2011年4月2日土曜日

福島原発事故--「原子力緊急事態宣言」はいつ解除されるのか?

福島原発事故--「原子力緊急事態宣言」はいつ解除されるのか?


 私の部屋の窓から近隣のマンション群が見える。天気のよい週末になると、そのベランダからいつも見えていた蒲団や毛布が、消えた。先々週の週末くらいからだろうか。
 子どもを持つ都内に住むある女性は、毎日ネットで東京の「放射線量」を調べ、エスセルを使い「累積放射線量」の表を作り、友人たちに回覧している。「まだ大丈夫」。これが子をもつ親、母親の放射能汚染・被曝防御法である。

 私たちはまだ、「原子力緊急事態」の真っ只中に生きている。いままで以上の「異常事態」はもうないだろう、日々の「放射線量」が「低下傾向」を示し、まもなく「収束」するだろう、そうした根拠なき「希望的観測」を信じて私たちは生き、働いている。それに従い、原発事故は「周辺地域」の人々の問題であって、自分とは関係がなくなったという意識が急速に広がっているようにみえる。

原発 緊急情報(47) 汚染・6日に日本全土に拡がる怖れ
ドイツ気象庁(DWD)による粒子拡散シミュレーションの日本語訳

 菅政権はいつ、どのような状況になったら「緊急事態宣言」を解除し、政府「対策本部」を解散するのか。政府はなぜ、その「見通し」を明らかにしないのか。マスコミはなぜ、そのことを政府に問わないのか。 「長期戦」? いつまで、どの「段階」までをさすのか。 なぜ「長期戦」になってしまったのか、その責任を誰が負うのか・・・。多くの「国民」の意識から無関心が広がり始めている。
 「東電は民営化のまま」「政府が責任を持つ」という、定かに意味が分からない主張が政府内外からポンポン飛び出すにつれ、「救国」「復興」のための「大連立」「増税」論がにわかに活気づき始めた。とても危険な兆候だ。

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4/4
 昨日(4/3)、細野首相補佐官は、「放射性物質の放出を止めるまでに数カ月かかるとの見通し」を示したという。マスコミは「原発周辺で続く避難や屋内退避の指示は長期化することが確実になった」(毎日新聞)と言い、「専門家」は「住民の生活設計のための中長期的な指針を策定するよう提言」するという。

 上の報道によれば、政府が「緊急事態宣言」を解除するのは、「放射性物質の放出」が止まった段階になるのだろうか。それに「数カ月かかるという見通し」ということなのか。
 政府がそう言うのは勝手だ。しかし私たちには、その根拠が分からない。「放射性物質の放出」が止むためには、燃料棒の破損をみた1~3号機の原子炉内の原状回復、圧力容器の原状回復、あらゆる電気・配管系統の状態のチェックと破損部分の交換・修理による原状回復などを通じ、自動冷却システムの回復がなされねばならない。現場の現実が教えるのは、首相補佐官が「数ヶ月」という、その客観的・「科学的」根拠は何もないということであり、実際私たちは東電からも政府からも何も示されていないのである。「数ヶ月」が2、3ヶ月なのか、10、11ヶ月なのかも分からない。

「福島原発1号炉の再臨界の可能性」(日本エントロピー学会)
⇒「福島第一原子力発電所等の事故概況」(服部良一・社民党)
⇒「福島第一原子力発電所の状況」(社団法人・日本原子力産業協会)

 そもそも東電は、1~3号機の原子炉内がどのような状態になっているのか、それさえ把握できていなかったのではないか。東電はそのための「装置」を持っていなかったはずである。メルドダウンした自国の原発の処理作業に、「原発先進国」の「支援」を借りねばならないことの異常さを私たちは忘れかけている。

 しかし、それでも代谷誠治・原子力安全委員は3日、こう発言した。「放射線量は減少傾向だ」「現状を直ちに見直す必要はない」・・・。
 原子力安全委員会の「防災指針」では、体外から浴びる「外部被曝」による放射線量の「累積予測」が10~50ミリシーベルトの場合に屋内退避、50ミリシーベルト以上の場合に避難、屋内退避の「長期化」が「予想される場合」に「避難の実施も検討する必要がある」としているが、「専門家」やマスコミは、そもそもこの「防災指針」そのものが無茶苦茶な「指針」であることを、まったく問おうとしない。
 「防災指針」が無茶苦茶だというのは、とても単純な理由による。
 第一に、「建屋」が爆発し、「プール」に「保管」されている核燃料棒が露出し、炉心融溶を起こし、格納容器と圧力容器が「破損」状態になった原発が、その後(3/14以後)どのような問題を起こすか、まったく予測不能であること、第二に、政府の「退避勧告」なるものは、上の「基準」以上の放射線量を〈政府が確認した以降に発せられる〉のであって、どんなに「基準」を超える放射能が放出されようと、放出されるその瞬間を政府には把握するすべがなく、よって周辺住民を被曝から守ることは不可能であるからだ。
 
 原発周辺住民の立場から言えば、原発で爆発が起こった際に、「屋内避難」を国が強制するということ自体、許すまじきことだろう。だから私たちは、国の「防災指針」全体を解体的に見直す必要に迫られているのだが、それ以前の問題として、今回のような大災害を起こしておきながら、「屋内避難」の無茶苦茶さをいまだに国が理解せず「直ちに見直す必要はない」を原子力安全員会が言い続けるという、そのこと自体がまったく信じられないことである。

 毎日新聞によると、福島県の放射線健康リスク管理アドバイザーとして1日に同県飯舘村を訪れた山下俊一・長崎大教授(健康リスク学)は「政府は、地域ごとに放射線量の積算値と今後の予想値を示し、安全宣言を出すか避難すべきかを判断すべきだ」と語ったという。
 私自身も、政府が「地域ごとに放射線量の積算値と今後の予想値を示す」ことを主張してきた素人の一人である。しかし山下教授は、飯舘村を含め、政府が半径50キロ圏内の「安全宣言」を出すなんてありえない、出せるはずがない/出してはならないことを理解しない。「専門家」としての使命は、「迅速で、精確な情報公開をした上で、住民の避難措置に政府と県・自治体が行政責任を果たすべき」と言い続けることに尽きるだろう。
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福島・川俣町の上空で10倍の放射線量
 文部科学省は3日、福島第1原発から30キロ以上離れた上空をヘリコプターで調査、福島県川俣町で通常の約10倍の放射線量を計測したと発表した。同省は「より上層へ放射性物資が拡散している」と注意した。 文科省は2日、福島県の9カ所と栃木県那須塩原市、茨城県北茨城市の高度約160~650メートルで測定し、川俣町上空で毎時約0.30マイクロシーベルト、福島県いわき市で0.15マイクロシーベルト、福島市で0.14マイクロシーベルト、同県白河市近辺で0.13マイクロシーベルトを計測した。同県上空は通常、毎時0.01~0.03マイクロシーベルトとされる。
 また文科省が同県内の土壌や雑草を1日に採取した調査で、原発から約35キロ北西の川俣町の雑草でセシウムを1キログラム当たり96万8千ベクレル、ヨウ素を50万3千ベクレル検出。約40キロ北西の飯館村の雑草で1キログラム当たりセシウムを72万5千ベクレル、ヨウ素を21万9千ベクレル検出し、地上でも依然、高い数値の放射性物質が計測された。
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4/4
東電、低レベル放射線汚染水を海に放出へ 法定濃度の100倍 
 福島第1原子力発電所の1~6号機のタービン建屋などに強い放射性物質(放射能)を含む汚染水がたまっている問題で、東京電力は4日、比較的、汚染レベルの低い水がたまっている集中廃棄物処理施設内と5、6号機の地下水を、それぞれ明日から海に放出すると発表した。東京電力によると、海へ放出する低レベルの放射性廃液は法律で定める濃度の約100倍。高レベルの汚染水を移す仮設タンクの設置が間に合わず、やむなく低レベルの汚染水を海に放出することにした。(⇒5、6号機の地下水についても午後9時から放出。当初は5日からとしていたが、「準備が整った」として4日から放出することに)。
 海への放出は、原子炉等規制法64条1項に基づく措置。東電が放射性物質を含む水を意図的に海に放出するのは事故後初めてとなる。 海に放出するのは、集中廃棄物処理施設内の滞留水が約1万トン、5、6号機の地下水が合計1500トン。 東電によれば、集中廃棄物処理施設内にたまった水の放射性物質の濃度は、ヨウ素131で1立方センチメートル当たり6・3ベクレル、5号機で16ベクレル、6号機で20ベクレルと、1~4号機などの数値に比べて低いとしている。
 1~4号機のタービン建屋のうち、2号機には放射性物質の濃度の強い大量の地下水がたまっており、この汚染水を保管するには集中廃棄物処理施設への移送が欠かせないと判断している。このため、集中廃棄物物処理施設などの濃度の低い汚染水を排出する必要があり、やむなく海への放出を決めた。 この汚染水の海洋放出に伴う海への汚染影響は、近隣の魚介類や海藻などを毎日、摂取すると、年間約0・6ミリシーベルト被曝する計算となる。これは自然界などから受ける年間線量(2・4ミリシーベルト)の4分の1に当たる。(産経より)
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 産経新聞は、①「近隣の魚介類や海藻などを毎日、摂取すると、年間約0・6ミリシーベルト被曝する計算」と②「自然界などから受ける年間線量(2・4ミリシーベルト)の4分の1に当たる」に、何ら「科学的根拠」がないこと、またこのような「計算」や「情報」が何ら「近隣の魚介類や海藻など」の生態系の保全と「食の安全」を保証するものではないことを、きちんと一般読者に〈報道〉すべきである。なぜなら、この「情報」には、
第一にヨウ素131以外の放射性物質の濃度、第二に「累積放射線量」、第三に〈今後の累積予測〉についても、何も伝えていないからである。
 「メガフロート」や「はしけ船」に汚染水が準備が整い次第移される、と言われている。しかし、放射能汚染水の海への放出がそれで止まるわけではない。情報が公開されるのであれ、されないのであれ、放出規模が小さくなるのであれ何であれ。
 福島、茨城・宮城、そして千葉の漁業はどうなるのか、浜辺はどうなるのか。海水浴やサーフィンはどうなるのか。これらの地域の夏の観光は、これからいったいどうなるのか・・・。影響は計り知れないだろう。
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放射性物質、海底に沈殿の恐れ 魚介類で濃縮も 仏研究所(4/6 共同)
 フランス放射線防護原子力安全研究所(IRSN)は6日までに、福島第1原発から流出する高濃度の放射性物質を含む水などが海洋に与える影響予測を発表した。微粒子の形で海底に沈殿する放射性物質の危険性を指摘し、長期の監視が必要と警告。放射性物質が魚介類の体内で濃縮される可能性も指摘した。 IRSNは、海流のデータなどを基にしたコンピューターシミュレーションの結果から、放射性物質のうち海水に溶け込んだものについては水中で拡散し、海流で遠方に運ばれるため危険性が少ないと示唆。
 一方で、微粒子の形で海中にとどまる物質は海底に沈み、長期間汚染が続く可能性があるとした。 特にセシウム134は数年、セシウム137は約30年にわたって海中にとどまるとして「沈殿が疑われる日本の海岸地域では、長期にわたる調査が必要だ」と指摘した。
「許し難い行為」全漁連会長、汚染水放出に抗議
 東京電力福島第一原子力発電所で4日、放射性物質を含む汚染水が放出されたことについて、全国漁業協同組合連合会の服部郁弘会長らが6日、東京・内幸町の東電本店を訪れ、勝俣恒久会長に「漁業者の存在を無視した、許し難い行為だ」と抗議した。 本店1階ロビーで勝俣会長と対面した服部会長は、汚染水の放出前に東電側から漁業関係者への連絡が一切なかったことなどを挙げ、「全国の漁業関係者は(国と東電の)無責任な対応に強い怒りを抱いている」と強調。「関係者の被るすべての被害に対する補償を求める」と訴えた。勝俣会長は小声で、「真摯(しんし)に受け止め、心からおわびする」として頭を下げたが、補償については「国と相談しながら最大限の努力をしたい」と、慎重な言い回しにとどめた。(2011年4月6日 読売新聞)
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日本で公表されない気象庁の放射性物質拡散予測
 東京電力福島第一原子力発電所の事故で、気象庁が同原発から出た放射性物質の拡散予測を連日行っているにもかかわらず、政府が公開していないことが4日、明らかになった。 ドイツやノルウェーなど欧州の一部の国の気象機関は日本の気象庁などの観測データに基づいて独自に予測し、放射性物質が拡散する様子を連日、天気予報サイトで公開している。日本政府が公開しないことについて内外の専門家からは批判が上がっており、政府の原発事故に関する情報開示の在り方が改めて問われている。
 気象庁の予測は、国際原子力機関(IAEA)の要請に基づくもの。国境を越える放射性物質汚染が心配されるときに、各国の気象機関が協力して拡散予測を行う。 同庁では、東日本大震災当日の3月11日から毎日1~2回、拡散予測を計算している。具体的には、IAEAから送られてきた放射性物質の放出開始時間や継続期間、どれくらいの高さまで上ったかを、風向きや天候など同庁の観測データを加えた上で、スーパーコンピューターに入力し、放射性物質の飛ぶ方向や広がりを予測している。 (読売より)

 情報開示が原発の恐怖につながることを怖れる日本という国は、あるいは「原発立国」とは、こういう国なのだ。今に始まったことではないけれど。
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4/2
〈石棺化〉
 2週間前の3月20日、私はこのように書いた。
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 マスコミの事故報道の最大の問題点は、この「事故」がいつまで続き、どういう形で決着をみるのか、何も現実的な展望がないにもかかわらず、なにかしら「冷却機能の回復」が「事態収拾」へと発展するするかのような幻想を振りまいていることだ。東大を始めとする各大学の「専門家」連中が、そうしたデマキャンペーンの尖兵として「国民の不安」の、科学的・現実的根拠に裏打ちされない解消役、なだめ役を果たしているのである。
 では、もしもありうるとして、どういう形で「事態収拾」をはかることができるのか? 私の理解では、
①福島第一原発の全号機(「プール」を含む)の自動冷却機能を回復した後に
②水素爆発で破壊された「建屋」の外側から
③起こってしまった今回の地震と津波の規模=破壊力に耐え得る、15mあるいはそれ以上の厚さのコンクリート壁で、丸ごとすっぽりと閉鎖する、ことくらいしか考えられない。「海洋投棄」することもできなければ、理論的には可能でも現実的には地底に丸ごと埋めることも困難だ。
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 おそらく上の文章を読んだほとんどの人は「素人が何を言っているのだ?」と思ったに違いない。そういう人は、今日(4/2)付けの日経新聞の電子版で配信された「「石棺化がベスト、廃炉に5~10年」専門家の見方」を読んで欲しい。 そこに「伊藤哲夫・近畿大原子力研究所所長の話」が掲載されている。

 「放射性物質の飛散防止のためには、燃料棒を移さないで発電所全体を封じ込める石棺化が一番だ。ただ燃料が十分に冷えないうちにコンクリートで固めてしまうと熱で外壁が割れて汚染が広がる恐れがあるので、慎重に作業しなければならない。廃炉は5~10年かけてじっくり取り組むべき課題になるだろう」

 「15mあるいはそれ以上の厚さのコンクリート壁で、丸ごとすっぽりと閉鎖する」。これが伊藤所長が言う「石棺化」のことだ。同じ3月20日に、私はこうも書いた。
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 問題は、福島第一・第二原発すべての事業体としての廃止⇒「廃棄処分」をどうするかであって、最初に政府・東電が決めねばならない/私たちが知っておかねばならないのはその方法と工程である。
 「安全に廃棄する」ために、「自動冷却機能」の回復が必要なのだ。まずこの点を全国民的・全世界的にはっきりさせ、確認することだ。この最終工程との関係で、その時その時の作業の「到達段階」を確認できれば、それでよい。
 東電経営陣・技術者集団に求められていた/いるのは、まず腹を括って「その工程・方法」を考案し、その全貌を政府と全国民に情報公開することにあった/ある。

 私自身は、自動冷却機能の回復が果たして可能なのかどうかも訝っている。何か具体的根拠があるからそう思うのではなく、具体的なことを判断できる材料・情報が何も政府・東電から提供されていないから懐疑的にならざるをえない。 
 私たちはこれまで、原子炉については無傷だと知らされている。しかし、地震・爆発による各号機の格納容器および「プール」の損傷程度については何も分からない。内部の映像は一部流されているが、損傷・欠損・破損、全体としての破壊程度については、現に損傷・欠損・破損があり、放射能漏れが「一部」で起こっているという以上に、何も判断することができない。報道をすべて信じるとするなら、東電自体が把握できていないという(⇒果たして、ほんとうにそうか?)。

 しかし、私たちの置かれている状況は、実際どの号機のどこの何が、どれだけ破壊されていようがいまいが、そして何がどうなろうと、自動冷却機能の回復に向けて、ひたすら突き進むことしかできない、それだけ絶望的なものなのだ。そしてこの機能が回復されるまで、私たちにできることと言えば、半永久的に、何がどうなろうと、ひたすら給水・放水活動を続ける、それだけだ。それ以外には何の「打つ手」もない。避難地域を拡大し、できるだけ多くの住民の安全を確保する行政措置を除いて。
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 2週間後の今。〈状況〉は基本的に何も変わっていない。1~3号機の「燃料損傷」の割合を70、33、25%とする「推定結果」を3月25日に東電が発表し、近隣のマンション群のベランダから蒲団干しの景色が消え、東京のママさんが子どもと家族を守るために、自力で「累積放射線量」の表を作成するようになった、ということくらいの他には。家族を連れて西日本に疎開した人間もまだ戻ってこない。

 物忘れがひどい私たちは、いまだ「原子力緊急事態」の真っ只中に在ることにお構いなく、「ノーマルを装いながら、アブノーマルな日常」を生きている。そんな今日。「自衛隊による住民の除染や医療活動を情報提供などの形で支援」すると同時に、「大規模な放射能漏れなど原発の「不測の事態」に備える(???)」と称して、「米海兵隊放射能等対処専門部隊」(CBIRF、シーバーフ)の「初動対応部隊第1陣」が来日した。「原子力緊急事態」発生後、何と22日目にして。


〈原発に「想定外」は許されるか?〉
 8日前の25日、私は次のように書いている。
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 私はただのド素人にすぎない。しかし、私の予測では、日本政府の原発事故「対策本部」--東大を始めとする「専門家」や東電の技術者、またGEを始めとする米国の一部技術者も関与しているのだろうか--は、今回の事故を解決する方策を持っていない。なぜかというと、かつて「原子力安全委員会」がお墨付きを与え、昔の通産省が承認した福島第一・第二原発という巨大プロジェクトは、その「安全対策」マニュアルに、今回のような事故を「想定していない」からだ。 私は間違っているかもしれない。しかし、少なくともそれが私の理解である。

 私は間違っているかもしれないし、間違っているかもしれないことを前提にしてきいてほしい。だから間違っていても決して責めないでほしいのだが、要するに一言で言えば、原子炉はもとより原子炉格納容器が破壊されるという「事態」を①東電、というより②日本のすべての原発電力会社、というより③「原子力安全委員会」、というより④経産省・文科省・日本の原子力官僚機構、というより⑤日本政府、というより⑥この日本に生きている私たちは「想定していない」。人間は「想定していないこと」が起こったとき、対応しようにも「対応しようがない」。
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 私はただのど素人にすぎないが、どうも間違ってはいなかったようだ。続けてこうも書いた。
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 では、なぜ「想定していない」のか?
 「そういうことはありえない」ものとして「想定の埒外」に置かれてきた/いるからだ。
 では、なぜ「想定の埒外」に置かれているのか?
 地震・津波の規模など、「想定される」原発に対する打撃を勘案し、その打撃にも耐えうる「安全基準」が原子炉および格納容器には施されている、ということになってきた/いるからである。
 つまり、原子炉および格納容器は、たとえ何があろうと「損傷」することは「現実的(ということは原発の場合、「理論的/科学的」にということになる)にはありえない」とされてきた/いる、というより「一応、そういうことにしようではありませんか。そうでないと日本では原発はつくれないから」ということになってきた(いる)/されてきた(いる)のである。
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 福島第一原発の事故を経てもなお、この国の原発電力産業は「影響なし」と言い張っている。
 私自身に関して言えば、もうコリゴリだ。「余震酔い」、東電という企業、この国の「対策本部」にも気がどうかしてしまいそうになる。

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4/2
原発増設含む計画提出 東電「震災で見直す時間なく」
 東京電力が、福島第一原発の事故が起きた後の3月末に国へ提出した電力の「供給計画」に、第一原発に7、8号機を増設する計画を盛り込んだままにし、福島県が反発している。東電福島事務所は「地震の影響で作り直す時間がなかった」と釈明している。  電気事業者は電気事業法に基づき、毎年度末、経済産業省資源エネルギー庁に対して10年間の電力需要を見込んだ供給計画を届け出ることになっている。7、8号機の増設は1995年度に提出した計画で初めて明示。それ以来、計画に盛り込み続けてきた。
 同原発には現在1~6号機があり、1~4号機で事故が起きた。福島事務所は、計画が完成したのは震災前で、震災後は見直しをする余裕がなく、そのまま提出したとしている。  福島県側は計画の内容を事前に把握し、「増設は認められない」と東電側に指摘したとしている。県企画調整部の野崎洋一部長は「実際に提出されたのであれば、県民感情として許せない」と話している。(読売新聞・井上亮)

コンクリ注入も汚染水止まらず…第一原発2号機 福島原発
 東京電力は2日、福島第一原子力発電所から海へ放射性物質が流出するのを防ぐため、流出源とわかった立て坑にコンクリートを流し込んだ。 しかし、汚染水の流出量はほとんど減らなかった。東電は急きょ、東京から止水技術の専門家を呼び、3日朝から高分子素材を使って新たな止水作業に取りかかる。 立て坑は電源ケーブルを点検するためのもので、同原発2号機の取水口の近くにある。
 コンクリート壁面に亀裂があり、そこから放射線量の高い汚染水が海へ勢いよく噴き出しているのを、作業員が2日に発見した。立て坑の中には、毎時1000ミリ・シーベルトの強い放射線を放つ汚染水が深さ10~20センチ程度たまっていた。2号機のタービン建屋地下から、作業用トンネル(トレンチ)を経由して、高濃度の汚染水が立て坑に流れ込んだ可能性が高いとみられている。(読売新聞)