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⇒「再検証・玄海原子力発電所」(佐賀新聞)
⇒「<佐賀・玄海原発>4号機再稼働 市民の声を聞け 九電に4団体抗議」(毎日)
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玄海原発が、危ない。いよいよ、危ない。
この期に及んで「再稼働に地元の同意など必要ない」と居直る九電。
その幾分悲惨とも言える姿に、とんでもないいたずらをしでかし、家族みんなに叱られ、「もう二度としません」と反省文を書いたはずの子どもが、あまりにみんなの追求が厳しいものだから、憔悴の果てに勝手に逆ギレし、暴れまくり、実は反省も何もしていなかったことが明らかになるという、そんな子どもの姿を思い浮かべてしまうのは、私だけだろうか。電力業界の面々、原子力ムラの面々は、どうしてこうなのだろう?
そして、原発再稼働は「地元の同意事項ではなく、国の判断に異論を挟むのは難しい」と語る岸本英雄玄海町長はと言えば、相変わらずのようだ。この人は、原発立地自治体の長として、この7ヶ月半、福島での事態の推移を見ながら、いったい何を学んだのだろう?
ともあれ。「連中」はがむしゃらで、必死である。私たちは、理性を失うことなく、必死になろう。
アップデート
先ほど読んだ毎日新聞の記事によると、九電は、玄海原発4号機について、「自社の判断で再稼働させることを玄海町の岸本英雄町長に正式に伝えた」という。九電は、明日にも再稼働し、今週中にも通常運転に移行させるつもりであるらしい。
これに対する岸本町長の弁。「国が安全と言ったので納得している」。
一方、「やらせメール問題」などで満身創痍の古川康知事。「国の責任で安全管理をやってもらうという話なので、それを全く否定することではない」「国がどう考えているか確認したい」・・・。
原発災害と再稼働における自治体の責任とは何か?
私たちは、もう一度一から議論をし直したほうがよさそうだ。、
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・玄海原発4号機を再稼働 佐賀、知事と町長が容認
九州電力は1日、人為的ミスによるトラブルで停止した玄海原発(佐賀県玄海町)4号機について、同日午後11時に原子炉を再稼働し、2日午後に発電を再開すると発表。東京電力福島第一原発の事故後、トラブルで停止した原発の再稼働は初。周辺住民への十分な説明がないまま再稼働を強行する姿勢に、反発が広がりそうだ。
佐賀県の古川康知事は1日午後、県庁で記者団に「国が十分に審査し判断したことなら受け入れる」とし、再稼働を容認。玄海町の岸本英雄町長も容認姿勢を示した。 九電によると、玄海4号機は4日ごろ通常運転に復帰する予定。ただし、12月中旬には定期検査で再び停止する。 【共同通信】
・玄海4号機再稼働 地元の同意なく広がる波紋(佐賀新聞)
・玄海4号機、数日で再稼働へ 九電「準備でき次第、通常運転」
九州電力玄海原発(佐賀県玄海町)4号機が人為的ミスによるトラブルで自動停止した問題で、九電は10月31日、「準備ができ次第、通常運転に復帰し、(当初予定通り)12月に定期検査に入る」とするコメントを発表し、数日中にも再稼働させることを明らかにした。九電関係者によると、同日夜、再開準備の作業に入った。
原発の安全性をめぐる議論が続く中、地元理解を得ることなく再稼働を表明したことに批判が集まることは確実。玄海原発をめぐるやらせメール問題も決着しておらず、社内からも疑問の声が出ている。(共同)
・玄海4号機運転再開へ 九電、地元同意「必要ない」
九州電力玄海原発4号機(東松浦郡玄海町)が人為的ミスによるトラブルで自動停止した問題で、経産省原子力安全・保安院は31日、九電が提出していた原因分析と再発防止を明記した報告書に対して「おおむね妥当」と評価した。これを受け、九電は運転再開の方針を発表。
「運転再開は事業者判断」とした保安院の見解を根拠に、立地自治体の首長の同意は「必要ない」として、同日夜から運転操作の準備に入った。地元同意もないままの再稼働には批判が出そうだ。
保安院は、九電が10月21日に提出した報告書について「原因が適切に推定され、対策が取られている。おおむね妥当」(?)と評価した。4号機は定期検査で停止した原発の再稼働条件としている安全評価(1次評価)の「対象外」とし、「運転再開は事業者判断」としている。
九電は国の評価を受け、県と玄海町に12月中旬に予定している定期検査前に、いったん運転を再開する意向を伝えた。10月21、22日には同町内の全戸に原因と再発防止策を記したチラシを配布。「住民への理解活動は進めてきた」として、立地自治体の首長の同意は「必要ない」としている。4号機は高温停止状態で、運転操作開始後、早ければ1日で発電を再開、4、5日で通常運転に復帰する。
4号機は10月4日、誤った補修作業の手順書に沿って復水器を真空状態に保つ蒸気元弁の部品交換を行った結果、空気が入って自動停止した。
岸本英雄玄海町長は「地元の同意事項ではなく、国の判断に異論を挟むのは難しい(?)。ただ、国が大丈夫というからすぐに運転再開というのはいかがなものか」と疑問を呈し、1日にも国に対して「妥当」と判断した理由を確認する考えを示した。
福島第1原発事故を受け、国内の原発54基は定期検査で順次停止し、現在、稼働しているのは玄海1号機など10基となっている。 (佐賀新聞)
・玄海3号機「耐震安全性に影響ない」 九電、国に報告
九州電力は31日、耐震安全性評価でデータの入力ミスがあった玄海原発3号機について、正しいデータによる解析を行い、「耐震安全性に影響はない」とする評価結果を経産省原子力安全・保安院に報告した。同様の入力ミスがあった4号機は解析作業が遅れており、11月21日までに報告する。
玄海3号機は今年7月、2008年、09年に提出した中間報告と最終報告で、復水タンクの屋根の重量に関するデータなど3カ所で入力ミスが発覚。安全上、重要な建物や機器、配管などの耐震安全性を正しいデータ(?)で解析した。
同1、2号機の報告書についても合わせて再点検した結果、新たに15カ所の転記ミスが見つかった。九電は「実際のデータは正確で、安全に問題はない」としている。
九電は2、3号機で再稼働の条件となる安全評価(1次評価)を進めており、早期に評価結果を国に提出した考え。国が妥当と判断すれば、3号機は地震関連のテストに入ることになるが、「やらせメール」問題が収束していない中で、厳しい見通しとなっている。(佐賀新聞)
・被爆者団体が九電に抗議へ やらせメール問題
長崎市の被爆者5団体は10月31日、九州電力本店(福岡市)を4日に訪問し、玄海原発の再稼働をめぐるやらせメール問題などに抗議すると発表した。 真部利応社長宛ての抗議文を同社に提出し、運転開始から35年以上が経過した玄海原発1号機の廃炉も求めるという。
5団体はやらせメール問題について「長年の独占体制による利用者無視ともいえる行為だ」と厳しく批判。東京電力福島第1原発事故後も、老朽化した玄海1号機が稼働し続けることに危機感を感じたとしている。 長崎県平和運動センター被爆者連絡協議会の川野浩一議長は「稼働する原発を止め、再生可能エネルギーに転換していくべきだ」と話した。 (佐賀新聞)
・野田首相:原発再稼働に前向き…英紙インタビューに
野田佳彦首相は31日までに英紙フィナンシャル・タイムズのインタビューに応じ、運転停止中の原発について「(安全評価を原子力安全委員会などがチェックする)一連のプロセスを踏み、再稼働できるものは再稼働していく。政治が前面に立って説明する」と述べ、再稼働に前向きな考えを示した。来夏の電力需給については「節電や電力供給の主体を多様化するなどの対応が必要」と強調した。【毎日・中井正裕】
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「批評する工房のパレット」内の関連ページ
⇒「玄海と川内が危ない!」(2011/7/5)
⇒「玄海と川内が危ない!(2)」(2011/7/7)
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・野田首相:原発新増設一部容認の発言 島根原発など背景か
野田佳彦首相が(10月)17日の毎日新聞のインタビューで、原子力発電所の新増設を一部容認する姿勢を示した背景には、中国電力が建設中の島根原発3号機(松江市)の工事の進捗(しんちょく)状況が、4月末時点で約93%に達した事情を踏まえた現実的な判断がある。ただ首相は「全くまっさらなところから新しいものを作るのは極めて困難」とも指摘。新増設を推進する考えとは一線を画す考えも強調した。
首相は原発の新増設について「中国地方などで進んでいるものもある。そういうものも含めて個別の判断になっていく」と述べた。あえて「中国地方」に言及し、島根原発が念頭にあることを示唆した形だ。首相は原発の再稼働についても「地元の理解や国民感情などを踏まえて政治判断する」と述べており、来夏の電力不足などをにらみ、短期的に原発に依存するのは避けられないと判断したようだ。
島根原発3号機は05年に着工、4月末現在で93.6%まで工事が進んでいる。中国電力は当初、来年3月の営業運転開始を予定していたが、東京電力福島第1原発事故を受け、中国電力は5月、津波対策強化のため営業開始の延期を発表した。3号機は震災前の今年2月、制御棒の動作で不具合が判明したため運転開始を3カ月遅らせて来年3月に延期しており、延期は2回目となる。
中国電力の苅田知英社長は9月16日の記者会見で、3号機について「発電に関わる機器の据え付けもほぼ終わっている」と述べ、地元の理解を得て営業運転を開始したい意向を示していた。
このほかに現在、新規立地で建設中または計画が具体的に進んでいるのは、Jパワー(電源開発)、東電、中国電力など4カ所で計6基ある。いずれも震災発生を受け、工事や計画は中断したままだ。
Jパワーが建設中の大間原発(青森県大間町)は37.6%まで工事が進んでいた。東電は青森県東通村で、東通原発1号機の17年3月の稼働を目指して建設中で、20年度以降に稼働予定の2号機も計画を進めていた。中国電力は上関原発1、2号機(山口県上関町)の建設に向けて、陸地の造成や海面の埋め立てなどの工事を行っていた。【毎日・野原大輔、久野華代】
・野田首相:インタビュー要旨(10/18毎日、抜粋)
▽TPP交渉参加
アジア太平洋地域は経済成長のエンジンで、高いレベルの経済連携は日本にとってプラス。一方、農業再生との両立などの懸念を一つ一つきちんと説明していくのが大事。特定の時期に特定の結論ありきでなく、幅広く議論し、なるべく早い時期に結論を出す。
▽普天間飛行場移設
日米合意にのっとり、沖縄の負担軽減を図りながら、沖縄の理解をいただく。
▽原発の再稼働と新増設
再稼働はストレステストなどを経て、地元の了解や国民感情などを踏まえて政治判断する。現時点で新増設は全体的には困難。ただ既に建設が相当進んでいるものは個々に判断する。まっさらな所から新しいものを作るのは極めて困難だ。
▽原発輸出
2国間の信頼を損なわないことに留意し、(国会審議中の)ロシア、韓国、ヨルダン、ベトナムの原子力協定は進める。ただ、新たに違う国と協定交渉や原発輸出をするかどうかという議論は違う。原発事故の検証などを見ながら結論を出す。
▽復興増税
(復興債の)償還期間や税目は、与野党協議で取り入れられるものは取り入れる。償還期間は将来世代に先送りせず、今を生きる世代が分かち合う。たばこ税は公明党が決して反対でない。償還期間は10年が基本だが、よく話を聞いて対応する。60年では従来の建設国債と同じで、それはいくらなんでも違う。
・スロースリップ:房総沖でプレート滑り、群発地震誘発も
防災科学技術研究所(茨城県つくば市)は(10月)31日、千葉県の房総半島沖で、フィリピン海プレート(岩板)と陸側プレートの境界面がゆっくり滑り(スロースリップ)を起こしていると発表した。広瀬仁主任研究員は「群発地震の誘発も考えられる」と説明している。
この場所のスロースリップは約30年間観測が続いており、前回までの5回は平均6年間隔で起こっていた。今回は07年8月以来4年2カ月ぶりで、間隔は過去最小。東日本大震災の影響で早まった可能性もあるという。07年には、スロースリップに誘発されたとみられる群発地震が房総半島周辺で発生した。
防災科研が全国に整備した、地盤のわずかな傾きも検知する高感度地震観測網のうち、房総半島6地点のデータを分析。最大の動きは、10月26~30日の5日間に深さ約20キロで約6センチ滑ったと推定した。
国土地理院(同)も31日、房総半島の電子基準点観測データから、スロースリップを確認したと発表した。今給黎(いまきいれ)哲郎・地理地殻活動総括研究官は「過去の現象と似ている」と説明。巨大地震の前兆の可能性については「現時点で結びつきを示すものはない」としている。
筑波大の八木勇治准教授(固体地球物理学)は「前兆ではないが、スロースリップの間隔が短くなり、今後、巨大地震が起こりやすくなったことは言える」と話している。【毎日・安味伸一】
・「原発輸出許さない」 日印原子力交渉再開に被爆者5団体が反発
福島第1原発事故以降に中断していた日本とインドの原子力協定締結交渉を進展させることが、(10月)29日の両国外相会談で合意され、野田政権が継続を表明した「原発輸出」は現実味を帯びてきた。本県の被爆者5団体は31日、記者会見し「(原発)輸出は断じて許せない」と反発。田上富久長崎市長も「NPT(核拡散防止条約)体制がなし崩しになる」とあらためて反対の姿勢を明確にした。
インドはNPT未加盟国。NPTは加盟国にだけ原子力の平和利用を認め、未加盟国への核技術移転を禁じている。実質的な核兵器保有国インドとの原子力協定をめぐっては、県や同市が「NPT体制の崩壊につながる」として原発事故前から政府に抗議してきた。田上市長は31日の定例会見で「NPTに加盟しなくても原子力の平和利用ができる仕組みに(日本が)参画することになる。理屈が合わないし反対のスタンスは変わらない。広島も同じ(意見)だと思う」と述べた。
被爆者5団体は同日、海外輸出に反対する文書を野田佳彦首相らに送付した。文書では「原発への信頼が根底から失われているにもかかわらず、輸出しようとする政府や企業の常識を疑わざるを得ない。人間としてあるまじき行為だ」と痛烈に非難。原発事故が収束しない中、政府がやるべきことはエネルギー政策の転換だと訴えている。
土山秀夫元長崎大学長は「他国がインドへの原発の売り込みに成功している現状がある。日本も乗り遅れたくないのだろう」と分析。「いくら経済のためとはいえ、日本は非核三原則を掲げておきながら国の倫理に反する行為をしようとしている」と政府の対応を批判し、被爆地から反対の声を上げるべきだと主張した。 (長崎新聞)