7/11
百田氏再び持論 「沖縄の偏向メディア支配許せない」
自民党の勉強会で「沖縄2紙をつぶさないといけない」などと発言した作家の百田尚樹氏が、雑誌の取材に応じ、あらためて米軍普天間飛行場の成り立ちや地権者に対する持論を説明した上で「沖縄の偏向メディアによる支配が許せない」などと述べた。9日付のインターネットのニュースサイト「日刊SPA!」に掲載されている。
沖縄2紙について
「つぶれてほしいと思っているのは事実。
そもそも2紙は極めて偏向した『アジビラ』のような記事ばかり掲載し、両論併記の原則をあまりにないがしろにしている」と批判。
「反基地、反安保という自らの政治的メッセージばかりを沖縄の人に押し付け、中国べったりの左翼機関紙」などと主張している。
また、米軍普天間飛行場の地権者は「年収何千万円で東京の超高級マンションに住んでいる人がゴロゴロいるというのが現実」。
辺野古の新基地建設については「辺野古以外の土地ではさんざん埋め立て工事をやっているのに、ジュゴンがいなくなるという主張はこじつけのように感じる」などと持論を展開している。(沖縄タイムス)
・・・
百田発言と沖縄差別 ~発言は「飲み屋でしゃべっているようなもの」?
・百田尚樹氏: 発言は「飲み屋でしゃべっているようなもの」(毎日)
・「報道陣が出た後の公開されていない内輪の席での会話を報道された。テレビやラジオの発言なら言い訳は通用しないが、飲み屋でしゃべっているようなもの。飲み屋では何でも言う。『あいつ殺したろうか』って、これ殺人未遂(になるのか)」
・「沖縄の新聞は大嫌い。これは本音」
・「沖縄の話は冗談で軽口」
・「ニュアンスを考慮せず大騒ぎするのは卑劣」
・「野党が僕の発言をうまく利用している。汚い」
・「本当につぶれてほしいと思っているのは、朝日新聞と毎日新聞と東京新聞」「嫌いだから」
・百田氏発言、自民認める 首相「勝手におわびできない」
【東京】 作家の百田尚樹氏が安倍晋三首相に近い自民党若手国会議員の会合で「沖縄の2紙はつぶさないといけない」などと述べた問題で、衆院平和安全法制特別委員会の浜田靖一委員長(自民)は26日の同委員会で「発言はあった」と述べ、百田氏や議員の一連の発言を認めた。
安倍首相は同委員会で「発言した方に成り代わって勝手におわびすることはできない」と述べ、謝罪はなかった。
一方、発言は同日の安全保障法案を審議する衆院特別委員会に波及、野党は「自民党のおごりの結果だ」(岡田克也民主党代表)と抗議を拡大させている。
百田氏は25日の会合で
(1)住民が商売目的で普天間飛行場の周囲に住み始めた
(2)沖縄2紙はつぶさないといけない
(3)女性への暴行は米兵よりも沖縄(県民)の方が多い-などと発言した。
26日の委員会前の理事会で民主、維新、共産は「マスコミへの圧力だ」などと抗議。与党筆頭理事の江渡聡徳前防衛相(自民)は「申し訳ない。担当議員に厳重注意する」と謝った。
委員会で寺田学氏(民主)が「沖縄への侮辱だ」と批判し、安倍首相へ発言内容の確認を求めたが、首相は「私が政府として示す立場にない。党の正式会合ではない」と否定。謝罪についても「事実なら大変遺憾だが、言論の自由は民主主義の根幹で当然尊重されるべきだ」としただけで明確な謝罪はなかった。
辻元清美氏(民主)が金銭目当てで普天間飛行場の周囲に住民が住み始めたという百田発言を首相にただしたが「民間人の発言を間違っているという立場にない」と述べた。
会合に出席した加藤勝信官房副長官は委員会で「ミリオンセラーを多く出している方の話を伺いたかった。ご意見は拝聴に値すると思った」と述べ、発言内容を一定評価する姿勢を示した。
出席した井上貴博衆院議員(福岡1区)は「私の発言が誤解を招いたとすれば申し訳なく思っている」と陳謝するコメントを出した。出席者によると、井上氏は、別の議員が「マスコミを懲らしめるには広告料収入をなくせばいい」と言及したのを受け、同調する発言をしていた。
百田氏は自身が「沖縄の二つの新聞はつぶさないといけない」などと述べたことについて、沖縄タイムスの電話取材に「オフレコに近い発言で冗談として言った」と述べた。
勉強会は党青年局長の木原稔衆院議員が主催し、憲法改正を目指す「文化芸術懇話会」。若手議員約40人が参加した。(沖縄タイムス)
・「百田氏発言は憲法違反」 沖縄選出議員ら抗議
安倍晋三首相に近い自民党若手議員の勉強会で、沖縄の有力二紙をはじめとする報道機関に圧力をかけるような発言が出た問題をめぐり、沖縄選出の野党国会議員ら五人は二十七日、勉強会の講師を務めた作家の百田(ひゃくた)尚樹氏に「憲法二一条の報道・表現の自由に反し、断じて看過できない」と抗議する声明を発表した。
社民党の照屋寛徳(てるやかんとく)衆院議員は記者会見で「表現、報道の自由は民主社会の根幹にかかわる。憲法の破壊につながる暴言だ」と批判。百田氏の小説「永遠の0」を引用して「百田氏の戦後史に関する知識は、永遠のゼロだ」と述べた。
声明はマスメディアが権力に批判的なスタンスであるのは健全とし、二紙が基地問題を大きく扱うのは「沖縄が国策の犠牲を強いられ続け、問題が解消していないからだ」と強調。県民世論の代弁者として政府を追及しているだけだと指摘した。声明は百田氏と、勉強会に参加した全国会議員に送付する。
声明を出したのは、ほかに赤嶺政賢(あかみねせいけん)(共産)、玉城(たまき)デニー(生活)、仲里利信(なかさととしのぶ)(無所属)の各衆院議員と、糸数(いとかず)慶子参院議員(同)。いずれも昨年十一月の知事選で翁長雄志(おながたけし)知事を支持した。自民党の国会議員には呼び掛けなかった。
◆抗議声明のポイント
▼民主主義社会では、マスメディアが権力に対して批判的なスタンスであるのは健全。報道機関を「つぶす」と述べるのは報道・表現の自由に反し、断じて看過できない。
▼地元二紙が基地問題を大きく扱うのは戦後七十年、沖縄が国策の犠牲を強いられ続け、問題が解消していないからだ。
▼百田氏の数々の発言は著しい事実誤認に基づき、沖縄に対する不見識の甚だしさを物語っている。
▼「暴言」「妄言」と厳しく指弾せざるを得ず、発言の撤回と二紙への速やかな謝罪の意思を示すよう強く求める。(東京新聞)
・百田氏発言をめぐる沖縄2新聞社の共同抗議声明
百田尚樹氏の「沖縄の2つの新聞はつぶさないといけない」という発言は、政権の意に沿わない報道は許さないという“言論弾圧”の発想そのものであり、民主主義の根幹である表現の自由、報道の自由を否定する暴論にほかならない。
百田氏の発言は自由だが、政権与党である自民党の国会議員が党本部で開いた会合の席上であり、むしろ出席した議員側が沖縄の地元紙への批判を展開し、百田氏の発言を引き出している。その経緯も含め、看過できるものではない。
さらに「(米軍普天間飛行場は)もともと田んぼの中にあった。基地の周りに行けば商売になるということで人が住みだした」とも述べた。戦前の宜野湾村役場は現在の滑走路近くにあり、琉球王国以来、地域の中心地だった。沖縄の基地問題をめぐる最たる誤解が自民党内で振りまかれたことは重大だ。その訂正も求めたい。
戦後、沖縄の新聞は戦争に加担した新聞人の反省から出発した。戦争につながるような報道は二度としないという考えが、報道姿勢のベースにある。
政府に批判的な報道は、権力監視の役割を担うメディアにとって当然であり、批判的な報道ができる社会こそが健全だと考える。にもかかわらず、批判的だからつぶすべきだ―という短絡的な発想は極めて危険であり、沖縄の2つの新聞に限らず、いずれ全国のマスコミに向けられる恐れのある危険きわまりないものだと思う。沖縄タイムス・琉球新報は、今後も言論の自由、表現の自由を弾圧するかのような動きには断固として反対する。
2015年6月26日
沖縄タイムス編集局長・武富和彦、
琉球新報編集局長・潮平芳和
⇒「百田氏発言「普天間飛行場、元は田んぼ」「地主年収、何千万円」を検証する」(沖縄タイムス)
・「マスコミ懲らしめるには…」文化芸術懇話会の主な意見
25日に開かれた自民党文化芸術懇話会で出た主な意見は次の通り。
●大西英男衆院議員(東京16区、当選2回)
「マスコミを懲らしめるには、広告料収入がなくなるのが一番。政治家には言えないことで、安倍晋三首相も言えないことだが、不買運動じゃないが、日本を過つ企業に広告料を支払うなんてとんでもないと、経団連などに働きかけしてほしい」
●井上貴博衆院議員(福岡1区、当選2回)
「福岡の青年会議所理事長の時、マスコミをたたいたことがある。日本全体でやらなきゃいけないことだが、スポンサーにならないことが一番(マスコミは)こたえることが分かった」
●長尾敬衆院議員(比例近畿ブロック、当選2回)
「沖縄の特殊なメディア構造をつくったのは戦後保守の堕落だ。先生なら沖縄のゆがんだ世論を正しい方向に持っていくために、どのようなアクションを起こすか。左翼勢力に完全に乗っ取られている」
●百田尚樹氏
「本当に沖縄の二つの新聞社は絶対つぶさなあかん。沖縄県人がどう目を覚ますか。あってはいけないことだが、沖縄のどっかの島でも中国にとられてしまえば目を覚ますはずだ」
「もともと普天間基地は田んぼの中にあった。周りに何もない。基地の周りが商売になるということで、みんな住みだし、今や街の真ん中に基地がある。騒音がうるさいのは分かるが、そこを選んで住んだのは誰やと言いたくなる。基地の地主たちは大金持ちなんですよ。彼らはもし基地が出て行ったりしたら、えらいことになる。出て行きましょうかと言うと『出て行くな、置いとけ』。何がしたいのか」
「沖縄の米兵が犯したレイプ犯罪よりも、沖縄県全体で沖縄人自身が起こしたレイプ犯罪の方が、はるかに率が高い」
「政治家というのは、理念、信念、大事ですが、言葉が大事だ。戦争と愛については何をしても許されるという言葉があるが、政治家もある程度『負』の部分はネグったらいい。いかに心に届くか。その目的のためには多少……もちろんウソはダメですが」(朝日新聞デジタル)
・・・
・辺野古沖、3カ所でボーリング調査 市民ら80人抗議
【辺野古問題取材班】 米軍普天間飛行場の移設に伴う名護市辺野古での新基地建設問題で、27日午前、前日に移動したスパット台船1基で掘削作業が確認された。
午前11時現在、台船2基と大型クレーン船1基の計3カ所で海底掘削(ボーリング)調査を行っている。移設に反対する市民らは海上と陸上で抗議の声を上げた。
海上で抗議する市民は船1隻をだし、海上作業の中止を訴えた。
名護市辺野古の米軍キャンプ・シュワブゲート前の座り込みテントにはこの日午前5時すぎから、市民が集まり、海上工事の関係車両の出入りを監視した。参加している市民によると午前7時ごろ、工事車両25台がシュワブ内に入った。
午前11時現在、県内各地から来た約80人が座り込んでいる。
うるま市具志川九条の会の仲宗根勇共同代表(74)は「安全保障関連法案は違憲クーデターだ。今は歴史の転換点にいるという自覚を持って、沖縄から日本のあり方を問おう」と訴えた。【琉球新報電子版】
・辺野古サンゴ破壊調査 防衛局、回答先延ばし
名護市辺野古の新基地建設作業に伴うサンゴ破壊の実態を把握するため、県が米軍キャンプ・シュワブ沖の臨時制限区域での調査に向け、2月に同様の調査を実施した沖縄防衛局に当時の申請資料の提供を求めていた件で、防衛局は回答期限の25日に発送した文書で「準備ができ次第回答する」と答えた。県幹部は「重要な部分の回答がなかったのは残念だ」と不満を示し、早期回答を求めた。
県は防衛局が建設作業に伴い海中に投入したコンクリートブロックが、県の岩礁破砕許可区域外でサンゴ礁を破壊した可能性が高いとして、米軍に立ち入り調査の許可を求めている。
一般的に立ち入り調査申請手続きは2週間程度で処理される。だが県は申請から4カ月以上米軍の許可が出ていない理由を把握するため、2月に同様の調査が認められた防衛局と県の申請内容を比較する方針。【琉球新報電子版】
・辺野古移設へ法廷闘争も=防衛省、沖縄に対抗策
「防衛省が米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古移設を着実に進めるため、これを阻止しようとする沖縄県との法廷闘争も視野に入れた対抗策の検討に入った。同省幹部が27日、明らかにした。移設のための県の埋め立て承認を翁長雄志知事が取り消す事態を想定している。・・・・・・。
こうした事態を見据え、防衛省は法的措置も含めた対抗策を検討するため、省内に西正典事務次官をトップとする約30人体制の移設推進グループを新設した。複数の部局に分散する担当者を一元化し、作業を迅速に進めたい考えだ。
埋め立て工事について、中谷元防衛相は今夏にも着手する意向を繰り返し表明している。政府関係者は「移設を進めるために裁判も含むあらゆる事態に対応できる検討を行う」と説明する一方、「丸く収めるよう知恵も出さなくてはならない」との本音も漏らした。」(時事)
百田氏再び持論 「沖縄の偏向メディア支配許せない」
自民党の勉強会で「沖縄2紙をつぶさないといけない」などと発言した作家の百田尚樹氏が、雑誌の取材に応じ、あらためて米軍普天間飛行場の成り立ちや地権者に対する持論を説明した上で「沖縄の偏向メディアによる支配が許せない」などと述べた。9日付のインターネットのニュースサイト「日刊SPA!」に掲載されている。
沖縄2紙について
「つぶれてほしいと思っているのは事実。
そもそも2紙は極めて偏向した『アジビラ』のような記事ばかり掲載し、両論併記の原則をあまりにないがしろにしている」と批判。
「反基地、反安保という自らの政治的メッセージばかりを沖縄の人に押し付け、中国べったりの左翼機関紙」などと主張している。
また、米軍普天間飛行場の地権者は「年収何千万円で東京の超高級マンションに住んでいる人がゴロゴロいるというのが現実」。
辺野古の新基地建設については「辺野古以外の土地ではさんざん埋め立て工事をやっているのに、ジュゴンがいなくなるという主張はこじつけのように感じる」などと持論を展開している。(沖縄タイムス)
・・・
百田発言と沖縄差別 ~発言は「飲み屋でしゃべっているようなもの」?
・百田尚樹氏: 発言は「飲み屋でしゃべっているようなもの」(毎日)
・「報道陣が出た後の公開されていない内輪の席での会話を報道された。テレビやラジオの発言なら言い訳は通用しないが、飲み屋でしゃべっているようなもの。飲み屋では何でも言う。『あいつ殺したろうか』って、これ殺人未遂(になるのか)」
・「沖縄の新聞は大嫌い。これは本音」
・「沖縄の話は冗談で軽口」
・「ニュアンスを考慮せず大騒ぎするのは卑劣」
・「野党が僕の発言をうまく利用している。汚い」
・「本当につぶれてほしいと思っているのは、朝日新聞と毎日新聞と東京新聞」「嫌いだから」
・百田氏発言、自民認める 首相「勝手におわびできない」
【東京】 作家の百田尚樹氏が安倍晋三首相に近い自民党若手国会議員の会合で「沖縄の2紙はつぶさないといけない」などと述べた問題で、衆院平和安全法制特別委員会の浜田靖一委員長(自民)は26日の同委員会で「発言はあった」と述べ、百田氏や議員の一連の発言を認めた。
安倍首相は同委員会で「発言した方に成り代わって勝手におわびすることはできない」と述べ、謝罪はなかった。
一方、発言は同日の安全保障法案を審議する衆院特別委員会に波及、野党は「自民党のおごりの結果だ」(岡田克也民主党代表)と抗議を拡大させている。
百田氏は25日の会合で
(1)住民が商売目的で普天間飛行場の周囲に住み始めた
(2)沖縄2紙はつぶさないといけない
(3)女性への暴行は米兵よりも沖縄(県民)の方が多い-などと発言した。
26日の委員会前の理事会で民主、維新、共産は「マスコミへの圧力だ」などと抗議。与党筆頭理事の江渡聡徳前防衛相(自民)は「申し訳ない。担当議員に厳重注意する」と謝った。
委員会で寺田学氏(民主)が「沖縄への侮辱だ」と批判し、安倍首相へ発言内容の確認を求めたが、首相は「私が政府として示す立場にない。党の正式会合ではない」と否定。謝罪についても「事実なら大変遺憾だが、言論の自由は民主主義の根幹で当然尊重されるべきだ」としただけで明確な謝罪はなかった。
辻元清美氏(民主)が金銭目当てで普天間飛行場の周囲に住民が住み始めたという百田発言を首相にただしたが「民間人の発言を間違っているという立場にない」と述べた。
会合に出席した加藤勝信官房副長官は委員会で「ミリオンセラーを多く出している方の話を伺いたかった。ご意見は拝聴に値すると思った」と述べ、発言内容を一定評価する姿勢を示した。
出席した井上貴博衆院議員(福岡1区)は「私の発言が誤解を招いたとすれば申し訳なく思っている」と陳謝するコメントを出した。出席者によると、井上氏は、別の議員が「マスコミを懲らしめるには広告料収入をなくせばいい」と言及したのを受け、同調する発言をしていた。
百田氏は自身が「沖縄の二つの新聞はつぶさないといけない」などと述べたことについて、沖縄タイムスの電話取材に「オフレコに近い発言で冗談として言った」と述べた。
勉強会は党青年局長の木原稔衆院議員が主催し、憲法改正を目指す「文化芸術懇話会」。若手議員約40人が参加した。(沖縄タイムス)
・「百田氏発言は憲法違反」 沖縄選出議員ら抗議
安倍晋三首相に近い自民党若手議員の勉強会で、沖縄の有力二紙をはじめとする報道機関に圧力をかけるような発言が出た問題をめぐり、沖縄選出の野党国会議員ら五人は二十七日、勉強会の講師を務めた作家の百田(ひゃくた)尚樹氏に「憲法二一条の報道・表現の自由に反し、断じて看過できない」と抗議する声明を発表した。
社民党の照屋寛徳(てるやかんとく)衆院議員は記者会見で「表現、報道の自由は民主社会の根幹にかかわる。憲法の破壊につながる暴言だ」と批判。百田氏の小説「永遠の0」を引用して「百田氏の戦後史に関する知識は、永遠のゼロだ」と述べた。
声明はマスメディアが権力に批判的なスタンスであるのは健全とし、二紙が基地問題を大きく扱うのは「沖縄が国策の犠牲を強いられ続け、問題が解消していないからだ」と強調。県民世論の代弁者として政府を追及しているだけだと指摘した。声明は百田氏と、勉強会に参加した全国会議員に送付する。
声明を出したのは、ほかに赤嶺政賢(あかみねせいけん)(共産)、玉城(たまき)デニー(生活)、仲里利信(なかさととしのぶ)(無所属)の各衆院議員と、糸数(いとかず)慶子参院議員(同)。いずれも昨年十一月の知事選で翁長雄志(おながたけし)知事を支持した。自民党の国会議員には呼び掛けなかった。
◆抗議声明のポイント
▼民主主義社会では、マスメディアが権力に対して批判的なスタンスであるのは健全。報道機関を「つぶす」と述べるのは報道・表現の自由に反し、断じて看過できない。
▼地元二紙が基地問題を大きく扱うのは戦後七十年、沖縄が国策の犠牲を強いられ続け、問題が解消していないからだ。
▼百田氏の数々の発言は著しい事実誤認に基づき、沖縄に対する不見識の甚だしさを物語っている。
▼「暴言」「妄言」と厳しく指弾せざるを得ず、発言の撤回と二紙への速やかな謝罪の意思を示すよう強く求める。(東京新聞)
・百田氏発言をめぐる沖縄2新聞社の共同抗議声明
百田尚樹氏の「沖縄の2つの新聞はつぶさないといけない」という発言は、政権の意に沿わない報道は許さないという“言論弾圧”の発想そのものであり、民主主義の根幹である表現の自由、報道の自由を否定する暴論にほかならない。
百田氏の発言は自由だが、政権与党である自民党の国会議員が党本部で開いた会合の席上であり、むしろ出席した議員側が沖縄の地元紙への批判を展開し、百田氏の発言を引き出している。その経緯も含め、看過できるものではない。
さらに「(米軍普天間飛行場は)もともと田んぼの中にあった。基地の周りに行けば商売になるということで人が住みだした」とも述べた。戦前の宜野湾村役場は現在の滑走路近くにあり、琉球王国以来、地域の中心地だった。沖縄の基地問題をめぐる最たる誤解が自民党内で振りまかれたことは重大だ。その訂正も求めたい。
戦後、沖縄の新聞は戦争に加担した新聞人の反省から出発した。戦争につながるような報道は二度としないという考えが、報道姿勢のベースにある。
政府に批判的な報道は、権力監視の役割を担うメディアにとって当然であり、批判的な報道ができる社会こそが健全だと考える。にもかかわらず、批判的だからつぶすべきだ―という短絡的な発想は極めて危険であり、沖縄の2つの新聞に限らず、いずれ全国のマスコミに向けられる恐れのある危険きわまりないものだと思う。沖縄タイムス・琉球新報は、今後も言論の自由、表現の自由を弾圧するかのような動きには断固として反対する。
2015年6月26日
沖縄タイムス編集局長・武富和彦、
琉球新報編集局長・潮平芳和
⇒「百田氏発言「普天間飛行場、元は田んぼ」「地主年収、何千万円」を検証する」(沖縄タイムス)
・「マスコミ懲らしめるには…」文化芸術懇話会の主な意見
25日に開かれた自民党文化芸術懇話会で出た主な意見は次の通り。
●大西英男衆院議員(東京16区、当選2回)
「マスコミを懲らしめるには、広告料収入がなくなるのが一番。政治家には言えないことで、安倍晋三首相も言えないことだが、不買運動じゃないが、日本を過つ企業に広告料を支払うなんてとんでもないと、経団連などに働きかけしてほしい」
●井上貴博衆院議員(福岡1区、当選2回)
「福岡の青年会議所理事長の時、マスコミをたたいたことがある。日本全体でやらなきゃいけないことだが、スポンサーにならないことが一番(マスコミは)こたえることが分かった」
●長尾敬衆院議員(比例近畿ブロック、当選2回)
「沖縄の特殊なメディア構造をつくったのは戦後保守の堕落だ。先生なら沖縄のゆがんだ世論を正しい方向に持っていくために、どのようなアクションを起こすか。左翼勢力に完全に乗っ取られている」
●百田尚樹氏
「本当に沖縄の二つの新聞社は絶対つぶさなあかん。沖縄県人がどう目を覚ますか。あってはいけないことだが、沖縄のどっかの島でも中国にとられてしまえば目を覚ますはずだ」
「もともと普天間基地は田んぼの中にあった。周りに何もない。基地の周りが商売になるということで、みんな住みだし、今や街の真ん中に基地がある。騒音がうるさいのは分かるが、そこを選んで住んだのは誰やと言いたくなる。基地の地主たちは大金持ちなんですよ。彼らはもし基地が出て行ったりしたら、えらいことになる。出て行きましょうかと言うと『出て行くな、置いとけ』。何がしたいのか」
「沖縄の米兵が犯したレイプ犯罪よりも、沖縄県全体で沖縄人自身が起こしたレイプ犯罪の方が、はるかに率が高い」
「政治家というのは、理念、信念、大事ですが、言葉が大事だ。戦争と愛については何をしても許されるという言葉があるが、政治家もある程度『負』の部分はネグったらいい。いかに心に届くか。その目的のためには多少……もちろんウソはダメですが」(朝日新聞デジタル)
・・・
・辺野古沖、3カ所でボーリング調査 市民ら80人抗議
【辺野古問題取材班】 米軍普天間飛行場の移設に伴う名護市辺野古での新基地建設問題で、27日午前、前日に移動したスパット台船1基で掘削作業が確認された。
午前11時現在、台船2基と大型クレーン船1基の計3カ所で海底掘削(ボーリング)調査を行っている。移設に反対する市民らは海上と陸上で抗議の声を上げた。
海上で抗議する市民は船1隻をだし、海上作業の中止を訴えた。
名護市辺野古の米軍キャンプ・シュワブゲート前の座り込みテントにはこの日午前5時すぎから、市民が集まり、海上工事の関係車両の出入りを監視した。参加している市民によると午前7時ごろ、工事車両25台がシュワブ内に入った。
午前11時現在、県内各地から来た約80人が座り込んでいる。
うるま市具志川九条の会の仲宗根勇共同代表(74)は「安全保障関連法案は違憲クーデターだ。今は歴史の転換点にいるという自覚を持って、沖縄から日本のあり方を問おう」と訴えた。【琉球新報電子版】
・辺野古サンゴ破壊調査 防衛局、回答先延ばし
名護市辺野古の新基地建設作業に伴うサンゴ破壊の実態を把握するため、県が米軍キャンプ・シュワブ沖の臨時制限区域での調査に向け、2月に同様の調査を実施した沖縄防衛局に当時の申請資料の提供を求めていた件で、防衛局は回答期限の25日に発送した文書で「準備ができ次第回答する」と答えた。県幹部は「重要な部分の回答がなかったのは残念だ」と不満を示し、早期回答を求めた。
県は防衛局が建設作業に伴い海中に投入したコンクリートブロックが、県の岩礁破砕許可区域外でサンゴ礁を破壊した可能性が高いとして、米軍に立ち入り調査の許可を求めている。
一般的に立ち入り調査申請手続きは2週間程度で処理される。だが県は申請から4カ月以上米軍の許可が出ていない理由を把握するため、2月に同様の調査が認められた防衛局と県の申請内容を比較する方針。【琉球新報電子版】
・辺野古移設へ法廷闘争も=防衛省、沖縄に対抗策
「防衛省が米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古移設を着実に進めるため、これを阻止しようとする沖縄県との法廷闘争も視野に入れた対抗策の検討に入った。同省幹部が27日、明らかにした。移設のための県の埋め立て承認を翁長雄志知事が取り消す事態を想定している。・・・・・・。
こうした事態を見据え、防衛省は法的措置も含めた対抗策を検討するため、省内に西正典事務次官をトップとする約30人体制の移設推進グループを新設した。複数の部局に分散する担当者を一元化し、作業を迅速に進めたい考えだ。
埋め立て工事について、中谷元防衛相は今夏にも着手する意向を繰り返し表明している。政府関係者は「移設を進めるために裁判も含むあらゆる事態に対応できる検討を行う」と説明する一方、「丸く収めるよう知恵も出さなくてはならない」との本音も漏らした。」(時事)