フランスがコートジボワールに軍事介入---武力「介入の責任」第2弾
「文民保護」を云々する「保護する責任」が、〈リベラル帝国主義〉の武力行使の道具でしかないことが、リビアに続いて鮮明になった。 ヒューマンライツ・ウォッチ(HRW)、オクスファム(Oxfam)、アムネスティ・インターナショナル(AI)などの国際人権NGO、とくに日本支部の理事・事務局・会員の人々は、そのことにきっぱりと気づくべきである。
独裁・抑圧国家に対する〈リベラル帝国主義〉の軍事介入に、私たちはいかなる論理をもって対抗すべきか? 「人権」派とともに「反戦」派の思想と倫理が試されている。
⇒「保護する責任」を推進するNGOの何が問題なのか?
⇒「人道主義+介入主義=人道的帝国主義」---なぜ、この足し算が難しいのか
(その他、「保護する責任」やリビア情勢については2~3月の関連エントリーを参照してほしい)
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報道によると、昨年11月の大統領選で敗北後も「居座り」続けてきたローラン・バグボが拘束された。最大都市アビジャンでは10日、フランス軍が十数台の戦車などからなる地上部隊を市街地に進軍させ、バグボの自宅に突入するなどの武力行使が、国連軍との共同作戦として展開された。コートジボワールではこの間の内戦で1000人以上の死者が出ている。
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報道によると、コートジボワールの最大都市アビジャンに駐在する岡村善文大使の公邸に6日、武装勢力が一時押し入った。大使にけがはないという。
・コートジボワール:仏が軍事介入 国連と共同
西アフリカ・コートジボワールのバグボ前大統領派とワタラ元首相派の武力衝突で、現地に駐留するフランスの平和維持軍(PKF)は4日、主要都市アビジャンの前大統領派拠点を攻撃し、事実上の軍事介入を始めた。これに呼応して、ワタラ元首相派の部隊も前大統領派への大規模攻撃を開始した。仏国防省筋によると、攻撃は現地の国連平和維持活動(PKO)部隊との共同作戦で、仏大統領府は「国連事務総長の要請に基づく地元住民や国連職員保護のための措置」としている。
仏国防省筋によると、仏軍はヘリ4機で前大統領派の基地を攻撃したほか、前大統領派の装甲車や兵舎などを破壊した。国連PKO部隊も前大統領の住居を攻撃したという。仏軍は現地に駐留する部隊の応援として4日までに計450人を増派。仏軍は約1700人体制となり、アビジャンの空港を管理下に置いていた。 一方、仏外務省によると、アビジャンで攻撃開始に先立つ4日夕、少なくとも2人のフランス人が前大統領派の民兵に誘拐された。2人は現地で活動する企業やホテルの幹部で、他の外国人も誘拐された可能性がある。仏外務省によると、現地の在留フランス人は約1万2000人。仏軍は4日、救出のため自国民をアビジャン市内の3カ所に集合させ始めていた。
フランスは現地でPKFを02年から展開。現在、国連PKO部隊の「国連コートジボワール活動」を支援している。昨年11月の大統領選をめぐるバグボ前大統領派とワタラ元首相派の対立を受け、国際社会が元首相の当選を承認し、前大統領の辞任を求めたことで、本格的な軍事介入の決断を迫られていた。またサルコジ大統領は3日、仏軍に全ての在留フランス人の保護を命じていた。 コートジボワールでは、ワタラ氏陣営が3月末以降、バグボ氏陣営への総攻撃を開始、アビジャンの一部を除き全土をほぼ掌握した。双方が100人以上の虐殺を行ったとの現地からの報告もある。 国連安保理は3月、バグボ氏の資産凍結などの制裁決議を採択している。【毎日・パリ福原直樹】