に国会の承認を求めることを法案に明記することとする。
【4、今後の国内法整備の進め方】
これらの活動を自衛隊が実施するに当たっては、国家安全保障会議における審議等に基づき、内閣として決定を行うこととする。こうした手続きを含め、実際の自衛隊による活動の実施には根拠となる国内法が必要となる。
あらゆる事態に切れ目のない対応を可能とする法案の作成作業を開始することとし、十分な検討を行い、準備ができ次第、国会に提出し、ご審議をいただく。
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・海外防衛装備で情報網 政府方針 ジェトロ、商社にも協力要請
「政府は27日、海外主要国の防衛装備の動向に関する情報網を整備する方針を固めた。
従来の武器輸出三原則に代わる 「防衛装備移転三原則」が4月に閣議決定され、一定の条件を満たせば国産装備品の輸出や国際共同開発への参加が可能になったことを受け、親密国の防衛当局 などとの接点を強化し移転促進につなげる。
情報収集力を強化するため、政府は日本貿易振興機構(ジェトロ)や商社など民間企業にも協力を求める。
政府は防衛装備移転三原則に基づき、主に欧米やアジアの同盟国や親密国などとの結束を強め、日本の安全保障体制を強化することなどを目的に、防衛装備をめ
ぐる国際協力を積極的に進める方針だ。これを実現するには、各国の防衛当局との接触を深め、装備品の中期的な調達計画やニーズなどの情報を常に把握してお
くための仕組み作りが不可欠と判断した。
防衛省、経済産業省、外務省など関係省庁の間で調整した上で、早ければ2015年度予算の概算要求に関連予算を盛り込む。
情報収集に当たっては海外各国の在外公館に配置されている防衛駐在官のほか、輸出振興の観点からジェトロや日本の商社などにも協力を求める。・・・」(SankeiBiz)
防衛省、経済産業省、外務省など関係省庁の間で調整した上で、早ければ2015年度予算の概算要求に関連予算を盛り込む。
情報収集に当たっては海外各国の在外公館に配置されている防衛駐在官のほか、輸出振興の観点からジェトロや日本の商社などにも協力を求める。・・・」(SankeiBiz)