2012年2月18日土曜日

千葉県柏市の「明るい未来プロジェクト」

千葉県柏市の「明るい未来プロジェクト」

 今日、東大とかいろんなものと一緒に、「ホットスポット」まで「集積」してしまった千葉県柏市で、「シンポジウム 民・公・学で挑む、オール柏の除染計画‐安心へのロードマップ」が開催される。
 私は、「首都圏の「ホットスポット」の近隣に住む、とある自治会の役員」として千葉県柏市の動向を注視している。とくに、「除染ボランティア」の動きについて。柏市の行方は東北・首都圏各地の「ホットスポット」の未来を映す鏡となるからである。それが本当に「明るい」ものとなるか、「暗い」ものとなるか・・・を。

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講演
・森口祐一教授(東京大学大学院 ) 「放射能汚染の実態に基づく柏スタイルの除染」
・押川正毅教授(東京大学/つながろう柏!明るい未来プロジェクト・アドバイザー)「なぜ柏市で放射線対策が必要か?」
・秋山浩保柏市長 「市の除染計画について」
・川田晃大代表(つながろう柏!明るい未来プロジェクト) 「未来の為に、僕たちができること。」
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 何か参考になる報告すべきようなことがあるかどうか。「報告」を待って考えたい。

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速報
 「会場は満席で、ロビーにも入り切れなかった人たちがいた」。
 「報告」を要約すると、森口氏の講演は、「「自分は原子力ムラの人間ではない」という自己弁明がくどかった」、押川氏は「「なぜ柏市で放射線対策が必要か?」、とても分かりやすく説明されていた」。
 市長と川田氏については、「熱意は伝わった」。ただ、「情報」としては、「とくにネットで公表されている以上のものはなかった」。「除染ボランティア」については「保留」、だそうだ。
 結局、「国の除染方針が非現実的なのが問題。以上」。
 「写真撮影禁止」だったとか。
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 「国の除染方針が非現実的なのが問題」というのは理解できる。しかし、私は「柏スタイル」の「除染対策」には、汚染と除染に関する東電、また国と自治体の責任を、結局は、市民の側に転嫁し、負担を強いているという点において問題が残ると考えている。だから、「除染ボランティア」に関しては、「市民が動くしかない」という理屈は十分に理解できるが、やはり、反対である。
 今回のシンポジウムで問われていたのは、「民・公・学」の代表者と参加者間での、こうした問題に対する代表者側の立場・意見表明と、会場参加者との意見交換だったのではないかと思えるのだが・・・。

 私有地・民家等々の除染費用に関しては、市は他の自治体とも連携しながら、国と東電に請求するとしている。しかし、私の知る限りでは、国も東電も返答を拒否している。しかも、これまでの市の住民説明会では国と東電を代表する者からの謝罪の一言もない、という。毎回、これに対する参加者からの批判が出るが、市は態度を明確にしていない。

 つまり、福島県外の「ホットスポット」をめぐる「除染対策」への市民の動員は、当初から「筋違い」という問題をはらんでいるのではないか、と思うのだ。 
 たとえば、ここに「人事院規則10-13(東日本大震災により生じた放射性物質により汚染された土壌等の除染等のための業務等に係る職員の放射線障害の防止)等の制定に係る放射線障害の防止に関する技術的基準の策定について(諮問)」がある。
 除染に関与する国家公務員と地方公務員には、このような「放射線障害の防止に関する技術的基準」が策定される。国や自治体は各「スポット」に派遣する「職員」の「放射線障害の防止に関する技術的基準」を事後的にであれ整備し、動く。逆に言えば、こうした基準が策定されるまでは動かない(だから、市民を動かす?)
 では、その場合、一般市民の「放射線障害の防止」の「基準」はどうなるのか? 「障害」が起きないことを誰が保障し、起きた時に誰が補償するのか? 国?東電?自治体?

 こういう言い方は、できるならしたくはないが、行政(公務員)というのは(「学」も含めての話だが)、まず「自分たちをいかに守るか」を考える。市民(学生、非常勤職員・講師)、「下々」のことは二の次、三の次になる。と言うより、「考慮の埒外」に置かれるのが常である。(柏市の「ホットスポット」は、周知のように、3月下旬の段階で「発見」されていた。国と市の対応はあまりに遅すぎたと言えるし、「学」の問題で言えば、今、阪大その他の「国立・公立大学法人」で何が起こっているのか、内情を知る人にはわかるはずである。)
 柏市の「ここ掘れワンワン隊」の人々を含め、各「ホットスポット」の自治体の「除染ボランティア」を市民の側から組織している人々、また森口・押川両氏などの「学」の代表者は、この問題から解決すべきではないか。私はそう思うのだが、どうだろう。
 引き続き、考えたい。

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2/29
千葉・流山市が除染計画 重点調査104市町村で初
 千葉県流山市は29日、放射性物質汚染対処特措法に基づく「汚染状況重点調査地域」に指定された東北、関東8県104市町村で初めてとなる除染実施計画を策定し、国に認可されたと明らかにした。
 計画によると、子どもが日常的に利用する市内の小中学校や保育所、幼稚園など78施設について、12年度末までにすべて除染を実施。3月中旬にも表土除去などを始める。
 「地表からの高さ5センチで0・23マイクロシーベルト未満」とした独自の除染目標値を定め、国の基準(高さ1メートルまたは50センチで0・23マイクロシーベルト以上)で対象外となる施設については、市が費用を全額負担する。【共同通信】
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 流山市の除染予算は14億円を超える。誰が負担するのか?

2/22
都立公園で放射線測定…都「除染必要なし」
 共産党東京都議団は21日、東京都葛飾区の都立水元公園内の土などから、最高で1キロ・グラムあたり2万3300ベクレルの放射性セシウムを検出したと発表した。
 同都議団が15~20日、同公園の4か所から土壌や落ち葉を採取し独自に測定した。その結果、野鳥観察舎の入り口の表土から2万1700~2万3300ベクレル、他の3か所も1180~1万4000ベクレルと比較的高い放射線量が検出された。
 地上1メートルの空間放射線量は最大で毎時0・74マイクロ・シーベルトだった。文部科学省は除染などの対応が必要な基準を「周辺よりも1マイクロ・シーベルト以上高い数値」の出た場所としており、都環境局は「現段階では除染の必要はないと考えている」としている。(読売)
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 何かと言えば国と霞が関を批判する石原都政は、除染に関しては国と霞が関の方針を踏襲するのだろうか?
都は都民を守らない?

福島第1原発事故 個人除染、一転助成 国と福島県「計画策定まで」
 東京電力福島第1原発事故で、これまで交付金の対象外だった個人が支出した除染費用について、国と福島県は一転して助成することを決めた。国は昨年9月、助成対象を「自治体が除染した場合」との方針を示したが、すでに先行して除染を進めている住民から方針変更を求める声が出ていた。ただし、「市町村の除染計画策定前まで」(???)との条件付きで、計画策定から本格実施まで時間がかかる中、一層の条件緩和を求める声が強い。
 昨年9月に示された国の除染方針では、特に高線量の地域は国の責任で除染、それ以外は自治体が除染するとしたが、個人で除染したケースは考慮されていなかった。  国と県によると、個人が業者に依頼して除染を実施した場合、市町村が業者に委託したとみなして、現行の仕組みの中で交付対象に含めることが可能とした。高圧洗浄機の購入費も対象で、県は4月までに支払いを始める意向だ。

 一方、環境省は「計画策定後の個人除染は計画を逸脱した行為で、認め出せば際限がなくなる」として「市町村の除染計画策定前」に限定した。その理由を、計画に基づいた面的除染の方が個人除染よりも効果を期待できる(???)と説明している。  これに対し、昨年9月に県内で初めて除染計画を作った福島市は「策定時期は自治体でばらつきがあり、不公平だ」と主張する。
 さらに5年計画で除染する市は「町中心部で始まるのは早くて今年夏以降。自分たちの健康を守るために待てないと、市民が除染した場合は対象にすべきだ」とし、改善を求めていく考えだ。同市はこれまでも個人の除染費用の補償を国や東電に要請していた。 実際に交付事務を担当する県は領収書など除染に関する証明書類をどこまで住民に求めるかなど基準作りにも頭を悩ます。

 県は「県民が除染費用を払ったのに戻らないのはおかしい」との立場をとっており、交付対象から漏れたとしても、住民が東電に賠償請求する際に支援できないかの検討も進めている。
 個人による除染費が認められることについて、福島市大波地区の住職、佐藤俊道さん(61)は「当たり前のこと」と述べた。
 佐藤さんは昨年夏に高圧洗浄機を約4万円で購入。約10万円をかけて市内の清掃業者に除染を依頼した。空間線量は自宅脇の側溝で毎時10マイクロシーベルトから2マイクロシーベルトに下がったが、今は3マイクロシーベルト近くに戻った。
 今後は梅雨時などに周辺の山から放射性物質が土砂とともに流れ込み、線量がさらに上昇する可能性がある。  同地区は市による面的除染のモデル地区で、3月末に全戸で除染が完了する見込みだが、佐藤さんは「除染は長く続く闘い。自治体による除染後も、我慢の限度を超えれば個人で除染する人も出てくる」として、除染計画の策定時期で区切る国の姿勢を批判した。(毎日)
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 千葉県や柏市、その他「ホットスポット」の自治体も、福島県・福島市の方針をモデルとすべきである。

「線量リアルタイム測定システム」10分ごとの結果公開(福島民友)

2/18
新たに3カ所で毎時1マイクロシーベルト超え 県立柏の葉公園
 県は十六日、柏市の県立柏の葉公園で、毎時一マイクロシーベルト(地上一メートル)を超える空間放射線量が三カ所で新たに計測されたと発表した。周辺を立ち入り禁止にした上で、除染の準備を進めている。
 県公園緑地課によると、一マイクロシーベルトを超えたのはいずれも駐車場内の集水口付近で、毎時一・七九~一・〇三マイクロシーベルトだった。同園では十日に地上五十センチで、九カ所から一マイクロシーベルト超を計測していた。 (東京新聞、千葉・堀場達)

GPS搭載車で線量測定へ 守谷市、地図作成し除染活用
 放射線除染計画策定を進める守谷市は16日、汚染マップづくりの基礎データにするため、衛星利用測位システム(GPS)と連動する計測装置を搭載した車による放射線走行測定を20日開始すると発表した。計測装置は、京都大学と民間企業が開発した「KURAMA」で、瞬時にデータ化する特色がある。測定車は、3秒に1回の空間放射線測定(地上1メートル)を繰り返しながら、時速40〜50キロで市内の道路394キロを約2週間かけて走る。
放射線物質汚染退所特措法で、汚染状況重点調査地域に指定されている同市は、走行測定後、放射線量計貸し出しなどで市民から報告される測定値、市が実施している定点測定値を取り込み、3月中に放射線測定図を作成し、除染計画に活用するという。 (茨城新聞)

放射性物質:食品セシウム新基準 検査機器精度不足に苦慮(毎日)
⇒「つづき」を書く余裕がなくて困っているが、「数値に翻弄される社会」へ。 

「賠償、帰村後も継続検討」細野原発相が川内村住民に
 細野豪志原発相は18日、東京電力福島第一原発事故で住民の大半が避難する福島県川内村を視察し、住民と意見交換した。村は4月1日に公共施設を再開して住民の帰宅を進める「帰村宣言」をしている。細野氏は、帰村後も東電からの損害賠償が続くよう検討していることを明らかにした。
 住民の帰宅後も東電の賠償が続くかどうかははっきり決まっていないが、細野氏は「帰村で賠償が終わると、帰村の妨げになる。賠償が打ち切られることがないよう政府内で協議している」と説明。「できるだけ早く結論を出したい」とした。住民からは徹底した除染を求める意見も出たが、細野氏は「放射線量が年間2ミリシーベルトなら、住んでも大丈夫と断言する」と語った。(朝日)
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 国は本当に「放射線量が年間2ミリシーベルトなら、住んでも大丈夫と断言」できるのだろうか? 森口教授の見解を聞いてみたいものである。

南相馬市で「108万ベクレル」 市民団体、土壌を測定
 福島県南相馬市の市民団体「フクシマの命と未来を放射能から守る会」が20日、南相馬市で記者会見し、市内の旧緊急時避難準備区域(昨年9月解除)だった駐車場の土壌を測定した結果、最大で1キログラム当たり約108万ベクレルの高濃度の放射性セシウムを検出したと発表した。
 東京電力福島第1原発事故で南相馬市には局地的に放射線量が高い「ホットスポット」が点在しており、団体は「放射能の危険が足元に迫っている。早急に状況を把握すべき緊急事態だ」と指摘している。 神戸大の山内知也教授(放射線計測学)が団体から依頼を受け、昨年12月21日に南相馬市内の土壌を採取し測定した。(共同)

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産官学で政治指導者育成「アカデメイア」誕生へ
 産官学の交流を通じて次世代の政治リーダーの育成を目指す組織「日本アカデメイア」(事務局・日本生産性本部)が19日に発足する。
 牛尾治朗ウシオ電機会長、緒方貞子国際協力機構理事長、古賀伸明連合会長、浜田純一東大学長らが呼びかけた。政治家と経済人、官僚、学者らのつながりが希薄になっている(???)として、意見交換する交流の場を設け、次の日本を担う政治家を育てるのが目的だ。趣意書によると、「日本の公共を立て直すための各界をつなぐハブ組織で、人材と知と経験の交流の場」を目指すとしている。今後3年間で集中的に活動し、与野党の国会議員や官僚のほか、学生らも交えて意見交換する場を設ける。19日に東京都内のホテルで、交流の場に参加予定の国会議員らを招いて発足懇親会を開く予定だ。(読売)
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 かの「日本生産性本部」。「全国大学共通学力テスト」と「日本アカデメイア」。
 どちらも、「誰が仕掛けているのか?」という問いを中心にして考えるべきである。
 今年は、「ポスト民主党」に向けた「政界再編」の動きが本格化する年になる。それを仕掛けているのは誰か?