2013年7月31日水曜日

原発モンスター訴訟 The Nuke Monster Lawsuit

原発モンスター訴訟 The Nuke Monster Lawsuit

本年11月11日に向けて、日立・東芝・GE(ゼネラル・エレクトニック社)の3社に対して、「原発モンスター訴訟」を起こす準備をしています。とりあえず、各種資料を作成しましたので、掲載します。詳細については、別途ご案内させていただきます。

裁判用チラシ表面カラー(53MB)裏面(A4)、NNAA紹介パンフレット(A3)、
原告委任状サポーター申込書島弁護士紹介

原告団参加費用¥12,000 、サポーターのご寄付一口¥1,000、何口でも 
振込み先は次のとおりです。

<ゆうちょ銀行口座>
記号:10210
番号:43664091
名前:ノーニュークスアジアアクションズジャパン

他の金融機関のATMから「ゆうちょ銀行口座」への振込み方法は、こちらを参照下さい
支店名/支店番号は漢数字で
店名 (店番)
〇二九(ゼロニキュウ) です。

<郵便振替口座>
番号:00290-5-125011
名称:No Nukes Asia Actions-Japan

2013年7月26日金曜日

朝鮮戦争停戦協定締結60周年

朝鮮戦争停戦協定締結60周年

① 朝鮮戦争停戦60周年記念学術シンポジウム
「朝鮮戦争-戦争・停戦・平和」
日時:7月27日(土)、18時~20時30分
場所:国際文化会館講堂(都営大江戸線「麻布十番」駅徒歩5分)

報告
・「朝鮮戦争の本質と停戦過程の特徴」 (和田春樹・東京大学名誉教授)
・「朝鮮戦争を終わらせる平和体制の考察」 (文正仁・延世大学教授)
討論者
・小此木政夫・九州大学特任教授
・李鍾元・早稲田大学教授、
司会
・木宮正史・東京大学教授

 問い合わせ
日朝国交促進国民協会 (TEL&FAX 03-3922-1219)

② 朝鮮戦争停戦60周年 ソウル-平壌-東京リレー国際シンポジウム
日時:8月1日(木)、17時~20時
場所:学士会館210号室(地下鉄「神保町」駅徒歩1分)
(地下鉄「神保町」「竹橋」下車) *地図 http://www.gakushikaikan.co.jp/info/access.html

基調報告
・ラムゼイ・クラーク米元司法長官
・ミシェル・チョスドフスキー・オタワ大学名誉教授
コーディネーター
・康宗憲・韓国問題研究所所長(早稲田大学客員教授
パネリスト
・ブライアン・ベッカー・反戦反人種差別行動事務総長
・鄭己烈・清華大学客員教授
・浅井基文・元外務省地域政策課長
・金英子・朝鮮大学校教授ほか

問い合わせ:実行委員会
(TEL 080-5465-0914pe_highlighting、FAX 03-3814-4154 Email onekorea.hana@gmail.com


「批評する工房のパレット」内の関連ページ
⇒「朝鮮戦争終結=南北・米中平和条約締結=在韓・在日米軍撤退=北東アジアの〈平和〉 」(2013. 4/6)
⇒「無人爆撃機(drones)廃絶と武器貿易条約(ATT)を考えるための基礎的情報 」」(2013. 4/3)

ネオリべ・ミリタリズム――防衛大綱中間報告

ネオリべ・ミリタリズム――防衛大綱中間報告

● 中国を念頭に離島防衛を強化・自衛隊に水陸両用の海兵隊的機能
「民間輸送力の活用、補給拠点の整備、水陸両用部隊の充実・強化を検討」
・高高度滞空型無人機(グローバル・ホーク)の導入

● 北朝鮮のミサイルなどへの警戒監視能力も強化
 「弾道ミサイル攻撃への総合的な対応能力を充実させる必要がある」と指摘。
 戦闘機やミサイルで敵の発射基地をたたく「敵基地攻撃能力」の保有を検討
 「敵のミサイルの発射装置をこちらからたたくことを検討していく」(防衛省)

● サイバー攻撃に省庁間や米国との連携で対応
● 自衛隊部隊が大規模に素早く展開するための輸送力確保
● 自衛隊を積極的、効率的に機能させるとして、陸海空各自衛隊の統合運用、陸自の指揮系統の整理 (朝日、時事)

・「財務省は防衛費が長期にわたって膨らむことを懸念して戦闘機など主要装備の整備目標を示した大綱の「別表」の廃止を求めている。
 中間報告では防衛力整備の透明性を確保する観点から中長期的な見通しを示すことは引き続き必要だと強調。ただ、別表に記載する項目や内容は見直す考えも示唆」(日経

・・
防衛費2年連続増額へ 来年度4%増 尖閣で上積みも
● 防衛省は、平成26年度予算案概算要求で、防衛関係費として25年度から1800億円増(4%増)となる4兆9400億円を計上する方針
●実現すれば前年度比5・45%増だった3年度以来の伸び率

●1800億円の増額を求める要因
(1)国家公務員給与削減の25年度末終了に伴う人件費増1千億円
(2)円安による輸入装備品などの価格上昇分400億円
(3)消費税の5%から8%への引き上げによる調達経費増200億円
(4)米空母艦載機の岩国基地(山口県)への移駐工事本格化など米軍再編経費増200億円

防衛省は
活動経費の増額
・新規契約の翌年度以降に支払う後年度負担額の引き上げ、を要求 (産経


「批評する工房のパレット」内の関連ページ
⇒「惨事と軍隊(Disaster Militarism) 」(2012, 2/13)
「・・・・。私が言う"Disaster Militarism"は、ナオミ・クラインが言う"Disaster Capitalism"と微妙に違う。後者は現代資本主義批判として書かれたものだが、前者は軍隊そのものを特殊な官僚機構として捉え、現代官僚制批判の中に位置付けようとする。

  Disasterに「便乗」して制度的・機構的「自己革新」を図りながら、制度的・機構的な「自己増殖」を企てようとする〈現代ミリタリズム批判〉
を意図したものである。・・・・。」

・・・
・オスプレイ12機、30日岩国に
 防衛省は26日、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)に追加配備される新型輸送機MV22オスプレイ12機が、30日に山口県岩国市の米軍岩国基地に到着する予定だと、米軍から連絡が入ったと発表した。
  12機は民間輸送船に積まれて7月中旬に米カリフォルニア州を出発しており、岩国基地に陸揚げ後、約1週間かけて機体の整備や試験飛行をした後、8月上旬にも普天間に移動する計画だ。
  今回は、昨年7月に岩国に搬入され、同10月に普天間配備された12機に次ぐ第2陣。老朽化したCH46中型輸送ヘリコプターからの機種更新が完了し、沖縄や本土での運用がさらに本格化する見通し。(共同)

●【岩国】オスプレイ追加配備抗議7/28市民大集会 
 危険極まりない垂直離着陸輸送機MV-22オスプレイが沖縄の普天間基地に追加配備される前段階として、7月最終週に、岩国基地に一時陸揚げされようとしています。それに対する抗議集会を、以下の要領で行ないます。
  「オスプレイは岩国にも沖縄にもどこにもいらない!」の声をともにあげましょう! よろしく御参加ください。
                     
■日時:7月28日(日)午後2時より
■場所:岩国市役所前公園
■主催:オスプレイの追加配備抗議7/28市民大集会実行委員会
      瀬戸内海の静かな環境を守る住民ネットワーク(瀬戸内ネット)
      住民投票の成果を活かす岩国市民の会、住民投票を力にする会
      愛宕山を守る会、岩国爆音訴訟の会
      (昨年の9・30市民大集会を主催した5団体)
■連絡先:090-9900-3817(桑原清)
      090-9737-3450(藤本博司)

 瀬戸内海の静かな環境を守る住民ネットワーク(瀬戸内ネット)ホームページ
http://www.geocities.jp/setouchi_net08/

いよいよ本格的ネオリべ(新自由主義)の到来?

安倍政権版「労働者使い捨て」政策の始まり

・特区で雇用規制緩和 政府検討、残業・解雇柔軟に  
●安倍晋三首相の主導で決める国家戦略特区を活用し、 「労働移動など人材の流動化」を促進
●参院選前は世論の反発を招きかねない労働改革に踏み込まなかったが、抜本的規制改革
●8月末にも東京、大阪、愛知の三大都市圏などを特区に指定。秋の臨時国会に関連法案提出→成立すれば年内にも実現。
 第2弾の項目の関連法案は来年の通常国会提出、早い時期の実現目指す。(⇒三大都市圏→政令都市圏→全国へ)

第2弾の中核となる雇用分野
①解雇規制緩和
 企業が従業員に再就職支援金を支払えば解雇できる「事前型の金銭解決制度」の導 入
 「全国に支店を持つ大企業の場合、特区内に本社があれば、地方の支店も適用対象にする案がある」

②有期雇用契約 期間延長
「同じ職場で5年を超えて働く契約社員らは、本人が希望すれば無期雇用に転換しなければならない。この規制を緩めて企業の人材確保に幅を持たせる」

③労基法撤廃?
 労働基準法などが定める法定労働時間(1日8時間、週40時間)。
 「一定の条件を満たした社員には法定労働時間の規制を適用しないホワイトカラー・エグゼンプション」の導入」

 「雇用・解雇規制の緩和は産業界の要望が強いが、賃金の低下や労働条件の悪化につながるなどの反発も根強い」
 このほか、
・再生医療など先端医 療用の病床増加、(→金持ち優遇、儲かる医療)
・外国人医師の診察解禁、(医師労働市場の流動化→解雇規制緩和→「日本型医療制度」解体)
・大型の商業ビルなどに義務付けた駐車場の設置義務をなくす、
・大阪府・市が要望していた臨海部でのカジノ解禁、(→山口組再建、グローバル・マフィア導入計画?)などを議論。

 「特区で雇用規制緩和 政府検討、残業・解雇柔軟に 」(日経、 2013/7/26)より

【参考サイト】
New Video: A New Global Fund for Decent Work and Social Protection
Social Protection for All - Make It Happen! Friedrich-Ebert-Stiftung, Bonn.

・・・
暮らしに値上げの波、アベノミクスに第1関門
 「値上げの波が生活に押し寄せている。電気やガソリンだけでなく、生鮮食品の価格も上がり始めた。給料が上がらないなかで、生活に身近なものの物価が上がることで、景気をけん引してきた個人消費も冷え込むリスクが出てきた。昨年末から好スタートを切ったアベノミクスは、最初の関門にさしかかりつつある。・・・・」(日経)


「批評する工房のパレット」内の関連ページ
⇒「ハイパー・スタグフレーションの時代 」 (2011, 3/10)
3・11前日のエントリー。時代を先読みしすぎた?

 

2013年7月23日火曜日

エジプト・クーデターの核心に、米軍による訓練

エジプト・クーデターの核心に、米軍による訓練
【APA‐Jフラッシュ No.242】
 クーデター主導者の経歴を大手メディアはあまり報じないが、軍トップのシシ 最高評議会議長兼国防相には、米国陸軍大学への留学経験があるという。 日本の陸上自衛隊からも米軍関係大学への留学がある。 例えばイラク派遣時の 「駆けつけ警護」発言が問題になった、元陸上自衛官、現自民党参議院議員の 佐藤正久は、米陸軍指揮幕僚大学への留学が経歴に記載されている。 (M)
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 エジプト・クーデターの核心に、米軍による訓練
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エジプトで7月はじめに発生した軍事クーデターに対するアメリカのどちらともつかない反応は、アメリカ軍とエジプト軍の長年の結び付きに矛盾するだけでなく、とりわけ新たな軍政指導者となったアブドル・ファッターフ・アル・シシ陸軍大将と米国との密接な関係からして腑に落ちない。
 
シシは、ほぼ名もない准将から軍のトップへ、そして今や事実上エジプトの元首の地位にまで上り詰める以前、米国陸軍大学への留学経験があった。シシが「親米」とみなされたことで、彼は国防省に入り、かつて軍政の元首だったタンタウィの後継者となり、オバマ政権はエジプトにおける軍の支配の行く末に不安を抱かずに済んでいたのである。
 
実際、今回の軍事クーデターは多くの意味でアメリカの手によるものと言ってよいだろう。ムバラク政権時代から、米軍は「イスラム過激主義」を力づくで制圧することを念頭に常にエジプト軍の訓練をおこなっていた。それを考えれば、イスラム系政党が結成をゆるされて選挙に勝ち政権を握ったあとも、軍をおとなしくさせることに苦労し、結局1年ももたなかったこともそれほど不思議なことではないだろう。
 
その意味では、今回のクーデターを米議会が支持していることも意外ではない。民主的に選ばれた「過激派」に対抗する方法として、シシのクーデターが他の中東地域の「模範になればよい」と米国陸軍大学の複数の講師が明言しているのをみれば、エジプトの反対勢力が今回のクーデターの裏にアメリカの支援を感じるのも当然だろう。
 
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出典:Antiwar.com(2013年7月8日)
翻訳:Sou Lingzi(APA‐J翻訳チーム)
翻訳チェック:タンノワ 監修:APA‐Jデスクチーム ppsg@jca.apc.org

2013年7月22日月曜日

「原発の再稼働・輸出に抗する――反核、反差別、反格差の立場から」 8・5集会

「原発の再稼働・輸出に抗する――反核、反差別、反格差の立場から 」8・5集会
http://oklos-che.blogspot.com/2013/07/blog-post_22.html

 政治参加は議会制民主主義だけではない。
 自公の圧勝のなか、今、私たちがやるべきことは、国籍・民族を超えて足元の地域住民・市民としての運動を進め、市民の国際連帯運動をつくっていくことではないでしょうか。

 「グローバル化や経済の危機、失業や貧困といった今日の問題にこそ、植民地主義の本質がこめられている」(西川長夫)とすれば、今の日本は原発輸出を進めながら、国内の諸矛盾を領土問題や民族学校弾圧でナショナリズムの喚起をはかり、アベノミクスで経済復興の幻想をまきちらしているのではないでしょうか。

講師: 朴鐘碩(日立就職差別元原告)
日時: 8月5日(月) 午後6時会場
場所: 日比谷公園内、千代田区立日比谷図書文化館 
主催: (NNAA-J)

2013年7月21日日曜日

「原発反対 全インド民衆大会」への日本からの連帯アピール団体賛同のお願い

「原発反対 全インド民衆大会」への日本からの連帯アピール団体賛同のお願い
http://www18.ocn.ne.jp/~nnaf/123e.htm

 7月13日午後11時すぎ、インド政府は南インドのタミル・ナドゥー州にあるクダンクラム原発1号機の準備的稼働を開始し、臨界に達しました。21世紀インドでの最初の新規原発稼働となります。
 つい最近、ロシア原発建設会社での汚職事件から、この原発で使用された資材が不適正な品との情報があり、人びとの怒りと反対運動は高揚していました。フクシマ事故からさらに原発の危険を知った多くのインドの人びとの反対を押し切っての暴挙です。
http://cndpindia.org/cndp-statement-on-koodankulam-reaching-criticality/
 これに対して、現地の反対運動の人びとはウダイクマールさんを中心として、7月15日に「運動700日達成」として大規模な集会と「ダイイン」を繰り広げました。

 商業運転は8月末からとされていますが、インドの人びとの怒りは一段と燃え上がっています。7月25~28日に、西インド・グジャラート州の州都と原発建設計画地ミティビルディで、「原発反対
全インド民衆大会」(the People’s National Convention Against Energy)が開催されます。 http://cndpindia.org/
 広大なインドで点在していた反原発の運動団体が一堂に集まり、「原発反対 インド民衆憲章」
The People’s Charter Against Nuclear Energy)を採択し、さらに現地の反原発運動を支援する行動も行います。

 現在、サイト上では「憲章案」が、広く各団体や個人に閲覧できるようにされ、多くの意見を集め、最終的に「憲章」が確定するとのことです。インドで反原発運動が一つになることは、画期的であ
り、「憲章」の内容も質の高いものです。
http://cndpindia.org/draft-the-peoples-charter-on-nuclear-energy/

 クダンクラム原発運転開始に反対し、「原発反対 全インド民衆大会」に連帯するアピールを送りましょう。大会では、主催者より英文にて紹介・配布してもらうこととなっています。どうかみなさま、下記の「連帯アピール」に団体賛同をお願いいたします!
 賛同団体は、24日16時まで募ります。「団体名(日本語)」「団体名 (英語またはローマ字)」「都道府県」をメールしてください。→ sdaisuke@rice.ocn.ne.jp

 「連帯アピール」呼びかけ発起人一同
(連絡先:ノーニュークス・アジアフォーラム・ジャパン)

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★「原発反対 全インド民衆大会」への日本からの連帯アピール

 「原発反対 全インド民衆大会」に、日本から連帯し、「憲章」に賛同するアピールを送ります。
 日本メディアも、クダンクラム原発の「臨界」を報じました。私たちは、インド政府が、クダンクラム周辺住民たちの強い反対運動、そして多くのインドの人びとによる原発の危険性への告発を無視したことに抗議します。

 クダンクラムのみなさんが700日に及ぶ長く激烈な闘いを続けて こられたことに、心から敬意を表します。みなさんの勇気ある行動 が、福島原発事故後に日本で原発に反対する人々にどれだけ力を与 えてくれたことでしょう。クダンクラム原発反対運動は、核のない 世界に向けた歴史の中で、非暴力での粘り強い戦いとして、重要な 位置を占めています。

 たとえ稼働が開始されたとしても、クダンク ラムの皆さんに対する私たちの連帯の思いは変わりません。あの反 人道的で危険な怪物を止める日は、きっと来ると信じます。その日 まで、私たちもあなたがたに恥じることがないよう、核のない世界 をめざして日本で全力を尽くします。

 2011年3月11日のフクシマ原発事故では、約15万人の人びとが 避難を強いられ続け、廃炉への計画もできていません。しかし、日 本政府は停止中の原発の再稼働をめざし、さらに、原発の輸出を推 進しています。輸出対象国の一つがインドであり、「原発反対 全イ ンド民衆大会」の開催地グジャラート州のミティビルディが候補地 です。

 私たちは、ヒロシマ・ナガサキにおける戦争被爆国として、フク シマ事故を発生させた国として、原発と核兵器に強く反対します。 そして、日本の海外への原発輸出、インドにおける原発推進にも強 い反対を表明します。
  
  インドは、3.11以降も原発推進の政策を固持し、クダンクラム原 発の稼働により、フクシマ事故後に初めて原発を新設させました。 原発は「絶対的に安全」とする「ニセ安全神話」は、チェルノブイ リ事故やフクシマ事故だけでなく世界各地の原発事故で、すでに崩 壊しています。
 こうしたなか、広大なインドから原発に反対する多くの人が集う、 「原発反対 全インド民衆大会」の開催は、まさにインド民衆の反 原発運動を飛躍的に発展させるでしょう。

 私たちはインド政府に対して、民衆の声を聞いて原発推進政策を 放棄することを求めます。クダンクラム原発の稼働中止とすべての 原発新設計画の断念を求めます。核のない世界を作るためにインド が先頭に立つよう求めます。
   
 私たちは今後、日本からインドへの原発輸出を止めるため努めます。  
  みなさんの大会が成功されるよう祈念します。そして、みなさん が生活の場に戻られ、活力と工夫ある反原発運動を展開され、イン ドが原発ゼロとなりますよう!
 みなさんが「脱原発」の新しいインドを実現できるよう、日本の 私たちも共に闘います。
 クダンクラム原発反対! インド政府は、原発推進政策を放棄しろ!

 2013年7月25日

2013年7月20日土曜日

「子ども・被災者支援法」制定一年 動かない支援策 (吉野裕之さんインタビュー パート2)

「子ども・被災者支援法」制定一年 動かない支援策
吉野裕之さん(子どもたちを放射能から守る福島ネットワーク)インタビュー

『福島と生きる』メールマガジン特別号 No.2-2
(2013年7月20日発行)

パート2

目次
・ 「子ども・被災者支援法」――方針策定に当事者の声は反映されるのか?
・ 国主導の検診制度と住宅延長・住み替え支援を 
・ 支援策が動いていないのはなぜか


I  「子ども被災者支援法」――方針策定に当事者の声は反映されるのか?

Q1   子ども福島ネットも関わっている「原発事故子ども・被災者支援法市民会議」(市民会議)は次の4点の要望を出しています。
(1)「支援対象地域(支援法第8条)」の設定は年間1ミリシーベルトを基準に、
(2)基本方針、個別施策実施に当事者の声を、
(3)早期の予算確保で着実な
支援を、(4)広範囲かつ継続的な検診制度を国の主導で。

(2)について現状、当事者の声がどのくらいまで反映されているのかいないのかについてお聞かせください。(※3)

※3  市民会議による「政府による1年間にわたる不作為に抗議し原発事故子ども・被災者支援法に基づく基本方針の速やかな策定を求める声明」
(2013年6月21日)も参照。(http://shiminkaigi.jimdo.com/

吉野  被災者自身の声がどのように反映されるのか、今のところ明らかになっている事はありません。基本的に当事者の声をききながらプランを作成しないといけないと法律に書いてあるのに、国が主催する形のヒアリングは一度も行われていません。

 これまで行われた意見聴取のようなものは、たとえば市民会議が主催した院内集会に復興庁が来る、そこでお母さんたちが発言する、それを聞いてもらう、という段取りが設定された場面に国の担当者が来るというものばかりです。呼ばれると出かけて行って、意見を聞くんだけれども、やっぱり「ちゃんと聞いてないでしょ、あなた!」と途中で叱責されたりする。

 復興庁の水野参事官の暴言ツイートが問題になっていますが、職員仲間や国会議員がフォローしていながら放置していたことが分かっています。市民会議として調査を要求していますが、例の「今日は懸案が一つ解決。正確にいうと白黒つけずあいまいなままにしておくことに、関係者が同意しただけなんだけど、こういう解決策もあるということ」というツイートは何のことを指しているのか?

 実は既存の支援パッケージを出してきたその一週間前にそのツイートがあったのです。一連の流れを見ていくと、これは個人の問題ではなく復興庁のとりくみの姿勢そのものを彼が体現しているということになると思います。

 6月14日行われた市民会議の緊急集会で、平成25年度予算で何か具体的に動いているものがあるのかと改めて尋ねました。概算要求は6,7,8月と動くので25年度予算で動けていない以上、来年度予算にはきちんと入れていかなければならない。その協議テーブルには被災者本人も入りますよね、と念を押しておきました。

 支援対象地域の決定については、復興庁が原子力規制委員会に下駄を預けてしまったので、結論は12月まで待たないといけない。しかし12月まで待っていると来年度の予算はとれないので、再来年度になってしまう。そこでなんとか協議を通じて進めて行かないとだめなのだと思うのです。

Q2  当事者が常に方針策定の段階に関わるという枠組みを作りたいということですね。

吉野  そうです。帰還したお母さん、避難したお母さん、在住しているお母さん、保育園に子どもを通わせているお母さん、それぞれ立場は違えど同じことを心配しているのです。アプローチによって支援策が違うので、そこを理路整然ととりまとめ、きちんと動くように監督するのが復興庁の仕事です。安倍首相も復興庁の権限を強化すると言いましたが、どこをどう強化するのかが問題です。

 復興庁とは個別に協議もしていて、25年度予算のうち保養プログラムに使えるもの、しかもこれから申し込みが可能なものを洗い出し、担当部局と担当者の名前と連絡先を公開してくださいと要望しました。それはもう復興庁のホームページに出ています。これは具体的に要望して動いてもらえた例です。

 いま掲載されているもののうち、保養プログラムに応用可能なものについての情報をいくつかのネットワークに流しました。夏休みの保養プログラムに、たとえば植樹などを入れると農水省の予算がつくとか、そういう工夫について紹介しています。国も施策への理解や参加度合いも深まり、良い事だと思います。


II 国主導の検診制度と住宅住み替え支援を
Q3  検診制度について、福島県は甲状腺の検査結果だけは公表しました(※4)。
 今後どういう施策を政府に求めて行く計画ですか?

吉野  県民健康管理調査はあくまでも福島県民のためのものです。これから支援対象地域が千葉とか、その他の年間1ミリシーベルト以上のところになっていけば、県域を越えて国が管轄する調査が必要になります。いま除染を管轄しているのは環境省ですが、それを厚労省に戻してもらわないといけない。

 検査項目も、県民健康管理調査がうまく行っていないという反省の上に立ったものにしてほしい。ホールボディ・カウンターは検出限界が高いので体重の軽い子どもほど測りにくい。よほど被曝していないと出てきません。だから血液検査や尿検査を入れてほしい。当然、甲状腺検査を速やかに、福島県外の人たちも含めて、少なくとも一年に一回できるようにすべきです。これも何十回も言っていますが、なかなか動きません。

 幸い、県民健康管理調査もほんの少しは改善されました。目的が「県民の不安の解消」から「予防原則に則った早期発見」に変わりました。

Q4  暮らしの支援について、県内の人はもとより、県外に避難している人たちへの支援、たとえば就労や住宅について、いま一番重要で緊急性があるものは何でしょうか?

吉野  やはり住宅支援の延長と住み替えを認めることです。住宅支援はいまも半年更新です。次の更新時には支援がないかもしれないとドキドキします。それと延長に関する支援対象地域も決まっているので、たとえば仙台から避難している人はだめかもしれないとか、そういうシビアな状況です。福島の人は大丈夫なんですが、他地域からの避難者も放射線の影響を心配してのものであれば延長できるようにしてあげないといけません。

 あと、いま問題になっているのは、子どもの進学やパートの仕事が見つかったなどの理由で、いま住まわせてもらっている住宅からは通えないから住み替えしたいという要望があります。たとえば、大阪市に住宅を借りていても実は豊中市の方がいいとなることもある。

 でもいまは住宅を変えること自体ができないので、住み替えをできるようにしてほしいという要望があります。これは厚労省の管轄なので、国の主導で実現できるようにしてほしい。

 期間については、2015年度まで大丈夫と厚労省は言っています。それ以上延ばせるかどうかは「支援法」をどう動かせるかにかかっています。いまは災害救助法の特例として5年までということになっています。放射能汚染はこれまでの法的枠組みを越えています。新しい制度を作ってこそ、支援の姿が見えてくるはずです。

※4 参考記事「甲状腺検査: 市町村別の結果を開示…福島県、請求拒めず」
(毎日新聞 2013年4月22日)
http://mainichi.jp/select/news/20130422k0000m040095000c.html


III  支援策が動いていないのはなぜか

Q5  最終的には原発事故避難者のための恒久対策立法という目標につながっていくのだと思いますが、そういう機運は出てきていますか?

吉野  いまのところないです。みなそのつもりでいるんでしょうけど、「支援法」そのものが一つも動いていないので。

Q6  全体としては支援法がほとんど動いていない、その最大の障害は何だと思いますか?

吉野  支援対象地域が決まっていないことです。1ミリシーベルトという線を引けないからです。基準を1ミリシーベルトに決めれば千葉県の中だって分断が起きます。補償が出るわけですから。道路一本挟んで、こちらは補償金が出ない。 しかし子どもが歩く通学路は同じ、とかね。

 国が線を引くことで新たな分断を生んでいいのかという問題もある。お金がかかるからという問題もありますが。おそらく正直なところはそうなんでしょうが、言い訳としてでしょうか、「分断を生むわけにはいかない」と国は言うのでしょう。

 それに対し私たち市民側は、選択するのは各個人なので、1ミリシーベルトを基準としつつ、在住する人には、きちんと定期的な検診をし、身近な放射線の測定も行い、速やかにホットスポットを解消するように頑張っていきますから許してください、と言えばいい。子どもが小さいので避難したいということなら、それに対処し、戻ってくるという人にもちゃんと支援すればいい。

 つまり選択肢を用意すればいいのです。「その地域の人は全員避難」ではないのだから。
 検診は小学校の普通の検診に組み込めばいいと思います。ただ甲状腺を検診できるエキスパートを育てるための研修は必要でしょう。

Q7  いまの政府からそういうリーダーシップは出てくるでしょうか。

吉野  難しいかもしれませんね。福島県は[避難している人を]戻したいと言っている、それぞれの自治体も戻したい。そこから選出されている議員だって地元の意向には背けない。すべての政党の県選出国会議員が福島県の意向には背けないと言っています。だから最終的には福島県の意識の持ち方にかかってくるのです。

(インタビュアー/文責:『福島と生きるメールマガジン』 2013年6月15日)

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『福島と生きる』メールマガジン特別号No.2-2 (2013年7月20日発行)
※『福島と生きる』メールマガジンは、『福島と生きる--国際NGOと市民運動の新たな挑戦』の共同執筆者の団体や活動の関連情報を発信していきます。

発行人=中野憲志・藤岡美恵子(『福島と生きる--国際NGOと市民運動の新たな挑戦』共編者)

・・・
「批評する工房のパレット」内の関連ページ
⇒「「子ども・被災者支援法」制定一年 動かない支援策 (吉野裕之さんインタビュー パート1)
⇒「3・11」2周年を前に ~健康相談会を通して見えてくる被災者の現実(橋本俊彦さんインタビュー) 『福島と生きる』メールマガジン特別号No,1(2013年2月14日発行)」
⇒「「100 万人の母たち七夕プロジェクト」&「子ども・被災者支援法 成立から1年」」(2013, 6/20)

「原発を問う民衆法廷」東京最終法廷

「原発を問う民衆法廷」東京最終法廷

日 時
: 7月20日(土) 午後1時~午後6時
          21日(日) 午前11時~午後5時
場 所: 新宿区箪笥(たんす)区民センターホール
         新宿区箪笥町15番地
         大江戸線牛込神楽坂0分、東西線神楽坂徒歩10分
参加費: 1日券1000円、2日通し券1800円
    (チケットの事前お申し込みについては、下記矢野までお問い合わせ下さい)

 原発を問う民衆法廷は2012年2月から国内9カ所で巡回法廷を開催し、福島第1原発の核災害によってもたらされた惨状をつぶさに検証するとともに、「核の原罪」に対する民衆の心からの叫びと、正義を求める多くの良心の声に耳を傾けてきました。
 東京最終法廷は、これらを集約して国・東京電力を初めとする当事者に重大な勧告を行います。
同時に、日本国民、国際社会に広くこれを訴えるものです。
 3.11以降の「核のない世界」に向けて、世界の核被害者とともに議論したいと思います。
奮ってご参加ください。

7月20日 =====“世界の民衆の叫びを聴く”=====

∮  開会あいさつ、訴状朗読
∮  申立人意見陳述
  ①ピーター・ワッツさん
    (ウラン採鉱反対住民、オーストラリア反核連合共同代表)
    オーストラリアにおけるすべてのウラン採掘と核廃棄物放棄の中止を求めている。
  ②シュテフォルク・バレンティン・ビクトロビッチさん
    (原発事故被災者(チェルノブイリ))
    チェルノブイリ事故被害者ミーシャさん(甲状腺がん、心臓病により2012年40才で死亡)の父親。
  ③原発事故被災者(武藤類子さん(フクシマ))
  ④シナン・マビボさん(核廃棄物処分場被害住民(台湾))
    少数民族タオ族の一人。先住民族の権利や蘭嶼(らんしょ)島における放射性廃棄物処理施設反対を訴えている。
∮  アミカスキュリエ反論判事コメント、休廷

7月21日 =====“人類の未来へ勧告する”=====

∮  申立人陳述(つづき)
  ⑤原発労働者(斎藤征二さん(フクシマ))
  ⑥ヒロシマ・ナガサキ被爆者
  ⑦ハン・ジョンスンさん(韓国・被曝2世)
     韓国原爆2世患友会会長。韓国人原爆被害者とその子どもへの支援を韓国政府に求めている。
∮  判事団コメント
∮  証人調べ
  ①国際法学者 浦田賢治さん
   (早稲田大学名誉教授・国際反核法律家協会副会長)
  ②憲法学者 澤野義一さん
   (大阪経済法科大学教授)
∮  代理人団最終陳述
∮  アミカスキュリエ最終陳述
∮  判決言い渡し
   (判事団:鵜飼哲、田中利幸、前田朗、岡野八代)
   閉廷 

原発を問う民衆法廷(原発民衆法廷) (連絡先)
  090-2466-5184 (矢野) FAX 045-434-4225
 Email qqq568d9k@extra.ocn.ne.jp
 URL http://genpatsu-houtei.blogspot.com/ 

■資金協力(カンパ)のお願い
 東京法廷ではチェルノブイリ、オーストラリア、台湾、韓国から証言を予定しています。海外からの招請費用、会場費など多額の費用がかかります。 法廷成功の向け、皆さまのご協力をお願い申し上げます。
  郵便振替口座:原発民衆法廷実行委員会
  口座番号:00150-0-688570

【原発民衆法廷呼びかけ人】
青柳行信(人権・正義と平和連帯フォーラム代表)、足立昌勝(関東学院大学教授)、阿部浩己(神奈川大学教授)、上原公子(元国立市長)、河合弘之(弁護士、脱原発弁護団全国連絡会議代表)、黒田節子(原発いらない福島の女たち世話人)、澤野義一(大阪経済法科大学教授)、谷百合子(無防備平和のまちをつくる札幌市民の会)、田部知江子(弁護士)、新倉修(青山学院大学教授)、新村繁文(福島大学教授)、萩尾健太(弁護士)、布施哲也(反原発自治体議員市民連盟)、渕上太郎(経産省前テントひろば・9条改憲阻止の会)、武藤類子(ハイロアクション福島原発40年実行委)ほか

2013年7月17日水曜日

ヒューマノイド兵士開発・研究の現段階

「子ども・被災者支援法」制定一年 動かない支援策 (吉野裕之さんインタビュー)

「子ども・被災者支援法」制定一年 動かない支援策
吉野裕之さん子どもたちを放射能から守る福島ネットワークインタビュー

『福島と生きる』メールマガジン特別号 No.2-1
(2013年7月17日発行)

<目次>
パート1
 帰還する人々の不安/ あらためて放射線量の測定が必要/ 自分たちで動いて防護を
パート2
 「子ども・被災者支援法」――方針策定に当事者の声は反映されるのか?/
 国主導の検診制度と住宅延長・住み替え支援を/ 支援策が動いていないのはなぜか

I  帰還する人々の不安

Q1   原発事故から2年と3カ月が経過しましたが、いま福島に住んでいる人の間で避難や保養について、また逆に避難していた人の帰還について最近新しい変化や傾向はありますか?
 また、子どもたちの今後の育ちにとって一番重要となる課題は何か、それを実現するためにいまどんな状況にあって、何をやっていかなければならないかをお聞かせ下さい。

吉野  最近とくに新しいと思われる動きは、帰還する人が増えていることです。今年4月から、特に山形県から戻ってくる人が目立っている。山形県にはもともと避難している人も多かったので、戻ってくる人の中でも比率が高いのだと思います。また、近距離ゆえに帰還するかしないかの間で揺れているのかもしれません。遠方まで避難した方々とは別の気持の動きがあるのだと思います。

 ただ、戻ってきたからといって安心ではない。期待しているほど線量は低くないので、戻ってきたもののやはり不安だ、戻ってくるべきではなかったと後悔をしつつ、生活環境上戻ってこなくてはならなかったという事情がある。そこで戻ってきたお母さんたちがいま、新しく自分たちで「アットホーム・ママーズ」というメーリングリストを回し始めています。そういう活動を支援している地元のNPOもあります。

Q2  戻ってくる人たちの事情はいろいろだと思いますが、どういう特徴がありますか。

吉野  やはりお父さんがつらくなっているみたいです。「そろそろいいんじゃないの」と。福島県内は除染も行なわれているし、頑張って復興していこうという風潮が強く、それを見ているとお父さんも「なんかもう、大丈夫みたいだ」という気持ちになってしまう。離れているのもつらいので「そろそろ戻ってこい」という話になる。小学校から中学校へ上がる、中学校から高校へ上がる、小学校に入学するというタイミングで戻ってくる例が多いようです。

 原発事故子ども被災者支援法(支援法)(※1)が動いていない状況で、いまは2014年3月までは借り上げ住宅の支援があり、たぶん2015年まで延長される。その節目までに自分の子の進級を考えると「この4月でなきゃ」と考えるようになる。お父さんからの「戻ってこい」コールと、タイミングが合うという事情があります。

 一方、福島県内は除染もやってはいるが、遅々として進んでいないし、一回やったからといって毎時0・23マイクロシーベルトという環境省の除染目標を下回るところはあまりないと思う。私たちの測り方では0・23を超えているけど、業者さんが測るとき、とくに地表を測るときは、鉛で遮蔽し周辺環境からの影響をなくしてその部分だけの線量を測っている。

 だから、普通に測ったときの値の半分から3分の1ぐらい。それでやると0・23を下回っている。でも子どもたちは遮蔽された鎧を着て生活しているわけじゃない。だから、周辺環境の影響を受ける中で測らないと、子どもたちの受ける被曝量は真実通りには把握できません。

 モニタリングポストは周辺を掃除した上で立てているので、そこの測定値は低く出ています。一般的にテレビや新聞で発表されるのはモニタリングポストの測定値です。除染が終わった場所の公表数値も実際よりも低い。つまり生活を反映して測定されたのではないデータが世の中に出ています。それを見てお父さんは判断しているのです。

※1 法律全文と解説は「原発事故こども・被災者支援法市民会議」のサイトを参照。http://shiminkaigi.jimdo.com/


II あらためて放射線量の測定が必要
 だから、あらためて測らないとだめだということで、特殊な装置を使って測定活動をしています。その装置の開発者さんや研究者さんがボランティアで計って下さるのです。保育園の園長さんで非常に頑張っている人たちがいて、その人たちと保育園で散歩していたコースを歩きながら測ってみた。

 すると帰ってくる道の線量が高いので、同じ道を引き返してくるしかないことや、子どもを遊ばせていた広場も一番低いところしか使えないということが、この方法だと歩くだけで分かる。測ったものをすぐに地図に表すことができ、それを印刷することもできる。先生方にも保護者にも説明しやすい。

 すると別の保育園からも「うちもやってほしい」と声がかかりました。そこから保育園同士のネットワークでどんどん測っていって、結果を保護者に説明する。専門家にも来てもらって、一から「放射線とは」という説明をしてもらう。こういう状況だから、通学のときも散歩のときも気をつけてやります、防護しながらちゃんと考えて行きますと説明すれば保護者も納得してくれるでしょう。
 そういう作業をいまあらためて始めているところです。

Q3  公立の保育園も含めてやっているのですか?

吉野  いまのところ私立の認可保育園だけです。私立の無認可保育園の先生も知っているので、そのプロジェクトが上手く行きそうなら広げていきたい。すると必ずお兄ちゃん、お姉ちゃんがいる小学校の辺りはどうなんだろうという話になる。公立の小学校や幼稚園も、きちんと測り、子どもたちの被ばくを可能な限り低減させ、生活環境を安全にした方がいいという説明をしたいと思います。

 それから測定中に幼稚園の園庭で除染漏れが見つかりました。園庭のほかの場所は0・14マイクロシーベルトなのにそこだけ10倍高かった。土を削ってみると下の方は低かったので、間違って汚染された土を上にしてしまったということです。すぐに園長先生に現場監督を呼んでもらって自分たちでもきちんと測らせ、すぐに除染してくれと言いました。

 でも作業が終わるまで一週間かかりました。汚染された土をどこに持っていくかを決めないといけないからです。こういった除染漏れも、この測定機械だと一目瞭然に分かるのです。ただ、現在私たちの手元には一台しかなく、値段は135万円もします。

 つまり、園庭の再チェックと散歩コースのチェックをして、子どもたちが受けるかもしれない線量を把握することが必要なのです。それも雨風で変化するので、少なくとも半年に一回は測定し「クール・エリア」を探していく。

 うちの子の通学路は5ルートあるが、ナンバー3のルートが低いから、若干遠回りだけどナンバー3のルートの右側を通れとか。それをするだけで、一番線量が高いところの通学路の半分で済むかもしれない。そういう防護をしながら生活するのであれば、帰還したとしても少しは対処できる。
 何の対処もせずに、のほほんと生活していると被曝を増やす可能性があります。放射線に無自覚に生活して良い環境でない事を意識し、注意し続けなければならないのです。


III 自分たちで動いて防護を

Q4  行政は帰還した人に対して防護の情報を提供していますか。防護以外に何か特別な対策を帰還者に対してしているのでしょうか。

吉野  防護情報も出していないし、特別な対策は何もありません。先日、小学生が避難している家庭に対して、教育委員会から
 「福島市も除染を頑張っている。先日行われた鼓笛パレードも昨年より1kmコースを延長した。みな元気に歩いた。六魂際[20万人以上の見物客が来る大きな祭り]に向けてさらに除染を頑張っている。復興に向けて一丸となって取り組んでいるので、早期のご帰福をお願いします」
 という趣旨の手紙が来ました。200人以上が帰福した云々と書かれている。こういうものを読むと、自分がまるで非国民のようで追い打ちをかけられます。

 除染や祭りに関わる業者さんとして働いている家庭はたくさんあるし、仕事がなくなっている人たちもたくさんいるのですが、被曝から子どもを守る措置が十分でないのは確か。でも子どもが戻ってきてくれないと市の先行きも怪しい・・・。

 でも実際に測ってみるとこういう実態です。学校の前だって0・8マイクロシーベルトあります。通学路も総延長何百キロのうちの何キロはやっているという話で、未だ手つかずの部分の方が多い。国道4号線という幹線道路のうち、六魂際の会場となった部分はアスファルトを張り替え、歩道を高圧洗浄機で削ったのでそこはきれいになっているはずです。

 住民は、お祭りに来る人のためならそれだけ徹底的にやるのか、私たちはずっとここにいたのにお祭りが来なかったら除染してもらえなかったということか、という風に思う。そこで一部の住民から批判が上がりました。

 福島市のホームページに除染状況が公表されていますが(※2)、そこまで見る人はいません。活動している人か「エキスパートお母さん」ぐらいしか見ません。ホームページを見るほど気をつけたい人はすでに避難しています。

Q5   問題は、圧倒的多数のとどまっている人たちとどうつながれるかですね。保育園のネットワークはそのきっかけの一つということですね。

吉野  そうです。そういう活動を通じて、ちゃんと考えて意識的に生活していけば(被曝を)下げられます。苦肉の策だけれどそれをやる必要があります。また保養プログラムに参加して子どもを思い切り遊ばせることができる機会を自分からも作っていく必要があります。その際もお客さんとしてではなく、自分も保護者として役割を担えるように積極的に関わっていかなければ続かない。

 「やってもらって当たり前」ではだめだと気づいてほしいと思います。たとえば引率や名簿作りも自分たちでできるし、参加する子どものお母さんたちが自分たちでミーティングをやるぐらいにならないといけない。また、お母さん同士がママ友になって、次回に向けて一緒に準備する、そういうチームをいくつも作っていく。

 県がやっている「福島っ子事業」なども、5人以上のグループでプランを作り旅行会社を通じて申し込めば助成金をもらえるのですが、それにもスキルが要求されるので実現は大変です。しかし保養に参加するような意識のあるお母さんなら仲間を集めればできます。県内のグループは自分たちでプログラムを作って行くぐらいであってほしいと思います。

Q6  そういう問題意識をもって活動している個人や団体はどのくらいあるのですか?

吉野  私たちは福島市ですが、郡山には3a!(スリー・エー)郡山というグループがあります。会津にもいわきにも二本松にもあります。それに加えて、帰還したお母さんたちも、今度は保養でないとリフレッシュに出られなくなっているので、彼女たちが一番動いてくれるのではないかと思います。自分で解決しなくてはと思っている人たちですから。その人たちにつられるように、ずっと福島にいて、これまであまり動いてこなかったお母さんたちが参加していくという、お母さん同士のネットワークの方がいいのではないかと思います。

Q7  それこそまさに住民が、自分たちで主体となってやっていくということですね。

吉野  そうです。こちらに声をかけてくれればサポートできます。そのうち「自分たちだけで個別の保養ばかりやっていては不公平になるから、移動教室について教育委員会に相談しなければだめだよね」という話になっていくかもしれません。
 地元ではそういう活動をやりつつ、「支援法」をちゃんと動かしていくように、国会議員や関係者とディスカッションを続けていくことが必要です。

※2 福島市除染予定および進捗状況 
http://www.city.fukushima.fukushima.jp/soshiki/76/houtai12083101.html

パート2に続く
(文責: 『福島と生きるメールマガジン』 インタビュー日: 2013年6月15日)

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『福島と生きる』メールマガジン特別号No.2-1(2013年7月17日発行)
 『福島と生きる』メールマガジンは、『福島と生きる--国際NGOと市民運動の新たな挑戦』の共同執筆者の団体や活動の関連情報を発信していきます。

発行人=中野憲志・藤岡美恵子 (『福島と生きる--国際NGOと市民運動の新たな挑戦』共編者)


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「批評する工房のパレット」内の関連ページ
「子ども・被災者支援法」制定一年 動かない支援策 吉野裕之さんインタビュー (パート2)
⇒「3・11」2周年を前に ~健康相談会を通して見えてくる被災者の現実(橋本俊彦さんインタビュー) 『福島と生きる』メールマガジン特別号No,1(2013年2月14日発行)」
⇒「「100 万人の母たち七夕プロジェクト」&「子ども・被災者支援法 成立から1年」」(2013, 6/20)

2013年7月12日金曜日

オスプレイ追加配備: 沖縄県議会 全会一致で抗議決議

オスプレイ追加配備: 沖縄県議会 全会一致で抗議決議

「県議会(喜納昌春議長)6月定例会は11日、最終本会議を開き、米軍垂直離着陸輸送機MV22オスプレイの追加配備とF22ラプター戦闘機の配備延長の中止を求める抗議決議・意見書を全会一致で可決した。認可外保育園への国の防音工事費助成を求める意見書も全会一致で可決した。
 オスプレイとラプターに関する抗議決議は
「県民の騒音・環境問題などへの怒りと不安、墜落への恐怖は払しょくされておらず、県民の声を無視し続ける両政府の対応は言語道断で容認できない」と指摘し、日米両政府に全機撤収を求めた。同日午後、沖縄防衛局など県内の機関に要請行動を実施する。
  認可外保育園の防音工事助成の意見書は「子どもたちの心身の発達に重要な時期である乳幼児期において保育環境に格差があってはいけない」として、防音対策の実施と騒音による影響の実態把握を求めた。意見書は首相、財務相、防衛相あて。(琉球新報
・・

・オスプレイ追加12機 15日に米基地を出港
  米軍普天間飛行場に追加配備予定の海兵隊垂直離着陸輸送機MV22オスプレイ12機を積載した輸送船が15日(現地時間)に米カリフォルニア州サンディエゴの海軍基地を出港することが分かった。
 米海兵隊当局は本紙に対し、29日(日本時間)ごろに米軍岩国基地(山口県)に到着し、機体の整備や試験飛行を行った後、8月上旬に普天間に飛来するとの見通しを示し、配備スケジュールは滞りなく進行していると強調した。
 米軍準機関紙「星条旗新聞」は9日付の記事で、仲井真弘多知事が8日に岸田文雄外相にオスプレイの追加配備の見直しを要請したものの具体的な回答はなく、日本政府が同日に公表した防衛白書では、オスプレイの沖縄配備が評価されているなどと報じた。
 一方で、昨年、モロッコやフロリダなどで発生した死傷事故など安全性への懸念が沖縄や日本で払拭(ふっしょく)されていないと指摘。県内では追加配備への反対も強く、仲井真知事の要請がどう影響するかは分からないとしている。(沖縄タイムス 平安名純代・米国特約記者

2013年7月11日木曜日

沖縄県知事に、埋立不承認を要請するメッセージ(意見書)を!

沖縄県知事に、埋立不承認を要請するメッセージ(意見書)を!

 沖縄の海を軍事基地建設のために潰さないよう、
 最終的に、知事に埋立を不承認 とするよう、メッセージ(意見書)を郵送して下さい!
 〆切は7月18日(消印有効)が期限です。これが制度の枠組みの中で、意見を出せる最後のチャンスです。 ハガキを手にとって下さい。用箋をご用意ください。意見書のフォームも下のリンクでダウンロードできます。

 意見書を出すことができる人は「利害関係人(りがいかんけいにん)」です。
 ちょっと難しそうに聞こえますが、じつは誰でも意見を出すことは出来る のです。経済的な「利害」のみを指しているのではありません。
 沖縄県の担当部署の海岸防災課は利害関係者の範囲は限定しないと表明しています。審査時に利害関係者の妥当性の検討はあるかもしれませんが、「利害関係者」が事業者の都合のいいように、あるいは申請を判断する行政の都合の いい ように決められていくことを防ぐことも重要です。

 制度は私たちがつくっていくもの。どうか勇気を持って、一枚、いや何枚でも、あらゆる立場から、あらゆる意見を県知事に伝えていきましょう。
 意見書に書くことは、○ 利害関係の内容、○ 意見です。例えば

自然を愛する沖縄県民として…(利害関係人の説明)
 ジュゴンのいる海を守りたいからです!この海を埋めることなんて絶対ダメ。
  「沖縄県知事は不承認とすべきである」と意見します。
地元の人間として…(利害関係人の説明)
  景色を楽しみ、波の音を楽しみ気持ちのいい風を楽しんでいます。騒音と油の匂いでこわしたくない! 埋立認めないでください。
子どもの親として…(利害関係人の…以下同)
 よく遊びに行くうつくしい海だから埋め立てて欲しくないです。許可しないでください。子ども達に基地のために大切な環境を犠牲にして、とり もどせない……後悔をしたくないです!
基地の被害を被ってきた者として
 沖縄は長い年月、基地に苦しめられてきました。これ以上、基地を増やさないでください。このままでは100年しても沖縄の苦しみはおわりま せん。
内地からあそびに来ていた者として
 沖縄に来て、素晴らしい海に感動しました。この海を埋めるないで!この海は、大切な未来への宝です。
琉球諸島の自然が世界遺産になることを望んでいる人として
 辺野古・大浦湾を埋め立てることは、世界遺産への障害となります。やめて!
 

 詳細については、以下の沖縄BD関連のブログ他を参照して下さい。
 辺野古の海を守るための知事への意見書お手紙カキカキブログ(沖縄BD)
 http://bit.ly/19Fp4nc
 沖縄・生物多様性市民ネットのブログより埋立関連記事(沖縄BD)
 http://bit.ly/1aP1PH8
 仲井真知事が埋立て申請に「不許可」を出せる環境を!(個人)
 http://bit.ly/1aP1ILv
 

 なかなか郵便出せない人はメールで内容のまとめを手伝い、提出を代行します。
 沖縄BDと作成した拡散用チラシ&書式はこちらからPDFデータをダウンロードできます。  http://bit.ly/1aP1vYF
 沖縄県の書式のダウンロードはこちら http://bit.ly/154ZXni

1 法人その他の団体にあってはその名称、代表者の氏名及び主たる事務所の所在地を記入して下さい。
2 日本語で記入して下さい。
3 意見書は平成25年7月18日までに、下記のいずれ かへ持参するか郵送(当日消印有効)で提出して下さい。

〒900-8570 那覇市泉崎1-2-2
沖縄県 土木建築部海岸防災課(098-866-2410 
〒900-8570 那覇市泉崎1-2-2
沖縄 県農林水産部漁港漁場課(098-866-2305
〒905-0015 名護市大南1-13-11
沖縄県北部土木事務所維持管理班(0980-53-1787
〒905-0015 名護市大南1-13-11
沖 縄県農林水産部北部農林水産振興センター,/農業水産整備課土地改良班(0980-52-3766

福岡地方検察庁: 福岡で不当逮捕された原発事故避難者のKさんを起訴しないでください

福岡地方検察庁: 福岡で不当逮捕された原発事故避難者のKさんを起訴しないでください
Kさんを支える会」より

 Kさんは福島第一原発による放射能汚染を逃れるために、東京から避難してきた方です。
 なかなか福岡での生活を立てなおすことが出来ず、福岡市の生活保護を受けていました。しかし、転居した事実などないのに、市の生活保護課は一方的に「糸島に転居した」と決めつけ、それを理由に生活保護支給がいったん打ち切りになってしまいました。
 Kさんは生活保護の再申請の話し合いをしていましたが、精神状態が不安定で、保護課の検診命令で受診し、病院から通院指示も出ていました。

 保護課は、そのように体調の良くないKさんの状態をわかっていながら、Kさんに面談を申入れ、面談の席で「傷害事件」とされるトラブルが起きてしまったのです。しかし、保護課職員2名に対してKさんは1人という密室でトラブルは起こっており、Kさんが職員に「ポットのようなものなどを投げつけ、全治一週間の怪我を負わせた」となっていますが、その根拠は職員の供述だけ。それ以外に客観的な証拠は何もありません。Kさん自身は「机の上のものを払っただけで、投げつけてはいない」と容疑を否認しています。

 保護課職員は以前からKさんの精神状態が不安定であることを認識していました。職員の指示で医師の診察を受け、カウンセリングも受けていました。にも関わらず、保護課の職員は二人がかりの密室で、再びKさんと面談し、しかも彼女が触れられたくない話題をあえて持ち出し、事件に至った…。これは明らかに異常な状況ではないでしょうか?意図的にKさんを追い詰めたと言われても仕方がないと思います。

 なぜそんなことになったのか?
 一つには、生活保護バッシングであるということがいえるでしょう。日本経済の低迷する中、生活保護制度に対する嫌悪を育て、社会の不満のはけ口としていく手法。生活保護を申請することを思いとどまらせるための生活保護受給者ネガティブキャンペーン

 また、生活保護受給者であることを恥である、後ろめたいと思わせ、廃止届を出させるためのキャンペーン。保護課に警察官OBを配置して、生活保護受給者を犯罪者扱いにするより、ケースワーカーを増やせば、多くのトラブルは防止できるはずなのに、そうはしないのです。

 そして、Kさんは、脱原発運動などに積極的に参加していました。逮捕後の家宅捜索で、今回の事件に関係があるとは到底言えない「現場になかった彼女の所持品のパソコン」まで押収してしまっている。これを許している裁判所の判断は明らかに常軌を逸しています。彼女のしたことを一方的に決めつけて、この機に乗じて彼女のプライバシーや、行動を不当に調べ上げようという警察の暴走を止めるのが本来裁判所の役割のはず。

 これは、警察と裁判所が一体となった運動潰しの弾圧として、みんなで闘っていかなければならない不当逮捕です。彼女は、精神状態がよくなかったのを保護課は知っていたのだから、当然、彼女の健康状態に配慮した対応をしなければなりませんでした。ところが、彼女を挑発し混乱させてしまったのです。保護課の対応こそが責められるべきではないでしょうか?
 この署名は7月12日15時に福岡地検に提出します。できるだけ11日いっぱいまでに署名をお願い致します。

 更に詳しい情報は下記へ
 http://samadi.cocolog-nifty.com/ksan/2013/07/201375-d89c.html
 

2013年7月10日水曜日

「レイシズム、あかん。第2弾」(7/20 大阪)

「レイシズム、あかん。第2弾」(7/20 大阪)

 日本は人種差別撤廃条約を含む7の主要な国連人権条約を批准しました。条約に加入すれば、各条約委員会による定期審査を受けます。
 先にメディア各紙で報じられた「慰安婦」問題に関する暴言に対する国連の懸念と勧告は、社会権規約と拷問等禁止条約の日本審査から出てきました。条約の批准は“国内でそれを実施します”という政府の誓いを表します。
 1995年、日本は人種差別撤廃条約に加入し、在日コリアン、部落、アイヌ民族、琉球・沖縄、移住者などに対する偏見、差別、排除を撤廃することを誓いましたが、現状はその実施からまだほど遠いことを示しています。私たち市民社会から声をあげ、政府に実施を迫りましょう!

◆日時:2013年7月20日(土)   午後6時~8時半
◆場所:ドーンセンター(大阪府立男女共同参画・青少年センター)5F セミナー室2
  京阪「天満橋」駅または地下鉄谷町線「天満橋」駅下車

◆プログラム
〇報告:「人種差別撤廃にとりくむ世界の国々・とりくまない日本─法律からみる」
師岡康子さん(大阪経済法科大学アジア太平洋研究センター 客員研究員・外国人人権法連絡会)
〇「日本の人種差別の現状を知ろう」 - 現場からの報告
*国連は認めた  朝鮮高校無償化除外は条約違反
*世界は認めない レイシストたちの歴史歪曲と女性差別
*ヘイトスピーチを許さない
〇自由討論「使える、使おう、国連人権条約」

◆参加費:500円(IMADR、ヒューライツ大阪会員は無料)
◆主催:人種差別撤廃NGOネットワーク/反差別国際運動日本委員会(IMADR-JC)
◆共催:アジア・太平洋人権情報センター(ヒューライツ大阪)
◆連絡先:反差別国際運動(IMADR)大阪デスク  TEL06-6581-8848
▽会場地図、チラシなど http://imadr.net/stopracism-kansai2/

福島第一 セシウム濃度急上昇 3万3000ベクレル検出

福島第一 セシウム濃度急上昇 3万3000ベクレル検出

 「東京電力は10日、福島第一原発の調査用の井戸から、これまでで最も高い1リットルあたり3万3000ベクレルの放射性セシウムが検出されたと発表した。4日前は309ベクレルで、濃度が急上昇している。・・・・・。
 東電は、海への流出を防ぐため、7月末までに護岸の地盤改良工事を終える予定だが、現時点での流出については「わからない。データを蓄積して分析する」と判断を据え置いている」 (Hazard Lab
・・
 「9日に採取した水1リットル当たりの濃度は、セシウム134が1万1000ベクレル(8日は9000ベクレル)、セシウム137が2万2000ベクレル(同1万8000ベクレル)と上昇。5日採取の水と比べると、107倍になった。
 ストロンチウムなどのベータ線を出す放射性物質の濃度は90万ベクレルで、8日の89万ベクレルから増えていた」(毎日
・・
 「・・・ 東電は「周辺の土が混入した可能性があり、再測定する」としているが、敷地の地下水で汚染が広がっている可能性も否定できない。・・・。 東電は、 「セシウムは土に吸着されやすく、水溶性のトリチウムと違って地下水から検出されにくい」と説明していた」(河北新報

・・
 「地下水に詳しい産業技術総合研究所の丸井敦尚総括研究主幹
・建屋などから新たに汚染水が漏れ出している可能性
・護岸を固めるだけでなく、原子炉を囲むように鋼鉄製の仕切り板を打ち込み、さらにその隙間に水を通しにくい粘土を入れるなどして、何重にも対策をとるべき
・地下水は横だけでなく上下にも動くので、さらに敷地内の広い範囲に観測用の井戸を設けるほか、沿岸の海底で地下水が湧き出している場所の調査も行い、地下水の全体的な流れを把握したうえで、抜本的な対策を立てるべき」(NHK

2013年7月6日土曜日

『福島と生きる』メールマガジン第8号

『福島と生きる』メールマガジン第8号
――息長く〈福島〉とつながり続けるために――

2013年7月6日発行(不定期刊)

―目次―
◆イベント情報
◆保養情報
◆福島のいまを伝える動画ニュース=JJNews
◆キャンペーン・活動情報
◆ニュースクリップ

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◆イベント情報(イベント情報は変更されることもあります。必ず主催者サイトでご確認下さい)
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1.「セミナー 低線量被ばくによる健康影響と対策」
  7月7日(日) 13:30- (那須塩原市三島公民館)
  ※内容
   ○チェルノブイリ原発事故から学ぶこと
   (吉田由布子さん/ 「チェルノブイリ被害調査・救援」女性ネットワーク)
   ○甲状腺ガン多発を受けて、子どもたちをまもるために
   (高松勇先生/ 小児科医)
   ○市民からの提案
   (阪上武さん/福島老朽原発を考える会)
  ※主催: 那須塩原 放射能から子どもを守る会 
  ※問い合わせ: 那須塩原放射能から子どもを守る会
    080-3206-9178 kodomowomamorukai2011@gmail.com
  ※詳細: イベントサイト 

2.「講演会 放射能と福島原発の今」
  7月7日(日)13:30- (須賀川市・愛親会館)
  ※講師: 橋本俊彦(鍼灸師・NPO法人ライフケア)
  ※主催: 愛宕町内会婦人部

3.「健康相談会」
  7月8日(月)15:00- (須賀川市・銀河のほとり)
  7月9日(火)午後 (米沢市・おいたまサロン2F「ふわっと」)
  ※講師: 橋本俊彦(鍼灸師・NPO法人ライフケア) 小林恒司(心療内科医師)
  ※お問い合わせ・申し込み(要予約):  070-5629-3229 (渡辺)

4.「オーガニックランチ&トーク 福島の有機農家からお話を聞く会」
  7月13日(土)12:00-15:00 (東京下北沢・ふくしまオルガン堂)
  ※南相馬市で災害FM局や仮設住宅でのサロン運営支援を続けている日本国際ボランティアセンター(JVC)による、「ふくしまオルガン堂セミナー シリーズ 南相馬から」第一弾。
 ゲストは放射能被害を受けた福島県二本松市で、震災以降も試行錯誤しながら有機農業を続けている、菅野正寿さん。
  ※トーク:菅野正寿(福島県有機農業ネットワーク)
  ※聞き手:谷山 由子(JVC震災被災地支援(南相馬)担当)
  ※参加費:1500円(ランチ込み)
  ※主催: 日本国際ボランティアセンター ☆このイベントは定員に達しました

5.「早稲谷大学連続講座 食べものとエネルギーの自産自消」(継続中。次回開講7/13-14)
  ※会津の山里で、穀物・イモ・ダイズの有機栽培とエネルギーの自産自消を体験し、サバイバルを目指すプログラム。塾長は長谷川浩さん(著書『食べものとエネルギーの自産自消――3・11後の持続可能な生き方』コモンズ)。
  ※申し込み・問い合わせ: yuki_gakkai@mac.com  ※詳細→こちら 

6. 「東日本大震災における市民社会(CSOs)の活動に係る合同レビューワークショップ」
  7月18日(木)10:00-17:30(東京・早稲田奉仕園大会議室)
  ※地球市民社会の防災ネットワーク(GNDR)(ジュネーブ)からの帰国報告、合同レビューワークショップ(グループディスカッション・東日本大震災におけるCSO活動の振り返り
  ※主催:国際協力NGOセンター(JANIC)/チャーチ・ワールド・サービスジャパン(CWSJ)/ピースボート災害ボランティアセンター(PBV)
  ※申し込み・問い合わせ:JANIC震災タスクフォース 服部(田島)
   TEL: 03-5292-2911  メール:hattori@janic.org

7.「福島で命の恵みを感じる夏2013」
  7月20日(土)-21日(日)/8月17日(土)-18日(日)(福島県二本松市)
  ※二本松市で有機農業を営む菅野瑞穂さんが立ち上げた会社、きぼうのたねカンパニーによる、一泊二日の野菜収穫体験・ワークショップ・交流会。オプションで三日目に南相馬市視察もできます。
 ※参加費: 大人 13,500円/学生 12,500円/小学生以下 9,500円
 ※きぼうのたねカンパニーのその他の予定
 ◆8月限定!!毎週土曜日開催《青空朝市》(仮)
    トマト狩り、野菜収穫体験
 ◆8月6日(火)14:00?17:00
   畑の見学会@きぼうのたねカンパニー
   参加費:1000円(野菜収穫と野菜のミニブックプレゼント)
 ※申し込み・問い合わせ:きぼうのたねカンパニー 

8.「FoEぜみなーる③:強制される「帰還」-福島の現実」
  7月23日(火)18:30-20:30(東京・地球環境パートナーシッププラザ)
  ※伊達市小国地区での避難勧奨地点指定解除の問題、住民の方々が置かれている状況、国連人権理事会でのアナンド・グローバー氏の報告をもとに、福島の「今」を考えましょう。
  ※主催・問合せ: 国際環境NGO FoE Japan
             Tel: 03-6907-7217  当日: 090-6142-1807
             E-mail:finance@foejapan.org
  ※詳細: イベントサイト 
  ※関連記事: 「避難指定解除の現実…3.8μSv/時で指定解除、住民の意見は聴かれず、
    賠償打切りで「兵糧攻め」、住民の声をきいてください」

9. 「みんなでいわき!ツアー vol.3」
 8月8日(木) ~ 10日(土)、2泊3日(いわき市/新宿駅前集合・解散)
 ※福島県いわき市は津波や地震の被害を受けながら、原発事故による避難者を多く受け入れており、複雑な状況になっています。被災地に暮らす人々は今何を思い、暮らしはどうなっているのか。地元のお祭り・農作業ボランティアなどに参加し、いわき市に暮らす人々との交流を通して、現状を肌で感じるためのツアーです。
 ※参加費: 21,000円
 ※よびかけ・現地コーディネーション: シャプラニール
 ※企画・実施: 常磐交通観光
 ※申し込み締め切り: 2013年7月18日(木)
 ※詳細はこちら

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◆保養情報
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1.ほよーん相談会
  子どもローテーション保養のデータベース。全国各地の保養情報が掲載されています。
  全国の避難者支援団体の情報もあります。サイトはこちら 

2.子どもたちを放射能から守る信州ネットワーク(子ども信州ネット)
  長野県内の保養情報が掲載されています。サイトはこちら 

3.自然まるごと佐渡ヶ島!海、山、野っぱら どろんこツアー
  期間: 7月22日(月)-8月24日(土)
  (第一期から第四期まで分かれています。短期および通しでの参加可)
  開催地: 新潟県佐渡ヶ島「保養センターへっついの家」
  対象者: 福島県に住む高校生までの子どもと親子(県外避難者・妊婦を含む)
  主催: NPO法人りょうぜん里山がっこう
  問い合わせ: NPO法人りょうぜん里山がっこう
           Tel:  024-587-1032 メール: info@date-satoyama.com
  
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◆福島のいまを伝える動画ニュース=JJNews
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 JJNewsは福島支援を行うNGOのJANICとJIM-NETが提携して動画で福島を伝えるニュースです。最新号のVol.3 「旧警戒区域の農業再開に向けて」は原発事故以降、警戒区域に指定され、現在も居住が出来ない南相馬市小高区にて農業再開のため試験栽培を始めた根本洗一さんに、農業再開に対する思いを聞きました(映像制作: JANIC・渡部直紀さん)
 JJNewsはこちら 

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◆キャンペーン・活動情報
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1.「原発事故子ども・被災者支援法」1周年声明
 原発事故子ども・被災者支援法市民会議が「政府による1年間にわたる不作為に抗議し 原発事故子ども・被災者支援法に基づく基本方針の速やかな策定を求める」声明を発表しました。
 声明文はこちら 

2.いわき市でのNGOのとりくみ(情報提供: シャプラニール)
(1)「まちの交流サロン‘まざり~な’」プロジェクト
  いわき市で復興支援に関わるNPOや活動のネットワーク「みんぷく(3.11被災者を支援するいわき連絡協議会)」内の借上げ住宅支援部会では、いわき市に住む皆さんがいつでも気軽に立ち寄れ、お茶でも飲みながらホッと一息ついて買い物がてら情報も得られるような場所を検討してきました。そこで立ち上がったのが「まちの交流サロン‘まざり~な’」プロジェクト。

 いわき市内の商店に協力いただき、お店の一角に支援情報や町の情報を置いていただき、立ち寄った際にお店の人と一言二言交わせるようなスペースのご提供をお願いしています。ちょっとした生活での困りごと、ご近所付き合いの中から、被災状況に関わらず、お互いに支え合えるような関係が出来たらと考えています。 震災から3年目となる今だからこそ、共に支え合えるまちづくりの一助になればと、協力商店を開拓中です。

(2)情報紙「一歩一報」創刊
 いわき市で支援活動にあたっていて、交流サロン等を運営する4つのNPO(ザ・ピープル、勿来復興プロジェクト、いわき生活自立センター(ぱお広場)、シャプラニール)と、NPOのネットワーク団体「みんぷく」がこの度合同で情報紙を発行することになりました。もともとそれぞれの団体が各サロンの情報等を掲載した情報誌を制作していましたが、より多くの方に各団体の情報をお届けしたい、ということでこの合同情報紙ができあがりました。

 情報紙は、これを読んでいただき、それぞれのペースで小さくても一歩が踏み出せるようなお手伝いが出来たらという思いから「一歩一報(いっぽいっぽ)」と名付けました。 各サロンでの利用者さんの生き生きした表情、自ら動き出した人や団体の紹介、また、各サロンの教室予定等を掲載しています。 ご覧になりたい方は、みんぷく事務局(電話 0246-38-7359 )にご連絡いただく
か、こちらのPDFからご覧ください。
http://www.minpuku.net/publics/index/39/

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◆ニュースクリップ
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政府、被曝量の自己管理を提案 「除染完了」説明会で (朝日新聞デジタル 6月29日(土))
 政府が福島県田村市の除染作業完了後に開いた住民説明会で、空気中の放射線量を毎時0・23マイクロシーベルト(年1ミリシーベルト)以下 にする目標を達成できなくても、
一人ひとりが線量計を身につけ、実際に浴びる「個人線量」が年1ミリを超えないように自己管理しながら自宅で暮らす(!!!)提案を していたことが分かった。

 田村市都路(みやこじ)地区は避難指示解除準備区域に指定され、自宅に住めない。政府が計画した除染作業は一通り終わったが、住宅地は平均毎時0・32~0・54マイクロにとどまり、大半の地点で目標に届かなかった。政府は今月23日に住民説明会を一部非公開で開いた。
 朝日新聞が入手した録音記録によると、住民から「目標値まで国が除染すると言っていた」として再除染の要望が相次いだが、政府側は現時点で再除染に応じ ず、目標値について「1日外に8時間いた場合に年1ミリを超えないという前提で算出され、個人差がある」と説明。「0・23マイクロと、実際に個人が生活 して浴びる線量は結びつけるべきではない」としたうえで「新型の優れた線量計を希望者に渡すので自分で確認してほしい」と述べ、今夏のお盆前にも自宅で生 活できるようにすると伝えた。

 説明会を主催した復興庁の責任者の秀田智彦統括官付参事官は取材に「無尽蔵に予算があれば納得してもらうまで除染できるが、とてもやりきれない。希望者 には線量計で一人ひとり判断してもらうという提案が(政府側から)あった」と述べた。除染で線量を下げて住民が帰る環境を整える従来の方針から、目標に届 かなくても自宅へ帰り被曝(ひばく)線量を自己管理して暮らすことを促す方向へ、政策転換が進む可能性がある。
 環境省は取材に対して説明会での同省の発言を否定した。録音記録があり、多くの住民も証言していると伝えたが、明確な回答はなかった。

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『福島と生きる』メールマガジン第8号(2013年7月6日発行)
※『福島と生きる』メールマガジンは、『福島と生きる--国際NGOと市民運動の新たな挑戦』の共同執筆者の団体や活動の関連情報を発信していきます。

発行人=中野憲志・藤岡美恵子(『福島と生きる--国際NGOと市民運動の新たな挑戦』共編者)