2013年8月30日金曜日

シリアに対する武力攻撃に反対する

シリアに対する武力攻撃に反対する

シリアの平和を願う署名に協力して下さい!
シリア支援団体サダーカ / The Syrian Support Organization Sadaqa 

Hands Off Syria! / シリアから手を引け!
Take action against U.S. intervention! /
米国の軍事介入に反対する行動を起こそう!

 

Website: http://www.AnswerCoalition.org

・・・
9/7
仏国民、シリア攻撃反対64%=参加慎重派も急増
 7日付のフランス紙フィガロに掲載された世論調査→仏国民の64%が、シリアに対するいかなる軍事行動にも反対すると回答。8月29日公表の前回調査では45%で、1週間余りで攻撃反対が急増。
 また、フランスの軍事介入参加を支持するかとの質問には、68%が「支持しない」と答え、前回比9ポイント増だった。(パリAFP=時事より)

軍事行動回避の可能性示唆 オバマ大統領 介入方針は維持
 オバマ米大統領は6日、ロシア・サンクトペテルブルクでの記者会見で、シリアでの化学兵器使用を確実に防ぐ手段があれば「国際社会との共同行動を選択することになる」と述べ、シリアへの軍事介入を回避する可能性が残っていることを示唆した。
 オバマ氏が軍事介入決断を表明後、介入回避を示唆したのは初めて。ただ、現時点で軍事行動以外の現実的な案には接していないとして、介入方針は維持するとした。 シリアへの軍事介入に対する国民の支持は広がっておらず、野党共和党が多数を占める米下院での介入承認は簡単ではないとの見方も出ている。(共同)

仏大統領、軍事攻撃は「国連の調査結果を待つ」
 「オランド仏大統領は6日、20カ国・地域(G20)首脳会議の閉幕後に記者会見し、武力行使の条件として
国連による化学兵器使用に関する調査の結果と、
・軍事介入を承認する米議会の決議採択を挙げた。大統領は条件を満たした後に「国民に決断を表明する」と言明した。
 大統領は米国とともに軍事介入に踏み切る場合「(アサド政権の)軍事施設だけを標的にする」と述べた。さらに「軍事行動によって政治解決を早く見つけられるようになる」と語り、軍事介入の目的が「アサド政権の打倒ではない」とも強調した。(日経電子版より)

9/6
・シリアへの軍事介入、賛否半々 G20夕食会 -日本政府によると、国連安全保障理事会の決議なしにシリアのアサド政権を攻撃することについて15カ国の首脳が発言。ロシアのペスコフ大統領報道官は「賛否が半々に割れた」と指摘。
-アサド政権による化学兵器の使用を断定したオバマ米大統領は「国際社会の沈黙は許されない」と繰り返しており、夕食会でも軍事介入への支持を訴えたもよう。フランスのオランド大統領は同調する構えを示した可能性が高い。

-一方、議長国ロシアのプーチン大統領は国連安保理の決議に基づかない武力行使は「国際法違反」としており、武力行使への反対を表明したとみられる。5日にロシアとの連携を確認した中国も武力行使には否定的だ。
-夕食会に出席した潘基文(バン・キムン)国連事務総長は声明を発表し、シリアでの化学兵器使用を非難する一方で「軍事的解決策はあり得ない」と述べた。ペスコフ氏は5日夜、記者団に「武力行使の法的な決定ができるのは唯一、国連安保理だ。国連安保理はロシア外交の基盤であり、シリア問題もそうだ」と強調。米政府の独自調査には化学兵器の証拠がないとし「受け入れられない」と語った。(日経電子版より

9/5
・シリア攻撃に10か国が参加・協力…米国務長官
 ケリー米国務長官(4日の公聴会の冒頭)。
「100か国以上に話をし、31か国がアサド政権が化学兵器を使用したと判断した。軍事作戦への参加を申し出た国は、作戦に必要とされる以上に多い」。「有志連合」の体制が整いつつある。
 長官によると、作戦への参加・協力を申し出たのは、サウジアラビア、アラブ首長国連邦(UAE)、カタール、トルコ、フランス、デンマーク、ポーランドなど、10か国以上に上り、アラブ諸国から、費用負担の申し出もあるという。(読売、ワシントン=山口香子より)

・アメリカ議会上院の外交委員会が4日、シリアに対する軍事行動を承認する決議案を採択。賛成10、反対7、棄権1。
・決議案では、軍事行動の期間を60日間として、必要性が証明されれば、さらに30日間の延長を認めている。また、地上部隊の派遣を認めないことも明記。
・下院の外交委員会でも、審議がスタートし、9日以降に行われる上下両院本会議での投票に向け、議論が活発化。

9/1
南米首脳会議がシリア攻撃反対を宣言 (現代ラテンアメリカ情勢)

・米共和党ランド・ポール、テッド・クルーズ上院議員→「シリア内戦は米国の安全保障と明確な関係はない」(ポール氏)と反対。
・民主党チャールズ・ランゲル下院議員→「安保上の米国の利益に寄与しない」との理由で反対。
・共和党の重鎮、マケイン、グラム両上院議員→オバマ大統領が想定する限定的なシリア攻撃は「内戦状況の好転につながらない」と述べ、アサド政権打倒を目指すべきだとの見解を表明。(共同)

シリアのジャミル副首相
「われわれは(応戦のため)銃の引き金に指をかけた状態を維持している」。「必ず報復する」。
「シリアの盟友を信頼している。この信頼が揺らぐことはない」。
 シリアが報復として、米国の同盟国、イスラエルに化学兵器を使用するとの見方が出ている。副首相はこれを踏まえ、「イスラエルは狂乱状態に陥っている」とも述べた。(共同)

 安倍首相
 「大統領の重い決意の表明と受け止めている。米議会のプロセスを注視し、今後も米国をはじめ国際社会としっかり連携して情報収集し、(シリア情勢が)改善していくよう対応したい」

米大統領、シリア攻撃「議会承認求める」 9日以降に
「オバマ米大統領は31日午後(日本時間9月1日未明)、ホワイトハウスで声明を発表し、米政府としてシリアのアサド政権による化学兵器使用を断定したことを受け「行動すべきだと決した」と表明した。
 ただ具体的な軍事介入に際しては「米議会の承認を求める」と述べ、議会との調整に時間をかける方針を明らかにした。シリア攻撃は米議会が再開する9日以降に事実上先送りされた形だ。
 オバマ大統領はアサド政権による化学兵器使用について「21世紀で最悪の出来事だ」と批判。化学兵器による攻撃の阻止は米国の国益でもあると指摘・・・」(日経 ワシントン=吉野直也より)

8/31
・菅義偉官房長官
 30日の記者会見→「北朝鮮のように日本周辺にも化学兵器を保有する国があり、シリアの化学兵器使用の問題は無関係ではない」。
 「政府関係者」→化学兵器使用を受けた軍事介入が実施された場合には「『理解する』などと中途半端なことはやらない」。

日米外相、シリア問題で電話協議 緊密連携で一致
 「岸田文雄外相は31日夜、ケリー米国務長官と電話で約20分間協議し、シリア情勢の改善に向けて日米が緊密に連携していくことで一致した。
 岸田氏は「シリアで化学兵器が使用された可能性は高い。化学兵器の使用は人道上許されない。シリア情勢の悪化はアサド政権に責任がある」と述べた。ケリー氏は「日本の立場を感謝し、歓迎する」と応じた。・・・。米国が軍事介入に踏み切った場合、安倍政権は早期に日本政府の立場を表明する方針。・・・。

 外務省は軍事介入後の人道支援の拡大を検討している。日本政府はこれまでシリアの難民や国内避難民などのために約9500万ドルの人道支援を実施した。 軍事介入でさらに難民が増える可能性が高いことを踏まえ、非政府組織(NGO)などを通じた支援を早期に実施する構えだ。(日経より)
 ↓
 
 「緊急無償資金協力」を追加実施する方針。新たに1千万ドル(約9億8千万円)超の支援を行い、これまでの資金協力額と合わせ1億ドルの大台へ。

対シリア、米国支持を=「化学兵器使用」確証が前提-自民幹事長
「自民党の石破茂幹事長は31日午前、シリア情勢について「米国が提示した(化学兵器使用の)証拠を日本政府として説明を受け、国民にも説明できるのであれば、時を置かずにその行動を支持することが必要だ」と述べ、シリアによる化学兵器使用の確証が得られれば、米国の対応を支持すべきだとの考えを示した。
 前提付きとはいえ、政府・与党の幹部で米国支持を打ち出したのは石破氏が初めて。・・・。

「日本は攻撃に共同して参加をするわけではない。軍事行動をどう評価するかだから、国会での議論が必要だという性質のものだとは思っていない」と指摘。その上で「(安倍晋三)首相が支持する選択をすれば、党として支えるのは当たり前だ」と強調した・・・」(時事より)

・シリア軍事介入、説明へ=G20利用し各国に―米大統領
「米政府高官は30日、・・・オバマ大統領が9月5、6両日にロシア・サンクトペテルブルクで開かれる20カ国・地域(G20)首脳会議の場を利用し、各国首脳とシリア情勢をめぐり意見交換すると語った。これに先立ち米国がシリアを空爆するとの見方も出ており、大統領はG20で、米国の立場を説明し、各国の支持を得たい考えだ・・・」(ワシントン時事より) 

シリア軍事介入に疑念示す欧州各国、米に同調せず
「・・・ドイツでは、テレビ局ZDFの世論調査で、回答者の58%が軍事介入に反対。欧米諸国はシリアを攻撃すべきだと答えたのは33%だった。
 ・・・フランスでは世論が二分している。2つの世論調査の結果では、「国連決議があれば」という条件を付けても、賛成する回答は55%、45%にとどまった。

  イタリアは、2011年のリビア攻撃の際には基地も提供したが、今回は国連安全保障理事会(UN Security Council)の決議がない限り、あらゆる軍事介入への参加の可能性はないとしている。
  オーストリアスペインでは、政治家やメディアが慎重な対応を訴えており、国連調査団が証拠を提示するまでいかなる行動も起こすべきではないと強く主張している。また米国の忠実な同盟国であり、イラクやアフガニスタンにも大規模な軍を派遣してきたポーランドさえ、強硬な軍事介入には反対している。
  一方、米国の主要な同盟国であるカナダは29日、欧米諸国による軍事介入を支持する意向を表明した。ただし、自国は参加しない方針だという」(AFPより)

シリア攻撃の自制求める=国連総長
 潘基文国連事務総長は30日、シリア問題をめぐり安保理5常任理事国代表と会談した。潘氏は国連化学兵器調査団の活動を説明するとともに「国連憲章の重要性」を繰り返し強調し、安保理決議なしのシリア攻撃を自制するよう求めた。(ニューヨーク時事より) 

シリア 国連調査団は活動終了し出国へ
「・・・シリアの国営テレビは、ムアレム外相がパン・ギムン事務総長と電話で会談したと伝えました。この中で、ムアレム外相は「完全ではない不十分な報告書であるならば、シリア政府は拒否する」と述べ、反政府勢力側の主張に沿っただけの報告書であれば、受け入れられないという考えを示しました。
 これに対しパン・ギムン事務総長は「調査団はまたシリアに戻ることになるだろう」と述べ、必要ならば調査を継続する可能性を示唆しました」(NHKより)

オバマ大統領、限定的な武力行使を検討 対シリア
 「オバマ米大統領は30日、シリア政府が化学兵器を使ったと結論づけた報告書を公表後、記者団に対し、「シリアや他の国に、国際法上、化学兵器の使用が禁止されているとはっきりさせる」という目的で、シリアに対し、地上軍を派遣しない形の限定的な武力行使を検討していると述べた・・・」(朝日電子版より)

米国務長官:シリアへの対応、独自の時間的枠組みで決断
「・・・ケリー長官はワシントンで記者団に対し、「オバマ大統領は、米国が独自の時間的枠組みで独自の決断を下すことを保証する」と語った。
 オバマ政権が公表した分析評価には、諜報機関はシリアのアサド大統領の軍が21日の攻撃で化学兵器を使用したと「強く確信」していると記述された。
 ケリー長官は、ダマスカス東部ゴウタ地区での21日の攻撃では少なくとも1429人が死亡し、うち426人は子どもだったと説明した・・・」(ブルームバーグより)

8/30
英議会、対シリア軍事介入認めず 米単独で行動も (CNNより)
「・・・シリアの化学兵器使用疑惑を巡り、英下院は29日、シリアに対する軍事行動の提案動議を反対多数で否決した。これを受けて米政府高官は、米国が単独で行動を取らなければならない可能性も出てきたと語った。
 キャメロン英首相はシリア政府が化学兵器を使った伝えられたことに対し、断固たる対応を促す動議を提出。しかし英下院は反対285、賛成272の反対多数でこの動議を退けた・・・」(CNNより)

英、対シリア軍事行動を断念=米は方針堅持、単独介入検討
「・・・米国家安全保障会議(NSC)のヘイデン報道官はオバマ大統領が国益に沿って行動し「(アサド政権による)化学兵器使用に責任を取らせる」方針を確認したことを明らかにし、シリアへの介入方針を堅持する考えを示した。
 CNNテレビなどは、オバマ政権が米国単独のシリア介入の可能性について、検討を始めたと報じた。29日付の米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(電子版)は、今回の軍事介入は小規模にとどまり、米国単独で十分行えるとし「重要なのは同盟国による外交的支持だ」との政府高官発言を伝えた」

「・・・ 当初、(イギリスの)動議は1回の採決で直ちに軍事行動に移れる内容だった。しかし、野党労働党の要求を受け、軍事行動のためにはシリアで活動中の国連化学兵器調査団の結果を待って再度の採決を必要とするよう修正するなど大きく譲歩。だが、労働党は結局反対に回った。また、与党保守党内にも介入への慎重論が相次いだ。(ロンドン、ワシントン時事より)

シリア軍事介入 国連現地調査団、現地収集のサンプル分析着手へ
「・・・化学兵器の使用について、現地で調査を続けている国連の調査団は、日本時間の30日、活動を終え、現場で集めたサンプルの分析に着手する。・・・集めたサンプルは、ヨーロッパの複数の研究所で分析にかけられ、アメリカ・ニューヨークで、潘基文(パン・ギムン)事務総長に調査内容が報告される予定となっている」

「・・・一方、国連安全保障理事会の常任理事国5カ国は29日、前の日に続いて会合を開いたが、1時間足らずで終了した。こうした中、アサド大統領の動静が29日、国営テレビで伝えられた。
 イエメンの国会議員と会談したアサド大統領は、「いかなる攻撃からも国を守るために、全力を尽くす」と、徹底抗戦の構えを示したと報じられている」(FNNより)

シリア軍事介入、米英仏「正当性」に腐心 世論にらむ
「・・・英政府は29日、「安保理での行動が封じられた場合でも、シリアの人道的危機を軽減するために英国は例外的な手段を講じることができる」と軍事行動を正当化する声明を公表した。
 ・・・・北大西洋条約機構(NATO)は28日にブリュッセルで理事会を開いたものの、NATOとしてのシリアへの武力行使は難しいとの見方が大勢。このため米英仏はイラク戦争やリビア内戦の時のような有志連合での攻撃を想定しているとされる。

 ・・・フランスのオランド大統領は29日、パリの大統領府でシリアの反体制派統一組織「シリア国民連合」のジャルバ議長と会談。シリア情勢について意見交換した。
 オランド大統領は記者団に「エスカレートする暴力を止めるため、国際社会は必要な措置をとるべきだ」と述べ、軍事的な介入の可能性を改めて示唆。「政治的解決のためにあらゆることがなされるべきだ」とも主張し、対話の努力を訴えた。
 一方、中国の王毅外相はシリア情勢について「外部の軍事介入は国連憲章の主旨に反し、中東情勢をさらに不安定にする」との談話を発表。米国などによる軍事介入に反対する意向を鮮明にした」(日経電子版より)


「批評する工房のパレット」内の関連ページ
⇒「シリアの平和を願う署名 キャンペーン

2013年8月27日火曜日

オスプレイ着陸に失敗 米ネバダ州で 普天間配備と同型機

オスプレイ着陸に失敗 米ネバダ州で 普天間配備と同型機

 米海兵隊の垂直離着陸輸送機MV22オスプレイが26日午後3時半すぎ(日本時間27日午前7時半すぎ)、米ネバダ州インディアン・スプリングス近くで着陸に失敗した。事故機は海兵隊ミラマー基地(カリフォルニア州)所属で、米軍普天間飛行場の配備機と同型機

 地元日刊紙ラスベガス・レビュー・ジャーナルによると、着陸に失敗した場所は米空軍クリーチ基地近くで、高速道路から約5キロ離れた公有地。けが人はいない。 事故はクリーチ基地での通常訓練中に発生した。事故原因は調査中。(琉球新報、 米ワシントン=島袋良太本紙特派員

⇒【電子号外オスプレイ着陸失敗 米で訓練中 (沖縄タイムス)

・・・
「オスプレイ配備中止を」 知事、首相に再度訴え
「県と米軍基地を抱える県内27市町村でつくる県軍用地転用促進・基地問題協議会(軍転協)の会長を務める仲井真弘多知事は30日、安倍晋三首相と官邸で会談し、米軍垂直離着陸輸送機MV22オスプレイの配備中止や普天間飛行場の県外移設などを求める要請書を手渡した。・・・。
 
 知事は「40年分のいろいろな要望が入っている。少しでも改良、改善をしてほしい」と訴えた。
 会談には県内9市町村長が出席し、菅義偉官房長官も同席した」(琉球新報より)

オスプレイ着陸失敗で申し入れ(山口県)
 アメリカ軍の新型輸送機オスプレイがアメリカで着陸に失敗した事故をうけ、岩国市の住民団体などが30日、市に対しオスプレイの飛行中止を求めた。岩国市に申し入れをしたのは、基地強化に反対する5つの住民団体。
 オスプレイは今月27日、沖縄配備の機体と同型機がアメリカで着陸に失敗する事故を起こしていて、団体の代表は、事故原因などが明らかにされるまでは飛行を中止するよう求めた。
 岩国基地からは29日、事故後初めて、沖縄に向けオスプレイ1機が離陸したが、先月30日に陸揚げされた第2陣12機のうち、1機が移動しないまま岩国に留まり続けている

 申し入れに対し市側は、「国に情報提供を求めていて現時点で飛行中止を求める考えはない」などとしやりとりは平行線のままだった。一方、防衛省は、30日に締め切られた来年度予算の概算要求で、陸上自衛隊に2015年度にオスプレイを導入するための調査費用1億円を盛り込んでいる。(山口放送より)

8/25
・オスプレイ:岩国から2機帰還…日曜飛行、協定違反か 
【宜野湾】 通常訓練のため山口県の岩国基地に派遣されていた在沖米海兵隊所属のMV22オスプレイ3機のうち2機が25日午後、普天間飛行場に帰還した。
 日米合同委員会で合意した航空機騒音規制措置(騒音防止協定)には「日曜日の訓練飛行は差し控え、任務の所要を満たすために必要と考えられるものに制限される」と記載されており、協定に反した飛行とみられる。
 2機は25日午後2時19分と同25分にそれぞれ飛来した。本土での通常訓練のため、23日にオスプレイ3機が離陸していた。(琉球新報)


「批評する工房のパレット」内の関連ページ
⇒「オスプレイの「安全神話」? ~このまま、なし崩し的に「本土低空飛行訓練」を許してよいのか

・・・
9/10
責任誰が… オスプレイ使った日米共同訓練
 「高知、滋賀両県で10月に米軍新型輸送機オスプレイを使った初めての日米共同訓練を実施することが決まり、1987年以降、5回の共同訓練があった日出生台演習場の地元関係者は警戒を強めている。8月末に米国での訓練で着陸失敗したばかりのオスプレイ。「次は日出生台ではないか。事故を起こしたら誰が責任を取るのか」と不安の声が広がる。(中略)

  過去5回の訓練では、ヘリコプターを使ったこともある。
 県生活環境部の原田秋一郎危機管理監は「重大な関心を持ち情報収集に努める」と強調し、首藤奉文由布市長は「住民の立場を考えると何としてもやめていただきたい」。
 朝倉浩平玖珠町長と坂本和昭九重町長は「共同訓練は国の専管事項だが、住民の不安を解消するため国の動きを注視する」と話す。(中略)

  県平和運動センターの河野泰博事務局長は「イエロールート上で離着陸や物を運ぶ訓練ができるのは日出生台しかない。滋賀の訓練は小手調べのためだと感じられ、次は日出生台に入ってくる」と危惧する。
  演習場近くで畜産を営む衛藤洋次さん(53)=玖珠町日出生=は「安全性が確保されていないオスプレイの訓練を日本で実施すること自体が間違っている。怖いのは訓練が常態化すること。断固、反対の声を上げる」と話した。(大分合同新聞より)

9/7
防衛省、滋賀・高島市長にオスプレイ訓練参加を説明
 「・・・福井市長は、訓練の概要説明が従来はもっと早い時期に段階を経て行われてきたが、今回は遅いとして苦言を述べた上で、
 ▽饗庭野で行う理由▽飛行ルート▽市民の不安解消や安全確保策▽沖縄県の負担軽減につながる根拠-などを尋ねた。
 これに対し及川局長は、「演習場の規模や訓練の内容から饗庭野が主になる」と理解を求めた。 飛行ルートはまだ承知していないとし、運用上からも詳細を示せないとしたが、「市街部での低空飛行や夜間飛行はない」と述べた。不安の解消や安全確保策では「訓練期間中に職員を派遣し、速やかな情報提供や(政府との)連絡体制をとる」とした。
 沖縄の負担軽減の根拠については、「数値で示すのは難しいが、訓練の一部が本土で実施されれば軽減になる」(??)とした。福井市長は「国全体でどう負担軽減するかを考える中で、饗庭野でのオスプレイ使用の先行きが示されないと市民の不安は解消されない」とくぎを刺した。(京都新聞より

9/5
日米、オスプレイ共同訓練 滋賀と高知で実施へ
 日米両政府は10月に滋賀、高知両県で米海兵隊の新型輸送機オスプレイを使った共同訓練を実施する方針を固めた。小野寺五典防衛相が6日午前の記者会見で正式発表する。防衛省関係者が5日、明らかにした。
 防衛省は6日に滋賀県と同県高島市、高知県などに訓練内容を正式に伝える方針。7日には小野寺氏が沖縄県を訪問し、米軍普天間飛行場(同県宜野湾市)に配備されたオスプレイの訓練場所を移転する負担軽減策として仲井真弘多知事に伝達する。
 滋賀県での訓練は10月中旬に陸上自衛隊饗庭野演習場(高島市)で、陸自と米海兵隊による戦時想定の共同訓練を行う。(西日本新聞

・・・
米軍機着陸が5年で80回超 鹿児島の空港“基地化”進む
 「鹿児島県内の空港への米軍機の着陸回数が、2008年以降の5年半で、少なくとも5空港の計84回に上っている。このうち6回は事前連絡がなく、県によると、8月28日に徳之島空港にヘリコプター6機が下りた際は、管制塔への連絡もない危険な着陸だったという。日米地位協定に守られた米軍が意のままに進める県内空港の“基地化”に、住民の不安は強まっている・・・。」(西日本新聞より、9/6)

超緊急! 8月28日(水)19時、東京電力へ抗議に行こう!

超緊急! 8月28日(水)19時、東京電力へ抗議に行こう!
  └────呼びかけ:首都圏反原発連合

この度のレベル3の事象の危機的海洋汚染状況を受けて、
東京電力本店に対し て抗議行動を行います。

日 時: 2013年8月28日(水)19:00~20:00(予定)
       ※1時間の短縮バージョンで実施します。ご注意ください。
場 所: 東京電力本店前 東京都千代田区内幸町
              (JR・地下鉄「新橋」駅徒歩5分、都営地下鉄三田線「内幸町」駅徒歩3分)
呼びかけ:首都圏反原発連合 http://coalitionagainstnukes.jp/ 

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「事故収束と汚染水対策の体制についての緊急提言」に関する記者会見のお知らせ

2013年8月26日
原子力市民委員会
http://www.ccnejapan.com

 すでに多くの報道がなされているように、福島第一原発において、事故収束作業が難航し、高濃度の放射能汚染水の漏洩と海への流出が相次いでいます。
 私たち原子力市民委員会は、脱原発社会構築のための具体的な道筋について、政策提言を行うことを目的とする市民シンクタンクです。原子力・エネルギー問題についての専門的な知識と経験をもつ多くの研究者・実務家、また原子力発電所やプラントの設計・建設・安全点検などに携わった経験豊富な技術者などをメンバーとしています。

 原子力市民委員会は、福島第一原発の事故収束をめぐる一連のトラブルを深く憂慮し、独立した立場から、8月28日に政府および原子力規制委員会に対し、現状の汚染水対策への提言とともに、事故収束にあたる組織体制のあり方にも踏み込んだ緊急提言を行います。
 つきましては、この緊急提言についての記者会見を下記のように開催致します。
 ぜひ、報道関係のみなさまに取材をお願い致します。

● 記者会見の概要
日 時 2013年8月28日(水) 11:00~12:00
場 所 衆議院第二議員会館 第4会議室 (当日10:30より、議員会館受付で入館証を配付します)

発表者 原子力市民委員会
座長 舩橋晴俊(法政大学教授)
座長代理 吉岡 斉(九州大学副学長 元政府事故調委員)
規制部会長 井野博満(東京大学名誉教授 元ストレステスト意見聴取会委員)
規制部会 川井康郎(プラント技術者の会)ほか

● 本件についてのお問い合わせ
原子力市民委員会事務局 email@ccnejapan.com (担当:水藤)
〒160-0004 東京都新宿区四谷1-21 戸田ビル4F (高木仁三郎市民科学基金内)
TEL/FAX 03-3358-7064
-----------------------------------------
原子力市民委員会 事務局
〒160-0004 東京都新宿区四谷1-21 戸田ビル4F TEL/FAX: 03-3358-7064
URL :  http://www.ccnejapan.com/ e-mail :  email@ccnejapan.com
 

2013年8月26日月曜日

「魂の冷たくなるようなことば」 ---被爆者差別の歴史は消えない

「魂の冷たくなるようなことば」 ---被爆者差別の歴史は消えない
「水や空」 長崎新聞社説)より

作家の堀田善衛が被爆十数年目の8月9日に長崎を訪れたとき、市中央部の事務所の女性に「今日は九日だが、祈念祭には行かないの?」と尋ねたところ、驚くべき答えが返ってきた。「原爆ですか。あれは浦上もんのこつじゃけん、わたしらは行かんとです」(随筆「長崎」)

▲冷酷極まる答えを「彼女は、朗らかにいい放ったのである」と、堀田は「驚愕(きょうがく)した」。堀田は他にも、非被爆者の「魂の冷たくなるようなことば」を耳にしている 
▲ここでの「浦上」を被爆者の代名詞として、被爆者の苦しみに無理解な女性の姿を、当時の非被爆者の多数の姿の象徴として考えることができそうだ。そんな「魂の冷たくなるようなことば」は、既に被爆直後から飛び交っていたことが、永井隆の「長崎の鐘に記されている

▲差別を受けた浦上の信徒が永井に訴える。
「誰に会(お)うても、こう言うですたい。『原子爆弾は天罰。殺されたものは悪人だった』。それじゃ、わたしの家内と子供は悪者でしたか!」 
▲広島原爆を描いた漫画「はだしのゲン」の価値が高いのは、被爆の実相を伝えているだけでなく、その後の差別の実態を克明に描き告発しているからだ。被爆者の苦しみは日本人同胞によって増幅されたのだという、目を背けたくなる現実を伝えているからだ

▲この先、被爆者がいなくなろうとも、被爆国日本に刻まれた差別という痛恨の歴史は消えず、忘れることもできない。(信)
・・

「過激な描写」?

「はだしのゲン」閲覧制限を撤回 松江市教育委員会
 松江市教育委員会が市立小中学校に漫画「はだしのゲン」の閲覧制限を求めた問題で、市教委は26日、教育委員の臨時会議を開き、制限の要請を撤回することを決めた。
 教育委員は22日の定例会議でこの問題を協議したが、結論を持ち越していた。

 松江市では昨年8月、「ゲン」を学校の図書館に置かないよう求める陳情があったが、市議会は12月、不採択にした。 ただ、「過激な文章や絵が多い」という意見が出たことを受け、市教委事務局は12月の校長会で「一部に過激な描写があり、教員のフォローが必要だ」として、自由に閲覧できない「閉架」の措置を学校側に要請した。(共同)

「教育上の配慮」?

「はだしのゲン」 教育上の配慮をどう考えるか8月25日付・読売社説より)
「・・・ 憲法は、表現の自由を保障し、検閲を禁じている。市民が広く利用する一般の公立図書館で蔵書の閲覧を制限することは、こうした観点から許されない。
 ただ、小中学校図書館を一般図書館と同列に論じることは適切ではあるまい。作品が子供に与える影響を考える必要がある。心身の発達段階に応じた細かな対応が求められるケースもあるだろう」
「・・・連載当初は、広島の被爆シーンがリアルすぎるとの批判もあったが、そうした描写こそが原爆の惨禍の実相を伝えてきた。 被爆者の高齢化が進み、戦争体験の継承が大きな課題になっている中、「はだしのゲン」が貴重な作品であるのは間違いない」

「・・・その一方で、作品の終盤では、「天皇陛下のためだという名目で日本軍は中国、朝鮮、アジアの各国で約3000万人以上の人を残酷に殺してきた」といった根拠に乏しい、特定の政治的立場にも通じる主張が出てくる」
「・・・表現の自由を尊重しつつ、同時に教育上の影響にも目配りする。学びの場で児童生徒が様々な作品に接する際、学校側がどこまで配慮すべきかという問題を、松江市のケースは投げかけている」

マレウレウ: アイヌ伝統歌謡

マレウレウ: アイヌ伝統歌謡 (歴博 特別公演)

 アイヌ民族が育んできた様々な歌謡や踊りは、明治以後の同化政策や近代化された生活環境の中で大きく変容してきました。近年、アイヌの伝統文化の復興・継承の気運のなかで、アイヌの民族芸能についても関心が高まり、学習・伝承へ向けた動きや観光への活用といった試みもおこっています。

 マレウレウはアイヌ語で「蝶」を示し、アイヌの伝統歌謡「ウポポ」の再生と伝承をテーマに活動する女性ヴォーカルグループです。さまざまなリズムパターンで構成される、天然トランスな感覚が特徴の輪唱など、アイヌ民族に根ざしたウポポを現代に蘇らせています。
 この度、歴博では総合展示第4室のリニューアル記念の一環として、このアイヌ伝統歌謡の特別公演を開くことになりました。

日時: 2013年9月8日(日) 14時00分~15時30分
場所: 国立歴史民俗博物館内 中庭 (雨天荒天時は講堂)
演目: ・アイヌ伝統的歌唱「ウコウク」と伝統舞踊実演
・アイヌ民族伝統楽器「ムックリ」の実演
・来場者「ウコウク」体験
チラシはこちら(PDFファイル) 

国立歴史民俗博物館
〒285-8502 千葉県佐倉市城内町 117
電話 043-486-0123(代)

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MAREWREW(マレウレウ)
 アイヌの伝統歌「ウポポ」の再生と伝承をテーマに活動する女性ヴォーカルグループ。
 さまざまなリズムパターンで構成される、天然トランスな感覚が特徴の輪唱など、アイヌROOTSのウポポを忠実に再現する貴重なアーティスト。
 2010年、初のミニアルバム「MAREWREW」を発表後、活動を本格化。2011年に自主公演企画「マレウレウ祭り~目指せ100万人のウポポ大合唱!~」をスタートさせ、これまでUA、サカキ・マンゴー、SPECIAL OTHERS、キセル、オオルタイチ+ウタモ、木津茂理、細野晴臣を迎えた公演が話題となる。

 また、SPECIAL OTHERSのコラボアルバム「SPECIAL OTHERS」に、アイヌの伝統歌「イヨマンテ・ウポポ」で参加。ほかにもNHK(Eテレ)の人気子供番組「にほんごであそぼ」への出演、ワールドミュージックの世界的な祭典Womad(UK)への出演をはじめとするヨーロッパ公演など、国内のみならず海外でもその活動が注目されている。
 2012年8月には、待望のフルアルバム「もっといて、ひっそりね。」(プロデュース:OKI)をリリース。現代的なアレンジを織り込みつつも伝統的なウポポの魅力を凝縮した作品は、各方面で高い評価を受けた。マレウレウはアイヌ語で「蝶」のこと。

[メンバー:Rekpo、Hisae、Rim Rim、Mayunkiki]
OKI official website より

2013年8月24日土曜日

<シンポジウム>ここがマズイ、原発輸出―ベトナム編

<シンポジウム>ここがマズイ、原発輸出―ベトナム編
http://www.mekongwatch.org/events/lecture01/20130907.html

 福島第一原子力発電所の事故処理もままならず、避難者16万人の将来の先行きも見えない…様々な問題を抱えても、日本政府は福島で大事故を起こした原発を維持する政策を変えていません。原発輸出は日本の経済成長のためとまで言われ、ベトナムに原発を作るための調査には、5億円の復興予算まで流用されています。
 ベトナムは事実上の一党独裁体制で、市民が国家事業に反対することはほぼ不可能です。既にネット上で反対を表明した人々に、暴力や不当拘束などの圧力がかかっています。そのようなベトナムの事情と、同国の原発政策への日本の深い関わりを、ベトナムの専門家の皆さんから学ぶと共に、輸出を止めるために私たちは何ができるのか、みなさんと考えたいと思います。

【日時】 2013年9月7日(土)13:30~17:00(13:00 開場)
【場所】 早稲田大学 小野記念講堂(小野梓記念館 B2F)
(住所:〒169-0071 東京都新宿区戸塚町1-103)http://www.waseda.jp/jp/campus/waseda.html
【講師】 伊藤正子さん(京都大学)、遠藤聡さん(共立女子大学他)、中野亜里さん(大東文化大学)、満田夏花さん(国際環境NGO FoE Japan/メコン・ウォッチ)、吉井美知子さん(三重大学)

【内容】
◇講演 ・日本の原発輸出政策の現状 ・ベトナムにおける原発輸出をめぐる状況
◇パネルディスカッション
 ベトナムの発展に原発は必要なのか、日本とベトナムにどのような影響や利益があるのか、どのようなオルタナティブが考えられるか、について議論

【定員】100名
【要申込】申込フォーム https://ssl.form-mailer.jp/fms/071210c9260251
 もしくはメールでお名前とメール先 event@mekongwatch.org
【会費】 無料 ※今後、原発輸出への問題提起を行う活動を続けていくため、みなさまのご寄付を歓迎します。

【共催】 (NPO)APLA、(NPO)アーユス仏教国際協力ネットワーク、(NPO)アジア太平洋資料センタ/PARC、(NPO)開発教育協会/DEAR、(NPO)国際環境NGO FoEJapan、(NPO)メコン・ウォッチ、早稲田大学アジア研究所
【協力】(NPO)「環境・持続社会」研究センター/JACSES、(NPO)原子力資料情報室

【問合せ先】
アーユス仏教国際協力ネットワーク
TEL:03-3820-5831FAX:03-3820-5832 E-mail:tokyo@ayus.org
メコン・ウォッチ
TEL:03-3832-5034FAX:03-3832-5039 E-mail:info@mekongwatch.org

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メコン・ウォッチより
 昨年の現地調査を踏まえ、5回にわたりメールニュースにてベトナム原発輸出の問題を発信しています。写真と文で現地の状況をお伝えしていますので、下記のリンク先からぜひホームページをご覧ください。

原発輸出>ベトナムの予定地の暮らし(1)日本が進めた原発導入
http://www.mekongwatch.org/resource/news/20130731_01.html
原発輸出>ベトナムの予定地の暮らし(2)先住民の津波の記憶
http://www.mekongwatch.org/resource/news/20130801_01.html
原発輸出>ベトナムの予定地の暮らし(3)自立した農家の行く先は
http://www.mekongwatch.org/resource/news/20130802_01.html
原発輸出>ベトナムの予定地の暮らし(4)豊かな海への影響は?
http://www.mekongwatch.org/resource/news/20130813_01.html
原発輸出>ベトナムの予定地の暮らし(5)終りの日を待つ漁村
http://www.mekongwatch.org/resource/news/20130814_01.html

スノーデン事件から見えてきた監視国家アメリカ、そして日本

 スノーデン事件から見えてきた監視国家アメリカ、そして日本
 -秘密保全法制と盗聴法拡大・共謀罪とアメリカの影-

■日時 2013年年9月17日(火)18時30分~20時45分
■会場 渋谷区勤労福祉会館第一洋室
(JR渋谷駅から徒歩8分、渋谷区神南1-19-8) http://www.city.shibuya.tokyo.jp/est/kinro.html

■お話し
・臺 宏士さん(毎日新聞記者)
「スノーデン事件からみたアメリカの情報収集網と秘密保全法制
―アメリカジャーナリズムの危機と日本の報道機関に求められるもの」
・海渡雄一さん(弁護士)
「秘密保全法制と共謀罪、盗聴法拡大に共通する監視強化とアメリカの影
―アメリカ刑事司法の闇が日本に伝染しつつある」

■発言
 日本マスコミ文化情報労組会議 ほか
■参加費 500円
■共催
盗聴法に反対する市民連絡会 090-2669-4219 (久保)
東京共同法律事務所(海渡雄一・中川亮) 03-3341-3133
日本国民救援会 03-5842-5842
反住基ネット連絡会 090-2302-4908 (白石)
日本マスコミ文化情報労組会議(MIC) 03-3816-2988
新聞労連

☆暴かれた政府の監視
 NSA(アメリカの「国家安全保障局」)の契約先の技術者であったエドワード・スノーデン氏は、2013年6月、米ワシントンポスト紙と英ガーディアン紙に情報を提供し、NSAがあらたに開発したプリズムというシステムを使って、Microsoft、米Yahoo、Google、YouTube、Appleなど大手のIT企業9社から網羅的にデータを収集していたという事実を暴露した。
 NSAはこれらの会社の保有するサーバーなどに自由にアクセスすることができたという。 また、NSAのメール解読ソフトによって集積されていたデータから、メールの履歴だけでなく内容まで読むことができるとされている。

 米政府は、この情報の収集は議会の秘密委員会の許可を得ていたとし、アメリカ市民の情報は原則として取得していないなどとしているが、ほとんど無限定で膨大な情報がNSAのもとに集積されていた。 そして、この情報は20ヶ国を超える国が恩恵を受けていたことが明らかにされている。この20ヶ国には日本も含まれていると見なければならない。
 FBIは、同氏に対するスパイ防止法(日本で提案されている秘密保全法制の母法)違反容疑での犯罪捜査を開始したが、このような市民のプライバシーを大規模に侵害するシステムそのものの廃棄を求める声も高まっており、アメリカ自由人権協会はシステムの差し止めを求める訴訟を提起した。

☆日本も監視国家に
 日本では、この秋にも秘密保全法制の国会提出が予定されており、共謀罪の再提出の可能性もある。えん罪を防ぐための取調べの可視化や証拠開示について話し合う場であったはずの法制審議会新時代の刑事司法特別部会では、盗聴法の対象罪種の拡大や立会省略、警察施設内での盗聴実施、室内盗聴への拡大などが話し合われている。

 秘密保全法制は安全保障会議を年内に設置し、日米の軍事機密を共有化する前提として提案するとされている。共謀罪も一般には国連条約の批准のためといわれるが、実際にはアメリカからの強い要望が背景にある。盗聴法の導入もアメリカに見習うためとされた。

 世界一の監視国家アメリカの姿は、これに追随する日本の明日の姿である。秘密保全法制×共謀罪×盗聴法の拡大の先には、表現の自由を否定し、戦争への道を開く憲法改正が目指されている。スノーデン事件と「プリズム」の仕組みを前提として、日本における秘密保全法制と共謀罪、登頂法の拡大との闘いの課題を探りたい。

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●9月3日から17日まで、政府が秘密保全法のパブコメ募集を開始。
●電子政府総合窓口(イーカイブ))
パブリックコメント:意見募集中案件一覧  http://search.e-gov.go.jp/servlet/Public
  ↓
「特定秘密の保護に関する法律案の概要」に対する意見募集
 
●秘密保全法に反対する愛知の会ブログ http://nohimityu.exblog.jp/
・秘密保全法に反対する愛知の会ニュース
最新号「極秘通信」No5 発行(下の記事中にPDFファイルリンクあり)
http://nohimityu.exblog.jp/20676670/

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9/7
日米両政府、指紋情報を即時提供 テロ防止で、協定締結に合意
 テロなどの重大犯罪への関与が疑われる人物の入国を防ぐため、日米両政府は6日、犯罪者の指紋データベース情報を互いに即時提供する協定(PCSC協定)を結ぶことで合意した。
 米国が日本など査証(ビザ)申請を免除している37の国や地域に2国間協定の締結を求め、日本だけ合意に至っていなかった。指紋情報の提供はテロリストと疑われる渡航者のほか、逮捕した外国人容疑者の身元が特定できない場合などが想定される。
 年内に閣議決定し、警察庁が関係法令を整備した上、来年の通常国会での承認を目指す。実際に運用が始まるのは数年先になる見通し。(共同)

・ネット暗号:米英が解読…10年に実用化、個人情報を入手
 「英紙ガーディアン(電子版)は5日、米英両国の秘密情報機関が2010年にインターネット上の暗号(暗証番号やパスワードなど)解読技術を開発し、ネット銀行でのやりとりや医療記録などの個人情報を入手していたと報じた。電子メールや検索記録を傍受していることはわかっていたが、暗号で保護されている個人情報までも入手していたことがわかったのは初めて。・・・ロシアに亡命した中央情報局(CIA)元職員のエドワード・スノーデン容疑者の資料で判明した。

 米国家安全保障局(NSA)と英政府通信本部(GCHQ)は協力して、ネット関連企業が利用者の秘密を保持するために設定しているパスワードなどの暗号を破る技術を開発した。長年、スーパーコンピューターを使って研究され10年に実用化されたらしい。
 同紙によると、両機関はこうした活動について、テロ対策の一環と説明しているが、ネット専門家は、「すべてのネット利用者のプライバシーを犯している。また、暗号はネット上でのやりとりの基本であり、それを破ることはネット自体の信用を傷つける」と警告している。(毎日、ロンドン小倉孝保より)

9/5
・公明が自民に抗議 秘密保護法案で政府、事前了承取らず 「公明党の石井啓一政調会長は5日、国の機密情報を漏らした国家公務員らへの罰則強化を盛り込んだ「特定秘密保護法案」の概要について、政府が公明党側に説明しないまま国民からの意見公募を開始したのは問題だとして、自民党の高市早苗政調会長に電話で抗議した。
 石井氏によると、法案を所管する内閣情報調査室幹部が3日、「自民党のプロジェクトチームで法案概要が了解された。意見公募を始めたい」と同日からの実施を求めたのに対し、石井氏は「公明党はまだ概要を聞いていない。党内議論もしていないので認められない」と拒否・・・・」(産経より)

8/25
政務三役も漏えい処罰対象=防衛産業も、最長懲役10年 -特定秘密保全法案
 「政府が秋の臨時国会に提出する特定秘密保全法案で、安全保障や外交上の国の機密情報を漏えいした場合の罰則の適用対象に一般公務員だけでなく、閣僚や副大臣、政務官の政務三役や防衛産業などの民間企業の契約者も含めることが25日、分かった。罰則は最長で懲役10年。

 日本版NSC国家安全保障会議)設置に合わせた法整備で、米国など同盟国と高度な軍事や対テロ情報を共有する上で情報管理を徹底するのが目的だ。ただ、報道の自由やプライバシー保護を脅かしかねないとの懸念もある。
 法案では、公になっていないもののうち「漏えいがわが国の安全保障に著しく支障を与える恐れがあるもの」を特定秘密に指定する。 対象は別表で4分類され、
・「防衛」「外交」
・「外国の利益を図る目的の安全脅威活動の防止」
・「テロ活動の防止」が列挙されている。(時事通信より)

2013年8月17日土曜日

『福島と生きる』メールマガジン第9号

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『福島と生きる』メールマガジン第9号
――息長く〈福島〉とつながり続けるために――

2013年8月17日発行(不定期刊)
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―目次―
◆イベント情報
◆保養情報
◆キャンペーン・活動情報
◆ニュースクリップ

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◆イベント情報(イベント情報は変更されることもあります。必ず主催者サイトでご確認下さい)
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1.「放射線からいのちを守るセルフケア~快医学講座・14時間]
  8月22日(木)-24日(土)(山梨県富士河口湖 快療法の家「まほろば」)
  ※講師:橋本俊彦、秋野敬造
  ※問い合わせ: 0552-62-0017(秋野)
  ※詳細: イベントサイト 

2.「原発被害者の救済を求める全国運動 記者会見」
   8月26日(月)15:00-16:00(東京・参議院議員会館B107)
  原発被害者の救済を求める全国運動のキックオフ記者会見。
  全国運動では「原発事故子ども・被災者支援法」の幅広い早期の実施と、原発被害の損害賠償権の時効問題の解決を求める請願署名や集会などを予定。
  ※出席者: 佐藤和良(いわき市議会議員)
          河崎健一郎(弁護士、福島の子どもたちを守る法律家ネットワーク)
          海渡雄一(弁護士、日本弁護士連合会前事務総長)
          満田夏花(FoE Japan)  など
  ※詳細: FoE Japanのサイト 

3.「9・21 原発被害者の救済を求める福島集会」
  9月21日(土)13:00-16:20(福島市・福島県文化センター大ホール)
  原発被害者の救済を求める全国運動の一環として開催。
  ※問い合わせ: 
  <福島>いわき市議会創世会 
        佐藤和良 TEL: 0246-22-1111 (代表)内線4132  FAX: 0246-25-8380 
  <東京>FoE Japan  TEL: 03-6907-7217  FAX: 03-6907-7219
  ※詳細: イベントサイト 

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◆保養情報
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1.ほよーん相談会
  子どもローテーション保養のデータベース。全国各地の保養情報が掲載されています。
  全国の避難者支援団体の情報もあります。 サイトはこちら 

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◆キャンペーン・活動情報
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1. 子ども・被災者支援法
   支援法の先送り問題について、復興庁と関係省庁が合意していたことが8月1日報じられました。 それを受けて、原発事故子ども・被災者支援法市民会議は復興庁に要請書を提出しました。要請書はこちら

2.二本松市の農家、菅野瑞穂さんのインタビュー記事が「ソーシャル&エコ・マガジン ソトコト」に掲載されました。記事はこちら 

3.「原発いらない福島の女たち」が2014年度版カレンダーを制作中です。
売上は「女たち」の活動資金になります。詳細はこちら 

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◆ニュースクリップ
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1.みんなの海を守って!再稼働どころじゃない、汚染水問題
FoE Japan  8月16日(金)
http://www.foejapan.org/energy/news/130816.html

◇後手後手にまわった汚染水対策
 東京電力福島第一原発の汚染水流出が深刻の度を増しています。海の汚染は着実に広がっています。汚染水の流出は事故当初から指摘されていましたが、東電は参議院選挙後までその事実を認めませんでしたし、国はそれを鵜呑みにしていました。

 福島第一原発は地下水が多い場所で、事故前から一日当り850トンの地下水をくみ上げていた状態です。東電はなぜか海側の遮水壁の建設を優先させましたが、行き場のなくなった汚染水の水位があがり、溢れ出すことは自明でした。東電の対策の失敗を、資源エネルギー庁も原子力規制委員会も見過ごしました。

◇再稼働に偏重した原子力規制庁の体制
 8月8日、FoE Japan、福島老朽原発を考える会、原子力規制を監視する市民の会などの主催で、汚染水に関する緊急集会と政府交渉が開催されました。 その結果、次のポイントが明らかになってきました。

 ・ 原子力規制庁は適合性審査は80人体制(のちに100人体制)、事故収束は40人。大飯原発の評価会合だけで、非公開の電力事業者ヒアリング含めて100回以上、一方で汚染水問題に関しては、2~6回程度。
・ 東電が実施するストロンチウムなどの地下水モニタリングの報告を受けているはずの規制庁が、モニタリングの空白期間(2012.12~2013.5)を見逃していた 
・ 国の責任体制がはっきりしていない。汚染水対策の責任を資源エネルギー庁が負うのか原子力規制庁が負うのか政府側は答えられなかった。(以下略)

2.復興庁:被災者支援 先送り密議 暴言ツイート裏付け
毎日新聞 8月10日(土)
http://mainichi.jp/select/news/20130801k0000m010178000c.html

◇3月時点で「参院選後に」
 東京電力福島第1原発事故に伴い、放射線量が一定基準以上の地域住民への支援を定めた「子ども・被災者生活支援法」を巡り、同法を所管する復興庁が3月、具体的な支援策作りの大前提となる「線量基準」の検討をどこが主導するか曖昧にしたまま、7月の参院選後に先送りすることで関係省庁と合意していたことが国の関係者の証言で分かった。

 昨年6月の同法成立以降、基準は一向に決まらず、被災者らから早急な支援策作りを求める声が上がっているが、これを無視するような申し合わせが秘密裏になされていた。(以下略)

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『福島と生きる』メールマガジン第9号(2013年8月17日発行)
※『福島と生きる』メールマガジンは、『福島と生きる--国際NGOと市民運動の新たな挑戦』の共同執筆者の団体や活動の関連情報を発信していきます。

発行人=中野憲志・藤岡美恵子
(『福島と生きる--国際NGOと市民運動の新たな挑戦』共編者)

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●「さようなら原発講演会 つながろうフクシマ!くりかえすな原発震災」
日時:9月1日(日)13:00~16:30 (開場12:15~)
場所:千代田区「日比谷公会堂」(地下鉄「霞ヶ関駅」「日比谷駅」ほか)
 *地図 http://hibiya-kokaido.com/

内容:音楽(ジンタらムータ with リクルマイ)、
講演(大江健三郎さん、小出裕章さん・京都大学原子炉実験所助教)、
発言(澤地久枝さん、内橋克人さん、落合恵子さんなど)、
報告(福島現地から)、
コント(ザ・ニュースペーパー)
参加費:1000円(定員2000人・先着順)
*終了後は、首都圏反原発連合の「金曜首相官邸前行動・日曜版」に協力します。

2013年8月16日金曜日

ナチスを肯定したり模倣するような発言・行為は決して許さない!

ナチスによるホロコーストを決して忘れない
ナチスを肯定したり模倣するような  発言・行為は決して許さない!

─ドイツ・スィンティ・ロマからのメッセージ─ (8・2追悼集会報告)
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 第2次世界大戦中、ヨーロッパを占領下においたドイツナチスは、ユダヤ人とは別に、多数のスィンティとロマを迫害、虐殺しました。その犠牲者は50万人以上にのぼると言われています。
 中でも、1944年8月2日、ナチスがアウシュヴィッツ・ビルケナウに建てた「ジプシー収容所」に残されていた2,897人のスィンティとロマは、全員が一夜にしてガス室で抹殺されました。

 さる8月2日、IMADR日本委員会は「世界人権宣言の実現を求める広島県実行委員会」との共催で、ロマのホロコースト犠牲者を追悼する集会を広島で開催しました。
 この日、IMADRのパートナー団体であるドイツ・スィンティ・ロマ中央委員会は、アウシュヴィッツの虐殺現場で、ポーランド政府およびヨーロッパのロマの諸団体とともに、ロマ犠牲者を追悼する恒例の集会を開催しました。

 広島での追悼集会によせて、ドイツ・スィンティ・ロマ中央委員会から届けられたメッセージをIMADRのウェブサイトにアップしました。以下をご覧ください。http://imadr.net/roma20130802/

 8月2日は奇しくも「ナチス賛美ともいえる麻生発言」により、世界から批判の目が日本に向けられました。 ホロコーストを引き起こしたナチス体制の再現は世界のどの地域であろうとも決して許されるものではありません。

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憲法改正でナチス引き合い/麻生副総理、都内の講演で
 麻生太郎副総理兼財務相は(7月)29日夜、都内で講演し、憲法改正をめぐり戦前ドイツのナチス政権時代に言及する中で「ドイツのワイマール憲法はいつの間にか変わっていた。誰も気がつかない間に変わった。あの手口を学んだらどうか」と述べた。
 「けん騒の中で決めないでほしい」とし、憲法改正は静かな環境の中で議論すべきだと強調する文脈の中で発言したが、ナチス政権を引き合いに出す表現は議論を呼ぶ可能性もある。

 麻生氏は「護憲と叫んで平和がくると思ったら大間違いだ。改憲の目的は国家の安定と安寧。改憲は単なる手段だ」と強調した。その上で「騒々しい中で決めてほしくない。落ち着いて、われわれを取り巻く環境は何なのか、状況をよく見た世論の上に憲法改正は成し遂げられるべきだ。そうしないと間違ったものになりかねない」と指摘した。
 安倍晋三首相や閣僚による終戦記念日の靖国神社参拝を念頭に「国のために命を投げ出してくれた人に敬意と感謝の念を払わない方がおかしい」とし「静かにお参りすればいい。何も戦争に負けた日だけに行くことはない」と話した。 (共同 7/30)

 発言全文
「僕は今、(憲法改正案の発議要件の衆参)3分の2(議席)という話がよく出ていますが、ドイツはヒトラーは、民主主義によって、きちんとした議会で多数を握って、ヒトラー出てきたんですよ。ヒトラーはいかにも軍事力で(政権を)とったように思われる。全然違いますよ。ヒトラーは、選挙で選ばれたんだから。ドイツ国民はヒトラーを選んだんですよ。間違わないでください。
 そして、彼はワイマール憲法という、当時ヨーロッパでもっとも進んだ憲法下にあって、ヒトラーが出てきた。常に、憲法はよくても、そういうことはありうるということですよ。ここはよくよく頭に入れておかないといけないところであって、私どもは、憲法はきちんと改正すべきだとずっと言い続けていますが、その上で、どう運営していくかは、かかって皆さん方が投票する議員の行動であったり、その人たちがもっている見識であったり、矜持(きょうじ)であったり、そうしたものが最終的に決めていく。

 私どもは、周りに置かれている状況は、極めて厳しい状況になっていると認識していますから、それなりに予算で対応しておりますし、事実、若い人の意識は、今回の世論調査でも、20代、30代の方が、極めて前向き。一番足りないのは50代、60代。ここに一番多いけど。
 ここが一番問題なんです。私らから言ったら。なんとなくいい思いをした世代。バブルの時代でいい思いをした世代が、ところが、今の20代、30代は、バブルでいい思いなんて一つもしていないですから。記憶あるときから就職難。記憶のあるときから不況ですよ。
 この人たちの方が、よほどしゃべっていて現実的。50代、60代、一番頼りないと思う。しゃべっていて。おれたちの世代になると、戦前、戦後の不況を知っているから、結構しゃべる。しかし、そうじゃない。

 しつこく言いますけど、そういった意味で、憲法改正は静かに、みんなでもう一度考えてください。どこが問題なのか。きちっと、書いて、おれたちは(自民党憲法改正草案を)作ったよ。べちゃべちゃ、べちゃべちゃ、いろんな意見を何十時間もかけて、作り上げた。そういった思いが、我々にある。
 そのときに喧々諤々(けんけんがくがく)、やりあった。30人いようと、40人いようと、極めて静かに対応してきた。自民党の部会で怒鳴りあいもなく。『ちょっと待ってください、違うんじゃないですか』と言うと、『そうか』と。偉い人が『ちょっと待て』と。『しかし、君ね』と、偉かったというべきか、元大臣が、30代の若い当選2回ぐらいの若い国会議員に、『そうか、そういう考え方もあるんだな』ということを聞けるところが、自民党のすごいところだなと。何回か参加してそう思いました。
 ぜひ、そういう中で作られた。ぜひ、今回の憲法の話も、私どもは狂騒の中、わーっとなったときの中でやってほしくない。

 靖国神社の話にしても、静かに参拝すべきなんですよ。騒ぎにするのがおかしいんだって。静かに、お国のために命を投げ出してくれた人に対して、敬意と感謝の念を払わない方がおかしい。静かに、きちっとお参りすればいい。 何も、戦争に負けた日だけ行くことはない。いろんな日がある。大祭の日だってある。8月15日だけに限っていくから、また話が込み入る。日露戦争に勝った日でも行けって。といったおかげで、えらい物議をかもしたこともありますが。
 僕は4月28日、昭和27年、その日から、今日は日本が独立した日だからと、靖国神社に連れて行かれた。それが、初めて靖国神社に参拝した記憶です。それから今日まで、毎年1回、必ず行っていますが、わーわー騒ぎになったのは、いつからですか。  昔は静かに行っておられました。各総理も行っておられた。いつから騒ぎにした。マスコミですよ。いつのときからか、騒ぎになった。騒がれたら、中国も騒がざるをえない。韓国も騒ぎますよ。

 だから、静かにやろうやと。憲法は、ある日気づいたら、ワイマール憲法が変わって、ナチス憲法に変わっていたんですよ。だれも気づかないで変わった。あの手口学んだらどうかね。
 わーわー騒がないで。本当に、みんないい憲法と、みんな納得して、あの憲法変わっているからね。ぜひ、そういった意味で、僕は民主主義を否定するつもりはまったくありません、しかし、私どもは重ねて言いますが、喧噪のなかで決めてほしくない 」
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「ナチス発言」に対する麻生太郎副総理・財務相の8月1日の談話
 「私は、憲法改正については、落ち着いて議論することが極めて重要であると考えている。この点を強調する趣旨で、同研究会においては、喧騒にまぎれて十分な国民的理解及び議論のないまま進んでしまった悪しき例として(???)、ナチス政権下のワイマール憲法に係る経緯をあげたところである。

 私がナチス及びワイマール憲法に係る経緯について、極めて否定的に捉えている(???)ことは、私の発言全体から明らか(???)である。ただし、この例示が、誤解を招く結果となったので、ナチス政権を例示としてあげたことは撤回したい」

2013年8月15日木曜日

現代の戦争と蘇る『知識人の裏切り』  (Ⅱ)

現代の戦争と蘇る『知識人の裏切り』 (Ⅱ)


 戦争と平和の言説と「知識人の裏切り」

 現代の戦争のロジックは、人間が一度は歴史の屑かごに捨てたはずの、しかし実際には捨てずにずっと隠し持っていた、廃れた論理の埃を払い、都合よく現代風に仕立て直したような代物に過ぎない。 『知識人の裏切り』を読むと、そのことがよくわかる。

 その意味では、「平和の大義」をめぐり「知識人」が編み出す言説は進歩するどころか、くり返されてきた戦争の回数と犠牲者の数に見合う進化をしていない分だけ、退化していると言える。
 検証のため、『知識人の裏切り』の世界に分け入って行こう。


 溢れかえる戦争の言説

 ジュリアン・バンダは、世界が再びの全面戦争に向かおうとしていた当時のフランスやヨーロッパの「帝国」を席巻していた思潮を「国家的情熱」という言葉で一括している。周辺諸国の「脅威」を互いにやたらに煽る、どこかの国々の現在の思潮とそっくりである。
 この「国家的情熱」の思想的源泉、それをバンダは「政治的現実主義」と定義する。

 「あらゆる征服の企てを正当化するためだけに都合よく解釈され」た戦争の言説が、政治的「リアリズム」を偽装しながらヨーロッパ大陸を支配していた。
 アジア大陸でもそうだった。それらは現代人にも、とても馴染みの深い言説である。

● 共通の利益や公共の平和を守る (強調は執筆者)
● 不当に奪われたものの奪回、反乱者の鎮圧、無実の人々の保護 (上に同じ) 
● 侵略に対する防衛
国権[国家の主権]の行使に反する障害物除去のため (強調はバンダ)

 「平和」のために戦争をする」という論理が、「共通の利益」や「公共」の名において正当化される。
 「無実の人々の保護」は、実は「反乱者の鎮圧」という戦争の政治目的を押し隠す無花果の葉だったかもしれない。今でも。

 「この現実主義、現代知識人はこれをたんに国民だけでなく、階級にも説いた。労働者階級にも、ブルジョア階級にも、彼らはこう言った。団結して、最強者になり、権力を奪取するか、またはすでに権力を有するなら、これを守るべく努めよ」と。

 バンダが言いたいのはこういうことだ。
 「平和と民主主義」を掲げ、世界の平和勢力を束ねようとしたマルクス主義者の中には、「ロシア革命の父」レーニンの登場を待って「革命的祖国敗北主義」と「内乱から革命へ」を語りだし、権力奪取後はその権力を帝国主義の侵略(後にファシズムが加わる)から守るための防衛戦争を「階級に説いた」者たちがいた。

 つまり、当時の「現代知識人」が、「帝国主義の侵略」戦争を「国民だけでなく、階級」に説く勢力と、それとの「防衛戦争」を説く勢力に分かれながらも、そのいずれもが戦争を説いていた点では同じだった、ということである。
 それを「政治的現実主義」の現れとしてバンダは捉え、ここで批判しているのである。

 かくして、「現代知識人」(聖職者、科学者、哲学者、文学者、学者、リベラル、保守、マルキスト・・・)は「国民だけでなく」「階級」をも「裏切」り、そうすることで人間を「裏切」った。
 事実、人間はこの書の発刊後、わずか一〇年余りで七〇〇〇万人を殺した戦争への坂を転げ落ちながら、登りつめて行くことになる。
 少なくとも、責任の何たるかを知る「知識人」は戦後、口をつむぐしかなかっただろう。


 溢れかえる平和の言説

 公正をきすために言えば、「現代知識人」が平和を説かなかったわけではない。
 むしろ戦間期の時代は、戦争の言説と同じくらい平和の言説に溢れかえっていた。
 「政治的現実主義」の戦争の言説を無力化することができず、「平和の大義を、少なくとも真摯な人々に弱めるという重大な結果」をもたらした、溢れかえる平和の言説たち。
 バンダによれば、そこには四つの類型が確認できる。

● 科学万能論的主張をする平和主義
● 通俗的平和主義 
 (「殺す人間」を弾劾し、愛国主義の偏見を冷笑することしかできないもの)
● 神がかり的平和主義 
 (盲目的な戦争憎悪しか知らず、戦争当事者が攻撃しているのか守っているのか、またそれを望んだのか受け身でやっているのか考えようとしないもの)
● 愛国的主張の平和主義 
 (人道主義を称揚し、軍国精神や国家的情熱の緩和を説く一方、国益を害さず、外国に対する抵抗力を失わないよう主張するもの)

 最初の「科学万能論的主張をする平和主義」の要約を原典に見つけることはできないが、科学の進歩を平和と結び付ける言説と理解すればよいだろう。
 「戦後」の日本では聞き慣れた、「科学技術を軍事に転用し、仮想敵との間の軍事バランスと脅威に対する抑止をはかる」といった、日米安保とセットで米国から輸入された軍事リアリスト的言説もその亜種の一つである。

 ところで、こうして溢れかえる戦争の言説と平和の言説を並べてみると、両者に奇妙な対応関係や微妙な共犯関係があることが見えてくる。
 たとえば、「愛国的主張の平和主義」は、「国」を「愛」するあまり、いつでも外部からの「侵略に対する防衛」や国家の領土保全・主権行使論などに回収され、「武力による平和」=「平和のための戦争」論に化けてしまう。 これが「平和のリアリズム」が行きつく果てだろうか? 

 「現代知識人にあって、愛国心が帯びる性格のもう一つの特色に触れておきたい」。
 バンダは続ける。

  「つまり、攘夷性である。これは、「外部の人間」(le horsain よそ者)に対する人々の憎悪、「身内で」ない者に対する追放と侮辱である。こうした傾向は民衆のなかにはつねにあり、またおそらくその生存に必要なものであろうが、これが現代では、いわゆる思想家に採用されている。(中略)。
 知識人がこの愛国主義を採用して、世俗人の情熱をいかに煽ったか、言う必要があるだろうか? (一五五頁)」

 反省することを知らない「人間」が、あまりに多いため、何度でも「言う必要」はありそうだ。
 戦争の言説が平和の衣を纏い、「国家的情熱」を鼓舞し、「外部の人間」に対する憎悪を煽りながら人間を戦争に駆り立ててゆく。
 その一方で、必ずしも意図的に戦争の言説に与するわけではない「通俗的平和主義」や「神がかり的平和主義」は、民族/人種主義と一体化した国家主義を鼓舞し、憎悪を煽る「愛国的平和主義」の情熱の前では、あまりに頼りなげにみえる。

 だから、口では平和を語る政党や宗教組織が「愛国」や「民族」を語りだすと、時代は戦争=平和、平和=戦争に通じる怪しい迷路の罠にはまり、そこからの出口を見失ってしまう。
 おそらくそれは、昔も今も変わらない。


 帝国の秩序と「知識人の裏切り」

 いったい、〈問題〉はどこにあったのか?
 「問題は、知識人の職責が帝国の支配を支えることにあるのかどうかにある」。
 これがバンダの見解である。

 『知識人の裏切り』の中に書かれている「国家」とは、すべて「帝国」を意味している。
 そこでの「帝国」とは、主に一八七五年のベルリン会議以後、「アフリカの分割」に乗り出し、以降、没落するものと興隆するものに分かれながら第一次大戦にのめり込んで行った西洋の帝国をさしている。

(ただし、大戦の戦争特需によって「黄金の二〇年代」に狂乱していた西半球の帝国や、「大正デモクラシー」の終息を迎え、普通選挙法と治安維持法を同じ年(一九二五年)に制定した東洋の帝国は、さほどバンダの視野には入っていない。)

 第二次大戦後の一九四六年版「序文」の冒頭において、「知識人が当時、せっせと裏切り続けていたのは、すべて国家のためだった」とバンダが回想するくだりは、「帝国の支配を支えるためだった」と読み替えると、より理解しやすくなる。

 「帝国の支配」とは「帝国の統治」のことであり、「帝国の統治」とは「帝国の秩序」のことだ。
 これにフランス帝国をはじめ、ヨーロッパ各帝国の「現代知識人」はひれ伏した。
 だからバンダは、「序文」の第一節を、「A. 知識人が「秩序」の名においてその職責を裏切る。その反民主主義の意味」としたのである。

 バンダによれば、「秩序の観念は戦争の観念、民衆の貧困の観念につながる」。
 「秩序とは本質的に実際的な価値である。これを崇める知識人は厳密な意味でその職責を裏切っている」。
 このくだりも「秩序」を「帝国の秩序」にすれば、その意味をより明確に理解することができる。

 「帝国」とは、他の国、人種、民族を征服し、それによって作られた秩序を守りつつ、さらに自己の勢力圏を拡げようとする政体である。だからその秩序の維持と拡大は、必然的に他の帝国や小国、他人種・民族との戦争、戦争による民衆の貧困を伴うものになる。

 しかし、ここで注目したいのはそのことではない。むしろ、バンダがこのような「帝国の秩序の観念」――小国や他人種・他民族の人間をも自己の勢力圏に置かなければ気がすまない人間の観念――は、決して人間が普遍的に持つ観念ではない、と断言していることに目を配りたいと思う。

 「帝国の秩序の観念」は、近代西洋の各帝国の成立以後、国家や「現代知識人」によって広められたものだとバンダは言う。
 人間は「正義、自由、科学、芸術、慈悲、平和の像は立てたが、秩序の像はけっして立てなかった」のである。
 さらに言えば、人間は「「秩序の維持」にあまり共感を示さなかった」。
 なぜなら、それが「暴力の観念につながる」からである。なぜか?
 人間(「民衆」)は、それが「騎兵隊の突撃、無防備の人々に向けられた弾丸、女性と子供の死体を意味する」ことを「本能的に理解」していたからである。

 現代に生きる人間も、その多くは「秩序の維持」に「あまり共感を示」してはいないだろう。
 しかし「秩序の観念」が「暴力の観念につながること」を認識している人は、とても少ないのではないだろうか。

 バンダ流に言えば、おそらく現代の「知識人」にとっての問題は、現代の帝国の秩序を支えることを自らの「職責」とするか否かにあるのだろうが、それは「知識人」それぞれが、その秩序の形成をどこまで「民衆」が受ける暴力につなげて思索できるかにかかってくる。

 実に多様なアイデンティティを持ち、それぞれに分かれた民衆(peoples)の小さな秩序と、現代の帝国の巨大な秩序。
 前者が後者に暴力的に統合されるのでなければ、両者の像は決して均質化されることはない。
 民衆の小さな秩序が他者との交流により変容することはあっても、それぞれがそれぞれの固有性を保つことはできるはずである。

 現代の人間は、現代の帝国の秩序形成に向けた統合、その軋みで生じる暴力の意味を「本能的に理解」できる人間の像を、どこまで取り戻すことができるか?
 「価値観の修正」の実現可能性はすべてそれ次第、ということになりそうである。

2013, 8/15 中野憲志

⇒「現代の戦争と蘇る『知識人の裏切り』」へ


「批評する工房のパレット」内の関連ページ
⇒「「戦後」の未総括」という不都合な真実」(2012, 8/16)

・・・
「アジアへの反省」触れず=戦没者追悼式で首相式辞―68回目の終戦記念日
 「68回目の終戦記念日を迎えた15日、政府主催の全国戦没者追悼式が東京都千代田区の日本武道館で開かれた。・・・。
 ・・・安倍首相は式辞で、近年の歴代首相が表明していたアジア諸国に対する損害や反省などに言及しなかった
  式典は正午前に開始。式辞で安倍首相は、2007年に自身も使った「アジア諸国の人々に多大の損害と苦痛を与え、深い反省と哀悼の意を表する」という表現を用いなかった。
 近年の首相が使っていた「不戦の誓い」にも触れなかった

  近隣諸国に対しては1993年、細川護煕首相(当時)が初めて式辞で哀悼の意を表明して以来、歴代首相が「損害と苦痛」や「深い反省」に言及してきた。
  安倍首相は一方で、「わが国は世界をより良い場に変えるため、戦後間もない頃から、各国・各地域に支援の手を差し伸べてきた」と述べ、「世界の恒久平和に、あたう限り貢献し、万人が心豊かに暮らせる世を実現するよう、全力を尽くす」と訴えた・・・・。」(時事通信より)

2013年8月12日月曜日

東電不起訴を許すな!――何の津波対策もとらなかった東電免責はあり得ない

東電不起訴を許すな!――何の津波対策もとらなかった東電免責はあり得ない

東電不起訴を許すな!

みなさま
 福島原発告訴団弁護団の海渡です。弁護団として抗議の声明を昨日出しています。検察庁の不起訴の理由はひどいものです。また、この記事を読むと、告訴団が菅元首相を告訴しているように読めます。
 我々が主敵としてきたのは、東電と安全委員会、保安院、そして過剰な被ばくを強要した文科省、山下俊一氏らです。個人で告訴された方の中に菅元首相を告訴した方もいましたが、告訴団が告訴しているのは、以下の被告訴人目録のとおりで、菅元首相の告訴はしていません。

【拡散希望】朝日新聞報道を受けて。
http://kokuso-fukusimagenpatu.blogspot.jp/2013/08/blog-post_10.html

何の津波対策もとらなかった東電免責はあり得ない
河合 弘之(弁護士・福島原発告訴団弁護団代表)

去る8月9日朝日新聞朝刊に、月内にも福島原発事故について、我々が行っていた告訴・告発について不起訴処分がなされる方向で検察庁が調整に入っているという報道がなされた。記事において不起訴理由とされている点を取り上げ、告訴人らの考えを述べ、検察官・検察庁の再考を強く求めたい。

本紙報道によると不起訴の理由は、「事故と災害関連死との因果関係はないとは言い切れない。今回のM9規模の大地震と津波は、専門家の間で予測されていたと言えず、事前に想定できたのはM8.3までだった。巨大津波の発生と対策の必要性を明確に指摘していた専門家も少なかった。

東電が2008年に津波高さ15.7メートルと試算していた点についても、専門家の間で賛否が分かれ、東電も『実際には起きないだろう』と受け止め、対策を検討したものの、具体化は見送った。東電の津波対策は十分ではなかったものの、刑事責任を問うことは困難。」とされている。

検察官の立脚する予見可能性の議論には次の疑問がある。15.7メートルの津波は東電内部の検討において確かに試算されていた。この原発の想定津波高はわずか6メートルであった。この地域でマグニチュード8.3程度の地震と高さ10メートル程度の津波が来ることは、地震と津波の専門家なら、だれもが頷く普通の想定であった。

電源喪失を防止するための対策としては、防潮堤の設置だけでなく、外部電源の耐震性強化、非常用ディーゼル発電機とバッテリーの分散と高所設置等、構内電源設備の耐震性,耐津波性の強化など多様な措置がありえた。

浜岡原発においては、老朽化した1,2号機は耐震補強を断念し、2008年には廃炉の決定がなされていた。福島第1原発1-3号機についても、同様の措置は十分あり得た。にもかかわらず、東京電力は一切何の対策もとらなかった。予測されたレベルの地震と津波対策を講じたにもかかわらず、それが不十分であったわけではない。東京電力自身が、原子力改革特別タスクフォースの報告において、結果を回避できた可能性を認めているのだ。

事故以前の東京電力社内のすべての証拠を収集し、どのような検討がなされていたのかを解明するには、強制捜査による関係資料の押収が欠かせない。このことは、捜査機関として当然の責務だ。検察庁は、テレビ会議録画や社内メールなどの任意提出を受けただけで、今日まで強制捜査を実施していない。

多くの市民の生命と生活、生業を根こそぎ奪ったこの事故について、強制捜査もしないで捜査を終結するような事態は絶対にあってはならない。検察内部の良心が検察庁を揺り動かし、強制捜査の実施と起訴が実現することを心から願ってやまない。

被告訴・被告発人目録

1.勝俣 恒久 東京電力株式会社 取締役会長
2.皷 紀男 東京電力株式会社 取締役副社長
  福島原子力被災者支援 対策本部長 原子力・立地本部副本部長
3.西澤 俊夫 東京電力株式会社 取締役社長
4.相澤 善吾 東京電力株式会社 取締役副社長 原子力・立地本部長
5.小森 明生 東京電力株式会社 常務取締役
  原子力・立地本部副本部長兼福島第一安定化センター所長
6.清水 正孝 東京電力株式会社 前・取締役社長
7.藤原 万喜夫 東京電力株式会社 常任監査役・監査役会会長
8.武藤 栄 東京電力株式会社 前・取締役副社長原子力・立地本部長
9.武黒 一郎 東京電力株式会社 元・取締役副社長原子力・立地本部長
10.田村 滋美 東京電力株式会社 元・取締役会長倫理担当
11.服部 拓也 東京電力株式会社 元・取締役副社長
12.南 直哉 東京電力株式会社 元・取締役社長・電気事業連合会会長
13.荒木 浩 東京電力株式会社 元・取締役会長・日本経済団体連合会副会長
14.榎本 聰明 東京電力株式会社 元・取締役副社長原子力本部長
15.吉田 昌郎 東京電力株式会社 元・原子力設備管理部長、前・第一原発所長

16.班目 春樹 原子力安全委員会委員長
17.久木田 豊 同委員長代理
18.久住 静代 同委員
19.小山田 修 同委員
20.代谷 誠治 同委員
21.鈴木 篤之 前・同委員会委員長(現・日本原子力研究開発機構理事長)

22.寺坂 信昭 原子力安全・保安院長
23.松永 和夫 元・同院長(現・経済産業省事務次官)
24.広瀬 研吉 元・同院長(現・内閣参与)
25.衣笠 善博 東京工業大学名誉教授
(総合資源エネルギー調査会原子力安全・保安部会耐震・構造設計小委員 地震・津波・地質・地盤合同WGサブグループ「グループA」主査、総合資源エネルギー調査会原子力安全・保安部会耐震・構造設計小委員会地震・津波・地質・地盤合同WG委員)

26.近藤 駿介 原子力委員会委員長
27.板東 久美子 前・文部科学省生涯学習政策局長(現・同省高等教育局長)
28.山中 伸一 前・文部科学省初等中等教育局長(現・文部科学審議官)
29.合田 隆史 前・文部科学省科学技術政策局長(現・同省生涯学習政策局長)
30.布村 幸彦 前・文部科学省スポーツ・青少年局長(現・同省初等中等教育局長)

31.山下 俊一 福島県放射線健康リスク管理アドバイザー
   (福島県立医科大学副学長、日本甲状腺学会理事長)
32.神谷 研二 福島県放射線健康リスク管理アドバイザー
   (福島県立医科大学副学長、広島大学原爆放射線医科学研究所長)
33.高村 昇 福島県放射線健康リスク管理アドバイザー
   (長崎大学大学院医歯薬学総合研究科教授)


「批評する工房のパレット」内の関連ページ
⇒「ベント「失敗」?---東電の刑事責任追及の可能性 」 (2011, 6/25)

現代の戦争と蘇る『知識人の裏切り』 

現代の戦争と蘇る『知識人の裏切り』

  人間は、五〇か月しか続かず、各国ごとに二〇〇万人しか殺さなかった戦争のために、価値観の修正はしないだろう。
    ジュリアン・バンダ  『知識人の裏切り』(一九二七年刊)

 おそらく、五年続き、二〇〇〇万人を殺した戦争のためでも、修正はしないだろう。
    ジュリアン・バンダ  (同書、一九四六年版の注)


はじめに――終わりなき戦争と介入の時代

 フランスの思想家、ジュリアン・バンダは正しかった。
 『知識人の裏切り』は、第一次と第二次の世界大戦の合間、一九二〇年代半ばに書かれた。そして、「各国ごとに二〇〇万人しか殺さなかった戦争」を二度とくり返すまいと、当時の主だった国々が誓ったはずの「パリ不戦条約」(一九二八年)の前年に出版されている。

 第一次大戦の勃発(一九一四年)から一世紀、不戦の誓いの甲斐なく「二〇〇〇万人を殺した戦争」(実際には約七〇〇〇万人、その内四分の三が一般市民だったと言われている)の終結から、まもなく七〇年をまもなく迎えようとする今も、人間はバンダの予言通り「価値観の修正」をしていない。

 「修正せよ」という声はこれまでもあったし、今もある。これからもそうだろう。
 しかし、おそらく人間はこれからも相当、長期にわたり「価値観の修正」をしようとしないだろう。
  いや、できないだろう。そう考える根拠はいくつかあるが、一番大きいのは戦争の「価値観」がバンダの時代からほとんど何も変わっていないことである。
 現代の終わりなき戦争と介入の「価値観」と、バンダが生きた時代のそれを対照しながら、検証してみよう。

 一九九〇年代初期からこの二〇年の間に、それ以前にはなかった戦争=国家の武力行使のパターンが三つ登場した。

・人道的軍事介入(一九九三年のソマリア以後)、
・対テロ戦争(二〇〇一年のアフガニスタン以後)、
・一般市民(文民)を「保護する責任」の名による武力行使(二〇一一年のリビア以後)、の三つである。

 第二次大戦後、人間は、国連憲章の下で、第二次大戦の一応の反省から、国家が武力行使できる条件を一応は制限しようとした。その条件とは、
①侵略に対する「自衛権」の行使(「個別的」かつ「集団的」なそれ)か、
②侵略された国家が単独では侵略を阻止できない場合に、第三国が「国際の平和と安全」を守る「国連軍」(現在も存在しない)に参加し武力行使する、のいずれかである。

 国際法は、後者を国連の「集団安全保障」と呼び、個別の国家間で結ばれる軍事同盟の下での「集団的自衛権」の行使と形式的に使い分けてきたのだが、このような「一応の反省」と「一応の制限」は結局、何の反省にも制限にもならなかった。そのことは、一九四五年から九〇年代初期までの間に世界各地でくり返された、さまざまな戦争の歴史が端的に物語っている。

 「それは共産主義のせいだ、いや帝国主義のせいだ」といった「悪者探し」をすることがここでの本意ではない。人間が現在に至るも、核兵器の非人道性ばかりか、武力行使の非人道性という普遍的価値を人類共通の価値観にできていないこと、そのことを、読者とともにまず正視することが目的である。

 現代の人間は、ある国家による侵略行為に対する武力行使に加え、右にみた「三つのパターン」の武力行使が国際法的に「合法」とされる時代に生きている。
 前者についてもっと正確に言えば、特定の国家が定義する「侵略を未然に防ぐ、予防的な自衛権の行使」としての武力行使までが、国際法的に違法とはされない状況が出現している。
 たとえば、イスラエルによるレバノン、ヨルダン、占領下のパレスチナに対する空爆、また世界各地で米軍が単独で行ってきた「対テロ戦争」がこれに該当する。

 米軍は、軍事同盟国の後方支援を受け、各諜報機関と連携しながらも、巡航ミサイルによる空爆(二〇〇八年ソマリア)や無人攻撃機による爆撃(アフガニスタン、パキスタン、イエメン・・・)などの武力行使を現在もなお、単独で継続している。国際法違反の武力行使が違法とされない国際政治と国際法のリアリズムがここにある。

  また、人道的軍事介入と「保護する責任」に基づく武力行使については、国連安保理常任理事五カ国(米国、中国、フランス、ロシア、イギリス P5)のどれか一国が、全体の合意を覆す拒否権を発動せず、安保理としての武力行使「決議」が通りさえすれば実行できる国際法的環境が、すでに作られている。

 要は、武力行使を主に担う国家(米国、フランス・・・)の政治判断と軍事態勢の整備状況次第で、いつでも、自由に武力行使が実行できるということだ。近年ではリビアとコートジボアール(二〇一一年)、マリ(二〇一三年)の事例がこれに該当する。
 「人道」や「人権」など、「普遍的価値」を掲げた戦争の時代の本格的幕開けである。


Ⅰ 「戦後レジームからの脱却」?――湧きおこる戦争の言説


 二〇一三年七月の参議院選挙後、安倍=麻生政権の下で進行する日本の政治動向も、以上みた国家の武力行使をめぐる国際的な変化と決して無関係ではない。

 二〇一三年八月九日現在、「自衛権」(「主権」防衛)のための武力行使と、「国際の平和と安全/安定」のための武力行使を切り離し、「集団的自衛権」の行使を可能にしようという動きが加速している。

 「原子力ムラ」ならぬ「日米同盟ムラ」は、改憲→自衛隊の「国防軍」化を実現する前に、憲法九条の下で、海外における他国の武力行使と一体化した自衛隊の活動展開をめざすとともに、さらにその先に自衛隊自身による武力行使を可能とする新たな解釈改憲に向けた準備を進めている。

  しかし、憲法九条の下で、自衛隊が米軍をはじめとした他国の軍隊と「集団的自衛権」を行使できるという憲法解釈が成り立つのであれば(政府与党たる「平和の公明党」はすでにそうした憲法解釈を打ち出している)、そもそも九条改定や憲法への「国防軍」規定の挿入などは、まったく無意味なものになってしまう。もしも自衛隊が、他国の軍隊と同じことができるなら、名前を変えずして自衛隊はリッパな軍隊になるからだ。

 「戦後レジームからの脱却」を「自主憲法制定」を中心にめざすとする安倍首相個人の思想・信条や、いっそう保守化(国粋化?)した新生自民党の綱領に一見沿わない形、つまりは「戦後レジーム」の枠組みと戦後憲法を保持する形でこうした事態が進展している事実に、「価値観の修正」を求める人間は目を向けておく必要があるだろう。

 現代日本は、憲法九条がもはや〈平和のエンジェル〉たりえず、「九条を守れ」「九条を世界に」と言うだけでは〈平和〉を守ることはできない、そういう時代に――実際にはかなり以前から――入っているのである。

 とは言っても、福島第一原発のメルトダウン→核爆発→メルトスル―が起こらなければ「原発の安全神話」(?)から目覚めなかったように、どれだけ外国人が戦争で殺されようと、日本全土を震撼させるような大量の日本人犠牲者が出ることがなければ、「戦後」日本を形造ってきた二つの神話――「日米安保が日本を守る」/「憲法九条が日本を守る」から日本人が目覚めることはないのかもしれない。

 実際には自衛隊員以外の、多数の犠牲者がすでに出ており、「メルトダウン」に向かう兆候は十分に現れているのだが、警鐘を鳴らすべき「知識人」の多くはそれに無頓着であるようだ。

 今、日本の「知識人」の中で何が起こっているのか?
 事態の深刻さを共有するために、ここで「現代の戦争と平和」を論じた一冊の本を紹介しておこう。『戦争の条件』(藤原帰一著、集英社新書、二〇一三)がそれである。


 『戦争の条件』?

  「国際政治学」を専門とし、メディアにも頻繁に登場する東京大学大学院教授によるこの書は、「戦争の条件を考え抜くことで、逆説的に平和の条件に至る道を模索」することが目的とされている。そしてその第一章のタイトルは、「戦争が必要なとき」となっている。

 「価値観の修正」を追求しようとこの書を手にした人は、本を開いた瞬間に混乱してしまうだろう。なぜなら、戦争を前提にして「模索」の旅を始めてしまえば、そこからどのような「道」を辿ろうと、その先で到達する平和は、常に戦争を前提したものになってしまうからだ。

 読者は、権威ある国際政治学者が言うところの「戦争の条件」と「平和の条件」がメビウスの環となった、どこにも出口(答え)のない異様な旅の随行者になることを強いられる。
 それは常に「戦争の条件」によって重心が取られ、「戦争が必要なとき」、と著者が定義する「はじまり」に還ってゆく、この書のシナリオの必然的な帰結である。「逆説」でも何でもない。

 著者にしてみれば、まさにそれこそが「平和のリアリズム」だと言いたいのかもしれない。
 しかしそれでは、「価値観の修正」は永遠にできないことになる。人間はこれからも戦争の歴史、その価値観を変えることはできないし、変えようがなくなってしまう。
 なぜ、そうなるのか? もう少し、著者が誘う「リアリズム」の世界を覘いてみよう。

 第一章「戦争が必要なとき」に、「現代の戦争と「保護する責任」」という節がある。
 藤原氏はここで、「現代戦争の多くは、「保護する責任」抜きには説明できない」、そしてこれが「国際機構で叫ばれている理念であるばかりか、すでに国際政治の現実の一部を構成している」との認識を示したうえで、次のように述べている。

 「「保護する責任」に基づいた人道的介入は、各国それぞれの領土、安全、国益などの個別利益ではなく、普遍的人権の尊重を中核とした、優れて普遍主義的な理念によって支えられている」

 要するに、氏はここで、「保護する責任」に基づく「現代の戦争」を「必要」だと言っているのである。
 「「必要」と解釈する政治家、官僚、学者、国際NGOが世界にも日本にも存在する」と、客観的かつクリティカルな読者の思索を導く材料の提供としてではなく、「東京大学大学院教授」としての氏自身の価値判断としてそう言明しているのである。

 「保護する責任」や人道的軍事介入に対するこのよう言明が「正しい」と言えるかどうか、またそれらがどのような問題をはらんでいるかについては、これまで何度も書いてきたので、ここでは立ち入らない。
 ここでは、市民の「保護」を口実とした武力行使は、一九世紀以降何度もくり返されてきたことであって、「保護する責任」という概念自体に何の新しさもない、という点を指摘するにとどめておきたい。

 過去と現在で変わったのは、「保護」の対象、その実行主体の拡張と、武力行使を容認する新たな国際法上の規範としてこれが利用されることになったこと、この三点である。具体的には、

①「保護」の対象が武力行使を行う国家の市民か、それとも他国のそれをも含むか、
②一国の軍隊が武力行使をするか、それとも国際機構の「決議」(お墨付き)の下で同盟軍+有志連合軍がするか、
③それが一国の「個別利益」に基づくか、それとも「普遍的価値」として表現される複数の国々の「共同利益」基づくか、以上の三点の変化である。

  「保護」する対象と実行主体の拡張によって実現される、武力不行使原則の規制緩和(自由化)。これが「普遍的人権」という理念を剥ぎ取った後に露わになる「保護する責任」の実態である。
 バンダが言う「平和の大義」からみれば、これはその進化ではなく無限後退と言うべきである。

 P5や主要国連加盟国が、もしも本当に世界各地の市民を保護する責任を果たそうとするなら、武力行使以前にやるべきことは山ほどある。思いつくものをざっと挙げるだけも、

・「絶対悪としての核兵器」(松井一実広島市長、二〇一三年八月六日)の早期廃絶、
・強力な国際法的拘束力を持った軍縮の推進、
・軍事同盟の漸進的解消と一体化した世界的な脱軍事化、
・これまでの「武器」概念では武器扱いされないロボット・遠隔操作兵器を含む武器貿易・軍事援助規制の一層の強化、

等々の施策に始まり、国家が市民を守るために果たすべき政治・経済・法律・社会政策全般に及ぶ責任は数えきれない。

 世界の主要国家は冷戦崩壊以後もずっとその責任から逃れようと腐心してきたとしか言えず、「保護する責任」はそのための新たな方便として世界サミットの「成果文書」に書き込まれ(二〇〇五年)、その翌年の国連安保理の「決議」の中に盛り込まれた、と見る方が事の真相を捉えていると思えるのだが、「保護する責任」を無条件で讃美する大学「知識人」はそうは考えないようだ。

 現代に生きる人間が「価値観の修正」を模索し、武力行使の自由化を阻むためには、核兵器はもちろん、古典的武器概念ではもはや捉えきれない兵器体系によって実行される現代の武力行使の非人道性をまず理解しなければ、話が先に進みようがない。

 その上で、今こそ「戦争が必要なとき」と主張する世界の政治エリートに対し、その「条件」が成立していると言えるかどうかを吟味し、「条件」に矛盾があればその根拠をつきとめ、「成立する」という主張を崩す論拠を思索しなければならない。

 それが、非人道的な武力行使を、果てしなくくり返そうとする価値観に抗いうる〈知〉の在り処を、学生とともに思索し、模索すべき大学「知識人の責任」というものではないのか。
 しかし、ここでも「国際政治学」を現代日本の大学、とりわけ旧帝大系の大学で教える「知識人」の多くは、そのようには考えないようなのだ。 

 そもそも戦争が平和の名において正当化される時代において、「戦争」と「平和」は対概念たりえない。だからこれらを両天秤にかけようとする/読者にそのように仕向ける問題構制そのものが誤っているのだが、おそらくそんなことは十分承知の上で著者は意図的にこの構制をとっている。
 なぜそうなるのかと言えば、現代の戦争を捉えるキーワードたる「国際政治や国際法が「合法」と認める国家の武力行使」を著者が追認してしまっているからである。

 「保護する責任」に対する著者の価値判断が如実に物語っているように、『戦争の条件』は、「平和の条件」が「戦争の条件」によって相対化された後に打ち消され、永遠の彼方に追いやられてゆく「構制」になっている。その結果、この書は見かけの上では「客観性」を装いつつも、一大学教授個人の価値観のさらなる追認を読者に迫る、きわめてイデオロギッシュな本に仕上がっている。

 このような「権威ある知」に、さながら集団感染状態の現代日本において、「価値観の修正」は可能だろうか?
 可能だとして、それまでにどれだけの年月を費やし、どれだけの人間が国家と武装勢力の戦闘行為によって殺されることになるのか?
 日本人のみならず現代の人間は、そういう深刻な事態に直面しているのである。

8/9, 2013 中野憲志 

⇒「現代の戦争と蘇る『知識人の裏切り』  (Ⅱ) 」へ
 

2013年8月11日日曜日

シリアの平和を願う署名 キャンペーン

シリアの平和を願う署名 キャンペーン

 この度サダーカで は「Change.org」という電子署名サイトを使用し、シリアの平和を願う署名 キャンペーンを実施します。

 これは、普段はシリアの紛争または難民支援というものになじみのない方にも、署名というアクションを起こしていた だくことで、 「関わりのきっかけ」としていただくことを第一の目的とし、署名の数が平和をもたらす直接的材料になりうるかはあえて二次的なものとしています。

 今回の署 名で使用する「Change.org」は、署名後に自らのSNSFacebookTwitter等)で「署名をした」という行為を発信することが可能で、署名者のSNSを通じて、実際の署名数の何十倍の人々へシリアの現状を発信することが可能です。

 また、 署名が盛り上がれば、その結果を更に別の形で発展させる方法も考えており、下火となっているシリアについての関心を高めるきっかけにしたいと も考えています。

 署名サイトリンク:
https://www.change.org/peace_for_syria

 本キャン ペーン用のバナーも準備しておりますの で、是非ともホームページにてバナーを貼っていただける団体や個人もご紹介いただければ幸甚に存じます。  ご不明点等あれば、どうぞご連絡くださ い。
 以上、よろしくお願いします。


田村雅文
サダーカ代表
https://www.facebook.com/sadaqasyria.jp
http://www.sadaqasyria.jp/index.html

2013年8月9日金曜日

柏崎刈羽原発6・7号機の「フィルターベント」設置問題

柏崎刈羽原発6・7号機の「フィルターベント」設置問題

● 柏崎市と刈羽村が事前了解 フィルター付きベント設備の設置 (8月7日、新潟日報)
http://www.niigata-nippo.co.jp/news/national/20130807059390.html

● 柏崎市のベント設置了解に対する知事のコメント
http://www.pref.niigata.lg.jp/genshiryoku/1356765624987.html
 本日、柏崎市から、柏崎刈羽原子力発電所の6号機、7号機におけるフィルタベント設備設置に関し、回答したい旨の連絡がありましたので、県としての考え方をお伝えしました。
 

 フィルタベント設備は、放射性物質を、薄めるとはいえ外部に放出する設備です。事故時の対応を考えれば、設備のハード面だけでなく、その運用面も含めた安全性の確認が必要です。
 住民被ばくを避けるためには、避難の難易により、どの程度の性能を持たせるべきかの検討が必要であり、その性能等について、変更の余地がある段階で協議をすることが必要であると考えています。

 新規制基準はあくまで最低限の基準です。また、原発の性能基準としてのみ審査するのであれば別ですが、自治体と合意がないまま、原子力規制委員会が住民被ばくを避けるかという観点で審査することは困難と考えています。

 なお、先日、福島の汚染水の取り扱いと情報発信に関して、廣瀬社長は自ら「3.11の教訓を学んで対応できていない」と発言した旨報道されており、原子力発電所を運営する企業として信頼に足る会社なのかも疑問です。現状において、県民の皆様にとても説明できる状況にありません。
 

 県としては、東京電力が立地地域との信頼の根底である安全協定を守り、適合審査の申請前に事前了解を得ることを求めます。

◎知事へのたより→http://www.pref.niigata.lg.jp/kouhou/1193760968244.html

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【参考】
2013年8月7日
柏崎市長 会田 洋 様
刈羽村長 品田 宏夫 様

原発からいのちとふるさとを守る県民の会
 新潟市中央区新光町6-2 県平和センター内
柏崎刈羽原発反対地元三団体
 柏崎市扇町2-15 柏崎地区労内

 柏崎刈羽原発6・7号機のフィルターベント設備設置に係る事前了解に対する抗議と撤回を求める申入れ

 貴職は、昨日付で東京電力株式会社に対し、「安全協定」第3条の規定に基づく標記フィルターベント設備設置について、事前了解の回答をされました。私たちはこのことについて、村民、市民、県民を代表し、強く抗議するとともに回答の撤回を求めます。

 ご承知のとおり、東京電力福島第一原発事故は、収束はおろか今なお放射性物質を放出し続けており、その被害と影響は日に日に深刻さを増しています。
 フィルターベント設備を設置することは、重大事故時に村民、市民はもとより県下に放射能を放出し、住民に被ばくを強いることであり、住民がどの程度被ばくすることになるのか、避難をすることができるのか等について、住民に詳しく説明し、村民、市民らの了解を得たうえで判断すべきものです。
 村民、市民、県民への説明もなく、また、前述のような状況の中で出された今回の事前了解の回答は住民無視以外の何物でもなく、到底受け入れられるものではありません。

 そもそも東京電力が柏崎刈羽原発について新規制基準への適合申請を出そうとすること自体、被災地の福島県民はもとより、いのちの安全を第一義とする国民にとって許すことのできない言動であることを十分斟酌すべきものです。
 また、最近発覚した汚染水の海洋への流出に対する対応にみられるように、東京電力の企業体質は2002年の不祥事発覚以来まったく変わっていません。東京電力には、これ以上原発を運転する企業としての信頼も資格も能力も権利もない、と言わざるを得ません。

 私たちは、そもそも新規制基準について大きな疑問を持っています。原子力規制委員会委員長は「世界最高水準」と言っていますが、福島第一原発事故の検証も進まない中、拙速に策定した規制基準であり、また住民の被ばくを避ける原子力防災の視点が抜け落ちています。
 仮に、新規制基準に適合したとしても到底原発の安全を確保することには足り得ず、村民、市民、県民の安全確保は図れないことに思いを致すべきです。

・・・・・
● 会田市長への手紙→http://www.city.kashiwazaki.niigata.jp/detail/658041230.html
● 刈羽村役場 ファックス番号:0257-45-2818

2013年8月7日水曜日

元東電社員が告発する福島原発事故の真相

元東電社員が告発する福島原発事故の真相

 「まだ運転できる段階にないと思う。ほとんどの重要機器が格納容器の中に入ってるわけだから。 そん中がまだ近づけない状況において、 故障原因もどれがどのくらい壊れたのかさえもまだ洗い出してないのに、 格納容器の蓋さえも開いてない状況で「安全だ、妥当だ」って、よく言えるもんだよね。

 発電所の運転管理する上では、例えば運転日誌を書き換えたりとか、そういうことはやってましたね・・・」

・・・
 元東京電力社員・木村俊雄さん(注1)が、東京電力の福島原発事故評価報告書の不備(注2)を指摘して、事故の真相(格納容器内配管破断による事故進展の可能性)を記者会見で告発した。
(注1) 木村俊雄:元東京電力福島第1原発の技術員で、現在、高知県幡多郡に移住。経歴と再稼働についての意見は以下のURL参照方。
http://www.youtube.com/watch?v=AgUz0G00e2w
(注2) 後藤政志さんが記者会見に同席して、事故を解説した。東電、規制当局が
 「津波がすべての事故原因であり、津波到着以前の地震による格納容器内配管破断はなかった。事故再発防止として津波対策さえすればよい。再稼働できる」
というのなら、航空機のボイスレコーダに相当する「過渡現象記録装置」の全てのデータ、即ち、

・著しい原子炉水位低下データ(ワイドレンジ水位計)、
・炉水温度計データ、格納容器内温度上昇データ、
・サプレッション温度上昇データ、
・格納容器サンプ水位計変動データと床ドレンサンプポンプ起動停止(くみ出し)との関係、
・排気筒放射線モニターの指示値変動、
・CRDハウジング温度上昇等々、
全てのデータを開示して、格納容器内配管破断との関係をきちんと説明する必要がある。

 「津波だけがすべての事故原因」というシナリオをでっち上げるために都合のよいデータを使用した報告書はダメ。また、大LOCAよりも小LOCAのほうが危険。
 東電社員は、エンジニアとしての良心はないのか。

◎元東京電力社員・木村俊雄 が告発する福島原発事故の真相1/2
http://www.youtube.com/watch?v=E0vuaqOYFZ0
◎元東京電力社員・木村俊雄 が告発する福島原発事故の真相2/2
http://www.youtube.com/watch?v=6wyssg2pXtE

(藤原節男(原子力公益通報者、原子力ドンキホーテ)さんより)

汚染水を止めて!48時間緊急署名

汚染水を止めて!48時間緊急署名

【緊急署名】
●これ以上、海を汚さないでください
●政府は汚染水を止めることに集中してください
●規制委・規制庁は、原発の再稼働審査を中断し、汚染水対策を優先してください
※締切:8月8日(木)朝9時

【個人署名】
フォーム1
https://pro.form-mailer.jp/fms/18534d4846287
フォーム2
http://goo.gl/fyHjPZ

【団体賛同】
https://pro.form-mailer.jp/fms/f21b5ad846288

【呼びかけ団体】:
原子力規制を監視する市民の会
福島老朽原発を考える会
プルトニウムなんていらないよ!東京
グリーンピース・ジャパン
ハイロアクション福島
脱原発福島ネットワーク
サーフライダーファウンデーション
グリーン・アクション
美浜・大飯・高浜原発に反対する大阪の会(美浜の会)
FoE Japan

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汚染水問題で緊急集会と政府交渉 
 海を汚さないで!国は再稼働よりも放射能汚染対策に注力を!
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 東京電力福島第一原発の汚染水流出が深刻な事態です。6月以降観測用井戸から高濃度の放射能が検出され海への流出が続いていましたが、東電は参議院選挙後までその事実を認めませんでした。海の汚染は着実に広がっています。
 原子力規制委員会は止水対策を直ちに実施するよう東電に求めています。しかし、東電まかせにすること自体が間違いで、国が責任をもった取り組みが問われています。

 国はあらゆる人的資源、施策を汚染水対策に集中させるべきではないでしょうか。
 汚染水の状況はどのようになっているのでしょうか?
 国のなすべきことは何でしょうか?
 集会および交渉を開催しますので、ぜひご参加ください。

◆日時:8月8日(木)
13:30~15:00 集会
15:00~16:30 規制庁他政府交渉(予定・調整中)
◆場所:参議院議員会館101
(最寄駅:東京メトロ・永田町駅・国会議事堂前駅)

◆内容(予定、敬称略):
福島第一原発の汚染水の現状木野龍逸/ジャーナリスト
漁業者の立場から(調整中)
海産物への放射能拡散状況と、国際条約の観点から 高田久代/グリーンピース・ジャパン
資源エネルギー庁/規制庁への緊急署名提出(調整中)
資源エネルギー庁/規制庁との質疑(調整中)など

◆資料代:500円
◆申込:資料準備の関係上、下記からお申込みください。
https://pro.form-mailer.jp/fms/6483043945737

◆主催:
原子力規制を監視する市民の会
福島老朽原発を考える会
プルトニウムなんていらないよ!東京
グリーンピース・ジャパン
ハイロアクション福島
脱原発福島ネットワーク
サーフライダーファウンデーション
グリーン・アクション
美浜・大飯・高浜原発に反対する大阪の会(美浜の会)
FoE Japan

◆問い合わせ先:
福島老朽原発を考える会 阪上 
FoE Japan 満田 

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関連情報
●映像
「再稼働注力より現状打開を 汚染水対策遅れに批判」(ANN:テレビ朝日系)
http://www.youtube.com/watch?v=oY95fURXVJ4
●記事
「汚染水「貯水に限界」 田中氏、基準以下の海放出へ見解」(福島民友)
http://www.minyu-net.com/news/news/0802/news8.html
●「福島第1の汚染地下水、遮水壁上回った可能性高い=原子力規制庁」(ロイター)
http://jp.reuters.com/article/businessNews/idJPTYE97406420130805
●「福島第一、汚染水封じ込めピンチ 地中の壁で地下水急増」(朝日新聞)
http://www.asahi.com/national/update/0803/TKY201308030013.html