2013年8月24日土曜日

スノーデン事件から見えてきた監視国家アメリカ、そして日本

 スノーデン事件から見えてきた監視国家アメリカ、そして日本
 -秘密保全法制と盗聴法拡大・共謀罪とアメリカの影-

■日時 2013年年9月17日(火)18時30分~20時45分
■会場 渋谷区勤労福祉会館第一洋室
(JR渋谷駅から徒歩8分、渋谷区神南1-19-8) http://www.city.shibuya.tokyo.jp/est/kinro.html

■お話し
・臺 宏士さん(毎日新聞記者)
「スノーデン事件からみたアメリカの情報収集網と秘密保全法制
―アメリカジャーナリズムの危機と日本の報道機関に求められるもの」
・海渡雄一さん(弁護士)
「秘密保全法制と共謀罪、盗聴法拡大に共通する監視強化とアメリカの影
―アメリカ刑事司法の闇が日本に伝染しつつある」

■発言
 日本マスコミ文化情報労組会議 ほか
■参加費 500円
■共催
盗聴法に反対する市民連絡会 090-2669-4219 (久保)
東京共同法律事務所(海渡雄一・中川亮) 03-3341-3133
日本国民救援会 03-5842-5842
反住基ネット連絡会 090-2302-4908 (白石)
日本マスコミ文化情報労組会議(MIC) 03-3816-2988
新聞労連

☆暴かれた政府の監視
 NSA(アメリカの「国家安全保障局」)の契約先の技術者であったエドワード・スノーデン氏は、2013年6月、米ワシントンポスト紙と英ガーディアン紙に情報を提供し、NSAがあらたに開発したプリズムというシステムを使って、Microsoft、米Yahoo、Google、YouTube、Appleなど大手のIT企業9社から網羅的にデータを収集していたという事実を暴露した。
 NSAはこれらの会社の保有するサーバーなどに自由にアクセスすることができたという。 また、NSAのメール解読ソフトによって集積されていたデータから、メールの履歴だけでなく内容まで読むことができるとされている。

 米政府は、この情報の収集は議会の秘密委員会の許可を得ていたとし、アメリカ市民の情報は原則として取得していないなどとしているが、ほとんど無限定で膨大な情報がNSAのもとに集積されていた。 そして、この情報は20ヶ国を超える国が恩恵を受けていたことが明らかにされている。この20ヶ国には日本も含まれていると見なければならない。
 FBIは、同氏に対するスパイ防止法(日本で提案されている秘密保全法制の母法)違反容疑での犯罪捜査を開始したが、このような市民のプライバシーを大規模に侵害するシステムそのものの廃棄を求める声も高まっており、アメリカ自由人権協会はシステムの差し止めを求める訴訟を提起した。

☆日本も監視国家に
 日本では、この秋にも秘密保全法制の国会提出が予定されており、共謀罪の再提出の可能性もある。えん罪を防ぐための取調べの可視化や証拠開示について話し合う場であったはずの法制審議会新時代の刑事司法特別部会では、盗聴法の対象罪種の拡大や立会省略、警察施設内での盗聴実施、室内盗聴への拡大などが話し合われている。

 秘密保全法制は安全保障会議を年内に設置し、日米の軍事機密を共有化する前提として提案するとされている。共謀罪も一般には国連条約の批准のためといわれるが、実際にはアメリカからの強い要望が背景にある。盗聴法の導入もアメリカに見習うためとされた。

 世界一の監視国家アメリカの姿は、これに追随する日本の明日の姿である。秘密保全法制×共謀罪×盗聴法の拡大の先には、表現の自由を否定し、戦争への道を開く憲法改正が目指されている。スノーデン事件と「プリズム」の仕組みを前提として、日本における秘密保全法制と共謀罪、登頂法の拡大との闘いの課題を探りたい。

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●9月3日から17日まで、政府が秘密保全法のパブコメ募集を開始。
●電子政府総合窓口(イーカイブ))
パブリックコメント:意見募集中案件一覧  http://search.e-gov.go.jp/servlet/Public
  ↓
「特定秘密の保護に関する法律案の概要」に対する意見募集
 
●秘密保全法に反対する愛知の会ブログ http://nohimityu.exblog.jp/
・秘密保全法に反対する愛知の会ニュース
最新号「極秘通信」No5 発行(下の記事中にPDFファイルリンクあり)
http://nohimityu.exblog.jp/20676670/

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9/7
日米両政府、指紋情報を即時提供 テロ防止で、協定締結に合意
 テロなどの重大犯罪への関与が疑われる人物の入国を防ぐため、日米両政府は6日、犯罪者の指紋データベース情報を互いに即時提供する協定(PCSC協定)を結ぶことで合意した。
 米国が日本など査証(ビザ)申請を免除している37の国や地域に2国間協定の締結を求め、日本だけ合意に至っていなかった。指紋情報の提供はテロリストと疑われる渡航者のほか、逮捕した外国人容疑者の身元が特定できない場合などが想定される。
 年内に閣議決定し、警察庁が関係法令を整備した上、来年の通常国会での承認を目指す。実際に運用が始まるのは数年先になる見通し。(共同)

・ネット暗号:米英が解読…10年に実用化、個人情報を入手
 「英紙ガーディアン(電子版)は5日、米英両国の秘密情報機関が2010年にインターネット上の暗号(暗証番号やパスワードなど)解読技術を開発し、ネット銀行でのやりとりや医療記録などの個人情報を入手していたと報じた。電子メールや検索記録を傍受していることはわかっていたが、暗号で保護されている個人情報までも入手していたことがわかったのは初めて。・・・ロシアに亡命した中央情報局(CIA)元職員のエドワード・スノーデン容疑者の資料で判明した。

 米国家安全保障局(NSA)と英政府通信本部(GCHQ)は協力して、ネット関連企業が利用者の秘密を保持するために設定しているパスワードなどの暗号を破る技術を開発した。長年、スーパーコンピューターを使って研究され10年に実用化されたらしい。
 同紙によると、両機関はこうした活動について、テロ対策の一環と説明しているが、ネット専門家は、「すべてのネット利用者のプライバシーを犯している。また、暗号はネット上でのやりとりの基本であり、それを破ることはネット自体の信用を傷つける」と警告している。(毎日、ロンドン小倉孝保より)

9/5
・公明が自民に抗議 秘密保護法案で政府、事前了承取らず 「公明党の石井啓一政調会長は5日、国の機密情報を漏らした国家公務員らへの罰則強化を盛り込んだ「特定秘密保護法案」の概要について、政府が公明党側に説明しないまま国民からの意見公募を開始したのは問題だとして、自民党の高市早苗政調会長に電話で抗議した。
 石井氏によると、法案を所管する内閣情報調査室幹部が3日、「自民党のプロジェクトチームで法案概要が了解された。意見公募を始めたい」と同日からの実施を求めたのに対し、石井氏は「公明党はまだ概要を聞いていない。党内議論もしていないので認められない」と拒否・・・・」(産経より)

8/25
政務三役も漏えい処罰対象=防衛産業も、最長懲役10年 -特定秘密保全法案
 「政府が秋の臨時国会に提出する特定秘密保全法案で、安全保障や外交上の国の機密情報を漏えいした場合の罰則の適用対象に一般公務員だけでなく、閣僚や副大臣、政務官の政務三役や防衛産業などの民間企業の契約者も含めることが25日、分かった。罰則は最長で懲役10年。

 日本版NSC国家安全保障会議)設置に合わせた法整備で、米国など同盟国と高度な軍事や対テロ情報を共有する上で情報管理を徹底するのが目的だ。ただ、報道の自由やプライバシー保護を脅かしかねないとの懸念もある。
 法案では、公になっていないもののうち「漏えいがわが国の安全保障に著しく支障を与える恐れがあるもの」を特定秘密に指定する。 対象は別表で4分類され、
・「防衛」「外交」
・「外国の利益を図る目的の安全脅威活動の防止」
・「テロ活動の防止」が列挙されている。(時事通信より)