2014年5月20日火曜日

【福島県に抗議する緊急記者会見】

【福島県に抗議する緊急記者会見】

 「週刊ビッグコミックスピリッツ」の「美味しんぼ」の表現に対し、福島県が表明した抗議文『週刊ビッグコミックスピリッツ「美味しんぼ」に関する本県の対応について』に対し、抗議を福島県に申し入れました。
 これに伴い緊急記者会見を開催します。

 日時 5月21日 18時開場 18時30分開始 (19時45分 終了予定)
 場所 参議院議員会館 B103室
 (ロビーで受付、通行証を配布します)
 参加者 山本太郎議員、井戸謙一氏(ふくしま集団疎開裁判弁護団)
  ノーム・チョムスキー氏(メッセージ)、キャサリン・ハムネット氏
  (メッセージ)、アナンド・グローバー氏(メッセージ)
 主催 ふくしま集団疎開裁判の会

 ★5/15の抗議申入れについて詳細(ふくしま集団疎開裁判 ブログ)
  http://fukusima-sokai.blogspot.jp/2014/05/blog-post_15.html
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週刊ビッグコミックスピリッツ「美味しんぼ」に関する本県の対応について
 
平成26年5月12日
福島県
 
週刊ビッグコミックスピリッツ4月28日発売号の「美味しんぼ」の内容につきまして、県内外の多くの皆様から、出版社に対して県として対応すべきであるとの多くのお声をいただいております。
 「美味しんぼ」において、作中に登場する特定の個人の見解が、あたかも福島の現状そのものであるような印象を読者に与えかねない表現があり、県内外の多くの皆様に不安と困惑を生じさせており、県としても大変危惧しております。

 県では、これまで全ての県民を対象とした「県民健康調査」「甲状腺検査」「ホールボディカウンター」等により、県民の皆様の健康面への不安に応える取組を実施してまいりました。
 また、県産農林水産物については、「農地等の除染」「米の全量全袋検査などの徹底したモニタリング検査」等により安全性の確保と、正しい理解の向上に取り組み、市場関係者や消費者の理解が進むとともに、観光分野においても、観光客入込数が回復傾向にあるなど、ようやく本県への風評も和らぎつつある状況に至ったところです。

 このような中、「週刊ビッグコミックスピリッツ」4月28日及び5月12日発売号の「美味しんぼ」の表現は、福島県民そして本県を応援いただいている国内外の方々の心情を全く顧みず、深く傷つけるものであり、また、本県の農林水産業や観光業など各産業分野へ深刻な経済的損失を与えかねず、さらには国民及び世界に対しても本県への不安感を増長させるものであり、総じて本県への風評被害を助長するものとして断固容認できず、極めて遺憾であります。

 「美味しんぼ」及び株式会社小学館が出版する出版物に関して、本県の見解を含めて、国、市町村、生産者団体、放射線医学を専門とする医療機関や大学等高等教育機関、国連を始めとする国際的な科学機関などから、科学的知見や多様な意見・見解を、丁寧かつ綿密に取材・調査された上で、偏らない客観的な事実を基にした表現とするよう強く申し入れております。

 また、これまでの経過を次のとおり併せてご報告させていただきます。
 4月30日に出版社より本県に対して、「[5月19日発売号]において、漫画の誌面では掲載しきれなかった様々な意見を紹介する検証記事を掲載する」として、次の3点に関する取材又は文書回答を求める依頼があり、さらに、5月1日には[5月12日発売号]に掲載する「美味しんぼ」原稿の送付がありました。

 (出版社から取材依頼のあった事項)
  ・「美味しんぼ」に掲載したものと同様の症状を訴えられる方を、他に知っているか。
  ・鼻血や疲労感の症状に、放射線被曝(※依頼原文では「被爆」)の影響が、要因として考えられるかどうか。
  ・「美味しんぼ」の内容についての意見
 本県においては、上記に対して5月7日に出版社あて以下のとおり県の見解を示し、申し入れしております。
■出版社へ申し入れした内容
 ・「週刊ビッグコミックスピリッツ」4月28日及び5月12日発売号における 「美味しんぼ」について [PDFファイル/143KB]
 今後も本県の正確な情報の発信に努めながら、復興に向けて全力で取り組んでまいります。

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・福島県双葉町で鼻血 「有意に多い」調査 「避難生活か、被ばくによって起きた」
   福島県双葉町では、鼻血などの症状の統計が有意に多かった――。
 岡山大などの研究グループが町の依頼で健康調査したところ、こんな結果が出ていたことが分かった。一体どうなっているのか。

   健康調査は、岡山大、広島大、熊本学園大のグループが、「美味しんぼ」で鼻血の症状を訴えた井戸川克隆町長時代の2012年11月に実施した。全町民にアンケート用紙を配って調査したため、町に配布などの協力を依頼した。

体がだるい、頭痛、めまい、目のかすみ、鼻血、吐き気…
   その中間報告が載ったのは、熊本学園大の中地重晴教授が13年11月に学術雑誌に発表した論文だ。「水俣学の視点からみた福島原発事故と津波 による環境汚染」の論文によると、住民には原発事故による健康不安が募っていることから、放射線被ばくや避難生活によるものかを確かめるために疫学による 調査を行った。・・・・(J-CASTニュース 5/16) 

● 鼻血は、ベータ線被曝の結果
  ベータ線は、鼻腔の粘膜を小範囲で高密度に被曝させ、粘膜が破られて鼻血となる。
  広島と長崎の被曝者は鼻血で苦しんだ。
  
槌田敦(元理化学研究所研究員) 

○美味しんぼの連載記事「福島の真実」(週刊ビッグコミックスピリッツ誌)が大問題になっている。
 石原環境大臣が「不快だ」といい、安倍首相が「根拠のない風評」としたことで政治問題となった。政府の介入は、発行元小学館を震えあがらせ、詫び状を書かせた。
 放射能と鼻血の問題は、原爆症に始まる。広島で被曝治療をしてきた肥田医師は、「福島の真実24」で述べていられるが、広島と長崎の被曝者は鼻血で苦しんだ。
 しかし、占領軍は、その因果関係の発表を許されなかった。そして、この方針を引き継ぐ日米合作の放射線影響研究所も、原爆と鼻血の因果関係をタブー視し、原因不明とする

 この流れをくんで、放射線防護学の御用学者たちは、1シーベルト以上被曝すると血液中の血小板が減り、鼻血が出やすくなるが、それ以下では鼻血は出ないと主張する。
 福島原発事故で多数の鼻血患者が出たのは事実である。しかし、被曝線量が少ないので、御用学者にはこの事実を説明できない。そこで彼らは自ら説明できないことにいらだって、事実そのものを「科学的にありえない」と否定することになる。

○事実を説明しなければ科学者として失格である。ところで、これら失格御用学者のいう被曝とは、ガンマ線被曝であって、その範囲ならば彼らの言う通りかも知れない。しかし、矢ケ崎琉球大学名誉教授も「福島の真実24」で述べていられるが、物理学者ならば放射線にベータ線(電子線)があることに注目する。
 セシウム原子などを含む土埃が風で運ばれてこれを吸い込むと、鼻腔に沈着しベータ線を放出する。ベータ線は飛行距離が短く、鼻腔の粘膜を小範囲で高密度に被曝させることになり、粘膜が破られて鼻血となる。
 この症状は、日光による紫外線被曝と似ている。まず、皮膚が日焼け状態となり赤くなり、次にただれる。粘膜ならば破れて鼻血になる。この症状には個人差があり、赤くなっても回復することがある。  その場合は、耐性ができて次の被曝があっても赤くはならず、黒ずむだけである。その人は幸福であって、その後は鼻血はない。現在の福島県民の多くはこの状態にあると思われる。 しかし、この事実にはふたつの重要な問題がある。

○ひとつは、この耐性のない子供や福島を訪問する県外の者の危険である。
 外出するときは、セシウムを含む土埃を吸わないように、四季を問わず花粉マスクが必要である。そして子供のいる家庭の居間、学習室、寝室には、空気清浄器が必須であろう。その費用は東電に請求する。ホテル滞在の場合は空気清浄器の有無を確かめるとよい。
 もうひとつは、鼻にはいったセシウムは肺に流れ込み、血液で全身に配られ、内部被曝の原因となる。福島の人達は、食事だけ被曝管理しても無駄であることを理解する必要がある。これは風評被害ではない。土壌の高汚染地域という事実の問題である。
 最後に、福島と鼻血について、武田中部大学教授のショート論評(5月10日)を全面的に支持する。小学館は美味しんぼ連載最終打ち切りの「福島の真実24」(5月19日発売)で、武田教授に詳細な論評をなぜ求めなかったのか、おおいに疑問である。(【TMM:No2174】より)

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・福島、子どもの甲状腺がん50人 疑い39人、福島健康調査
 東京電力福島第1原発事故による放射線の影響を調べている福島県の「県民健康調査」の検討委員会が19日、福島市で開かれた。
 実施主体の福島県立医大が、甲状腺がんと診断が「確定」した子どもは前回(2月)の33人から17人増え50人に、「がんの疑い」は39人(前回は41人)になったと報告した。

 検討委の星北斗座長は、チェルノブイリ原発事故では、事故から4~5年後に子どもの甲状腺がんが増加したというデータを基に「現時点では放射線の影響は考えにくい」と、これまでの見解を繰り返した。 甲状腺検査は、震災発生当時18歳以下の約37万人が対象。(共同)

・国・東電、争う姿勢 
◆ 原発避難者訴訟 請求棄却求める答弁書
 東京電力福島第一原発事故で精神的苦痛を受けたとして、県内に避難した62世帯227人が、国と東電に慰謝料など1人あたり1100万円の賠償を求めた訴訟の第1回口頭弁論が(5月)13日、山形地裁(石垣陽介裁判長)であった。国と東電は請求棄却を求める答弁書を提出し、争う姿勢を示した。

◆ 「津波予見できず対策不可能」
 原告側は訴状で、原発が津波や地震に対する安全性を確保しておらず、東電が対策を怠った上、国も対策が取られていないことを知りつつ、規制権限を行使しなかったと主張。
 東電は答弁書の中で、「大津波の発生は具体的に予見することができず、対策を講じることは不可能だった」などと反論した。国も責任を否定した。

 原発被害救済山形弁護団は昨年と今年3月、新潟、群馬などの弁護団と連携し、それぞれの地裁に集団提訴した。山形では、今年3月にも58世帯207人が提訴している。弁論後に記者会見を開いた弁護団によると、今後は併合されて審理が進む予定という。

◆ 「現実見て欲しい」
 「大好きな福島を離れる道を選んだこと、3人の子どもを失ったこと。いろいろなことを自問自答しながら、私はこれからを生きて行くのだと思います」
 この日の裁判では、福島県から避難した男女3人が意見陳述に立った。そのうち、郡山市から山形市に避難した女性(33)は、原発事故後に3人の子どもを続けて流産したことを、ときおり声を詰まらせ、涙を流しながら振り返った。「安全で、落ち着ける場所で産んでいれば」と今も悔いが残る。
 福島市出身の男性(65)は、娘夫婦や孫らこれまで一緒に暮らした家族が離ればなれになってしまった状況を説明し、「『国破れて山河あり』と言うが、原発事故はすべて壊してしまった」と悔しそうに話した。

 最後に意見を述べた南相馬市出身の男性(36)は、柔道整復師として独立する夢がかなう直前に原発事故にあった。今は妻子と寒河江市で暮らすが、「住み慣れた故郷で子どもを育てたかった」という思いが消えないという。陳述の最後に「国と東電は目を背けることなく、現実をしっかり見て欲しい」と一言ひとことかみしめるように語った。
 弁護団によると、県内には一時約1万3千人の被災者が避難し、今も5千人を超える人たちが故郷を離れて暮らしているという。(朝日