2012年7月5日木曜日

オスプレイ飛行訓練 新ルート判明/ 米国、削減前に沖縄の海軍駐留部隊を増強

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・オスプレイ:防衛省、滑空距離データ把握せず (沖縄タイムス)
「同省は具体的な安全性能の検証をしないまま配備を進めていることになる。(福井悠介)」

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 報道によれば、玄葉外相は8日、クリントン米国務長官と都内で会談し、米軍のオスプレイのたび重なる事故に関し、「十分な情報提供」を求めたという。しかし、オスプレイ配備問題の解決は、「十分な情報提供」にあるのではない。配備そのものを日本が拒否すること以外にはありえない。
 クリントン長官は外相の要請とオスプレイの沖縄県配備について「防衛に貢献するし、人道支援や災害対策の役割を担える」と強調し、会談では、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)を同県名護市辺野古に移設するとした日米合意の実現に引き続き取り組むことを確認したという(時事通信)。
 しかしオスプレイが日本の「防衛」に無関係であることや、「貢献」するのはただ米国の軍産学複合体の利益だけであるのは、すでに明らかになっている。「人道支援」や「災害対策」にいたっては、単なる方便にしか過ぎないと言うしかない。

 一方、NHKニュースは、オスプレイの国内7つ目の訓練ルートの情報を得たと報じている。ルートは、沖縄から奄美大島、九州内陸、中国、四国、信州・上越、そして東北と、全国各地に及んでいる。毎度のことだけれども、いったい日本政府は誰に顔を向けて政治を行っているのか。沖縄や岩国だけの問題ではない事実をもっと広め、配備に反対する運動を全国的に展開することが問われている。

オスプレイ飛行訓練 新ルート判明 (NHKニュースより)
・アメリカ軍の新型輸送機、オスプレイが、沖縄だけでなく本州などの6つのルートでも飛行訓練を計画している問題で、「ブラウン」と呼ばれる7つ目のルートが存在することが海兵隊への取材で判明。
・沖縄だけでなく本州、四国、九州の6つのルートでも、グリーン、イエローなど色の名前が付けられた飛行訓練を計画していることが明らかになっているが、海兵隊は、7つ目のルートについて、山間部を飛ぶ四国のオレンジルートと同じようなルートだとしていますが、具体的な場所は明らかにしていない。
・ブラウンルートについては、基地の監視団体が、アメリカ軍の資料などから、中国山地を飛行するルートではないかと指摘しています。広島県によると、中国山地では、昨年度、アメリカ軍機とみられる航空機が年間200日以上目撃され、目撃情報は2000件を超えている。
・軍事評論家の前田哲男さん。「ブラウンルートは、これまでその存在さえ明らかにされてこなかったが、中国山地を横断するルートとみられている。もしそうであれば、アメリカ軍岩国基地に近いことから、相当数の飛行訓練が行われる可能性がある」と指摘。

オスプレイ飛行ルート
▽東北の山間部を飛行するグリーンとピンク、
▽北アルプスや越後山脈の周辺を飛行するブルー、
▽四国山地周辺を飛行するオレンジ、
▽九州山地周辺を飛行するイエロー、
▽奄美諸島に沿って飛行するパープルの6つ。今回、明らかになった「ブラウン」は含まれていない。

 海兵隊は、飛行高度について、日本の航空法が定める最低安全高度のおよそ150メートル以上だとしたうえで、低空飛行や夜間飛行も行う計画で、訓練に伴う騒音などの影響は大きくないとしている。
 しかし、ルートが公表されて以降、沖縄以外の各地にも反発が広がり、とくにオレンジルートの周辺では、徳島県の飯泉知事が防衛省を訪れ、「安全性が確保されないままの配備は強い懸念がある」として、飛行訓練を行わないよう要請したほか、和歌山県の仁坂知事が県議会で、「騒音の問題も予想されるうえ、和歌山県の上空を飛ぶ必然性が説明されていない」として、訓練に反対する考えを示している。
 また広島県は、地図上にルートが示されていないものの、中国山地で、アメリカ軍機とみられる航空機が多く目撃されていることから、先月、国に対し、飛行訓練の中止を要請している。

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米国、削減前に沖縄の海軍駐留部隊を増強
沖縄キャンプフォスター 
 論争の的になっている米軍の沖縄駐留を削減する新しい合意に向け、日米が協議している今、沖縄の基地に何千人もの海兵隊員を送り込む計画が、国防省によって明らかにされた。これは、冷戦終結以降見たことのないレベルにまで人員を増やすことを意味している。

 今駐屯している部隊を最大限まで増やし、部隊配置計画では1990年代後半以来平均1万5700名であったものを、近い将来削減される前に、およそ1万9000名まで押し上げるために、部隊内で交代で任務に着かせることになると、この件に深く関わり、コメントする権限のある国防総省高官が語った。

 しかしこの数は、何年も四苦八苦した末に、ようやく日米が1万人まで減らすと4月に合意した海兵隊員数のほとんど2倍にもなる。また、この協定が最終削減数に達するまでのスケジュールは明確にされていない。 この国防省高官は星条旗新聞のインタビューに答えて、
 「短期的には、沖縄の海兵隊員の実数は増える。沖縄におけるこの部隊の公認の兵力は、現在、1万9000名から2万名の間であるが、海兵隊がアフガニスタンから帰還すると、沖縄の海兵隊員数は同時にそれくらいの数になるだろう」と述べた。

 戦闘作戦が終結し、この10年間に人員が欠けていた部隊に、帰還兵が戻り始めれば、この島の兵力が増すのは自然の成り行きである、と同高官は語った。

 交代で配属される兵およびアフガニスタンから帰還して新たに沖縄に入る海兵隊員が、数千人の増員のカギとなる。
 海兵隊スポークスマンのグレゴリー・ウルフ大佐によると、10年間実施されなかった部隊配置計画が再開されるため、さらにこの夏にはハワイから800名の海兵隊が沖縄にやってくると見込まれている。今後関わってくる海兵隊の人数はアフガニスタンで段階的に縮小される軍事行動如何によると、ウルフは星条旗新聞へメールしている。
(中略)
 
 昨年沖縄に配置されていた海兵隊は1万5365名であったが、アメリカ軍から沖縄県庁に提出される最新の年次人員報告によると、これは2004年以降ではダントツの最高人数である。国防省は現在、公認の海兵隊員数を最大限度まで拡大するつもりでいるが、これは部隊数と安全保障の必要性を熟考する軍事立案者によって決めたられた兵力である。軍隊の公認された兵力規模は、日本との安全保障協定と海兵隊の再編についての交渉に、常に含まれてきた。

 前回沖縄が受け入れた海兵隊員予定数1万9000名から2万名は、冷戦の終結する1989年当時のものであり、兵力は過去20年にわたって着実に減少している。年次兵力数が示すように、海兵隊員数は1990年代末までには約1万5000名にまで減っていた。またイラクやアフガニスタンでの戦争の最中では、1万2400名にまでなっていた。
(後略)

トラヴィス・J・トリッテン 
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出典:星条旗新聞 (2012年6月12日)
翻訳協力:さよか(APA‐J翻訳チーム)
翻訳チェック:Cameron  監修:APA‐Jデスクチーム

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<オスプレイ>配備に反発広がる 渉外知事会は説明要求(毎日新聞)
 米軍施設が所在する14都道県でつくる渉外知事会(会長・黒岩祐治神奈川県知事)は10日、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)に配備予定の垂直離着陸輸送機MV22オスプレイの低空飛行訓練について、周辺住民への影響を説明するよう求める要請書を外務、防衛両省に提出した。低空飛行訓練は東北、四国、九州などで計画されており、オスプレイ配備への反発が全国に広がっている
 神奈川県の古尾谷光男副知事らが両省を相次いで訪問し、玄葉光一郎外相、森本敏防衛相あての要請書を提出した。
 要請書は4月にモロッコ、6月に米フロリダ州で相次いだ墜落事故に対し「深く憂慮し、安全性に大きな懸念を抱いている。関係する自治体と住民の憂慮と懸念は払拭(ふっしょく)されていない」と表明。事故原因や飛行訓練の影響などについて関係自治体への情報提供を徹底するよう求めている。米軍岩国基地(山口県岩国市)への陸揚げなどは「関係自治体の意向を十分尊重するよう強く要請する」とした。
 古尾谷氏は要請後、防衛省で記者団に「基地負担を抱える自治体としては沖縄県や山口県と気持ちは同じだ」と語った。低空飛行訓練を巡っては訓練ルート上に位置する徳島、高知、秋田県などが「安全性が確認されていない」と相次いで反対を表明。宮崎、群馬県も事故原因や訓練の詳細な説明が必要と強調している。森本防衛相は10日の記者会見で「地域の住民の安全と安心に留意して飛行するようきちっと申し入れるつもりだ」と述べた。
 山口県の二井関成知事、福田良彦岩国市長も同日、防衛省で森本氏と会談し、オスプレイの安全性が確認されるまで岩国基地への陸揚げをしないよう米側と折衝するよう要請した。森本氏は「きちっと受け止めて実現できるように努力をしようと思う」と応じた。【朝日弘行、横田愛】

・オスプレイ:全国15知事が「安全性に懸念」
 米軍普天間飛行場への垂直離着陸輸送機MV22オスプレイの配備計画について、沖縄を除く全国46都道府県知事を対象に沖縄タイムスが9日までに実施したアンケートで、回答を寄せた41知事のうち、山口や和歌山、広島など6県知事が普天間への配備に反対する姿勢を示した。配備に伴い、九州や四国、東北などで予定される低空飛行訓練には7県が反対を表明。15府県が機体の安全性への懸念を、20府県が政府による関係自治体への説明は不十分と指摘するなど、計画を強行する米国と、それを追認してきた日本政府の対応との隔たりが鮮明となった。

 5項目の質問への回答を6月29日にファクスや電子メールで依頼。9日までに全46都道府県から連絡があり、5都府県は個別の質問には答えず一括で回答、業務多忙などを理由に5県が回答しなかった。
 普天間配備と訓練実施の両方に反対したのは、オスプレイが陸揚げ、一時駐機される岩国基地を抱える山口をはじめ、訓練ルートにかかる高知や徳島、和歌山を含む5県。高知は過去に2度、米軍機の墜落事故があったとして「県民は恐怖感と強い不安感を持っている」ことなどを反対理由に挙げた。賛成はいずれもゼロだった。
 一方、配備、訓練の各質問に「どちらとも判断できない」「その他」を選んだのはそれぞれ計6割を超え、「安全保障・防衛政策は国の専管事項」などとして、政府の責任で判断すべきだとの見解が目立った。
 安全性に「懸念がある」と答えたのは神奈川や長野、京都などで、「墜落事故の詳細な調査結果がまだ出ていない」(富山)との理由が最も多い。
 配備をめぐる政府の外交姿勢については、山口や高知に加え鳥取、岡山、宮崎など9県が「評価しない」を選択。地元自治体への説明が「不十分」と回答した20府県からは「国民が一番心配な機体の安全性などについて米軍の情報を伝えるのみで、安全性を判断し国民の声に応える説明をしているとは思えない」(大分)などの批判が上がった。(沖縄タイムス)

超党派で県民大会 オスプレイ配備撤回求め(琉球新報)