オスプレイ配備と「動的防衛力」
1
オスプレイの配備は、米軍再編に伴う日米安保体制の再編に沿って行われようとしている。
この日米安保の再編の要(カナメ)が、「専守防衛」から「動的防衛力」への転換である。
すなわち、米軍の世界的再編の動向に応じて、
①その結果生じる「力の空隙」(と、米国が定義するもの)の穴埋めを自衛隊が担いながら(=自衛隊の米軍後方支援軍化)、
②「米国のカネの欠如」の補てんを日本の納税者が半永久的に負担していく(⇒米軍駐留経費、米軍基地・設備補修・補強経費など)という、安保・防衛族、日米軍産学複合体以外には何のメリットもない〈日本の安全を保障しない日米アンポ体制〉への再編が行われようとしているのである。
日本政府・外務-防衛官僚は、「動的防衛力」は「専守防衛」と矛盾せず、日本はあくまでも「憲法9条を守り、専守防衛を堅持する」と主張している。しかし、下の【参考資料】に示した「日米安保協議」(2+2)の内容を見れば明らかなように、「グアム及び北マリアナ諸島連邦における自衛隊及び米軍が共同使用する施設としての訓練場」を日米共同で「整備」し、自衛隊の海外展開をいっそう進めることは、「専守防衛」からも、日本の「主権」領域内を条約の適用範囲とした安保条約の内容からも逸脱した行為である。
「動的防衛力」の実体化は、1970年以来の自衛隊の「専守防衛」路線と自衛隊が担うべき「業務」の見直し、安保条約の条文改定とそのための「国民的議論」などが不可欠であるが、日米両政府は、それらを不問にしたまま「日米同盟の深化」という一言で「動的防衛力」を正当化しようとしてきた。要するに、「動的防衛力」=「日米安保という虚構」の無限的構築が、「日米同盟という欺瞞」をふりまきながら、また、行われようとしているのである。
けれども、こうした日米安保や「日米同盟」なるものの実態について、たとえば読売新聞が代表するような「保守」派や朝日新聞が代表するような「リベラル保守」派の論客はもちろん、「革新」系やその他諸々の左翼勢力も、きちんと分析できないでいる。 今回のオスプレイ配備問題をめぐっても、また過去と同じ誤り、同じ失敗を犯す気配が強くなってきている。
そこで 「「動的防衛力」と日米「防災」軍事訓練」の続編として、「動的防衛力」に基づくオスプレイ配備の軍事上の理由とされている「中国の台頭」をめぐる最近の情報を押さえておきたいと思う。
・・・
【参考資料】
◎米国、東南アジアの基地に再注目
【APA‐Jフラッシュ No.214】
東南アジアでの多国間合同軍事演習「コブラゴールド」には日本の自衛隊も毎年参加しているが、主要メディアは報じない。
集団的自衛権の問題は災害援助や邦人保護訓練などという理由づけでまかり通ってしまっている。 (M)
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米国、東南アジアの基地に再注目
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台頭する中国に対抗してオバマ政権がアジア方面戦略を見直すのに合わせ、米軍は、この地域における最後の紛争であるベトナム戦争時に使用していた昔馴染みの基地への復帰をもくろんでいる。
米国防総省はこの数週間、1960年代から70年代にかけて爆撃機B52の基地としてタイに建設した飛行場のいずれかに地域の災害救援センターを設置する協議をタイ政府と続けている。貿易航路や周辺の軍事動向を監視するために、タイの港への米海軍の寄港や合同偵察飛行の回数も増やしたいと米国当局者は述べている。
今月にはレオン・E・パネッタ国防長官が、ベトナム戦争後では最高位の高官としてタイの隣国ベトナムのカム・ラン湾にある海軍と空軍の基地を訪れた。 「大きな期待の持てる場所だ」と述べ、長官は米国の艦船を再びこの水深の深い港に常駐させたいと熱く語った。
国防総省はフィリピンでも大規模な収容基地を求めており、ベトナム戦争時にはアジア最大規模の米軍基地で、機材整備や物資供給の中心でもあったスービック湾の海軍基地や元クラーク空軍基地なども含めて検討している。
数十年前、米軍は東南アジアの基地からの撤退や基地の返還を余儀なくされた。しかし、中国が軍事力を増し、領有権を主張して紛争が起こるなかで、慎重にではあるがタイ、ベトナム、フィリピンは再び米国を歓迎する姿勢になっている。それに応えるように、米国防総省の幹部たちが続々とこの地域を訪問し、交渉や関係強化を加速しようとしている。これまでのところは、関係改善と言っても艦船による寄港や合同演習など限定的ではあるが、オバマ政権は更に幅広く継続的な米軍の駐留へとつながることを望んでいる。(中略)
2006年のタイ陸軍によるクーデターによってタイが混乱して以後、同国への関心を失っていた米国国防総省の高官が、再びタイに目を向けはじめた。統合参謀本部議長としては十数年ぶりになるデンプシー統合参謀本部議長による訪問をはじめ、アシュトン・カーター国防副長官も7月に訪問を予定しており、パネッタ米国防長官もタイ政府より正式に招待を受けた。パネッタ長官は6月にシンガポールで開催された会議でタイの国防相と会っている。
現在、両国間で、この地域で頻発するサイクロンや津波などの自然災害に対応するための共同軍事センターの開設についての協議が進んでいる。同センターはバンコクから南に約145キロのウタパオにあるタイ王立海軍の飛行場に設置される見込みであ。
米軍にはウタパオは馴染みの場所である。そこには60年代に米軍が造った約3200メートルというアジアでは最長クラスの滑走路があり、ベトナム戦争当時は物資の中継地点、燃料の給油基地として重用していたが、タイ政府の要請で1976年に引き上げた。
80年代、米国とタイは再び段階的に軍事協力を始めた。タイ政府は米空軍がウタパオを中東に兵士を送り込む中継基地として使うことを認めた。この基地は毎年の演習「コブラゴールド」の際の拠点にもなっている。当初、米国とタイの訓練プログラムとして始まった同演習には、今では20を超える国が参加している。
米当局者は、災害救援センターが設置された場合、ウタパオにどの程度の軍隊を送り込むのか、またどのような任務を遂行することになるのかについては、公には明らかにしていない。(後略)
クレイグ・ホイットロック
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出典:ワシントン・ポスト (2012年6月23日)
翻訳協力:四季(APA‐J翻訳チーム)
翻訳チェック:タンノワ 監修:APA‐Jデスクチーム
「批評する工房のパレット」内の関連ページ
⇒「惨事と軍隊(Disaster Militarism)」(2012,2/13)
◎日米安全保障協議委員会 共同発表(2012年4月)
・・・日米安全保障協議委員会(SCC)は・・・ますます不確実となっているアジア太平洋地域の安全保障環境に鑑み、閣僚は、2011年6月21日のSCC共同発表に掲げる共通の戦略目標を進展させるとのコミットメントを強調した。また、閣僚は、その共同発表に沿って二国間の安全保障及び防衛協力を強化し、アジア太平洋地域の諸国への関与を強化するための方途を明らかにするとの意図を表明した・・・。
Ⅱ.地域の平和、安定及び繁栄を促進するための新たなイニシアティブ
[日米外務・防衛4]閣僚は、アジア太平洋地域における平和、安定及び繁栄の促進のために協力すること並びに効果的、効率的、創造的な協力を強化することが極めて重要であることを確認した。 この文脈で、米国政府は、訓練や演習を通じてこの地域の同盟国及びパートナー国がその能力を構築することを引き続き支援する考えである。
一方、日本国政府は、例えば沿岸国への巡視船の提供といった政府開発援助(ODA)の戦略的な活用を含むこの地域の安全の増進のための様々な措置をとる考えである。
両政府は、戦略的な拠点としてグアムを発展させ、また、米軍のプレゼンスの地元への影響を軽減するため、変化する安全保障環境についての評価に基づき、地域における二国間の動的防衛協力を促進する新たな取組を探求する考えである。
両政府は、グアム及び北マリアナ諸島連邦における自衛隊及び米軍が共同使用する施設としての訓練場の整備につき協力する(!!)ことを検討する。両政府は、2012年末までにこの点に関する具体的な協力分野を特定する・・・。
◎「排他的経済水域(EEZ)と領海及び公海の違い」(海上保安庁)
我が国では、海洋法に関する国際連合条約(通常「国連海洋法条約」と略称)に沿い、法律で基線から12海里(約22キロメートル)までを「領海」、200海里(約370キロメートル)までを「排他的経済水域」(ただし、領海部分を除く)と定めています。
また、200海里を超える海域は「公海」となります。
「領海」は、領土、領空のように、我が国の主権が及ぶ海域です。
なお、領海においては、直線基線が採用される前の内水(瀬戸内海)を除き我が国の平和、秩序、安全を害さない範囲で外国船が通航することが認められる、という特徴があります。(これを「無害通航権」といいます。)
「排他的経済水域」は、天然資源(漁業資源、鉱物資源等)の探査、開発、保存及び管理等、特定の事項に限定して、我が国の法令を適用することができる海域です。よって、特定の事項以外の事項については、我が国の法令の適用はなく、例えば、外国船の航行は自由ですし、他国が海底電線を敷設することも認められます。
「公海」は、どこの国の領海、排他的経済水域等にも含まれない海域で、全ての船舶に対し航行の自由などが認められています。この海域では、各国とも自分の国の船舶に対してのみ自国の法令を適用することができます。
しかし、日本とは400海里離れていない隣接国との間ではお互いの管轄海域を協議して決める必要があります。
また、公海とは海洋法条約第86条にによれば「いずれの国の排他的経済水域、領海若しくは内水又はいずれの群島国の群島水域にも含まれない海洋のすべての部分に適用する。」と記載されています。 なお、領海の用語につきましては海上保安庁のホームページにも掲載しておりますので、ご覧になってください。http://www1.kaiho.mlit.go.jp/JODC/ryokai/ryokai.html
2
「日本とは400海里離れていない隣接国との間ではお互いの管轄海域を協議して決める必要があります」・・・。
しかし、ロシア、韓国、中国・台湾(中華民国)いずれの「隣接国」とも、「お互いの管轄海域を協議して決める」こと、そして「管轄海域」をめぐる「紛争案件」を「協議」によって解決することができていない。日本を含むすべての「隣接国」が、「領有権」を主張し、「実効支配」を進めようとしているからである。
これじゃ、今後何年、何十年経っても、「400海里離れていない隣接国」の「排他的経済水域」における「紛争案件」は、解決するはずもない。
と言うより、「戦後」連綿とした日本政府・外務省による外交上の不作為・無策の歴史をみれば明らかなように、どの国家(軍・官僚組織)も「協議」によって解決する意思を持ち合わせていないことが〈問題〉なのである。
その結果、「主権」「固有の領土」を互いに主張する、それぞれの国家、軍による、それぞれの国の納税者のカネを使っての、それぞれの地域・海域の軍事化だけが進行することになる。
これが、「北方領土」、「竹島」、「尖閣諸島」を含む「南西諸島」をめぐる「領土問題」の歴史的経緯と現実、近未来に起こるであろう「事態」の原因であり、真相である。 ロシア、韓国、中国・台湾、日本、米国の納税者、市民は、もうそろそろ本当に目を覚めしてもよい時を迎えていると思うのだが、どうだろう。
【南沙海域・諸島をめぐる「領土紛争」】
・中国海洋石油がベトナム沖・南シナ海の開発で外資を募集(Searchina)
「中国海洋石油総公司の王宜林董事長(代表取締役)は(7月)18日、南シナ海の石油・天然ガスの資源探査で、米国系企業が参画する可能性があると述べた。中国海洋石油総公司は6月、南シナ海の海域9カ所の開発で外資を導入する意向を明らかにしていた。
・玄葉外相「南沙は国際法で解決」 尖閣に飛び火懸念(産経、7/16)
中国と東南アジア諸国が領有権を争う南シナ海の南沙諸島問題で、玄葉光一郎外相は11~13日にカンボジアで開かれた東南アジア諸国連合(ASEAN)関連の外相会議で国際法に基づく解決を繰り返し主張した。背景には、この地域で中国の強引な実効支配が既成事実化すれば、尖閣諸島(沖縄県石垣市)でも中国の行動がエスカレートしかねないとの懸念がある。
「南シナ海の問題について国際法に基づいた解決が必要だという声が多くあった。ASEANがまとまらなかったこととは分けて考える必要がある」 政府高官は、ASEAN諸国の間で、中国牽制を求めるフィリピンなどと、中国に配慮するカンボジアとの間で足並みが乱れたとの見方にこう反論する。
今回の外相会議で、日本は南シナ海問題の平和的解決のため、米国と連携して(???)法的拘束力をもつ「行動規範」策定に向けた働きかけを行った。 11日の日中外相会談では玄葉氏が楊潔ち(よう・けつち)外相に「国際法に従い、問題を平和的に解決することが重要だ」と主張。同日の日ASEAN外相会談では、来年後半に10年ぶりに特別首脳会議を日本で開くことで合意した。
日本は南シナ海で領有権を争っておらず、「介入するつもりはない」(玄葉氏)というのが基本的な立場だが、外務省幹部は「南シナ海でおかしな取引をされて変な前例は作ってほしくない。中国に『ごり押しすれば勝てるんだ』と思われては困る」と語る。
↓
米国は、国際的に「法的拘束力」をもつ「行動規範」のひとつ、「海洋法に関する国際連合条約」を批准していない世界でも稀な国家である。周辺諸国への覇権主義的圧力を強める中国は、そういう米国の「二重基準」(ダブルスタンダード)を批判するが、「どちらにも与することはできない」、というのが私の立場である。
尖閣-南西諸島周辺の排他的経済水域をめぐる中国との角逐について言えば、「日本固有の領土」を念仏のように繰り返し、この地域の軍事化を進めたところで、状況は何も改善しない。日本はこの問題の「平和的解決」に向け、全力を傾注すべきである。
日本政府・外務省は、「排他的経済水域」や国境ライン周辺における、あらゆる形態の衝突(民間レベルであれ、国家レベルであれ)を事前に回避するために、国際的に「法的拘束力」をもつ「行動規範」の策定に向け、中国との二国間交渉に乗り出すべきだろう。日中「双方は、協議及び交渉を通じて、両国間の問題を解決していくことを表明」した2008年の「日中共同声明」の基本姿勢が、この4年間のアレヤコレヤを経て形骸化してきた以上、その現実を踏まえた、新たなラウンドを開始することが問われている。そしてそのためには「国際海洋法裁判所」( International Tribunal for the Law of the Sea:ITLOS )で最終的な決着をつけるという姿勢を日本側から示すことも必要だろう。
要するに、やれること/やるべきこと/やらねばらないことを回避し、「動的防衛力」だの「国有化」だのオスプレイ・自衛隊配備だのといくら叫んでも、何の説得力も持たない、ということだ。 「北方領土」問題についても、これとまったく同じことが言える。 政府-外務省が、ロシアとの二国間交渉において「北方領土」問題を本気で解決する意思を持っていると判断できるかどうか、この機会に(もう一度)検証してみてはどうだろう。
⇒「ロシアが、北方領土の領有権を強調 」(Iran Japanese Radio)
⇒「「領土交渉、対話継続=プーチン・玄葉氏-ロシア外相「要人訪問自粛せず」」(時事、7/29)
・・・
・尖閣購入「まずは都で」=石原自民幹事長
自民党の石原伸晃幹事長は27日夜、北九州市で講演し、野田政権と東京都の双方が尖閣諸島(沖縄県石垣市)の購入に動いていることに関し「(都への寄付は)およそ14億円になった。これは都ではなく、国民が買うということだ。じゃあ、まず都に買わせて(はどうか)」と語った。
伸晃氏は石原慎太郎東京都知事の長男。伸晃氏は尖閣国有化自体には理解を示しつつも、26日に政府高官が自身を訪ね、「何とか助けてもらえないか。都知事のメンツも野田佳彦首相のメンツもつぶさないで、国が何とか買う方法はないか」と相談を持ち掛けてきたことを明かした。 その上で「私にそんな話をされても困る。何もできないから息子に頼んでくるというのもひどい話だ」と、野田政権の対応を批判した。(時事)→ほとんど「意味不明」の、日本だけにしか起こりえない/日本だからこそ起こるような奇怪な政治現象である。
・【特集】垂直離着陸機オスプレイ(時事通信)
「・・・オスプレイは実用配備された後にも事故を起こし、その安全性を危ぶむ声は強いものの、米軍は海兵隊や空軍での配備計画を変えようとはしていない。垂直離着陸輸送機を大量に保有すれば、米軍の緊急展開能力は格段に向上し、対テロ戦争の行き詰まりで陰りが見える米国の軍事的威信を回復できる可能性があるからだ。
特に東アジア地域では、南方・東方海域への進出意欲を隠さない中国、核兵器やミサイルの開発を続け国際社会に脅威を与える北朝鮮をけん制する意味からも、米国はオスプレイの役割を重視している・・・」
↓
世界的に言えば、「対テロ戦争の行き詰まりで陰りが見える米国の軍事的威信を回復」することは、もはや不可能である。また、オスプレイの配備は、「米国の軍事的威信の回復」とは無関係である。それはオスプレイ開発・導入の歴史的経緯からも明らかだ。
さらに、オスプレイの配備は、「南方・東方海域への進出意欲を隠さない中国」も、「核兵器やミサイルの開発を続け国際社会に脅威を与える北朝鮮」、いずれも「けん制」しない。一言で言えば、逆効果にしかならない。むしろ米国はそのためにこそオスプレイを強行配備しようとしている、と言えるだろう。
ともあれ、この記事は、政治的・軍事的分析が誤っているメディアの解説の典型である。 日本のメディアは、「いつ、どこで、誰が、何を、どうした/どう言った・・・」の5W1Hの、もっともっと詳細な、自ら取材・調査した情報の提供、配信にこそ尽力してほしい。
「批評する工房のパレット」内の関連ページ
⇒「オスプレイの配備を拒否する権利を日本は持たない?」(7/27)
⇒「オスプレイを飛ばさせないために知っておきたい2、3の情報」(7/24)
・・・
〇ドキュメンタリー映画「ニッポンの嘘 報道写真家 福島菊次郎90歳」(劇場案内 8/4~)・
2012年7月29日日曜日
2012年7月28日土曜日
7.29脱原発国会大包囲
7.29脱原発国会大包囲
日時:2012年7月29日(日)
集会:15:30〜16:30 デモ出発:16:00(集会の途中からデモだしを始めます)国会包囲:19:00 終了予定:20:00
集合場所:日比谷公園中幸門(日比谷公会堂裏)
*19:00より国会議事堂正門前にて、超党派国会議員も列席するキャンドル集会を予定しています。
主催:首都圏反原発連合
協力:さようなら原発1000万人アクション / 原発をなくす全国連絡会 / ザ・アトミックカフェ/ 脱原発世界会議 / WISE Amsterdam
・・・
・廃炉前提に見直し 東電との通報連絡要領
東京電力福島第1原発事故を受け、県と福島第1、第2原発が立地する大熊、双葉、楢葉、富岡の4町、東電は安全確保協定に基づく通報連絡要領を見直し、26日、運用を開始した。
事故収束と廃炉作業で従来の規定にないトラブルや作業が想定されるため、通報内容を明確にする一方、原発の稼働を前提とした規定は全て削り、廃炉に向けた情報共有を図る意味合いを濃くした形。非常時の連絡体制の強化も盛り込まれたが、情報網の寸断で事故対応の混乱を招いた教訓が事故から1年4カ月余りを経てようやく反映された。
削除したのは原発の建設や運転、原子炉の起動に関する内容で、県や市町村の要求で削った。県は県内の原発全10基の廃炉を求めていることを理由とするが、東電は「第1原発5、6号機と第2原発の廃炉は未定だが、現状を踏まえると原子炉の起動はあり得ないため」と認識の違いを示す。(福島民友)
・東電会長がむつと東通を訪問(東奥日報,7/27)
下河辺和彦取締役会長。「現時点の東電の立場では具体的な見通しを話せる状況ではない。工事再開か中止かは全くの未定」と述べるにとどめた。
越善村長。「早期の工事再開は村民の総意だ。東通が本当に重要な地点ならば、いつまでも未定にせず、東通原発をどうするのか明確にしてほしい」。
「東電出資のリサイクル燃料貯蔵(RFS)が使用済み核燃料中間貯蔵施設を建設中のむつ市では、宮下順一郎市長と面会。
下河辺会長。「中間貯蔵施設の重要性は変わらない。厳しい経営環境だが、(完成へ)最大限取り組む」「クリーンという点は二百パーセント約束する。福島の事故で破損した燃料など、健全性が確認されないものを搬入することはあり得ない」。
・放射能拡散予測の非公表「適当」 文科省が事故対応検証
文部科学省は27日、東京電力福島第1原発事故後の同省の対応の検証結果を公表した。住民避難に役立てるはずの緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム「SPEEDI」の拡散予測を当初、公表しなかったことについては「仮定に基づく計算で現実をシミュレーションしたとは言い難いとの認識は適当だった」(???)と正当化した。 同省は記者会見で「文科省はSPEEDIの結果を公表する立場ではない」(???)とも説明した。 政府の事故調査委員会は、23日公表の最終報告で「拡散予測の公表で住民が適切に避難のタイミングを選択できた可能性がある」と指摘した。(共同通信)
・関電社長、高浜原発発言で陳謝 「不十分で誤解を招いた」
関西電力の八木誠社長は27日、大飯原発に続き高浜原発3、4号機の再稼働を目指すとした自身の発言について「私の思いを十分にお伝えできずに、誤解を招いた(???)ことは誠に申し訳なく思っている」と陳謝した。福井県庁で取材に応じた。
八木社長は、大飯4号機がフル稼働した25日、次の再稼働について「高浜3、4号機が最有力」と発言。枝野幸男経済産業相が「強い違和感を覚える」と批判していた。 八木社長は27日午後「安全確認があくまでも(再稼働の)前提で国の審査に真摯に対応していく。その点で発言が不十分だった」と述べた。(共同)
・大間原発建設再開「止める権限ない」 岡田副総理
岡田克也副総理は22日、函館市内で開かれた政府主催の対話集会終了後に記者会見し、青森県大間町の大間原子力発電所(事業者・電源開発)の建設再開について、「政府に電源開発の建設再開を止める法的権限はない(???)。電源開発に周りの理解を得られるための努力をしていただくことだ」と述べた。 大間原発は昨年3月の東日本大震災後、工事進捗しんちょく率約38%のまま建設を中断している。(読売、7/23)
日時:2012年7月29日(日)
集会:15:30〜16:30 デモ出発:16:00(集会の途中からデモだしを始めます)国会包囲:19:00 終了予定:20:00
集合場所:日比谷公園中幸門(日比谷公会堂裏)
*19:00より国会議事堂正門前にて、超党派国会議員も列席するキャンドル集会を予定しています。
主催:首都圏反原発連合
協力:さようなら原発1000万人アクション / 原発をなくす全国連絡会 / ザ・アトミックカフェ/ 脱原発世界会議 / WISE Amsterdam
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・廃炉前提に見直し 東電との通報連絡要領
東京電力福島第1原発事故を受け、県と福島第1、第2原発が立地する大熊、双葉、楢葉、富岡の4町、東電は安全確保協定に基づく通報連絡要領を見直し、26日、運用を開始した。
事故収束と廃炉作業で従来の規定にないトラブルや作業が想定されるため、通報内容を明確にする一方、原発の稼働を前提とした規定は全て削り、廃炉に向けた情報共有を図る意味合いを濃くした形。非常時の連絡体制の強化も盛り込まれたが、情報網の寸断で事故対応の混乱を招いた教訓が事故から1年4カ月余りを経てようやく反映された。
削除したのは原発の建設や運転、原子炉の起動に関する内容で、県や市町村の要求で削った。県は県内の原発全10基の廃炉を求めていることを理由とするが、東電は「第1原発5、6号機と第2原発の廃炉は未定だが、現状を踏まえると原子炉の起動はあり得ないため」と認識の違いを示す。(福島民友)
・東電会長がむつと東通を訪問(東奥日報,7/27)
下河辺和彦取締役会長。「現時点の東電の立場では具体的な見通しを話せる状況ではない。工事再開か中止かは全くの未定」と述べるにとどめた。
越善村長。「早期の工事再開は村民の総意だ。東通が本当に重要な地点ならば、いつまでも未定にせず、東通原発をどうするのか明確にしてほしい」。
「東電出資のリサイクル燃料貯蔵(RFS)が使用済み核燃料中間貯蔵施設を建設中のむつ市では、宮下順一郎市長と面会。
下河辺会長。「中間貯蔵施設の重要性は変わらない。厳しい経営環境だが、(完成へ)最大限取り組む」「クリーンという点は二百パーセント約束する。福島の事故で破損した燃料など、健全性が確認されないものを搬入することはあり得ない」。
・放射能拡散予測の非公表「適当」 文科省が事故対応検証
文部科学省は27日、東京電力福島第1原発事故後の同省の対応の検証結果を公表した。住民避難に役立てるはずの緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム「SPEEDI」の拡散予測を当初、公表しなかったことについては「仮定に基づく計算で現実をシミュレーションしたとは言い難いとの認識は適当だった」(???)と正当化した。 同省は記者会見で「文科省はSPEEDIの結果を公表する立場ではない」(???)とも説明した。 政府の事故調査委員会は、23日公表の最終報告で「拡散予測の公表で住民が適切に避難のタイミングを選択できた可能性がある」と指摘した。(共同通信)
・関電社長、高浜原発発言で陳謝 「不十分で誤解を招いた」
関西電力の八木誠社長は27日、大飯原発に続き高浜原発3、4号機の再稼働を目指すとした自身の発言について「私の思いを十分にお伝えできずに、誤解を招いた(???)ことは誠に申し訳なく思っている」と陳謝した。福井県庁で取材に応じた。
八木社長は、大飯4号機がフル稼働した25日、次の再稼働について「高浜3、4号機が最有力」と発言。枝野幸男経済産業相が「強い違和感を覚える」と批判していた。 八木社長は27日午後「安全確認があくまでも(再稼働の)前提で国の審査に真摯に対応していく。その点で発言が不十分だった」と述べた。(共同)
・大間原発建設再開「止める権限ない」 岡田副総理
岡田克也副総理は22日、函館市内で開かれた政府主催の対話集会終了後に記者会見し、青森県大間町の大間原子力発電所(事業者・電源開発)の建設再開について、「政府に電源開発の建設再開を止める法的権限はない(???)。電源開発に周りの理解を得られるための努力をしていただくことだ」と述べた。 大間原発は昨年3月の東日本大震災後、工事進捗しんちょく率約38%のまま建設を中断している。(読売、7/23)
2012年7月27日金曜日
原子力規制委員会の布陣(2)
原子力規制委員会の布陣(2)
「原子力規制委員会」の人事案について
https://fs222.formasp.jp/k282/form2/
http://hinan-kenri.cocolog-nifty.com/blog/2012/07/post-5a71.html
8/2
・規制委人事、差し替え要請 民主PT「同意できない」
民主党の環境部門と原発事故収束対策プロジェクトチーム(PT)の合同会議が2日開かれ、政府が国会に示した原子力規制委員会の人事案について「現状では同意できない」との意見が多数を占めた。荒井聡PT座長は、人事の差し替えを含めた対応を検討するよう政府側に要請した。 合同会議は、1日に衆参両院で行われた規制委員長候補の田中俊一・前原子力委員会委員長代理に対する所信聴取の内容について議論。原発の40年運転制限や再稼働について田中氏が示した考え方に「不明確な部分が多い」と異論が相次いだ。
委員候補2人の所属先が、欠格事項となる原子力事業者に該当するのではないかとの指摘も出た。(河北新報)
8/1
・再稼働の暫定基準に疑問 原子力規制委人事で田中氏所信
田中氏は関西電力大飯原発の再稼働を決める根拠となった暫定的な安全基準に疑問を示し、「規制委で慎重に確認、評価を行う必要がある」と強調した。 暫定的な安全基準は野田政権が4月に決めた。この基準について、田中氏は「海溝型地震による津波や地震、活断層の評価で精査が不十分だった可能性がある」と指摘。そのうえで「新たな調査の結果、活断層による影響があれば運転の停止を求めるべきだ」と述べ、大飯原発も含めて問題があれば再稼働後に停止する可能性を示唆した・・・。(朝日)
「・・・田中氏は政府の打診を受けた理由を、「事故以来、福島の多くの人と触れ合う中で、現状と苦悩を目にした。国民が納得できる安全規制の確立に身を投げ出すべきだという思いに至った」と説明。「原子力ムラの一員」との批判に対し、「経歴から否定はしないが、透明性を守ることで事業者と一線を画した規制ができる」と反論。
原発再稼働問題では「これまでは一度決めるとこれで安全と言いがちだったが、科学技術は進歩しており、日々見直す姿勢を貫きたい」と述べた・・・」(時事通信)
・40年超の原発運転させず 田中氏、所信で表明
田中氏。「古い発電所の安全性確保のために必要な制度。40年を超えた原発は厳格にチェックし、運転させない姿勢で臨むべきだ」(福島民友)
・規制委候補4人に原子力マネー 経歴調査資料で判明
政府が国会に提示した原子力規制委員会の委員長・委員候補5人のうち4人が、原子力関連会社などから報酬を受け取っていたことが31日、政府の経歴調査資料で判明した。
資料によると、委員長候補の田中俊一・前原子力委員会委員長代理は2011年度に原稿料や講演料として、原子力の啓発活動などを行う日本原子力文化振興財団から20万円、放射線関連商社、日本原子力産業協会から受け取っていた。
委員候補の更田豊志・日本原子力研究開発機構副部門長、中村佳代子・日本アイソトープ協会主査、島崎邦彦・地震予知連絡会会長の3人も振興財団から講演料を得ていた。(共同)
・・・
「原子力規制委員会」人事に異議あり!
「原子力ムラ」から選ぶな! 7・27 官邸前アクション
http://2011shinsai.info/node/2544 ←★ぜひツイートしてください!
9月に発足する「原子力規制委員会」の国会同意人事案(田中俊一、更田豊志、大島賢三、中村佳代子、島崎邦彦)が報じられました。 中でも委員長候補の田中俊一氏は、長年「原子力ムラ」の中枢で活動し、今なお原発推進機関の職にあります。自主避難者への賠償にも最後まで抵抗しました。
また、「低線量被ばくでは、子どもと大人で発がんリスクには差がない」と発言した中村佳代子氏も併せて、放射線被害を軽視する人選と言わざるを得ません。「原子力ムラ」当事者や規制対象事業者、官僚OBらで固めた反省のかけらもない驚くべき人選です。
細野豪志原発相は、すべての経緯を公表したうえで、ただちに差し替えるべきです。 この案が通れば、「再稼働推進」「福島切り捨て」「安全神話復活」の恐るべき委員会が私たちの前に立ちはだかるでしょう。強大な権限を持つ「原子力寄生委員会」の登場を絶対に許すわけにはいきません。
「再稼働反対」「福島かえせ」の声を「原子力ムラから選ぶな」の叫びとして表すときです。
いのちは預けない! 27日の金曜日、官邸に 「人事案撤回」を求める声をぶつけましょう。
日時:7月27日(金) 18時~20時
場所:首相官邸前(国会記者会館前) ※国会議事堂前駅すぐ、永田町駅5分
発言:福島から、参加者の皆さん、国会議員など
(プラカード、鳴り物、要請書などご持参を:19時に要請書提出)
呼びかけ:再稼働反対!全国アクション、国際環境NGO FoE Japan、原発を考える品川の女たち、日本カトリック正義と平和協議会
[当日連絡先]080-5062-4196(木村)、070-5014-2665(柳田)
【Ustream中継:IWJ チャンネル4】
http://iwj.co.jp/channels/main/channel.php?CN=4
※17時30分より、同じく官邸前にて行われる「7・27ふくしま集団疎開裁判官邸前抗議行動」
【Ust中継:IWJ CH5】
http://iwj.co.jp/channels/main/channel.php?CN=5とは、現場で調整しながら連携して行います。
※この日は「首都圏反原発連合」有志による官邸前抗議はお休みです。
<関連アクション>
①お昼の抗議行動/原子力規制委員会人事問題
日時:7月27日(金) 12:00~13:00
場所:衆議院第二議員会館前
【Ust中継:IWJ CH5】
http://iwj.co.jp/channels/main/channel.php?CN=5
②夕方の抗議行動/原子力規制委員会人事・大飯原発再調査問題
日時:7月27日(金) 18:30~19:45
場所:経済産業省別館前(保安院・エネ庁・新規制庁)
【Ust中継:IWJ CH6】
http://iwj.co.jp/channels/main/channel.php?CN=6
主催:国際環境NGO FoE Japan、福島老朽原発を考える会、原発を考える品川の女たち、プルトニウムなんていらないよ!東京
<参考情報>
原子力規制委員起用予定の中村さん、福島で講演(7/22、読売)
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20120722-OYT1T00397.htm
【動画】田中俊一氏が自主避難者への賠償に抗議するメモを読み上げ
[YouTube:原子力損害賠償紛争審査会(18回)後半 (2011年12月6日)]
http://www.youtube.com/watch?v=ndHQqAfwkgA&feature=player_embedded
※1:10:00から約2分をご覧ください。直後の傍聴者による抗議も。
【緊急事態】新設・原子力規制委員会に「原子力ムラ」の人選~国会議員に「同意しないで」と伝えよう!
http://hinan-kenri.cocolog-nifty.com/blog/2012/07/post-5a71.html
規制委員長候補・田中俊一氏の「もうひとつの顔」(7/24、東京新聞「特報部」)
http://www.tokyo-np.co.jp/article/tokuho/list/CK2012072402000097.html
「原子力規制委員会」の人事案について
https://fs222.formasp.jp/k282/form2/
http://hinan-kenri.cocolog-nifty.com/blog/2012/07/post-5a71.html
8/2
・規制委人事、差し替え要請 民主PT「同意できない」
民主党の環境部門と原発事故収束対策プロジェクトチーム(PT)の合同会議が2日開かれ、政府が国会に示した原子力規制委員会の人事案について「現状では同意できない」との意見が多数を占めた。荒井聡PT座長は、人事の差し替えを含めた対応を検討するよう政府側に要請した。 合同会議は、1日に衆参両院で行われた規制委員長候補の田中俊一・前原子力委員会委員長代理に対する所信聴取の内容について議論。原発の40年運転制限や再稼働について田中氏が示した考え方に「不明確な部分が多い」と異論が相次いだ。
委員候補2人の所属先が、欠格事項となる原子力事業者に該当するのではないかとの指摘も出た。(河北新報)
8/1
・再稼働の暫定基準に疑問 原子力規制委人事で田中氏所信
田中氏は関西電力大飯原発の再稼働を決める根拠となった暫定的な安全基準に疑問を示し、「規制委で慎重に確認、評価を行う必要がある」と強調した。 暫定的な安全基準は野田政権が4月に決めた。この基準について、田中氏は「海溝型地震による津波や地震、活断層の評価で精査が不十分だった可能性がある」と指摘。そのうえで「新たな調査の結果、活断層による影響があれば運転の停止を求めるべきだ」と述べ、大飯原発も含めて問題があれば再稼働後に停止する可能性を示唆した・・・。(朝日)
「・・・田中氏は政府の打診を受けた理由を、「事故以来、福島の多くの人と触れ合う中で、現状と苦悩を目にした。国民が納得できる安全規制の確立に身を投げ出すべきだという思いに至った」と説明。「原子力ムラの一員」との批判に対し、「経歴から否定はしないが、透明性を守ることで事業者と一線を画した規制ができる」と反論。
原発再稼働問題では「これまでは一度決めるとこれで安全と言いがちだったが、科学技術は進歩しており、日々見直す姿勢を貫きたい」と述べた・・・」(時事通信)
・40年超の原発運転させず 田中氏、所信で表明
田中氏。「古い発電所の安全性確保のために必要な制度。40年を超えた原発は厳格にチェックし、運転させない姿勢で臨むべきだ」(福島民友)
・規制委候補4人に原子力マネー 経歴調査資料で判明
政府が国会に提示した原子力規制委員会の委員長・委員候補5人のうち4人が、原子力関連会社などから報酬を受け取っていたことが31日、政府の経歴調査資料で判明した。
資料によると、委員長候補の田中俊一・前原子力委員会委員長代理は2011年度に原稿料や講演料として、原子力の啓発活動などを行う日本原子力文化振興財団から20万円、放射線関連商社、日本原子力産業協会から受け取っていた。
委員候補の更田豊志・日本原子力研究開発機構副部門長、中村佳代子・日本アイソトープ協会主査、島崎邦彦・地震予知連絡会会長の3人も振興財団から講演料を得ていた。(共同)
・・・
「原子力規制委員会」人事に異議あり!
「原子力ムラ」から選ぶな! 7・27 官邸前アクション
http://2011shinsai.info/node/2544 ←★ぜひツイートしてください!
9月に発足する「原子力規制委員会」の国会同意人事案(田中俊一、更田豊志、大島賢三、中村佳代子、島崎邦彦)が報じられました。 中でも委員長候補の田中俊一氏は、長年「原子力ムラ」の中枢で活動し、今なお原発推進機関の職にあります。自主避難者への賠償にも最後まで抵抗しました。
また、「低線量被ばくでは、子どもと大人で発がんリスクには差がない」と発言した中村佳代子氏も併せて、放射線被害を軽視する人選と言わざるを得ません。「原子力ムラ」当事者や規制対象事業者、官僚OBらで固めた反省のかけらもない驚くべき人選です。
細野豪志原発相は、すべての経緯を公表したうえで、ただちに差し替えるべきです。 この案が通れば、「再稼働推進」「福島切り捨て」「安全神話復活」の恐るべき委員会が私たちの前に立ちはだかるでしょう。強大な権限を持つ「原子力寄生委員会」の登場を絶対に許すわけにはいきません。
「再稼働反対」「福島かえせ」の声を「原子力ムラから選ぶな」の叫びとして表すときです。
いのちは預けない! 27日の金曜日、官邸に 「人事案撤回」を求める声をぶつけましょう。
日時:7月27日(金) 18時~20時
場所:首相官邸前(国会記者会館前) ※国会議事堂前駅すぐ、永田町駅5分
発言:福島から、参加者の皆さん、国会議員など
(プラカード、鳴り物、要請書などご持参を:19時に要請書提出)
呼びかけ:再稼働反対!全国アクション、国際環境NGO FoE Japan、原発を考える品川の女たち、日本カトリック正義と平和協議会
[当日連絡先]080-5062-4196(木村)、070-5014-2665(柳田)
【Ustream中継:IWJ チャンネル4】
http://iwj.co.jp/channels/main/channel.php?CN=4
※17時30分より、同じく官邸前にて行われる「7・27ふくしま集団疎開裁判官邸前抗議行動」
【Ust中継:IWJ CH5】
http://iwj.co.jp/channels/main/channel.php?CN=5とは、現場で調整しながら連携して行います。
※この日は「首都圏反原発連合」有志による官邸前抗議はお休みです。
<関連アクション>
①お昼の抗議行動/原子力規制委員会人事問題
日時:7月27日(金) 12:00~13:00
場所:衆議院第二議員会館前
【Ust中継:IWJ CH5】
http://iwj.co.jp/channels/main/channel.php?CN=5
②夕方の抗議行動/原子力規制委員会人事・大飯原発再調査問題
日時:7月27日(金) 18:30~19:45
場所:経済産業省別館前(保安院・エネ庁・新規制庁)
【Ust中継:IWJ CH6】
http://iwj.co.jp/channels/main/channel.php?CN=6
主催:国際環境NGO FoE Japan、福島老朽原発を考える会、原発を考える品川の女たち、プルトニウムなんていらないよ!東京
<参考情報>
原子力規制委員起用予定の中村さん、福島で講演(7/22、読売)
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20120722-OYT1T00397.htm
【動画】田中俊一氏が自主避難者への賠償に抗議するメモを読み上げ
[YouTube:原子力損害賠償紛争審査会(18回)後半 (2011年12月6日)]
http://www.youtube.com/watch?v=ndHQqAfwkgA&feature=player_embedded
※1:10:00から約2分をご覧ください。直後の傍聴者による抗議も。
【緊急事態】新設・原子力規制委員会に「原子力ムラ」の人選~国会議員に「同意しないで」と伝えよう!
http://hinan-kenri.cocolog-nifty.com/blog/2012/07/post-5a71.html
規制委員長候補・田中俊一氏の「もうひとつの顔」(7/24、東京新聞「特報部」)
http://www.tokyo-np.co.jp/article/tokuho/list/CK2012072402000097.html
「いじめ」と修復的正義
「いじめ」と修復的正義
1
行政や学校が行う「いじめ対策」とは、学校の中で、子どもが教師と一緒になって「問題を起こさない学校」にすることである。
「問題児」が「事件」を起こす前に、子どもに告発/摘発させるような制度や仕組みのことを言う。
それがまったく機能していないことが、今回の「事件」によって改めて明らかになった。ほんの一例に過ぎないが、横浜市のケースを学習しておこう。2年前の「いじめ見逃さない、状況把握へ全市立学校で個人調査開始/横浜市教委」他の記事を参照してほしい。「いじめ対策」は破産し、この間、「いじめ」も子どもの暴力も不登校も、すべて増加してきたことが理解できるだろう。まさに「学校全体がいじめ状態」なのだ。
「いじめ対策」が機能せず、破綻する最大の理由は、子どもが学校や教師や親を(まったく)信用/信頼していないところにある。 自分がどうだったか、みんな思い出してみてはどうだろう。
「おとな」になると、人間は自分に都合の悪いことを、自分に都合の良いように忘れてしまう、忘れた振りをするというのは、実に困ったものだ。「私たち」は、そういう「おとなの世界」を心の底から軽蔑していたのではなかったか。君にしても、あなたにしても。
子どもの世界の「いじめ」は、子どもの世界の中で、子ども自身が解決する力を身につけなければ、永遠になくならない。
無くなりようが、無い。年齢(学年)を変え、名前を変え、場所を変え、形を変えて、くり返されるだけである。
また、「いじめ」に対する応報的正義観に基づく懲罰・厳罰主義的アプローチは、「いじめ」を解決しない。
ただ、おとなの眼に、見えなくさせるだけである。子どもの精神世界を、これまで以上に病んだものにするだけである。
「何もわかっていないおとな」が、勝手に安心するだけである。
子どもの世界の「いじめ」を、すこしでもなくすために、おとなの世界にできることは、子どもの世界が「いじめ」を解決する「力」を身につけられるよう、その模範/規範を示すことにある。
少なくとも、邪魔をしないこと。
子どもの世界から見た場合に、権威や権力をかさに、不当で過剰な「外部からの介入」をしないこと。
・・
・在校生の聴取開始 大津中2自殺で滋賀県警(京都新聞)
・滋賀県警は26日午前、亡くなった生徒が通っていた中学校の在校生を対象とする本格的な事情聴取を開始
・男子生徒と同学年だった3年生約300人を中心に、卒業生や2年生にも対象を広げ、話を聞く
・すでに男子生徒の当時の担任などの聴取を行っている。8月末までに生徒への聴取を終え、いじめをしていたとされる同級生3人の立件の可否を判断
・男子生徒の父親(47)は18日、暴行や窃盗、恐喝など六つの容疑で大津署に告訴し、同署が受理
・・
(つづく)
「批評する工房のパレット」内の関連ページ
⇒「原発災害と「修復的正義」(restorative justice)」(2011,12/20)
⇒「「学校に行かなくてもいい社会」のために」(2012,7/15)
⇒「「いじめ」について」(7/18)
・・・
・文科省、いじめ問題に新組織 来月初旬にも発足
大津市で昨年10月、中学2年の男子生徒が自殺し、いじめとの関連が指摘されている問題を受け、平野博文文部科学相は24日の記者会見で、文科省内に設けるいじめ問題の支援チームについて、大臣直轄組織とし、早ければ8月初旬にも設置する方針を示した。
平野氏は、支援チームについて、いじめが分かった際に学校や教育委員会を支援して原因究明や保護者への対応を図るほか、再発防止策づくりなどにも関与すると説明。 「態勢や人選を官房長の下で検討している。迅速に対応するため、平常から学校や教育委員会など現場との日々の連携が重要になる」と述べた。
また、8月中に各教委を通じて報告を求めるいじめの実態を把握する小中高向けの緊急調査は公立に加え、私学も対象に含めることも明らかにした。(京都新聞)
↓
行政論的に言えば、「いじめ」問題を通じた文部科学省による「地方」の教育行政に対する管理・統制・介入の強化は、「教育の地方主権」を阻害し、分権促進の流れに逆行するという意味で、「反動的」である。
滋賀県および大津市は、率先して中央の介入を招き入れているが、むしろそのことが、この「事件」の顛末の悲劇=喜劇性を表現している、と言うこともできる。
大津市(教育委員会)および問題となっている中学校の、あまりにひどい「事なかれ主義」「ご都合主義」と隠ぺい体質、文科省にしか顔を向けていないそのあり方、「自治」を自ら放棄した「親方日の丸」のそのテイタラクさ、要するに「自己統治力」の無さが、霞が関や警察権力による現場への介入強化がはらむ問題性をみえなくさせているのである。
【参考資料】
片山さつき(自民党・参議院議員)氏の見解
「・・・成人の凶暴者、殺人鬼がいるように、少年にもそれはいて、中学の年代は、体は大きくなっても心の抑制はきかないですから、かえって危険。
少年法、この件をもって廃止しろとまでは言いませんが、前回の改正だけでは抑止力にはなっていないのではないか、と言う点から再検討が必要ではないでしょうか。
教育委員会についても、確かに滋賀は、大津は特に、という話もありますが、そういう個別的な体質問題ですむことなのか、、。
それから、滋賀から京都に転校してしまうと、滋賀の教育委員会は手が出せない、と責任放棄できてしまう問題、個人情報保護法の壁、、。」
1
行政や学校が行う「いじめ対策」とは、学校の中で、子どもが教師と一緒になって「問題を起こさない学校」にすることである。
「問題児」が「事件」を起こす前に、子どもに告発/摘発させるような制度や仕組みのことを言う。
それがまったく機能していないことが、今回の「事件」によって改めて明らかになった。ほんの一例に過ぎないが、横浜市のケースを学習しておこう。2年前の「いじめ見逃さない、状況把握へ全市立学校で個人調査開始/横浜市教委」他の記事を参照してほしい。「いじめ対策」は破産し、この間、「いじめ」も子どもの暴力も不登校も、すべて増加してきたことが理解できるだろう。まさに「学校全体がいじめ状態」なのだ。
「いじめ対策」が機能せず、破綻する最大の理由は、子どもが学校や教師や親を(まったく)信用/信頼していないところにある。 自分がどうだったか、みんな思い出してみてはどうだろう。
「おとな」になると、人間は自分に都合の悪いことを、自分に都合の良いように忘れてしまう、忘れた振りをするというのは、実に困ったものだ。「私たち」は、そういう「おとなの世界」を心の底から軽蔑していたのではなかったか。君にしても、あなたにしても。
子どもの世界の「いじめ」は、子どもの世界の中で、子ども自身が解決する力を身につけなければ、永遠になくならない。
無くなりようが、無い。年齢(学年)を変え、名前を変え、場所を変え、形を変えて、くり返されるだけである。
また、「いじめ」に対する応報的正義観に基づく懲罰・厳罰主義的アプローチは、「いじめ」を解決しない。
ただ、おとなの眼に、見えなくさせるだけである。子どもの精神世界を、これまで以上に病んだものにするだけである。
「何もわかっていないおとな」が、勝手に安心するだけである。
子どもの世界の「いじめ」を、すこしでもなくすために、おとなの世界にできることは、子どもの世界が「いじめ」を解決する「力」を身につけられるよう、その模範/規範を示すことにある。
少なくとも、邪魔をしないこと。
子どもの世界から見た場合に、権威や権力をかさに、不当で過剰な「外部からの介入」をしないこと。
・・
・在校生の聴取開始 大津中2自殺で滋賀県警(京都新聞)
・滋賀県警は26日午前、亡くなった生徒が通っていた中学校の在校生を対象とする本格的な事情聴取を開始
・男子生徒と同学年だった3年生約300人を中心に、卒業生や2年生にも対象を広げ、話を聞く
・すでに男子生徒の当時の担任などの聴取を行っている。8月末までに生徒への聴取を終え、いじめをしていたとされる同級生3人の立件の可否を判断
・男子生徒の父親(47)は18日、暴行や窃盗、恐喝など六つの容疑で大津署に告訴し、同署が受理
・・
(つづく)
「批評する工房のパレット」内の関連ページ
⇒「原発災害と「修復的正義」(restorative justice)」(2011,12/20)
⇒「「学校に行かなくてもいい社会」のために」(2012,7/15)
⇒「「いじめ」について」(7/18)
・・・
・文科省、いじめ問題に新組織 来月初旬にも発足
大津市で昨年10月、中学2年の男子生徒が自殺し、いじめとの関連が指摘されている問題を受け、平野博文文部科学相は24日の記者会見で、文科省内に設けるいじめ問題の支援チームについて、大臣直轄組織とし、早ければ8月初旬にも設置する方針を示した。
平野氏は、支援チームについて、いじめが分かった際に学校や教育委員会を支援して原因究明や保護者への対応を図るほか、再発防止策づくりなどにも関与すると説明。 「態勢や人選を官房長の下で検討している。迅速に対応するため、平常から学校や教育委員会など現場との日々の連携が重要になる」と述べた。
また、8月中に各教委を通じて報告を求めるいじめの実態を把握する小中高向けの緊急調査は公立に加え、私学も対象に含めることも明らかにした。(京都新聞)
↓
行政論的に言えば、「いじめ」問題を通じた文部科学省による「地方」の教育行政に対する管理・統制・介入の強化は、「教育の地方主権」を阻害し、分権促進の流れに逆行するという意味で、「反動的」である。
滋賀県および大津市は、率先して中央の介入を招き入れているが、むしろそのことが、この「事件」の顛末の悲劇=喜劇性を表現している、と言うこともできる。
大津市(教育委員会)および問題となっている中学校の、あまりにひどい「事なかれ主義」「ご都合主義」と隠ぺい体質、文科省にしか顔を向けていないそのあり方、「自治」を自ら放棄した「親方日の丸」のそのテイタラクさ、要するに「自己統治力」の無さが、霞が関や警察権力による現場への介入強化がはらむ問題性をみえなくさせているのである。
【参考資料】
片山さつき(自民党・参議院議員)氏の見解
「・・・成人の凶暴者、殺人鬼がいるように、少年にもそれはいて、中学の年代は、体は大きくなっても心の抑制はきかないですから、かえって危険。
少年法、この件をもって廃止しろとまでは言いませんが、前回の改正だけでは抑止力にはなっていないのではないか、と言う点から再検討が必要ではないでしょうか。
教育委員会についても、確かに滋賀は、大津は特に、という話もありますが、そういう個別的な体質問題ですむことなのか、、。
それから、滋賀から京都に転校してしまうと、滋賀の教育委員会は手が出せない、と責任放棄できてしまう問題、個人情報保護法の壁、、。」
オスプレイの配備を拒否する権利を日本は持たない?
オスプレイの配備を拒否する権利を日本は持たない?
1
安保問題に関わる主要メディアの記事を読んでいると、ときどき「この人は安保条約の条文を、きちんと読んだことがあるのだろうか?」とか、「政治とか外交の「イロハ」を、きちんと理解しているのだろうか?」と思うことがある。
最近では、毎日新聞の二つの記事を読んでそう思った。
一つは、「クローズアップ2012:オスプレイ日本配備 安全性、未確認のまま 政府、拒否権なく板挟み」(7/14)。
もう一つは、「オスプレイ:低空飛行訓練 日本に拒否権限なし 配慮要請」(7/26)である。タイトルから分かるように、この二つの記事に共通するのは、オスプレイの日本配備を日本政府が「拒否」できないと論じていること、そしてその「根拠」が安保条約そのものにあるとしている点である。曰く、
・・
・「アジア太平洋重視」の新国防戦略を掲げ配備を急ぐ米国に対し、日本政府は法的な拒否権限を持たず、地元との板挟みにあって有効な解決策を見いだせない」
・「政府が配備計画を拒否できないのは、日米安全保障条約で米軍の駐留を認め、必要な装備品の配備が同条約の前提となっているからだ。核兵器配備など装備の「重要な変更」は日米安保条約に基づく事前協議の対象だが、オスプレイは事前協議の対象外。米側が全国6ルートで計画する低空飛行訓練も日本側に拒否する権限はない」
・「事故が相次ぐオスプレイの低空飛行訓練には関係する自治体から強い反発が出ているが、日本政府に低空飛行訓練自体を拒否する権限はなく、米側に配慮を要請するしかないのが実情だ」
・・
引用した上の内容は、いずれも日本政府・外務省がそのように安保条約を解釈してきただけの話であって、条約上の「根拠」があるわけではない。安保条約および地位協定のどこを探しても、米国側が配備すると主張する「装備品」を、日本側が「拒否」できないなどと明記している条文・条項など存在しない。
そもそも日本政府は、現在の安保条約を締結した1960年以降、米国の安保政策に異を唱えたり、「拒否」する姿勢を示したことなど、一度としてない。自民党政権時代から、民主党政権に至るまで、ずっとそうなのだ。
なぜか? 拒否する「法的権限」を日本が持たないからではない。拒否するという意思を、一度として日本側(外務省)が持ったことがない、ただそれだけのことなのだ。 メディア全般がそうだと言えるが、このことを日本人の多くはいまだに理解できないでいる。
もちろん、日本が拒否の意思を示した場合に、米国側がそれを受け入れるどうかは分からない。
受け入れるかもしれないし、受け入れないかもしれない。
どちらになるかは、日本側の「外交交渉力」と、個々の問題に関する米国側の「こだわり」の度合いに大きく規定されることになる。
ただ、確実に言えることは、「やってみなければわからない」ということ。これはまさに、安保条約の条文そのものとは別の次元の、政治力や外交力の問題である。
通常、私たちはこのことを「政治のイロハ」「外交のイロハ」の問題として理解している。 しかし、東京に本拠を置く主要メディアは、このことを理解しない/できないようなのだ。いったいなぜなのか?
2
私の主張が間違っていると思う人は、琉球新報が次のように書く/書かざるをえない理由を考えてみてほしい。
・・
日本政府は「米側に口出しする権利がない」とするが、これは統治能力を放棄するにも等しい。日米安全保障条約の事前協議制度は日本側の発言権を確保するためにあるが、事前協議の対象となる「装備の重要な変更」と主張できない根拠は何なのか、明確に説明すべきだ。
仮に事前協議の対象でないとするならば、日米安保そのものに欠陥があるのであり、改定を米側に提起するのが筋だろう。
米国の顔色をうかがい、国民の意向を無視して配備計画に唯々諾々と従うだけならば、主権国家とも民主主義国家とも言えない。
野田政権は配備強行で自らが日米関係の破壊者たらんとしていることを強く認識すべきだ。
(「オスプレイ陸揚げ/国民を脅かし安保か 日米関係破壊する愚行」(7/24))
・・
私には琉球新報の方が正論を述べているように思えるが、読者はどう考えるだろう。
・・・
・新山口知事に直接理解求める オスプレイ配備で防衛相 (日経)
「森本敏防衛相は30日午前、山口県知事選(29日投開票)で山本繁太郎氏が当選したことを受け、米軍岩国基地(山口県)で実施する予定の垂直離着陸輸送機オスプレイの試験飛行について直接会って理解を求める考えを示した・・・。両政府は安全性を確認した後、早ければ8月下旬にも岩国基地で試験飛行をする考え」
・オスプレイ配備 森本防衛相「米の言いなりになってはならない」(FNN)
森本防衛相(29日朝のフジテレビ「新報道2001」にて)。「アメリカの言いなりになるということであってもいけない。日本が飛行の安全について責任を持つという姿勢は、国民にきちっと示さないといけない」と述べ、25日に立ち上げた調査チームなどで、安全性の確認を独自に行う姿勢を強調。
さらに、オスプレイの配備が日本周辺での抑止力の向上につながるとの認識を示したうえで、「飛行の安全性を確保しながら、アメリカ軍に能力向上のためのシステムを根づかせていくかが、これからの課題」と述べた。また、8月のアメリカ訪問の際に検討されているオスプレイの試乗について、固定翼から回転翼への「転換が行われるときに、どのように安定的に飛行するのかを自分で体験したい」と、強い意欲を示した。
↓
当然のことだが、「調査チーム」による「事故調査」の結果は、すでに結論が出ている米国側の調査結果の追認に終わる、なんてことはありえないはずだ。「調査」をどのように行うのか、つまり米国が発表する事故調査報告の分析・検証を日本の「チーム」がどのような調査活動によって行うのかは不明だが、米国の調査報告から「独立」した、日本の「主体的」な事故の分析結果を、私個人は非常に楽しみにしている。東大名誉教授の「助言」についても、その内容が公表される日をわくわくしながら待っている。「チーム」の今後の活動に注目したい。
・オスプレイ:「操縦士ミス」と結論(沖縄タイムス)
「米軍当局がモロッコで起きた米海兵隊の垂直離着陸輸送機MV22オスプレイの墜落事故についてまとめた調査報告書で、原因を飛行経験の浅い副操縦士の判断ミスによるものと結論付けていたことが27日までに分かった。内容は近く日本政府に通達される見通し・・・。米側は6月に「機体に問題はなかった」と正式に発表。人為的ミスが原因との見解を日本側に非公式に伝えている・・・」
・オスプレイ:米、低空飛行訓練は計画通り
「米国防総省のリトル報道官は26日の記者会見で、・・・オスプレイの低空飛行訓練について「変更があったとは聞いていない」と述べ、計画通り実施する考えを示した・・・。」
「報道官はオスプレイの安全性について「良好な飛行記録を持つ」と重ねて表明。「海兵隊の部隊で重要な役割を担っている」と強調し、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)配備の必要性を指摘」(共同)
・配備中止 連帯訴え 全国都道府県議長会(沖縄タイムス)
【東京】県議会の喜納昌春議長は25日、都内で開かれた全国都道府県議会議長会(会長・山本教和三重県議会議長)の定例総会に出席し、沖縄に配備予定の垂直離着陸輸送機MV22オスプレイについて、日本全国の問題としてとらえ、配備反対の意見書を各議会で決議するなどの協力を呼び掛けた。
これを受け、徳島県議会の樫本孝議長は、同機の低空飛行訓練に懸念を示し、同議長会として緊急決議を行うことを提案した。
喜納氏は、相次ぐオスプレイの事故の原因究明や説明もなく県民の頭越しの配備は、県民の生命や生活環境を守る立場から断じて許すことはできないと訴えた。配備後の低空飛行訓練が全国に及ぶことから「沖縄県だけの問題ではなく、日本全国でしっかり受け止める問題と考える」と述べ、各議会の支援を求めた。
樫本氏は、徳島県議会では低空飛行の中止を求める意見書を可決したと述べ、「住民の事故に対する危機感や生活被害の懸念はこれまで以上に非常に強くなってきている」と緊急決議を提案。8月7日開催予定の四国ブロックの正副議長会でも、低空飛行訓練の中止を求めて緊急アピールを提案するとして、各議会にも積極的な取り組みを求めた。
議長会事務局によると、各ブロック議長会の動きに応じて、役員会の開催が検討されるという。
1
安保問題に関わる主要メディアの記事を読んでいると、ときどき「この人は安保条約の条文を、きちんと読んだことがあるのだろうか?」とか、「政治とか外交の「イロハ」を、きちんと理解しているのだろうか?」と思うことがある。
最近では、毎日新聞の二つの記事を読んでそう思った。
一つは、「クローズアップ2012:オスプレイ日本配備 安全性、未確認のまま 政府、拒否権なく板挟み」(7/14)。
もう一つは、「オスプレイ:低空飛行訓練 日本に拒否権限なし 配慮要請」(7/26)である。タイトルから分かるように、この二つの記事に共通するのは、オスプレイの日本配備を日本政府が「拒否」できないと論じていること、そしてその「根拠」が安保条約そのものにあるとしている点である。曰く、
・・
・「アジア太平洋重視」の新国防戦略を掲げ配備を急ぐ米国に対し、日本政府は法的な拒否権限を持たず、地元との板挟みにあって有効な解決策を見いだせない」
・「政府が配備計画を拒否できないのは、日米安全保障条約で米軍の駐留を認め、必要な装備品の配備が同条約の前提となっているからだ。核兵器配備など装備の「重要な変更」は日米安保条約に基づく事前協議の対象だが、オスプレイは事前協議の対象外。米側が全国6ルートで計画する低空飛行訓練も日本側に拒否する権限はない」
・「事故が相次ぐオスプレイの低空飛行訓練には関係する自治体から強い反発が出ているが、日本政府に低空飛行訓練自体を拒否する権限はなく、米側に配慮を要請するしかないのが実情だ」
・・
引用した上の内容は、いずれも日本政府・外務省がそのように安保条約を解釈してきただけの話であって、条約上の「根拠」があるわけではない。安保条約および地位協定のどこを探しても、米国側が配備すると主張する「装備品」を、日本側が「拒否」できないなどと明記している条文・条項など存在しない。
そもそも日本政府は、現在の安保条約を締結した1960年以降、米国の安保政策に異を唱えたり、「拒否」する姿勢を示したことなど、一度としてない。自民党政権時代から、民主党政権に至るまで、ずっとそうなのだ。
なぜか? 拒否する「法的権限」を日本が持たないからではない。拒否するという意思を、一度として日本側(外務省)が持ったことがない、ただそれだけのことなのだ。 メディア全般がそうだと言えるが、このことを日本人の多くはいまだに理解できないでいる。
もちろん、日本が拒否の意思を示した場合に、米国側がそれを受け入れるどうかは分からない。
受け入れるかもしれないし、受け入れないかもしれない。
どちらになるかは、日本側の「外交交渉力」と、個々の問題に関する米国側の「こだわり」の度合いに大きく規定されることになる。
ただ、確実に言えることは、「やってみなければわからない」ということ。これはまさに、安保条約の条文そのものとは別の次元の、政治力や外交力の問題である。
通常、私たちはこのことを「政治のイロハ」「外交のイロハ」の問題として理解している。 しかし、東京に本拠を置く主要メディアは、このことを理解しない/できないようなのだ。いったいなぜなのか?
2
私の主張が間違っていると思う人は、琉球新報が次のように書く/書かざるをえない理由を考えてみてほしい。
・・
日本政府は「米側に口出しする権利がない」とするが、これは統治能力を放棄するにも等しい。日米安全保障条約の事前協議制度は日本側の発言権を確保するためにあるが、事前協議の対象となる「装備の重要な変更」と主張できない根拠は何なのか、明確に説明すべきだ。
仮に事前協議の対象でないとするならば、日米安保そのものに欠陥があるのであり、改定を米側に提起するのが筋だろう。
米国の顔色をうかがい、国民の意向を無視して配備計画に唯々諾々と従うだけならば、主権国家とも民主主義国家とも言えない。
野田政権は配備強行で自らが日米関係の破壊者たらんとしていることを強く認識すべきだ。
(「オスプレイ陸揚げ/国民を脅かし安保か 日米関係破壊する愚行」(7/24))
・・
私には琉球新報の方が正論を述べているように思えるが、読者はどう考えるだろう。
・・・
・新山口知事に直接理解求める オスプレイ配備で防衛相 (日経)
「森本敏防衛相は30日午前、山口県知事選(29日投開票)で山本繁太郎氏が当選したことを受け、米軍岩国基地(山口県)で実施する予定の垂直離着陸輸送機オスプレイの試験飛行について直接会って理解を求める考えを示した・・・。両政府は安全性を確認した後、早ければ8月下旬にも岩国基地で試験飛行をする考え」
・オスプレイ配備 森本防衛相「米の言いなりになってはならない」(FNN)
森本防衛相(29日朝のフジテレビ「新報道2001」にて)。「アメリカの言いなりになるということであってもいけない。日本が飛行の安全について責任を持つという姿勢は、国民にきちっと示さないといけない」と述べ、25日に立ち上げた調査チームなどで、安全性の確認を独自に行う姿勢を強調。
さらに、オスプレイの配備が日本周辺での抑止力の向上につながるとの認識を示したうえで、「飛行の安全性を確保しながら、アメリカ軍に能力向上のためのシステムを根づかせていくかが、これからの課題」と述べた。また、8月のアメリカ訪問の際に検討されているオスプレイの試乗について、固定翼から回転翼への「転換が行われるときに、どのように安定的に飛行するのかを自分で体験したい」と、強い意欲を示した。
↓
当然のことだが、「調査チーム」による「事故調査」の結果は、すでに結論が出ている米国側の調査結果の追認に終わる、なんてことはありえないはずだ。「調査」をどのように行うのか、つまり米国が発表する事故調査報告の分析・検証を日本の「チーム」がどのような調査活動によって行うのかは不明だが、米国の調査報告から「独立」した、日本の「主体的」な事故の分析結果を、私個人は非常に楽しみにしている。東大名誉教授の「助言」についても、その内容が公表される日をわくわくしながら待っている。「チーム」の今後の活動に注目したい。
・オスプレイ:「操縦士ミス」と結論(沖縄タイムス)
「米軍当局がモロッコで起きた米海兵隊の垂直離着陸輸送機MV22オスプレイの墜落事故についてまとめた調査報告書で、原因を飛行経験の浅い副操縦士の判断ミスによるものと結論付けていたことが27日までに分かった。内容は近く日本政府に通達される見通し・・・。米側は6月に「機体に問題はなかった」と正式に発表。人為的ミスが原因との見解を日本側に非公式に伝えている・・・」
・オスプレイ:米、低空飛行訓練は計画通り
「米国防総省のリトル報道官は26日の記者会見で、・・・オスプレイの低空飛行訓練について「変更があったとは聞いていない」と述べ、計画通り実施する考えを示した・・・。」
「報道官はオスプレイの安全性について「良好な飛行記録を持つ」と重ねて表明。「海兵隊の部隊で重要な役割を担っている」と強調し、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)配備の必要性を指摘」(共同)
・配備中止 連帯訴え 全国都道府県議長会(沖縄タイムス)
【東京】県議会の喜納昌春議長は25日、都内で開かれた全国都道府県議会議長会(会長・山本教和三重県議会議長)の定例総会に出席し、沖縄に配備予定の垂直離着陸輸送機MV22オスプレイについて、日本全国の問題としてとらえ、配備反対の意見書を各議会で決議するなどの協力を呼び掛けた。
これを受け、徳島県議会の樫本孝議長は、同機の低空飛行訓練に懸念を示し、同議長会として緊急決議を行うことを提案した。
喜納氏は、相次ぐオスプレイの事故の原因究明や説明もなく県民の頭越しの配備は、県民の生命や生活環境を守る立場から断じて許すことはできないと訴えた。配備後の低空飛行訓練が全国に及ぶことから「沖縄県だけの問題ではなく、日本全国でしっかり受け止める問題と考える」と述べ、各議会の支援を求めた。
樫本氏は、徳島県議会では低空飛行の中止を求める意見書を可決したと述べ、「住民の事故に対する危機感や生活被害の懸念はこれまで以上に非常に強くなってきている」と緊急決議を提案。8月7日開催予定の四国ブロックの正副議長会でも、低空飛行訓練の中止を求めて緊急アピールを提案するとして、各議会にも積極的な取り組みを求めた。
議長会事務局によると、各ブロック議長会の動きに応じて、役員会の開催が検討されるという。
2012年7月25日水曜日
7月武器貿易条約(ATT)交渉会議・報告会
★★7月武器貿易条約(ATT)交渉会議・報告会★★
【概要】
2012年7月2日(月)から27日(金)まで、ニューヨーク国連本部にて、武器貿易条約(ATT)交渉会議が開催されています(ました)。この報告会は、7月交渉会議に至る全ての準備委員会に参加し、7月交渉会議に4週間参加している日本のNGO関係者が、様々なNGOによる記録等を分析し、会議の経緯や結果を報告します。皆様のご参加をお待ちしております。
【テーマ】武器貿易条約(ATT):7月交渉会議の経緯と結果
【報告者】夏木碧(オックスファム・ジャパン ポリシーオフィサー)
【討論者】佐藤丙午(拓殖大学海外事情研究所)
【日時】2012年8月7日(火)19時00分から(18:30開場)
【場所】拓殖大学海外事情研究所 F館301教室
【住所】〒112-8585東京都文京区小日向3-4-14
【地図】アクセスhttp://www.takushoku-u.ac.jp/map/bunkyo/acc.html
(東京メトロ丸の内線茗荷谷駅下車徒歩5分)
キャンパス内マップ http://www.takushoku-u.ac.jp/map/bunkyo/map_b.html
【主催】「武器と市民社会」研究会
【参加費】無料
【参加方法】-事前登録制
8月6日(月)迄に、下記の宛先にEメールでお申込ください。
宛先:「武器と市民社会」研究会事務局 aacs_seminar@oxfam.jp
メール件名を「研究会参加申込」とし、メール本文に①お名前②ご所属をご記入のうえ、当研究会からの登録確認のメールを受信いただけるメールアドレスからお送りください。※定員(80人)に達した時点で締め切りとさせていただきます。
「武器と市民社会」研究会 事務局 (担当:夏木碧)
http://aacs.blog44.fc2.com/
・・・
7/28
・武器貿易条約:草案に合意できず閉幕 国連会議(毎日)
「・・・武器貿易条約(ATT)国連会議は最終日の27日、参加193カ国の交渉が決裂、条約草案に合意できないまま閉幕」
「輸出国、輸入国とも意見の隔たりが埋まらず、06年の国連総会決議を受けて始まった条約作りの取り組みは終了」
「今秋以降、国連総会で次の交渉の枠組みが検討される」
・武器貿易条約:国連会議が難航…草案に「弱すぎ」批判
【ニューヨーク草野和彦】 通常兵器の移転に関する初の国際ルール作りを目指す武器貿易条約(ATT)国連会議は24日、モリタン議長が会議開始以来初めてとなる条約草案を各国に配布した。27日の会議最終日まで3日間しかない中で、対象となる武器などを巡る推進派と慎重派の国々の隔たりは依然として大きい。会議参加者からは時間切れを危惧する声も出ており、国連総会などに交渉の場を移す「次の手段」が現実味を帯びつつある。
草案で、規制対象となる通常兵器として明示されたのは、戦車や攻撃ヘリコプターなど7種類の大型兵器と小型兵器。弾薬や武器の部品は含まれず、各国の裁量となっている。
「禁止される移転」は、武器禁輸など国連安保理制裁決議に違反する場合や、戦争犯罪や大量虐殺を意図的に促す場合に限定。国際人道法や国際人権法の重大な違反は移転許可の判断基準として挙げられているが、判断の仕方に関する表現が曖昧で、輸出国の裁量の余地が大きくなる可能性がある。
草案は慎重派を含む会議参加国の合意形成を重視したためか、NGO(非政府組織)の集合体「コントロール・アームズ」が24日の声明で「弱すぎる」と批判する内容となった。また推進派のドイツも「弾薬を含むべきだ」との声明を出した。
会議参加国は現在、4グループに大別される。
推進派のうちドイツなど欧州、中南米、アフリカの計74カ国は20日、「強い条約」を求める声明に署名。
同じ推進派の英国や日本のほか、世界最大の武器輸出国の米国は声明に署名しなかった。政府筋は草案について「足りない部分もあるが、よくここまでこぎ着けた」と一定の評価をする。
一方、慎重派の中でもイラン、シリア、北朝鮮、エジプト、キューバなどは、条約そのものを望んでいないとされる。(→もう少し説明が必要だ)
武器輸出大国のロシア、中国は人権や人道への言及に難色を示している。 今会議は各国の合意が原則だが、国連総会は多数決。「年内には条約が成立するだろう」(NGO関係者)と長期戦を覚悟する声も出ている。(毎日)
・・・
・「シリアに解放区を」 米長官 反体制派の支援言及(東京新聞)
クリントン。「反体制派がさらに広範囲の領土を支配下に置けば、シリア国内に安全地帯ができる」「事態の推移は速くなっている。反体制派との連携を緊密にしなくてはならない」
・「シリア軍 化学兵器移動」 反体制派証言(東京新聞)
「・・・シリア外務省のマクディシ報道官は二十三日、化学兵器の保有を事実上認め「外部からの侵略には使える」と述べて外国の軍事介入を強くけん制した。
シリアから亡命したファレス前駐イラク大使は今月、「政権は崩壊寸前に追い込まれれば反体制派に化学兵器を使用する恐れがある」と警告している。 ロイター通信によると、シリアは化学兵器禁止条約の署名国でなく、マスタードガスやサリンなどの保有が取り沙汰されている。 緊張関係にある隣国イスラエルのバラク国防相は今月二十日、シリアの化学兵器などが、対立するヒズボラに渡らないよう、必要に応じて軍事活動を検討する考えを示した・・・。」
【概要】
2012年7月2日(月)から27日(金)まで、ニューヨーク国連本部にて、武器貿易条約(ATT)交渉会議が開催されています(ました)。この報告会は、7月交渉会議に至る全ての準備委員会に参加し、7月交渉会議に4週間参加している日本のNGO関係者が、様々なNGOによる記録等を分析し、会議の経緯や結果を報告します。皆様のご参加をお待ちしております。
【テーマ】武器貿易条約(ATT):7月交渉会議の経緯と結果
【報告者】夏木碧(オックスファム・ジャパン ポリシーオフィサー)
【討論者】佐藤丙午(拓殖大学海外事情研究所)
【日時】2012年8月7日(火)19時00分から(18:30開場)
【場所】拓殖大学海外事情研究所 F館301教室
【住所】〒112-8585東京都文京区小日向3-4-14
【地図】アクセスhttp://www.takushoku-u.ac.jp/map/bunkyo/acc.html
(東京メトロ丸の内線茗荷谷駅下車徒歩5分)
キャンパス内マップ http://www.takushoku-u.ac.jp/map/bunkyo/map_b.html
【主催】「武器と市民社会」研究会
【参加費】無料
【参加方法】-事前登録制
8月6日(月)迄に、下記の宛先にEメールでお申込ください。
宛先:「武器と市民社会」研究会事務局 aacs_seminar@oxfam.jp
メール件名を「研究会参加申込」とし、メール本文に①お名前②ご所属をご記入のうえ、当研究会からの登録確認のメールを受信いただけるメールアドレスからお送りください。※定員(80人)に達した時点で締め切りとさせていただきます。
「武器と市民社会」研究会 事務局 (担当:夏木碧)
http://aacs.blog44.fc2.com/
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・武器貿易条約:草案に合意できず閉幕 国連会議(毎日)
「・・・武器貿易条約(ATT)国連会議は最終日の27日、参加193カ国の交渉が決裂、条約草案に合意できないまま閉幕」
「輸出国、輸入国とも意見の隔たりが埋まらず、06年の国連総会決議を受けて始まった条約作りの取り組みは終了」
「今秋以降、国連総会で次の交渉の枠組みが検討される」
・武器貿易条約:国連会議が難航…草案に「弱すぎ」批判
【ニューヨーク草野和彦】 通常兵器の移転に関する初の国際ルール作りを目指す武器貿易条約(ATT)国連会議は24日、モリタン議長が会議開始以来初めてとなる条約草案を各国に配布した。27日の会議最終日まで3日間しかない中で、対象となる武器などを巡る推進派と慎重派の国々の隔たりは依然として大きい。会議参加者からは時間切れを危惧する声も出ており、国連総会などに交渉の場を移す「次の手段」が現実味を帯びつつある。
草案で、規制対象となる通常兵器として明示されたのは、戦車や攻撃ヘリコプターなど7種類の大型兵器と小型兵器。弾薬や武器の部品は含まれず、各国の裁量となっている。
「禁止される移転」は、武器禁輸など国連安保理制裁決議に違反する場合や、戦争犯罪や大量虐殺を意図的に促す場合に限定。国際人道法や国際人権法の重大な違反は移転許可の判断基準として挙げられているが、判断の仕方に関する表現が曖昧で、輸出国の裁量の余地が大きくなる可能性がある。
草案は慎重派を含む会議参加国の合意形成を重視したためか、NGO(非政府組織)の集合体「コントロール・アームズ」が24日の声明で「弱すぎる」と批判する内容となった。また推進派のドイツも「弾薬を含むべきだ」との声明を出した。
会議参加国は現在、4グループに大別される。
推進派のうちドイツなど欧州、中南米、アフリカの計74カ国は20日、「強い条約」を求める声明に署名。
同じ推進派の英国や日本のほか、世界最大の武器輸出国の米国は声明に署名しなかった。政府筋は草案について「足りない部分もあるが、よくここまでこぎ着けた」と一定の評価をする。
一方、慎重派の中でもイラン、シリア、北朝鮮、エジプト、キューバなどは、条約そのものを望んでいないとされる。(→もう少し説明が必要だ)
武器輸出大国のロシア、中国は人権や人道への言及に難色を示している。 今会議は各国の合意が原則だが、国連総会は多数決。「年内には条約が成立するだろう」(NGO関係者)と長期戦を覚悟する声も出ている。(毎日)
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・「シリアに解放区を」 米長官 反体制派の支援言及(東京新聞)
クリントン。「反体制派がさらに広範囲の領土を支配下に置けば、シリア国内に安全地帯ができる」「事態の推移は速くなっている。反体制派との連携を緊密にしなくてはならない」
・「シリア軍 化学兵器移動」 反体制派証言(東京新聞)
「・・・シリア外務省のマクディシ報道官は二十三日、化学兵器の保有を事実上認め「外部からの侵略には使える」と述べて外国の軍事介入を強くけん制した。
シリアから亡命したファレス前駐イラク大使は今月、「政権は崩壊寸前に追い込まれれば反体制派に化学兵器を使用する恐れがある」と警告している。 ロイター通信によると、シリアは化学兵器禁止条約の署名国でなく、マスタードガスやサリンなどの保有が取り沙汰されている。 緊張関係にある隣国イスラエルのバラク国防相は今月二十日、シリアの化学兵器などが、対立するヒズボラに渡らないよう、必要に応じて軍事活動を検討する考えを示した・・・。」
フェスティバルFUKUSHIMA! 2012
フェスティバルFUKUSHIMA! 2012
2012年、今年の『フェスティバルFUKUSHIMA!』は8月15日から26日までの12日間、福島県内のみならず、国内・海外各所での100を超えるフェスティバルの同時多発開催を目指します。
フェスと言っても個人で出来るようなささやかなものから、いくつものバンドが出るような大きなフェスまで、音楽以外にも、アート、演劇、映画、ダンス、パフォーマンスといった様々な表現、対話やトークセッション、シンポジウムやスクールまで、形にはこだわりません。
今年のテーマは「旗」。タイトルは『Flags Across Borders』(旗は境界を越えて)です。
Fukushimaをめぐっては、これまで多くの人びとが対立し、自分の「旗」を立ててきたように思います。でも、そんな旗という旗を一堂にはためかせたらどうなるでしょう。わたしたちは想像します。無数の旗は立場の違い、境界線、国境を越え、わたしたちを結びつけてしまうのではないかと。
同時多発的に展開されるフェス、無数の旗、これらによって何が起きるのか、やってみようじゃありませんか。
「未来はわたしたちの手で」。これは昨年同様わたしたちの変わらぬ思いです。
この思いに、みなさんが自分の思いを重ねてゆくことでより大きな広がりとなりますことを。
////////
福島駅前や四季の里の放射線の問題についてのわたしたちの考え方
福島市の駅前の野外の放射線量は0.5~1μSv/毎時程度。 これは福島第一原発事故前の数倍~十数倍程度の線量です。
四季の里は0.2~0.6μSv/毎時程度。これも決して自然の状態ではありません。そして、ここに多くの人を集めることに賛否があるのも事実です。わたしたちも「安全」という言葉は使いません。
そのようなときに、ここには来たくないと思う人がいるのも事実だと思います。わたしたちはその気持ちを否定するつもりはありません。怖いものは、誰になにを言われようと怖いですし、リスクを減らしたいと思うのは当然の気持ちであると思います。わたしたちは、実際にFukushimaに来るかどうかが一番大切なことではないと思います。Fukushimaという場所を超えて、人びとの輪が広がってゆくことを望んでいるのですから。
ただ、もしFukushimaのことを思ってくださるのであれば、忘れないでいてほしいことがあります。それは、ここで暮らしている大勢の人たちがいること。そして、日常をおくる中で、自分たちが置かれている現実を充分に理解した上で、この現実に立ち向かおうとしているということをです。
放射線の問題をどのように考えるにせよ、Fukushimaに来るということは、そのような人たちに会いに来るということなのです。
・・・
⇒「復興元年」第34回ふくしま花火大会(8月11日)
⇒東北の花火カレンダー
2012年、今年の『フェスティバルFUKUSHIMA!』は8月15日から26日までの12日間、福島県内のみならず、国内・海外各所での100を超えるフェスティバルの同時多発開催を目指します。
フェスと言っても個人で出来るようなささやかなものから、いくつものバンドが出るような大きなフェスまで、音楽以外にも、アート、演劇、映画、ダンス、パフォーマンスといった様々な表現、対話やトークセッション、シンポジウムやスクールまで、形にはこだわりません。
今年のテーマは「旗」。タイトルは『Flags Across Borders』(旗は境界を越えて)です。
Fukushimaをめぐっては、これまで多くの人びとが対立し、自分の「旗」を立ててきたように思います。でも、そんな旗という旗を一堂にはためかせたらどうなるでしょう。わたしたちは想像します。無数の旗は立場の違い、境界線、国境を越え、わたしたちを結びつけてしまうのではないかと。
同時多発的に展開されるフェス、無数の旗、これらによって何が起きるのか、やってみようじゃありませんか。
「未来はわたしたちの手で」。これは昨年同様わたしたちの変わらぬ思いです。
この思いに、みなさんが自分の思いを重ねてゆくことでより大きな広がりとなりますことを。
////////
福島駅前や四季の里の放射線の問題についてのわたしたちの考え方
福島市の駅前の野外の放射線量は0.5~1μSv/毎時程度。 これは福島第一原発事故前の数倍~十数倍程度の線量です。
四季の里は0.2~0.6μSv/毎時程度。これも決して自然の状態ではありません。そして、ここに多くの人を集めることに賛否があるのも事実です。わたしたちも「安全」という言葉は使いません。
そのようなときに、ここには来たくないと思う人がいるのも事実だと思います。わたしたちはその気持ちを否定するつもりはありません。怖いものは、誰になにを言われようと怖いですし、リスクを減らしたいと思うのは当然の気持ちであると思います。わたしたちは、実際にFukushimaに来るかどうかが一番大切なことではないと思います。Fukushimaという場所を超えて、人びとの輪が広がってゆくことを望んでいるのですから。
ただ、もしFukushimaのことを思ってくださるのであれば、忘れないでいてほしいことがあります。それは、ここで暮らしている大勢の人たちがいること。そして、日常をおくる中で、自分たちが置かれている現実を充分に理解した上で、この現実に立ち向かおうとしているということをです。
放射線の問題をどのように考えるにせよ、Fukushimaに来るということは、そのような人たちに会いに来るということなのです。
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⇒「復興元年」第34回ふくしま花火大会(8月11日)
⇒東北の花火カレンダー
2012年7月24日火曜日
オスプレイを飛ばさせないために知っておきたい2、3の情報
オスプレイを飛ばさせないために知っておきたい2、3の情報
1
「きちんと安全性が確保されるまで日本での飛行は行わない、そういう方針で臨みます」。
昨日の野田首相の言葉である。そう首相が断言したのを聞いて、少し安心した。
オスプレイの「安全性」は「確保」されようがないから、日本での飛行も行われないことになるからだ。
野田首相はさらに、日本が「主体的」に事故原因の究明を行う、とも言った。
具体的には、米国側が8月までにまとめる予定の、4月と6月にあったオスプレイの事故調査報告を分析する「専門家チーム」を発足させるという。チームは、黒江哲郎防衛政策局次長をチーム長に、自衛隊パイロット、国土交通省幹部、防衛大学校教授、東大教授ら15人程度で構成されるという。 早ければ今週中にも米国に派遣し、米国側の調査状況を確認するらしい。
・・
・オスプレイ:安全評価チーム初会合…8月上旬にも米に派遣(毎日、7/25)
森本敏防衛相。「我が国として独自に事故を分析・評価する必要がある。一番大事なことは国民にどのようにオスプレイの安全性を理解し、認識していただくかだ」と述べた。→不可能である。
チームのメンバーは防衛省幹部や自衛隊ヘリのパイロットら計12人。 「外部有識者」として
▽河内啓二東京大名誉教授(航空宇宙工学)
▽長島知有防衛大名誉教授(航空機力学)
▽川勝弘彦・国土交通省航空機安全課長−−の3人から助言を受ける。→どのような「助言」?
・・
2
「オスプレイの安全性は確保されようがない」という点について、いくつか情報を紹介しておこう。
一つは、Time誌の記事、V-22 Osprey: A Flying Shame(Sept.26, 2007)――「V-22型オスプレイ: 空飛ぶ恥」である(この記事の日本語版の有無については未確認)。
極めつけは、オスプレイは低空・低速飛行をしているときがもっとも危険だと解説しているこのページ。Time誌は、オスプレイの軍事的価値・有用性をいっさい認めていないようだ。
もう一つは、WiredのAir Force Shoots Down Investigation Into Deadly Crash(米空軍、オスプレイの事故調査結果を隠ぺい)の他、このページのSee Also以下にあるオスプレイ関連の記事である。Wired Japanが、オリジナルサイトに掲載されているオスプレイ関連の多数の記事を翻訳し、広く配信することが期待される。
一方、Wired Japanが翻訳しているオスプレイ関連の記事は「助成金ばらまきにすぎない? 米国の兵器開発プログラム」くらいしか見当たらなかった。
・・
460億ドルの予算を投じながら墜落事故を繰り返したヘリコプター『V-22オスプレイ』の開発計画とともに、1992年には国防長官だったディック・チェイニー氏によって中止されかけたが、2002年には現政権で副大統領を務めるチェイニー氏の支持で復活の運びとなった。
「米国の軍・産・議会システムは、膨張し、腐敗し、説明責任を忘れ、恒久的な平和のために永遠に戦争状態を保つ、という政策によって繁栄している」と語るのは、超党派のシンクタンク『インディペンデント研究所』のデビッド・セロー所長。
「兵器の調達システムは、需要や説明責任と結びついていないのが現実だ……主として議員の選挙区、防衛官僚、軍需産業のための助成金制度なのだ。計画が時代遅れになれば、別の似たようなシステムに差し替える。現実の防衛計画に間に合わないこともあれば、予算をオーバーすることもあるが、その理由をきちんと説明してくれる人間はいない」
『全米納税者組合』のピーター・セップ副代表(広報担当)は、民間の専門家が兵器プロジェクトの実用性を査定すべきだと話す・・・。
・・
ともあれ、こうして英語で読める情報に接すると、ペンタゴンや海兵隊が垂れ流す情報を鵜呑みにし、尖閣諸島や南西諸島の「防衛」のためにオスプレイ配備が必要だという日本の軍事「専門家」と呼ばれている人々の「情報」のレベル、その質の低さが明白になるだろう。
翻訳できる人は翻訳し、できない人はそのままで、沖縄・岩国を始め飛行ルート予定になっている各地に情報を広めよう。
・・・
・オスプレイの「安全性」巡り、26日に局長級で日米合同委員会を第一回会議を開催
・「結論については、アメリカが普天間基地での運用開始を予定している10月までに出す考え」。
・森本防衛大臣。「普天間基地に離着陸する際のルート変更なども協議したい考え」。
・ 国民新党・下地幹事長:「今ごろ、オスプレイの搬入が終わってから日米合同委員会をやるのは、バカの骨頂」。「本来はオスプレイがアメリカを出港する前に委員会を開くべきだったと、政府の対応の遅れを批判」。
・60メートル低空飛行訓練も オスプレイで米軍
米軍が垂直離着陸輸送機MV22オスプレイ配備後に本州、四国、九州で計画する低空飛行訓練を、地上60メートルの低さでも実施を想定していることが24日、分かった。訓練は中国山地を東西に横断するとみられるルートでも予定している。米軍側が、日本政府に提出した文書や共同通信の取材に対し明らかにした。 日本国内を広い範囲で低空を飛ぶ実態があらためて浮き彫りになり、各地で訓練の危険性に懸念が強まりそうだ。
低空飛行訓練の高度は、米軍が日本での運用に向けて作成した環境審査報告書の添付資料に明記された。(共同)
・オスプレイ陸揚げ/国民を脅かし安保か 日米関係破壊する愚行(琉球新報)
「・・・米側は、普天間飛行場返還で日米が合意した1996年の段階でオスプレイの配備計画を通達していたが、日本政府は一貫して「聞いていない」と否定。2010年9月に米海兵隊の航空計画で普天間配備が明記された段階でも、防衛省は「あくまでも海兵隊の計画で米国政府全体のものではない」とひた隠しにした。
日本政府がオスプレイ配備を沖縄側に伝えたのは11年5月になってからだ。県はこの間、安全性への懸念から配備に反対し、政府に詳細な説明を求めてきたが、一顧だにされなかった・・・」
・知事上京し抗議へ 防衛政策協力見直しも示唆(山口新聞)
「二井関成知事は23日、オスプレイの岩国基地陸揚げを受け、「スケジュールありきの先行搬入で、怒りを覚えると同時に政府に対し不信感が募っている」と憤った。駐機が長期になれば、在日米軍再編に伴う空母艦載機の受け入れなど防衛政策に協力する立場を考え直す可能性を示唆した・・・」
⇒The V-22 Scandal(オスプレイ・スキャンダル)
・・・
・原発事故の告訴・告発20件、検察当局が受理へ(読売)
「・・・これまで全国の地検に提出された告訴・告発は計約20件に上る。6月には福島県の住民約1300人が、東電の旧経営陣らについて業務上過失致死傷容疑などでの告訴・告発状を福島地検に提出した・・・。東京地検が中心となって福島地検などと連携して捜査する見通しだ・・・。」
1
「きちんと安全性が確保されるまで日本での飛行は行わない、そういう方針で臨みます」。
昨日の野田首相の言葉である。そう首相が断言したのを聞いて、少し安心した。
オスプレイの「安全性」は「確保」されようがないから、日本での飛行も行われないことになるからだ。
野田首相はさらに、日本が「主体的」に事故原因の究明を行う、とも言った。
具体的には、米国側が8月までにまとめる予定の、4月と6月にあったオスプレイの事故調査報告を分析する「専門家チーム」を発足させるという。チームは、黒江哲郎防衛政策局次長をチーム長に、自衛隊パイロット、国土交通省幹部、防衛大学校教授、東大教授ら15人程度で構成されるという。 早ければ今週中にも米国に派遣し、米国側の調査状況を確認するらしい。
・・
・オスプレイ:安全評価チーム初会合…8月上旬にも米に派遣(毎日、7/25)
森本敏防衛相。「我が国として独自に事故を分析・評価する必要がある。一番大事なことは国民にどのようにオスプレイの安全性を理解し、認識していただくかだ」と述べた。→不可能である。
チームのメンバーは防衛省幹部や自衛隊ヘリのパイロットら計12人。 「外部有識者」として
▽河内啓二東京大名誉教授(航空宇宙工学)
▽長島知有防衛大名誉教授(航空機力学)
▽川勝弘彦・国土交通省航空機安全課長−−の3人から助言を受ける。→どのような「助言」?
・・
2
「オスプレイの安全性は確保されようがない」という点について、いくつか情報を紹介しておこう。
一つは、Time誌の記事、V-22 Osprey: A Flying Shame(Sept.26, 2007)――「V-22型オスプレイ: 空飛ぶ恥」である(この記事の日本語版の有無については未確認)。
極めつけは、オスプレイは低空・低速飛行をしているときがもっとも危険だと解説しているこのページ。Time誌は、オスプレイの軍事的価値・有用性をいっさい認めていないようだ。
もう一つは、WiredのAir Force Shoots Down Investigation Into Deadly Crash(米空軍、オスプレイの事故調査結果を隠ぺい)の他、このページのSee Also以下にあるオスプレイ関連の記事である。Wired Japanが、オリジナルサイトに掲載されているオスプレイ関連の多数の記事を翻訳し、広く配信することが期待される。
一方、Wired Japanが翻訳しているオスプレイ関連の記事は「助成金ばらまきにすぎない? 米国の兵器開発プログラム」くらいしか見当たらなかった。
・・
460億ドルの予算を投じながら墜落事故を繰り返したヘリコプター『V-22オスプレイ』の開発計画とともに、1992年には国防長官だったディック・チェイニー氏によって中止されかけたが、2002年には現政権で副大統領を務めるチェイニー氏の支持で復活の運びとなった。
「米国の軍・産・議会システムは、膨張し、腐敗し、説明責任を忘れ、恒久的な平和のために永遠に戦争状態を保つ、という政策によって繁栄している」と語るのは、超党派のシンクタンク『インディペンデント研究所』のデビッド・セロー所長。
「兵器の調達システムは、需要や説明責任と結びついていないのが現実だ……主として議員の選挙区、防衛官僚、軍需産業のための助成金制度なのだ。計画が時代遅れになれば、別の似たようなシステムに差し替える。現実の防衛計画に間に合わないこともあれば、予算をオーバーすることもあるが、その理由をきちんと説明してくれる人間はいない」
『全米納税者組合』のピーター・セップ副代表(広報担当)は、民間の専門家が兵器プロジェクトの実用性を査定すべきだと話す・・・。
・・
ともあれ、こうして英語で読める情報に接すると、ペンタゴンや海兵隊が垂れ流す情報を鵜呑みにし、尖閣諸島や南西諸島の「防衛」のためにオスプレイ配備が必要だという日本の軍事「専門家」と呼ばれている人々の「情報」のレベル、その質の低さが明白になるだろう。
翻訳できる人は翻訳し、できない人はそのままで、沖縄・岩国を始め飛行ルート予定になっている各地に情報を広めよう。
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・オスプレイの「安全性」巡り、26日に局長級で日米合同委員会を第一回会議を開催
・「結論については、アメリカが普天間基地での運用開始を予定している10月までに出す考え」。
・森本防衛大臣。「普天間基地に離着陸する際のルート変更なども協議したい考え」。
・ 国民新党・下地幹事長:「今ごろ、オスプレイの搬入が終わってから日米合同委員会をやるのは、バカの骨頂」。「本来はオスプレイがアメリカを出港する前に委員会を開くべきだったと、政府の対応の遅れを批判」。
・60メートル低空飛行訓練も オスプレイで米軍
米軍が垂直離着陸輸送機MV22オスプレイ配備後に本州、四国、九州で計画する低空飛行訓練を、地上60メートルの低さでも実施を想定していることが24日、分かった。訓練は中国山地を東西に横断するとみられるルートでも予定している。米軍側が、日本政府に提出した文書や共同通信の取材に対し明らかにした。 日本国内を広い範囲で低空を飛ぶ実態があらためて浮き彫りになり、各地で訓練の危険性に懸念が強まりそうだ。
低空飛行訓練の高度は、米軍が日本での運用に向けて作成した環境審査報告書の添付資料に明記された。(共同)
・オスプレイ陸揚げ/国民を脅かし安保か 日米関係破壊する愚行(琉球新報)
「・・・米側は、普天間飛行場返還で日米が合意した1996年の段階でオスプレイの配備計画を通達していたが、日本政府は一貫して「聞いていない」と否定。2010年9月に米海兵隊の航空計画で普天間配備が明記された段階でも、防衛省は「あくまでも海兵隊の計画で米国政府全体のものではない」とひた隠しにした。
日本政府がオスプレイ配備を沖縄側に伝えたのは11年5月になってからだ。県はこの間、安全性への懸念から配備に反対し、政府に詳細な説明を求めてきたが、一顧だにされなかった・・・」
・知事上京し抗議へ 防衛政策協力見直しも示唆(山口新聞)
「二井関成知事は23日、オスプレイの岩国基地陸揚げを受け、「スケジュールありきの先行搬入で、怒りを覚えると同時に政府に対し不信感が募っている」と憤った。駐機が長期になれば、在日米軍再編に伴う空母艦載機の受け入れなど防衛政策に協力する立場を考え直す可能性を示唆した・・・」
⇒The V-22 Scandal(オスプレイ・スキャンダル)
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・原発事故の告訴・告発20件、検察当局が受理へ(読売)
「・・・これまで全国の地検に提出された告訴・告発は計約20件に上る。6月には福島県の住民約1300人が、東電の旧経営陣らについて業務上過失致死傷容疑などでの告訴・告発状を福島地検に提出した・・・。東京地検が中心となって福島地検などと連携して捜査する見通しだ・・・。」
2012年7月20日金曜日
原子力規制委員会の布陣
原子力規制委員会の布陣
「原子力規制委員会」の人事案が明らかになった。
・委員長
田中俊一・高度情報科学技術研究機構顧問(67)
・委員
中村佳代子・日本アイソトープ協会プロジェクトチーム主査(62)、
更田(ふけた)豊志・日本原子力研究開発機構 原子力基礎工学研究部門副部門長(54)
大島賢三・元外務官僚・国連大使(69)
島崎邦彦・地震予知連絡会会長(66)
任期は委員長の田中氏が5年、中村、更田両氏が3年、大島、島崎両氏が2年。
今日、国会でこの人事案が提示され、衆参両院での同意→首相による任命となる。一部では、「原子力ムラ」と「しがらみのない実務派」(読売)とのフレコミだが、果たしてそう言えるのかどうか。(田中俊一氏については「東海村の「原子力センター」構想」で「略歴」などを紹介しているのでそちらを参照してほしい。)
規制委員会の人事決定の手続きに関しては、衆参両院に委員全員が参加し、「原子力規制」の在り方をめぐる各人の見解を述べ、それをメディアで公開するといったガラス張りの「公聴会」的な制度を導入することが必要だ。たとえば、大飯の再稼働についてどのような見解を持っているのか、日本の「原子力行政」についてどのようなビジョンを持っているか、等々。
必ずしも脱原発派である必要はないが、原発推進派や「脱原発は非現実的」派でも困るだろう。 国会でどのような「審議」がされるか、注目しよう。
なお、原子力規制委員会が、「原子力ムラ」の原子力行政を規制できない(権限/権原を持たない)法的根拠については、「原子力規制庁の正体」を参照してほしい。 たとえば、「野田政権が大飯の再稼働を決定したときに、「それはできないですよ」と主張し、再稼働の政治決定を覆せるような権原と権限」がなければ、政府からの「独立性」など何も担保されたことにならない。
設置法的にみた場合、規制庁・規制委員会は、現行の原子力委員会や安全委員会と何ら変わらない国家行政組織の延長機関に過ぎない、というのが私の主張である。だまされては、いけない。
・・
・北陸電「廃炉の可能性全くない」 副社長が安全性強調
「北陸電力の堀祐一副社長兼原子力本部長は19日、金沢市内で記者会見し、活断層の可能性が指摘された志賀原発1号機(石川県志賀町)の原子炉建屋直下にある断層に関し「(原発の)耐震安全上、問題となるものではない」と従来の主張を繰り返し「立地不適格、廃炉の可能性は全くないと考えている」と述べた・・・」(共同通信)
↓
だから、たしかに原子力行政の「縦割り構造」は解体しないとどうしようもないが、北電・石川県・政府が何を言おうと、「志賀原発1号機は廃炉ですよ」と規制委員会として言えるかどうか、が〈問題〉なのである。委員会は、再稼働基準もさることながら、「廃炉基準」の策定に向けた作業を発足と同時に進めるべきである。
・・
読売新聞電子版によると、上の人事案がリークされたことで自民党が「反発」し、国会への提示が「見送り」になったようだ。 野田内閣は、案そのものは変えず、提示時期を遅らせる模様。
7/26
野田政権は今日、衆参両院の議院運営委員会合同代表者会議に、当初案通りの規制委員会国会同意人事案を提示した。
8月上旬にも衆参両院本会議でそれぞれ採決される見通し。
7/25
・規制委員長 田中氏起用撤回を 脱原発派議員(東京新聞)
・規制委人事案を批判=「原発推進の宣戦布告」大学教授ら
新設される原子力規制委員会の初代委員長に、元原子力委員会委員長代理の田中俊一氏を起用するなどとした政府の人事案について、国会議員や大学教授、NGO関係者らが24日、東京都内で記者会見し、「原発推進の宣戦布告だ」などと批判した。
慶応大の金子勝教授は、田中氏の起用が一部で「脱原子力ムラ人事」と報道されたことに対し、「驚いている」と話した。委員候補に脱原発派がほとんどいないと指摘し、「理性が働かなくなっている」と政府を批判した。 会見には、福島県双葉町の井戸川克隆町長も参加。「細野豪志原発事故担当相は、事故が収束したと発言した。そんな大臣が人選をするなんてとんでもない」と怒りをあらわにした。(時事)
7/21
・原子力規制委 選考過程が見えないのは
「・・・公募する手もあったかもしれない。候補者が複数ならば公開で議論をしてもらい、適任者を見つける。そんな手間暇をかけていては9月発足はおぼつかない。政府はそう考えたのだろう。 だが、どうか。私たちは以前、規制委が国民の信頼を得るには情報の公開と手続きの透明性の確保が欠かせない、と書いた。政府の手法は最善だったろうか・・・」(西日本新聞・社説)
・規制委員候補、日本原電から報酬 原子力機構の更田氏
「・・・日本原子力研究開発機構の更田豊志副部門長(54)が、2003年から昨年までのほぼ毎年、日本原子力発電(日本原電)から年数万円の報酬を受け取っていたことが20日、分かった。最大年10万円程度で、総額は数十万円に上るという。・・・・政府は規制委の委員に関し、就任前の3年間に同一の原子力事業者から一定額(年50万円程度)以上の報酬を受け取った人物は除外する基準を設けたが、原子力安全規制組織等改革準備室は今回のケースが「基準には抵触しない」としている。(共同)
・線量計に鉛板、東電下請けが指示 原発作業で被曝偽装
「東京電力が発注した福島第一原発の復旧工事で、下請け会社の役員が昨年12月、厚さ数ミリの鉛のカバーで放射線の線量計を覆うよう作業員に指示していたことがわかった。法令で上限が決まっている作業員の被曝(ひばく)線量を少なく見せかける偽装工作とみられる。朝日新聞の取材に、複数の作業員が鉛カバーを装着して作業したことを認めた・・・」
↓
「福島県の建設会社「ビルドアップ」(和田孝社長)の役員が、警報付き線量計(APD)を鉛のカバーで覆うよう作業員に強要した問題で、同社は21日、9人が使用したと役員が認めていることを明らかにした・・・。 役員「事前に現場に行った際、APDの音に驚き、鉛防御のイメージが頭の中に浮かんだ」・・・」(中日新聞)
・意見聴取会:中国電力 組織的に社員の意見表明を画策(毎日)
「エネルギー政策の国民的議論を目的にした聴取会で、電力会社が組織的に社員を出席させようとしていたのが明らかになったのは初めて・・・」
・・・
7/21
オスプレイ陸揚げで知事、来週国に直接抗議へ/防衛相に抗議文 山口県議会/オスプレイ、23日に搬入 岩国は反対の動き活発(山口新聞)
7/20
・オスプレイ訓練 日米同意が前提 政府、主張せず追従(琉球新報)
・オスプレイ配備 沖縄だけの問題でない(中日新聞・社説)
・オスプレイ事故、5年で58件 米軍資料で判明(朝日)
「量産決定後の2006~11年の5年間に58件」
「原子力規制委員会」の人事案が明らかになった。
・委員長
田中俊一・高度情報科学技術研究機構顧問(67)
・委員
中村佳代子・日本アイソトープ協会プロジェクトチーム主査(62)、
更田(ふけた)豊志・日本原子力研究開発機構 原子力基礎工学研究部門副部門長(54)
大島賢三・元外務官僚・国連大使(69)
島崎邦彦・地震予知連絡会会長(66)
任期は委員長の田中氏が5年、中村、更田両氏が3年、大島、島崎両氏が2年。
今日、国会でこの人事案が提示され、衆参両院での同意→首相による任命となる。一部では、「原子力ムラ」と「しがらみのない実務派」(読売)とのフレコミだが、果たしてそう言えるのかどうか。(田中俊一氏については「東海村の「原子力センター」構想」で「略歴」などを紹介しているのでそちらを参照してほしい。)
規制委員会の人事決定の手続きに関しては、衆参両院に委員全員が参加し、「原子力規制」の在り方をめぐる各人の見解を述べ、それをメディアで公開するといったガラス張りの「公聴会」的な制度を導入することが必要だ。たとえば、大飯の再稼働についてどのような見解を持っているのか、日本の「原子力行政」についてどのようなビジョンを持っているか、等々。
必ずしも脱原発派である必要はないが、原発推進派や「脱原発は非現実的」派でも困るだろう。 国会でどのような「審議」がされるか、注目しよう。
なお、原子力規制委員会が、「原子力ムラ」の原子力行政を規制できない(権限/権原を持たない)法的根拠については、「原子力規制庁の正体」を参照してほしい。 たとえば、「野田政権が大飯の再稼働を決定したときに、「それはできないですよ」と主張し、再稼働の政治決定を覆せるような権原と権限」がなければ、政府からの「独立性」など何も担保されたことにならない。
設置法的にみた場合、規制庁・規制委員会は、現行の原子力委員会や安全委員会と何ら変わらない国家行政組織の延長機関に過ぎない、というのが私の主張である。だまされては、いけない。
・・
・北陸電「廃炉の可能性全くない」 副社長が安全性強調
「北陸電力の堀祐一副社長兼原子力本部長は19日、金沢市内で記者会見し、活断層の可能性が指摘された志賀原発1号機(石川県志賀町)の原子炉建屋直下にある断層に関し「(原発の)耐震安全上、問題となるものではない」と従来の主張を繰り返し「立地不適格、廃炉の可能性は全くないと考えている」と述べた・・・」(共同通信)
↓
だから、たしかに原子力行政の「縦割り構造」は解体しないとどうしようもないが、北電・石川県・政府が何を言おうと、「志賀原発1号機は廃炉ですよ」と規制委員会として言えるかどうか、が〈問題〉なのである。委員会は、再稼働基準もさることながら、「廃炉基準」の策定に向けた作業を発足と同時に進めるべきである。
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読売新聞電子版によると、上の人事案がリークされたことで自民党が「反発」し、国会への提示が「見送り」になったようだ。 野田内閣は、案そのものは変えず、提示時期を遅らせる模様。
7/26
野田政権は今日、衆参両院の議院運営委員会合同代表者会議に、当初案通りの規制委員会国会同意人事案を提示した。
8月上旬にも衆参両院本会議でそれぞれ採決される見通し。
7/25
・規制委員長 田中氏起用撤回を 脱原発派議員(東京新聞)
・規制委人事案を批判=「原発推進の宣戦布告」大学教授ら
新設される原子力規制委員会の初代委員長に、元原子力委員会委員長代理の田中俊一氏を起用するなどとした政府の人事案について、国会議員や大学教授、NGO関係者らが24日、東京都内で記者会見し、「原発推進の宣戦布告だ」などと批判した。
慶応大の金子勝教授は、田中氏の起用が一部で「脱原子力ムラ人事」と報道されたことに対し、「驚いている」と話した。委員候補に脱原発派がほとんどいないと指摘し、「理性が働かなくなっている」と政府を批判した。 会見には、福島県双葉町の井戸川克隆町長も参加。「細野豪志原発事故担当相は、事故が収束したと発言した。そんな大臣が人選をするなんてとんでもない」と怒りをあらわにした。(時事)
7/21
・原子力規制委 選考過程が見えないのは
「・・・公募する手もあったかもしれない。候補者が複数ならば公開で議論をしてもらい、適任者を見つける。そんな手間暇をかけていては9月発足はおぼつかない。政府はそう考えたのだろう。 だが、どうか。私たちは以前、規制委が国民の信頼を得るには情報の公開と手続きの透明性の確保が欠かせない、と書いた。政府の手法は最善だったろうか・・・」(西日本新聞・社説)
・規制委員候補、日本原電から報酬 原子力機構の更田氏
「・・・日本原子力研究開発機構の更田豊志副部門長(54)が、2003年から昨年までのほぼ毎年、日本原子力発電(日本原電)から年数万円の報酬を受け取っていたことが20日、分かった。最大年10万円程度で、総額は数十万円に上るという。・・・・政府は規制委の委員に関し、就任前の3年間に同一の原子力事業者から一定額(年50万円程度)以上の報酬を受け取った人物は除外する基準を設けたが、原子力安全規制組織等改革準備室は今回のケースが「基準には抵触しない」としている。(共同)
・線量計に鉛板、東電下請けが指示 原発作業で被曝偽装
「東京電力が発注した福島第一原発の復旧工事で、下請け会社の役員が昨年12月、厚さ数ミリの鉛のカバーで放射線の線量計を覆うよう作業員に指示していたことがわかった。法令で上限が決まっている作業員の被曝(ひばく)線量を少なく見せかける偽装工作とみられる。朝日新聞の取材に、複数の作業員が鉛カバーを装着して作業したことを認めた・・・」
↓
「福島県の建設会社「ビルドアップ」(和田孝社長)の役員が、警報付き線量計(APD)を鉛のカバーで覆うよう作業員に強要した問題で、同社は21日、9人が使用したと役員が認めていることを明らかにした・・・。 役員「事前に現場に行った際、APDの音に驚き、鉛防御のイメージが頭の中に浮かんだ」・・・」(中日新聞)
・意見聴取会:中国電力 組織的に社員の意見表明を画策(毎日)
「エネルギー政策の国民的議論を目的にした聴取会で、電力会社が組織的に社員を出席させようとしていたのが明らかになったのは初めて・・・」
・・・
7/21
オスプレイ陸揚げで知事、来週国に直接抗議へ/防衛相に抗議文 山口県議会/オスプレイ、23日に搬入 岩国は反対の動き活発(山口新聞)
7/20
・オスプレイ訓練 日米同意が前提 政府、主張せず追従(琉球新報)
・オスプレイ配備 沖縄だけの問題でない(中日新聞・社説)
・オスプレイ事故、5年で58件 米軍資料で判明(朝日)
「量産決定後の2006~11年の5年間に58件」
2012年7月19日木曜日
「動的防衛力」と日米「防災」軍事訓練
「動的防衛力」と日米「防災」軍事訓練
1
原発・エネルギー問題と同様に、私たちはおよそ「国策」に関するすべての事柄の意思決定権を持たない。
今年は、「在日米軍+自衛隊」の体制、日米安保の発効(1952年4月28日)から丸60年目を迎えた年だが、国の「専管/専権事項」と言われる安保・外交分野では、他のどの分野よりもこの傾向が著しい。
たとえば、どんなに「やらせ」が横行しようと、原発問題では、まがりなりにも「住民説明会」や「公聴会」などが開催される。しかし、沖縄がすべてを象徴し、物語っているように、安保・基地問題では、住民投票・選挙などで地元住民がどれだけ「NO!」を表明しようと、日本政府はその顔を「国民」ではなく米国政府に向けながら、ほとんど「秘密会議」で交された「密約」と呼ぶにふさわしい両政府間の「合意」なるものを最優先し、強行しようとする。
この状況を、いつまで私たちは続けるのか?
『日米同盟という欺瞞、日米安保という虚構』の中で、私はまさにこのことを読者に問うたのだけれども、「3・11以後」の経済・政治・社会状況を踏まえ、改めてこのことを問題提起したいと思う。
論点は、いたって単純である。3・11からの日本の復興・再生を論じるときに、安保問題を「聖域化」しないこと、 そして原発と同様、安保の「安全神話」を問うことである。
何回にわたる「シリーズ」になるかは分からないが、その第一弾として、この間論じる機会を逸してきた「動的防衛力」と日米「防災」軍事訓練を取り上げてみたい。
2
「自衛隊は何を守り、誰のために戦うのか?--「災後」における自衛隊の機能と役割をめぐって」の中で、以下のようなことを書いた。
・・
「第2の3・11」事態に備える国と自治体の「防災対策」において、自衛隊はいかなる責任と役割をはたすべきか。
自衛隊は、「3・11」と同レベルの津波・地震・原発惨事に際し、「国民」を守り、ガレキの山から救出し、迅速に避難させることができるように、全国の各方面・部隊を編成し直すべきか、またそのためにどのような〈装備〉を持つべきか?
「3・11」以後、中国・北朝鮮・ロシア脅威論と、米軍の「抑止力」論だけは盛んにキャンペーンされてきたが、およそこうした観点から自衛隊の「防災=国防戦略」を論じるものが一つとして見当たらないのはなぜだろう。
自衛隊は、「国民の生命と財産」を守るためにこそ戦うべきではないのか。少なくとも、腐敗した南スーダンの現政権を支えるために南スーダンの武装勢力が戦うことが、今自衛隊に問われていることではないはずだ。
自衛隊に求められているのは、海外における武器使用ではなく、国内における「防災」を担いえる装備の拡充と技術の向上なのではないか。たとえば、災害時における「膨大な医薬品」を「迅速」に運べる装備と技術。
あるいは、「トモダチ作戦」なるもので、米軍が「朝鮮有事」を想定した軍事訓練の一環として、福島以外で行ったような「救援・支援」展開を担う装備や技術・・・。
・・
ところが、野田政権、というより外務・防衛官僚をはじめ、既成政党や国会議員はこのような「議論」を一向に行おうとしない。 おそらく、今後もされることはないだろう。しかしその一方で野田政権は、
①「動的防衛力」論に基づく自衛隊の海外「派遣」・実戦訓練(南スーダン・「アフリカの角」・ペルシャ湾・フィリピン・・・)と、
②陸・海・空統合自衛隊と在日米軍の共同「防災(指揮所)訓練」なるものを在日米軍の永久駐留の理由の一つとすべく、既成事実化しようとしているのである。
・・
・海自掃海部隊、ペルシャ湾多国籍訓練に派遣へ
「防衛省は18日、海上自衛隊の掃海部隊を、今年9月に米軍がペルシャ湾で行う機雷除去の大規模な多国籍訓練に派遣する方針を固めた。 原油輸送に重要なシーレーンの安全を守り、中東地域の船舶の航行の安全確保に貢献するのが目的だ。
米国防総省によると、訓練は9月16~27日の日程で、米国の同盟国など二十数か国が参加する。海自は、掃海母艦と掃海艦計2隻を送る予定。海自の掃海能力に対する国際社会の評価は高く、訓練でも、重要な役割を果たすものとみられる。
ただ、海自の公海上での掃海活動は、政府の憲法解釈が禁じる武力行使や集団的自衛権行使との関係で「遺棄機雷」に限られ、参加できる訓練も制約される・・・」(読売)
・自衛隊と米軍が防災訓練 「トモダチ作戦」生かす
自衛隊は19日、首都直下地震を想定した防災演習の一環として、地震発生時に日米調整所を置く陸上自衛隊東部方面総監部(朝霞駐屯地)で在日米軍との訓練を実施し、報道陣に公開した。米軍の参加は初。
東日本大震災での米軍の「トモダチ作戦」の経験を生かし、日米連携を強化するのが目的。東京・市谷の防衛省にも調整所を置くと仮定して合同訓練した。 朝霞駐屯地では、陸自と米陸軍の要員が首都圏の地図が置かれた大きなテーブルを囲んで協議したり、東京湾の被災状況が表示されたパソコン画面を見ながら話し合ったりした。(中日新聞)
・・
けれども、上の①と②、いずれもが日米安保条約上の根拠を持たない、条約違反の軍事作戦である。 これらは、「3・11」の大惨事に「便乗」しながら、かつてより論じてきた①安保条約の恒久条約化と在日米軍の永久駐留化、そして②自衛隊のグローバルな「米軍後方支援軍」化を一歩先に進めようとするもの、とみなすことができる。
とりわけ②について言えば、実際に想定しうる東京・首都圏の大惨事において、どれだけ在日米軍と自衛隊が、効果的・機能的な「防災・救援」活動を担いうるか、きわめて疑問が残る。その分析は後述するとして、ここでは 日米共同「防災訓練」が、実効的な「防災・救援」を目的にしているというよりは、首都圏における民間空港や自衛隊基地の「日米共同使用」を正当化し、その既成事実化を目的にしていることを指摘するにとどめておきたい。要するに、「訓練」の中身のない、国内の基地外における米軍のプレゼンスの誇示、「存在証明」のための「訓練」である。
3
そもそも自衛隊にとって、「動的防衛力」と「防災を担う自衛隊」の能力・技術・装備の向上は、互いに矛盾する「戦略」である。また、非常に限られた防衛予算の中では、どちらもが中途半端なものに終わるざるをえない。
このことを理解するために、まずは三・一一以前に登場した「動的防衛力」とは何かを押さえておこう。
「我が国の防衛力―動的防衛力」
今日の安全保障環境のすう勢下においては、安全保障課題に対し、実効的に対処し得る防衛力を構築することが重要である。特に、軍事科学技術の飛躍的な発展に伴い、兆候が現れてから各種事態が発生するまでの時間が短縮化される傾向にあること等から、事態に迅速かつシームレスに対応するためには、即応性を始めとする総合的な部隊運用能力が重要性を増してきている。また、防衛力を単に保持することではなく、平素から情報収集・警戒監視・偵察活動を含む適時・適切な運用を行い、我が国の意思と高い防衛能力を明示しておくことが、我が国周辺の安定に寄与するとともに、抑止力の信頼性を高める重要な要素となってきている。
このため、装備の運用水準を高め、その活動量を増大させることによって、より大きな能力を発揮することが求められており、このような防衛力の運用に着眼した動的な抑止力を重視していく必要がある。
同時に、防衛力の役割は多様化しつつ増大しており、二国間・多国間の協力関係を強化し、国際平和協力活動を積極的に実施していくことなどが求められている。
以上の観点から、今後の防衛力については、防衛力の存在自体による抑止効果を重視した、従来の「基盤的防衛力構想」によることなく、各種事態に対し、より実効的な抑止と対処を可能とし、アジア太平洋地域の安全保障環境の一層の安定化とグローバルな安全保障環境の改善のための活動を能動的に行い得る動的なものとしていくことが必要である。このため、即応性、機動性、柔軟性、持続性及び多目的性を備え、軍事技術水準の動向を踏まえた高度な技術力と情報能力に支えられた動的防衛力を構築する。
一層厳しさを増す安全保障環境に対応するには、適切な規模の防衛力を着実に整備することが必要である。その際、厳しい財政事情を踏まえ、本格的な侵略事態への備えとして保持してきた装備・要員を始めとして自衛隊全体にわたる装備・人員・編成・配置等の抜本的見直しによる思い切った効率化・合理化を行った上で、真に必要な機能に資源を選択的に集中して防衛力の構造的な変革を図り、限られた資源でより多くの成果を達成する。
また、人事制度の抜本的な見直しにより、人件費の抑制・効率化とともに若年化による精強性の向上等を推進し、人件費の比率が高く、自衛隊の活動経費を圧迫している防衛予算の構造の改善を図る。
(⇒「平成23年度以降に係る防衛計画の大綱」(防衛省)より)
・・
⇒「オスプレイ配備と「動的防衛力」」につづく
「批評する工房のパレット」内の関連ページ
⇒「惨事と軍隊(Disaster Militarism)」(2012,2/13)
【参考資料】
・「日米安全保障協議委員会(2+2) 共同発表」(2012,4/27)→「動的防衛力」に基づく最新の日米間の取り決め。こんなことを誰が承認したのか?
・・・
・将来像、防災力強化へ新国土軸 全国知事会が中間報告
全国知事会は19日、地方の立場から国の将来像を描く「日本再生デザイン」の中間報告をまとめた。東日本大震災を踏まえた防災力強化も想定し、高速道路や新幹線など交通網の整備で日本海側と東海地方より西の太平洋側に人や産業が帯状に集積する新たな国土軸をつくる方針を明記。地方自治体が自ら行政体制や財源を決める新たな仕組みの導入も示した。今秋にも最終報告を決定して国や各党に提出、実現を求める。
中間報告は、高松市で開催している全国知事会議で公表。人口減少、少子高齢化に加え、震災を受けた日本の現状に危機感を表明した。(共同)
↓
細目はともかく、「日本の現状に危機感」という問題意識は深く共有できる。3・11後の民主党政権、官僚機構に決定的に欠けているのはこの「危機感」である。東京の「一極集中」の解体、首都機能と人口の「地方」への政策的分散と拡散。これによる霞が関の物理的解体。これが「防災」と「危機管理」上、最も必要な政策である。
・減災へ地震防災戦略 中央防災会議が中間報告
中央防災会議の南海トラフ巨大地震と首都直下地震の各作業部会は19日、地震対策の中間報告をそれぞれまとめ、「防災対策推進検討会議」(座長・藤村修官房長官)に提出した。両地震の防災から復旧・復興まで盛り込んだ「地震対策大綱」や、減災の数値目標を定めた「地震防災戦略」を新たに策定し、官民一体で対策を推進するため特別法制定の検討を求めている。
南海トラフ巨大地震対策の中間報告は「超広域にわたる巨大な津波、強い揺れに伴い、西日本を中心に東日本大震災を超す甚大な人的・物的被害が発生する」と想定、「国難ともいえる巨大災害になる」と指摘した。
当面の対策として、最大クラスの津波に対応した避難施設などの整備に向け、国有財産の有効活用を提言した。津波避難ビルを増やすため、建ぺい率の緩和や民間資金の活用を検討。海岸堤防を耐震化し、自治体庁舎や学校、医療施設は必要に応じて移転するとした。 南海トラフ地震の死傷者数などの詳しい被害想定は、内閣府が8月下旬に公表する予定。
首都直下地震対策の中間報告では「わが国の存亡に関わる緊急の課題」と位置付け、被災状況に応じて政府業務を代替する拠点として札幌、仙台、名古屋、大阪、福岡の5政令指定都市を列挙。事前に移転先の優先順位を定めておくべきだとした。
東日本大震災で問題化した帰宅困難者の対策では「むやみに移動を開始しない」との原則を徹底、官民で一時滞在施設を確保する必要性を強調している。 避難所の利用を減らすため、住宅やライフラインの耐震化を促進し、自宅に早期に戻れるよう、建物の応急危険度判定の迅速化も進めるとした。(中国新聞)
・北ミサイル発射に米「迎撃は本国防衛のみ」と通告(産経、7/14)
「北朝鮮が4月に長距離弾道ミサイルを発射した際の米軍の迎撃態勢と日米の情報共有の全容が13日、分かった。米海軍は7隻のイージス艦を展開させ、大半が海上配備型迎撃ミサイル(SM3)を搭載。うち1隻を北朝鮮に最も近い黄海に配置したのは日本側の要請だった。米政府は発射前の協議で日本側に「ミサイルを迎撃するのは米国の防衛目的に限る」との対処方針も通告してきていた・・・」
↓
何度も強調しなければならないが、米国、米軍は日本を守らない。「防衛」などしないのだ。安保条約は、そういう条約ではないからである。後に、「日米安全保障協議委員会(2+2) 共同発表」(2012,4/27)の分析の中でも述べるが、米国にとっての日米安保とは①莫大な利益をもたらす最新鋭兵器の輸出市場、②他国の税金によっていつでも、自由に自国の軍隊の訓練および作戦展開に利用できる、海外最大の軍事拠点維持のための条約であり、体制である。
→ステルス戦闘機F35、4機正式契約 1機102億円に上昇(産経)
「・・・航空自衛隊の次期主力戦闘機(FX)に選定した最新鋭ステルス戦闘機F35Aライトニング2(米ロッキード・マーチン社製)について、平成28年度末までに取得する最初の4機分を米政府と正式契約した。 日米両政府は1機当たりの機体価格を約102億円で合意した。選定当初は1機約99億円としていたが、約3億円上昇した。防衛省はこの価格に沿って、24年度予算に訓練用シミュレーターなどの関連経費を加え約600億円を計上しており、上昇分は関連経費の削減で予算枠内に収める。
なお、「トモダチ作戦」の実態については、「米軍は日本を守らない---「日米安保という虚構」」を参照のこと。
・23日搬入、岩国に伝達へ=森本防衛相「日程変えず」―オスプレイ(WSJ)
・全国知事会:オスプレイ国内配備は反対 緊急決議を採択
全国知事会は高松市で19日開いた会議で、米海兵隊の垂直離着陸輸送機MV22オスプレイの国内配備について、「安全性がいまだ確認できていない状況で受け入れることはできない」と反対する緊急決議を採択した。
決議では、オスプレイの墜落事故に関する「機体に機械的な不具合や設計上の欠陥はなかった」との米側の調査結果について、「政府から十分な説明がなされたとは言えない」と批判。米軍岩国基地への搬入と試験飛行を「日米の良好な関係維持への重大な影響が懸念される」と指摘し、オスプレイの安全性や事故原因、飛行訓練による住民への影響を地元自治体に詳細に説明するよう政府に求めた。【毎日、平野光芳】
・「オスプレイ陸揚げ阻止へ」 3市民団体が実行委
「米海兵隊の垂直離着陸輸送機MV22オスプレイの米軍岩国基地への先行搬入に反対している岩国市の市民団体が「オスプレイ陸揚げ・配備阻止!岩国現地大行動」実行委員会を発足させた。オスプレイ12機を積んだ輸送船が岩国基地に到着する当日、海上と陸上で陸揚げ阻止行動を実施する計画。多くの市民の参加を呼びかけている・・・」(山口新聞)
・・・
・泊廃炉求め2次提訴へ 札幌の市民団体、原告千人規模目指す(北海道新聞)
2次提訴、11月12日に。今年2月の1次訴訟第1回口頭弁論で原告側は「北海道沖を含む日本海側に大規模地震が多発し、重大事故の危険性が高い」と主張。北電側は請求棄却を求め、係争中」。
・原発事故免責せずは「適法」 東京地裁
東京電力福島第1原発事故で、原子力損害賠償法(原賠法)の規定を適用せず、政府が東電を免責しなかったことの是非が争われた訴訟の判決で、東京地裁は19日、「免責要件を極めて限定的に解釈した政府の判断にも一定の合理性がある」として適法と認めた。
原賠法はただし書きで「異常に巨大な天災地変」による損害は原子力事業者の賠償責任を免除すると定めている。文部科学省原子力損害賠償対策室によると、免責規定の解釈をめぐる司法判断は初めて。 東電株主の男性が、政府の誤った判断で東電の株価が下落したとして150万円の国家賠償を求めたが、村上正敏裁判長は請求を棄却した。(共同)
◎NHKスペシャル 「メルトダウン 連鎖の真相」(7月21日(土) 21:00~21:58)
あの日「メルトダウン」していく事故の現場でいったい何が起きていたのか?
福島第一原子力発電所の事故は、発生から1年4ヶ月がたった今なお多くの謎を残したままだ。
番組では今回、1号機が爆発した3月12日から2号機がメルトダウンをおこした3月15日までの3日間を徹底検証する。 実は、この期間にほとんどの放射性物質が外部へ放出されていた。しかもそのほとんどは「水素爆発」によるものではなく、これまで国や電力会社が想定もしていなかったあるルートからだった可能性が浮かび上がってきた。
史上最悪レベルの事故を防ぐことは出来なかったのか?
現場の作業を阻んだ放射線。外部からの支援も途絶え孤立していった原発の実態。独自のデータと最新のシミュレーション、現場の当事者たちの証言から事故の真相に迫る。
1
原発・エネルギー問題と同様に、私たちはおよそ「国策」に関するすべての事柄の意思決定権を持たない。
今年は、「在日米軍+自衛隊」の体制、日米安保の発効(1952年4月28日)から丸60年目を迎えた年だが、国の「専管/専権事項」と言われる安保・外交分野では、他のどの分野よりもこの傾向が著しい。
たとえば、どんなに「やらせ」が横行しようと、原発問題では、まがりなりにも「住民説明会」や「公聴会」などが開催される。しかし、沖縄がすべてを象徴し、物語っているように、安保・基地問題では、住民投票・選挙などで地元住民がどれだけ「NO!」を表明しようと、日本政府はその顔を「国民」ではなく米国政府に向けながら、ほとんど「秘密会議」で交された「密約」と呼ぶにふさわしい両政府間の「合意」なるものを最優先し、強行しようとする。
この状況を、いつまで私たちは続けるのか?
『日米同盟という欺瞞、日米安保という虚構』の中で、私はまさにこのことを読者に問うたのだけれども、「3・11以後」の経済・政治・社会状況を踏まえ、改めてこのことを問題提起したいと思う。
論点は、いたって単純である。3・11からの日本の復興・再生を論じるときに、安保問題を「聖域化」しないこと、 そして原発と同様、安保の「安全神話」を問うことである。
何回にわたる「シリーズ」になるかは分からないが、その第一弾として、この間論じる機会を逸してきた「動的防衛力」と日米「防災」軍事訓練を取り上げてみたい。
2
「自衛隊は何を守り、誰のために戦うのか?--「災後」における自衛隊の機能と役割をめぐって」の中で、以下のようなことを書いた。
・・
「第2の3・11」事態に備える国と自治体の「防災対策」において、自衛隊はいかなる責任と役割をはたすべきか。
自衛隊は、「3・11」と同レベルの津波・地震・原発惨事に際し、「国民」を守り、ガレキの山から救出し、迅速に避難させることができるように、全国の各方面・部隊を編成し直すべきか、またそのためにどのような〈装備〉を持つべきか?
「3・11」以後、中国・北朝鮮・ロシア脅威論と、米軍の「抑止力」論だけは盛んにキャンペーンされてきたが、およそこうした観点から自衛隊の「防災=国防戦略」を論じるものが一つとして見当たらないのはなぜだろう。
自衛隊は、「国民の生命と財産」を守るためにこそ戦うべきではないのか。少なくとも、腐敗した南スーダンの現政権を支えるために南スーダンの武装勢力が戦うことが、今自衛隊に問われていることではないはずだ。
自衛隊に求められているのは、海外における武器使用ではなく、国内における「防災」を担いえる装備の拡充と技術の向上なのではないか。たとえば、災害時における「膨大な医薬品」を「迅速」に運べる装備と技術。
あるいは、「トモダチ作戦」なるもので、米軍が「朝鮮有事」を想定した軍事訓練の一環として、福島以外で行ったような「救援・支援」展開を担う装備や技術・・・。
・・
ところが、野田政権、というより外務・防衛官僚をはじめ、既成政党や国会議員はこのような「議論」を一向に行おうとしない。 おそらく、今後もされることはないだろう。しかしその一方で野田政権は、
①「動的防衛力」論に基づく自衛隊の海外「派遣」・実戦訓練(南スーダン・「アフリカの角」・ペルシャ湾・フィリピン・・・)と、
②陸・海・空統合自衛隊と在日米軍の共同「防災(指揮所)訓練」なるものを在日米軍の永久駐留の理由の一つとすべく、既成事実化しようとしているのである。
・・
・海自掃海部隊、ペルシャ湾多国籍訓練に派遣へ
「防衛省は18日、海上自衛隊の掃海部隊を、今年9月に米軍がペルシャ湾で行う機雷除去の大規模な多国籍訓練に派遣する方針を固めた。 原油輸送に重要なシーレーンの安全を守り、中東地域の船舶の航行の安全確保に貢献するのが目的だ。
米国防総省によると、訓練は9月16~27日の日程で、米国の同盟国など二十数か国が参加する。海自は、掃海母艦と掃海艦計2隻を送る予定。海自の掃海能力に対する国際社会の評価は高く、訓練でも、重要な役割を果たすものとみられる。
ただ、海自の公海上での掃海活動は、政府の憲法解釈が禁じる武力行使や集団的自衛権行使との関係で「遺棄機雷」に限られ、参加できる訓練も制約される・・・」(読売)
・自衛隊と米軍が防災訓練 「トモダチ作戦」生かす
自衛隊は19日、首都直下地震を想定した防災演習の一環として、地震発生時に日米調整所を置く陸上自衛隊東部方面総監部(朝霞駐屯地)で在日米軍との訓練を実施し、報道陣に公開した。米軍の参加は初。
東日本大震災での米軍の「トモダチ作戦」の経験を生かし、日米連携を強化するのが目的。東京・市谷の防衛省にも調整所を置くと仮定して合同訓練した。 朝霞駐屯地では、陸自と米陸軍の要員が首都圏の地図が置かれた大きなテーブルを囲んで協議したり、東京湾の被災状況が表示されたパソコン画面を見ながら話し合ったりした。(中日新聞)
・・
けれども、上の①と②、いずれもが日米安保条約上の根拠を持たない、条約違反の軍事作戦である。 これらは、「3・11」の大惨事に「便乗」しながら、かつてより論じてきた①安保条約の恒久条約化と在日米軍の永久駐留化、そして②自衛隊のグローバルな「米軍後方支援軍」化を一歩先に進めようとするもの、とみなすことができる。
とりわけ②について言えば、実際に想定しうる東京・首都圏の大惨事において、どれだけ在日米軍と自衛隊が、効果的・機能的な「防災・救援」活動を担いうるか、きわめて疑問が残る。その分析は後述するとして、ここでは 日米共同「防災訓練」が、実効的な「防災・救援」を目的にしているというよりは、首都圏における民間空港や自衛隊基地の「日米共同使用」を正当化し、その既成事実化を目的にしていることを指摘するにとどめておきたい。要するに、「訓練」の中身のない、国内の基地外における米軍のプレゼンスの誇示、「存在証明」のための「訓練」である。
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そもそも自衛隊にとって、「動的防衛力」と「防災を担う自衛隊」の能力・技術・装備の向上は、互いに矛盾する「戦略」である。また、非常に限られた防衛予算の中では、どちらもが中途半端なものに終わるざるをえない。
このことを理解するために、まずは三・一一以前に登場した「動的防衛力」とは何かを押さえておこう。
「我が国の防衛力―動的防衛力」
今日の安全保障環境のすう勢下においては、安全保障課題に対し、実効的に対処し得る防衛力を構築することが重要である。特に、軍事科学技術の飛躍的な発展に伴い、兆候が現れてから各種事態が発生するまでの時間が短縮化される傾向にあること等から、事態に迅速かつシームレスに対応するためには、即応性を始めとする総合的な部隊運用能力が重要性を増してきている。また、防衛力を単に保持することではなく、平素から情報収集・警戒監視・偵察活動を含む適時・適切な運用を行い、我が国の意思と高い防衛能力を明示しておくことが、我が国周辺の安定に寄与するとともに、抑止力の信頼性を高める重要な要素となってきている。
このため、装備の運用水準を高め、その活動量を増大させることによって、より大きな能力を発揮することが求められており、このような防衛力の運用に着眼した動的な抑止力を重視していく必要がある。
同時に、防衛力の役割は多様化しつつ増大しており、二国間・多国間の協力関係を強化し、国際平和協力活動を積極的に実施していくことなどが求められている。
以上の観点から、今後の防衛力については、防衛力の存在自体による抑止効果を重視した、従来の「基盤的防衛力構想」によることなく、各種事態に対し、より実効的な抑止と対処を可能とし、アジア太平洋地域の安全保障環境の一層の安定化とグローバルな安全保障環境の改善のための活動を能動的に行い得る動的なものとしていくことが必要である。このため、即応性、機動性、柔軟性、持続性及び多目的性を備え、軍事技術水準の動向を踏まえた高度な技術力と情報能力に支えられた動的防衛力を構築する。
一層厳しさを増す安全保障環境に対応するには、適切な規模の防衛力を着実に整備することが必要である。その際、厳しい財政事情を踏まえ、本格的な侵略事態への備えとして保持してきた装備・要員を始めとして自衛隊全体にわたる装備・人員・編成・配置等の抜本的見直しによる思い切った効率化・合理化を行った上で、真に必要な機能に資源を選択的に集中して防衛力の構造的な変革を図り、限られた資源でより多くの成果を達成する。
また、人事制度の抜本的な見直しにより、人件費の抑制・効率化とともに若年化による精強性の向上等を推進し、人件費の比率が高く、自衛隊の活動経費を圧迫している防衛予算の構造の改善を図る。
(⇒「平成23年度以降に係る防衛計画の大綱」(防衛省)より)
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⇒「オスプレイ配備と「動的防衛力」」につづく
「批評する工房のパレット」内の関連ページ
⇒「惨事と軍隊(Disaster Militarism)」(2012,2/13)
【参考資料】
・「日米安全保障協議委員会(2+2) 共同発表」(2012,4/27)→「動的防衛力」に基づく最新の日米間の取り決め。こんなことを誰が承認したのか?
・・・
・将来像、防災力強化へ新国土軸 全国知事会が中間報告
全国知事会は19日、地方の立場から国の将来像を描く「日本再生デザイン」の中間報告をまとめた。東日本大震災を踏まえた防災力強化も想定し、高速道路や新幹線など交通網の整備で日本海側と東海地方より西の太平洋側に人や産業が帯状に集積する新たな国土軸をつくる方針を明記。地方自治体が自ら行政体制や財源を決める新たな仕組みの導入も示した。今秋にも最終報告を決定して国や各党に提出、実現を求める。
中間報告は、高松市で開催している全国知事会議で公表。人口減少、少子高齢化に加え、震災を受けた日本の現状に危機感を表明した。(共同)
↓
細目はともかく、「日本の現状に危機感」という問題意識は深く共有できる。3・11後の民主党政権、官僚機構に決定的に欠けているのはこの「危機感」である。東京の「一極集中」の解体、首都機能と人口の「地方」への政策的分散と拡散。これによる霞が関の物理的解体。これが「防災」と「危機管理」上、最も必要な政策である。
・減災へ地震防災戦略 中央防災会議が中間報告
中央防災会議の南海トラフ巨大地震と首都直下地震の各作業部会は19日、地震対策の中間報告をそれぞれまとめ、「防災対策推進検討会議」(座長・藤村修官房長官)に提出した。両地震の防災から復旧・復興まで盛り込んだ「地震対策大綱」や、減災の数値目標を定めた「地震防災戦略」を新たに策定し、官民一体で対策を推進するため特別法制定の検討を求めている。
南海トラフ巨大地震対策の中間報告は「超広域にわたる巨大な津波、強い揺れに伴い、西日本を中心に東日本大震災を超す甚大な人的・物的被害が発生する」と想定、「国難ともいえる巨大災害になる」と指摘した。
当面の対策として、最大クラスの津波に対応した避難施設などの整備に向け、国有財産の有効活用を提言した。津波避難ビルを増やすため、建ぺい率の緩和や民間資金の活用を検討。海岸堤防を耐震化し、自治体庁舎や学校、医療施設は必要に応じて移転するとした。 南海トラフ地震の死傷者数などの詳しい被害想定は、内閣府が8月下旬に公表する予定。
首都直下地震対策の中間報告では「わが国の存亡に関わる緊急の課題」と位置付け、被災状況に応じて政府業務を代替する拠点として札幌、仙台、名古屋、大阪、福岡の5政令指定都市を列挙。事前に移転先の優先順位を定めておくべきだとした。
東日本大震災で問題化した帰宅困難者の対策では「むやみに移動を開始しない」との原則を徹底、官民で一時滞在施設を確保する必要性を強調している。 避難所の利用を減らすため、住宅やライフラインの耐震化を促進し、自宅に早期に戻れるよう、建物の応急危険度判定の迅速化も進めるとした。(中国新聞)
・北ミサイル発射に米「迎撃は本国防衛のみ」と通告(産経、7/14)
「北朝鮮が4月に長距離弾道ミサイルを発射した際の米軍の迎撃態勢と日米の情報共有の全容が13日、分かった。米海軍は7隻のイージス艦を展開させ、大半が海上配備型迎撃ミサイル(SM3)を搭載。うち1隻を北朝鮮に最も近い黄海に配置したのは日本側の要請だった。米政府は発射前の協議で日本側に「ミサイルを迎撃するのは米国の防衛目的に限る」との対処方針も通告してきていた・・・」
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何度も強調しなければならないが、米国、米軍は日本を守らない。「防衛」などしないのだ。安保条約は、そういう条約ではないからである。後に、「日米安全保障協議委員会(2+2) 共同発表」(2012,4/27)の分析の中でも述べるが、米国にとっての日米安保とは①莫大な利益をもたらす最新鋭兵器の輸出市場、②他国の税金によっていつでも、自由に自国の軍隊の訓練および作戦展開に利用できる、海外最大の軍事拠点維持のための条約であり、体制である。
→ステルス戦闘機F35、4機正式契約 1機102億円に上昇(産経)
「・・・航空自衛隊の次期主力戦闘機(FX)に選定した最新鋭ステルス戦闘機F35Aライトニング2(米ロッキード・マーチン社製)について、平成28年度末までに取得する最初の4機分を米政府と正式契約した。 日米両政府は1機当たりの機体価格を約102億円で合意した。選定当初は1機約99億円としていたが、約3億円上昇した。防衛省はこの価格に沿って、24年度予算に訓練用シミュレーターなどの関連経費を加え約600億円を計上しており、上昇分は関連経費の削減で予算枠内に収める。
なお、「トモダチ作戦」の実態については、「米軍は日本を守らない---「日米安保という虚構」」を参照のこと。
・23日搬入、岩国に伝達へ=森本防衛相「日程変えず」―オスプレイ(WSJ)
・全国知事会:オスプレイ国内配備は反対 緊急決議を採択
全国知事会は高松市で19日開いた会議で、米海兵隊の垂直離着陸輸送機MV22オスプレイの国内配備について、「安全性がいまだ確認できていない状況で受け入れることはできない」と反対する緊急決議を採択した。
決議では、オスプレイの墜落事故に関する「機体に機械的な不具合や設計上の欠陥はなかった」との米側の調査結果について、「政府から十分な説明がなされたとは言えない」と批判。米軍岩国基地への搬入と試験飛行を「日米の良好な関係維持への重大な影響が懸念される」と指摘し、オスプレイの安全性や事故原因、飛行訓練による住民への影響を地元自治体に詳細に説明するよう政府に求めた。【毎日、平野光芳】
・「オスプレイ陸揚げ阻止へ」 3市民団体が実行委
「米海兵隊の垂直離着陸輸送機MV22オスプレイの米軍岩国基地への先行搬入に反対している岩国市の市民団体が「オスプレイ陸揚げ・配備阻止!岩国現地大行動」実行委員会を発足させた。オスプレイ12機を積んだ輸送船が岩国基地に到着する当日、海上と陸上で陸揚げ阻止行動を実施する計画。多くの市民の参加を呼びかけている・・・」(山口新聞)
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・泊廃炉求め2次提訴へ 札幌の市民団体、原告千人規模目指す(北海道新聞)
2次提訴、11月12日に。今年2月の1次訴訟第1回口頭弁論で原告側は「北海道沖を含む日本海側に大規模地震が多発し、重大事故の危険性が高い」と主張。北電側は請求棄却を求め、係争中」。
・原発事故免責せずは「適法」 東京地裁
東京電力福島第1原発事故で、原子力損害賠償法(原賠法)の規定を適用せず、政府が東電を免責しなかったことの是非が争われた訴訟の判決で、東京地裁は19日、「免責要件を極めて限定的に解釈した政府の判断にも一定の合理性がある」として適法と認めた。
原賠法はただし書きで「異常に巨大な天災地変」による損害は原子力事業者の賠償責任を免除すると定めている。文部科学省原子力損害賠償対策室によると、免責規定の解釈をめぐる司法判断は初めて。 東電株主の男性が、政府の誤った判断で東電の株価が下落したとして150万円の国家賠償を求めたが、村上正敏裁判長は請求を棄却した。(共同)
◎NHKスペシャル 「メルトダウン 連鎖の真相」(7月21日(土) 21:00~21:58)
あの日「メルトダウン」していく事故の現場でいったい何が起きていたのか?
福島第一原子力発電所の事故は、発生から1年4ヶ月がたった今なお多くの謎を残したままだ。
番組では今回、1号機が爆発した3月12日から2号機がメルトダウンをおこした3月15日までの3日間を徹底検証する。 実は、この期間にほとんどの放射性物質が外部へ放出されていた。しかもそのほとんどは「水素爆発」によるものではなく、これまで国や電力会社が想定もしていなかったあるルートからだった可能性が浮かび上がってきた。
史上最悪レベルの事故を防ぐことは出来なかったのか?
現場の作業を阻んだ放射線。外部からの支援も途絶え孤立していった原発の実態。独自のデータと最新のシミュレーション、現場の当事者たちの証言から事故の真相に迫る。
2012年7月18日水曜日
「いじめ」について
「いじめ」について
1
「いじめ」は、法廷に持ち込まれたその瞬間から政治問題化する。
「訴訟社会」は、本来、司法・行政・警察権力の介入によらず、「現場」における「当事者」間の対話によって解決されてしかるべきものを裁判「闘争」化してしまう。
その結果、「原告」と「被告」に分かれた「いじめられた側」(子ども、親)と「いじめた側」(子ども、親)、「いじめを見過ごした側」(学校、教師、行政)は、ただ裁判の勝ち・負けを基準に何を語る/語らないかを判断するようになる。
「いじめ」はあった/なかった。「けんか」だと思った、「家庭の問題もある」。「いじめ」が自殺の原因/自殺の「因果関係」を「立証」するものではない・・・。 これらはすべて真相を究明するためではなく、裁判闘争に勝つ/負けないための言葉となる。
どちらが勝つ/負けるにせよ、「子どもの世界」に対する「大人の世界」の介入、管理(ケア?)と統制(しつけ?)が強化される、という意味では何も変わらない。 「いじめ」は、「無くなりようが、無くなる」。
「世間」/メディアはと言えば、どんな時でも常に「正義の味方」だ。 徹底的に「悪人探し」をやり、身元を暴き、「ここぞ」とばかりにコキ下ろす。 「悪いヤツら」は社会的に抹殺、葬り去ることさえ厭わない。 強烈だ。「子どもは社会を映す鏡」とはよく言ったものだと感心する。
すさまじいエネルギー、時間、カネが、そのために消費/消耗される。
いったい誰のために? それによって何を変えるために?
2
大津の「いじめ事件」の場合、どの角度から、誰が判断しても明らかに「いじめ」と考えられたにもかかわらず、学校・校長、教育委員会が賠償金と行政責任を問われることを恐れ、当初「いじめ」を否定したことが「世論」の猛反発、一斉攻撃に火をつけた。 そしてそのことが滋賀県警による、これも責任追求から逃れることだけを目的にしたとしか思えない、パフォーマンスめいた、仰々しい、教育現場への過剰介入=学校と教育委員会への強制捜査⇒約300人にのぼる生徒たちへの「事情聴取」を、「当然のこと」と思わせる社会的空気をつくってしまったのだと思う。
そこでは「いじめ」を「暴行・脅迫・ゆすり・窃盗」などの「一般犯罪」と等値する観念や言説が支配的になる。そしてより早期の段階における警察・司法・行政権力の介入を求める「世論の声」が幅をきかすようになる。日本で「いじめ」問題を議論するときの「落とし穴」の一つがここにある。私にはそう思えるのだが、どうだろう。
「少年犯罪」は「一般犯罪」と法的に違うし、さらに「いじめ」は「少年犯罪」でもない。問題の根っこにあるのは、「いじめ」が起こったときに、被害にあう子どもを救済する場、機関が学校の中にも外にも存在しないことだ。警察はもとより、「人権擁護委員会」も「いじめからの自由」という「子どもの権利」を守らないし、守れない。家にさえ、「居場所」のない子どもも多い。
「いじめ」を一般犯罪視し、一般犯罪のように扱うこと、つまり司法・警察権力の介入をさらに拡大するような「いじめ対策」の「強化」は、問題の根っこをみえなくさせるだけである。 少なくとも、「大人の世界」はそのことを十分自覚しておいた方がよい。
3
下に紹介している、「いじめ」に関するデータを見ていて、「不意をつかれた」ような気がした。 私が想像していたよりはるかに、学校内外での子どもに対する、また子ども自身による暴力や「いじめ」の現実が、相当深刻に思えたからである。
そもそも、あの統計は各学校や教育委員会が集約したものをベースとしているのであるから、子どもをとりまく暴力や「いじめ」の実態は、もっとひどいはずだ。たとえば、「いじめ」が原因とみられる子どもの自殺の数にしても、120人とかのレベルではなく500人とか600人という話も現にある。
日本では「いじめられる方にも原因がある」論が、いまでもかなり強烈に存在し、「いじめられる自分が悪い」という意識を内面化し、通告する子どもたちより、親や教師はもちろんのこと、誰にも言わず/言えず、「自分の胸にしまっておく」子どもたちの方がはるかに多いのではないか。文部科学省の統計は、たしかに一つの「資料」ではあるが、「氷山の一角」を示しているに過ぎないのかもしれない。
だからこそ、この数はかなり深刻である。
・・
① いじめの認知件数。小学校36,909 件(前年度より2,143 件増加)、中学校33,323 件(前年度より1,212 件増加)、高等学校7,018 件(前年度より1,376 件増加)、特別支援学校380 件(前年度より121 件増加)の合計77,630 件(前年度より4,852 件増加)。
② いじめを認知した学校数。16,335 校(前年度より1,209 校増加)、全学校数に占める割合は41.3%(前年度より3.4 ポイント増加)。
・・・
統計の中の、「いじめの現在の状況で「解消しているもの」の件数の割合」が79.0%という数字に着目したい。
要するに、「いじめ」の解消に学校も教師も教育委員会も日々努力しており、8割は「解決済み」と言いたいのだと推察するが、この認識が現実とは違う、そのことが「いじめ」の増加要因の一つになっている、ということだろう。そもそも「解消」の根拠や判断基準が不明だし、これはただ単に学校と教師の主観的願望を表現したものとしか思えない。
いじめられた者も、いじめた者も、そして傍観し続けた者も、子ども時代の未解決の「いじめ」問題が、そのまま大学から一般社会の末端にまで浸透し、持ち込まれてしまっているようにみえる。 もしかしたら、「日本人」や「日本文化」、現代社会の解剖学は、「いじめ」をどう捉え、位置付けるかを離れては、成り立たないのかもしれない。
「批評する工房のパレット」内の関連ページ
⇒「「学校に行かなくてもいい社会」のために」
・・・
【参考資料】
⇒文部科学省の「いじめ」のサイト
【いじめの新定義】(平成18年度間の調査より)
本調査において、個々の行為が「いじめ」に当たるか否かの判断は、表面的・形式的に行うことなく、いじめられた児童生徒の立場に立って行うものとする。
「いじめ」とは、「当該児童生徒が、一定の人間関係のある者から、心理的、物理的な攻撃を受けたことにより、精神的な苦痛を感じているもの。」とする。なお、起こった場所は学校の内外を問わない。
(注1) 「いじめられた児童生徒の立場に立って」とは、いじめられたとする児童生徒の気持ちを重視することである。
(注2) 「一定の人間関係のある者」とは、学校の内外を問わず、例えば、同じ学校・学級や部活動の者、当該児童生徒が関わっている仲間や集団(グループ)など、当該児童生徒と何らかの人間関係のある者を指す。
(注3) 「攻撃」とは、「仲間はずれ」や「集団による無視」など直接的にかかわるものではないが、心理的な圧迫などで相手に苦痛を与えるものも含む。
(注4) 「物理的な攻撃」とは、身体的な攻撃のほか、金品をたかられたり、隠されたりすることなどを意味する。
(注5) けんか等を除く。
⇒文部科学省「いじめの問題への取組状況に関する緊急調査」結果について(通知) 2011/1/20
1.学校の取組について
1. 各学校は、いじめの問題への取組について、それぞれの実情に応じた適切な点検項目に基づく定期的な点検を行い、点検結果を踏まえて取組の充実を図る必要がある。
2. 点検は基本的に全教職員で行い、点検結果やこれに基づく課題について全教職員で共有する必要がある。
3. 各学校は、定期的に児童生徒から直接状況を聞く手法として、「アンケート調査」を実施した上で、これに加えて、各学校の実情に応じて、個別面談、個人ノートや生活ノートの活用など、更に必要な取組を推進する必要がある。
4. 各学校は、いじめの問題に関する校内研修等を通じて、いじめの問題の重大性を全教職員が認識し、指導上の留意点等について教職員間の共通理解を図り、校長を中心に一致協力体制を確立して実践に当たる必要がある。
2.教育委員会の取組について
1. 各教育委員会は、管下の学校に対して、いじめの問題への取組について、それぞれの実情に応じた点検項目に基づく定期的な点検を求め、取組の充実を促す必要がある。
2. 各教育委員会は、管下の学校におけるいじめの実態把握の取組状況を点検し、全ての学校に対して「アンケート調査」の確実な実施を求めるとともに、更なる取組を行うよう必要な指導・助言に努める必要がある。
3. 各教育委員会は、いじめの問題への自らの取組について、それぞれの実情に応じた適切な点検項目を作成し、定期的に点検を行う必要がある。
4. 各教育委員会は、管下の学校等に対し、いじめの問題に関する指導の方針を明らかにし、積極的な指導を行う必要がある。
5. 各教育委員会は、管下の学校におけるいじめの問題の状況について、実態の的確な把握に努め、各学校のニーズに応じて、適切な支援を行う必要がある。
6. 各市区町村教育委員会は、出席停止の手続きに関する教育委員会規則を定める必要がある。
7. 各市区町村教育委員会は、いじめを原因とする就学校の指定の変更や区域外就学を認められるようにする必要がある。
8. 各教育委員会は、関連の通知などの資料の活用や、その趣旨の周知・徹底について、学校の取組状況を点検し、必要な指導、助言を行う必要がある。
9. 各教育委員会は、いじめの問題について、研修の実施や教師用手引書等の作成により、教職員一人一人や学校の取組の充実を促す必要がある。
10. 各教育委員会は、いじめの問題に関して、学校のみならず、保護者からの相談も直接受け止められるよう教育相談体制を整えるとともに、相談窓口について広く周知徹底を図る必要がある。また、教育相談の内容に応じ、学校と協力した継続的な事後指導や医療機関など専門機関との連携が求められる。
11. 各教育委員会は、いじめの問題の解決のために、家庭や地域、関係機関と適切な連携協力を図る必要がある。
⇒「平成22年度「児童生徒の問題行動等生徒指導上の諸問題に関する調査」について(2012,2/26)
(2)調査結果の主な特徴
1)小・中・高等学校における、暴力行為の発生件数は約6万件と、前年度(約6万1千件)より約1千件減少し、児童生徒1千人当たりの発生件数は4.3件(前年度4.3件)である。
2)小・中・高・特別支援学校における、いじめの認知件数は約7万8千件と、前年度(約7万3千件)より約5千件増加し、児童生徒1千人当たりの認知件数は5.5件(前年度5.1件)である。
3)小・中学校における、不登校児童生徒数は約12万人で、前年度(約12万2千人)より約3千人減少し、不登校児童生徒の割合は1.13%(前年度1.15%)である。
4)高等学校における、不登校生徒数は約5万6千人で、前年度(約5万2千人)より約4千人増加し、不登校生徒の割合は1.66%(前年度1.55%)である。
5)高等学校における、中途退学者数は約5万5千人で、前年度(約5万7千人)より約2千人減少し、中途退学者の割合は1.6%(前年度1.7%)である。
6)小・中・高等学校から報告のあった自殺した児童生徒数は156人(前年度165人)である。
(3)調査結果の要旨
1.暴力行為の状況
小・中・高等学校における、暴力行為の発生件数は約6万件と、前年度(約6万1千件)より約1千件減少し、児童生徒1千人当たりの発生件数は4.3件(前年度4.3件)である。
① 暴力行為の発生件数は、小学校7,092 件(前年度より23 件減少)、中学校42,987 件(前年度より728 件減少)、高等学校10,226 件(前年度より141 件増加)の合計60,305 件(前年度より610 件減少)。
・「対教師暴力」は8,967 件(前年度より663 件増加)。
・「生徒間暴力」は34,439 件(前年度より160 件増加)。
・「対人暴力」は1,909 件(前年度より181 件増加)。
・「器物損壊」は14,990 件(前年度より1,614 件減少)。
③暴力行為が学校内で発生した学校数は9,298 校(前年度より190 校増加)、全学校数に占める割合は24.5%(前年度より0.8 ポイント増加)。
2.いじめの状況
小・中・高・特別支援学校における、いじめの認知件数は約7万8千件と、前年度(約7万3千件)より約5千件増加し、児童生徒1千人当たりの認知件数は5.5件(前年度5.1件)である。
① いじめの認知件数は、小学校36,909 件(前年度より2,143 件増加)、中学校33,323 件(前年
度より1,212 件増加)、高等学校7,018 件(前年度より1,376 件増加)、特別支援学校380 件(前年度より121 件増加)の合計77,630 件(前年度より4,852 件増加)。
② いじめを認知した学校数は16,335 校(前年度より1,209 校増加)、全学校数に占める割合は41.3%(前年度より3.4 ポイント増加)。
③ いじめの現在の状況で「解消しているもの」の件数の割合は79.0%(前年度より0.5 ポイント減少)。⇒???
④ いじめの発見のきっかけは、
・「アンケート調査など学校の取組により発見」は26.3%(前年度より2.4 ポイント増加)で最も多い。
・「本人からの訴え」は23.0%(前年度より1.3 ポイント減少)。
・「学級担任が発見」は19.8%(前年度より0.3 ポイント増加)。
・・・
・大津いじめ自殺:生徒遺族 同級生らを告訴へ
大津市で昨年10月、いじめを受けていた市立中学2年の男子生徒(当時13歳)が自殺した問題で、生徒の父親(47)が18日夕、加害者とされる同級生らを滋賀県警大津署に告訴する。県警は今月11日、同級生3人の暴行容疑で学校と市教委を家宅捜索したが、父親は容疑を暴行に絞らず、県警に被害の内容を訴える。捜査中にもかかわらず異例の告訴に踏み切ることついて、父親は「『いじめは犯罪。許してはいけない』という意思を示したい」と話している。
亡くなった男子生徒がいじめを受けていたことを知った父親は、昨年10月と12月に計3回、大津署を訪ねて被害届の提出について相談したが、同署は男子生徒が亡くなっていることなどを理由に受理しなかった。
県警の家宅捜索の後、父親は代理人弁護士に「捜査は始まったが、息子のために父親としてできることをしたい」と相談。処罰への強い要望を示すため、被害届ではなく告訴することを決めた。大津署に口頭で被害の内容を伝え、「告訴調書」を作成してもらう。(毎日)
・中2自殺訴訟 「家庭内問題も言及」 大津市教育長 資料提出意向
大津市で昨年10月、中学2年の男子生徒=当時(13)=が飛び降り自殺した問題で、17日に大津地裁で開かれた損害賠償訴訟の第2回口頭弁論後、市教委の澤村憲次教育長が取材に応じた。「いじめが自殺の因果関係の一つになった可能性が高い」と明言する一方で、生徒の家庭内の問題についても言及していく考えを示した。
澤村教育長は、和解協議を呼び掛けた大津市の姿勢について、「主張を取り下げたのではなく、外部調査委の結果が出てから主張していくと思う」と説明。また、「家庭内で男子生徒がどんな環境にあり、何が起こったか学校から聞き、把握している」とした上で、裁判への資料提出を市側代理人と相談していくとした。一方で、市教委内に、いじめ対応についての検討チームを可能な限り早期に設ける意向も示した。学校教育課を中心に人選し、いじめ防止や発見した際の対応、さらに今回ずさんさが指摘されたアンケートの在り方を検討していくという。(京都新聞)
・自殺防止で警察庁に協議要請 文科省、いじめ情報共有
大津市の中2自殺を受け、文部科学省が、子どものいじめ自殺防止に向けて警察庁と連携を強めようと、実務者同士で定期的に協議し、情報交換する場を設けるよう求めたことが17日、文科省関係者への取材で分かった。
平野博文文科相が同日夕、警察庁で松原仁国家公安委員長と会い要請。松原委員長も「大事なことだ」と受け入れる考えを示したという。
いじめ問題を担当する文科省児童生徒課と警察庁少年課が協議する見通し。連絡体制を見直し、子どもの命に関わる事態があれば、文科省から警察庁に情報を提供して悪化を防ぐことも想定している。(河北新報)
・いじめた生徒の親族?ネットに偽情報で被害深刻(読売)
・女子児童いじめ対応の小学校長、首つり自殺 因果関係不明と教委「遺書なし」(産経)
1
「いじめ」は、法廷に持ち込まれたその瞬間から政治問題化する。
「訴訟社会」は、本来、司法・行政・警察権力の介入によらず、「現場」における「当事者」間の対話によって解決されてしかるべきものを裁判「闘争」化してしまう。
その結果、「原告」と「被告」に分かれた「いじめられた側」(子ども、親)と「いじめた側」(子ども、親)、「いじめを見過ごした側」(学校、教師、行政)は、ただ裁判の勝ち・負けを基準に何を語る/語らないかを判断するようになる。
「いじめ」はあった/なかった。「けんか」だと思った、「家庭の問題もある」。「いじめ」が自殺の原因/自殺の「因果関係」を「立証」するものではない・・・。 これらはすべて真相を究明するためではなく、裁判闘争に勝つ/負けないための言葉となる。
どちらが勝つ/負けるにせよ、「子どもの世界」に対する「大人の世界」の介入、管理(ケア?)と統制(しつけ?)が強化される、という意味では何も変わらない。 「いじめ」は、「無くなりようが、無くなる」。
「世間」/メディアはと言えば、どんな時でも常に「正義の味方」だ。 徹底的に「悪人探し」をやり、身元を暴き、「ここぞ」とばかりにコキ下ろす。 「悪いヤツら」は社会的に抹殺、葬り去ることさえ厭わない。 強烈だ。「子どもは社会を映す鏡」とはよく言ったものだと感心する。
すさまじいエネルギー、時間、カネが、そのために消費/消耗される。
いったい誰のために? それによって何を変えるために?
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大津の「いじめ事件」の場合、どの角度から、誰が判断しても明らかに「いじめ」と考えられたにもかかわらず、学校・校長、教育委員会が賠償金と行政責任を問われることを恐れ、当初「いじめ」を否定したことが「世論」の猛反発、一斉攻撃に火をつけた。 そしてそのことが滋賀県警による、これも責任追求から逃れることだけを目的にしたとしか思えない、パフォーマンスめいた、仰々しい、教育現場への過剰介入=学校と教育委員会への強制捜査⇒約300人にのぼる生徒たちへの「事情聴取」を、「当然のこと」と思わせる社会的空気をつくってしまったのだと思う。
そこでは「いじめ」を「暴行・脅迫・ゆすり・窃盗」などの「一般犯罪」と等値する観念や言説が支配的になる。そしてより早期の段階における警察・司法・行政権力の介入を求める「世論の声」が幅をきかすようになる。日本で「いじめ」問題を議論するときの「落とし穴」の一つがここにある。私にはそう思えるのだが、どうだろう。
「少年犯罪」は「一般犯罪」と法的に違うし、さらに「いじめ」は「少年犯罪」でもない。問題の根っこにあるのは、「いじめ」が起こったときに、被害にあう子どもを救済する場、機関が学校の中にも外にも存在しないことだ。警察はもとより、「人権擁護委員会」も「いじめからの自由」という「子どもの権利」を守らないし、守れない。家にさえ、「居場所」のない子どもも多い。
「いじめ」を一般犯罪視し、一般犯罪のように扱うこと、つまり司法・警察権力の介入をさらに拡大するような「いじめ対策」の「強化」は、問題の根っこをみえなくさせるだけである。 少なくとも、「大人の世界」はそのことを十分自覚しておいた方がよい。
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下に紹介している、「いじめ」に関するデータを見ていて、「不意をつかれた」ような気がした。 私が想像していたよりはるかに、学校内外での子どもに対する、また子ども自身による暴力や「いじめ」の現実が、相当深刻に思えたからである。
そもそも、あの統計は各学校や教育委員会が集約したものをベースとしているのであるから、子どもをとりまく暴力や「いじめ」の実態は、もっとひどいはずだ。たとえば、「いじめ」が原因とみられる子どもの自殺の数にしても、120人とかのレベルではなく500人とか600人という話も現にある。
日本では「いじめられる方にも原因がある」論が、いまでもかなり強烈に存在し、「いじめられる自分が悪い」という意識を内面化し、通告する子どもたちより、親や教師はもちろんのこと、誰にも言わず/言えず、「自分の胸にしまっておく」子どもたちの方がはるかに多いのではないか。文部科学省の統計は、たしかに一つの「資料」ではあるが、「氷山の一角」を示しているに過ぎないのかもしれない。
だからこそ、この数はかなり深刻である。
・・
① いじめの認知件数。小学校36,909 件(前年度より2,143 件増加)、中学校33,323 件(前年度より1,212 件増加)、高等学校7,018 件(前年度より1,376 件増加)、特別支援学校380 件(前年度より121 件増加)の合計77,630 件(前年度より4,852 件増加)。
② いじめを認知した学校数。16,335 校(前年度より1,209 校増加)、全学校数に占める割合は41.3%(前年度より3.4 ポイント増加)。
・・・
統計の中の、「いじめの現在の状況で「解消しているもの」の件数の割合」が79.0%という数字に着目したい。
要するに、「いじめ」の解消に学校も教師も教育委員会も日々努力しており、8割は「解決済み」と言いたいのだと推察するが、この認識が現実とは違う、そのことが「いじめ」の増加要因の一つになっている、ということだろう。そもそも「解消」の根拠や判断基準が不明だし、これはただ単に学校と教師の主観的願望を表現したものとしか思えない。
いじめられた者も、いじめた者も、そして傍観し続けた者も、子ども時代の未解決の「いじめ」問題が、そのまま大学から一般社会の末端にまで浸透し、持ち込まれてしまっているようにみえる。 もしかしたら、「日本人」や「日本文化」、現代社会の解剖学は、「いじめ」をどう捉え、位置付けるかを離れては、成り立たないのかもしれない。
「批評する工房のパレット」内の関連ページ
⇒「「学校に行かなくてもいい社会」のために」
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【参考資料】
⇒文部科学省の「いじめ」のサイト
【いじめの新定義】(平成18年度間の調査より)
本調査において、個々の行為が「いじめ」に当たるか否かの判断は、表面的・形式的に行うことなく、いじめられた児童生徒の立場に立って行うものとする。
「いじめ」とは、「当該児童生徒が、一定の人間関係のある者から、心理的、物理的な攻撃を受けたことにより、精神的な苦痛を感じているもの。」とする。なお、起こった場所は学校の内外を問わない。
(注1) 「いじめられた児童生徒の立場に立って」とは、いじめられたとする児童生徒の気持ちを重視することである。
(注2) 「一定の人間関係のある者」とは、学校の内外を問わず、例えば、同じ学校・学級や部活動の者、当該児童生徒が関わっている仲間や集団(グループ)など、当該児童生徒と何らかの人間関係のある者を指す。
(注3) 「攻撃」とは、「仲間はずれ」や「集団による無視」など直接的にかかわるものではないが、心理的な圧迫などで相手に苦痛を与えるものも含む。
(注4) 「物理的な攻撃」とは、身体的な攻撃のほか、金品をたかられたり、隠されたりすることなどを意味する。
(注5) けんか等を除く。
⇒文部科学省「いじめの問題への取組状況に関する緊急調査」結果について(通知) 2011/1/20
1.学校の取組について
1. 各学校は、いじめの問題への取組について、それぞれの実情に応じた適切な点検項目に基づく定期的な点検を行い、点検結果を踏まえて取組の充実を図る必要がある。
2. 点検は基本的に全教職員で行い、点検結果やこれに基づく課題について全教職員で共有する必要がある。
3. 各学校は、定期的に児童生徒から直接状況を聞く手法として、「アンケート調査」を実施した上で、これに加えて、各学校の実情に応じて、個別面談、個人ノートや生活ノートの活用など、更に必要な取組を推進する必要がある。
4. 各学校は、いじめの問題に関する校内研修等を通じて、いじめの問題の重大性を全教職員が認識し、指導上の留意点等について教職員間の共通理解を図り、校長を中心に一致協力体制を確立して実践に当たる必要がある。
2.教育委員会の取組について
1. 各教育委員会は、管下の学校に対して、いじめの問題への取組について、それぞれの実情に応じた点検項目に基づく定期的な点検を求め、取組の充実を促す必要がある。
2. 各教育委員会は、管下の学校におけるいじめの実態把握の取組状況を点検し、全ての学校に対して「アンケート調査」の確実な実施を求めるとともに、更なる取組を行うよう必要な指導・助言に努める必要がある。
3. 各教育委員会は、いじめの問題への自らの取組について、それぞれの実情に応じた適切な点検項目を作成し、定期的に点検を行う必要がある。
4. 各教育委員会は、管下の学校等に対し、いじめの問題に関する指導の方針を明らかにし、積極的な指導を行う必要がある。
5. 各教育委員会は、管下の学校におけるいじめの問題の状況について、実態の的確な把握に努め、各学校のニーズに応じて、適切な支援を行う必要がある。
6. 各市区町村教育委員会は、出席停止の手続きに関する教育委員会規則を定める必要がある。
7. 各市区町村教育委員会は、いじめを原因とする就学校の指定の変更や区域外就学を認められるようにする必要がある。
8. 各教育委員会は、関連の通知などの資料の活用や、その趣旨の周知・徹底について、学校の取組状況を点検し、必要な指導、助言を行う必要がある。
9. 各教育委員会は、いじめの問題について、研修の実施や教師用手引書等の作成により、教職員一人一人や学校の取組の充実を促す必要がある。
10. 各教育委員会は、いじめの問題に関して、学校のみならず、保護者からの相談も直接受け止められるよう教育相談体制を整えるとともに、相談窓口について広く周知徹底を図る必要がある。また、教育相談の内容に応じ、学校と協力した継続的な事後指導や医療機関など専門機関との連携が求められる。
11. 各教育委員会は、いじめの問題の解決のために、家庭や地域、関係機関と適切な連携協力を図る必要がある。
⇒「平成22年度「児童生徒の問題行動等生徒指導上の諸問題に関する調査」について(2012,2/26)
(2)調査結果の主な特徴
1)小・中・高等学校における、暴力行為の発生件数は約6万件と、前年度(約6万1千件)より約1千件減少し、児童生徒1千人当たりの発生件数は4.3件(前年度4.3件)である。
2)小・中・高・特別支援学校における、いじめの認知件数は約7万8千件と、前年度(約7万3千件)より約5千件増加し、児童生徒1千人当たりの認知件数は5.5件(前年度5.1件)である。
3)小・中学校における、不登校児童生徒数は約12万人で、前年度(約12万2千人)より約3千人減少し、不登校児童生徒の割合は1.13%(前年度1.15%)である。
4)高等学校における、不登校生徒数は約5万6千人で、前年度(約5万2千人)より約4千人増加し、不登校生徒の割合は1.66%(前年度1.55%)である。
5)高等学校における、中途退学者数は約5万5千人で、前年度(約5万7千人)より約2千人減少し、中途退学者の割合は1.6%(前年度1.7%)である。
6)小・中・高等学校から報告のあった自殺した児童生徒数は156人(前年度165人)である。
(3)調査結果の要旨
1.暴力行為の状況
小・中・高等学校における、暴力行為の発生件数は約6万件と、前年度(約6万1千件)より約1千件減少し、児童生徒1千人当たりの発生件数は4.3件(前年度4.3件)である。
① 暴力行為の発生件数は、小学校7,092 件(前年度より23 件減少)、中学校42,987 件(前年度より728 件減少)、高等学校10,226 件(前年度より141 件増加)の合計60,305 件(前年度より610 件減少)。
・「対教師暴力」は8,967 件(前年度より663 件増加)。
・「生徒間暴力」は34,439 件(前年度より160 件増加)。
・「対人暴力」は1,909 件(前年度より181 件増加)。
・「器物損壊」は14,990 件(前年度より1,614 件減少)。
③暴力行為が学校内で発生した学校数は9,298 校(前年度より190 校増加)、全学校数に占める割合は24.5%(前年度より0.8 ポイント増加)。
2.いじめの状況
小・中・高・特別支援学校における、いじめの認知件数は約7万8千件と、前年度(約7万3千件)より約5千件増加し、児童生徒1千人当たりの認知件数は5.5件(前年度5.1件)である。
① いじめの認知件数は、小学校36,909 件(前年度より2,143 件増加)、中学校33,323 件(前年
度より1,212 件増加)、高等学校7,018 件(前年度より1,376 件増加)、特別支援学校380 件(前年度より121 件増加)の合計77,630 件(前年度より4,852 件増加)。
② いじめを認知した学校数は16,335 校(前年度より1,209 校増加)、全学校数に占める割合は41.3%(前年度より3.4 ポイント増加)。
③ いじめの現在の状況で「解消しているもの」の件数の割合は79.0%(前年度より0.5 ポイント減少)。⇒???
④ いじめの発見のきっかけは、
・「アンケート調査など学校の取組により発見」は26.3%(前年度より2.4 ポイント増加)で最も多い。
・「本人からの訴え」は23.0%(前年度より1.3 ポイント減少)。
・「学級担任が発見」は19.8%(前年度より0.3 ポイント増加)。
・・・
・大津いじめ自殺:生徒遺族 同級生らを告訴へ
大津市で昨年10月、いじめを受けていた市立中学2年の男子生徒(当時13歳)が自殺した問題で、生徒の父親(47)が18日夕、加害者とされる同級生らを滋賀県警大津署に告訴する。県警は今月11日、同級生3人の暴行容疑で学校と市教委を家宅捜索したが、父親は容疑を暴行に絞らず、県警に被害の内容を訴える。捜査中にもかかわらず異例の告訴に踏み切ることついて、父親は「『いじめは犯罪。許してはいけない』という意思を示したい」と話している。
亡くなった男子生徒がいじめを受けていたことを知った父親は、昨年10月と12月に計3回、大津署を訪ねて被害届の提出について相談したが、同署は男子生徒が亡くなっていることなどを理由に受理しなかった。
県警の家宅捜索の後、父親は代理人弁護士に「捜査は始まったが、息子のために父親としてできることをしたい」と相談。処罰への強い要望を示すため、被害届ではなく告訴することを決めた。大津署に口頭で被害の内容を伝え、「告訴調書」を作成してもらう。(毎日)
・中2自殺訴訟 「家庭内問題も言及」 大津市教育長 資料提出意向
大津市で昨年10月、中学2年の男子生徒=当時(13)=が飛び降り自殺した問題で、17日に大津地裁で開かれた損害賠償訴訟の第2回口頭弁論後、市教委の澤村憲次教育長が取材に応じた。「いじめが自殺の因果関係の一つになった可能性が高い」と明言する一方で、生徒の家庭内の問題についても言及していく考えを示した。
澤村教育長は、和解協議を呼び掛けた大津市の姿勢について、「主張を取り下げたのではなく、外部調査委の結果が出てから主張していくと思う」と説明。また、「家庭内で男子生徒がどんな環境にあり、何が起こったか学校から聞き、把握している」とした上で、裁判への資料提出を市側代理人と相談していくとした。一方で、市教委内に、いじめ対応についての検討チームを可能な限り早期に設ける意向も示した。学校教育課を中心に人選し、いじめ防止や発見した際の対応、さらに今回ずさんさが指摘されたアンケートの在り方を検討していくという。(京都新聞)
・自殺防止で警察庁に協議要請 文科省、いじめ情報共有
大津市の中2自殺を受け、文部科学省が、子どものいじめ自殺防止に向けて警察庁と連携を強めようと、実務者同士で定期的に協議し、情報交換する場を設けるよう求めたことが17日、文科省関係者への取材で分かった。
平野博文文科相が同日夕、警察庁で松原仁国家公安委員長と会い要請。松原委員長も「大事なことだ」と受け入れる考えを示したという。
いじめ問題を担当する文科省児童生徒課と警察庁少年課が協議する見通し。連絡体制を見直し、子どもの命に関わる事態があれば、文科省から警察庁に情報を提供して悪化を防ぐことも想定している。(河北新報)
・いじめた生徒の親族?ネットに偽情報で被害深刻(読売)
・女子児童いじめ対応の小学校長、首つり自殺 因果関係不明と教委「遺書なし」(産経)
野田政権が「終わった」日
野田政権が「終わった」日
「再稼働、するも地獄、しないも地獄」みたいなことを書いた。
つい3か月ほどまえのことだ。「これ以上、民主党に振り回されるのは、御免こうむりたい」とも書いた。
結局、野田政権は再稼働することによって、自ら地獄への階段を転げ落ちてしまった。 実に、あっけなかった。
けれど、「階段落ち」を演じるにしても、もう少しマシなやり方はなかったものか・・・。 どうしても、そう考え込んでしまう。
ただただ「ドン引き」してしまうだけで、まったく「面白くない」のはどうしてなのか。
おそらく誰も、何も多くは期待していない、とは思う。 しかしそうだとしても、少しは「観客」の想像力や知性を刺激したり、「なるほどね」と感心させ、学ぶ何かを残すようなパフォーマンスはできなかったものなのか。
大飯の再稼働が「国民生活を守るため」だと野田首相が真顔で言ったときには、「やっちまったな」と思ったものだった。
こんなんじゃ、子どもにしたって何も学べやしない。
野田政権は、大飯の再稼働によって「終わった」。
それによって民主党も終わった、と思う。
もっと「マシな終わり方」は、いくらでもあったはずなのに。
・・・
・参院民主3氏が離党届、輿石氏「政権崩壊する」(読売)
「3氏の離党について、民主党の輿石幹事長は17日の記者会見で、「(民主党が)がけっぷちに立っているという危機的状況を共有しなければ、大変なことになる。国民の信を問う前に、政権が崩壊する」と述べ、強い危機感を表明した・・・」
・民主代表選へ対抗馬検討 鳩山氏、離党に言及
「鳩山氏は番組で代表選について「どういう人材を擁立して、民主党の原点を取り戻す可能性があるのかどうか、しばらく試していきたい」と述べ、候補者擁立に意欲を表明。同時に「党に残るのか、外で行動して野党的な立場から政権に正しい方向を求めるのか、決断しなければいけない時が来る」として、代表選の結果次第で離党を検討する意向を示した・・・」(中国新聞)
・・・
・関電、大飯再稼働なくても電力供給に余力
「政府の節電要請から16日までの2週間の関西電力管内の電力需給で、最大需要は2301万キロワットにとどまり、出力118万キロワットの大飯原発3号機(福井県おおい町)が再稼働しなくても、供給力を9%下回っていたことが分かった。猛暑となり17日の最大需要はこの夏一番の2540万キロワットに達したが、10%以上の供給余力があった。政府は夏場の電力不足を理由に強引に大飯原発の再稼働に踏み切ったが、節電効果など需要の見通しの甘さが浮き彫りになった・・・」(中日新聞)
・原子力委員長らを国家公務員法違反で告発 都内の弁護士ら
内閣府原子力委員会が電力関係者らを集めた会合で、核燃料サイクル政策に関する報告書の原案を事前に配布していた問題で、東京都内の弁護士ら18人が18日、近藤駿介委員長ら27人を国家公務員法(守秘義務)違反などの容疑で最高検に告発状を提出した。
ほかに告発されたのは、原子力委の委員4人や内閣府、経済産業省、文部科学省の職員ら。
告発状によると、近藤委員長らは昨年12月~今年4月の間に計18回にわたって開かれた勉強会で、原子力発電を推進する立場の電力関係者らに対し、報告書の原案など原子力委の小委員会に配布予定の資料を事前配布するなどしたとしている。 事前配布された資料の中には「漏洩(ろうえい)により行政事務の遂行に支障を及ぼす恐れがある」とされる「機密性2情報」が含まれていたという。(日経)
・大飯・志賀原発、断層再調査へ 活断層なら停止・廃炉
「志賀原発の問題の断層は原子炉建屋直下にあり、活断層と判定されれば廃炉になる公算が大きい。再調査には少なくとも数カ月程度はかかるとみられる・・・」(朝日)⇒再調査決定!(7/18)
・「国の審査への信頼損なう」=志賀原発断層調査で谷本石川県知事
石川県の谷本正憲知事は18日、経済産業省原子力安全・保安院が北陸電力に志賀原発(石川県志賀町)の断層調査を指示したことについて、「調査対象の断層は志賀1、2号機の建設時に、国により審査され、安全だとされたもの」と指摘した上で、今回の調査指示で「これに疑義が生じたことは国の審査に対する国民の信頼を損なうもので、極めて遺憾」とのコメントを発表した。(時事) ⇒で?意味不明!
・嘉田知事、全国知事会で40年廃炉計画提案へ
滋賀県の嘉田由紀子知事は19日から高松市内で始まる全国知事会の会合で、40年を過ぎた原発の廃炉計画の提示などを盛り込んだ原発の安全対策に対する意見を発表する。議論が分かれた関西電力大飯原発の再稼働後、知事が一堂に会するのは初めて。嘉田知事は都道府県知事に賛同を呼びかける方針。
知事会の「原発対策特別委員会」(委員長・三村申吾青森県知事)がまとめた「原発の安全対策等に対する提言」案の議論に合わせ、さらなる安全対策が必要として意見書を提出する。40年廃炉計画のほか、使用済み核燃料の最終処理体制の工程の提示、国や事業者、原発から30キロ圏内の緊急防護措置区域(UPZ)の自治体も含めた安全体制の整備など、京都府の山田啓二知事と共同提言した7項目に沿った形で緊急性の高い内容を盛り込んだ。
県はこれまで原発政策に関して県単独の要望や京都府とともに共同提言を政府に提出。今回は全国知事会で広く他府県の賛同を得て発言力を増すことで、政府に対し京滋が主張する安全対策の実行を促す狙いがある。嘉田知事は「責任ある知事が集まる場で、賛否両論の議論を深めたい」と話す。
また嘉田知事は、透明性を担保した上で発送電分離や電力自由化を盛り込んだエネルギー問題についても提言を提出する。(京都新聞)
・26年目の訂正 「原発はいらない」 双葉町の標語考えた少年後悔(東京新聞)
「「原子力明るい未来のエネルギー」。福島県双葉町の中心街の入り口に掲げられた看板の標語だ。二十五年前、当時小学六年の大沼勇治さん(36)が町のコンクールに応募し、選ばれた。大沼さんは、一年四カ月の避難生活で「脱原発」を確信した思いを伝えたいと、今月十五日、一時帰宅した際、自ら標語を「訂正」した・・・」
「再稼働、するも地獄、しないも地獄」みたいなことを書いた。
つい3か月ほどまえのことだ。「これ以上、民主党に振り回されるのは、御免こうむりたい」とも書いた。
結局、野田政権は再稼働することによって、自ら地獄への階段を転げ落ちてしまった。 実に、あっけなかった。
けれど、「階段落ち」を演じるにしても、もう少しマシなやり方はなかったものか・・・。 どうしても、そう考え込んでしまう。
ただただ「ドン引き」してしまうだけで、まったく「面白くない」のはどうしてなのか。
おそらく誰も、何も多くは期待していない、とは思う。 しかしそうだとしても、少しは「観客」の想像力や知性を刺激したり、「なるほどね」と感心させ、学ぶ何かを残すようなパフォーマンスはできなかったものなのか。
大飯の再稼働が「国民生活を守るため」だと野田首相が真顔で言ったときには、「やっちまったな」と思ったものだった。
こんなんじゃ、子どもにしたって何も学べやしない。
野田政権は、大飯の再稼働によって「終わった」。
それによって民主党も終わった、と思う。
もっと「マシな終わり方」は、いくらでもあったはずなのに。
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・参院民主3氏が離党届、輿石氏「政権崩壊する」(読売)
「3氏の離党について、民主党の輿石幹事長は17日の記者会見で、「(民主党が)がけっぷちに立っているという危機的状況を共有しなければ、大変なことになる。国民の信を問う前に、政権が崩壊する」と述べ、強い危機感を表明した・・・」
・民主代表選へ対抗馬検討 鳩山氏、離党に言及
「鳩山氏は番組で代表選について「どういう人材を擁立して、民主党の原点を取り戻す可能性があるのかどうか、しばらく試していきたい」と述べ、候補者擁立に意欲を表明。同時に「党に残るのか、外で行動して野党的な立場から政権に正しい方向を求めるのか、決断しなければいけない時が来る」として、代表選の結果次第で離党を検討する意向を示した・・・」(中国新聞)
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・関電、大飯再稼働なくても電力供給に余力
「政府の節電要請から16日までの2週間の関西電力管内の電力需給で、最大需要は2301万キロワットにとどまり、出力118万キロワットの大飯原発3号機(福井県おおい町)が再稼働しなくても、供給力を9%下回っていたことが分かった。猛暑となり17日の最大需要はこの夏一番の2540万キロワットに達したが、10%以上の供給余力があった。政府は夏場の電力不足を理由に強引に大飯原発の再稼働に踏み切ったが、節電効果など需要の見通しの甘さが浮き彫りになった・・・」(中日新聞)
・原子力委員長らを国家公務員法違反で告発 都内の弁護士ら
内閣府原子力委員会が電力関係者らを集めた会合で、核燃料サイクル政策に関する報告書の原案を事前に配布していた問題で、東京都内の弁護士ら18人が18日、近藤駿介委員長ら27人を国家公務員法(守秘義務)違反などの容疑で最高検に告発状を提出した。
ほかに告発されたのは、原子力委の委員4人や内閣府、経済産業省、文部科学省の職員ら。
告発状によると、近藤委員長らは昨年12月~今年4月の間に計18回にわたって開かれた勉強会で、原子力発電を推進する立場の電力関係者らに対し、報告書の原案など原子力委の小委員会に配布予定の資料を事前配布するなどしたとしている。 事前配布された資料の中には「漏洩(ろうえい)により行政事務の遂行に支障を及ぼす恐れがある」とされる「機密性2情報」が含まれていたという。(日経)
・大飯・志賀原発、断層再調査へ 活断層なら停止・廃炉
「志賀原発の問題の断層は原子炉建屋直下にあり、活断層と判定されれば廃炉になる公算が大きい。再調査には少なくとも数カ月程度はかかるとみられる・・・」(朝日)⇒再調査決定!(7/18)
・「国の審査への信頼損なう」=志賀原発断層調査で谷本石川県知事
石川県の谷本正憲知事は18日、経済産業省原子力安全・保安院が北陸電力に志賀原発(石川県志賀町)の断層調査を指示したことについて、「調査対象の断層は志賀1、2号機の建設時に、国により審査され、安全だとされたもの」と指摘した上で、今回の調査指示で「これに疑義が生じたことは国の審査に対する国民の信頼を損なうもので、極めて遺憾」とのコメントを発表した。(時事) ⇒で?意味不明!
・嘉田知事、全国知事会で40年廃炉計画提案へ
滋賀県の嘉田由紀子知事は19日から高松市内で始まる全国知事会の会合で、40年を過ぎた原発の廃炉計画の提示などを盛り込んだ原発の安全対策に対する意見を発表する。議論が分かれた関西電力大飯原発の再稼働後、知事が一堂に会するのは初めて。嘉田知事は都道府県知事に賛同を呼びかける方針。
知事会の「原発対策特別委員会」(委員長・三村申吾青森県知事)がまとめた「原発の安全対策等に対する提言」案の議論に合わせ、さらなる安全対策が必要として意見書を提出する。40年廃炉計画のほか、使用済み核燃料の最終処理体制の工程の提示、国や事業者、原発から30キロ圏内の緊急防護措置区域(UPZ)の自治体も含めた安全体制の整備など、京都府の山田啓二知事と共同提言した7項目に沿った形で緊急性の高い内容を盛り込んだ。
県はこれまで原発政策に関して県単独の要望や京都府とともに共同提言を政府に提出。今回は全国知事会で広く他府県の賛同を得て発言力を増すことで、政府に対し京滋が主張する安全対策の実行を促す狙いがある。嘉田知事は「責任ある知事が集まる場で、賛否両論の議論を深めたい」と話す。
また嘉田知事は、透明性を担保した上で発送電分離や電力自由化を盛り込んだエネルギー問題についても提言を提出する。(京都新聞)
・26年目の訂正 「原発はいらない」 双葉町の標語考えた少年後悔(東京新聞)
「「原子力明るい未来のエネルギー」。福島県双葉町の中心街の入り口に掲げられた看板の標語だ。二十五年前、当時小学六年の大沼勇治さん(36)が町のコンクールに応募し、選ばれた。大沼さんは、一年四カ月の避難生活で「脱原発」を確信した思いを伝えたいと、今月十五日、一時帰宅した際、自ら標語を「訂正」した・・・」
2012年7月17日火曜日
言ってはいけないことを、言ってしまった中電社員
言ってはいけないことを、言ってしまった中電社員
「原発事故で、放射能の直接的影響で亡くなった人は一人もいない。この状況は今後5年、10年でも変わらない」。
昨日、名古屋市で開かれた、政府主催の「将来のエネルギー・環境政策に関する第3回意見聴取会」において、個人として社の見解を表明した中電社員の発言である。
この社員は絶対に口にしてはいけないことを、テレビカメラを前にして口にした。 放射能の「直接的影響」で亡くなった人は、現に存在するし、今後5年、10年ではもっと増えるに違いないからだ。 仲井真沖縄県知事ではないが、論評するのも「口が汚れる」とは、こういうことを言うのかも知れない。
中電社員は、「疫学的データ」が自説を証明していると断言してはばからなかった。その「疫学的データ」が何をさし、それによって何が証明されたのか、まったく不明だが、今年2月に読売電子版が発信したニュースによると、2月現在、認定された福島第一の「原子力危機」に関連する死者総数は573人になっている(日本語記事は削除された模様。"573 deaths 'related to nuclear crisis"を参照されたい)。
中電が原発推進派であり、浜岡のどの号機も廃炉にする意思を持たないことは誰もが知っている。
しかしそのことを正当化するために、このような暴言・妄言を吐く必要などまったくない。
この社員は、中電は、このような発言をする/させることによって、一人の人間として、社として何を主張し、何を守ろうとしているだろうか。
まったく意味不明としか言いようのない発言である。
常識とか理性とか、そういうものさえ通用しない世界が、原発問題の闇の奥に広がっている。
何か、えも言えぬような、「おぞましい」としか表現しようのない世界。
闇よりも暗いその「世界」を、この社員の姿に、発言に垣間見たのは私だけだろうか。
・・・
7/20
・電事連会長、社員発言「問題はない」
「電力会社社員が意見聴取会で発言するということ自体には私は問題があるというふうには考えておりません」(電気事業連合会 八木誠 会長) 「電力会社の社員というだけで個人の意見表明も自粛しないといけないのは違和感を感じる」。(TBS)
・がん死者130人と試算 福島原発事故で米研究者
東京電力福島第1原発事故で放出された放射性物質により、今後50年以内に世界で130人ががんで死亡する可能性があるとする試算を米スタンフォード大のチームがまとめ、19日までに発表した。被害のほとんどが日本人という。
チームは、大気の動きのシミュレーションと地表の汚染データなどからセシウムやヨウ素による被ばく線量を算出。米環境保護局(EPA)の計算式を基に、発がんの危険性を求めた。「事故の放射性物質による健康への悪影響はないとする意見もあるが、そうではないことが分かった。ただしチェルノブイリ事故より少ないだろう」としている。(共同)
7/18
・再調査求める声続出=大飯、志賀原発の断層-専門家ら、保安院「検討」
全国の原発敷地内や周辺に活断層があるかを議論する経済産業省原子力安全・保安院の専門家意見聴取会が17日開かれ、北陸電力志賀原発(石川県志賀町)と関西電力大飯原発(福井県おおい町)について、再調査を求める声が続出した。
保安院は「専門家の意見として極めて重いと考える。しっかり受け止め対応方針を検討して決めたい」と再調査に前向きな姿勢を示した。近く結論を出す見通し。
聴取会では、志賀原発1号機の原子炉建屋下を通る断層について、北陸電が「問題となるものではない」と主張し、改めて活断層の可能性を否定。これに対し、今泉俊文東北大大学院教授らが「これこそ典型的活断層。全く理解できず、あきれてものが言えない」と批判した。
志賀原発の設置を許可した規制当局の対応も疑問視され、今泉教授が「よく審査を通ったとあきれている」と憤慨する場面もあった。
・泊「軟弱な断層、考慮必要ない」 北電報告 保安院は再説明要請
北海道電力は17日、経済産業省原子力安全・保安院に対して、泊原発1~3号機(後志管内泊村)の敷地内を走る11本の破砕帯と呼ばれる軟弱な断層について「耐震設計上考慮する断層ではない」とする説明文書を提出した。専門家からは「データが不十分だ」などと異論が出て、保安院は北電に再説明を求めた。 活断層が原発に及ぼす影響を検討する専門家会議で示された。
泊原発の敷地内には、建設前のボーリング調査などで11本の破砕帯があると分かっている。
国の原発耐震指針では、13万~12万年前以降に動いた活断層の真上に原子炉など、重要施設を設置できないが、北電は破砕帯の新旧や地中状態を調べた結果、新しい時代のものではなく問題ない(?)ことを確認済みだと主張した。(北海道新聞、http://www.hokkaido-np.co.jp/news/donai/388374.html)
・福島第1原発で16歳少年が作業=鹿島の下請け、労基法違反―東電
東京電力<9501>は17日、昨年5月から6月にかけ、東京電力福島第1原発で当時16歳の少年が作業していたと明らかにした。同原発の事故後、労働基準法違反に当たる18歳未満の就労が判明したのは2人目。 東電によると、鹿島の下請け企業に少年の親族が雇用を申し入れた際、18歳と年齢を偽っていたという。(時事)
7/17
・速報 17万人が参加「さようなら原発集会」おこなわれる
・【飯舘あす避難区域再編】 復興へ期待と懸念 工場増設の動き 長泥地区は「古里遠のく」(7/16,福島民報)
・全原発廃炉求め特別決議 東海で県母親大会
母親の立場から命や平和について考える「第52回県母親大会」が16日、東海村船場の東海文化センターなどで開かれた。福島第1原発事故を受け、今年は脱原発や放射線の問題を中心テーマとし、シンポジウムでは「原発のない社会をどうつくるか」について議論した。全体会では東海第2原発を含む国内全ての原発の廃炉を求める特別決議を行った。
シンポジウムでは、福島県の母親たちで組織する「子どもたちを放射能から守る福島ネットワーク」の佐藤幸子代表が「原発事故で多くのものを失って、初めて命が一番大切ということに気付かされた。子どもを守るためなら、誰とでも連携し、どんなことでもする覚悟だ」と話した。
東海第2原発の廃炉を訴える村上達也東海村長は「日本全体で原発依存の経済構造から脱却する覚悟が必要。東海第2原発を廃炉にしても村には廃炉の技術開発や人材養成などの産業が残り、原子力センター構想も進めている」と述べた。
茨城大の渋谷敦司教授は「住民の価値観は変わりつつある。住民アンケートを見ると、再稼働に賛成した人の多くは原発への不安を抱え悩んでおり、(反対の人と)全く対話が成り立たない状況ではない」と指摘した。大会ではほかに、テーマごとの分科会や記念講演が行われた。 (茨城新聞 http://ibarakinews.jp/news/news.php?f_jun=13424538541308)
・東京の反原発集会と連動 福岡市でも集会300人
労働組合や市民団体などのメンバーでつくる平和・人権・環境福岡県フォーラム(梶原正実代表)は16日、原発ゼロの社会を目指すとして、「さようなら原発福岡県集会」を福岡市天神で開いた。約300人が参加し、原発再稼働に反対の声を上げた。 同フォーラムによると、東京で同日開かれた大規模の反原発集会と連動し、「脱原発」を求める市民の声を大きくしようと企画した。
福島県南相馬市の元教員、竹中柳一さん(61)が福島第1原発事故後、人口減や放射能汚染に苦しむ地域社会について報告。「経済、雇用だけが地域を決める尺度ではない。一人一人が『3・11』後の原発問題に向き合ってほしい」と訴えた。(西日本新聞)
・脱原発訴え瀬戸で集会 主婦ら呼び掛け
東京都で同日開かれた「さようなら原発10万人集会」に合わせて地元の主婦らが呼び掛けたもので、「原発はいらない」と書かれた服を着たりプラカードを持った参加者百二十人が集まった。 参加者はマイクで「原発も核兵器も無くすことは可能」「原発問題に関心を持ち続けて、推進を止めなければいけない」などと、それぞれの思いを強く主張。最後に「原発反対、再稼働反対、子どもを守れ」などと声を合わせて脱原発への思いを一致させた。(中日新聞)
・原発再稼働反対訴え鹿児島市で署名活動
「さようなら原発1000万人アクション」鹿児島県実行委員会は16日、鹿児島市の天文館で署名を呼び掛けた。「福島第1原発事故の原因究明がされないうちに再稼働はあり得ない」などと全国の原発再稼働反対を訴えた。 同日東京で開かれた「さようなら原発10万人集会」に合わせた活動。約30人が参加し、チラシ1000枚を配った。(南日本新聞)
・志賀原発、直下に活断層の可能性-現地再調査も
北陸電力志賀原発1号機(石川県)の直下を走る断層が、13万~12万年前以降に動いた活断層である可能性が高いことが16日、経済産業省原子力安全・保安院の調査で分かった。国の原発耐震指針では、こうした新しい断層を原発の耐震設計上、考慮するよう定めている。
国は活断層の真上に原子炉など重要な施設を設置してはならないとしており、活断層と確認されれば志賀原発は「立地不適格」として、運転継続が困難になる可能性もある。保安院は17日に専門家会議を開き、現地での再調査の必要性について検討する方針。 活断層の可能性が指摘されたのは敷地内で南東―北西方向に走る「S―1断層」。(北国新聞)
7/16
・リトアニアで原発建設の国民投票へ
【モスクワ共同】 リトアニア議会は16日、日立製作所が事実上受注した新原発「ビサギナス原発」について、建設の是非を問う国民投票を総選挙と同じ10月14日に行うとの野党提案を賛成多数で承認した。タス通信が伝えた。
国民投票で原発建設が否決されても強制力はないが、総選挙で優勢とされる野党側が勝利した場合、建設計画の推進に影響が出る可能性もある。クビリウス首相は総選挙を前にした野党の「陰謀」と強く批判した。
福島第1原発事故などを受け、世論調査では原発建設の賛否は割れている。投票推進側は、巨額の税金が投入され、住民の安全にも影響が出るため「国民の意見を聞くのは不可欠」としている。
・放射線障害の怖さ訴え 被爆医療の医師講演
原爆投下後、広島県で被爆者医療に携わった肥田舜太郎医師(95)=さいたま市=が15日、松山市道後町2丁目のひめぎんホールで講演。東京電力福島第1原発事故を踏まえ、健康被害との因果関係立証が難しい放射線障害の怖さを語り、「一番危険な毒である放射性物質を安直に金もうけに使う原発は、伊方を含めやめるべきだ」と訴えた。
「石けんを広める県連絡会」主催。肥田さんは爆心地近くの陸軍病院に勤務し、6000人以上の被爆者を診療した。
福島県民からだるさを訴える電話相談があると明かし、広島ではこうした症状がノイローゼと診断され、怠けていると誤解されたと説明。同じ問題の再発を懸念した。 (愛媛新聞)
・・・
・「延期でなく配備中止を」 特集・オスプレイ沖縄配備(琉球新報)
「原発事故で、放射能の直接的影響で亡くなった人は一人もいない。この状況は今後5年、10年でも変わらない」。
昨日、名古屋市で開かれた、政府主催の「将来のエネルギー・環境政策に関する第3回意見聴取会」において、個人として社の見解を表明した中電社員の発言である。
この社員は絶対に口にしてはいけないことを、テレビカメラを前にして口にした。 放射能の「直接的影響」で亡くなった人は、現に存在するし、今後5年、10年ではもっと増えるに違いないからだ。 仲井真沖縄県知事ではないが、論評するのも「口が汚れる」とは、こういうことを言うのかも知れない。
中電社員は、「疫学的データ」が自説を証明していると断言してはばからなかった。その「疫学的データ」が何をさし、それによって何が証明されたのか、まったく不明だが、今年2月に読売電子版が発信したニュースによると、2月現在、認定された福島第一の「原子力危機」に関連する死者総数は573人になっている(日本語記事は削除された模様。"573 deaths 'related to nuclear crisis"を参照されたい)。
中電が原発推進派であり、浜岡のどの号機も廃炉にする意思を持たないことは誰もが知っている。
しかしそのことを正当化するために、このような暴言・妄言を吐く必要などまったくない。
この社員は、中電は、このような発言をする/させることによって、一人の人間として、社として何を主張し、何を守ろうとしているだろうか。
まったく意味不明としか言いようのない発言である。
常識とか理性とか、そういうものさえ通用しない世界が、原発問題の闇の奥に広がっている。
何か、えも言えぬような、「おぞましい」としか表現しようのない世界。
闇よりも暗いその「世界」を、この社員の姿に、発言に垣間見たのは私だけだろうか。
・・・
7/20
・電事連会長、社員発言「問題はない」
「電力会社社員が意見聴取会で発言するということ自体には私は問題があるというふうには考えておりません」(電気事業連合会 八木誠 会長) 「電力会社の社員というだけで個人の意見表明も自粛しないといけないのは違和感を感じる」。(TBS)
・がん死者130人と試算 福島原発事故で米研究者
東京電力福島第1原発事故で放出された放射性物質により、今後50年以内に世界で130人ががんで死亡する可能性があるとする試算を米スタンフォード大のチームがまとめ、19日までに発表した。被害のほとんどが日本人という。
チームは、大気の動きのシミュレーションと地表の汚染データなどからセシウムやヨウ素による被ばく線量を算出。米環境保護局(EPA)の計算式を基に、発がんの危険性を求めた。「事故の放射性物質による健康への悪影響はないとする意見もあるが、そうではないことが分かった。ただしチェルノブイリ事故より少ないだろう」としている。(共同)
7/18
・再調査求める声続出=大飯、志賀原発の断層-専門家ら、保安院「検討」
全国の原発敷地内や周辺に活断層があるかを議論する経済産業省原子力安全・保安院の専門家意見聴取会が17日開かれ、北陸電力志賀原発(石川県志賀町)と関西電力大飯原発(福井県おおい町)について、再調査を求める声が続出した。
保安院は「専門家の意見として極めて重いと考える。しっかり受け止め対応方針を検討して決めたい」と再調査に前向きな姿勢を示した。近く結論を出す見通し。
聴取会では、志賀原発1号機の原子炉建屋下を通る断層について、北陸電が「問題となるものではない」と主張し、改めて活断層の可能性を否定。これに対し、今泉俊文東北大大学院教授らが「これこそ典型的活断層。全く理解できず、あきれてものが言えない」と批判した。
志賀原発の設置を許可した規制当局の対応も疑問視され、今泉教授が「よく審査を通ったとあきれている」と憤慨する場面もあった。
・泊「軟弱な断層、考慮必要ない」 北電報告 保安院は再説明要請
北海道電力は17日、経済産業省原子力安全・保安院に対して、泊原発1~3号機(後志管内泊村)の敷地内を走る11本の破砕帯と呼ばれる軟弱な断層について「耐震設計上考慮する断層ではない」とする説明文書を提出した。専門家からは「データが不十分だ」などと異論が出て、保安院は北電に再説明を求めた。 活断層が原発に及ぼす影響を検討する専門家会議で示された。
泊原発の敷地内には、建設前のボーリング調査などで11本の破砕帯があると分かっている。
国の原発耐震指針では、13万~12万年前以降に動いた活断層の真上に原子炉など、重要施設を設置できないが、北電は破砕帯の新旧や地中状態を調べた結果、新しい時代のものではなく問題ない(?)ことを確認済みだと主張した。(北海道新聞、http://www.hokkaido-np.co.jp/news/donai/388374.html)
・福島第1原発で16歳少年が作業=鹿島の下請け、労基法違反―東電
東京電力<9501>は17日、昨年5月から6月にかけ、東京電力福島第1原発で当時16歳の少年が作業していたと明らかにした。同原発の事故後、労働基準法違反に当たる18歳未満の就労が判明したのは2人目。 東電によると、鹿島の下請け企業に少年の親族が雇用を申し入れた際、18歳と年齢を偽っていたという。(時事)
7/17
・速報 17万人が参加「さようなら原発集会」おこなわれる
・【飯舘あす避難区域再編】 復興へ期待と懸念 工場増設の動き 長泥地区は「古里遠のく」(7/16,福島民報)
・全原発廃炉求め特別決議 東海で県母親大会
母親の立場から命や平和について考える「第52回県母親大会」が16日、東海村船場の東海文化センターなどで開かれた。福島第1原発事故を受け、今年は脱原発や放射線の問題を中心テーマとし、シンポジウムでは「原発のない社会をどうつくるか」について議論した。全体会では東海第2原発を含む国内全ての原発の廃炉を求める特別決議を行った。
シンポジウムでは、福島県の母親たちで組織する「子どもたちを放射能から守る福島ネットワーク」の佐藤幸子代表が「原発事故で多くのものを失って、初めて命が一番大切ということに気付かされた。子どもを守るためなら、誰とでも連携し、どんなことでもする覚悟だ」と話した。
東海第2原発の廃炉を訴える村上達也東海村長は「日本全体で原発依存の経済構造から脱却する覚悟が必要。東海第2原発を廃炉にしても村には廃炉の技術開発や人材養成などの産業が残り、原子力センター構想も進めている」と述べた。
茨城大の渋谷敦司教授は「住民の価値観は変わりつつある。住民アンケートを見ると、再稼働に賛成した人の多くは原発への不安を抱え悩んでおり、(反対の人と)全く対話が成り立たない状況ではない」と指摘した。大会ではほかに、テーマごとの分科会や記念講演が行われた。 (茨城新聞 http://ibarakinews.jp/news/news.php?f_jun=13424538541308)
・東京の反原発集会と連動 福岡市でも集会300人
労働組合や市民団体などのメンバーでつくる平和・人権・環境福岡県フォーラム(梶原正実代表)は16日、原発ゼロの社会を目指すとして、「さようなら原発福岡県集会」を福岡市天神で開いた。約300人が参加し、原発再稼働に反対の声を上げた。 同フォーラムによると、東京で同日開かれた大規模の反原発集会と連動し、「脱原発」を求める市民の声を大きくしようと企画した。
福島県南相馬市の元教員、竹中柳一さん(61)が福島第1原発事故後、人口減や放射能汚染に苦しむ地域社会について報告。「経済、雇用だけが地域を決める尺度ではない。一人一人が『3・11』後の原発問題に向き合ってほしい」と訴えた。(西日本新聞)
・脱原発訴え瀬戸で集会 主婦ら呼び掛け
東京都で同日開かれた「さようなら原発10万人集会」に合わせて地元の主婦らが呼び掛けたもので、「原発はいらない」と書かれた服を着たりプラカードを持った参加者百二十人が集まった。 参加者はマイクで「原発も核兵器も無くすことは可能」「原発問題に関心を持ち続けて、推進を止めなければいけない」などと、それぞれの思いを強く主張。最後に「原発反対、再稼働反対、子どもを守れ」などと声を合わせて脱原発への思いを一致させた。(中日新聞)
・原発再稼働反対訴え鹿児島市で署名活動
「さようなら原発1000万人アクション」鹿児島県実行委員会は16日、鹿児島市の天文館で署名を呼び掛けた。「福島第1原発事故の原因究明がされないうちに再稼働はあり得ない」などと全国の原発再稼働反対を訴えた。 同日東京で開かれた「さようなら原発10万人集会」に合わせた活動。約30人が参加し、チラシ1000枚を配った。(南日本新聞)
・志賀原発、直下に活断層の可能性-現地再調査も
北陸電力志賀原発1号機(石川県)の直下を走る断層が、13万~12万年前以降に動いた活断層である可能性が高いことが16日、経済産業省原子力安全・保安院の調査で分かった。国の原発耐震指針では、こうした新しい断層を原発の耐震設計上、考慮するよう定めている。
国は活断層の真上に原子炉など重要な施設を設置してはならないとしており、活断層と確認されれば志賀原発は「立地不適格」として、運転継続が困難になる可能性もある。保安院は17日に専門家会議を開き、現地での再調査の必要性について検討する方針。 活断層の可能性が指摘されたのは敷地内で南東―北西方向に走る「S―1断層」。(北国新聞)
7/16
・リトアニアで原発建設の国民投票へ
【モスクワ共同】 リトアニア議会は16日、日立製作所が事実上受注した新原発「ビサギナス原発」について、建設の是非を問う国民投票を総選挙と同じ10月14日に行うとの野党提案を賛成多数で承認した。タス通信が伝えた。
国民投票で原発建設が否決されても強制力はないが、総選挙で優勢とされる野党側が勝利した場合、建設計画の推進に影響が出る可能性もある。クビリウス首相は総選挙を前にした野党の「陰謀」と強く批判した。
福島第1原発事故などを受け、世論調査では原発建設の賛否は割れている。投票推進側は、巨額の税金が投入され、住民の安全にも影響が出るため「国民の意見を聞くのは不可欠」としている。
・放射線障害の怖さ訴え 被爆医療の医師講演
原爆投下後、広島県で被爆者医療に携わった肥田舜太郎医師(95)=さいたま市=が15日、松山市道後町2丁目のひめぎんホールで講演。東京電力福島第1原発事故を踏まえ、健康被害との因果関係立証が難しい放射線障害の怖さを語り、「一番危険な毒である放射性物質を安直に金もうけに使う原発は、伊方を含めやめるべきだ」と訴えた。
「石けんを広める県連絡会」主催。肥田さんは爆心地近くの陸軍病院に勤務し、6000人以上の被爆者を診療した。
福島県民からだるさを訴える電話相談があると明かし、広島ではこうした症状がノイローゼと診断され、怠けていると誤解されたと説明。同じ問題の再発を懸念した。 (愛媛新聞)
・・・
・「延期でなく配備中止を」 特集・オスプレイ沖縄配備(琉球新報)
2012年7月15日日曜日
「学校に行かなくてもいい社会」のために
「学校に行かなくてもいい社会」のために
1
もう8年も前になるが、『学校のない社会への招待 -〈教育という制度〉から自由になるために-』という本を翻訳し、出版した。
著者の二人は、『脱学校の社会』を書いたイヴァン・イリッチの思想に深く共鳴した人たちである。
一人は文字通りの教え子で、もう一人は同じ志をもつようになった元メキシコ政府の役人で国連にも関わったことのある、在野の、上昇志向を捨てた、「土俵から降りた知識人」である。
『学校のない社会への招待』の原題は、Escaping Education、「教育から逃れて」である。
ボリビア、グァテマラ、メキシコ、米国、モ―リタリア(アフリカ)など、学校による「囲い込み」の被害に合い、自分たちの文化・アイデンティティをはく奪された先住民族や少数民族が、コミュニティレベルで「学校のない社会」を創造している・・・、そんな様子を記した、言わばルポルタージュである。
一方、イリッチの『脱学校の社会』は、De-schooling Society. 社会を脱学校化すること。
先週来、大津の中学校の「いじめ」問題でマスコミもネットもヒートアップしている。
あれやこれや、いろんな情報に触れるにつけ、これら二つの本の思想を少しでも日本に広げるにはどうしたらよいのか、そんなことばかりが頭によぎる。
そこで、私の知人・友人の中にも多くいる学校教師や大学教師、受験・教育産業関係者に提案がある。
せめて、日本を「学校に行かなくてもいい社会」にしようではないか。
私は大学解体論者で「学校なんていらない」論者なのだけれども、そこまでは要求しない。
せめてせめて、とりあえずは、日本を「学校に行かなくてもいい社会」にすることで手を打ちたい、譲歩したいと思う。
「学校に行かなくてもいい社会」になれば、当然、「大学に行かなくてもよい社会」になる。
どうだろう、意見は一致するだろうか?
・・
・高等教育修了者を95%に…民主次期公約へ
民主党の「大学改革ワーキングチーム」(座長=鈴木寛・元文部科学副大臣)は12日、高校生の学力を等級で示す「高校教育検定」(!)の創設や、大学や短大などの修了者を同学年人口の95%に増やす高等教育の量的拡大(ついに、出た!)を柱とした大学改革の報告書をまとめた。 新たに4兆円を投入する内容で、今月中にも党内の機関決定を行い、次期総選挙のマニフェストに盛り込む方針だ。
「高校教育検定」は、高校生の学力を教科ごとに「1~5級」で示し、級取得者に大学受験を認める仕組み。取得者には、各大学が論文や英検などで思考力や語学力を問うことで、2段階の選抜方法に転換する考えだ。
また、全国約800の大学を「学修大学」と「研究大学」に分けて機能を強化し国際競争力を高める。さらに、同学年の約70%にとどまる高等教育修了者を増やすことで、若年失業者を現在の約10%から3%へ減らす目標(!)を掲げた。(読売)
・国立大学の再編が本格的に始まる?
大学の国際競争力の向上などを目指して文部科学省が「大学改革実行プラン」(2012~2017<平成24~29>年)を策定しましたが、このうち国立大学改革の大きな柱とされているのが「一法人複数大学方式」(アンブレラ方式)による国立大学の再編です。具体化されれば、国立大学の姿はこれまでとは大きく変わることが予想されます。
国立大学は2004(平成16)年度から、行政改革の一環として法人化されました。現在は、「一法人一大学」の形を取っており、一つの国立大学法人が一つの大学を運営しています。文科省直轄だったころに比べて、各大学の自主性・自律性が高まり、大学の裁量権が拡大したのが特徴です。また、各大学の実績に応じた予算配分も進んでいます。
これに対して一つの国立大学法人が複数の国立大学を運営できるようにするのが、アンブレラ方式です。導入されれば、大学や学部の枠にとらわれない国立大学の再編が可能になります。
たとえば、一つの国立大学法人が所在都道府県の異なる三つの大学を運営する場合、A大学は社会科学系中心、B大学は理工系中心、C大学は教員養成系中心……といったように再編し、全体として効率的な運営が可能になるというわけです。これによって文科省は、国立大学の国際競争力などを向上させることができると説明しています。
ただ、文科省がアンブレラ方式を打ち出した背景には、国立大学の統廃合を阻止したいという狙いもあるようです。法人化前に国立大学は100校以上ありましたが、現在は86校(大学院大学を含む)に統廃合されました。ところが、統廃合の内容を見ると、同一県内にある国立大学と国立医科大学などの統合が中心で、総合大学同士の統合はありません。
これに対して財務省などは、国立大学の数が多すぎるとして統廃合の推進を強く求めています。アンブレラ方式によって国立大学を再編すれば、国立大学に対する予算の効率化が図れる一方、実質的に国立大学の数を減らさずに済むというのが文科省の考え方のようです。文科省は2013(平成25)年夏ごろまでに「国立大学改革プラン」を策定し、アンブレラ方式に向けた制度改正を検討する方針です。
しかし、独立した法人である国立大学がアンブレラ方式による再編を実施するかどうかは、各大学の判断に任されることになるため、どの程度の大学が導入するは不透明な部分があります。各国立大学はそれぞれの都道府県の中で中核的な役割を担っているだけでなく、都道府県のほうも地元大学の学部などが他県に移転することについて反発することは必至だからです。
とはいえ、国立大学同士の再編・連携がこれからの大きな流れになることは間違いないでしょう。一部の科目を在籍校とは違う大学で学んだり、1年間や半年間だけ違う大学に移ったりすることが当たり前になるかもしれません。また、学部再編では、都道府県ごとにある教員養成系学部を複数の県で一つにまとめることなども課題となりそうです。(Benesse教育情報サイト)
・・
日本は「学校に行かなくともいい社会」ではなく、子どもを「無理やりにでも学校に行かせる社会」である。
文科省が、中教審が、無理やりにでも、子どもを学校に、大学に行かせようとする。
既成政党のすべてが、無理やりにでも、子どもを学校に、大学に行かせようとする。
自治体が、教育委員会が、学校が、大学が、教師が、親が、無理やりにでも、子どもを学校に、大学に行かせようとする。
そして子どもが無理にでも学校、大学に行かないと、人生が開けないと思いこまされる社会である。
いったい「大卒者が95%の社会」なんて、どんな社会なのか。えげつないほど、キモイ社会ではないか? そのために新たに4兆円?
その次に待ち受けるのは、「大学院修士卒が95%の社会」である。『大学を解体せよ』でも書いたように、連中は本気も本気、真剣にそう考えている。
原発再稼働、オスプレイ、大増税、TPP、「尖閣諸島の国有化」と「大卒者が95%の社会」。
私たちはそういう日本社会の未来像を、そのためにこれだけの額の税金の拠出を、本当に望んでいるのだろうか?
・・・
・東北電社員が原発推進発言 「やらせでは」会場騒然 仙台で第2回意見聴取会(河北新報)
「9人しかいない発言者の1人として東北電力の幹部社員が原発を推進する意見を述べたため、会場から不満の声が上がり一時騒然となった。発言者には首都圏在住者も3人選ばれており、被災地の反発を招きかねない運営方法に批判が強まりそうだ。
1
もう8年も前になるが、『学校のない社会への招待 -〈教育という制度〉から自由になるために-』という本を翻訳し、出版した。
著者の二人は、『脱学校の社会』を書いたイヴァン・イリッチの思想に深く共鳴した人たちである。
一人は文字通りの教え子で、もう一人は同じ志をもつようになった元メキシコ政府の役人で国連にも関わったことのある、在野の、上昇志向を捨てた、「土俵から降りた知識人」である。
『学校のない社会への招待』の原題は、Escaping Education、「教育から逃れて」である。
ボリビア、グァテマラ、メキシコ、米国、モ―リタリア(アフリカ)など、学校による「囲い込み」の被害に合い、自分たちの文化・アイデンティティをはく奪された先住民族や少数民族が、コミュニティレベルで「学校のない社会」を創造している・・・、そんな様子を記した、言わばルポルタージュである。
一方、イリッチの『脱学校の社会』は、De-schooling Society. 社会を脱学校化すること。
先週来、大津の中学校の「いじめ」問題でマスコミもネットもヒートアップしている。
あれやこれや、いろんな情報に触れるにつけ、これら二つの本の思想を少しでも日本に広げるにはどうしたらよいのか、そんなことばかりが頭によぎる。
そこで、私の知人・友人の中にも多くいる学校教師や大学教師、受験・教育産業関係者に提案がある。
せめて、日本を「学校に行かなくてもいい社会」にしようではないか。
私は大学解体論者で「学校なんていらない」論者なのだけれども、そこまでは要求しない。
せめてせめて、とりあえずは、日本を「学校に行かなくてもいい社会」にすることで手を打ちたい、譲歩したいと思う。
「学校に行かなくてもいい社会」になれば、当然、「大学に行かなくてもよい社会」になる。
どうだろう、意見は一致するだろうか?
・・
・高等教育修了者を95%に…民主次期公約へ
民主党の「大学改革ワーキングチーム」(座長=鈴木寛・元文部科学副大臣)は12日、高校生の学力を等級で示す「高校教育検定」(!)の創設や、大学や短大などの修了者を同学年人口の95%に増やす高等教育の量的拡大(ついに、出た!)を柱とした大学改革の報告書をまとめた。 新たに4兆円を投入する内容で、今月中にも党内の機関決定を行い、次期総選挙のマニフェストに盛り込む方針だ。
「高校教育検定」は、高校生の学力を教科ごとに「1~5級」で示し、級取得者に大学受験を認める仕組み。取得者には、各大学が論文や英検などで思考力や語学力を問うことで、2段階の選抜方法に転換する考えだ。
また、全国約800の大学を「学修大学」と「研究大学」に分けて機能を強化し国際競争力を高める。さらに、同学年の約70%にとどまる高等教育修了者を増やすことで、若年失業者を現在の約10%から3%へ減らす目標(!)を掲げた。(読売)
・国立大学の再編が本格的に始まる?
大学の国際競争力の向上などを目指して文部科学省が「大学改革実行プラン」(2012~2017<平成24~29>年)を策定しましたが、このうち国立大学改革の大きな柱とされているのが「一法人複数大学方式」(アンブレラ方式)による国立大学の再編です。具体化されれば、国立大学の姿はこれまでとは大きく変わることが予想されます。
国立大学は2004(平成16)年度から、行政改革の一環として法人化されました。現在は、「一法人一大学」の形を取っており、一つの国立大学法人が一つの大学を運営しています。文科省直轄だったころに比べて、各大学の自主性・自律性が高まり、大学の裁量権が拡大したのが特徴です。また、各大学の実績に応じた予算配分も進んでいます。
これに対して一つの国立大学法人が複数の国立大学を運営できるようにするのが、アンブレラ方式です。導入されれば、大学や学部の枠にとらわれない国立大学の再編が可能になります。
たとえば、一つの国立大学法人が所在都道府県の異なる三つの大学を運営する場合、A大学は社会科学系中心、B大学は理工系中心、C大学は教員養成系中心……といったように再編し、全体として効率的な運営が可能になるというわけです。これによって文科省は、国立大学の国際競争力などを向上させることができると説明しています。
ただ、文科省がアンブレラ方式を打ち出した背景には、国立大学の統廃合を阻止したいという狙いもあるようです。法人化前に国立大学は100校以上ありましたが、現在は86校(大学院大学を含む)に統廃合されました。ところが、統廃合の内容を見ると、同一県内にある国立大学と国立医科大学などの統合が中心で、総合大学同士の統合はありません。
これに対して財務省などは、国立大学の数が多すぎるとして統廃合の推進を強く求めています。アンブレラ方式によって国立大学を再編すれば、国立大学に対する予算の効率化が図れる一方、実質的に国立大学の数を減らさずに済むというのが文科省の考え方のようです。文科省は2013(平成25)年夏ごろまでに「国立大学改革プラン」を策定し、アンブレラ方式に向けた制度改正を検討する方針です。
しかし、独立した法人である国立大学がアンブレラ方式による再編を実施するかどうかは、各大学の判断に任されることになるため、どの程度の大学が導入するは不透明な部分があります。各国立大学はそれぞれの都道府県の中で中核的な役割を担っているだけでなく、都道府県のほうも地元大学の学部などが他県に移転することについて反発することは必至だからです。
とはいえ、国立大学同士の再編・連携がこれからの大きな流れになることは間違いないでしょう。一部の科目を在籍校とは違う大学で学んだり、1年間や半年間だけ違う大学に移ったりすることが当たり前になるかもしれません。また、学部再編では、都道府県ごとにある教員養成系学部を複数の県で一つにまとめることなども課題となりそうです。(Benesse教育情報サイト)
・・
日本は「学校に行かなくともいい社会」ではなく、子どもを「無理やりにでも学校に行かせる社会」である。
文科省が、中教審が、無理やりにでも、子どもを学校に、大学に行かせようとする。
既成政党のすべてが、無理やりにでも、子どもを学校に、大学に行かせようとする。
自治体が、教育委員会が、学校が、大学が、教師が、親が、無理やりにでも、子どもを学校に、大学に行かせようとする。
そして子どもが無理にでも学校、大学に行かないと、人生が開けないと思いこまされる社会である。
いったい「大卒者が95%の社会」なんて、どんな社会なのか。えげつないほど、キモイ社会ではないか? そのために新たに4兆円?
その次に待ち受けるのは、「大学院修士卒が95%の社会」である。『大学を解体せよ』でも書いたように、連中は本気も本気、真剣にそう考えている。
原発再稼働、オスプレイ、大増税、TPP、「尖閣諸島の国有化」と「大卒者が95%の社会」。
私たちはそういう日本社会の未来像を、そのためにこれだけの額の税金の拠出を、本当に望んでいるのだろうか?
・・・
・東北電社員が原発推進発言 「やらせでは」会場騒然 仙台で第2回意見聴取会(河北新報)
「9人しかいない発言者の1人として東北電力の幹部社員が原発を推進する意見を述べたため、会場から不満の声が上がり一時騒然となった。発言者には首都圏在住者も3人選ばれており、被災地の反発を招きかねない運営方法に批判が強まりそうだ。
2012年7月13日金曜日
『福島と生きる ~国際NGOと市民運動の新たな挑戦』
『福島と生きる ~国際NGOと市民運動の新たな挑戦』
まだ校正作業中であるが、ようやく予告ができる状況までこぎつけた。9月頃の配本になる予定である。
ネット書店でも宣伝が始まり、来週には版元の新評論よりPR誌が発行されるようなので、この怠惰なブログを覗いてくれている人たちへのお詫びとお礼をかねて、一足先に新刊本の紹介をさせて頂こうと思う。
そのPR誌に私が書いた文章である。
・・
「三・一一」から丸一年を迎えた日本社会をさして、「無関心の暗闇」が支配していると評した人がいた。
その通りだと思った。
「暗闇」は、ロンドン五輪の興奮を経て、本書が書店に並ぶ秋口頃には一段と深まっているにちがいない。
私たちはそのことを十分に自覚している。それでもなお本書を世に問おうとするのは、東日本大震災と原子力大惨事に見舞われた複合惨事後の日本社会が〈福島〉に試されていると考えるからである。
本書は、「無関心の暗闇」に抗いながら、福島から各地へ向かい活動する市民・農民運動家と、各地から福島へと向かう国際NGOや個人の活動の記録である。
そこに映し出されているのは、福島の市民・農民運動と国際NGOが交差する、十字路の風景である。「十字路」は南相馬、いわき、渡利(福島市)、郡山、二本松、三春にある。本書で取り上げることができなかった会津地方にも、もちろんある。
本書の第Ⅰ部「福島の声」に耳をすませていただきたい。読者は〈福島〉の現実についてまだまだ知らない、知らされていないことがたくさんあることに息をのみ、驚くことだろう。
第Ⅱ部の「福島と生きる」では、今回の複合惨事を通じて初めて日本での支援活動を行うことになった国際NGOの苦闘や葛藤の軌跡とともに、現場で得た貴重な教訓などが紹介されている。NGO関係者必読である。
福島と生きることが、ある種の覚悟を強いることを私たちは知っている。
と同時に私たちは、〈福島〉と向き合い続け、福島とどう生きるかを真剣に考える以外に選択肢がないことも知っている。
それが「複合惨事後」社会を生きる私たちが未来世代に負ってしまった責任なのだと考えている。
「無関心の暗闇」の中で、「十字路」は確実に日本各地、世界へと広がっている。
執筆者
猪瀬浩平 明治学院大学教員
黒田節子 原発いらない福島の女たち
小松豊明 シャプラニール=市民による海外協力の会
菅野正寿 福島県有機農業ネットワーク
竹内俊之 国際協力NGOセンター(JANIC)
谷山博史・谷山由子 日本国際ボランティアセンター(JVC)
橋本俊彦 自然医学放射線防護情報室
原田麻以 NPO法人インフォメーションセンター
満田夏花 FoE Japan
吉野裕之 子どもたちを放射能から守る福島ネットワーク
編著者
中野憲志 先住民族・第四世界研究
藤岡美恵子 法政大学大学院非常勤講師、〈NGOと社会〉の会代表
・・
他の人が書いた文章は紹介できないので、校正が反映される前の、私の文章の冒頭部分のみお見せしよう。
・・
境界を超え、運動と支援を未来につなげる
~複合惨事後社会とNGOの役割
原発の「安全・安心」はもとより、エネルギー政策にせよ、三・一一クラスの地震・津波に備える防災対策から「復興」の中身にせよ、これまで通りの政策と意思決定のあり方を根本から変えなければ、きっとまた同じことが起こってしまう。今回が日本を変える最後のチャンスになるかもしれない―――。
三・一一直後、大震災がもたらした破壊的被害の甚大さに言葉を失くしながら、私たちの多くは本気でこのように考えていたように思う。 今ではもう遠い昔のようにも思えてくるが、当時、追悼と追憶とともにこの国の未来を案じる何とも神妙な空気が日本中に漂っていた記憶がある。
ところが、「文明論的転換」「戦後社会の抜本的見直し」までもが飛び交っていた三・一一直後の神妙な空気は、その後急速にしぼんでゆく。そしてやがて、「三・一一事態」を招いた者たちの政治・行政・法的責任を不問にし、被災・被ばく者、「自主避難」者を置き去りにしたまま、どこか「のっぺりとした空気」が日本社会を包み込むようになる。
三・一一後しばらく続いたあの空気と、ロンドン五輪直近の今のこの空気の落差は、あまりに大きい。日本は「三・一一事態を二度とくり返さない社会」を構想するどころか、「国民主権」の否定の上に成り立ってきた三・一一以前的な官僚主権国家へと舞い戻ってしまったかのようだ。
「こんなことは許せないし、許されてよいはずがない」と思う。 なのに、許されている。
主権者や地域住民の多数派の意思を行政府が反映していないにもかかわらず、大震災と原発惨事の複合惨事後の市民社会が国や自治体が打ち出す個々の政策の立案・決定過程から構造的に排除され、その意思を政策に反映させることができないでいる。 行政府が、主要政党が打ち出す諸々の政策を変えるだけのパワーを私たちが持たないからである。
この状況を変え、「戦後への回帰」ではなく、〈複合惨事後〉と呼ぶに値する社会をここから創りあげるためには、私たちにはもっとパワーが必要だ。そのために国際NGO(以下、NGO)にできること、しなければならないことを考えてみたい。
・・
私たちには、もっともっと〈パワー〉が必要だ。
「政局」や次の選挙に向けて動き出す既成政党や国会議員の動きをみるにつけ、つくづくそう思う。
時事通信が行った最新の世論調査。野田内閣の支持率は前月比3.0ポイント減の21.3%。政権発足後最低だった4月(21.7%)を更新。不支持率も同5.5ポイント増の60.3%で、最高だった4月(55.7%)を上回った。
民主党の政党支持率も同1.4ポイント減の6.7%(!)で、2009年の政権交代後の最低記録を3カ月連続で更新。
民主党以外の政党支持率は、自民党12.5%、公明党3.1%、共産党1.9%、みんなの党1.0%、社民党0.5%、国民新党0.2%、たちあがれ日本0.2%。支持政党なしの「無党派層」は71.4%で、過去最高。
とにかく、こんな「政治」と政界の状況で大飯原発の再稼働が強行され、その他各地の原発の再稼働が云々されるということ自体が「ありえない話」というしかない。 本当に新しいタイプの政党、市民・社会〈運動〉、NGO/NPO、研究者、諸個人のネットワークで、政治と言うのもはばかられる、今のこの「政治」を何とかしなければ、どうしようもない。
『福島と生きる』はそういう試みの一つだと、私個人は考えている。 ご期待あれ。
「批評する工房のパレット」内の関連ページ
⇒「シンポジウム 「原発災害・復興支援・NGO~現場の活動を通してみえてきたもの、その成果と課題」(2011, 10/31)
まだ校正作業中であるが、ようやく予告ができる状況までこぎつけた。9月頃の配本になる予定である。
ネット書店でも宣伝が始まり、来週には版元の新評論よりPR誌が発行されるようなので、この怠惰なブログを覗いてくれている人たちへのお詫びとお礼をかねて、一足先に新刊本の紹介をさせて頂こうと思う。
そのPR誌に私が書いた文章である。
・・
「三・一一」から丸一年を迎えた日本社会をさして、「無関心の暗闇」が支配していると評した人がいた。
その通りだと思った。
「暗闇」は、ロンドン五輪の興奮を経て、本書が書店に並ぶ秋口頃には一段と深まっているにちがいない。
私たちはそのことを十分に自覚している。それでもなお本書を世に問おうとするのは、東日本大震災と原子力大惨事に見舞われた複合惨事後の日本社会が〈福島〉に試されていると考えるからである。
本書は、「無関心の暗闇」に抗いながら、福島から各地へ向かい活動する市民・農民運動家と、各地から福島へと向かう国際NGOや個人の活動の記録である。
そこに映し出されているのは、福島の市民・農民運動と国際NGOが交差する、十字路の風景である。「十字路」は南相馬、いわき、渡利(福島市)、郡山、二本松、三春にある。本書で取り上げることができなかった会津地方にも、もちろんある。
本書の第Ⅰ部「福島の声」に耳をすませていただきたい。読者は〈福島〉の現実についてまだまだ知らない、知らされていないことがたくさんあることに息をのみ、驚くことだろう。
第Ⅱ部の「福島と生きる」では、今回の複合惨事を通じて初めて日本での支援活動を行うことになった国際NGOの苦闘や葛藤の軌跡とともに、現場で得た貴重な教訓などが紹介されている。NGO関係者必読である。
福島と生きることが、ある種の覚悟を強いることを私たちは知っている。
と同時に私たちは、〈福島〉と向き合い続け、福島とどう生きるかを真剣に考える以外に選択肢がないことも知っている。
それが「複合惨事後」社会を生きる私たちが未来世代に負ってしまった責任なのだと考えている。
「無関心の暗闇」の中で、「十字路」は確実に日本各地、世界へと広がっている。
執筆者
猪瀬浩平 明治学院大学教員
黒田節子 原発いらない福島の女たち
小松豊明 シャプラニール=市民による海外協力の会
菅野正寿 福島県有機農業ネットワーク
竹内俊之 国際協力NGOセンター(JANIC)
谷山博史・谷山由子 日本国際ボランティアセンター(JVC)
橋本俊彦 自然医学放射線防護情報室
原田麻以 NPO法人インフォメーションセンター
満田夏花 FoE Japan
吉野裕之 子どもたちを放射能から守る福島ネットワーク
編著者
中野憲志 先住民族・第四世界研究
藤岡美恵子 法政大学大学院非常勤講師、〈NGOと社会〉の会代表
・・
他の人が書いた文章は紹介できないので、校正が反映される前の、私の文章の冒頭部分のみお見せしよう。
・・
境界を超え、運動と支援を未来につなげる
~複合惨事後社会とNGOの役割
原発の「安全・安心」はもとより、エネルギー政策にせよ、三・一一クラスの地震・津波に備える防災対策から「復興」の中身にせよ、これまで通りの政策と意思決定のあり方を根本から変えなければ、きっとまた同じことが起こってしまう。今回が日本を変える最後のチャンスになるかもしれない―――。
三・一一直後、大震災がもたらした破壊的被害の甚大さに言葉を失くしながら、私たちの多くは本気でこのように考えていたように思う。 今ではもう遠い昔のようにも思えてくるが、当時、追悼と追憶とともにこの国の未来を案じる何とも神妙な空気が日本中に漂っていた記憶がある。
ところが、「文明論的転換」「戦後社会の抜本的見直し」までもが飛び交っていた三・一一直後の神妙な空気は、その後急速にしぼんでゆく。そしてやがて、「三・一一事態」を招いた者たちの政治・行政・法的責任を不問にし、被災・被ばく者、「自主避難」者を置き去りにしたまま、どこか「のっぺりとした空気」が日本社会を包み込むようになる。
三・一一後しばらく続いたあの空気と、ロンドン五輪直近の今のこの空気の落差は、あまりに大きい。日本は「三・一一事態を二度とくり返さない社会」を構想するどころか、「国民主権」の否定の上に成り立ってきた三・一一以前的な官僚主権国家へと舞い戻ってしまったかのようだ。
「こんなことは許せないし、許されてよいはずがない」と思う。 なのに、許されている。
主権者や地域住民の多数派の意思を行政府が反映していないにもかかわらず、大震災と原発惨事の複合惨事後の市民社会が国や自治体が打ち出す個々の政策の立案・決定過程から構造的に排除され、その意思を政策に反映させることができないでいる。 行政府が、主要政党が打ち出す諸々の政策を変えるだけのパワーを私たちが持たないからである。
この状況を変え、「戦後への回帰」ではなく、〈複合惨事後〉と呼ぶに値する社会をここから創りあげるためには、私たちにはもっとパワーが必要だ。そのために国際NGO(以下、NGO)にできること、しなければならないことを考えてみたい。
・・
私たちには、もっともっと〈パワー〉が必要だ。
「政局」や次の選挙に向けて動き出す既成政党や国会議員の動きをみるにつけ、つくづくそう思う。
時事通信が行った最新の世論調査。野田内閣の支持率は前月比3.0ポイント減の21.3%。政権発足後最低だった4月(21.7%)を更新。不支持率も同5.5ポイント増の60.3%で、最高だった4月(55.7%)を上回った。
民主党の政党支持率も同1.4ポイント減の6.7%(!)で、2009年の政権交代後の最低記録を3カ月連続で更新。
民主党以外の政党支持率は、自民党12.5%、公明党3.1%、共産党1.9%、みんなの党1.0%、社民党0.5%、国民新党0.2%、たちあがれ日本0.2%。支持政党なしの「無党派層」は71.4%で、過去最高。
とにかく、こんな「政治」と政界の状況で大飯原発の再稼働が強行され、その他各地の原発の再稼働が云々されるということ自体が「ありえない話」というしかない。 本当に新しいタイプの政党、市民・社会〈運動〉、NGO/NPO、研究者、諸個人のネットワークで、政治と言うのもはばかられる、今のこの「政治」を何とかしなければ、どうしようもない。
『福島と生きる』はそういう試みの一つだと、私個人は考えている。 ご期待あれ。
「批評する工房のパレット」内の関連ページ
⇒「シンポジウム 「原発災害・復興支援・NGO~現場の活動を通してみえてきたもの、その成果と課題」(2011, 10/31)
2012年7月5日木曜日
オスプレイ飛行訓練 新ルート判明/ 米国、削減前に沖縄の海軍駐留部隊を増強
7/14
・オスプレイ:防衛省、滑空距離データ把握せず (沖縄タイムス)
「同省は具体的な安全性能の検証をしないまま配備を進めていることになる。(福井悠介)」
7/8
報道によれば、玄葉外相は8日、クリントン米国務長官と都内で会談し、米軍のオスプレイのたび重なる事故に関し、「十分な情報提供」を求めたという。しかし、オスプレイ配備問題の解決は、「十分な情報提供」にあるのではない。配備そのものを日本が拒否すること以外にはありえない。
クリントン長官は外相の要請とオスプレイの沖縄県配備について「防衛に貢献するし、人道支援や災害対策の役割を担える」と強調し、会談では、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)を同県名護市辺野古に移設するとした日米合意の実現に引き続き取り組むことを確認したという(時事通信)。
しかしオスプレイが日本の「防衛」に無関係であることや、「貢献」するのはただ米国の軍産学複合体の利益だけであるのは、すでに明らかになっている。「人道支援」や「災害対策」にいたっては、単なる方便にしか過ぎないと言うしかない。
一方、NHKニュースは、オスプレイの国内7つ目の訓練ルートの情報を得たと報じている。ルートは、沖縄から奄美大島、九州内陸、中国、四国、信州・上越、そして東北と、全国各地に及んでいる。毎度のことだけれども、いったい日本政府は誰に顔を向けて政治を行っているのか。沖縄や岩国だけの問題ではない事実をもっと広め、配備に反対する運動を全国的に展開することが問われている。
オスプレイ飛行訓練 新ルート判明 (NHKニュースより)
・アメリカ軍の新型輸送機、オスプレイが、沖縄だけでなく本州などの6つのルートでも飛行訓練を計画している問題で、「ブラウン」と呼ばれる7つ目のルートが存在することが海兵隊への取材で判明。
・沖縄だけでなく本州、四国、九州の6つのルートでも、グリーン、イエローなど色の名前が付けられた飛行訓練を計画していることが明らかになっているが、海兵隊は、7つ目のルートについて、山間部を飛ぶ四国のオレンジルートと同じようなルートだとしていますが、具体的な場所は明らかにしていない。
・ブラウンルートについては、基地の監視団体が、アメリカ軍の資料などから、中国山地を飛行するルートではないかと指摘しています。広島県によると、中国山地では、昨年度、アメリカ軍機とみられる航空機が年間200日以上目撃され、目撃情報は2000件を超えている。
・軍事評論家の前田哲男さん。「ブラウンルートは、これまでその存在さえ明らかにされてこなかったが、中国山地を横断するルートとみられている。もしそうであれば、アメリカ軍岩国基地に近いことから、相当数の飛行訓練が行われる可能性がある」と指摘。
オスプレイ飛行ルート
▽東北の山間部を飛行するグリーンとピンク、
▽北アルプスや越後山脈の周辺を飛行するブルー、
▽四国山地周辺を飛行するオレンジ、
▽九州山地周辺を飛行するイエロー、
▽奄美諸島に沿って飛行するパープルの6つ。今回、明らかになった「ブラウン」は含まれていない。
海兵隊は、飛行高度について、日本の航空法が定める最低安全高度のおよそ150メートル以上だとしたうえで、低空飛行や夜間飛行も行う計画で、訓練に伴う騒音などの影響は大きくないとしている。
しかし、ルートが公表されて以降、沖縄以外の各地にも反発が広がり、とくにオレンジルートの周辺では、徳島県の飯泉知事が防衛省を訪れ、「安全性が確保されないままの配備は強い懸念がある」として、飛行訓練を行わないよう要請したほか、和歌山県の仁坂知事が県議会で、「騒音の問題も予想されるうえ、和歌山県の上空を飛ぶ必然性が説明されていない」として、訓練に反対する考えを示している。
また広島県は、地図上にルートが示されていないものの、中国山地で、アメリカ軍機とみられる航空機が多く目撃されていることから、先月、国に対し、飛行訓練の中止を要請している。
7/5
米国、削減前に沖縄の海軍駐留部隊を増強
沖縄キャンプフォスター
論争の的になっている米軍の沖縄駐留を削減する新しい合意に向け、日米が協議している今、沖縄の基地に何千人もの海兵隊員を送り込む計画が、国防省によって明らかにされた。これは、冷戦終結以降見たことのないレベルにまで人員を増やすことを意味している。
今駐屯している部隊を最大限まで増やし、部隊配置計画では1990年代後半以来平均1万5700名であったものを、近い将来削減される前に、およそ1万9000名まで押し上げるために、部隊内で交代で任務に着かせることになると、この件に深く関わり、コメントする権限のある国防総省高官が語った。
しかしこの数は、何年も四苦八苦した末に、ようやく日米が1万人まで減らすと4月に合意した海兵隊員数のほとんど2倍にもなる。また、この協定が最終削減数に達するまでのスケジュールは明確にされていない。 この国防省高官は星条旗新聞のインタビューに答えて、
「短期的には、沖縄の海兵隊員の実数は増える。沖縄におけるこの部隊の公認の兵力は、現在、1万9000名から2万名の間であるが、海兵隊がアフガニスタンから帰還すると、沖縄の海兵隊員数は同時にそれくらいの数になるだろう」と述べた。
戦闘作戦が終結し、この10年間に人員が欠けていた部隊に、帰還兵が戻り始めれば、この島の兵力が増すのは自然の成り行きである、と同高官は語った。
交代で配属される兵およびアフガニスタンから帰還して新たに沖縄に入る海兵隊員が、数千人の増員のカギとなる。
海兵隊スポークスマンのグレゴリー・ウルフ大佐によると、10年間実施されなかった部隊配置計画が再開されるため、さらにこの夏にはハワイから800名の海兵隊が沖縄にやってくると見込まれている。今後関わってくる海兵隊の人数はアフガニスタンで段階的に縮小される軍事行動如何によると、ウルフは星条旗新聞へメールしている。
(中略)
昨年沖縄に配置されていた海兵隊は1万5365名であったが、アメリカ軍から沖縄県庁に提出される最新の年次人員報告によると、これは2004年以降ではダントツの最高人数である。国防省は現在、公認の海兵隊員数を最大限度まで拡大するつもりでいるが、これは部隊数と安全保障の必要性を熟考する軍事立案者によって決めたられた兵力である。軍隊の公認された兵力規模は、日本との安全保障協定と海兵隊の再編についての交渉に、常に含まれてきた。
前回沖縄が受け入れた海兵隊員予定数1万9000名から2万名は、冷戦の終結する1989年当時のものであり、兵力は過去20年にわたって着実に減少している。年次兵力数が示すように、海兵隊員数は1990年代末までには約1万5000名にまで減っていた。またイラクやアフガニスタンでの戦争の最中では、1万2400名にまでなっていた。
(後略)
トラヴィス・J・トリッテン
────────────────
出典:星条旗新聞 (2012年6月12日)
翻訳協力:さよか(APA‐J翻訳チーム)
翻訳チェック:Cameron 監修:APA‐Jデスクチーム
・・・
7/10
・<オスプレイ>配備に反発広がる 渉外知事会は説明要求(毎日新聞)
米軍施設が所在する14都道県でつくる渉外知事会(会長・黒岩祐治神奈川県知事)は10日、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)に配備予定の垂直離着陸輸送機MV22オスプレイの低空飛行訓練について、周辺住民への影響を説明するよう求める要請書を外務、防衛両省に提出した。低空飛行訓練は東北、四国、九州などで計画されており、オスプレイ配備への反発が全国に広がっている。
神奈川県の古尾谷光男副知事らが両省を相次いで訪問し、玄葉光一郎外相、森本敏防衛相あての要請書を提出した。
要請書は4月にモロッコ、6月に米フロリダ州で相次いだ墜落事故に対し「深く憂慮し、安全性に大きな懸念を抱いている。関係する自治体と住民の憂慮と懸念は払拭(ふっしょく)されていない」と表明。事故原因や飛行訓練の影響などについて関係自治体への情報提供を徹底するよう求めている。米軍岩国基地(山口県岩国市)への陸揚げなどは「関係自治体の意向を十分尊重するよう強く要請する」とした。
古尾谷氏は要請後、防衛省で記者団に「基地負担を抱える自治体としては沖縄県や山口県と気持ちは同じだ」と語った。低空飛行訓練を巡っては訓練ルート上に位置する徳島、高知、秋田県などが「安全性が確認されていない」と相次いで反対を表明。宮崎、群馬県も事故原因や訓練の詳細な説明が必要と強調している。森本防衛相は10日の記者会見で「地域の住民の安全と安心に留意して飛行するようきちっと申し入れるつもりだ」と述べた。
山口県の二井関成知事、福田良彦岩国市長も同日、防衛省で森本氏と会談し、オスプレイの安全性が確認されるまで岩国基地への陸揚げをしないよう米側と折衝するよう要請した。森本氏は「きちっと受け止めて実現できるように努力をしようと思う」と応じた。【朝日弘行、横田愛】
・オスプレイ:全国15知事が「安全性に懸念」
米軍普天間飛行場への垂直離着陸輸送機MV22オスプレイの配備計画について、沖縄を除く全国46都道府県知事を対象に沖縄タイムスが9日までに実施したアンケートで、回答を寄せた41知事のうち、山口や和歌山、広島など6県知事が普天間への配備に反対する姿勢を示した。配備に伴い、九州や四国、東北などで予定される低空飛行訓練には7県が反対を表明。15府県が機体の安全性への懸念を、20府県が政府による関係自治体への説明は不十分と指摘するなど、計画を強行する米国と、それを追認してきた日本政府の対応との隔たりが鮮明となった。
5項目の質問への回答を6月29日にファクスや電子メールで依頼。9日までに全46都道府県から連絡があり、5都府県は個別の質問には答えず一括で回答、業務多忙などを理由に5県が回答しなかった。
普天間配備と訓練実施の両方に反対したのは、オスプレイが陸揚げ、一時駐機される岩国基地を抱える山口をはじめ、訓練ルートにかかる高知や徳島、和歌山を含む5県。高知は過去に2度、米軍機の墜落事故があったとして「県民は恐怖感と強い不安感を持っている」ことなどを反対理由に挙げた。賛成はいずれもゼロだった。
一方、配備、訓練の各質問に「どちらとも判断できない」「その他」を選んだのはそれぞれ計6割を超え、「安全保障・防衛政策は国の専管事項」などとして、政府の責任で判断すべきだとの見解が目立った。
安全性に「懸念がある」と答えたのは神奈川や長野、京都などで、「墜落事故の詳細な調査結果がまだ出ていない」(富山)との理由が最も多い。
配備をめぐる政府の外交姿勢については、山口や高知に加え鳥取、岡山、宮崎など9県が「評価しない」を選択。地元自治体への説明が「不十分」と回答した20府県からは「国民が一番心配な機体の安全性などについて米軍の情報を伝えるのみで、安全性を判断し国民の声に応える説明をしているとは思えない」(大分)などの批判が上がった。(沖縄タイムス)
・超党派で県民大会 オスプレイ配備撤回求め(琉球新報)
・オスプレイ:防衛省、滑空距離データ把握せず (沖縄タイムス)
「同省は具体的な安全性能の検証をしないまま配備を進めていることになる。(福井悠介)」
7/8
報道によれば、玄葉外相は8日、クリントン米国務長官と都内で会談し、米軍のオスプレイのたび重なる事故に関し、「十分な情報提供」を求めたという。しかし、オスプレイ配備問題の解決は、「十分な情報提供」にあるのではない。配備そのものを日本が拒否すること以外にはありえない。
クリントン長官は外相の要請とオスプレイの沖縄県配備について「防衛に貢献するし、人道支援や災害対策の役割を担える」と強調し、会談では、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)を同県名護市辺野古に移設するとした日米合意の実現に引き続き取り組むことを確認したという(時事通信)。
しかしオスプレイが日本の「防衛」に無関係であることや、「貢献」するのはただ米国の軍産学複合体の利益だけであるのは、すでに明らかになっている。「人道支援」や「災害対策」にいたっては、単なる方便にしか過ぎないと言うしかない。
一方、NHKニュースは、オスプレイの国内7つ目の訓練ルートの情報を得たと報じている。ルートは、沖縄から奄美大島、九州内陸、中国、四国、信州・上越、そして東北と、全国各地に及んでいる。毎度のことだけれども、いったい日本政府は誰に顔を向けて政治を行っているのか。沖縄や岩国だけの問題ではない事実をもっと広め、配備に反対する運動を全国的に展開することが問われている。
オスプレイ飛行訓練 新ルート判明 (NHKニュースより)
・アメリカ軍の新型輸送機、オスプレイが、沖縄だけでなく本州などの6つのルートでも飛行訓練を計画している問題で、「ブラウン」と呼ばれる7つ目のルートが存在することが海兵隊への取材で判明。
・沖縄だけでなく本州、四国、九州の6つのルートでも、グリーン、イエローなど色の名前が付けられた飛行訓練を計画していることが明らかになっているが、海兵隊は、7つ目のルートについて、山間部を飛ぶ四国のオレンジルートと同じようなルートだとしていますが、具体的な場所は明らかにしていない。
・ブラウンルートについては、基地の監視団体が、アメリカ軍の資料などから、中国山地を飛行するルートではないかと指摘しています。広島県によると、中国山地では、昨年度、アメリカ軍機とみられる航空機が年間200日以上目撃され、目撃情報は2000件を超えている。
・軍事評論家の前田哲男さん。「ブラウンルートは、これまでその存在さえ明らかにされてこなかったが、中国山地を横断するルートとみられている。もしそうであれば、アメリカ軍岩国基地に近いことから、相当数の飛行訓練が行われる可能性がある」と指摘。
オスプレイ飛行ルート
▽東北の山間部を飛行するグリーンとピンク、
▽北アルプスや越後山脈の周辺を飛行するブルー、
▽四国山地周辺を飛行するオレンジ、
▽九州山地周辺を飛行するイエロー、
▽奄美諸島に沿って飛行するパープルの6つ。今回、明らかになった「ブラウン」は含まれていない。
海兵隊は、飛行高度について、日本の航空法が定める最低安全高度のおよそ150メートル以上だとしたうえで、低空飛行や夜間飛行も行う計画で、訓練に伴う騒音などの影響は大きくないとしている。
しかし、ルートが公表されて以降、沖縄以外の各地にも反発が広がり、とくにオレンジルートの周辺では、徳島県の飯泉知事が防衛省を訪れ、「安全性が確保されないままの配備は強い懸念がある」として、飛行訓練を行わないよう要請したほか、和歌山県の仁坂知事が県議会で、「騒音の問題も予想されるうえ、和歌山県の上空を飛ぶ必然性が説明されていない」として、訓練に反対する考えを示している。
また広島県は、地図上にルートが示されていないものの、中国山地で、アメリカ軍機とみられる航空機が多く目撃されていることから、先月、国に対し、飛行訓練の中止を要請している。
7/5
米国、削減前に沖縄の海軍駐留部隊を増強
沖縄キャンプフォスター
論争の的になっている米軍の沖縄駐留を削減する新しい合意に向け、日米が協議している今、沖縄の基地に何千人もの海兵隊員を送り込む計画が、国防省によって明らかにされた。これは、冷戦終結以降見たことのないレベルにまで人員を増やすことを意味している。
今駐屯している部隊を最大限まで増やし、部隊配置計画では1990年代後半以来平均1万5700名であったものを、近い将来削減される前に、およそ1万9000名まで押し上げるために、部隊内で交代で任務に着かせることになると、この件に深く関わり、コメントする権限のある国防総省高官が語った。
しかしこの数は、何年も四苦八苦した末に、ようやく日米が1万人まで減らすと4月に合意した海兵隊員数のほとんど2倍にもなる。また、この協定が最終削減数に達するまでのスケジュールは明確にされていない。 この国防省高官は星条旗新聞のインタビューに答えて、
「短期的には、沖縄の海兵隊員の実数は増える。沖縄におけるこの部隊の公認の兵力は、現在、1万9000名から2万名の間であるが、海兵隊がアフガニスタンから帰還すると、沖縄の海兵隊員数は同時にそれくらいの数になるだろう」と述べた。
戦闘作戦が終結し、この10年間に人員が欠けていた部隊に、帰還兵が戻り始めれば、この島の兵力が増すのは自然の成り行きである、と同高官は語った。
交代で配属される兵およびアフガニスタンから帰還して新たに沖縄に入る海兵隊員が、数千人の増員のカギとなる。
海兵隊スポークスマンのグレゴリー・ウルフ大佐によると、10年間実施されなかった部隊配置計画が再開されるため、さらにこの夏にはハワイから800名の海兵隊が沖縄にやってくると見込まれている。今後関わってくる海兵隊の人数はアフガニスタンで段階的に縮小される軍事行動如何によると、ウルフは星条旗新聞へメールしている。
(中略)
昨年沖縄に配置されていた海兵隊は1万5365名であったが、アメリカ軍から沖縄県庁に提出される最新の年次人員報告によると、これは2004年以降ではダントツの最高人数である。国防省は現在、公認の海兵隊員数を最大限度まで拡大するつもりでいるが、これは部隊数と安全保障の必要性を熟考する軍事立案者によって決めたられた兵力である。軍隊の公認された兵力規模は、日本との安全保障協定と海兵隊の再編についての交渉に、常に含まれてきた。
前回沖縄が受け入れた海兵隊員予定数1万9000名から2万名は、冷戦の終結する1989年当時のものであり、兵力は過去20年にわたって着実に減少している。年次兵力数が示すように、海兵隊員数は1990年代末までには約1万5000名にまで減っていた。またイラクやアフガニスタンでの戦争の最中では、1万2400名にまでなっていた。
(後略)
トラヴィス・J・トリッテン
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出典:星条旗新聞 (2012年6月12日)
翻訳協力:さよか(APA‐J翻訳チーム)
翻訳チェック:Cameron 監修:APA‐Jデスクチーム
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7/10
・<オスプレイ>配備に反発広がる 渉外知事会は説明要求(毎日新聞)
米軍施設が所在する14都道県でつくる渉外知事会(会長・黒岩祐治神奈川県知事)は10日、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)に配備予定の垂直離着陸輸送機MV22オスプレイの低空飛行訓練について、周辺住民への影響を説明するよう求める要請書を外務、防衛両省に提出した。低空飛行訓練は東北、四国、九州などで計画されており、オスプレイ配備への反発が全国に広がっている。
神奈川県の古尾谷光男副知事らが両省を相次いで訪問し、玄葉光一郎外相、森本敏防衛相あての要請書を提出した。
要請書は4月にモロッコ、6月に米フロリダ州で相次いだ墜落事故に対し「深く憂慮し、安全性に大きな懸念を抱いている。関係する自治体と住民の憂慮と懸念は払拭(ふっしょく)されていない」と表明。事故原因や飛行訓練の影響などについて関係自治体への情報提供を徹底するよう求めている。米軍岩国基地(山口県岩国市)への陸揚げなどは「関係自治体の意向を十分尊重するよう強く要請する」とした。
古尾谷氏は要請後、防衛省で記者団に「基地負担を抱える自治体としては沖縄県や山口県と気持ちは同じだ」と語った。低空飛行訓練を巡っては訓練ルート上に位置する徳島、高知、秋田県などが「安全性が確認されていない」と相次いで反対を表明。宮崎、群馬県も事故原因や訓練の詳細な説明が必要と強調している。森本防衛相は10日の記者会見で「地域の住民の安全と安心に留意して飛行するようきちっと申し入れるつもりだ」と述べた。
山口県の二井関成知事、福田良彦岩国市長も同日、防衛省で森本氏と会談し、オスプレイの安全性が確認されるまで岩国基地への陸揚げをしないよう米側と折衝するよう要請した。森本氏は「きちっと受け止めて実現できるように努力をしようと思う」と応じた。【朝日弘行、横田愛】
・オスプレイ:全国15知事が「安全性に懸念」
米軍普天間飛行場への垂直離着陸輸送機MV22オスプレイの配備計画について、沖縄を除く全国46都道府県知事を対象に沖縄タイムスが9日までに実施したアンケートで、回答を寄せた41知事のうち、山口や和歌山、広島など6県知事が普天間への配備に反対する姿勢を示した。配備に伴い、九州や四国、東北などで予定される低空飛行訓練には7県が反対を表明。15府県が機体の安全性への懸念を、20府県が政府による関係自治体への説明は不十分と指摘するなど、計画を強行する米国と、それを追認してきた日本政府の対応との隔たりが鮮明となった。
5項目の質問への回答を6月29日にファクスや電子メールで依頼。9日までに全46都道府県から連絡があり、5都府県は個別の質問には答えず一括で回答、業務多忙などを理由に5県が回答しなかった。
普天間配備と訓練実施の両方に反対したのは、オスプレイが陸揚げ、一時駐機される岩国基地を抱える山口をはじめ、訓練ルートにかかる高知や徳島、和歌山を含む5県。高知は過去に2度、米軍機の墜落事故があったとして「県民は恐怖感と強い不安感を持っている」ことなどを反対理由に挙げた。賛成はいずれもゼロだった。
一方、配備、訓練の各質問に「どちらとも判断できない」「その他」を選んだのはそれぞれ計6割を超え、「安全保障・防衛政策は国の専管事項」などとして、政府の責任で判断すべきだとの見解が目立った。
安全性に「懸念がある」と答えたのは神奈川や長野、京都などで、「墜落事故の詳細な調査結果がまだ出ていない」(富山)との理由が最も多い。
配備をめぐる政府の外交姿勢については、山口や高知に加え鳥取、岡山、宮崎など9県が「評価しない」を選択。地元自治体への説明が「不十分」と回答した20府県からは「国民が一番心配な機体の安全性などについて米軍の情報を伝えるのみで、安全性を判断し国民の声に応える説明をしているとは思えない」(大分)などの批判が上がった。(沖縄タイムス)
・超党派で県民大会 オスプレイ配備撤回求め(琉球新報)
2012年7月2日月曜日
大飯原発の再稼働を止めるため大飯原発敷地内の断層(破砕帯)の掘削調査を実施させよう!
7/4
◎7.6 緊急!大飯原発3号基を停止せよ!首相官邸前抗議
http://coalitionagainstnukes.jp/?p=689
7月6日(金)18:00-20:00位
場所:首相官邸前(霞ヶ関駅より徒歩7分、虎ノ門駅より徒歩10分)
※千代田線・丸ノ内線の国会議事堂前駅は大混雑が予想されます。
呼びかけ:首都圏反原発連合有志
◎大阪での抗議行動
http://twitnonukesosaka.blog.fc2.com/
7/6(金)18~19時半予定
場所: 関電本店前(大阪府 大阪市北区中之島3丁目6-16)
地図 → http://www1.kepco.co.jp/office/honten.htm
呼びかけ:TwitNoNukes大阪有志
首都圏反原発連合のツイッターアカウント
http://twitter.com/MCANjp
7/2
政府と関西電力は、7月1日、大飯原発3号機の原子炉起動を強行した。
以下、美浜・大飯・高浜原発に反対する大阪の会(美浜の会)よりの情報から。
・・・
大飯原発の再稼働を止めるため
大飯原発敷地内の断層(破砕帯)の掘削調査を実施させよう!
F-6断層を確認するための掘削3地点も特定されました
掘る作業には数日しかかかりません
大飯原発敷地内の断層(破砕帯)が活断層である可能性が高くなっています。 全国の市民の運動、地元福井でのねばり強い運動、専門家(渡辺満久教授)と国会議員の協力等によって、断層問題は、一歩、また一歩と、日ごとに、政府、保安院、関西電力を追いつめています。
保安院は、「新たな知見はない」として、今も大飯原発敷地内のF-6断層は活断層ではないとしています。しかし、今年4月には、国の委員会(地震・津波に関する意見聴取会)が敦賀原発の敷地内調査を行い、設置以来約40年間、活断層ではないとされていた断層が、活断層であることが明らかになりました。
この敦賀原発の断層についても、渡辺教授は2008年から活断層であると警告されてきました。 原子力安全・保安院の判断が間違っていたことが明らかになったにもかかわらず、そのことについての反省は一言もありせん。 このように、自らの誤りを認めることのない保安院が、大飯原発の断層について活断層ではないといい続けているのです。
しかし、大飯原発敷地内の断層調査を求める多くの人々の声を無視できなくなり、7月3日(火)に行われる国の委員会議題に、大飯の破砕帯問題が追加されました。 大飯の再稼働を止めるため、原発敷地内での掘削調査を実施させましょう。そのために、緊急に下記の行動をお願いします。電話やFAX、メール、地元にいる議員に会いに行くなど、お願いします。
★経産大臣、関電に対して、少なくとも、敷地内の掘削調査が実施され検討が終了するまでは、再稼働をやめるよう求めましょう。
◎グリーン・アクションと美浜の会のチラシ(6月29日)
http://www.jca.apc.org/mihama/ooi/hasaitai_chirashi20120629.pdf
経済産業大臣 枝野幸男 yukio@edano.gr.jp
議員事務所 EL:03-3508-7448 FAX:03-3591-2249
原子力安全・保安院担当部署 shinsaka-gyomu@meti.go.jp
原子力発電安全審査課耐震安全審査室 TEL:03-3501-6289 FAX:03-3580-8535
関西電力・本店 TEL:06-7501-0241 FAX:06-6446-9304
★国の「地震・津波に関する意見聴取会」の委員に、現地調査を実施するよう求めましょう。
委員の一人である杉山雄一氏は、「大飯原発など若狭湾の原発は、現地調査であらためて状態を確認するべきだ」 (6月7日中日新聞)と述べています。 資料だけで活断層ではないと断定できないのなら、掘るしかありません。
◎地震津波に関する意見聴取会の委員名簿
http://www.jca.apc.org/mihama/ooi/jishintsunami_meibo.htm
★国会の災害対策特別委員会で、現地調査の実施を決議するよう求めましょう。
◎グリーン・アクションと美浜の会が送った要望書(6月30日)
http://www.jca.apc.org/mihama/ooi/saigaitokubetsui_youbou20120630.pdf
◎災害対策特別委員会の名簿
http://www.jca.apc.org/mihama/ooi/saigaitokubetsui_meibo.htm
◆政府、関電を追いつめているF-6断層問題の経緯◆
◇渡辺満久教授(東洋大学・変動地形学)の警告
大飯原発敷地内のF-6断層が活断層の可能性が高いと警告され、新聞でも取り上げられるようになりました。
◇福井と関西の市民団体が、福井県などに破砕帯の調査を申し入れる。
◇6月25日政府交渉 活断層の可能性を示唆する図面が隠されていたことが判明
福井・関西・首都圏の9団体が主催した政府交渉では、2010年の耐震バックチェックの委員会審議では、活断層の可能性を示唆する図面(トレンチ北側図)を隠したままだったことが明らかになりました。
◎交渉速報[図面入り]
http://www.jca.apc.org/mihama/ooi/govneg_sokuhou20120625.htm
◇6月26日 経産省の北神圭朗政務官に、断層調査を求める緊急要望書を提出
全国の皆さんから賛同をいただいた緊急要望書を、福島みずほ議員とともに、北神政務官に提出しました。
賛同 248団体/10,663筆の個人署名です。
◎報告はこちら http://www.jca.apc.org/mihama/ooi/meti_neg20120626.htm
◇6月27日 超党派の国会議員5名と渡辺教授が大飯原発敷地内を視察
超党派の国会議員5名と渡辺教授が、大飯原発敷地内の視察を行われました。その結果、建物などが建っておらず、掘削が可能な地点が3地点あることを確認されました。 掘削調査は数日で可能であり、埋め戻しを含めても1週間で可能とのことです。
さらに視察では、非常用取水路(耐震Sクラスの施設)がF-6断層を横断するように設置されていることが、関西電力の説明で明らかになりました。
原子力安全委員会の「発電用原子炉施設の耐震安全性に関する安全審査の手引き」に規定されているように、Sクラス施設を活断層の上に設置することは手引きに違反します。運転はおろか、設置そのものが無効となります。
◎渡辺教授の視察報告書はこちら
http://www.jca.apc.org/mihama/ooi/watanabe_doc20120628.pdf
◎現地視察の速報
http://www.jca.apc.org/mihama/ooi/ooi_sokuhou20120627.htm
◎関電へ破砕帯掘削要請 大飯原発で調査の東洋大教授 (6月28日産経/福井)
http://sankei.jp.msn.com/region/news/120628/fki12062802050001-n1.htm
◇6月28日 保安院は「地震・津波に関する意見聴取会」で大飯の破砕帯問題を議題として追加することを決定
多くの声によって保安院は、7月3日(火)に行われる「地震・津波に関する意見聴取会」の議題として、大飯原発の破砕帯問題を追加せざるを得なくなったのです。
◎保安院の7月3日委員会開催通知 (傍聴の申込は7月2日正午)
http://www.meti.go.jp/committee/notice/2012a/20120627004.html
◎意見聴取会の委員宛の現地調査を求める緊急要望書
(6月28日 9団体)
http://www.jca.apc.org/mihama/ooi/hasaitai_kinkyuuyoubou20120628.pdf
◇6月29日 橋本勉議員(民主党)、アイリーン・美緒子・スミスさんが、経産大臣などと面談し、現地調査と再稼働の中止を求める。夕方には、野田総理との面会を求めていた福島みずほ議員(社民党)、橋本勉議員(民主党)、三宅雪子議員(民主党)が、本多平直首相補佐官に面会し、同様の要請。橋本議員とスミスさんは経産大臣と面談し、現地調査と再稼働の中止を強く求めました。
枝野大臣は、大飯の断層について「新たな知見はない」としながら、7月3日の委員会で議論されると回答。保安院も、「新たな知見はない」などを繰り返しました。
他方で枝野大臣は、29日の閣議後の記者会見で、敦賀原発の例として「まさに調査をしたから新しい知見として活断層の疑いが高いと出てきたので、更なる精査をしているものであります」と述べています。そうであれば、大飯も現地調査を行うべきです。
★あとは、掘らせるだけです! ぜひ皆さんの声を届けてください。
2012年6月30日
美浜・大飯・高浜原発に反対する大阪の会(美浜の会)
530-0047 大阪市北区西天満4-3-3 星光ビル3階
TEL 06-6367-6580 FAX 06-6367-6581
http://www.jca.apc.org/mihama/
mihama@jca.apc.org
◎7.6 緊急!大飯原発3号基を停止せよ!首相官邸前抗議
http://coalitionagainstnukes.jp/?p=689
7月6日(金)18:00-20:00位
場所:首相官邸前(霞ヶ関駅より徒歩7分、虎ノ門駅より徒歩10分)
※千代田線・丸ノ内線の国会議事堂前駅は大混雑が予想されます。
呼びかけ:首都圏反原発連合有志
◎大阪での抗議行動
http://twitnonukesosaka.blog.fc2.com/
7/6(金)18~19時半予定
場所: 関電本店前(大阪府 大阪市北区中之島3丁目6-16)
地図 → http://www1.kepco.co.jp/office/honten.htm
呼びかけ:TwitNoNukes大阪有志
首都圏反原発連合のツイッターアカウント
http://twitter.com/MCANjp
7/2
政府と関西電力は、7月1日、大飯原発3号機の原子炉起動を強行した。
以下、美浜・大飯・高浜原発に反対する大阪の会(美浜の会)よりの情報から。
・・・
大飯原発の再稼働を止めるため
大飯原発敷地内の断層(破砕帯)の掘削調査を実施させよう!
F-6断層を確認するための掘削3地点も特定されました
掘る作業には数日しかかかりません
大飯原発敷地内の断層(破砕帯)が活断層である可能性が高くなっています。 全国の市民の運動、地元福井でのねばり強い運動、専門家(渡辺満久教授)と国会議員の協力等によって、断層問題は、一歩、また一歩と、日ごとに、政府、保安院、関西電力を追いつめています。
保安院は、「新たな知見はない」として、今も大飯原発敷地内のF-6断層は活断層ではないとしています。しかし、今年4月には、国の委員会(地震・津波に関する意見聴取会)が敦賀原発の敷地内調査を行い、設置以来約40年間、活断層ではないとされていた断層が、活断層であることが明らかになりました。
この敦賀原発の断層についても、渡辺教授は2008年から活断層であると警告されてきました。 原子力安全・保安院の判断が間違っていたことが明らかになったにもかかわらず、そのことについての反省は一言もありせん。 このように、自らの誤りを認めることのない保安院が、大飯原発の断層について活断層ではないといい続けているのです。
しかし、大飯原発敷地内の断層調査を求める多くの人々の声を無視できなくなり、7月3日(火)に行われる国の委員会議題に、大飯の破砕帯問題が追加されました。 大飯の再稼働を止めるため、原発敷地内での掘削調査を実施させましょう。そのために、緊急に下記の行動をお願いします。電話やFAX、メール、地元にいる議員に会いに行くなど、お願いします。
★経産大臣、関電に対して、少なくとも、敷地内の掘削調査が実施され検討が終了するまでは、再稼働をやめるよう求めましょう。
◎グリーン・アクションと美浜の会のチラシ(6月29日)
http://www.jca.apc.org/mihama/ooi/hasaitai_chirashi20120629.pdf
経済産業大臣 枝野幸男 yukio@edano.gr.jp
議員事務所 EL:03-3508-7448 FAX:03-3591-2249
原子力安全・保安院担当部署 shinsaka-gyomu@meti.go.jp
原子力発電安全審査課耐震安全審査室 TEL:03-3501-6289 FAX:03-3580-8535
関西電力・本店 TEL:06-7501-0241 FAX:06-6446-9304
★国の「地震・津波に関する意見聴取会」の委員に、現地調査を実施するよう求めましょう。
委員の一人である杉山雄一氏は、「大飯原発など若狭湾の原発は、現地調査であらためて状態を確認するべきだ」 (6月7日中日新聞)と述べています。 資料だけで活断層ではないと断定できないのなら、掘るしかありません。
◎地震津波に関する意見聴取会の委員名簿
http://www.jca.apc.org/mihama/ooi/jishintsunami_meibo.htm
★国会の災害対策特別委員会で、現地調査の実施を決議するよう求めましょう。
◎グリーン・アクションと美浜の会が送った要望書(6月30日)
http://www.jca.apc.org/mihama/ooi/saigaitokubetsui_youbou20120630.pdf
◎災害対策特別委員会の名簿
http://www.jca.apc.org/mihama/ooi/saigaitokubetsui_meibo.htm
◆政府、関電を追いつめているF-6断層問題の経緯◆
◇渡辺満久教授(東洋大学・変動地形学)の警告
大飯原発敷地内のF-6断層が活断層の可能性が高いと警告され、新聞でも取り上げられるようになりました。
◇福井と関西の市民団体が、福井県などに破砕帯の調査を申し入れる。
◇6月25日政府交渉 活断層の可能性を示唆する図面が隠されていたことが判明
福井・関西・首都圏の9団体が主催した政府交渉では、2010年の耐震バックチェックの委員会審議では、活断層の可能性を示唆する図面(トレンチ北側図)を隠したままだったことが明らかになりました。
◎交渉速報[図面入り]
http://www.jca.apc.org/mihama/ooi/govneg_sokuhou20120625.htm
◇6月26日 経産省の北神圭朗政務官に、断層調査を求める緊急要望書を提出
全国の皆さんから賛同をいただいた緊急要望書を、福島みずほ議員とともに、北神政務官に提出しました。
賛同 248団体/10,663筆の個人署名です。
◎報告はこちら http://www.jca.apc.org/mihama/ooi/meti_neg20120626.htm
◇6月27日 超党派の国会議員5名と渡辺教授が大飯原発敷地内を視察
超党派の国会議員5名と渡辺教授が、大飯原発敷地内の視察を行われました。その結果、建物などが建っておらず、掘削が可能な地点が3地点あることを確認されました。 掘削調査は数日で可能であり、埋め戻しを含めても1週間で可能とのことです。
さらに視察では、非常用取水路(耐震Sクラスの施設)がF-6断層を横断するように設置されていることが、関西電力の説明で明らかになりました。
原子力安全委員会の「発電用原子炉施設の耐震安全性に関する安全審査の手引き」に規定されているように、Sクラス施設を活断層の上に設置することは手引きに違反します。運転はおろか、設置そのものが無効となります。
◎渡辺教授の視察報告書はこちら
http://www.jca.apc.org/mihama/ooi/watanabe_doc20120628.pdf
◎現地視察の速報
http://www.jca.apc.org/mihama/ooi/ooi_sokuhou20120627.htm
◎関電へ破砕帯掘削要請 大飯原発で調査の東洋大教授 (6月28日産経/福井)
http://sankei.jp.msn.com/region/news/120628/fki12062802050001-n1.htm
◇6月28日 保安院は「地震・津波に関する意見聴取会」で大飯の破砕帯問題を議題として追加することを決定
多くの声によって保安院は、7月3日(火)に行われる「地震・津波に関する意見聴取会」の議題として、大飯原発の破砕帯問題を追加せざるを得なくなったのです。
◎保安院の7月3日委員会開催通知 (傍聴の申込は7月2日正午)
http://www.meti.go.jp/committee/notice/2012a/20120627004.html
◎意見聴取会の委員宛の現地調査を求める緊急要望書
(6月28日 9団体)
http://www.jca.apc.org/mihama/ooi/hasaitai_kinkyuuyoubou20120628.pdf
◇6月29日 橋本勉議員(民主党)、アイリーン・美緒子・スミスさんが、経産大臣などと面談し、現地調査と再稼働の中止を求める。夕方には、野田総理との面会を求めていた福島みずほ議員(社民党)、橋本勉議員(民主党)、三宅雪子議員(民主党)が、本多平直首相補佐官に面会し、同様の要請。橋本議員とスミスさんは経産大臣と面談し、現地調査と再稼働の中止を強く求めました。
枝野大臣は、大飯の断層について「新たな知見はない」としながら、7月3日の委員会で議論されると回答。保安院も、「新たな知見はない」などを繰り返しました。
他方で枝野大臣は、29日の閣議後の記者会見で、敦賀原発の例として「まさに調査をしたから新しい知見として活断層の疑いが高いと出てきたので、更なる精査をしているものであります」と述べています。そうであれば、大飯も現地調査を行うべきです。
★あとは、掘らせるだけです! ぜひ皆さんの声を届けてください。
2012年6月30日
美浜・大飯・高浜原発に反対する大阪の会(美浜の会)
530-0047 大阪市北区西天満4-3-3 星光ビル3階
TEL 06-6367-6580 FAX 06-6367-6581
http://www.jca.apc.org/mihama/
mihama@jca.apc.org
福島県大熊町民の緊急要望書
福島県大熊町民の緊急要望書
内閣総理大臣 野田佳彦様
経済産業大臣 枝野幸男様
環境大臣 細野豪志様
内閣特命大臣 平野達男様
厚生労働大臣 小宮山洋子様
私達大熊町民は、中間貯蔵施設の早期建設と、住民に対する丁寧な説明が必要であると考えます。
福島県内にある仮置場の周りで人の姿が消えています。
野外で遊ぶ子供がいなくなりました。
この責任は、国と第一責任者である東京電力が真っ先に負うべきものです。
事故を起こした東京電力が存在するのは、大熊町であり、大熊町に中間貯蔵施設を建設して、汚染ゴミを一時保管するしかないのです。
また、住民に対する政府の説明がないのも事実であります。
何十年と帰れない日々を過ごす私たちにとって、大熊町がどの様な形になって存在するのかは、最大の関心事なのです。
同時に財物(土地・建物・家財等)の完全補償を要求します。
今般の原発事故は、監督官庁である経済産業省の責任であり、明らかな人災であります。
自民党から民主党へと受け継がれてきた原子力政策が、今回の過酷な事故を引き起こしています。
私たちはこの事故により、故郷を追われ現在の避難生活を強いられております。
国の責任において、財物補償をするべきであり、正当な権利として「財物の完全補償」の実施を要求します。
「被曝健康手帳」(仮称)の配布を要求します。
震災直後の政府の対応のまずさによって、福島県民は大量の被曝をしていると思われます。
現在福島県に居られる方、そして除染作業に従事されて居られる方も被曝をしております。
数年後から被曝による病気(ガン、心臓病等)の大量発生が予想され、不安が増大しております。
この「手帳」の配布によって、定期通院・医療行為の無償化等を実施すべきです。
私達には「生命」を守り、「幸福」な生活を送る権利があります。
緊急要望事項
一、正当な権利として「財物の完全補償」を要求します。
一、中間貯蔵施設の早期建設と、住民に対する丁寧な直接説明を要求します。
一、「被曝健康手帳」の福島県民への配布を要求します。
平成24年6月
大熊町町政研究会(代表 木幡 仁)
発起人代表 木幡仁
(以下、発起人36名)
【注】
この緊急要望書は、6月30日に大熊町町政研究会代表の木幡仁氏から直接受け取り、木幡氏の了解のもとに、ここに公開するものです。
大熊町民の緊急要望を支持するとともに、要望内容が福島県内外に広く伝わり、早期に実現されることを期待します。
中野憲志
・・・
7/18
・「財物賠償」拡充要求へ 政府基準案に双葉8町村
双葉地方町村会(会長・井戸川克隆双葉町長)は17日、東京電力福島第1原発事故に伴う土地や建物などの財物賠償に関して、家屋賠償など国が打診した賠償基準案を修正、拡充するよう、双葉郡8町村として国に求めることで合意した。住民が生活再建を図れる賠償額にすることが目的。週内にも要求書を政府に提出する。財物賠償については、政府が今週中にも基準を発表する見通しだったが、8町村の要求を踏まえた上で、発表がずれ込む可能性もある。(福島民友)
7/8
・東電 福島説明会で「やらせ」 03年大熊・双葉町民対象
経済産業省原子力安全・保安院が2003年に福島県内で開いた原発の安全性についての住民説明会で、東京電力が自社や下請け企業の社員らに出席するよう要請した上、質問票への記入方法を指示するなど「やらせ」行為をしていたことが、福島第1原発事故で国会が設置した事故調査委員会の調査で分かった。
国会事故調は「明らかに行き過ぎた行為」と批判している(→それだけの問題?)。昨年7月に玄海原発(佐賀県)の運転再開をめぐる九州電力のやらせメール問題が発覚した後も、東電はそうした行為はないと説明していた。
東電の内部資料などを基にした国会事故調の報告書によると、説明会は03年3月に福島県大熊町で開催。福島第1原発がある大熊、双葉両町の住民が対象だったが、東電は一部の社員に説明会に出席するよう求め、質問票への記入方法についての書面を配布。下請け企業の135人にも出席を要請した。
新潟県柏崎市で直前に開かれた原発のトラブル隠しをめぐる説明会で、反対派の発言で議事が混乱したことを受け、反対派とのバランスを考えて賛成の立場の社員らに動員をかけたという。
事故調は「原子力推進の障害となるリスク情報の隠蔽(いんぺい)や操作が常態化していた」と指摘。東電は「これまで『やらせ』はないとの見解だったが、事実関係を調査したい」としている。(河北新報)
7/2
・大熊町、4割「戻らない」 住民アンケート
東京電力福島第1原発事故で全域が警戒区域に指定されている福島県大熊町が行った住民アンケートで、約4割が「町には戻らない」と回答したことが2日、分かった。 同町が中間まとめを発表。渡辺利綱町長は記者会見で「帰りたくても当分帰れないと判断した町民が多いと思う。除染や賠償など客観情勢が変われば多少変わってくるのでは」(?)と話した。 5~6月に、中学生以上の全町民1万25人を対象に郵送で実施。6481人(64・6%)が回答した。
「戻らない」が40・4%、「居住地を自ら選択し帰れるまで待つ」が18・0%、「町が指定した場所に居住し帰れるまで待つ」が21・9%だった。
・東電値上げで広告費など除外を 燃料や人件費は容認、専門家委
東京電力の家庭向け電気料金の値上げを検証する専門家委員会は2日、査定方針の原案を示し、原子力政策の広告宣伝費や原発の立地自治体に対する寄付金を料金原価から除外すべきだとした。燃料費や人件費などは東電の申請内容をおおむね容認。値上げ幅をどの程度圧縮するかは、認可する枝野幸男経済産業相の政治判断に委ねた。
東電は、家庭向け料金の平均10・28%の値上げを申請中。委員会が料金原価からの除外を求めた広告宣伝費や寄付金は、日本原子力発電など同業他社からの購入電力料や、使用済み燃料の再処理などにかかる費用に含まれていた。(共同通信)
・セシウム検出土処分でむつ市が初の住民説明会
むつ市は1日、放射性セシウムが検出された土などを埋め立て処分した同市奥内の市一般廃棄物最終処分場で、地域住民を対象に初の説明会を開催。作業は終了して処分場内の放射線量に健康上の問題はなく、今後も厳重に管理していくとして理解を求めた。
埋め立て処分したのは、むつ運動公園野球場の昨年の改修工事で、東京電力福島第1原発事故後に宮城県などから搬入された土や芝。健康上問題はないとされるレベルの放射性セシウムが検出されていた。市は市民の安全・安心のため、約2千トンを撤去する方針を固め、今年5月下旬から同処分場に埋め立てし、6月下旬に覆土作業を終えた。
同処分場周辺地域の住民に対する初の説明会には約30人が参加。質疑応答では「作業が終わってからではなく、もっと前にも説明してほしかった」という意見があった。住民の1人は取材に対し「市が安全というのなら、信じるしかない。これからは情報をきちんと伝えてほしい」と取材に答えた。
市の東雄二環境政策課長は取材に対し、地元住民代表らによる環境対策の協議会には事前説明を行ったとした上で「今から考えると(!)、地域住民にも事前に説明して不安を解消してもらうという思いが足りなかった」と話した。(東奥日報)
・復興へ部門別計画作成 双葉郡将来像の実現図る
双葉郡全体の復興に向け策定を進めている将来像(グランドデザイン)について、政府はインフラ復旧工程表や産業振興、雇用促進計画など各種計画を作成して実現を図る。1日の福島復興再生協議会で示した。
インフラ復旧の工程表は復興庁が作成、避難指示の解除が見込まれる地域を対象にインフラ復旧の時期などを示す。産業振興、雇用促進計画は、復興庁、経済産業省、厚生労働省が連携し、企業の帰還や新規投資の促進、雇用拡大の施策などをまとめる。また、農林水産省などが農林水産業の再生に向けた計画も作成、営農再開の手順や具体的な取り組み、事業支援メニューなどを盛り込む方針。(福島民友)
・「仮の町」受け入れ意向 いわき市長、住宅分散など条件 (河北新報)
内閣総理大臣 野田佳彦様
経済産業大臣 枝野幸男様
環境大臣 細野豪志様
内閣特命大臣 平野達男様
厚生労働大臣 小宮山洋子様
私達大熊町民は、中間貯蔵施設の早期建設と、住民に対する丁寧な説明が必要であると考えます。
福島県内にある仮置場の周りで人の姿が消えています。
野外で遊ぶ子供がいなくなりました。
この責任は、国と第一責任者である東京電力が真っ先に負うべきものです。
事故を起こした東京電力が存在するのは、大熊町であり、大熊町に中間貯蔵施設を建設して、汚染ゴミを一時保管するしかないのです。
また、住民に対する政府の説明がないのも事実であります。
何十年と帰れない日々を過ごす私たちにとって、大熊町がどの様な形になって存在するのかは、最大の関心事なのです。
同時に財物(土地・建物・家財等)の完全補償を要求します。
今般の原発事故は、監督官庁である経済産業省の責任であり、明らかな人災であります。
自民党から民主党へと受け継がれてきた原子力政策が、今回の過酷な事故を引き起こしています。
私たちはこの事故により、故郷を追われ現在の避難生活を強いられております。
国の責任において、財物補償をするべきであり、正当な権利として「財物の完全補償」の実施を要求します。
「被曝健康手帳」(仮称)の配布を要求します。
震災直後の政府の対応のまずさによって、福島県民は大量の被曝をしていると思われます。
現在福島県に居られる方、そして除染作業に従事されて居られる方も被曝をしております。
数年後から被曝による病気(ガン、心臓病等)の大量発生が予想され、不安が増大しております。
この「手帳」の配布によって、定期通院・医療行為の無償化等を実施すべきです。
私達には「生命」を守り、「幸福」な生活を送る権利があります。
緊急要望事項
一、正当な権利として「財物の完全補償」を要求します。
一、中間貯蔵施設の早期建設と、住民に対する丁寧な直接説明を要求します。
一、「被曝健康手帳」の福島県民への配布を要求します。
平成24年6月
大熊町町政研究会(代表 木幡 仁)
発起人代表 木幡仁
(以下、発起人36名)
【注】
この緊急要望書は、6月30日に大熊町町政研究会代表の木幡仁氏から直接受け取り、木幡氏の了解のもとに、ここに公開するものです。
大熊町民の緊急要望を支持するとともに、要望内容が福島県内外に広く伝わり、早期に実現されることを期待します。
中野憲志
・・・
7/18
・「財物賠償」拡充要求へ 政府基準案に双葉8町村
双葉地方町村会(会長・井戸川克隆双葉町長)は17日、東京電力福島第1原発事故に伴う土地や建物などの財物賠償に関して、家屋賠償など国が打診した賠償基準案を修正、拡充するよう、双葉郡8町村として国に求めることで合意した。住民が生活再建を図れる賠償額にすることが目的。週内にも要求書を政府に提出する。財物賠償については、政府が今週中にも基準を発表する見通しだったが、8町村の要求を踏まえた上で、発表がずれ込む可能性もある。(福島民友)
7/8
・東電 福島説明会で「やらせ」 03年大熊・双葉町民対象
経済産業省原子力安全・保安院が2003年に福島県内で開いた原発の安全性についての住民説明会で、東京電力が自社や下請け企業の社員らに出席するよう要請した上、質問票への記入方法を指示するなど「やらせ」行為をしていたことが、福島第1原発事故で国会が設置した事故調査委員会の調査で分かった。
国会事故調は「明らかに行き過ぎた行為」と批判している(→それだけの問題?)。昨年7月に玄海原発(佐賀県)の運転再開をめぐる九州電力のやらせメール問題が発覚した後も、東電はそうした行為はないと説明していた。
東電の内部資料などを基にした国会事故調の報告書によると、説明会は03年3月に福島県大熊町で開催。福島第1原発がある大熊、双葉両町の住民が対象だったが、東電は一部の社員に説明会に出席するよう求め、質問票への記入方法についての書面を配布。下請け企業の135人にも出席を要請した。
新潟県柏崎市で直前に開かれた原発のトラブル隠しをめぐる説明会で、反対派の発言で議事が混乱したことを受け、反対派とのバランスを考えて賛成の立場の社員らに動員をかけたという。
事故調は「原子力推進の障害となるリスク情報の隠蔽(いんぺい)や操作が常態化していた」と指摘。東電は「これまで『やらせ』はないとの見解だったが、事実関係を調査したい」としている。(河北新報)
7/2
・大熊町、4割「戻らない」 住民アンケート
東京電力福島第1原発事故で全域が警戒区域に指定されている福島県大熊町が行った住民アンケートで、約4割が「町には戻らない」と回答したことが2日、分かった。 同町が中間まとめを発表。渡辺利綱町長は記者会見で「帰りたくても当分帰れないと判断した町民が多いと思う。除染や賠償など客観情勢が変われば多少変わってくるのでは」(?)と話した。 5~6月に、中学生以上の全町民1万25人を対象に郵送で実施。6481人(64・6%)が回答した。
「戻らない」が40・4%、「居住地を自ら選択し帰れるまで待つ」が18・0%、「町が指定した場所に居住し帰れるまで待つ」が21・9%だった。
・東電値上げで広告費など除外を 燃料や人件費は容認、専門家委
東京電力の家庭向け電気料金の値上げを検証する専門家委員会は2日、査定方針の原案を示し、原子力政策の広告宣伝費や原発の立地自治体に対する寄付金を料金原価から除外すべきだとした。燃料費や人件費などは東電の申請内容をおおむね容認。値上げ幅をどの程度圧縮するかは、認可する枝野幸男経済産業相の政治判断に委ねた。
東電は、家庭向け料金の平均10・28%の値上げを申請中。委員会が料金原価からの除外を求めた広告宣伝費や寄付金は、日本原子力発電など同業他社からの購入電力料や、使用済み燃料の再処理などにかかる費用に含まれていた。(共同通信)
・セシウム検出土処分でむつ市が初の住民説明会
むつ市は1日、放射性セシウムが検出された土などを埋め立て処分した同市奥内の市一般廃棄物最終処分場で、地域住民を対象に初の説明会を開催。作業は終了して処分場内の放射線量に健康上の問題はなく、今後も厳重に管理していくとして理解を求めた。
埋め立て処分したのは、むつ運動公園野球場の昨年の改修工事で、東京電力福島第1原発事故後に宮城県などから搬入された土や芝。健康上問題はないとされるレベルの放射性セシウムが検出されていた。市は市民の安全・安心のため、約2千トンを撤去する方針を固め、今年5月下旬から同処分場に埋め立てし、6月下旬に覆土作業を終えた。
同処分場周辺地域の住民に対する初の説明会には約30人が参加。質疑応答では「作業が終わってからではなく、もっと前にも説明してほしかった」という意見があった。住民の1人は取材に対し「市が安全というのなら、信じるしかない。これからは情報をきちんと伝えてほしい」と取材に答えた。
市の東雄二環境政策課長は取材に対し、地元住民代表らによる環境対策の協議会には事前説明を行ったとした上で「今から考えると(!)、地域住民にも事前に説明して不安を解消してもらうという思いが足りなかった」と話した。(東奥日報)
・復興へ部門別計画作成 双葉郡将来像の実現図る
双葉郡全体の復興に向け策定を進めている将来像(グランドデザイン)について、政府はインフラ復旧工程表や産業振興、雇用促進計画など各種計画を作成して実現を図る。1日の福島復興再生協議会で示した。
インフラ復旧の工程表は復興庁が作成、避難指示の解除が見込まれる地域を対象にインフラ復旧の時期などを示す。産業振興、雇用促進計画は、復興庁、経済産業省、厚生労働省が連携し、企業の帰還や新規投資の促進、雇用拡大の施策などをまとめる。また、農林水産省などが農林水産業の再生に向けた計画も作成、営農再開の手順や具体的な取り組み、事業支援メニューなどを盛り込む方針。(福島民友)
・「仮の町」受け入れ意向 いわき市長、住宅分散など条件 (河北新報)
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