安保関連法案に反対し、そのすみやかな廃案を求める憲法研究者の声明
安倍晋三内閣は、2015年5月14日、多くの人々の反対の声を押し切って、自衛隊法など既存10法を一括して改正する「平和安全法制整備法案」と新設の「国際平和支援法案」を閣議決定し、15日に国会に提出した。
この二つの法案は、これまで政府が憲法9条の下では違憲としてきた集団的自衛権の行使を可能とし、米国などの軍隊による様々な場合での武力行使に、自衛隊が地理的限定なく緊密に協力するなど、憲法9条が定めた戦争放棄・戦力不保持・交戦権否認の体制を根底からくつがえすものである。巷間でこれが「戦争法案」と呼ばれていることには、十分な根拠がある。
私たち憲法研究者は、以下の理由から、現在、国会で審議が進められているこの法案に反対し、そのすみやかな廃案を求めるものである。
1.法案策定までの手続が立憲主義、国民主権、議会制民主主義に反すること
昨年7月1日の閣議決定は、「集団的自衛権の行使は憲法違反」という60年以上にわたって積み重ねられてきた政府解釈を、国会での審議にもかけずに、また国民的議論にも付さずに、一内閣の判断でくつがえしてしまう暴挙であった。
日米両政府は、本年4月27日に、現行安保条約の枠組みさえも超える「グローバルな日米同盟」をうたうものへと「日米防衛協力のための指針」(ガイドライン)を改定し、さらに4月29日には、安倍首相が、米国上下両院議員の前での演説の中で、法案の「この夏までの成立」に言及した。こうした一連の政治手法は、国民主権を踏みにじり、「国権の最高機関」たる国会の審議をないがしろにするものであり、憲法に基づく政治、立憲主義の意義をわきまえないものと言わざるを得ない。
2.法案の内容が憲法9条その他に反すること
以下では、法案における憲法9条違反の疑いがとりわけ強い主要な3点について示す。
(1)歯止めのない「存立危機事態」における集団的自衛権行使
自衛隊法と武力攻撃事態法の改正は、「存立危機事態」において自衛隊による武力の行使を規定するが、そのなかでの「我が国と密接な関係にある他国」、「存立危機武力攻撃」、この攻撃を「排除するために必要な自衛隊が実施する武力の行使」などの概念は極めて漠然としておりその範囲は不明確である。
この点は、従来の「自衛権発動の3要件」と比較すると明白である。法案における「存立危機事態」対処は、歯止めのない集団的自衛権行使につながりかねず、憲法9条に反するものである。その際の対処措置を、国だけでなく地方公共団体や指定公共機関にも行わせることも重大な問題をはらんでいる。
(2)地球のどこででも米軍等に対し「後方支援」で一体的に戦争協力
重要影響事態法案における「後方支援活動」と国際平和支援法案における「協力支援活動」は、いずれも他国軍隊に対する自衛隊の支援活動であるが、これらは、活動領域について地理的な限定がなく、「現に戦闘行為が行われている現場」以外のどこでも行われ、従来の周辺事態法やテロ特措法、イラク特措法などでは禁じられていた「弾薬の提供」も可能にするなど、自衛隊が戦闘現場近くで外国の軍隊に緊密に協力して支援活動を行うことが想定されている。
これは、もはや「外国の武力行使とは一体化しない」といういわゆる「一体化」論がおよそ成立しないことを意味するものであり、そこでの自衛隊の支援活動は「武力の行使」に該当し憲法9条1項に違反する。このような違憲かつ危険な活動に自衛隊を送り出すことは、政治の責任の放棄のそしりを免れない。
国際平和支援法案の支援活動は、与党協議の結果、「例外なき国会事前承認」が求められることとなったが、その歯止めとしての実効性は、国会での審議期間の短さなどから大いに疑問である。また、重要影響事態法案は、「日本の平和と安全に重要な影響を与える事態」というきわめてあいまいな要件で国連決議等の有無に関わりなく米軍等への支援活動が可能となることから国際法上違法な武力行使に加担する危険性をはらみ、かつ国会による事後承認も許されるという点で大きな問題がある。
(3)「武器等防護」で平時から米軍等と「同盟軍」的関係を構築
自衛隊法改正案は、「自衛隊と連携して我が国の防衛に資する活動に現に従事している」米軍等の武器等防護のために自衛隊に武器の使用を認める規定を盛り込んでいるが、こうした規定は、自衛隊が米軍等と警戒監視活動や軍事演習などで平時から事実上の「同盟軍」的な行動をとることを想定していると言わざるを得ない。このような活動は、周辺諸国との軍事的緊張を高め、偶発的な武力紛争を誘発しかねず、武力の行使にまでエスカレートする危険をはらむものである。そこでの武器の使用を現場の判断に任せることもまた、政治の責任の放棄といわざるをえない。
領域をめぐる紛争や海洋の安全の確保は、本来平和的な外交交渉や警察的活動で対応すべきものである。それこそが、憲法9条の平和主義の志向と合致するものである。
以上のような憲法上多くの問題点をはらむ安保関連法案を、国会はすみやかに廃案にするべきである。政府は、この法案の前提となっている昨年7月1日の閣議決定と、日米ガイドラインをただちに撤回すべきである。そして、憲法に基づく政治を担う国家機関としての最低限の責務として、国会にはこのような重大な問題をはらむ法案の拙速な審議と採決を断じて行わぬよう求める。
2015年6月3日
呼びかけ人
愛敬浩二(名古屋大学大学院法学研究科教授) 青井未帆(学習院大学大学院法務研究科教授) 麻生多聞(鳴門教育大学大学院学校教育研究科准教授) 飯島滋明(名古屋学院大学准教授) *石川裕一郎(聖学院大学教授) 石村修(専修大学教授) 植野妙実子(中央大学教授) 植松健一(立命館大学教授) 浦田一郎(明治大学教授) 大久保史郎(立命館大学名誉教授) 大津浩(成城大学教授) 奥野恒久(龍谷大学教授) *小沢隆一(東京慈恵医科大学教授) 上脇博之(神戸学院大学教授) 河上暁弘(広島市立大学平和研究所准教授) 君島東彦(立命館大学教授) 清末愛砂(室蘭工業大学准教授) 小林武(沖縄大学客員教授) 小松浩(立命館大学教授) 小山剛(慶應大学教授) 斉藤小百合(恵泉女学園大学) *清水雅彦(日本体育大学教授) 隅野隆徳(専修大学名誉教授) 高良鉄美(琉球大学教授) 只野雅人(一橋大学教授) 常岡(乗本)せつ子(フェリス女学院大学) *徳永貴志(和光大学准教授) 仲地博(沖縄大学教授) 長峯信彦(愛知大学法学部教授) *永山茂樹(東海大学教授) 西原博史(早稲田大学教授) 水島朝穂(早稲田大学教授) 三宅裕一郎(三重短期大学教授) 本秀紀(名古屋大学教授) 森英樹(名古屋大学名誉教授) 山内敏弘(一橋大学名誉教授) 和田進(神戸大学名誉教授) 渡辺治(一橋大学名誉教授) 以上38名 *は事務局
賛同人
青木宏治(関東学院大学法科大学院教授) 青野篤(大分大学経済学部准教授) 穐山守夫(明治大学) 浅川千尋(天理大学人間学部教授) 浅野宜之(関西大学政策創造学部教授) 足立英郎(大阪電気通信大学教授) 新井信之(香川大学教授) 飯野賢一 (愛知学院大学法学部教授) 井口秀作(愛媛大学法文学部総合政策学科) 池端忠司(神奈川大学法学部教授) 石埼学(龍谷大学) 石塚迅(山梨大学) 井田洋子(長崎大学) 伊藤雅康(札幌学院大学教授) 稲正樹(国際基督教大学客員教授) 猪股弘貴(明治大学教授) 井端正幸(沖縄国際大学教授) 今関源成(早稲田大学法学部教授) 岩井和由(鳥取短期大学教授) 岩本一郎(北星学園大学経済学部教授) 植木淳(北九州市立大学) 上田勝美(龍谷大学名誉教授) 植村勝慶(國學院大学法学部教授) 右崎正博(獨協大学教授) 浦田賢治(早稲田大学名誉教授) 浦部法穂(神戸大学名誉教授) 江藤英樹(明治大学准教授) 榎澤幸広(名古屋学院大学准教授) 榎透(専修大学教授) 榎本弘行(東京農工大学教員) 大内憲昭(関東学院大学国際文化学部) 大田肇(津山工業高等専門学校教授) 大野友也(鹿児島大学准教授) 大藤紀子(獨協大学) 小笠原正(環太平洋大学名誉教授) 岡田健一郎(高知大学准教授) 岡田信弘(北海道大学特任教授) 岡本篤尚(神戸学院大学法学部教授) 岡本寛(島根県立大学講師) 小栗実(鹿児島大学法科大学院教員) 押久保倫夫(東海大学) 片山等(国士舘大学法学部教授) 加藤一彦(東京経済大学教授) 金子勝(立正大学名誉教授) 河合正雄(弘前大学講師) 川畑博昭(愛知県立大学准教授) 菊地洋(岩手大学准教授) 北川善英(横浜国立大学名誉教授) 木下智史(関西大学教授) 清田雄治(愛知教育大学教育学部地域社会システム講座教授) 久保田穣(東京農工大学名誉教授) 倉田原志(立命館大教授) 倉持孝司(南山大学教授) 小竹聡(拓殖大学教授) 後藤光男(早稲田大学) 小林直樹(姫路獨協大学法学部) 小林直三(高知県立大学文化学部教授) 小原清信(久留米大学) 近藤敦(名城大学) 今野健一(山形大学) 斉藤和夫(明星大学) 斉藤一久(東京学芸大学) 榊原秀訓(南山大学教授) 佐々木弘通(東北大学) 笹沼弘志(静岡大学教授) 佐藤潤一(大阪産業大学教養部教授) 澤野義一(大阪経済法科大学教授) 志田陽子(武蔵野美術大学造形学部教授) 實原隆志(長崎県立大学准教授) 神陽子(九州国際大学) 菅原真(南山大学法学部) 鈴木眞澄(龍谷大学教授) 高佐智美(青山学院大学) 高作正博(関西大学法学部) 高橋利安(広島修道大学教授) 高橋洋(愛知学院大学教授) 高良沙哉(沖縄大学人文学部准教授) 武永淳(滋賀大学准教授) 竹森正孝(岐阜大学名誉教授) 田島泰彦(上智大学教授) 多田一路(立命館大学教授) 建石真公子(法政大学教授) 玉蟲由樹(日本大学教授) 塚田哲之(神戸学院大学教授) 寺川史朗(龍谷大学教授) 内藤光博(専修大学教授) 仲哲生(愛知学院大学法学部) 長岡徹(関西学院大学法学部教授) 中川律(埼玉大学教育学部准教授) 中里見博(徳島大学准教授) 中島茂樹(立命館大学教授) 中島徹(早稲田大学) 中島宏(山形大学准教授) 永田秀樹(関西学院大学教授) 中村安菜(日本女子体育大学) 成澤孝人(信州大学教授) 成嶋隆(獨協大学) 西土彰一郞(成城大学教授) 西嶋法友(久留米大学) 丹羽徹(龍谷大学教授) 糠塚康江(東北大学) 根本猛(静岡大学教授) 根森健(埼玉大学名誉教授) 畑尻剛(中央大学法学部教授) 濵口晶子(龍谷大学法学部) 樋口陽一(憲法学者) 廣田全男(横浜市立大学教授) 福岡英明(國學院大学教授) 福嶋敏明(神戸学院大学法学部准教授) 藤井正希(群馬大学社会情報学部准教授) 藤田達朗(島根大学) 藤野美都子(福島県立医科大学教員) 船木正文(大東文化大学教員) 前原清隆(日本福祉大学教授) 松井幸夫(関西学院大学教授) 松田浩(成城大学教授) 松原幸恵(山口大学准教授) 宮井清暢(富山大学) 宮地基(明治学院大学法学部教授) 村上博(広島修道大学教授) 村田尚紀 (関西大学教授) 毛利透 (京都大学教授) 元山健(龍谷大学名誉教授) 守谷賢輔(福岡大学法学部准教授) 諸根貞夫(龍谷大学教授) 門田孝(広島大学大学院法務研究科) 柳井健一(関西学院大学法学部教授) 山崎英寿(都留文科大学) 山田健吾(広島修道大学法務研究科教授) 結城洋一郎(小樽商科大学名誉教授) 横尾日出雄(中京大学) 横田力(都留文科大学) 吉川和宏(東海大学) 吉田栄司(関西大学法学部教授) 吉田稔(姫路獨協大学法学部特別教授) 若尾典子 佛教大学教授) 脇田吉隆(神戸学院大学総合リハビリテーション学部准教授) 渡邊弘(活水女子大学文学部准教授) 渡辺洋(神戸学院大学教授) 以上139名 (2015年6月4日10時現在)
・・・
・3参考人全員が「違憲」表明 衆院憲法審、安保法案で
衆院憲法審査会は4日、憲法学の専門家を招いて参考人質疑を実施し、集団的自衛権行使を可能にする安全保障関連法案について、慶応大の小林節名誉教授ら3人の参考人全員が「憲法違反」との認識を表明した。
早大の長谷部恭男教授は、集団的自衛権の行使について「憲法違反だ。従来の政府見解の基本的な論理の枠内では説明がつかない」と指摘。
小林氏も「憲法9条は、海外で軍事活動する法的資格を与えていない」と述べ、9条違反との見解を表明した。
早大の笹田栄司教授は安保法案に関し、従来の法制の枠組みと比べて「踏み越えてしまっており、違憲だ」との認識を示した。(共同)
・3参考人「違憲立法」、政権に衝撃 審議へ逆風、野党攻勢
衆院憲法審査会で3人の参考人全員が4日、集団的自衛権行使を可能とする安全保障関連法案を「憲法違反」と断じ、安倍政権に衝撃を与えた。自らの推薦人からも違憲と指摘された自民党は、法案審議への逆風は避け難いとみて、参考人を呼んだ身内の批判を展開。野党は「違憲立法に突き進む政権」(民主党幹部)と攻勢を強めた。
自民党の船田元・憲法改正推進本部長は憲法審査会後、記者団に「多少は(安保法制に)話が及ぶと思ったが、予想を超えていた」と困惑の表情を浮かべた。
参考人質疑は、憲法が国家権力を縛る「立憲主義」などをテーマに開いた。
報告を受けた佐藤勉国対委員長は船田氏に「今後は十分配慮してください」とくぎを刺した。
菅義偉官房長官は記者会見で「憲法解釈として法的安定性や論理的整合性が確保されている。違憲との指摘は全く当たらない」と反論した。
党執行部は危機感を募らせた。憲法上の疑義や戦争に巻き込まれる懸念など法案への国民の不安は根強く、安倍晋三首相が成立を目指す夏までに一定の理解を得られるか見通せないからだ。
その状況下で「オウンゴール」を喫した党幹部は「法案審議の大事な時期に何をしているんだ。これは反党行為だ。憲法審査会の自民党メンバーは総入れ替えしろ」と怒りを爆発させた。
公明党幹部は事前に、推薦人の人選について自民党側に「大丈夫か」と念を押していたという。
野党は勢いづいた。参考人から「違憲」発言を引き出した民主党の中川正春元文部科学相は党代議士会で「痛快な思いだ。これ以上、安保法制の議論を進めるわけにはいかない」と強調。共産党の志位和夫委員長は会見で「いかにこの法案が憲法違反かを示している。政府、与党は、この声を受け止めて対応を考えるべきだ」と訴えた。(中国新聞)
・防衛相、安保法案合憲と強調 民主「撤回を」、衆院特別委
中谷・防衛相は5日の衆院平和安全法制特別委員会で、集団的自衛権の行使を可能にする安全保障関連法案について「憲法違反にはならない」と強調。民主党の辻元氏は、4日の衆院憲法審査会で3人の参考人全員が「違憲」と明言したことを受け「政府は法案を一度撤回すべきだ」と要求した。
中谷氏は、憲法解釈を変更して集団的自衛権の行使を容認した昨年7月の閣議決定について「従来の憲法9条をめぐる議論との整合性を考慮した。政府による憲法解釈の裁量の範囲内で、違憲ではない」と訴えた。
これに対し、辻元氏は「与党が推薦した参考人までが『違憲』と述べたのは深刻な事態だ」と指摘した。(共同)
・オスプレイが横田基地に飛来 ハワイでの事故後初めて
米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)に所属する新型輸送機MV22オスプレイ3機が4日、山口県の岩国基地を経由し横田基地(東京都福生市など)に飛来した。静岡県などによると、うち1機は訓練のため、同県の陸上自衛隊東富士演習場に移動し、その後、横田基地に戻った。
防衛省によると、沖縄以外へのオスプレイ飛来は、5月のハワイでの事故以降初めて。横田周辺の5市1町で構成する基地対策連絡会は、安全対策の徹底や情報提供の迅速化などを、北関東防衛局に口頭で要請した。(共同)
・オスプレイ「事故起きたばかりなのに」 横田基地に3機着陸
米軍横田基地(福生市など)への配備が計画されている垂直離着陸輸送機MV22オスプレイが四日、横田基地に三機、着陸した。多くの市民が目撃し、不安を口にした。 (萩原誠、村松権主麿、榎本哲也)
基地周辺五市一町でつくる基地対策連絡会幹事の武蔵村山市によると、午前八時ごろ「一機が岩国基地を離陸、横田基地に着陸する可能性がある」と北関東防衛局から連絡があり、同十時ごろ、市役所職員が一機を目視で確認した。
さらに午後四時ごろ、防衛局から「二機が岩国基地を離陸し、横田基地に着陸する」との情報が入り、午後五時十分に二機が着陸。午後六時半、一機が離陸したと連絡が入った。
基地周辺住民らでつくる「横田基地の撤去を求める西多摩の会」メンバーも飛来を目撃したという。高橋美枝子代表(73)は「事故が起きたばかりなのに、訓練場ではない住宅地上空を飛ぶなんて。人口密集地に来るのは絶対に反対。横田配備だけでなく、普天間からも撤去すべきだと声を上げていきたい」と話した。
第九次横田基地公害訴訟原告団の福本道夫団長(65)は午前と午後、昭島市内などから三機を見たといい、「ハワイの事故原因が解明できるまで日本の空を飛ばないよう求めているが、また横田に来た。腹立たしい。オスプレイを見ると、事故の映像が思い出されて不安を感じる」と話した。
この日午前、福生市の加藤育男市長は防衛省を訪れ、西正典次官、中島明彦地方協力局長と会談。基地周辺住民の不安を払拭(ふっしょく)できるよう、運用や施設、人員配置など具体的な情報提供を要請した。西次官から「防衛相から米国防総省に、できるだけ早い時期の情報提供を要請している」との回答があったという。
五市一町とは別に、一市単独で要請したことについては「いろいろな歴史的経緯があり、(基地の)ゲートは福生市の方を向いている。(オスプレイ関係の)施設などは全部、福生市の市域内にできると思う。影響が強い」と理由を述べた。(東京新聞)
安倍晋三内閣は、2015年5月14日、多くの人々の反対の声を押し切って、自衛隊法など既存10法を一括して改正する「平和安全法制整備法案」と新設の「国際平和支援法案」を閣議決定し、15日に国会に提出した。
この二つの法案は、これまで政府が憲法9条の下では違憲としてきた集団的自衛権の行使を可能とし、米国などの軍隊による様々な場合での武力行使に、自衛隊が地理的限定なく緊密に協力するなど、憲法9条が定めた戦争放棄・戦力不保持・交戦権否認の体制を根底からくつがえすものである。巷間でこれが「戦争法案」と呼ばれていることには、十分な根拠がある。
私たち憲法研究者は、以下の理由から、現在、国会で審議が進められているこの法案に反対し、そのすみやかな廃案を求めるものである。
1.法案策定までの手続が立憲主義、国民主権、議会制民主主義に反すること
昨年7月1日の閣議決定は、「集団的自衛権の行使は憲法違反」という60年以上にわたって積み重ねられてきた政府解釈を、国会での審議にもかけずに、また国民的議論にも付さずに、一内閣の判断でくつがえしてしまう暴挙であった。
日米両政府は、本年4月27日に、現行安保条約の枠組みさえも超える「グローバルな日米同盟」をうたうものへと「日米防衛協力のための指針」(ガイドライン)を改定し、さらに4月29日には、安倍首相が、米国上下両院議員の前での演説の中で、法案の「この夏までの成立」に言及した。こうした一連の政治手法は、国民主権を踏みにじり、「国権の最高機関」たる国会の審議をないがしろにするものであり、憲法に基づく政治、立憲主義の意義をわきまえないものと言わざるを得ない。
2.法案の内容が憲法9条その他に反すること
以下では、法案における憲法9条違反の疑いがとりわけ強い主要な3点について示す。
(1)歯止めのない「存立危機事態」における集団的自衛権行使
自衛隊法と武力攻撃事態法の改正は、「存立危機事態」において自衛隊による武力の行使を規定するが、そのなかでの「我が国と密接な関係にある他国」、「存立危機武力攻撃」、この攻撃を「排除するために必要な自衛隊が実施する武力の行使」などの概念は極めて漠然としておりその範囲は不明確である。
この点は、従来の「自衛権発動の3要件」と比較すると明白である。法案における「存立危機事態」対処は、歯止めのない集団的自衛権行使につながりかねず、憲法9条に反するものである。その際の対処措置を、国だけでなく地方公共団体や指定公共機関にも行わせることも重大な問題をはらんでいる。
(2)地球のどこででも米軍等に対し「後方支援」で一体的に戦争協力
重要影響事態法案における「後方支援活動」と国際平和支援法案における「協力支援活動」は、いずれも他国軍隊に対する自衛隊の支援活動であるが、これらは、活動領域について地理的な限定がなく、「現に戦闘行為が行われている現場」以外のどこでも行われ、従来の周辺事態法やテロ特措法、イラク特措法などでは禁じられていた「弾薬の提供」も可能にするなど、自衛隊が戦闘現場近くで外国の軍隊に緊密に協力して支援活動を行うことが想定されている。
これは、もはや「外国の武力行使とは一体化しない」といういわゆる「一体化」論がおよそ成立しないことを意味するものであり、そこでの自衛隊の支援活動は「武力の行使」に該当し憲法9条1項に違反する。このような違憲かつ危険な活動に自衛隊を送り出すことは、政治の責任の放棄のそしりを免れない。
国際平和支援法案の支援活動は、与党協議の結果、「例外なき国会事前承認」が求められることとなったが、その歯止めとしての実効性は、国会での審議期間の短さなどから大いに疑問である。また、重要影響事態法案は、「日本の平和と安全に重要な影響を与える事態」というきわめてあいまいな要件で国連決議等の有無に関わりなく米軍等への支援活動が可能となることから国際法上違法な武力行使に加担する危険性をはらみ、かつ国会による事後承認も許されるという点で大きな問題がある。
(3)「武器等防護」で平時から米軍等と「同盟軍」的関係を構築
自衛隊法改正案は、「自衛隊と連携して我が国の防衛に資する活動に現に従事している」米軍等の武器等防護のために自衛隊に武器の使用を認める規定を盛り込んでいるが、こうした規定は、自衛隊が米軍等と警戒監視活動や軍事演習などで平時から事実上の「同盟軍」的な行動をとることを想定していると言わざるを得ない。このような活動は、周辺諸国との軍事的緊張を高め、偶発的な武力紛争を誘発しかねず、武力の行使にまでエスカレートする危険をはらむものである。そこでの武器の使用を現場の判断に任せることもまた、政治の責任の放棄といわざるをえない。
領域をめぐる紛争や海洋の安全の確保は、本来平和的な外交交渉や警察的活動で対応すべきものである。それこそが、憲法9条の平和主義の志向と合致するものである。
以上のような憲法上多くの問題点をはらむ安保関連法案を、国会はすみやかに廃案にするべきである。政府は、この法案の前提となっている昨年7月1日の閣議決定と、日米ガイドラインをただちに撤回すべきである。そして、憲法に基づく政治を担う国家機関としての最低限の責務として、国会にはこのような重大な問題をはらむ法案の拙速な審議と採決を断じて行わぬよう求める。
2015年6月3日
呼びかけ人
愛敬浩二(名古屋大学大学院法学研究科教授) 青井未帆(学習院大学大学院法務研究科教授) 麻生多聞(鳴門教育大学大学院学校教育研究科准教授) 飯島滋明(名古屋学院大学准教授) *石川裕一郎(聖学院大学教授) 石村修(専修大学教授) 植野妙実子(中央大学教授) 植松健一(立命館大学教授) 浦田一郎(明治大学教授) 大久保史郎(立命館大学名誉教授) 大津浩(成城大学教授) 奥野恒久(龍谷大学教授) *小沢隆一(東京慈恵医科大学教授) 上脇博之(神戸学院大学教授) 河上暁弘(広島市立大学平和研究所准教授) 君島東彦(立命館大学教授) 清末愛砂(室蘭工業大学准教授) 小林武(沖縄大学客員教授) 小松浩(立命館大学教授) 小山剛(慶應大学教授) 斉藤小百合(恵泉女学園大学) *清水雅彦(日本体育大学教授) 隅野隆徳(専修大学名誉教授) 高良鉄美(琉球大学教授) 只野雅人(一橋大学教授) 常岡(乗本)せつ子(フェリス女学院大学) *徳永貴志(和光大学准教授) 仲地博(沖縄大学教授) 長峯信彦(愛知大学法学部教授) *永山茂樹(東海大学教授) 西原博史(早稲田大学教授) 水島朝穂(早稲田大学教授) 三宅裕一郎(三重短期大学教授) 本秀紀(名古屋大学教授) 森英樹(名古屋大学名誉教授) 山内敏弘(一橋大学名誉教授) 和田進(神戸大学名誉教授) 渡辺治(一橋大学名誉教授) 以上38名 *は事務局
賛同人
青木宏治(関東学院大学法科大学院教授) 青野篤(大分大学経済学部准教授) 穐山守夫(明治大学) 浅川千尋(天理大学人間学部教授) 浅野宜之(関西大学政策創造学部教授) 足立英郎(大阪電気通信大学教授) 新井信之(香川大学教授) 飯野賢一 (愛知学院大学法学部教授) 井口秀作(愛媛大学法文学部総合政策学科) 池端忠司(神奈川大学法学部教授) 石埼学(龍谷大学) 石塚迅(山梨大学) 井田洋子(長崎大学) 伊藤雅康(札幌学院大学教授) 稲正樹(国際基督教大学客員教授) 猪股弘貴(明治大学教授) 井端正幸(沖縄国際大学教授) 今関源成(早稲田大学法学部教授) 岩井和由(鳥取短期大学教授) 岩本一郎(北星学園大学経済学部教授) 植木淳(北九州市立大学) 上田勝美(龍谷大学名誉教授) 植村勝慶(國學院大学法学部教授) 右崎正博(獨協大学教授) 浦田賢治(早稲田大学名誉教授) 浦部法穂(神戸大学名誉教授) 江藤英樹(明治大学准教授) 榎澤幸広(名古屋学院大学准教授) 榎透(専修大学教授) 榎本弘行(東京農工大学教員) 大内憲昭(関東学院大学国際文化学部) 大田肇(津山工業高等専門学校教授) 大野友也(鹿児島大学准教授) 大藤紀子(獨協大学) 小笠原正(環太平洋大学名誉教授) 岡田健一郎(高知大学准教授) 岡田信弘(北海道大学特任教授) 岡本篤尚(神戸学院大学法学部教授) 岡本寛(島根県立大学講師) 小栗実(鹿児島大学法科大学院教員) 押久保倫夫(東海大学) 片山等(国士舘大学法学部教授) 加藤一彦(東京経済大学教授) 金子勝(立正大学名誉教授) 河合正雄(弘前大学講師) 川畑博昭(愛知県立大学准教授) 菊地洋(岩手大学准教授) 北川善英(横浜国立大学名誉教授) 木下智史(関西大学教授) 清田雄治(愛知教育大学教育学部地域社会システム講座教授) 久保田穣(東京農工大学名誉教授) 倉田原志(立命館大教授) 倉持孝司(南山大学教授) 小竹聡(拓殖大学教授) 後藤光男(早稲田大学) 小林直樹(姫路獨協大学法学部) 小林直三(高知県立大学文化学部教授) 小原清信(久留米大学) 近藤敦(名城大学) 今野健一(山形大学) 斉藤和夫(明星大学) 斉藤一久(東京学芸大学) 榊原秀訓(南山大学教授) 佐々木弘通(東北大学) 笹沼弘志(静岡大学教授) 佐藤潤一(大阪産業大学教養部教授) 澤野義一(大阪経済法科大学教授) 志田陽子(武蔵野美術大学造形学部教授) 實原隆志(長崎県立大学准教授) 神陽子(九州国際大学) 菅原真(南山大学法学部) 鈴木眞澄(龍谷大学教授) 高佐智美(青山学院大学) 高作正博(関西大学法学部) 高橋利安(広島修道大学教授) 高橋洋(愛知学院大学教授) 高良沙哉(沖縄大学人文学部准教授) 武永淳(滋賀大学准教授) 竹森正孝(岐阜大学名誉教授) 田島泰彦(上智大学教授) 多田一路(立命館大学教授) 建石真公子(法政大学教授) 玉蟲由樹(日本大学教授) 塚田哲之(神戸学院大学教授) 寺川史朗(龍谷大学教授) 内藤光博(専修大学教授) 仲哲生(愛知学院大学法学部) 長岡徹(関西学院大学法学部教授) 中川律(埼玉大学教育学部准教授) 中里見博(徳島大学准教授) 中島茂樹(立命館大学教授) 中島徹(早稲田大学) 中島宏(山形大学准教授) 永田秀樹(関西学院大学教授) 中村安菜(日本女子体育大学) 成澤孝人(信州大学教授) 成嶋隆(獨協大学) 西土彰一郞(成城大学教授) 西嶋法友(久留米大学) 丹羽徹(龍谷大学教授) 糠塚康江(東北大学) 根本猛(静岡大学教授) 根森健(埼玉大学名誉教授) 畑尻剛(中央大学法学部教授) 濵口晶子(龍谷大学法学部) 樋口陽一(憲法学者) 廣田全男(横浜市立大学教授) 福岡英明(國學院大学教授) 福嶋敏明(神戸学院大学法学部准教授) 藤井正希(群馬大学社会情報学部准教授) 藤田達朗(島根大学) 藤野美都子(福島県立医科大学教員) 船木正文(大東文化大学教員) 前原清隆(日本福祉大学教授) 松井幸夫(関西学院大学教授) 松田浩(成城大学教授) 松原幸恵(山口大学准教授) 宮井清暢(富山大学) 宮地基(明治学院大学法学部教授) 村上博(広島修道大学教授) 村田尚紀 (関西大学教授) 毛利透 (京都大学教授) 元山健(龍谷大学名誉教授) 守谷賢輔(福岡大学法学部准教授) 諸根貞夫(龍谷大学教授) 門田孝(広島大学大学院法務研究科) 柳井健一(関西学院大学法学部教授) 山崎英寿(都留文科大学) 山田健吾(広島修道大学法務研究科教授) 結城洋一郎(小樽商科大学名誉教授) 横尾日出雄(中京大学) 横田力(都留文科大学) 吉川和宏(東海大学) 吉田栄司(関西大学法学部教授) 吉田稔(姫路獨協大学法学部特別教授) 若尾典子 佛教大学教授) 脇田吉隆(神戸学院大学総合リハビリテーション学部准教授) 渡邊弘(活水女子大学文学部准教授) 渡辺洋(神戸学院大学教授) 以上139名 (2015年6月4日10時現在)
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・3参考人全員が「違憲」表明 衆院憲法審、安保法案で
衆院憲法審査会は4日、憲法学の専門家を招いて参考人質疑を実施し、集団的自衛権行使を可能にする安全保障関連法案について、慶応大の小林節名誉教授ら3人の参考人全員が「憲法違反」との認識を表明した。
早大の長谷部恭男教授は、集団的自衛権の行使について「憲法違反だ。従来の政府見解の基本的な論理の枠内では説明がつかない」と指摘。
小林氏も「憲法9条は、海外で軍事活動する法的資格を与えていない」と述べ、9条違反との見解を表明した。
早大の笹田栄司教授は安保法案に関し、従来の法制の枠組みと比べて「踏み越えてしまっており、違憲だ」との認識を示した。(共同)
・3参考人「違憲立法」、政権に衝撃 審議へ逆風、野党攻勢
衆院憲法審査会で3人の参考人全員が4日、集団的自衛権行使を可能とする安全保障関連法案を「憲法違反」と断じ、安倍政権に衝撃を与えた。自らの推薦人からも違憲と指摘された自民党は、法案審議への逆風は避け難いとみて、参考人を呼んだ身内の批判を展開。野党は「違憲立法に突き進む政権」(民主党幹部)と攻勢を強めた。
自民党の船田元・憲法改正推進本部長は憲法審査会後、記者団に「多少は(安保法制に)話が及ぶと思ったが、予想を超えていた」と困惑の表情を浮かべた。
参考人質疑は、憲法が国家権力を縛る「立憲主義」などをテーマに開いた。
報告を受けた佐藤勉国対委員長は船田氏に「今後は十分配慮してください」とくぎを刺した。
菅義偉官房長官は記者会見で「憲法解釈として法的安定性や論理的整合性が確保されている。違憲との指摘は全く当たらない」と反論した。
党執行部は危機感を募らせた。憲法上の疑義や戦争に巻き込まれる懸念など法案への国民の不安は根強く、安倍晋三首相が成立を目指す夏までに一定の理解を得られるか見通せないからだ。
その状況下で「オウンゴール」を喫した党幹部は「法案審議の大事な時期に何をしているんだ。これは反党行為だ。憲法審査会の自民党メンバーは総入れ替えしろ」と怒りを爆発させた。
公明党幹部は事前に、推薦人の人選について自民党側に「大丈夫か」と念を押していたという。
野党は勢いづいた。参考人から「違憲」発言を引き出した民主党の中川正春元文部科学相は党代議士会で「痛快な思いだ。これ以上、安保法制の議論を進めるわけにはいかない」と強調。共産党の志位和夫委員長は会見で「いかにこの法案が憲法違反かを示している。政府、与党は、この声を受け止めて対応を考えるべきだ」と訴えた。(中国新聞)
・防衛相、安保法案合憲と強調 民主「撤回を」、衆院特別委
中谷・防衛相は5日の衆院平和安全法制特別委員会で、集団的自衛権の行使を可能にする安全保障関連法案について「憲法違反にはならない」と強調。民主党の辻元氏は、4日の衆院憲法審査会で3人の参考人全員が「違憲」と明言したことを受け「政府は法案を一度撤回すべきだ」と要求した。
中谷氏は、憲法解釈を変更して集団的自衛権の行使を容認した昨年7月の閣議決定について「従来の憲法9条をめぐる議論との整合性を考慮した。政府による憲法解釈の裁量の範囲内で、違憲ではない」と訴えた。
これに対し、辻元氏は「与党が推薦した参考人までが『違憲』と述べたのは深刻な事態だ」と指摘した。(共同)
・オスプレイが横田基地に飛来 ハワイでの事故後初めて
米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)に所属する新型輸送機MV22オスプレイ3機が4日、山口県の岩国基地を経由し横田基地(東京都福生市など)に飛来した。静岡県などによると、うち1機は訓練のため、同県の陸上自衛隊東富士演習場に移動し、その後、横田基地に戻った。
防衛省によると、沖縄以外へのオスプレイ飛来は、5月のハワイでの事故以降初めて。横田周辺の5市1町で構成する基地対策連絡会は、安全対策の徹底や情報提供の迅速化などを、北関東防衛局に口頭で要請した。(共同)
・オスプレイ「事故起きたばかりなのに」 横田基地に3機着陸
米軍横田基地(福生市など)への配備が計画されている垂直離着陸輸送機MV22オスプレイが四日、横田基地に三機、着陸した。多くの市民が目撃し、不安を口にした。 (萩原誠、村松権主麿、榎本哲也)
基地周辺五市一町でつくる基地対策連絡会幹事の武蔵村山市によると、午前八時ごろ「一機が岩国基地を離陸、横田基地に着陸する可能性がある」と北関東防衛局から連絡があり、同十時ごろ、市役所職員が一機を目視で確認した。
さらに午後四時ごろ、防衛局から「二機が岩国基地を離陸し、横田基地に着陸する」との情報が入り、午後五時十分に二機が着陸。午後六時半、一機が離陸したと連絡が入った。
基地周辺住民らでつくる「横田基地の撤去を求める西多摩の会」メンバーも飛来を目撃したという。高橋美枝子代表(73)は「事故が起きたばかりなのに、訓練場ではない住宅地上空を飛ぶなんて。人口密集地に来るのは絶対に反対。横田配備だけでなく、普天間からも撤去すべきだと声を上げていきたい」と話した。
第九次横田基地公害訴訟原告団の福本道夫団長(65)は午前と午後、昭島市内などから三機を見たといい、「ハワイの事故原因が解明できるまで日本の空を飛ばないよう求めているが、また横田に来た。腹立たしい。オスプレイを見ると、事故の映像が思い出されて不安を感じる」と話した。
この日午前、福生市の加藤育男市長は防衛省を訪れ、西正典次官、中島明彦地方協力局長と会談。基地周辺住民の不安を払拭(ふっしょく)できるよう、運用や施設、人員配置など具体的な情報提供を要請した。西次官から「防衛相から米国防総省に、できるだけ早い時期の情報提供を要請している」との回答があったという。
五市一町とは別に、一市単独で要請したことについては「いろいろな歴史的経緯があり、(基地の)ゲートは福生市の方を向いている。(オスプレイ関係の)施設などは全部、福生市の市域内にできると思う。影響が強い」と理由を述べた。(東京新聞)