福島原発事故は「神の仕業」?---与謝野経財相の妄言
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福島第一原発事故は「神様の仕業としか説明できない」・・・。いかにも戦後の原子力行政の一翼を担ってきた人物らしい、政治的狙いが透けて見える発言だ。昨日(5/20)の閣議後に与謝野馨経済財政担当相が語った言葉である。与謝野氏は東電の津波対策に関しても「人間としては最高の知恵を働かせたと思っている」と語り、東電に事故の賠償責任を負わせるのは「不当だ」と重ねて強調したという。まさに妄言としか言いようがない。
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5/23
・東電、貞観大津波も過小評価か 4メートル未満と推定
東日本大震災の大津波の前例と指摘される869年の「貞観(じょうがん)の大津波」について、東京電力が福島県内の津波は4メートル未満と推定する調査結果をまとめていた。大津波の可能性を小さく評価する内容。22日から始まった日本地球惑星科学連合大会に発表を申し込んでいた。
東電は、2009年から10年にかけて、福島県内の5地点で貞観の大津波で運ばれた砂を調べた。この結果、南相馬市で高さ3メートルの地点に砂があったが、4メートルの地点では見つからなかったとして、津波が海岸に駆け上がった高さは「最大で4メートル未満」と結論づけた。 富岡町からいわき市にかけては津波で運ばれた砂は見つからず、「標高4~5メートルを超える津波はなかった可能性が高い」とした。(朝日)
・人の善意に期待、無責任…債権放棄で与謝野氏
与謝野経済財政相は22日のNHKの番組で、社会保障改革について「高齢者が増えるから、年金や医療、介護(の給付)は増える。超過需要を作らず、無駄(???)が発生しないような効率化をしなければいけない」と述べ、過剰サービスにならないよう何らかの手段で給付を抑える必要性を強調した。 また、「厚生労働省の案には、そういう厳しい話は出ていない」として、厚労省が政府の「社会保障改革に関する集中検討会議」(議長・菅首相)に提出した改革案が不十分だと指摘した。
東京電力の損害賠償を巡って枝野官房長官が金融機関に東電向け債権の一部放棄を求めていることについては、「金融機関の善意や良識に頼って(???)賠償スキーム(枠組み)を作るということは、甘いのではないか。人の善意に期待して物事を進めるのは、かえって無責任だ」と、改めて否定的な考えを示した。(読売)
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政府の賠償スキームが、被災者と納税者一般に対し「無責任」極まりないことは事実だが、それは与謝野氏の言う「無責任」の意味とはまったく違う。しかし、自らが閣僚を務める内閣が出した案を「無責任」と断言するのであれば、なぜ与謝野氏は菅内閣の閣僚を続けているのか、またなぜ菅民主党はそんな与謝野氏の辞任を促さないか? ご都合主義と言えばそれまでだが、日本の政治は不可解きわまりない。
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自らの過去の政治責任を不問にし、原発事故の東電の責任を免罪する。与謝野氏は、菅内閣内部で、①東電株主の「権利」とメガバンクの債権擁護、②「発送電分離」阻止、③電力企業大手による既存の「地域独占」体制護持、これらに向けて「世論」を形成・操作する、その政治的役割を演じている。「汚れ役」を自ら買ってでるという、タチの悪い政治的狂言劇だ。
これに関連し、全国銀行協会の奥正之会長(三井住友フィナンシャルグループ会長)は一昨日、枝野官房長官の「債権放棄」論に対し、格付け会社が東電の格付けを引き下げるなど「国内外の投資家がナーバス(神経質)になっている」と言い、「原子力発電所の賠償スキームが固まりつつある中、市場に波紋を呼ぶ発言がなぜ出るのか」と「不快感」をあらわにしたという。
与謝野氏の債権放棄論の否定の根拠は、「電力事業のように堅実な、公益性を持った事業にお金を貸すことに『貸し手責任』が発生することは理論上あり得ない」というものだ。しかしこれが原発事故=「神の仕業」とともに妄言に過ぎないことは明らかだ。「公益性を持った事業」を行う企業に対する投資/融資者は、その企業が滞りなく事業を展開しうるかどうかをも各自の責任において判断して投資/融資するのが資本主義社会の原則であるからだ。
言葉を換えると、日本の全電力会社に投資/融資している個人・法人は、会社がメルトダウンという最悪の原発事故を起こし、それによって数兆円規模の賠償責任を負いうるという「リスク」を前提にして投資/融資しなければならないのである。債権者が責めるべきは、債権者に債権放棄を迫るような事態を引き起こした東電であり、自らの損失を納税者一般に転嫁し、肩代わりさせようとするのはお門違いもはなはだしい。「投資にはリスクがつきもの」と個人投資をさんざん奨励しておきながら、自分たちはリスクを引き受けないというのは、あまりに虫がよすぎる議論ではないか?
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問題を複雑にしている要因のひとつは、何度も述べたように、政府が東電の責任を追及するばかりで、いわば東電と「共同責任」を追うべき政府の政治・行政責任を回避しようとしていることである。しかし、たとえば政治責任に関して言えば、
①菅内閣の全閣僚が、東電経営陣と同様に、議員報酬をゼロにする、
②政権交代以前の戦後原子力行政を推進してきた自民党(及び公明党)の執行部の責任問題を明確にする、
③与党経験党の国会議員の報酬を東電社員の減給と同率とする、などの案を菅政権が打ち出すなら、天文学的額に上るであろう賠償総額の一部を補完することも、納税者として議論することはありえるかも知れない。
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5/11
・原発事故「自民党にも責任」 石破氏、検証を提言
自民党の石破茂政調会長は11日、党本部で記者会見し、福島第1原発事故について、政権担当時に原発建設を積極推進した党にも一定の責任があるとの認識を示した。「自民党が与党として原子力政策を担ってきたことは事実だ。間違いを起こさない政党はない。私たちも何か誤りがあったのではないか」と述べた。 同時に「自民党としてどこが誤っており、それはなぜかをきちんと検証しなければ、政府を追及する資格がない」と指摘。谷垣禎一総裁ら党幹部と検証の在り方について協議したい考えを明らかにした。【共同通信】
5/28
・小泉元首相 原発事故 自民政権時代の責任に言及
小泉純一郎元首相は28日、神奈川県横須賀市の県立保健福祉大学で行われた「日本食育学会・学術大会」で講演し、東京電力福島第1原発の事故に関連して「自民党政権時代にも原発の安全性を信用して推進してきたが、過ちがあった」と語り、自民党政権時代の責任に言及した。小泉元首相はさらに、「原発を増やすのは無理。原発依存度を下げ、自然エネルギーの開発に力を入れるべきだ」と述べ、「既存の原発に安全対策をし、住民理解を得たものは維持、そうでない危険なものは廃炉を進めなければならない」と語った。【毎日・田中義宏】
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当然の発言だ。自民党に責任があるということは公明党にも責任があるということであり、自民党から分裂した諸派にも責任があるということだ。責任は当然、党と議員の賠償責任として問われるべきであり、元首相として、現政調会長として自身と党に問うべきである。
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また、原子力推進官僚機構の行政責任で言えば、
①少なくとも内閣府・経産省・文科省の課長補佐以上の、東電社員と同様の20%程度の減給、
②独立行政法人のさらなる廃止・統合・資産整理→国庫への返上、などが考えられるだろうか。
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・賠償問題で経産相 「国の積立金 転用も」
海江田万里経済産業相は17日の会見で、東京電力福島第一原発の被災者に支払う損害賠償に国の基金などを転用することについて、「使えるものがあれば使っていくつもりはある」と述べた。
政府が13日に公表した賠償枠組みでは支払い主体は東電で、原資は同社のリストラと電気料金の値上げが中心になる。だが、政府には経産省所管の公益法人「原子力環境整備促進・資金管理センター」に3兆円を超える積立金などの“原発埋蔵金”があり、政府内外で転用を求める声が出ている。
海江田経産相は、転用には法改正が必要で現段階で無理としながらも、「これからさらに検討する」と述べた。実現すれば電気料金値上げが抑えられ、国民負担が軽減することになる。(東京新聞)
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国にはどしどし「検討」し、必要な「法改正」を行ってもらわねばならない。日本の独法や「公益」法人は、叩けばまだまだ「ほこり」や「膿」が「カネ」と一緒に出てくる、ということだ。増税も電気料金値上げもすることなく、国・東電・電力企業が賠償責任を果たす方法はいくらでもある。だまされては、いけない。
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もちろん、納税者が何も声を上げず放置するなら、民主党・自民党・官僚が自発的にこんなことをするはずがない。戦後の原子力行政に対する政治・行政責任を自ら問い、国会議員・国家公務員の報酬削減などという案は出てきようがない。私たちに問われているのは、
1、原発大災害の国の政治・行政責任とは何か、
2、その責任はいかなる政府・官僚機構・政党・国会議員の具体的行為・制度改革として表現されるべきか、これらを納税者・有権者・「市民」として、まず真剣に考えてみることだろう。
国と東電の共同責任免責論に対する対抗言説を、反/脱原発派はもっと練り上げる必要がある。そうでないと、原発災害への賠償総額が減り、補償対象が狭められるだけでなく、その責任の「国民転嫁」がはかられるだけである。今のままの「スキーム」では、間違いなくそうなってしまうだろう。
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"Too Big to Fail"?
もうひとつの要因は、東電を企業法人として存続させながら、同時に公的資金を導入し、実態としてはすでに経営破たんしている民間企業を国が救済しようとする、国の賠償スキームの内的矛盾である。
しかし、これにははっきりとした理由がある。東電に自己破産宣言を出させること、つまり東電およびその事業の「国有化」の責任を負うことを菅政権、というより国は回避したいからだ。これが「原発事業は国策・民営」のゆえんであり、原発大災害が起きた場合のその矛盾が、ここに露呈する。
東電が法的に倒産し、その経営および事業を法的に国の管理下に置く、というより今そうしてしまうと、経営の合理化と電力自由化の煽りを受けて、発送電分離→東電の最後的解体に否応無く議論が発展する。そうなると既存の電力会社による地域独占体制の不合理とその解体論にも、さらに議論は発展するだろう。菅政権というか民主党としては、それは何としても避けたい。そのためには、東電とその事業を現状のまま残さざるをえない。東電は"too big to fail"なのだと。
しかしそうは言っても、東電が賠償責任を果たせないのは明白であり、国の政治・行政責任を問わぬまま、税の投入によって賠償の枠組みを作らざるをえない。その正当性を担保するためには、東電の「ステークホルダー」を搾(しぼ)りきれるまで搾る、一応その姿勢だけは示しておかねばならない。そうでないとなぜ東電を国が公的資金投入によって救済するのか、国民の不満と怒りは東電から国そのものに向かうようになるからだ。賠償をめぐる政府案、その「スキーム」の前例なき中途半端さの根拠、その意図がここにある。
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・原発の地下建設推進、議連発足へ 与野党党首ら超党派
4人の首相経験者や与野党党首が顧問に名を連ねる「地下式原子力発電所政策推進議員連盟」が31日に発足する。表向きは勉強会だが、名前を連ねるベテランの顔ぶれから、大連立や政界再編に向けた布石との臆測も呼びそうだ。
議連の顧問には民主党の鳩山由紀夫氏、羽田孜氏、自民党の森喜朗氏、安倍晋三氏の首相経験者のほか、谷垣禎一総裁、国民新党の亀井静香代表らが名を連ねた。たちあがれ日本の平沼赳夫代表が会長に就いた。 地下式原発は地下に建設される原発。事故の際に容易に地下に封じ込められる利点があるという。三木内閣当時に検討が始まり、1991年に自民党内に勉強会が発足していた。(朝日)
・3号機流出は20兆ベクレル 限度100倍
東京電力福島第1原発3号機の海水取水口近くにある「ピット」と呼ばれるコンクリート製の穴から、11日に高濃度の放射性汚染水が海に流出しているのが見つかった問題で、東電は21日、流出は約41時間続き、年間の海洋放出限度の約100倍に相当する20兆ベクレルの放射性物質が海に漏れていたことを明らかにした。 東電によると、タービン建屋内やケーブルを納めるコンクリート製のトンネル(トレンチ)にたまっている汚染水がピットへ流れてきたとみられる。11日午後に作業員が発見、同日夕にピットをコンクリートで埋めて流出を止めた。
上流側の水位変化をもとに、流出は10日午前2時ごろから始まり、約250立方メートルに及んだと推定し、経済産業省原子力安全・保安院に報告した。 東電は流出した放射性物質の海洋への影響について「沿岸15キロ地点での測定で観測されていない」と説明。海への流出につながる恐れのあるピット27カ所を、6月末までにコンクリートなどで封鎖するという。【毎日・平野光芳、比嘉洋】
・北海道電、MOX燃料製造開始へ=仏メロックス社で
北海道電力は20日、泊原発3号機のプルサーマル発電で使用するウラン・プルトニウムの混合酸化物(MOX)燃料の輸入燃料体検査を経済産業省に申請したと発表した。MOX燃料の製造開始前に必要な手続き。フランスのメロックス社が今年12月末までに製造し、経産省の検査を経て早ければ2012年にも発電が始まる。(時事)
・原発事故IAEA報告でかん口令 「ノーコメント」統一
東京電力福島第1原発の事故に関して政府が作成を進めている国際原子力機関(IAEA)への報告書の内容について、経済産業省など関係省庁が、秘密の確保を徹底し報道機関からの質問に対して「ノーコメントと答える」との“かん口令”を申し合わせていたことが22日、分かった。 報告書は「省庁が分担箇所を作り、まとめ上げる形」(政府筋)で、外部の専門家の検証を経ないという。詳細が判明して「国際的な報告書に東電や政府の一方的な見解が反映される」との批判が高まるのをかわす狙いがあるとみられる。
政府関係者によると、枝野幸男官房長官が17日に報告書作成チームの設置を公表する前に、共同通信がチーム設置や骨子案を報じたことなどを受け、秘密保持を徹底し、内容は「ノーコメント」と答えることを申し合わせた。 また、チームの責任者である細野豪志首相補佐官が連日行っている会見で一手に質問を引き受けた方が「省庁の作業がしやすくなる」との方針も確認されたという。 その後、関係者は「内容は検討中で、今言えるものではない。(外部の検証は)対策本部のことなので承知していない」(高木義明文部科学相)、「(今後の動きが)どうなっていくのか、はっきりしない」(班目春樹原子力安全委員長)などとし、報告書についての明確なコメントを避けている。
報告書は6月20日からウィーンで開くIAEA閣僚級会合に向け、今月23日に来日するIAEAの専門家の協力を得て事故の評価や現状、教訓をまとめる。骨子案には、放射性物質拡散のシミュレーションが公表されずに厳しい批判を受けたことが記載されないなど、政府や東電の取り組みを前向きに紹介する(???)内容が目立つことが明らかになっている。(共同)
・国連が原発の安全性協議へ 「再考の時期」
国連の潘基文(バン・キムン)事務総長は20日、福島第1原発事故について国際原子力機関(IAEA)など核問題の国際機関トップとテレビ会議で協議した。席上、原発の安全性や核不拡散に関する首脳級特別会合を、国連総会中の9月22日に開催すると述べた。会合では、各国際機関が福島事故の影響や再発防止策を総括的に分析した報告書が発表される。 事務総長はテレビ会議で「原子力の民生利用の安全性は世界の関心事だ」と指摘。その上で「原子力エネルギーの安全性を世界規模で再考する時期だ」と、9月の首脳会合の重要性を訴えた。
事務総長は先月19日、チェルノブイリ原発事故25年で訪れたウクライナ・キエフで行った演説で、原発の安全性に関する国際的な枠組みの見直しが急務だと主張。見直しに向けた「戦略5原則」として
(1)原発の安全基準の徹底的な見直し
(2)核の平和利用を促進するIAEAの体制強化
(3)自然災害への原発の対応強化
(4)原発のコスト見直し
(5)原発の安全性と、核の安全保障の連携強化--を挙げていた。【毎日・ニューヨーク山科武司】
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事務総長には、まず自分の国・韓国がエネルギー総需要に占める原発依存率が4割以上であることを自覚してもらう必要がある。そして、「原発の安全性に関する国際的な枠組み」と「安全基準の徹底的な見直し」が完了するまで、全世界の稼働中原発の一時停止くらいは「提言」してもらいたいものだ。
国連事務局は、安保理常任理事国のすべてが核兵器保有・強烈な原発推進国である国連システムそのものが世界的なエネルギー政策の転換・脱原発の阻害物になっていることを認識すべきである。つまり、現在の意思決定システムが続くかぎり、国連は国際平和のみならず、脱原発の推進翼にもなりえないということである。
・米国の新核実験、広島・長崎市長が批判 「容認できぬ」
米国の新たな未臨界核実験について、松井一実・広島市長は22日、報道陣の取材に「実験が後になってわかること自体、不信感を生む話。米国には我々の核廃絶への切なる思いを理解してもらいたい。誤解を生むような対応は厳に慎んで頂きたい」と米国を批判。この日、広島市が断念を表明している2020年夏季五輪構想を考える招致検討委員会の会合に出席していた田上富久・長崎市長は、「実験の意味合いが十分わからないが、新しい核兵器開発につながるのであれば、被爆地として容認できない」と語った。(朝日)
・日中韓首脳会談:首脳宣言要旨
<首脳宣言>
一、東日本大震災により失われた尊い命、甚大な被害に対し、深い哀悼の意を表する。
一、3国は未来志向で包括的な協力パートナーシップをより一層強化。困難な状況を乗り越えようとする日本の努力を支えていく。
▽防災・原子力安全
一、日本は原発事故と震災の教訓を中韓両国や国際社会と共有する。
▽経済成長
一、日中韓自由貿易協定(FTA)の産官学共同研究を11年中に終了させる。
一、3国間の観光促進で15年までに人的交流を2600万人規模に拡大。
▽北東アジア情勢
一、北朝鮮のウラン濃縮計画に懸念を表明。
<付属文書>
▽原子力安全協力
一、多くの国にとって原子力エネルギーが重要な選択肢であると認識。
一、原子力安全の確保は原子力エネルギー発展の必要条件。
一、日本政府は福島第1原発の状況を解決する決意を表明。最大限の透明性をもって国際社会への情報提供を継続する。
一、中韓両政府は、原子力事故を最終的に解決するための日本政府の努力を支持する。
一、自然災害に対する原発の安全性強化に関する専門家協議を推進。
一、緊急時の早期通報の枠組み、専門家交流について協議を開始。
一、原子力事故の際は、産品の安全性について科学的証拠に基づき必要な対応を慎重に取ること(???)が重要との見解を共有。(毎日)
・ドイツ、反原発・緑の党また躍進 ブレーメン州議会選
ドイツ北部ブレーメン州議会選挙の投開票が22日行われ、地元テレビの開票予測では、反原発を掲げる90年連合・緑の党が躍進し、メルケル首相が率いるキリスト教民主同盟(CDU)を抜き、同州議会で初めて第2党になった。社会民主党(SPD)は第1党の座を維持。
緑の党は福島第1原発の事故後に実施されたドイツ南西部バーデン・ビュルテンベルク州など二つの州議会選でも大勝。今回の選挙結果はドイツ政府が検討している脱原発政策にも影響を与えそうだ。
地元テレビによると、SPDの得票率は約38%(前回選挙は36・7%)、緑の党は過去最高だった前回の16・5%を上回る約23%。一方、CDUは約20%(前回25・6%)と低迷、自由民主党(FDP)は議席獲得に必要な5%を下回った。【ベルリン共同】
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福島原発大災害を経ても尚、原発推進の二大政党の支持者が40~45%前後、無党派50%前後、「脱原発」をスローガンとしては打ち出している共産・社民を合わせた支持者3%程度の日本には、脱原発を段階的にかつ着実に実現する、そのための「政治的受け皿」がない。なぜこんな国になってしまったのか? 「無党派」で「市民派」の脱原発勢力は、今だからこそじっくり考える必要があるだろう。
・21人もいる東電顧問、6月末で11人退任
東京電力は21日の記者会見で、現在21人いる顧問のうち、経済産業省出身の白川進元副社長ら11人が6月末で退任することを明らかにした。 福島第一原子力発電所の事故の経営責任を取って退任する清水正孝社長と武藤栄副社長のほか、築舘勝利常任監査役の3人は6月末に無報酬で顧問に就任する。この結果、顧問の人数は13人となり、年間報酬の合計額は2億1900万円から9800万円に減る。(読売)
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今の東電に「顧問」が必要か? しかも有給? 共同通信によると、「顧問」21人中4人は中央省庁出身で、上の白川副社長の他、国土交通省が川島毅氏と藤川寛之氏の2人、警察庁が栗本英雄氏。ほかは東電OBが16人と国際協力銀行出身の近藤純一氏だという。東電の「顧問」の位置づけは「専門的な深い知識や経験に基づき適宜、アドバイスをする」( 「アドバイス料」に年間1000万以上?)というものだが、いわゆる「原子力むら」=政・官・産・学原子力複合体の「官」とは経産省や文科省だけでなく官僚機構全体であることをしっかり確認しておこう。
・浜岡原発東 2.8メートル隆起跡 (東京新聞)