2014年4月6日日曜日

〈終わりなき戦争〉とアフガニスタンの和平

〈終わりなき戦争〉とアフガニスタンの和平


・平和の願い、一票に=爆弾テロで4人死傷-アフガン大統領選実施
ニューデリー時事】 アフガニスタン再建の行方を占う大統領選挙が5日、厳戒下で実施された。「平和」を次期政権の最重要課題に挙げた国民の思いとは裏腹に、反政府勢力タリバンは選挙妨害を宣言し、各地でテロを激化させている。年末に国際部隊撤退を控えた節目における選挙で、有権者は未来への願いを一票に託した。

 大統領選は2001年のタリバン政権崩壊以降3回目。カルザイ大統領は憲法の3選禁止規定により出馬できず、同氏以外の指導者が選ばれるのは今回が初めて。
 内務省報道官によると、5日には東部ロガール州や西部バドギス州など各地で自爆テロやロケット砲による攻撃が相次ぎ、少なくとも1人が死亡、3人が負傷した。死傷者数は今後増える可能性がある。

 有権者の安全が確保されないとして一部の投票所は閉鎖されたが、都市部では予想を上回る数の有権者が投票所に列をつくった。選挙管理委員会の推定によると、投票者数は700万人以上になる見込み。
 候補者は世界銀行での勤務経験があるガニ元財務相や、09年の前回大統領選でカルザイ大統領に僅差で敗れたアブドラ元外相、カルザイ氏が後継者として期待するラスール前外相ら8人。世論調査ではガニ、アブドラ両氏への支持が拮抗(きっこう)している。
 開票作業は始まり、最終結果は5月14日に発表される。ただ、いずれの候補も過半数を獲得するのは難しいとみられ、同28日の上位2人による決選投票に進む可能性が高い

 世論調査では、回答者の7割以上が次期政権に期待するものとして「平和」を挙げた。
 しかし、選挙関連施設などを狙ったテロが続発しており、投票を棄権した有権者も多い
 また、治安が悪く、監視の目が行き届かない地域では、大規模な不正が行われるとの観測が絶えない。投票日当日には票の水増しなどの不正に関与した疑いで、中部ワルダク州の警察幹部ら6人が逮捕された。

・アフガン、兵士や市民20人死亡 大統領選当日
 「アフガニスタンのダウドザイ内相は5日、大統領選の投票が終了した同日夜までの24時間にアフガン全土で反政府武装勢力との衝突に関わった兵士や警官16人と、攻撃に巻き込まれた市民4人の計20人が死亡したと発表した。負傷者は40人以上に上った。
 ダウドザイ氏は、この間の治安当局に対する攻撃が140件あり、武装勢力のメンバー89人を殺害したとしている。・・・」(共同)

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・イギリス軍のアフガニスタン南部での民間人虐殺が暴露
 イギリス軍の元将校が、アフガニスタン南部での民間人の虐殺を明らかにしました。
 IRIBによりますと、この元将校は執筆した本の中で、アフガニスタン南部ヘルマンド州の住民数百名がイギリス軍によって殺害されたと指摘しており、「罪のない数百人の民間人がイギリス軍に対して何の脅威でもなかったのにも関わらず、イギリス軍の軍事訓練による犠牲者となった」と記しています。

 また、この元将校は、「イギリス軍兵士は進軍中の殲滅作戦という形の訓練を行う為、アフガニスタンの民間人を標的とした」としています。さらに、「アフガニスタンのISAF・国際治安部隊の中央司令部は、イギリス軍基地に近づく人物は攻撃目標とするよう指示を出していた」と強調しています。
この元将校は「これにより、イギリス軍は民間人を攻撃目標とし、その後司令官に対して嘘の内容を報告し、殺害したのは武装勢力のメンバーだったと発表していた」と語りました。

 30日日曜、アフガニスタンのメディアが発表したこの本によると、イギリス軍は2006年から2009年の間、基地に近づく人物は誰でも銃撃してよいという許可を得ていました。現在もおよそ5千人のイギリス軍兵士がヘルマンド州に駐留しています。外国軍の駐留にもかかわらず、アフガニスタンの治安は悪化したままとなっています。(IJR
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⇒「終わりなき戦争に抗う ――中東・イスラーム世界の平和を考える10章
第2章 平和なアフガニスタンの国づくりのために、日本に期待されていること …… レシャード・カレッド
はじめに ――日本や欧米人のイスラーム理解
一 アフガニスタンの近現代史
二 米国の報復戦争
三 カレーズの会の発足
四 国際社会と日本国政府によるアフガニスタン情勢への対応
おわりに
(レシャード・カレッド (アフガニスタン人医師、アフガニスタン支援団体『カレーズの会』理事長)  

⇒「パレスチナ・ガザ最新報告 ~極限封鎖の中で生きる人々を訪ねて~