2015年5月18日月曜日

オスプレイ: 米ハワイで着陸失敗 乗員1人死亡21人搬送

・オスプレイ: 米ハワイで着陸失敗 乗員1人死亡21人搬送
 米海兵隊の垂直離着陸輸送機MV22オスプレイが17日、ハワイ・オアフ島にあるベローズ空軍基地の訓練区域で訓練中に着陸事故を起こした。米海兵隊が毎日新聞の取材に答えた。乗っていた22人のうち1人が死亡し、残る21人全員が病院に搬送されたという。事故原因は調査中としている。

 海兵隊によると、米西部カリフォルニア州キャンプ・ペンドルトン所属の第15海兵機動展開隊のオスプレイが、ハワイ現地時間17日午前11時40分(日本時間18日午前6時40分)ごろ、通常の訓練中に着陸事故を起こした。
 部隊は米太平洋軍や中央軍の担当地域に7カ月間配備される予定で、5月10日に同州サンディエゴを出発し、ハワイで訓練中だったという。

 MV22オスプレイは主に兵士や物資の輸送に使われ、米軍が普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)で24機を運用中。さらに、空軍の特殊作戦用で仕様の違うCV22オスプレイを米軍横田基地(東京都福生市など)に2017年後半から配備する予定だ。
 オスプレイは開発段階から事故が相次ぎ、12年6月には米フロリダ州でCV22が墜落。13年8月にはネバダ州でMV22が着陸に失敗する事故が起きた。MV22とCV22は性能などが似ているが、特殊作戦用で過酷な条件下で飛行することが多いCV22の事故率の高さが指摘されている。
 一方、日本政府も18年度までにオスプレイ17機を陸上自衛隊に配備する方針を表明している。ただ、どちらの仕様になるのかは、まだ決まっていないという。【毎日 ワシントン西田進一郎】 

Crash at Hawaii Air Force station kills 1 Marine, hurts 21 (USA TODAY)

・オスプレイは安全と菅氏 沖縄知事は飛行停止要求
 菅義偉官房長官は18日の記者会見で、米ハワイでの新型輸送機MV22オスプレイ事故に関し、米政府が「迅速かつ透明性を持って対応する」と日本政府に伝えてきたと明らかにした。
 菅氏はオスプレイの飛行実績に触れ「安全だと考えている」と述べた。一方、沖縄県の翁長雄志知事は県庁で記者会見し、事故原因が究明されるまで米軍普天間飛行場(同県宜野湾市)に配備中の同型機24機の飛行停止を米側に求める意向を明らかにした。

 翁長知事は、配備そのものを撤回するべきだとの考えも重ねて強調。事故への憤りをあらわにし「県民の安心安全を守る見地からしっかり対応したい」と述べた。(共同)

・オスプレイ 横田基地配備に反対集会
 アメリカの国防総省が空軍の新型輸送機オスプレイを東京の横田基地に新たに配備する方針を示したことを受けて、地元の福生市で「これ以上の基地機能の強化は認められない」として配備に反対する集会が開かれました。
 集会は横田基地周辺の住民で作る団体が開いたもので、17日は基地に近い福生市の公園におよそ240人が集まりました。

 集会では「横田基地周辺は人口が密集していて多くの学校もある。ワシントンやニューヨークの人口密集地に同様にオスプレイを配備できるのか」とする意見などが出されました。
続いて「これ以上の基地機能の強化は認められない」などとする決議文が読み上げられ、横田基地へのオスプレイの配備に反対していくことを申し合わせました。
 昭島市に住む30代の女性は「子どもを基地のすぐ近くの保育園に預けていて、オスプレイは安全性に不安があると聞いているので配備には反対です」と話していました。

 オスプレイの横田基地への配備を巡っては15日、基地に隣接する5市1町に対して国がオスプレイの安全性について十分確認されていることなどを説明しましたが、自治体側は「十分な説明がされたものとは考えておらずさらに具体的な説明を求めていく」とコメントしています。(5/17, NHK

・オスプレイ:政府申し入れ「突然で遺憾」…周辺5市1町
 外務省と防衛省は(5月)12日、横田基地(東京都福生市など)周辺の5市1町の首長にオスプレイ配備を説明した。5市1町でつくる基地対策連絡会は「十分な説明責任を果たさないまま配備を行わないよう再三要請してきたのに、突然の申し入れは遺憾」とのコメントを出した。ただ、今後も政府の説明を聞く意向を示した。
   
 福生市の加藤育男市長は説明に訪れた両省の担当者に「地域を預かる責任者として住民の不安を払拭(ふっしょく)してもらわないと受け入れ難い」と述べた。一方、舛添要一都知事は12日の定例記者会見で「都民の生命と安全を守る立場から申し上げるべきことは言っていく」と話した。【毎日 5/12, 柴田朗

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批評する工房のパレット」内の関連ページ
⇒2014年7月10日
オスプレイの「安全神話」? ~このまま、なし崩し的に「本土低空飛行訓練」を許してよいのか 2014
⇒2014年3月2日
白浜空港にオスプレイ 県が災害対応訓練で計画
⇒2013年4月13日
オスプレイの「安全神話」? ~このまま、なし崩し的に「本土低空飛行訓練」を許してよいのか(2)

[再録]
オスプレイの「安全神話」? ~このまま、なし崩し的に「本土低空飛行訓練」を許してよいのか (2013 3/6)
 
オスプレイの「本土低空飛行訓練」が、今日から三日間(3/6-3/8)、愛媛、高知、徳島と和歌山をつなぐ通称「オレンジルート」で行われる。

 マスコミ報道では、「米軍の環境審査報告書」の情報から、オスプレイの飛行ルートは7つあるとされている。
 南から北に列挙すると、それらは、
(1)沖縄本島北部と奄美諸島(パープル)、
(2)福岡、熊本、大分、宮崎県付近(イエロー)、
(3)紀伊半島と四国(オレンジ)、
(4)群馬、長野、新潟県付近(ブルー)、
(5)山形、秋田、青森県付近(ピンク)、
(6)福島(!)宮城、岩手、青森県付近(グリーン)、
これに非公表の、
(7)中国山地を飛行する「ブラウン」と呼ばれるルートが加わる、とされている。

しかし、例えば、左の東京新聞の記事にある「訓練ルート」地図は、本土におけるオスプレイの「低空飛行訓練」なるものの実態と全貌を報道するものになっていない、と言わざるをえない。その「実態と全貌」を米軍が情報公開せず、日本政府・防衛省が米国政府・米軍に対して情報公開を要求せず、そしてそれが安倍内閣が言うところの「回復された日米同盟」なるものの実態と全貌なのであるから、マスコミも私たちも正確には知る由もないのだが、参考になる資料を二つ、紹介しておこう。

 その一つとしては、昨日、岩国で行われたオスプレイ配備に反対する市民集会への参加を呼びかけた下のチラシがある。まずこの地図から北海道の「北方ルート」という、これも非公表の第8のルートがあることが確認できる。
 おそらく、「北方ルート」とは、日高山脈の山間部や釧路・帯広一帯で行われる訓練ルートなのだろうが、これでオスプレイの飛行訓練は北海道から本州全域、四国・九州・沖縄と、まさに日本全土を網羅するものであることが理解できるはずである。

 国の領土全域にわたり、米軍に軍事訓練をさせる国家、それが「日米同盟という欺瞞」と「日米安保という虚構」の〈体制〉下にある日本という国家なのだ。そして、それが安倍内閣が言うところの「日米同盟の強化」なるものの実態なのである。
 四国・紀伊半島の次は、おそらく当初計画されていた九州での訓練が待ち受けているだろう。さらにその次には、東北・北陸・関東・東海・中国・北海道と、なし崩し的に訓練領域が拡大するだろう。
 本当に、このままでよいのだろうか?

 
 もう一つ、オスプレイの「飛行訓練」の実態と全貌に迫る資料を紹介する。
 「RIMPEACE 追跡! 在日米軍」に掲載されたことのある、この地図。
 
 
 
 この地図が物語っているのは何か? 
 
 
参考サイト
●「オスプレイ低空飛行 これが直下自治体 日本の空は誰のもの」(日本共産党)⇒オスプレイの各飛行ルートの実態が、より詳しく地図で明示されているという意味で参考になる。