2013年8月9日金曜日

柏崎刈羽原発6・7号機の「フィルターベント」設置問題

柏崎刈羽原発6・7号機の「フィルターベント」設置問題

● 柏崎市と刈羽村が事前了解 フィルター付きベント設備の設置 (8月7日、新潟日報)
http://www.niigata-nippo.co.jp/news/national/20130807059390.html

● 柏崎市のベント設置了解に対する知事のコメント
http://www.pref.niigata.lg.jp/genshiryoku/1356765624987.html
 本日、柏崎市から、柏崎刈羽原子力発電所の6号機、7号機におけるフィルタベント設備設置に関し、回答したい旨の連絡がありましたので、県としての考え方をお伝えしました。
 

 フィルタベント設備は、放射性物質を、薄めるとはいえ外部に放出する設備です。事故時の対応を考えれば、設備のハード面だけでなく、その運用面も含めた安全性の確認が必要です。
 住民被ばくを避けるためには、避難の難易により、どの程度の性能を持たせるべきかの検討が必要であり、その性能等について、変更の余地がある段階で協議をすることが必要であると考えています。

 新規制基準はあくまで最低限の基準です。また、原発の性能基準としてのみ審査するのであれば別ですが、自治体と合意がないまま、原子力規制委員会が住民被ばくを避けるかという観点で審査することは困難と考えています。

 なお、先日、福島の汚染水の取り扱いと情報発信に関して、廣瀬社長は自ら「3.11の教訓を学んで対応できていない」と発言した旨報道されており、原子力発電所を運営する企業として信頼に足る会社なのかも疑問です。現状において、県民の皆様にとても説明できる状況にありません。
 

 県としては、東京電力が立地地域との信頼の根底である安全協定を守り、適合審査の申請前に事前了解を得ることを求めます。

◎知事へのたより→http://www.pref.niigata.lg.jp/kouhou/1193760968244.html

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【参考】
2013年8月7日
柏崎市長 会田 洋 様
刈羽村長 品田 宏夫 様

原発からいのちとふるさとを守る県民の会
 新潟市中央区新光町6-2 県平和センター内
柏崎刈羽原発反対地元三団体
 柏崎市扇町2-15 柏崎地区労内

 柏崎刈羽原発6・7号機のフィルターベント設備設置に係る事前了解に対する抗議と撤回を求める申入れ

 貴職は、昨日付で東京電力株式会社に対し、「安全協定」第3条の規定に基づく標記フィルターベント設備設置について、事前了解の回答をされました。私たちはこのことについて、村民、市民、県民を代表し、強く抗議するとともに回答の撤回を求めます。

 ご承知のとおり、東京電力福島第一原発事故は、収束はおろか今なお放射性物質を放出し続けており、その被害と影響は日に日に深刻さを増しています。
 フィルターベント設備を設置することは、重大事故時に村民、市民はもとより県下に放射能を放出し、住民に被ばくを強いることであり、住民がどの程度被ばくすることになるのか、避難をすることができるのか等について、住民に詳しく説明し、村民、市民らの了解を得たうえで判断すべきものです。
 村民、市民、県民への説明もなく、また、前述のような状況の中で出された今回の事前了解の回答は住民無視以外の何物でもなく、到底受け入れられるものではありません。

 そもそも東京電力が柏崎刈羽原発について新規制基準への適合申請を出そうとすること自体、被災地の福島県民はもとより、いのちの安全を第一義とする国民にとって許すことのできない言動であることを十分斟酌すべきものです。
 また、最近発覚した汚染水の海洋への流出に対する対応にみられるように、東京電力の企業体質は2002年の不祥事発覚以来まったく変わっていません。東京電力には、これ以上原発を運転する企業としての信頼も資格も能力も権利もない、と言わざるを得ません。

 私たちは、そもそも新規制基準について大きな疑問を持っています。原子力規制委員会委員長は「世界最高水準」と言っていますが、福島第一原発事故の検証も進まない中、拙速に策定した規制基準であり、また住民の被ばくを避ける原子力防災の視点が抜け落ちています。
 仮に、新規制基準に適合したとしても到底原発の安全を確保することには足り得ず、村民、市民、県民の安全確保は図れないことに思いを致すべきです。

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● 会田市長への手紙→http://www.city.kashiwazaki.niigata.jp/detail/658041230.html
● 刈羽村役場 ファックス番号:0257-45-2818