2011年5月15日日曜日

自衛隊の被災地派遣手当大幅増を考える

自衛隊の被災地派遣手当大幅増を考える

2011/6/24
原発敷地で放水は4万円超…自衛隊員の派遣手当
 政府は24日の閣議で、東日本大震災と東京電力福島第一原子力発電所事故の対応で派遣した自衛隊員の「災害派遣等手当」(原則として1日1620円)と「死体処理手当」(同1000円)を特例としてそれぞれ原則2倍に引き上げる改正防衛省職員給与法施行令を決定した。 震災が発生した3月11日に遡って適用する。
 原発事故の災害派遣等手当は活動地域に応じてさらに上乗せして、原発敷地内で放水を行うなど特に危険性の高い作業にあたった隊員は、現行(1日3240円)の約13倍となる1日4万2000円とした。対象者は4月末までで延べ約500人に上る。自衛隊の手当としては、イラクの復興支援派遣時の同2万4000円を上回り、過去最高額となった。(読売)
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 NHKニュースによると、自衛隊の被災地派遣手当が大幅に増額されることを防衛省が決定したらしい。
 福島第一原発の放水作業に当たった隊員の手当ては、これまででもっとも高い1日当たり4万2000円ということだ。その根拠は「特に危険性の高い任務に当たった」こととされている。これはイラクの復興支援活動で「派遣」された自衛隊員への支給額2万4000円を上回り、自衛隊の手当としては最高額になるという。
 また、福島第一原発から半径10キロ圏内で活動した隊員には2万1000円、遺体の収容や搬送に当たった隊員にも1日あたり4000円の手当を支給し、活動を開始した日にさかのぼって適用されるのだという。

 読者のみなさんは、これをどのように考えるだろうか?
 「3・11」直後の事態の中で、放水作業の任務についた自衛隊が「決死の覚悟」で作業を行っていたこと、それを否定する者は、一人としていないだろう。
 しかし。しかし、である。自衛隊は、そもそも「決死の覚悟」で「有事」の際に、「国民の生命と財産」を守るために存在するのではないか? 少なくとも、それが国のフレコミなのではないか?
 私たち「国民」が税金を払い、「平時」に全自衛隊員、防衛省官僚・職員、その家族の生活とぜいたくな老後の生活までをも保証しているのは、「いざ」という時に彼/彼女らに「決死の覚悟」で「戦って」もらうため、ということになっているのではないのか?

 にもかからず、「特に危険性の高い任務」(???)に当たったからと言って、戦争地域イラクへの「派遣」手当て(これ自体の立法的・道義的正当性を私は問いたいのだが)の二倍近くもの「手当て」を支給するという、その理屈が私にはどうしても理解できない。読者は理解できるだろうか?
 これは「税金の二重取り」ではないのか?


 原発事故、その補償・賠償の「国の責任」を云々している最中に、その「国の責任」から免責されるかのように考えている防衛省・自衛隊の官僚的体質が問題だ。

 福島原発大災害の被災者・被害者に対する補償・賠償の行方がどうなるのか、その額、保証がどうなるのか、これらが何も確定していない間に、自衛隊員の「手当て」の大幅増を決定する・・・。その感覚、その感性が私には理解できない。これが一つ。
 また、自衛隊員の「手当て」を増額するなら、次に、東京都や各地から派遣された消防隊員の「手当て」はどうなののかという話に、当然、なる。それも結局、税金から支給することになる。
 さらに、「東電とその賠償・補償責任をどうするのか/どうなるのか?」について、政府案は出たが、まだ未確定要素が多く、確たることは何も言えない状況の中で、原発現場に従事している東電社員、「協力会社」社員の給与・待遇はどうなるのか/どうするのか、という問題が次にある。
 そして実は、すでに撤退を決め込んだ自衛隊員よりも、一番「決死の覚悟」を強制され、現場の作業に携わる「派遣」=「原発ジプシー」の人々の「日給」、待遇はどうなるのか/どうするのか、という問題。

 こうした事柄についての政府・東電・「協力会社」・「派遣企業」の責任問題や具体的対応策が何も確定されぬ間に、自衛隊員の「手当て」だけは大幅に増額される。それを決定した防衛省という官僚機構の感覚、感性、体質。私にはそれが理解できないし、認めることができない。
 読者は容認するだろうか?