福島第一原発で停電、燃料プールの冷却装置停止
3/21
・福島第1停電 事故の教訓生かせず バックアップ設備なし
「・・・ 停電は18日午後7時前に発生。東電は配電盤ごとに異常の有無を調べていき、共用プールや3、4号機の冷却システムが接続された仮設配電盤に行き着いた。当初は修理を試みたが不具合の原因を特定できず、停止した設備を別の配電盤につなぎ替える応急措置で全面復旧にこぎつけた。
ネズミとみられる小動物の死骸がみつかった仮設配電盤は事故後の2011年5月、4号機近くの屋外に止めたトラックの荷台に設けられた。使用済み燃料の冷却設備がつながる重要な配電盤にもかかわらず、バックアップ設備はなかった。
仮設配電盤には複数の電線が接続されており、隙間が生じてネズミなどの小動物が入り込む恐れが十分に予測できたのに、東電は対策を講じていなかった。・・・」(河北新報)
3/20
・福島第1原発停電:「あってはならぬ事故」周辺自治体に憤り 冷却装置など完全復旧せず
福島第1原発で停電により使用済み核燃料プールの冷却装置などが停止したトラブルは、19日も完全復旧しなかった。
「いつ復旧できるのか」「あってはならない事故だ」。県内の周辺自治体からは東電の原発管理への不安や困惑、原因究明を求める声が上がった。
原発から南約30キロのいわき市は18日午後7時50分ごろ、東電からのファクスで事態を知った。19日午前までに5回の連絡があったという。市は今月、原子力災害を想定した地域防災計画を策定したばかり。市の担当者は「昨年7月に締結した通報連絡協定に従って情報提供はあった。だが、正常な状態に電源回復されなければ市民の不安は解消されない」と言う。
北西約25キロの葛尾村は、避難区域再編を22日に控える。松本允秀村長は「早く原因究明をしてもらわないと、区域が再編されても本格的な復興に入れない」と語った。また原発から南20キロ余の広野町は昨年3月に役場機能を庁内に戻し、住民帰還を進める。山田基星町長は「事故が重なれば住民の不安材料になる。しっかり管理してほしい」。
さらに、浪江町の馬場有町長は「最悪の事態は避けられたが、あってはならない事故だ」と厳しく指摘した。(毎日 中尾卓英、蓬田正志)
・福島第一停電 仮設配電盤 交換せず
「東京電力福島第一原発の使用済み核燃料プールなどで同時多発した停電事故で、東電は重要な装置が仮設の配電盤につながっている危険性を認識していながら、後手に回った。
停電の原因は仮設の配電盤で起きた異常が各設備に波及したと、東電の調査でほぼ判明。同時多発事故の恐ろしさは、東電自身が二年前に痛感した(?)はずなのに、その教訓が十分に生かされなかった。・・・」 (東京新聞 桐山純平)
・福島原発、29時間ぶり全面復旧 燃料冷却 (東京)
・2号機で1000ミリシーベルト=格納容器内を調査―福島第1 (時事通信)
・・
3/19
東京電力は19日、福島第1原発で停電が発生した問題で、停止した設備が1、3、4号機の使用済み燃料プールの冷却施設など九つに上ることを明らかにした。
東電によると、停電の原因として、3、4号機の仮設電源盤に何らかの不具合が発生したことが考えられるという。
一方、菅義偉官房長官は19日午前の記者会見で、同原発の停電について「冷却のための代替手段に万全の対応をする予定なので、ある意味で全く心配ない」(???)と述べた。 (時事)
・・
原因は調査中だが、配電盤付近に異常が発生した可能性があるという。故障箇所の修理に時間がかかる場合、使用済み核燃料プールなどについては別の系統から電気をつなぎ、冷却を再開する。・・・・・
使用済み核燃料は熱を発するため、冷却が止まればいずれプールの水が沸騰して燃料が過熱する恐れがある。東電によると19日午前10時の水温はセ氏約17~29度で、1時間に約0.08~0.37度ずつ上昇している。社内規定のセ氏65度に達するまでは時間的な猶予があるという。(日経)
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18日午後7時頃、福島第一原子力発電所の免震重要棟などで停電が発生した。
東電と原子力規制庁によると、「事故収束作業の指揮所となっている免震重要棟の電源はすぐに回復し、原子炉の温度監視などに問題はなかった」。
しかし、「停電で一部の電源システム(???)に異常が起き、1、3、4号機の使用済み核燃料の一時貯蔵プールの冷却装置が同日午後9時40分現在、停止している。
3基のプールには、計2500本の使用済み燃料が収容されている。プールの温度は最も高い4号機で約25度。冷却が止まっても、現在の温度上昇は小さく、管理上限の65度に達するまでに、約4日間の余裕(???)があるという。
このほか、汚染水処理装置も止まった。 「原子炉の注水は継続し、周辺の放射線データにも変動はない」(???)。東電は原因を調査している。(読売)
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復旧の見通しは立っておらず、停電の原因を調べている。
東電によると、発電所内の電源設備の一部が停止。使用済み核燃料プールの冷却装置のほか、1〜6号機の核燃料6377本を保管している共用プールの冷却装置や汚染水を処理するセシウム吸着装置などが止まった。
東電や原子力規制庁によると、電源施設のうち、高圧の配電盤につながるケーブル付近でトラブルがあったとみられるという。
使用済み核燃料プールの冷却装置が停止するなどのトラブルを引き起こす大規模な停電は、東日本大震災直後を除いては発生していなかった。
東電は停電の発生直後、福島県を含む第1原発周辺の計13自治体に対し、安全協定に基づきファクスで通報連絡したとしている。(毎日 奥山智己、神保圭作)
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3号機の格納容器ガス管理システムの一部も停止した。(産経)
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東京電力は発表が遅れたことについて「設備の状況を確認したうえで取りまとめて発表しようとしていたが確認に時間がかかってしまった。大変申し訳ない」と話しています。(NHK)
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・冷温停止状態を維持 福島第一原発1~4号機
東京電力は(2月)28日、福島第一原発1~4号機の安定化と廃炉に向けた現状を示した。1~3号機の原子炉の温度は10~30度台の冷温停止状態を維持。1~3号機の放射性セシウム放出量は1時間当たり最大計約1千万ベクレルで事故当初の約8千万分の1に減少するなど、落ち着いた状態にあるとしている。
原子炉で最も高いのは2号機の格納容器内の31・5度、燃料プールは4号機の19・0度となっている。
1~3号機の放射性セシウム放出量は、注水により格納容器内の蒸気の発生を抑制することで低減傾向が続いている。敷地境界の被ばく線量は年間0・03ミリシーベルトと評価し、自然放射線による年間線量(日本平均=年間約2・09ミリシーベルト)の約70分の1という。
万一の事故で原子炉への複数の注水機能が同時に失われた場合でも、3時間程度で注水を再開できるバックアップ設備も確保したとしている。
建屋地下階に滞留している高濃度の放射性物質を含む汚染水の処理に向けては、建屋への地下水流入を抑制するバイパスや、汚染水中の放射性物質を取り除く「多核種除去設備(ALPS)」の早期整備・稼働を目指すとした。(3/1 福島民報)
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・東電への請求額膨らむ公算-虚偽説明と訴える米兵増える
3月18日(ブルームバーグ):東日本大震災に伴う原子力発電所事故で救助活動を支援した米兵が放射能レベルをめぐり東京電力 が虚偽説明をしたとして訴えている裁判で、原告が増えることで同社に対する賠償請求額が膨らむ可能性がある。
最高100人が法的措置に参加する手順を進める中で、別の原告26人が先週、あらためて訴えを起こした。20億ドル(約1900億円)を超える補償を求めている。スターズ・アンド・ストライプス紙が弁護士の話として報じた。最初の提訴は昨年12月21日で、原子力空母乗組員8人によるものだった。事故が起きた福島第一原発は東電が所有・運営する。
同紙によると、カリフォルニア州でのこの訴訟は訴状修正後、補償と懲罰的賠償を合わせた請求額が原告1当たり4000万ドル以上となる。医療検査や治療の費用賄いのために必要だとしている基金の規模は少なくとも10億ドルと、当初の1億ドルから増額された。
東電は東京証券取引所に15日届け出た資料で、原告の追加など訴状の変更申し立てが12日付でなされたことを「確認」したことを明らかにした。
「批評する工房のパレット」内の関連ページ
⇒「「トモダチ作戦」参加の米軍兵士らの東電提訴をめぐって」(12/29, 2012)
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・甲状腺検査、福島は長崎などとほぼ同様の結果
環境省は8日、東京電力福島第1原発事故による福島県の子供の甲状腺への影響を確かめるため、比較対象として長崎など3県の子供を調査した結果、計56.6%の子供の甲状腺に小さなしこりなどが見つかったと発表した。約41%だった福島県より高い割合だが、環境省担当者は「福島とほぼ同様の結果と考えている」としている。
比較対象は、事故の影響が小さく、検査体制が整っている青森県弘前市、甲府市、長崎市の3~18歳の4365人。5ミリ以下の結節(しこり)や20ミリ以下の嚢胞(のうほう)が見つかったのは56.6%に当たる2469人。「2次検査が必要」とされたのは1%で、残る42.4%は何も見つからなかった。
福島県では事故後、18歳以下の約36万人を対象に甲状腺検査を開始。結果が出た約13万3千人のうち3人が甲状腺がんと確定、約41%に小さなしこりなどが見つかった。
環境省は、3県の割合が福島県よりも高かったことについて、しこりなどができにくいとされる0~2歳児が今回の調査の対象になっていないことなどを理由に挙げた。詳細な結果は今月下旬に発表するという。(共同)
⇒「橋本俊彦さんインタビュー 「3・11」2周年を前に ~健康相談会を通して見えてくる被災者の現実」
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・原発のベント強化策を先送り 米NRC、福島事故で
米原子力規制委員会(NRC)は(3月)19日、東京電力福島第1原発事故を受けた米国内の原発安全対策のうち、一部の原子炉格納容器にベント(排気)装置を設置する際、フィルターの併設を義務付けるかどうかの決定を1年先送りすると発表した。
フィルター併設は、緊急時に格納容器の圧力を下げる際に、放射性物質をできるだけ外部に逃がさないようにするのが目的。NRCは昨年3月、第1原発と同じマーク1型とマーク2型の沸騰水型軽水炉のベント強化策を打ち出したが、追加費用がかかるフィルター併設の義務付けには電力業界が強く反発していた。(ワシントン共同)
3/21
・福島第1停電 事故の教訓生かせず バックアップ設備なし
「・・・ 停電は18日午後7時前に発生。東電は配電盤ごとに異常の有無を調べていき、共用プールや3、4号機の冷却システムが接続された仮設配電盤に行き着いた。当初は修理を試みたが不具合の原因を特定できず、停止した設備を別の配電盤につなぎ替える応急措置で全面復旧にこぎつけた。
ネズミとみられる小動物の死骸がみつかった仮設配電盤は事故後の2011年5月、4号機近くの屋外に止めたトラックの荷台に設けられた。使用済み燃料の冷却設備がつながる重要な配電盤にもかかわらず、バックアップ設備はなかった。
仮設配電盤には複数の電線が接続されており、隙間が生じてネズミなどの小動物が入り込む恐れが十分に予測できたのに、東電は対策を講じていなかった。・・・」(河北新報)
3/20
・福島第1原発停電:「あってはならぬ事故」周辺自治体に憤り 冷却装置など完全復旧せず
福島第1原発で停電により使用済み核燃料プールの冷却装置などが停止したトラブルは、19日も完全復旧しなかった。
「いつ復旧できるのか」「あってはならない事故だ」。県内の周辺自治体からは東電の原発管理への不安や困惑、原因究明を求める声が上がった。
原発から南約30キロのいわき市は18日午後7時50分ごろ、東電からのファクスで事態を知った。19日午前までに5回の連絡があったという。市は今月、原子力災害を想定した地域防災計画を策定したばかり。市の担当者は「昨年7月に締結した通報連絡協定に従って情報提供はあった。だが、正常な状態に電源回復されなければ市民の不安は解消されない」と言う。
北西約25キロの葛尾村は、避難区域再編を22日に控える。松本允秀村長は「早く原因究明をしてもらわないと、区域が再編されても本格的な復興に入れない」と語った。また原発から南20キロ余の広野町は昨年3月に役場機能を庁内に戻し、住民帰還を進める。山田基星町長は「事故が重なれば住民の不安材料になる。しっかり管理してほしい」。
さらに、浪江町の馬場有町長は「最悪の事態は避けられたが、あってはならない事故だ」と厳しく指摘した。(毎日 中尾卓英、蓬田正志)
・福島第一停電 仮設配電盤 交換せず
「東京電力福島第一原発の使用済み核燃料プールなどで同時多発した停電事故で、東電は重要な装置が仮設の配電盤につながっている危険性を認識していながら、後手に回った。
停電の原因は仮設の配電盤で起きた異常が各設備に波及したと、東電の調査でほぼ判明。同時多発事故の恐ろしさは、東電自身が二年前に痛感した(?)はずなのに、その教訓が十分に生かされなかった。・・・」 (東京新聞 桐山純平)
・福島原発、29時間ぶり全面復旧 燃料冷却 (東京)
・2号機で1000ミリシーベルト=格納容器内を調査―福島第1 (時事通信)
東京電力は19日、福島第1原発2号機格納容器内で、毎時約1000ミリシーベルトを計測したと発表した。7時間浴び続けると人間が死亡する放射線量で、格納容器内での人の作業は依然として難しい状況だ。
2号機格納容器の貫通口からカメラや線量計などを挿入し、内部状況の調査を試みた。装置を圧力容器近くまで進め、障害物の有無などを調べる予定だったが、うまくいかなかった。 この際、格納容器1階部分で毎時約1000ミリシーベルトを計測。温度は約34度だったという。東電は今後、再調査も検討するとしている。
2号機格納容器の貫通口からカメラや線量計などを挿入し、内部状況の調査を試みた。装置を圧力容器近くまで進め、障害物の有無などを調べる予定だったが、うまくいかなかった。 この際、格納容器1階部分で毎時約1000ミリシーベルトを計測。温度は約34度だったという。東電は今後、再調査も検討するとしている。
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東京電力は19日、福島第1原発で停電が発生した問題で、停止した設備が1、3、4号機の使用済み燃料プールの冷却施設など九つに上ることを明らかにした。
東電によると、停電の原因として、3、4号機の仮設電源盤に何らかの不具合が発生したことが考えられるという。
一方、菅義偉官房長官は19日午前の記者会見で、同原発の停電について「冷却のための代替手段に万全の対応をする予定なので、ある意味で全く心配ない」(???)と述べた。 (時事)
・・
原因は調査中だが、配電盤付近に異常が発生した可能性があるという。故障箇所の修理に時間がかかる場合、使用済み核燃料プールなどについては別の系統から電気をつなぎ、冷却を再開する。・・・・・
使用済み核燃料は熱を発するため、冷却が止まればいずれプールの水が沸騰して燃料が過熱する恐れがある。東電によると19日午前10時の水温はセ氏約17~29度で、1時間に約0.08~0.37度ずつ上昇している。社内規定のセ氏65度に達するまでは時間的な猶予があるという。(日経)
・・
18日午後7時頃、福島第一原子力発電所の免震重要棟などで停電が発生した。
東電と原子力規制庁によると、「事故収束作業の指揮所となっている免震重要棟の電源はすぐに回復し、原子炉の温度監視などに問題はなかった」。
しかし、「停電で一部の電源システム(???)に異常が起き、1、3、4号機の使用済み核燃料の一時貯蔵プールの冷却装置が同日午後9時40分現在、停止している。
3基のプールには、計2500本の使用済み燃料が収容されている。プールの温度は最も高い4号機で約25度。冷却が止まっても、現在の温度上昇は小さく、管理上限の65度に達するまでに、約4日間の余裕(???)があるという。
このほか、汚染水処理装置も止まった。 「原子炉の注水は継続し、周辺の放射線データにも変動はない」(???)。東電は原因を調査している。(読売)
・・
復旧の見通しは立っておらず、停電の原因を調べている。
東電によると、発電所内の電源設備の一部が停止。使用済み核燃料プールの冷却装置のほか、1〜6号機の核燃料6377本を保管している共用プールの冷却装置や汚染水を処理するセシウム吸着装置などが止まった。
東電や原子力規制庁によると、電源施設のうち、高圧の配電盤につながるケーブル付近でトラブルがあったとみられるという。
使用済み核燃料プールの冷却装置が停止するなどのトラブルを引き起こす大規模な停電は、東日本大震災直後を除いては発生していなかった。
東電は停電の発生直後、福島県を含む第1原発周辺の計13自治体に対し、安全協定に基づきファクスで通報連絡したとしている。(毎日 奥山智己、神保圭作)
・・
3号機の格納容器ガス管理システムの一部も停止した。(産経)
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東京電力は発表が遅れたことについて「設備の状況を確認したうえで取りまとめて発表しようとしていたが確認に時間がかかってしまった。大変申し訳ない」と話しています。(NHK)
・・・
・冷温停止状態を維持 福島第一原発1~4号機
東京電力は(2月)28日、福島第一原発1~4号機の安定化と廃炉に向けた現状を示した。1~3号機の原子炉の温度は10~30度台の冷温停止状態を維持。1~3号機の放射性セシウム放出量は1時間当たり最大計約1千万ベクレルで事故当初の約8千万分の1に減少するなど、落ち着いた状態にあるとしている。
原子炉で最も高いのは2号機の格納容器内の31・5度、燃料プールは4号機の19・0度となっている。
1~3号機の放射性セシウム放出量は、注水により格納容器内の蒸気の発生を抑制することで低減傾向が続いている。敷地境界の被ばく線量は年間0・03ミリシーベルトと評価し、自然放射線による年間線量(日本平均=年間約2・09ミリシーベルト)の約70分の1という。
万一の事故で原子炉への複数の注水機能が同時に失われた場合でも、3時間程度で注水を再開できるバックアップ設備も確保したとしている。
建屋地下階に滞留している高濃度の放射性物質を含む汚染水の処理に向けては、建屋への地下水流入を抑制するバイパスや、汚染水中の放射性物質を取り除く「多核種除去設備(ALPS)」の早期整備・稼働を目指すとした。(3/1 福島民報)
・・・
・東電への請求額膨らむ公算-虚偽説明と訴える米兵増える
3月18日(ブルームバーグ):東日本大震災に伴う原子力発電所事故で救助活動を支援した米兵が放射能レベルをめぐり東京電力 が虚偽説明をしたとして訴えている裁判で、原告が増えることで同社に対する賠償請求額が膨らむ可能性がある。
最高100人が法的措置に参加する手順を進める中で、別の原告26人が先週、あらためて訴えを起こした。20億ドル(約1900億円)を超える補償を求めている。スターズ・アンド・ストライプス紙が弁護士の話として報じた。最初の提訴は昨年12月21日で、原子力空母乗組員8人によるものだった。事故が起きた福島第一原発は東電が所有・運営する。
同紙によると、カリフォルニア州でのこの訴訟は訴状修正後、補償と懲罰的賠償を合わせた請求額が原告1当たり4000万ドル以上となる。医療検査や治療の費用賄いのために必要だとしている基金の規模は少なくとも10億ドルと、当初の1億ドルから増額された。
東電は東京証券取引所に15日届け出た資料で、原告の追加など訴状の変更申し立てが12日付でなされたことを「確認」したことを明らかにした。
「批評する工房のパレット」内の関連ページ
⇒「「トモダチ作戦」参加の米軍兵士らの東電提訴をめぐって」(12/29, 2012)
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・甲状腺検査、福島は長崎などとほぼ同様の結果
環境省は8日、東京電力福島第1原発事故による福島県の子供の甲状腺への影響を確かめるため、比較対象として長崎など3県の子供を調査した結果、計56.6%の子供の甲状腺に小さなしこりなどが見つかったと発表した。約41%だった福島県より高い割合だが、環境省担当者は「福島とほぼ同様の結果と考えている」としている。
比較対象は、事故の影響が小さく、検査体制が整っている青森県弘前市、甲府市、長崎市の3~18歳の4365人。5ミリ以下の結節(しこり)や20ミリ以下の嚢胞(のうほう)が見つかったのは56.6%に当たる2469人。「2次検査が必要」とされたのは1%で、残る42.4%は何も見つからなかった。
福島県では事故後、18歳以下の約36万人を対象に甲状腺検査を開始。結果が出た約13万3千人のうち3人が甲状腺がんと確定、約41%に小さなしこりなどが見つかった。
環境省は、3県の割合が福島県よりも高かったことについて、しこりなどができにくいとされる0~2歳児が今回の調査の対象になっていないことなどを理由に挙げた。詳細な結果は今月下旬に発表するという。(共同)
⇒「橋本俊彦さんインタビュー 「3・11」2周年を前に ~健康相談会を通して見えてくる被災者の現実」
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・原発のベント強化策を先送り 米NRC、福島事故で
米原子力規制委員会(NRC)は(3月)19日、東京電力福島第1原発事故を受けた米国内の原発安全対策のうち、一部の原子炉格納容器にベント(排気)装置を設置する際、フィルターの併設を義務付けるかどうかの決定を1年先送りすると発表した。
フィルター併設は、緊急時に格納容器の圧力を下げる際に、放射性物質をできるだけ外部に逃がさないようにするのが目的。NRCは昨年3月、第1原発と同じマーク1型とマーク2型の沸騰水型軽水炉のベント強化策を打ち出したが、追加費用がかかるフィルター併設の義務付けには電力業界が強く反発していた。(ワシントン共同)