2011年4月11日月曜日

「原子力緊急事態」1ヵ月-- それでも、あくまでも稼働中原発の一時停止を訴えよう

「原子力緊急事態」1ヵ月-- それでも、あくまでも稼働中原発の停止を訴えよう

 たった今、また大きな地震があった。M.7.0だという。福島と茨城両県を中心に震度6弱から5以上を記録した。そして連続的に緊急地震速報が出た。4月7日に次ぐ、M.7以上のこの地震によって、福島第一原発の1~3号機の外部電源が切れ、注水が一時停止状態にあるという。(後に再開との報道)。

 東電は、作業員の退避が解除され次第、電源復旧や消防ポンプへの切り替え作業を進め、「注水が一時的に止まっても、すぐに危険な状態になる訳ではない」と説明したというが、もういい加減にしてほしい。
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原発「安全神話崩れた」 周辺12市町村長アンケート
 チェルノブイリ事故に並ぶ最悪の「レベル7」となった福島第1原発事故を受け、半径30キロ圏の12市町村長のほとんどが、国の原子力エネルギー政策に対し「安全神話が崩れた」などと抜本的な見直しを求めていることが12日、共同通信のアンケートで分かった。 復興ビジョンについては「放射線という見えざる敵が消滅しない限り、夢すら描けない」(冨塚宥けい田村市長)、「早期に原発が安定しなければ、考えられない」(遠藤雄幸川内村長)などの意見が半数を占めた。
 アンケートは今月上旬に実施、12市町村長全員から回答を得た。原発事故は多くの住民の県内外避難を生み、全域や一部が計画的避難区域などに指定される事態を招いており、地方自治の喪失、国や東京電力への不信感が浮き彫りとなった。 アンケートによると、原子力政策について「安全神話が崩れた。再検討すべきだ」(渡辺利綱大熊町長)、「当然見直しが必要」(山田基星広野町長)、「代替エネルギー開発を」(遠藤勝也富岡町長)など抜本的な見直しや再考を求める意見が11市町村に上った。
 第2原発が立つ楢葉町の草野孝町長は「国が安全基準の見直しも含めて指導力を発揮すべきだ」とした。
 第1原発1~4号機の廃炉については、明言を避けた井戸川克隆双葉町長や大熊、楢葉両町長以外は「当然」と答えた。 5、6号機の廃炉も「当然」「検討すべきだ」(渡辺敬夫いわき市長、松本允秀葛尾村長ら)との意見が半数を占めたが「安全性が担保できなければ」(桜井勝延南相馬市長)との条件付きや「現段階では分からない」(楢葉町長)との回答もあった。
 震災後に運転を停止している第2原発の再開には「電力需給の事情で判断されるべきではない」などと大熊町長らから慎重な意見が相次いだ。 事故の教訓としては「安全に絶対はないと分かった」(菅野典雄飯館村長)、「安全、安心の線引きが非常に困難になった」(馬場有浪江町長)などの声が上がった。

釜山の住民ら、原発停止求め仮処分申請 韓国で初
 韓国南部の釜山市にある古里原子力発電所の周辺住民ら97人が12日、同原発1号機の運転停止を求め、釜山地方裁判所に仮処分申請を行った。弁護団によると、原発運転停止に関する仮処分申請は韓国で初めてという。
 1号機は1978年に運転を開始し、2007年に設計寿命を迎えたが、韓国政府は08年1月、10年間の運転延長を決めた。 これに対し、釜山弁護士会が1号機は老朽化によって事故の起きる可能性が高く、運転を停止すべきだとし、同原発の半径30キロ以内に住む住民らを対象に仮処分申請の原告団を募集した。 釜山弁護士会環境特別委員会は「難しい訴えになることが予想されるが、97人もの住民が原告として参加したことは(原発の安全性に関する)関心の大きさを示している」と話している。(共同)
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 気象庁は、今夜の「余震」後の記者会見で、「本震の規模が大きく、まだ一定期間はM7クラスの余震が発生する」(土井恵治・地震予知情報課長)と警戒を呼びかけ、東北から関東、中部地方に至るまで注意が必要だと話している。今日の地震は、東日本大震災が、太平洋プレート(岩板)に押されていた陸側のプレートが跳ね上がって発生したのに対し、「陸のプレート内の浅い場所で、地盤が引っ張られて断層がずれる「正断層型」の直下型地震」だという。大震災以降の3月19日のM6.1、同23日のM6.0の地震もこの「正断層型」の地震だった。
気象庁・地震情報

 もしかしたら、関西以西や海外に住む人々には、「もういい加減にしてほしい」という気持ちは伝わらないかもしれない。 この1ヵ月、毎日数時間置きに、ときには数十分置きに大きな地震/余震に襲われてきた大震災と原発大災害の被災者や〈私たち〉の〈危機意識〉は、わかってもらえないかもしれない。
 仮にそうだたとしても、私は改めて、稼動中の新潟・柏崎刈羽原発の全原子炉の停止、宮城・女川原発を始めとする東北電力が管轄する全原発の即時の安全・防災対策強化と再稼動の無期限中止を訴えたい。青森県の六ヶ所村も忘れてはいけない。そして、稼動中の浜岡原発の原子炉を停止しよう。日本政府・全政党・東電・東北電力・中部電力に対し、そうした要求を突きつけよう。

 全マスコミに、この問題をきちんと取り上げるよう働きかけよう。そして原発の一時停止運動を全国に広げよう。海外--、米国、マレーシア、ドイツ、タイ、イギリス、中国、台湾、韓国、ロシア、モンゴル、カナダ、フランス、スリランカ、メキシコ、ブラジル、オーストラリアにオーストリア、その他その他の国々--からアクセスしている人々も、知人・友人に呼びかけてほしい。

 〈危機意識〉を持つ者、共有する者が行動を起こさなければ、この国の政治も原発産業もマスコミも何も動こうとしない。それは昨日の統一地方選の結果をみても明らかである。

 以下、書きかけていた文章である。
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 東日本大震災と福島大一原発「事故」から丸1ヵ月を迎えた。「統一地方選」の結果も出たわけだが、政府と東電の統合「対策本部」の「事態収拾」に向けた「方針」は、いまだはっきりしない。
 こんなことで、本当によいのだろうか?

〈それでも、あくまでも稼動中原発の停止を訴えよう〉
 報道によると、東電は今日(4/11)、水素爆発を防ぐため窒素を注入している福島第一原発1号機の格納容器で、圧力が1.95気圧から上昇しなくなり、放射性物質を含む蒸気や窒素が外部に相当量漏れていると発表。 東電によれば、7日未明から毎時28立方メートルの窒素を注入しており、容器内の圧力は、7日の1.56気圧から9日の1.9気圧まで徐々に上昇が続いたが、10日頃から圧力が1.95気圧のまま上がらなくなった、という。以下、読売新聞電子版の記事。

 「計算上は1000立方メートル前後の蒸気や窒素が外部に漏れ出したことになる。ただ、今のところ原発周辺の放射線量に大きな変化は見られない。1号機には、6日間で約6000立方メートルの窒素を注入し、1.5気圧を2.5気圧にする予定だった。東電では「格納容器の密閉性が損なわれ、相当量が漏れている」とみている。東電では、水素爆発を回避するため、当面、現在の注入を継続、対応策を検討する」。

 上の記事から、1号機の格納容器の圧力計器が故障していることがわかる。それともう一つ。読売の記事では、「今のところ原発周辺の放射線量に大きな変化は見られない」とあるが、「放射性物質を含む蒸気や窒素が外部に相当量漏れている」のに、なぜ放射線量に「大きな変化が見られない」のか? 政府・東電は具体的な放射線量の数値の変化を公表すべきだ。もしも本当に「原発周辺」の数値に変化がないのであれば、建屋内部の放射線量の数値が上がっているはずである。であるなら、作業はさらに遅延することになる。
(東電は11日夕、午後5時過ぎに発生した震度6弱を記録した地震の影響で、福島第1原発1号機の格納容器の水素爆発を防止するための窒素注入を中断していると発表。「準備が整い次第、注入を再開する」という。)

 原発大災害から日が経つにつれ、政府・東電の統合「対策本部」は現場の放射線量、圧力容器内の気圧などに関し、適当な「情報」を流し始め、それを厳しくチェックし、情報の信憑性を「対策本部」に対して問うべきマスコミの社会的役割意識も弛緩し始めている、とは言えないか。「爆発さえしなければ問題なし」的な意識がもしも生まれているとしたら、きわめて危険である。
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(4/12. 松本純一東電原子力・立地本部長代理「現時点で放射線物質の発生が完全に止まりきっていないことを考慮すると、(チェルノブイリ原発事故を)超える可能性はある」)

〈原発の一時停止を阻むのは何か〉
 各電力会社の発電総量に占める原発依存率は次の通り。北海道電力約40%、東北電力約16%、東京電力約23%(福島原発込みの数値)、中部電力約15%、北陸電力約33%、関西電力約48%、中国電力約8%、四国電力約38%、九州電力約41%、沖縄電力0%(「日本の電力消費」)。

 先週のエントリーでも書いたように、東北大震災・福島原発大災害以後の関東圏(正確には富士川以東の静岡県や山梨県も含む)の電力需要の「実績」と「理論」上から言えば、上のうち東北、中部、中国電力地方の〈脱原発〉は、明日にでも可能になるはずだ。
 では、何が〈脱原発〉を阻んでいるのか。たとえば、下のような強烈なる原発圧力団体の存在である。
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東電国有化「必要ない」=国は全面支援を―経団連会長
 日本経団連の米倉弘昌会長は11日記者会見し、福島第1原発の事故を受けて東京電力の国有化が取り沙汰されていることについて「(国有化は)必要ない」との見解を示した。巨額の補償負担を背景にした国有化論議の浮上をきっかけに東電の株価が急落し、同社に関連する企業や投資家に影響が及んだことを指摘した上で「日本の経済・産業が駄目になる」と強調した。
 米倉会長は、国有化が必要ないとする根拠として「原子力損害賠償法では、大規模な天災の際は国が補償することになっている。今回の場合は、国が全面的に支援しなければならない」と述べた。さらに「国の支援があって初めて、原子力産業の発展と被災者救済がバランスよく保たれる」と語った。(時事)
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 東電が潰れようがどうしようが、「日本の経済・産業」は「駄目」にならない。電力から原子力を段階的に切り離し、原子力産業に対する「国の支援」をどうするか、そして原子力産業そのものをどうするか、その「全国的議論」が必要だ。しかし、まず東電から原発を切り離し、柏崎をストップすることが先決だ。
 いま、それさえできなければ、そのための議論を興さなければ、全国に散在するどの原発さえ止めることはできないだろう。反原発/脱原発は、すべてがお題目、掛け声倒れになってしまうだろう。 

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4/12
三陸―房総沖の地震予測、見直しへ 政府の地震調査委
 政府の地震調査委員会が11日開かれ、東日本大震災を起こした地震の震源域が三陸沖から茨城県沖まで及び、従来の予測を超えていたと判断。委員長の阿部勝征東京大名誉教授は、房総沖も含めて将来どんな地震が起きるかの予測を見直す方針を明らかにした。
 地震調査委はこれまで、巨大地震が起きる海溝型地震について、将来起こる確率や規模を予測してきた。三陸沖から房総沖にかけては八つの震源域に区切って検討。それぞれ別々に地震を起こすと予測。複数が連動すると想定したのは「宮城県沖」と、その沖の「三陸沖南部海溝寄り」だけで、連動してもM8前後との予測にとどまっていた。

 今回は六つの震源域がいっぺんに動いた。地震調査委は、869年に大津波を起こした貞観の地震を踏まえ、見直しが必要か検討を始めていたが間に合わなかった。阿部委員長は「世界でM9が起きても、日本では起きないと考えてきた。学問的なパラダイムに縛られていた点は大きな反省だ」と話した。 今後は、三陸沖から房総沖の地震について見直しを進める。過去に起きた地震が再び繰り返されるかを中心としてきた予測手法についても議論するという。
 東海や東南海、南海地震など、南海トラフで起きる地震の予測を見直すかについて、阿部委員長は「時間をください」として、即答を避けた。 現在の評価では、東南海地震の規模はM8.1前後、南海地震はM8.4前後。両者が連動した場合の規模はM8.5前後と予測している。調査委は、今後もM7を超える余震が起きる可能性を指摘。今回の震源域の周辺でM7~8の地震が誘発される可能性もあるとして、注意を呼びかけた。(朝日・鈴木彩子)
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 全ての原発の「安全基準」と「安全対策」が上の「予測」以下の水準。さらに津波の問題もある。だから、〈まず停止〉が必要なのだ。
 こうした「予測」をしながら、「地震調査委」が国に対して稼動中原発の一時停止を提言しないのは犯罪的だ。また、こうした報告を受けながら早急な停止プランを打ち出さない政府は、もっと犯罪的である。

容赦ない余震 「もう嫌だ、もう嫌だ」
 東日本大震災からちょうど1カ月たった11日夕、また被災地を強い地震が襲った。震度6弱を観測した福島県いわき市では土砂崩れが発生。倒壊した家屋から住民を救い出そうと、消防隊員らが必死に作業を続けた。茨城県沿岸部では、高台の避難所に逃げ込んだ市民から「もう嫌だ」とため息が漏れた。
■福島県
 「下から突き上げるような縦揺れがいきなり来た。自宅を飛び出して山の方向を見上げると、中腹付近の木がユサユサ揺れ、ドーンという音がした。土砂が崩れてきたと思い、東側の尾根方向に向かって一目散に逃げた」  地震による土砂崩れで家屋3棟が倒壊した、福島県いわき市田人町石住の現場。すぐそばに住む大工の鈴木良一さん(47)が、その瞬間を振り返った。
 消防のレスキュー隊は市中心部からの道路を土砂崩れで塞がれ、迂回(うかい)路を探して現場にたどり着いた。小雨が降り、ときどき余震が来る中、消防隊員と警察官約50人が重機3台を使って土砂の除去作業を続けた。
 現場は山あいの集落。土砂崩れが起きた斜面はすり鉢状になっており、3年ほど前に杉の木が伐採されてからは、地面が見える状態だった。伐採前から付近一帯は危険区域に指定されていたという。 3月11日の地震の際には大きな横揺れに襲われたが異常はなかった、という。
 福島県警いわき南署によると、倒壊した1軒の世帯主は高橋貞夫さん(71)で、亡くなった女子高生は孫の愛さん(16)という。  近くに住む中山京子さん(56)は「激しい縦揺れが繰り返される状態が、もう2時間以上続いている。どうしていいかわからない。生きた心地がしません」と震えた声で話した。
 大きな揺れがあった後に停電になり、周囲は真っ暗という。台所の食器が激しい揺れで落ちて割れ、足の踏み場がない。「すぐに逃げ出せるよう、玄関先に布団を敷いて寝たきりの父を寝かせています」と中山さんは話した。
 福島県内の消防によると、川俣町では避難しようとした女性(87)が転倒。股関節を骨折した疑いがあるとして、福島市内の病院に運ばれた。郡山地方広域消防組合消防本部によると、郡山市の民家では、30代の女性が倒れたサイドボードのガラスで左腕を切り救急搬送された。
■茨城県
 県南東部の鉾田市で震度6弱を記録した茨城県。  福島県と隣接する北茨城市では地震直後、激しい雨と雷のなか、高台にある市役所近くの市道に渋滞の車列ができた。同県沿岸に津波警報が出たため、多くの市民が避難してきたという。
 避難所になっている市役所近くの市民体育館には、続々と人が詰めかけ、多くの人がテレビを心配そうに見つめた。地震のとき自宅にいたという斉藤絹代さん(75)は「3月11日と同じくらいの横揺れだ」と感じたという。断続的に余震が続く中、「余震だけでなく雷も来る。もう嫌だ、もう嫌だという思いです」。  同県大洗町役場は地震直後、海沿いの町民らに対し、津波の恐れがあるとして避難命令を出し、高台に至急避難するよう呼びかけた。四つの小中学校に避難所を設置。二つの小中学校に250人ほどが避難したという。 (朝日)

4/11
政府、レベル7検討…最も深刻
 内閣府の原子力安全委員会は11日、福島第1原発事故について、発生当初から数時間、1時間当たり最大1万テラベクレル(ベクレルは放射能の強さ。1テラベクレルは1兆ベクレル)の放射性物質を放出していたとの見解を示した。現在は1時間当たり1テラベクレルほどまで落ちているとみている。
 数万テラベクレルは原発事故の深刻度を示す国際原子力事象評価尺度(INES)の最も深刻なレベル7にあたる。今回の事故は数時間の放出でレベル7に相当するため、現在レベル5としている政府は、引き上げの検討に入った。過去に発生したレベル7の事故には86年のチェルノブイリ原発事故がある。
 INESは、程度の低い方から、レベル0~7の8段階に分類している。スリーマイル島原発事故(79年、米国)はレベル5、茨城県東海村で起きたJOD臨界事故(99年)はレベル4とされている。(毎日)

川内原発の増設計画、凍結 鹿児島県が手続き保留を要請
 九州電力が建設を計画している川内原子力発電所3号機(鹿児島県薩摩川内市)について、鹿児島県の伊藤祐一郎知事は11日、九電側に建設に必要な手続きを保留するよう求めた。  九電はこれを了承し、県に申請予定だった周辺の海の埋め立てや保安林解除の手続きを延期する。東京電力福島第一原発の事故を受けた国の安全基準が見直されるまで増設計画は事実上凍結される見込みだ。
 川内3号機は159万キロワットで世界最大級。2014年に着工し、19年に運転開始予定だ。昨年、伊藤知事が増設の計画に同意し、国が重要電源開発地点に指定した。  伊藤知事は「同意撤回はありえないが、安全性が担保されていないことが明らかになった。福島の事故が落ち着かないと、手続きは進められない」と話した。(朝日)
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 九州地方はこれ以上原発依存率を増やすべきではないだろう。「同意撤回」を「アリ」に転換することが肝腎だ。鹿児島県民と九州の人々の〈危機意識〉の持ち方にかかっている。

原発30キロ圏 警戒区域に
 政府は10日、福島第一原発事故を受け、半径30キロ圏内の地域について、地元市町村と調整した上で、住民の立ち入りを禁じることができる「警戒区域」に設定する方針を固めた。 警戒区域は、市町村長が災害対策基本法に基づき設定するが、原子力災害対策特別措置法により国が指示できる。 災害対策に従事する者以外に対し、設定区域からの退去を命じたり、立ち入りを禁止したりできる。従わない場合の罰則規定もある。
 同原発周辺では現在、20キロ圏内に避難指示が出ているが、強制力がないため一部住民が残っている。屋内退避指示が出ている20~30キロ圏内とあわせて、警戒区域に指定されても、ただちに避難が求められるわけではないが、住民は市町村などの指示に基づいて行動する義務を負う。これに関連し、福山哲郎官房副長官「(一時帰宅の)前段階として、警戒区域に設定する必要がある」。20~30キロ圏内の警戒区域設定については、放射線濃度の高い地域から順次、設定していく可能性も。

20キロ圏外に「計画的避難区域」設定
 枝野官房長官は11日午後、福島第一原発から20キロ圏外のうち、気象や地理条件によって放射性物質の年間積算量が20ミリシーベルトを超える地域を「計画的避難区域」に設定することを明らかにした。福島県葛尾村、浪江町、飯舘村、川俣町の一部、南相馬市の一部。「おおむね1か月をめどに実行されるのが望ましい」「地域事情や自治体との相談に基づき、具体的に住民に指示する」。

「国に裏切られた」 計画避難に住民ら怒り
 「何で今さら」。福島第1原発事故で11日、政府が新たに「計画的避難区域」の対象にすると発表した福島県の飯舘村や葛尾村、浪江町の全域と川俣町と南相馬市の一部。住民らはこれまで高い放射線量の中で不安な生活を続けていた。 避難の指示もなく「安全」と言い続けた政府が、事故から1カ月もたって出した、あいまいな指示。「国に裏切られた気分だ」。怒りと悲痛な声が上がった。
 1カ月をめどに避難するように求める計画的避難区域に指定された飯舘村。11日午後、村役場で開かれた説明会では住民から強い訴えが飛んだ。「補償はどうなるのか」「いつ戻ってこられるのか」 経営者の一人は「地域に密着してやってきた。退去すれば信頼を失い、廃業になってしまう。逃げることはできない」と涙を浮かべた。自治会長の細山利文さん(62)は「自主避難とは違い、長期的になる可能性が高い。何百頭も牛を飼っている人もいる。生活の基盤をどうするのか、住民には村からちゃんと説明してほしい」と訴えた。 菅野典雄村長は「大変残念な状況だ。国などと交渉し、できるだけ村に基盤を残していけるように努力したい」と説明した。
 妻と2人でプラスチック製品の製造業をしている坂本徳さん(60)は「これから工場を見つけて再開したとしても何千万円もかかる。避難するつもりはない」ときっぱり。一方、自動車関係製造業の庄司正良さん(68)は「風評被害で取引先から『大丈夫か』といわれていた。(放射線量の)数値が高くなっているのを見て、避難した方がいいのか考えていたところだった」と頭を抱えた。 村内で働く女性(52)は「『大丈夫、大丈夫』と言いながら結局避難させるのか。これだけの地域が避難対象になったら、福島県はなくなってしまうのではないか」と政府の対応への不満を口にした。
 「計画的避難区域」と、屋内退避や自主的避難を求める「緊急時避難準備区域」の両方に一部が指定された福島県南相馬市は「情報を収集しているところ」と対応に追われた。 南相馬市で避難生活を送る男性(60)は疲れた様子で、「計画避難とか緊急避難とかいわれても内容がよく分からない。避難所生活にも慣れてきたのに、またドタバタするのは勘弁してほしい」と話した。(産経)

震災後のエネ庁広報誌に「原発なくては困る」
 経済産業省資源エネルギー庁が3月末に発行した広報誌に、東京電力福島第一原子力発電所の地元住民の「原発がなくては困る」という声を紹介する記事を掲載していたことがわかった。 東日本大震災と同原発の事故が発生する前に企画・取材された記事で、同庁は「原発被災地への配慮が欠けていた」と認めている。
 広報誌は季刊の「Enelogy(エネロジー)」。「“信頼の上”に高齢化を迎える原子力発電」の題で、同原発の地元住民が参加した座談会の記事を掲載し、「町民の多くは、原子力がなくなってしまっては働く場もなくなるので困る」という住民の発言が紹介されている。印刷は震災後で、表紙に被災者へのお見舞いの言葉を入れた。 同庁は約2000部を関係自治体などに郵送した。同庁原子力立地・核燃料サイクル産業課の森本英雄課長は「一般の人には直接届かないので問題はないと判断した。今考えると、郵送すべきではなかった」と話している。(読売)

県外避難者 6人に1人「もう限界」(東京新聞)