2013年3月26日火曜日

『福島と生きる』メールマガジン第5号――息長く〈福島〉とつながり続けるために――

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『福島と生きる』メールマガジン第5号――息長く〈福島〉とつながり続けるために――
2013年3月25日発行(不定期刊)
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―目次―
イベント情報
被災者支援法関連情報
3・11から2周年
「コミュニティ&オーガニックカフェ ふくしまオルガン堂」オープン(東京)
ニュースクリップ
松本の避難者のとりくみ(橋本俊彦さんより)
[編集後記]

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イベント情報
(イベント情報は変更されることもあります。必ず主催者サイトでご確認下さい)
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 「原発ゼロノミクス 脱原発は経済成長のチャンス」
  3月27日(水) 14:30~17:00  (東京・参議院議員会館講堂) 
  脱原発こそ経済成長のチャンスとする「原発ゼロノミクス」。具体的実現方法をディスカッション。
   講師:金子勝、飯田哲也 
  主催:原発ゼロノミクスキャンペーン、eシフト(脱原発・新しいエネルギー政策を実現する会)
  詳細→ http://www.foejapan.org/energy/eshift/evt_130327.html
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被災者支援法関連
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1. 「原子力災害による被災者支援施策」に21団体が緊急声明
   「原発事故子ども・被災者支援法の理念と 深刻な被害実態を踏まえていません」
  声明文→ http://www.foejapan.org/energy/news/130315.html
2.今、被災者ニーズの的確な把握のために ヒアリング報告
  3月14日、参議院会館で子ども被災者支援議員連盟(現在96名参加)と「原発事故子ども・被災者支援法ネットワーク」(日弁連、JCN、原発事故子ども・被災者支援法の連合体)の共催で、原発事故被災者の方々からのヒアリングが行われました。福島県内外の被災者・避難者の声が下記のサイトで読めます。貴重です。報告→ http://www.foejapan.org/energy/news/130318.html 

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3・11から2周年:各地のアクションの記録
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各地のアクションの一覧
http://sayonara-nukes.org/2013/01/130309_11action/
1.福島での主な行動
●3月11日「311反原発福島行動」(福島市)
 http://fukushimaaction.blog.fc2.com/category7-1.html
 各発言者の発言がかなり詳しく掲載されています。
●3月23日「原発のない福島を!県民大集会」に7千人が参加(福島市)
 ビデオ→http://fukushima-kenmin311.jp/
●3月23日-24日「原発いらない地球(いのち)のつどい」(福島市)
 プログラム→http://onna100nin.seesaa.net/
2.東京での主な行動
●3月9日「つながろうフクシマ!さようなら原発大集会」に1万5千人参加
 http://sayonara-nukes.org/2013/03/130309action/#more-2911
●3月10日「0310 原発ゼロ大行動」全日の行動で延べ約4万人の参加
 http://coalitionagainstnukes.jp/?p=2920
●3月12日「原発事故から2年・早く被害者への補償/支援政策を!3.12国会前アクション
 ビデオ記録→http://iwj.co.jp/wj/open/archives/67037 

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コミュニティ&オーガニックカフェ ふくしまオルガン堂 オープン(東京)
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 3月16日(土)、福島県有機農業ネットワーク(代表・菅野正寿さん)が運営するカフェ「コミュニティ&オーガニックカフェ ふくしまオルガン堂」が東京・下北沢にオープン。
 「福島県の農産物(有機・減農薬)・特産品の販売と食の提供、交流・体験の窓口、さらに東京に避難されている方たちが集う広場として開設されました。開店のニュースは新聞やテレビでも取り上げられました。
 開設のプレスリリース:http://fukushimayuuki.blog.fc2.com/blog-entry-108.html
 フェイスブックページ:http://p.tl/Ljpk

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ニュースクリップ
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東電、除染費用105億円余未払い 国が請求、立て替え 朝日新聞デジタル 2013年3月22日
http://www.asahi.com/politics/update/0322/TKY201303210509.html
 環境省が放射性物質汚染対処特別措置法に基づいて東京電力に請求した福島第一原発事故による除染費用149億円のうち、補助金や調査費など少なくとも105億5千万円分が未払いになっている。環境省は業者への立て替え払いを済ませたが、特措法では負担対象があいまいなことから東電側は支払う意思を示していない。(後略)

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松本の避難者のとりくみ(橋本俊彦さんより)
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鍼灸師であり、事故後各地で健康相談会を行っているNPO法人ライフケア橋本俊彦さん(長野県松本市に避難)から寄せられた報告を以下に掲載します。

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橋本です。
事故から丸2年です。
昨日[3月]9日、松本にて、子どもたちを放射線から守る信州ネットワークキックオフイベントが行われました。保養事業と疎開につながる空家、就労情報提供など被災者支援強化を目的に支援団体をネットワーク化させることになりました。たとえば保養のマイクロバス共有化は福島までの交通費経費削減、保養ノウハウ共有などによって多くのメリットが出てきます

快ネット関係者も参加し、会場には子どもを含めると400名以上は参加していました。これだけの人が集う、もうマイノリティではない?信州は福島からも近いので?(最近距離感覚が麻痺しています)保養の拠点エリアになるでしょう。

本日10日は、松本城広場での脱原発デモ集会とお寺で檀家さんの集まりで福島の現状について話をしてきました。お寺では放射線に超くわしい物理の先生に声をかけられ、20年前に手に入れたという旧式?ガイガーカウンターを持参していて,3、11直後、飯館村に入り線量を計測してたそうです。なぜ、鼻血が増えたのか等、興味ある知見を話してくれたので、再度お会いして詳細を聞く事にしました。

さて、先週、ドイツ放射線防護協会代表のセバスチャン博士とオイゲン博士が松本入りしていて、連れ合いの雅子のコーディネートで避難者との交流会を行ないました。その時のレポートを送ります。チェルノブイリ事故の影響はドイツ南部にまで及びましたが、このエリアの汚染状況は、3、11以降の日本では南関東と同じレベル。南ドイツでは死産、流産が多発しているデータからセバスチャン博士曰く、「なにも起きないはずがない」。その日私は福島にいたので参加できませんでしたが、今秋にも来日するので今度はシンポジウムを予定します。

■■Dr.Sebastian Pflugbeil & Prof. Eugen Eichhorn を囲んで、(原発事故の)避難者が交流相談会■■
  報告 橋本雅子

長野県松本市には、原発事故の影響を逃れて約300名が避難移住してきている。
3月4日~5日、ドイツ放射線防護協会の会長セバスチアン・プフルークバイル博士(物理学者)と、日独平和フォーラムの会長 オイゲン・アイヒホルン教授(数学者)の両氏が松本を訪れた。

4日夜は、避難している家族と交流相談会が開かれ、子どもたちを含む約30名が参加した。両氏は事故直後から、何度も来日して事態の深刻さを訴え続けてきた。プフルークバイル氏は、「チェルノブイリ事故の影響で、1200km離れたドイツ・バイエルン州でも甚大な健康被害がでた。その被害は5~6年後になって初めて顕在化してきた。

福島事故により、東京の南部までが当時のバイエルンと同レベルに汚染されている。したがって、残念ながらこの地域まで同程度の健康被害が生じてくることは充分に予期される。何をすべきか、真剣に考えなければならない。」と話し、アイヒホルン氏は、「ひとたび起きてしまったことはどうにも取り返しがつかない。いま確実にできること、それは原発再稼働しないこと、やめること」と話した。

皆で子どもたちも交えて、手作りの品々でにぎやかに夕食会をした。そのあとお二人が、避難してきたお母さんの話を一人一人丁寧に聞いて、不安や質問に答えてくれた。参加者の多くは、自主的に避難している母子避難者で、福島以外の近隣県の人も多かった。先に母子避難していた家族の元へ、仕事を辞めて合流した父親もいた。すでに甲状腺がんを発症し、昨年手術を受けた女性もいた。しかし,この女性の主治医は、彼女のがん発症は「福島事故との因果関係はゼロ」と即座に言い切ったという。プフルークバイル氏は、医師をも巻き込んだこうした社会的動向と政治的圧力を非常に憂慮した。

どの家族も苦しい事情を抱えている。ふる里に残っている家族や友人との確執、健康不安、心の動揺、経済的負担など、避難した時点がまた新たな暗闇の入り口であるという実情を、みな涙ながらに語っていた。

両氏は、今後も日本の良心的な医療者、研究者との連携を構築し、またチェルノブイリの経験豊富な専門医と日本の真剣な医師たちをつなげる役目をしていきたい、と話した。今回の日本滞在は2月末から約3週間で、日本各地で専門家や市民たちとの話し合いや講演会が予定されている。

この夜の会場となったのは、避難者のために家主から無償で提供されている築100年超の古民家。一年前から、避難している人たちと地元の支援者の手で順次改装され、居心地の良いスペースになっている。長野県に避難している人たちのネットワークも設立し、この古民家を拠点(ここが信州避難者ネットワークの事務所です)に情報交換、移住避難・保養希望者の支援を行っている。

原発からの放射能は福島県だけでなく、北日本、東日本に広がっている。したがって同ネットワークでは被災地域を限定することなく受け入れ、いのちを守るために長野県に避難した人たち、避難希望している人たちが孤立しないで支え合いながら生活再建の道を見いだしていくことを目指している。


[編集後記]
 3月12日の「原発事故から2年・早く被害者への補償/支援政策を!3.12国会前アクション」で、「早く支援を!ちゃんとした支援を!」というコールが上がった。
 脱原発デモで「再稼働反対」は訴えても、被災者支援を訴えるスローガンが発せられることはほとんどない。「脱原発は東京の暇な人がやってください」という福島の人の声(『福島と生きる』233頁)は、脱原発運動に被害者に対する視線が欠けているという抗議が込められているのかもしれない。
 脱原発運動は「福島とともに生きる」というメッセージを発するものでなければならないと思う。

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『福島と生きる』メールマガジン第5号(2013年3月25日発行)
『福島と生きる』メールマガジンは、『福島と生きる--国際NGOと市民運動の新たな挑戦』の共同執筆者の団体や活動の関連情報を発信していきます。
 発行人=中野憲志・藤岡美恵子
(『福島と生きる--国際NGOと市民運動の新たな挑戦』共編者)

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第28回「4.9反核燃の日全国集会」

日時:4月6日(土)14:00~16:00
会場:青森市「青い森公園」(青森県庁隣/JR「青森駅」7分)
内容:屋外集会と市内デモ行進
主催:核燃とめよう!全国実行委員会
    原水禁国民会議/原子力資料情報室/青森県反核実行委員会ほか
問合せ:青森原水禁(電017-776-5665)

●「4.9反核燃の日全国交流集会」
日時:4月6日(土)16:00~18:00
会場:リンクステーション青森(旧青森市文化会館)大会議室
※地図 http://www.actv.ne.jp/~aobunspo/01_kaikan/kaikan_intro2.htm

内容:講演「核燃料サイクルの破綻と脱原発」(仮)
    講師:海渡雄一さん(弁護士)/六ヶ所再処理工場の現状報告/福島原発事故の報告/もんじゅについての報告
主催:原水禁国民会議(電03-5289-8224)