原子力規制委員会の布陣
「原子力規制委員会」の人事案が明らかになった。
・委員長
田中俊一・高度情報科学技術研究機構顧問(67)
・委員
中村佳代子・日本アイソトープ協会プロジェクトチーム主査(62)、
更田(ふけた)豊志・日本原子力研究開発機構 原子力基礎工学研究部門副部門長(54)
大島賢三・元外務官僚・国連大使(69)
島崎邦彦・地震予知連絡会会長(66)
任期は委員長の田中氏が5年、中村、更田両氏が3年、大島、島崎両氏が2年。
今日、国会でこの人事案が提示され、衆参両院での同意→首相による任命となる。一部では、「原子力ムラ」と「しがらみのない実務派」(読売)とのフレコミだが、果たしてそう言えるのかどうか。(田中俊一氏については「東海村の「原子力センター」構想」で「略歴」などを紹介しているのでそちらを参照してほしい。)
規制委員会の人事決定の手続きに関しては、衆参両院に委員全員が参加し、「原子力規制」の在り方をめぐる各人の見解を述べ、それをメディアで公開するといったガラス張りの「公聴会」的な制度を導入することが必要だ。たとえば、大飯の再稼働についてどのような見解を持っているのか、日本の「原子力行政」についてどのようなビジョンを持っているか、等々。
必ずしも脱原発派である必要はないが、原発推進派や「脱原発は非現実的」派でも困るだろう。 国会でどのような「審議」がされるか、注目しよう。
なお、原子力規制委員会が、「原子力ムラ」の原子力行政を規制できない(権限/権原を持たない)法的根拠については、「原子力規制庁の正体」を参照してほしい。 たとえば、「野田政権が大飯の再稼働を決定したときに、「それはできないですよ」と主張し、再稼働の政治決定を覆せるような権原と権限」がなければ、政府からの「独立性」など何も担保されたことにならない。
設置法的にみた場合、規制庁・規制委員会は、現行の原子力委員会や安全委員会と何ら変わらない国家行政組織の延長機関に過ぎない、というのが私の主張である。だまされては、いけない。
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・北陸電「廃炉の可能性全くない」 副社長が安全性強調
「北陸電力の堀祐一副社長兼原子力本部長は19日、金沢市内で記者会見し、活断層の可能性が指摘された志賀原発1号機(石川県志賀町)の原子炉建屋直下にある断層に関し「(原発の)耐震安全上、問題となるものではない」と従来の主張を繰り返し「立地不適格、廃炉の可能性は全くないと考えている」と述べた・・・」(共同通信)
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だから、たしかに原子力行政の「縦割り構造」は解体しないとどうしようもないが、北電・石川県・政府が何を言おうと、「志賀原発1号機は廃炉ですよ」と規制委員会として言えるかどうか、が〈問題〉なのである。委員会は、再稼働基準もさることながら、「廃炉基準」の策定に向けた作業を発足と同時に進めるべきである。
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読売新聞電子版によると、上の人事案がリークされたことで自民党が「反発」し、国会への提示が「見送り」になったようだ。 野田内閣は、案そのものは変えず、提示時期を遅らせる模様。
7/26
野田政権は今日、衆参両院の議院運営委員会合同代表者会議に、当初案通りの規制委員会国会同意人事案を提示した。
8月上旬にも衆参両院本会議でそれぞれ採決される見通し。
7/25
・規制委員長 田中氏起用撤回を 脱原発派議員(東京新聞)
・規制委人事案を批判=「原発推進の宣戦布告」大学教授ら
新設される原子力規制委員会の初代委員長に、元原子力委員会委員長代理の田中俊一氏を起用するなどとした政府の人事案について、国会議員や大学教授、NGO関係者らが24日、東京都内で記者会見し、「原発推進の宣戦布告だ」などと批判した。
慶応大の金子勝教授は、田中氏の起用が一部で「脱原子力ムラ人事」と報道されたことに対し、「驚いている」と話した。委員候補に脱原発派がほとんどいないと指摘し、「理性が働かなくなっている」と政府を批判した。 会見には、福島県双葉町の井戸川克隆町長も参加。「細野豪志原発事故担当相は、事故が収束したと発言した。そんな大臣が人選をするなんてとんでもない」と怒りをあらわにした。(時事)
7/21
・原子力規制委 選考過程が見えないのは
「・・・公募する手もあったかもしれない。候補者が複数ならば公開で議論をしてもらい、適任者を見つける。そんな手間暇をかけていては9月発足はおぼつかない。政府はそう考えたのだろう。 だが、どうか。私たちは以前、規制委が国民の信頼を得るには情報の公開と手続きの透明性の確保が欠かせない、と書いた。政府の手法は最善だったろうか・・・」(西日本新聞・社説)
・規制委員候補、日本原電から報酬 原子力機構の更田氏
「・・・日本原子力研究開発機構の更田豊志副部門長(54)が、2003年から昨年までのほぼ毎年、日本原子力発電(日本原電)から年数万円の報酬を受け取っていたことが20日、分かった。最大年10万円程度で、総額は数十万円に上るという。・・・・政府は規制委の委員に関し、就任前の3年間に同一の原子力事業者から一定額(年50万円程度)以上の報酬を受け取った人物は除外する基準を設けたが、原子力安全規制組織等改革準備室は今回のケースが「基準には抵触しない」としている。(共同)
・線量計に鉛板、東電下請けが指示 原発作業で被曝偽装
「東京電力が発注した福島第一原発の復旧工事で、下請け会社の役員が昨年12月、厚さ数ミリの鉛のカバーで放射線の線量計を覆うよう作業員に指示していたことがわかった。法令で上限が決まっている作業員の被曝(ひばく)線量を少なく見せかける偽装工作とみられる。朝日新聞の取材に、複数の作業員が鉛カバーを装着して作業したことを認めた・・・」
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「福島県の建設会社「ビルドアップ」(和田孝社長)の役員が、警報付き線量計(APD)を鉛のカバーで覆うよう作業員に強要した問題で、同社は21日、9人が使用したと役員が認めていることを明らかにした・・・。 役員「事前に現場に行った際、APDの音に驚き、鉛防御のイメージが頭の中に浮かんだ」・・・」(中日新聞)
・意見聴取会:中国電力 組織的に社員の意見表明を画策(毎日)
「エネルギー政策の国民的議論を目的にした聴取会で、電力会社が組織的に社員を出席させようとしていたのが明らかになったのは初めて・・・」
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7/21
オスプレイ陸揚げで知事、来週国に直接抗議へ/防衛相に抗議文 山口県議会/オスプレイ、23日に搬入 岩国は反対の動き活発(山口新聞)
7/20
・オスプレイ訓練 日米同意が前提 政府、主張せず追従(琉球新報)
・オスプレイ配備 沖縄だけの問題でない(中日新聞・社説)
・オスプレイ事故、5年で58件 米軍資料で判明(朝日)
「量産決定後の2006~11年の5年間に58件」