2014年8月31日日曜日

SAY NO TO RACISM: サッカーを通じて人種差別について考える

SAY NO TO RACISM:  サッカーを通じて人種差別について考える

・サッカー通じて人種差別を考える 大阪でシンポジウム
 サッカーを通じて人種差別について考えるシンポジウム「SAY NO TO RACISM」が30日、大阪市の大阪人権博物館であった。
 パネリストは、Jリーグの村井満チェアマン、サッカー元日本代表主将の宮本恒靖さん、東欧の民族問題とサッカーについての著書があるジャーナリストの木村元彦さん。サッカー界がやるべき人権啓発活動について宮本さんは「選手の影響力をもっと活用するべきだ」と提言。村井チェアマンは「リーグ、クラブ、サポーターが一緒に取り組むことを目指す」と語った。

 今年3月、浦和レッズのサポーターが人種差別の意味に取れる「JAPANESE ONLY」という横断幕を掲げた問題の解決にリーグが迅速に取り組んだことについて、木村さんは「サッカー界が一般社会に範を示した。Jリーグやサッカーを応援する人は差別撲滅を啓発する側に立てる存在」と評価した。(朝日

・サンガ選手ら人権研修 事例学び意識向上
 サッカーJ1の浦和サポーターが今年3月、差別的な横断幕を掲げた問題を受け、Jリーグの各チームが研修を進めている。29日にはJ2京都サンガFCが京都地方法務局と協力し、城陽市の鴻ノ巣山運動公園体育館で人権研修を行った。23日にはJ1横浜Mの試合でサポーター男性によるバナナを振りかざす人種差別的行為があったばかりで、選手やスタッフ約60人が差別行為の根絶のため意識を高めた。

 浦和の事例では「JAPANESE ONLY」という横断幕が「日本人以外お断り」と解釈でき、差別的と判断された。浦和も撤去に1時間以上かかったなど対応を問題視され無観客試合の処分を受けた。
 研修はクラブや選手への自覚を促すため、JリーグがJ1~3の全クラブに研修を義務付けた。各クラブ担当者が事前研修を受けて講師となり6月以降、順次開いている。
 サンガでは強化部の細川浩三取締役(43)が講師となって、浦和や欧州など海外での差別的行為を説明した。研修後、駒井善成選手(22)は「言葉ひとつでチームやJリーグ全体に迷惑を掛ける。行動や発言に責任を持ちたい」とした。(京都新聞

・横浜Mに制裁金500万円とけん責の処分 サポーターがバナナかざし人種差別
 サッカーのJリーグは29日、横浜市のニッパツ三ツ沢球技場で23日に行われたJ1の横浜M-川崎で、横浜Mの男性サポーターが川崎の外国人選手に向けてバナナを振りかざす人種差別的行為があった問題でクラブに制裁金500万円とけん責の処分を科した。
 3月にもサポーターが会場内に差別的な内容の横断幕を掲げたJ1浦和が、国内初の無観客試合の処分を受けたばかり。Jリーグの判断が注目されたが、横浜Mが速やかに当該男性を特定して無期限入場禁止処分としたことなどを考慮し、制裁金とけん責の処分にとどめた。

 欧州のリーグでは黒人選手に対し、サルの好物のバナナを投げ入れる行為が発生しているが、Jリーグで明るみに出たのは初めて。国内では「ヘイトスピーチ」と呼ばれる差別をあおる街宣活動が問題になっており、Jリーグの村井満チェアマン(55)は「スタジアムが差別の温床であるという認識が広まることを恐れている」と、排外的な雰囲気がサッカーの場に持ち込まれることに危機感を示した。
 横浜Mの嘉悦朗社長(59)は「処分を重く受け止める。謝罪し、再発防止に力を注ぐ」と頭を下げ、選手による反人種差別メッセージの発信や、サポーターへの人権講習などの啓発活動を実施する方針を示した。(共同

・バナナ差別行為の横浜Mサポーターが謝罪 川崎関係者に文書で
 サッカーJ1の横浜M-川崎(23日)の試合中、横浜Mの男性サポーターが相手選手に向けてバナナを振りかざす差別的行為をした問題で、横浜Mの嘉悦朗社長(59)は24日、当該男性に選手ら川崎関係者へ宛てた謝罪文を提出させ、スタッフを通じて川崎側に届けたと明らかにした。

 欧州のリーグでは黒人選手にサルの好物のバナナを投げ入れる差別的な行為が起きているが、Jリーグで明るみに出たのは初めて。男性は無期限入場禁止の処分を受けた。
 嘉悦社長は川崎の武田信平社長(64)にあらためて謝罪し「恥ずべき行為であり、抑止の面で力不足だったことに自責の念がある」と語った。
 25日にJリーグに出向き、謝罪や経緯の説明、再発防止策を報告する。(8/24 共同)


批評する工房のパレット 」内関連ページ
⇒2014年7月8日 「日本のレイシズム・ヘイトスピーチ・ナショナリズム
⇒2014年3月11日 「Jリーグ 浦和レッズの差別横断幕に対する処置を求める署名

2014年8月30日土曜日

9・11 脱原発テントひろば3周年・再稼働阻止大行動

9・11 脱原発テントひろば3周年・再稼働阻止大行動
――― 経産省包囲怒りのヒューマンチェーン―――
<主催・呼びかけ> 経産省前テントひろば

 経産省前テントは開設1000日を超え、9月11日、3周年となる。福島原発事故はいま未だ収束せず、汚染水は漏れ続け、14万人が避難生活を余儀なくされ、小児甲状腺がんが異常多発し、89名となった。しかし、原発推進の最大責任官庁である経産省は福島第一事故の責任を一切取らず、「エネルギ―基本計画」閣議決定させ、再稼働を推進するに至っている。

 福井地裁判決は政府の原発政策を根本から問い直し、東京検察審査会は東電首脳3名を”起訴相当”とした。経産省も責任を免れることは出来ない。我々は許さない。9月11日私達は再度経産省を包囲し、再稼働阻止!テント裁判勝利に向け、全国・全世界の人々と連帯し、4年目を闘い抜くことを宣言する。多くの方々参加を呼びかけます。

16時―17時 本館前及び別館前アピール行動
 首相官邸及び経産省に対する申し入れ行動
17時―18時 記者会見(テントひろば前)
18時―19時半 経産省前集会
19時半―20時 経産省包囲怒りのヒューマンチェーン

■9月3日(水) 九州電力・川内原発再稼動反対:九州電力支社抗議行動
 (17時~18時) 再稼動阻止全国ネットワーク
 第12回東電本店合同抗議 東電本店前
 (18時30分~20時) テントひろば他100団体

経産省前テントひろば
〒100-0013 東京都千代田区霞が関1-3-1 TEL 070-6473-1947
メール tentohiroba@yahoo.co.jp 
ブログ http://tentohiroba.tumblr.com/

■ 9月28日 川内原発再稼働反対集会(鹿児島)
  http://saikadososhinet.sakura.ne.jp/ss/archives/6407

・・・
■ 「川内原発再稼働するな!フクシマを忘れない!さようなら原発全国集会&大行進

日時: 9月23日(火・秋分の日)
場所: 代々木公園(JR 山手線「原宿」、地下鉄「明治神宮前」「代々木公園」)
内容:
11:00  ブース開店(原発立地地域の出展、関連グッズ、飲食コーナー)
12:20  オープニングライブ「エセタイマーズ」
13:00  トーク 内橋克人、大江健三郎、落合恵子、鎌田慧、澤地久枝ほか
          鹿児島・川内原発現地から、福島から、韓国・台湾から
 集会後にデモ行進(3コース予定)

■詳しくはこちら http://sayonara-nukes.org/

・・・
■ 10/12 「第4回脱原発サミットin茨城」

日時: 2014年10月12日(日)13時30分から
会場: 茨城県東海村・東海文化センター
講師: ”さよなら原発1000万人署名”呼びかけ人の澤地久枝氏(作家)、
     ”熊取六人衆”の今中哲二氏(京大助教)
主催: 茨城の環境と人を考える会議
前売入場券 1000円(当日1300円) 申込:FAX029-298-3170

 原子力発電発祥の地から、東海第二原発及び全原発の廃炉、安倍内閣の危うい政策の廃止を訴えます。日本原電は、敦賀1,2号機の再稼働が行きずまるなか、遮二無二、東海第二原発再稼働に動いています。
 しかし事故時には、水戸市民は前橋、宇都宮市等に逃げる等という画餅の対策しかありません。東海第二原発が暴走すれば、マーク2型の宿命で、真下の冷却水に溶融核燃料が落下し、巨大な水蒸気爆発が起き、茨城県全住民が生命・財産を失うのみでなく、卓越風の北東風で首都圏住民も危機に瀕し、東京オリンピック等は吹き飛びます。

■ 9月28日 JCO臨界事故15周年集会

日 時  9月28日(日)午後1時30分から3時30分まで
会 場  東京・代々木公園 (JR原宿駅、東京メトロ明治神宮前駅下車)
主 催 原水禁国民会議、茨城平和擁護県民会議 ほか
内 容
鼎談
「JCO臨界事故から15年、原発再稼働を許すな」
(村上達也前東海村長、大泉恵子JCO健康被害裁判被告、只野靖弁護士)、福島からの訴え ほか
※集会後にデモ行進

2014年8月29日金曜日

『福島と生きる』メールマガジン特別号 No.8-2

『福島と生きる』メールマガジン特別号 No.8-2
――息長く〈福島〉とつながり続けるために――
2014年8月28日発行(不定期刊)
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インタビュー
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竹内 俊之さん・藤岡恵美子さん(ふくしま地球市民発伝所 http://fukushimabeacon.net/
――「福島の教訓」を伝え、地球規模の世直し運動へ・パート2

<目次>
パート2
II 福伝がめざすもの
  世界に伝えたい「福島の教訓」
  世界防災会議に向けて
  社会のあり方を問う


II 福伝がめざすもの

世界に伝えたい「福島の教訓」
Q  福伝は福島の経験の海外への発信を活動の柱に据えています。福伝が世界にもっとも伝えたい「福島の教訓」とは何ですか?

竹内  この人類史的に稀有な経験から伝えなくてはならない教訓はたくさんあります。第一に、放射能被害がどういうものかを理解していない人々がほとんどですから、それを伝えることです。地域としてはアジアに重点を置いていきたい。
 まずは放射能被害の基本情報を伝えたい。先日、福島出身でインドネシアの航空会社に客室乗務員として勤めている方のお話をききましたが、3・11後、福島出身というだけで会社の同僚に握手をしてもらえなかったそうです。そのくらい放射能というものが理解されていない。だから初歩的な情報の発信が必要です。これは教訓以前の問題です。

 事故発生時の汚染状況、まだ未知数の長期的な影響、農業が被った被害と同時に放射能低減に成功した例などを伝えていかなければなりません。一定程度の人権が保障された日本ですらこんなことが起きたのですから、ましてや民主主義の成熟度が発展段階にある国で同じことが起きれば、ずっと大きな被害がでます。

 たとえば、川内原発に関して地元は避難計画を立てられないと言っています。その中で弱者切り捨てが平気で行われるのが原発なのだ、ということを伝えていかなければいけない。安全対策には膨大なコストがかかりますが、途上国ではセーフガードを取っ払って原発を推進しようとしています。
 これらのことすべて引っくるめて原発が持っているリスクを、それ以上に、常に経済を再優先とするため、それを過小評価し人権を二の次にしようとする為政者の普遍的な行動パターンを、福島で再び確認できた「学び」として伝えるべきと思っています。

Q  具体的にどういう活動を計画していますか?

竹内  ウェブなどで情報を発信することに加えて、アジアの原発立地または計画中の地域の市民社会組織(CSO)と福島との相互交流・訪問事業を計画しています。その交流を何らかのアクションにつなげていってほしいと思います。たとえば原発立地地域の人々の場合、事故が起きた場合の避難計画を自分たちで作り、地元行政が計画を立てていない場合、作らせるといった防災・減
災の活動。もう一つはより根本的に原発をなくそうという運動につながることが目標です。

 日本国内に伝えていくことも活動の一つと考えていますので、FoE Japanのような再稼働問題で動いている団体に、福島県内の情報や人を紹介するなど様々な形で協力していきたいと思います。

Q  支援する側の負の影響を含めて、支援活動の教訓の何をどのように伝えていきたいですか?

竹内  正直に言うと、この部分については非常に心もとない部分です。今回の震災での活動の蓄積がJANICの組織の内部でどれだけ引き継がれて行くのかということは、大きな課題だと思っています。JANIC内部に組織された震災タスクフォースは既に解散して現地で活動した人間は誰も残りません。また将来にわたって、恒常的に防災担当を置くかどうかも未知数です。

 ただ、震災タスクフォースの最後の活動として報告書を取りまとめました。これは昨年後半から始まったNGO、行政機関や被災地住民など622人への調査をもとに東日本大震災の支援活動を考察し、教訓を伝えるものです。PDF版が以下のリンクからダウンロード可能です。
東日本大震災市民社会による支援活動合同レビューWEB版
 http://www.janic.org/earthquake/news/pressrelease_eqreview.php

 この報告書は最終的に英訳されて海外の国際協力NGOや防災関係の市民社会組織CSOと共有される予定です。 実は今回指摘したような「支援する側の負の影響」は国際協力の現場では多く語られてきたことです。日本の現場でも同じようなことが起こるとは、多くの場合予想されていなかったと思います。ただ、ある程度国際協力の現場経験がある人間なら、デジャヴュのように思い返されたかもしれません。

 しかし今回は国内の大規模災害ということで、様々な層から多数の人々が支援活動に参加することになり、なかには初めてこのような活動に関わった方も少なくありませんでした。
 また、福島はとりわけ難しい現場です。これは災害支援というより紛争地の避難民・難民支援に近い活動です。被災地を取り巻く日本国内の雰囲気もそれに近かったと思います。このような現場の生々しい経験が組織の経験となるためには、経験が残ることが一番です。
 しかし、それが叶わないならば、今回の福島の被災者支援に実際に関わった、現地のNPOや他のNGOも含め、現場を知る人間とのネットワークを継承することだと思います。報告書だけでは本当の教訓は伝わらない。人によってしか伝えられないものだと思います。

世界防災会議に向けて

竹内  2015年に仙台で第3回国連防災世界会議が開かれます。会議は国際的な防災のとりくみの指針である「兵庫行動枠組(HFA)II」を採択する予定ですが、市民社会組織はこの指針に東日本大震災からの教訓、具体的には福島からの教訓を反映させるべく、2015国連防災世界会議CSOネットワーク(JCC2015)というネットワーク組織を作って活動しています。福伝はJANIC、ピースボート、CWS Japanとともに事務局を構成する団体の一つで、海外からやって来る市民団体の人たちに福島の実情を見てもらうために福島ツアーを行う予定です

Q  脱原発の課題と防災というテーマをどう結び付けようと考えていますか?

竹内  個人的見解ですが、JCC2015のネットワークは福島の問題だけを扱っているのではないので、それ自体が脱原発を声高に主張することはないと思います。しかし、世界会議には脱原発にとりくむ団体や環境NGOも参加するでしょうから、それとの連携は必要だと思います。

藤岡  HFA IIに原発災害の教訓を反映させようという活動はすでに始まっていて、6月にバンコクで行われたアジア防災閣僚会議の成果物である文書(インプット・ペーパー)には明確に「原発」とは書かれてないのですが、自然災害以外の、自然災害によって引き起こされる事故(原発や化学工場など)も防災の枠組みに含れることを、cascading disaster(連鎖的に起きる災害)やcritical infrastructure(社会にとって重大な意味を持つインフラ)という表現で表しています。

 世界会議に向けて市民社会組織の側の準備を行っているADRRN(アジア防災・減災ネットワーク)とGNDR(地球市民社会の防災ネットワーク)が今年福島を訪問した際、福島の団体にも会っていただきました。福島の実情を直接知ることで彼らの原発災害に対する見方や態度が変わったことは大きな成果でした。

竹内  福島県もHFA IIに原発災害のことを盛り込みたいと言っています。その実現のための具体的策は分からなくとも、言わずにはおれないということでしょう。
 防災世界会議は過去2回とも日本で開催されました。ホスト国の日本が自ら原発災害のことをHFA IIに入れようとはしないでしょう。その中で、HFA IIには原発災害のことも含まれるという理解ができれば、私たちとしては一つの前進ではないでしょうか。

 会議開催中には市民イベントもあるので、そこで原発災害の問題を海外からの参加者にいかにアピールできるかが肝心です。海外からの参加者は、やはり原発災害に関心があると思います。人類史上未曽有の災害なのですから。しかも、どう復興したかではなく、何に困ったかを聞いて自分たちの教訓にしたいはずです。そこを素通りして、津波や地震の被害だけを取り上げるなんて、あり得ません。福島で行うツアーも、どれだけ復興したかではなく、どんな問題に直面したかに焦点をあてるべきだと考えています。
 原発災害問題を取り上げるにあたって、やはり福島の地元の方々が動かなければ話になりません。そこがめざす成果の一つです。地元の人たちの動きを福伝やJCC2015が側面支援して行きたいです。

Q  東日本大震災の救援活動には米軍も加わりました。災害救援に自国の軍隊だけでなく他国の軍隊も関わるのはすでに世界的な潮流となっていますし、日本の災害救援・人道支援NGOの中にも自衛隊や米軍と連携している団体があります。しかし、軍隊の関与は軍事的な目的も絡むことから問題視されています。災害救援の軍事化の問題は、防災世界会議では議題に上らないのでしょうか?

竹内  世界会議ではむしろ、災害支援における「軍との連携」をいかに推進するかという話になるでしょう。しかし、議論の俎上に載せてしかるべき問題です。海外の紛争地などでの国際協力活動では、本来政府がやるべきことをNGOに肩代わりさせている状態です。NGOは本来、非政府の組織ですから、その非政府性の自覚を強くもつかどうかが重要だと思います。
 ただ、軍の災害支援関与を否定するとしたら、どんな代替案をもつのか。以前から、軍隊ではない緊急救援組織(いわゆる「サンダーバード」)を提唱する議論もありますが、現実にはなかなか進まない。
 とはいえ、どの国の軍隊であれ災害救援に役立てばいい、災害救援と安全保障問題は別問題、と切り離して考えることは問題があると思います。

社会のあり方を問う

Q  福島県有機農業ネットワークの菅野さんは先の「報告書」の中で「これからの社会のありかたについても発信していってほしい」と期待を述べています。この点について今後の抱負をお聞かせください。

竹内  五里霧中の段階ですが、今後の社会のあり方を考えるための可能性をもつ活動があれば、それを他の団体や人につなげてネットワークを作り、一つのムーブメントにしていきたいという希望は持っています。なにか一つの体系だった考えがあるわけではありませんが、そのような可能性に逆行する動きは明らかに存在します。それに対する異議申し立てをする中で、逆説的に将来の方向性が見えてくるのかもしれません。

 たとえば有機農業ネットワークの人たちも、答えが見えているわけではないと思いますが、それを見つける作業を一緒にしていきたいと思います。 かつて小田実が「運動自体の中にないものは将来の世界にもない」という意味のことを言っていました。この言葉を肝に銘じて、運動を作るプロセスを大切にしていきたいですね。

藤岡  竹内も私も都市部で育ったので、地方暮らしをしたことがなく、福島で有機農業に携わっている方々と出会い、その考え方や生活を学んだのは私たちにとって大きな意味を持っています。仮設住宅で暮らすこと一つをとっても、都会でアパート暮らしをしている人と、広い土地の広い家に住み、周囲で山菜などを採って暮らしてきた人では、まったく感覚が違います。福島から避難するかしないかという問題も、この土地に根を張って暮らしてきた人と都会で転々と居を移しながら暮らしてきた人では、まったく考え方が異なるのです。福島に来て初めてそれが実感として理解できました。
 ここ福島にいることは福伝の強みです。同時に、ここにいるけれど、もともとは外から入ってきた人間であり、国際協力NGOの経験を持っています。それを活かして、県内外の人々・活動をつないで意味のあることができたら、と思っています。

Q  県内外の団体が福伝と一緒にどんな支援や協働ができるでしょうか? また、資金的な問題も含め、今後の福伝の活動に向けてこんな支援がほしいというアピールがあればお願いします。

竹内  福島で活動した国際協力NGOでJANICの古参のメンバーでもあるJVCとシャプラニールは、前に述べたように、すでにそれぞれの縁の深い地域から福島へ来てもらってスタディツアーをしてきました。今回我々がJANICを離れ、福伝として福島と海外の原発立地地域のCSOとの交流事業を進めるにあたり、両NGO協議した結果、3団体で協働して進めようということになりました。
 またJANICが持つ海外のネットワークを通して来日するNGO関係者にも可能な限り福島で起きたことを伝えていきたいと思っています。

 福島の教訓と言ってもいろいろな側面があります。福伝のプログラムとしては主に海外を想定していますが、福島での教訓が国内の他の原発立地の方々へ伝わっているのかというと、特に防災や減災の観点からは伝えきれていないように思います。また、原発は好むと好まざるとにかかわらず、核兵器とセットで考えなければなりません。日本ではこれまでの意図的な情報操作の成果もあり、そのような見方は少数派ですが、特に海外ではその視点を持たない人はいません。

 その意味では、日本のあらゆる反核運動の枠組みに原発が普通に入るようになるよう、様々な機会を捕まえて言っていかなければならないと思っています。 福伝はこの6月に登記が完了して晴れてNPO法人となりました。是非会員となって支えていただければと思います。月並みですが、これが一番有難い支援です。 よろしくお願いします。

(2014年7月16日のインタビューをもとに構成。インタビュアー/文責:『福島と生きるメールマガジン』)

★『福島と生きる』関連サイト一覧★
低線量被曝から子供たちを守るために 
 http://blog.canpan.info/miharu1126/
まつもとこども留学 
 http://www.kodomoryugaku-matsumoto.net/
原発いらない福島の女たち 
 http://onna100nin.seesaa.net/
子どもたちを放射能から守る福島ネットワーク 
 http://kodomofukushima.net/
福島県有機農業ネットワーク 
 http://fukushima-yuuki.net/
農家娘の日々。--福島の大地にきぼうのたねをまく--
 http://ameblo.jp/yunosato-farm/
国際環境NGO FoE Japan
 http://www.foejapan.org/energy/news/index.html
シャプラニール=市民による海外協力の会
 http://www.shaplaneer.org/support/jishin_japan.php
日本国際ボランティアセンター(JVC) 
 http://www.ngo-jvc.net/jp/projects/touhoku/
ふくしま地球市民発伝所 
 http://fukushimabeacon.net/
新評論 
 http://www.shinhyoron.co.jp/

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『福島と生きる』メールマガジン特別号 No.8-2(2014年8月28日発行)
※『福島と生きる』メールマガジンは、『福島と生きる--国際NGOと市民運動の新たな挑戦の共同執筆者の団体や活動の関連情報を発信していきます。

発行人=中野憲志・藤岡美恵子
(『福島と生きる--国際NGOと市民運動の新たな挑戦』共編者)

イスラエルのミサイル攻撃はすべて戦争犯罪

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専門家たちの結論: イスラエルのミサイル攻撃はすべて戦争犯罪
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【APA‐Jフラッシュ No.269】より


昨日の『ガーディアン』紙の中に、イスラエルがパレスチナ市民に加えた大量殺戮を免責するかのような記事があった。しかし、そのことより、この記事が、イスラエルの兵器が実際にはどれほど「無差別的」に使われているかについて、役に立つ─おぞましい─情報をたくさん含んでいることの方が大事である。

この点に私は大きい関心がある。というのは、私は、2006年のレバノン戦争以来、指導的な人権団体が、まさにこの点について採用してきた国際法の解釈に問題があると、ずっと警告してきたからだ。

この件は、当時、ヒューマン・ライツ・ウォッチ(HRW;国際人権擁護組織NGO)の中東政策局長サラ・リー・ウィットソンと私の間で論争になった。HRWの主張だと、ヒズボラは、イスラエルにロケット弾を撃ち込むたびに、たとえ軍事目標に命中したとしても、戦争犯罪を犯している、なぜならそれら
は旧式のロケットなので、定義により、狙いが不正確だからだ、ということになる。

それに較べてイスラエルのミサイルは狙いが正確なので、それを使うことは頭から許容しがたいものではないとHRWは主張した。イスラエルはミサイルを発射することで戦争犯罪を犯しているわけではなく、したがって、ミサイル使用が戦争法規にしたがっていないことの挙証責任は観察者にあると言うのである。それは証明基準としてかなり厳しく一方的なものである。

実際、2006年の時に既にはっきりしていたように、HRWの主張はナンセンスである。あの戦争の間、イスラエルは何百万発というクラスター爆弾(小さな爆弾で地雷と同様の働きをする)を南部レバノン全体に投下、この地域のすべての一般住民を危険にさらしたのである。

(中略)

『ガーディアン』紙の記事は、パレスチナ人側に夥しい死者が出ていることを人的あるいはシステム・エラーのせいにする腹立たしい筋書きに従っているが、この説は無視するべきだ。この記事のなかで、何人かの専門家は、この記事の論理は割引して見る必要があるとして、イスラエルは爆撃が正確かどうかをチェックしないことが多いと指摘している。言い換えれば、イスラエルが、軍事
的標的(あるいは軍事的と主張する標的)だけへの打撃を保証する予防措置を一切取っていないことを示すあらゆる兆候があると言うのだ。このでたらめさこそ咎められるべきである。

だが、この記事で引用されている専門家のなかには、イスラエルの精密兵器の多くがそもそも精密ではないとする者もいる。

元米軍将校で連邦政府の国防部門では中東に関する特別アドバイザーであり、イスラエルの軍事作戦の研究家でもあるアンドリュー・エクサムはこう語っている。 「このような紛争に空爆や砲撃を使わないことには、もっともな戦略上の理由がある。結果としてけっこう無差別攻撃になりがちで、安全を確保されるべき人々がどこに居るのか見極めるのがむずかしいからだ」

「けっこう無差別」! それならばイスラエルは当然、境界防衛作戦(*今年7月8日開始)以来の何千回という空爆、今日も続けている空爆の一つ一つにおいて、戦争犯罪を犯していると言えるのではないか? ジョナサン・クック
(*)部分は訳者挿入

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出典:コモン・ドリームズ(*独立系のメディア)(2014年8月1日)
翻訳: 四季(APA‐J翻訳チーム)
翻訳チェック:よっち 監修:APA‐Jデスクチーム
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┏━━━━━━━━━━━━━━━┓
 翻訳ボランティアいつでも大募集
┗━━━━━━━━━━━━━━━┛
APA‐Jニュースフラッシュの翻訳を手伝って下さる協力者、いつでも募集中です。我もという方はこちらまで → ppsg@jca.apc.org

2014年8月28日木曜日

イラクとシリアへの空爆にNO!

イラクとシリアへの空爆にNO!

米、NATO会議で「イスラム国」掃討協力呼びかけへ  
 アーネスト米大統領報道官は27日の記者会見で、英南西部ニューポートで9月4~5日に開催される北大西洋条約機構(NATO)首脳会議で、過激派「イスラム国」掃討への協力を呼びかける考えを示した。米政府はイラクに続き、シリア領にあるイスラム国の拠点の空爆を検討しており、すでに無人機による偵察飛行を始めている。

 アーネスト氏は記者会見でNATO首脳会議でイスラム国への対応は「いくつか議論するうちの一つになるだろう」と指摘した。イスラム国の掃討に向けた米国の努力は「国際社会の後押しがあって成功する」と述べ、NATO加盟各国に協調を求めた。
 NATO首脳会議は4日夜のワーキングディナーで、イラクとシリアの一部地域を支配するイスラム国を巡る対応を話し合う予定だ。
 米メディアは米国がシリア領のイスラム国の空爆に踏み切った場合、英国とオーストラリアが参加する可能性があると伝えた。イスラム国の戦闘員が欧米から流入する通過地点になるトルコには、シリア領のイスラム国を空爆する際に基地使用を認めることも期待している。
 野党・共和党からはシリア領のイスラム国への空爆を求める声が広がっている。 【日経 ワシントン=吉野直也】

・米国が「イスラム国」攻撃で各国に協力要請、多国籍軍編成も視野
 オバマ米政権は、イラクとシリアで支配地域を広げているイスラム教スンニ派過激派組織「イスラム国」掃討に向け、各国との協力体制を強化する方針だ。複数の政権幹部が27日、明らかにした。多国籍軍の編成も視野に協力を呼びかけているという。
 米政権幹部は、英国とオーストラリアが米国に協力する可能性があると述べた。ドイツは27日、「イスラム国」への攻撃の可能性について米国、その他の国と協議に入っていることを明らかにしたが、参加するかどうか明言を避けた。
 米国務省のサキ報道官は会見で「われわれのパートナーと取り組んでおり、パートナーに対しどのような貢献が可能か聞いている。貢献には、人道面、軍事、情報収集、外交的といろいろな形がある」と述べた。 

 米国の呼びかけに何カ国が応えるかは不明。米国が信頼する同盟国の英国やフランスなどの国には、2003年のイラク攻撃をめぐる苦い思いがある。この時は、イラクが大量破壊兵器を保有していると主張する米国に38カ国が同調して大規模な多国籍軍が編成されたが、結局、大量破壊兵器は発見されなかった。 
 米政権幹部は、必要なら米国は単独で戦う可能性もあるとしている。
 今週、ホワイトハウスの高官が集まり、「イスラム国」への攻撃を拡大する戦略について協議。「イスラム国」の重要拠点であるシリア東部への空爆も俎上(そじょう)に上がったもようだ。

 イラク政府は、米軍の空爆を歓迎しているが、シリアのアサド大統領は、許可なく攻撃すれば侵略行為とみなすと警告している。シリアへの空爆は、現在イラクで実施している作戦よりリスクが高い。
 ワシントンの英国大使館は、米国から空爆の要請は来ていないとしている。アボット豪首相の報道官は、イラクでの人道的な支援は続ける可能性があると述べたものの、米主導の軍事行動に参加するかどうかについては明言を避けた。
 米政権幹部は、人道支援や「イスラム国」の攻撃拠点への攻撃が比較的成功していることで、新たな軍事行動に参加することに対する同盟国の懸念が和らぐことを期待している。
 米国の同盟国のなかで、協力に慎重とみられる国の一つがフランス。フランスは昨年、シリアのアサド政権の化学兵器を使った攻撃を米国とともに激しく非難していた。しかし、その後オバマ大統領がシリアへの攻撃をしないと決定。フランスは「はしごを外された」格好となった。
 仏外交関係高官は、米のシリア攻撃断念で「我が国は面目をつぶされた」とし「昨年のような事があっただけに、今回、米国が何か決定した場合、われわれは何らかの協力をする前に非常に強固な保証を必要とするだろう」と語った。

 米政権幹部によると、オバマ政権は幅広い国に協力を呼びかけている。
 具体的には、トルコ、サウジアラビア、アラブ首長国連邦、カタール、ヨルダン、英国、フランス、オーストラリア、ドイツなど。多くは「イスラム国」の勢力を抑えたいと思いながら、軍事行動への参加に及び腰だという。 [ワシントン 27日 ロイター]

・米国人殺害で「裁き受けさせる」  対イスラム国でオバマ氏決意
 オバマ米大統領は26日、シリアで過激派「イスラム国」が米国人ジャーナリストを惨殺したことについて「米国は決して忘れない。辛抱強く(追い詰め)、裁きを受けさせる」と明言した。南部ノースカロライナ州で開かれた退役軍人の集会で演説した。
 同日のAP通信によると米軍はシリア上空で偵察飛行を開始。イスラム国への空爆実施を見据えた情報収集とみられる。
 一方、ABCテレビ電子版は26日、イスラム国が人道支援に携わっていた米国人女性を人質としており、身代金660万ドル(約6億9千万円)のほか、米側が拘束するイスラム国関係者の釈放を要求していると報道。【ワシントン共同】 

2014年8月25日月曜日

戦争させない・9条壊すな総がかり行動(9/4 日比谷)

戦争させない・9条壊すな総がかり行動

日時: 9月4日(木)18:00~
場所: 東京・日比谷野外音楽堂(地下鉄「霞ヶ関駅」「日比谷駅」)
     ※地図 http://hibiya-kokaido.com/
主催: 戦争をさせない1000人委員会/解釈で憲法9条を壊すな!実行委員会
内容: 発言…小室等(フォークシンガー)、雨宮処凛(作家・活動家)、
     落合恵子(作家)、香山リカ(精神科医)ほか
政党あいさつ、連帯あいさつ、各地からの報告など
デモ:日比谷野音→銀座、東京駅方面

■詳しくはこちら⇒ http://www.anti-war.info/schedule/1407251/

イラクは今 ~現地NGO代表に聞く、イラクの現状と今後~

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イラクは今
~現地NGO代表に聞く、イラクの現状と今後~

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 イスラム過激派組織「イスラム国」、イラク政府、クルド自治政府の三つ巴状 態に陥っているとも言われるイラク。住民への迫害や、アメリカの軍事介入、政 権交代など、現地の状況は混乱を極めています。そんな中多くの国内避難民が発 生し、家を追われ生活に苦しんでいます。
 この度、JVCの現地パートナーでキルクーク県を中心に活動するNGO団体「インサーン」の代表、アリー氏が来日。避難民の支援に最前線で携わるアリー氏から、イラクの現状と今後を聞き、平和学研究者の佐々木寛氏を交えて日本の私たちの関わりを考えます。

スピーカー
■アリー・ナジュムルディーン・ムハンマド・ジャバリさん
クルド系イラク人。NGO「インサーン(INSAN Iraq Society)」代表。
2005年にインサーンに参加。転機となったのは、2006年にキルクークからバグダッ トに乗り合いタクシーで向かっていた時、検問所で突然止められ、同乗していた スンニ派の男性がIDを確認されその場で殺害されたという経験である。この事件をきっかけに、民族・宗派間の平和構築活動に取り組むようになった。専門はコ ンピューター・サイエンス。

■佐々木寛さん(聞き手・コメンテーター)
新潟国際情報大学教授、専門は国際政治学・平和研究・現代政治理論。日本平和
学会会長。近著に、『国際共生とは何か』共著(有信堂、2014年2月)、『平和
を考えるための100 冊+α』編著 (法律文化社、2014 年1月)など。
http://sasaki-hiroshi.com/?

【日時】2014年9月8日(月)19:00~21:00(18:30開場)
【会場】天光院 シュリーホール
【住所】東京都港区芝公園1-3-16
【アクセス】都営地下鉄三田線 御成門A2出口から徒歩1分、JR・東京モノレー ル 浜松町駅から徒歩13分、都営地下鉄浅草線・大江戸線 大門駅A出口から徒 歩12分
【地図】 http://tenkouin.dcsv.jp/front/bin/ptlist.phtml?Category=1111

【参加費】1000円(学生:500円)
【お申込み】こちらのフォームからお申込みください
https://www.ngo-jvc.net/jp/form/event/20140908-iraqevnt.html
またはinfo@ngo-jvc.net、電話03-3834-2388へお申込みください。
【定員】 60名

【主催】(特活)日本国際ボランティアセンター
     〒110-8605 東京都台東区上野5-3-4 クリエイティブOne秋葉原ビル6F?
     TEL:03-3834-2388 FAX:03-3835-0519 info@ngo-jvc.net
【共催】(特活)アーユス仏教国際協力ネットワーク
【後援】日本平和学会国際交流委員会

2014年8月23日土曜日

『福島と生きる』メールマガジン特別号 No.8-1

『福島と生きる』メールマガジン特別号 No.8-1
――息長く〈福島〉とつながり続けるために――
2014年8月23日発行(不定期刊)
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インタビュー
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竹内 俊之さん・藤岡恵美子さん(ふくしま地球市民発伝所 http://fukushimabeacon.net/
――「福島の教訓」を伝え、地球規模の世直し運動へ・パート1

<目次>
パート1
I 支援のあり方をめぐる教訓
 支援者の姿勢と被災地のニーズ
 支援活動が及ぼす負の影響
 日本の南北問題構造を変えていくために
 「地域開発」型の支援を超えて

パート2
II 福伝がめざすもの
 世界に伝えたい「福島の教訓」
 世界防災会議に向けて
 社会のあり方を問う


I 支援のあり方をめぐる教訓
Q お二人は震災後に設立された国際協力NGOセンター(JANIC)震災タスクフォースの福島駐在事務所で2014年3月まで活動されていました。JANICは「NGOを支援するNGO」です。福島では、被災地で活動する県内外の団体が必要とする人材・資金・情報を得られるように情報システムを整備したり、海外の資金援助団体と県内外の団体をつなぐ活動をされてきました。今年4月以降は、JANICの活動を引き継ぐ形で、新たに「ふくしま地球市民発伝所[略称・福伝]」(福島市)を設立されました。
 まず、JANICの活動の中で一番苦労した点、今後の災害支援活動に生かせる教訓についてお聞かせください。

支援者の姿勢と被災地のニーズ

竹内 援助や支援を行う際に必要な人々に必要な援助が偏りなく行き渡ることが重要だと言われてきました。そのため外部者が活動を行う際には、現地の事情に通じている人を媒介して情報を得たり支援先を決めることが一般的です。
 今回の震災においても同様で多くの外部支援者はそのような被災地のリソースパーソンに頼りました。外部から入った援助団体はそのようなリソースパーソンを県や地域、市町村で見つける必要がありました。情報を持った有能な人物に仕事が集まるのは世の常です。結果として、被災者でありながら自らも支援者として活動することになります。

 特に福島では、子育て世代の社会の中堅どころが県外に避難したこともあり、特定の人々に集中しました。被災地で様々な問題を抱えながらも、まったく新しい仕事に忙殺され、大きなストレスを受け疲弊しました。中には心身の健康を害した方もいらっしゃいました。

 我々外部からの支援者はそのような状況に効果的に対応できたとは言えません。むしろ原因を作り出した加害者として自らを総括すべきかも知れません。想定されている大規模災害でもきっと同じことが起こります。「支援者のための心のケア」という対処療法に向かうより、原因を取り除くことを考えるべきです。どのような仕組みや制度を作るかが今後の課題だと思っています。

 また、県外や海外の団体が求める「成果」が団体によって異なるため、その見極めに苦労しました。海外の援助団体(ドナー)の中には、国際協力活動の実績をもつ団体に対して求めるのと同じレベルの「成果」や報告を、そのような実績を持たない地元の団体に対して求めるところがありました。
 たとえば数百万円の支援を受けて放射能測定器を購入したものの上手く使えず、次々と新しい課題に直面して対応を迫られる中で、結果的にその機器が使われないまま放置された例がありました。厳しいドナーなら、資金の返還を求めたかもしれませんが、そのドナーは現地の事情を理解して柔軟に対応してくれました。でも、結果的に資金が活かされなかった。ドナーと現場のニーズをつなぐ役割を担った私たちが、支援対象の団体のそのような事情をドナーに理解してもらう努力がもっと必要だったと思います。
 被災地の市民団体の多くは、海外ドナーの求めるレベルの活動報告や資金管理などのスキルは持ち合わせていません。こういう事態は被災地だけでなく、途上国の国際協力活動の現場でもしょっちゅう起きることで、その意味で普遍的問題と言えます。

 それとは対照的に「いまの時点で被災者の人たちが元気になればいいんです」という考え方の団体もありました。このアプローチがどういう影響を及ぼすかは、時間が経たないと分かりません。たとえば、コミュニティ再建のために何か起業したらそれを支援する、というものがあります。
 でも、支援がなければ起業できないのであれば、将来の成功は望めないではないか。本当は成功のハードルが高いにもかかわらず、被災地だからという理由で支援するのは安易ではないでしょうか。いまの時点で被災者の人々を元気にしたいという善意からの支援なのでしょう。私もそうした起業の成功を願っていますが、持続可能性についてとても心配しています。

支援活動が及ぼす負の影響

Q JANICの福島支援活動報告書(『放射能と闘う人々と共に――JANIC福島事務所活動の記録 2011-2014』2014年3月、以下「報告書」)には、支援活動自体が福島での軋轢や「分断」を悪化させたと例もあると書かれています。

竹内 とくに放射能の影響を小さくするための保養活動について言えることです。当初、県外で保養活動を進める団体は「逃げて下さい。逃げてくれば支援します」というスタンスでした。しかし、3年以上が経過して県内の雰囲気も変わり、さまざまな事情で避難先から福島に帰らなくてはならない人たちも出てきています。保養支援活動を熱心に進めてきた人々には、避難先に移住してきてほしいと考え、そのために避難先の行政の支援も取り付けてきた人も多い。その人たちは「なのに、帰ってしまうのですか」と、そのことを「敗北」のように受け止めているのではないでしょうか。

 国際協力NGOはその立場に立ってはならないと考えます。たとえば私が1980年代にカンボジア難民の支援を行っていたときに、ポルポトによる虐殺・抑圧が続く国内でも支援すべきか、国境を越えて難民となった人だけを支援すべきかが議論になりましたが、それと少し似ています。当時私たちは国内であれ国外であれ、支援を必要とする人々を支援すべきだと考えました。

 福島の経験を通じて分かったのは、福島への帰還を促すか、避難を促すか、どちらの立場に立っている団体がほとんどだということです。さまざまな事情から福島に帰らざるを得ない人たちが「帰るな」「帰るなんて考えられない」といった反応を耳にすれば、自己否定されて傷つきます。そういう例は枚挙に暇がないと思います。中にはそういうことを敏感に感じ、自らの立ち位置を意識している団体もあります。しかし、熱意が先行する団体も多いです。

Q 福島に留まるか、避難/帰還するかをめぐる葛藤によって、多くの人が苦しんできました。どちらになるにせよ、その選択を尊重し必要な支援を行うことが大切だ――それが福島支援活動の重要な教訓ではないかと思いますが、その認識が共有されていないということでしょうか?

竹内 一般に「子ども・被災者支援法」(注――福島にとどまる、避難・移住する、帰還する、いずれの選択をした場合も必要な支援を行うことを趣旨とする)の理念は高く評価されていますが、その理念が支援者の中に浸透し血肉になっているのか、という疑問はあります。言葉と行動が乖離している気がします。

Q その他に外部の支援団体が教訓とすべき点にはどんなものがありますか?

藤岡 海外のドナーからの支援金の使い方をめぐって考えさせられることがありました。たとえば外部の支援団体が福島にやってきて、地元の団体と一緒に食事をします。私たちの日頃の感覚でその食事代は個人が自己負担すべきと思い、そのように話したところ、地元の団体の人たちから「交際費として資金からの支出が認められないのは厳しい」と苦言を呈されました。

 「言いたくはないけれど自分たちも被災者。中には家族を避難させて二重生活をしていて経済的に大変な人もいる。支援に来ていただくのはありがたいが我々はいつもホストする側。外から団体が来ればお茶だって出すし、食事にも行くことになる。あなたたちは難民キャンプに行ったときに『お茶を出せ』というのですか?」と言われて、痛いところをつかれたと思いました。知らず知らずのうちに地元の人に負担をかけていたことに気づかされました。同じことは、以前私がシャプラニールの駐在員としてバングラデシュにいたときにもありました。

 逆に国際協力NGOとしての経験が活かせた例もあります。たとえばシャプラニールは、いわき市で自分たちが運営する交流サロンの他に、街中の既存のお店を交流サロンにする「まざり~な」という活動を行っています。いわき市は津波と地震の被害に遭いながら、同時に相双地区から多くの原発被災者を受け入れており、避難者と地元住民の間の軋轢が報道されたこともあります。

 企画したスタッフに直接聞いた訳ではありませんが、「まざり~な」のヒントはバングラデシュでのストリートチルドレンの支援活動の経験にあると見ています。ダッカでストリートチルドレンのドロップインセンターを作ろうとしたら、初めは周辺住民の大反対にあいました。それを10年かけて、住民自身がお金を集めてセンターに食料を届け、運営を担うまでに粘り強く働きかけた。外から来た人たちを地元住民が支えて行く仕組み作りの経験が、いわきでの活動に活きているのだと思います。

日本の南北問題構造を変えていくために

竹内 緊急支援の段階を過ぎて復興の段階に入ってくると、上に述べたような市民団体の力の不十分さや産業を起こすことが難しい条件など、もともとあった問題が浮かび上がってきます。日本国内の都市と地方の関係は国際的な南北問題と構造が似ています。こうした構造的問題を具体的にどう変えて行くのかは難しい問題ですが、いまとは違う世の中をつくるきっかけになる可能性
のある活動を広くアンテナを張ってキャッチし、福島に伝えて行きたいと思います。

 たとえば、原発事故後、福島県有機農業ネットワーク(有機ネット)は、それまで有機農産物を買っていた消費者が放射能を恐れて離れて行ってしまい、大打撃を受けました。自分たちが信じていた消費者と生産者の絆は不十分だった、自分たちの努力が不足していたのだと反省し、それを再び築こうとしています。そういうとりくみの中に手掛かりがあるのではないかと私は考えています。

 茨城大学の中島紀一さんは、福島の農業は大きな打撃を受けたものの、少量多品種の小規模な自給的な家族農業が多い福島だからこそ、影響は比較的小さくて済んだ、これが工業的な大規模農業だったらもっと大きな影響が出ていただろうと書いています。国連食糧農業機関(FAO)と国連貿易開発会議(UNCTAD)も最近、大規模農業ではなく小規模の家族経営農業の方が効率がいいという結論に達し、途上国で家族経営農業を推進する方向に一大パラダイム転換をしたそうです。有機ネットの方にそれを伝えたら、自分たちの経験から漠然と知っていたことが裏付けられたようで勇気づけられたと言っていました。

 農産物だけでなくエネルギーも含めた地産地消を福島で広めて行きたい。いま福島で行われているメガソーラーは、電力を電力会社に売っているだけで地産地消ではありません。これまでの原発が太陽光発電に変わっただけで、エネルギーの生産・消費の構造自体は変わっていません。ソーラー発電推進のための集まりに参加したことがありますが、「売電価格は下がりつつあります。今年が最後のチャンスです!」と盛んにアピールしていました。投資セミナーを彷彿とさせます。そこからは新しい世の中は生まれないと感じます。

「地域開発」型の支援を超えて

Q 子ども被災者支援法などについて、県外から支援に来ている団体がもっと声を上げて、福島の現状を伝えていく活動が必要だったのでないか、という反省の声も上がっています(「報告書」p.45)。この点についてどう思いますか?

竹内 国際協力NGOはこれまで外務省との協議しかしてこなかったので、国内の政策に働きかける活動がほとんどできませんでした。
藤岡 政策提言的活動がまったくなかったわけではありません。JANIC本部として政策提言的な文書を出したほか、JANICの人的つながりを生かして、復興に関わる国会議員と福島県内のNPOの非公式な対話の場を設定しました。そこで復興局の担当者と保養活動をしている人たちの対話が始まり、福島の声を政策に一定程度反映させるきっかけとなったようです。

Q 日本イラク医療支援ネットワーク(JIM-NET)の佐藤真紀さんは「国際協力NGOの福島支援は地域開発的なレベルにとどま」っていたが、「国際協力NGOは内部者が声を上げにくい問題について国際社会から代弁する役割を果たすことができる」と述べています(「報告書」p.17)。また、竹内さんは『福島と生きる』で、国際協力NGOは原発災害も人権や社会正義の問題として捉え、地球規模の世直し運動に向かうべきだと書いています。福島支援をきっかけに日本の国際協力NGOがその方向に向かう兆しはあるのでしょうか?

竹内 もともと人権の視点を持って活動していた団体は別として、地域開発を主眼に行ってきた国際協力NGOが福島を契機にして変わったかどうかは分かりません。

Q なぜそう思うのですか?

竹内 福島に常駐する職員を配置して活動した国際協力NGOで原発に対して明確に立場を明らかにしたのは、JANICと日本国際ボランティアセンター(JVC)だけかと思います(「原発問題と持続可能な社会に関するJANICの考え方」2011年8月4日、「【ポジションペーパー】福島第一原発事故に関するJVCの考え方をまとめました」2012年6月8日)。
 各団体内では会員有志によって非公式に勉強会などが行われた例もあったようですが、福島での活動にからめて対外的に見解や方針が明らかにされたことはなかったと記憶しています。ただ、それは活動の形態や組織の役割の違いによるものが大きいといえます。

 JANICは基本的にプログラム実施団体というよりも中間支援団体です。少数者の人権に配慮して情報発信をしていると、多くの場合、現地や、時には日本の政府ともある意味緊張関係が生じます。現地での活動を継続することが前提にある場合は、当然この点で慎重にならざるを得ません。福島でも政府や県の行政とも連携しながら活動を行う場合、こういった緊張を嫌う傾向があります。特に発災後の一定期間は目の前のニーズに対応するのが精一杯で、衣食住という、よ
り原初的な人権が優先されます。この点では政府もNGOも意見は一致します。 

 しかし、福島の題は原発事故の放射能被害という、原発を進めてきた国の政策がもたらしたものです。しかも事故後の一時期は別にして、現在は国内的にも原発は取り敢えず再稼働させて、海外にもどんどん売っていこうということになっています。そのような政策のなかで、軽視され、無視され、見捨てられるのは、今回の事故で根底から人生を破壊され、長期に渡って自身や家族の健康に不安を持って生きなければならなくなった人々です。

 このような状況のなかで、単に復興すればいいというのはあまりにも能天気です。これまで福島に関わった国際協力NGOが権利ベースの活動をしていると言いつつ、この点をスルーしてしまうならば、ご都合主義のそしりは免れないと思います。 しかし、事故後すでに3年が経過して支援のフェーズも変わってきました。直接的支援からオーナーシップを地元のNPOなどこれまでのカウンターパートに移して間接的な支援に移行し、自らのプレゼンスを徐々に希薄なものにしつつあります。今後の福島との関わりの本気度、それを見極めるのはこれからだと思います。

 もしかしたら一番変わったのはJANIC自身かもしれません。震災がなければ、国際協力NGOのネットワーク組織として、加盟団体のニーズに応じて動くだけの団体に留まっていたかもしれません。しかし、大橋理事長のリーダーシップがあったこと、私のように日本の国際協力NGOの黎明期に活動していた、青臭さの抜けない者が福島支援に携わったことが影響したのかもしれません。
 福伝のような小さな団体は何万人もの人を対象にした大規模プロジェクトはできませんが、社会にインパクトを与えるような発信の仕方ができるはずです。JIM-NETの佐藤さんはまさにそういう活動をしています。

藤岡 問題がまだ顕在化していない、伝わっていないうちに、いち早く問題を伝えるという役割もあります。先に述べたシャプラニールやJVCは、海外での経験を生かしながら福島で活動していますが、それにとどまらずタイやバングラデシュやイラクなど、それぞれが活動してきた国・地域と福島との交流を始めています。これらは国際協力NGOならではの活動です。

竹内 国際協力NGOは外に向かって発信していくという活動を前面に打ち出しては来ませんでしたが、その必要を痛感しています。国際協力NGOの枠組みの中から、人権をベースにした考え方に立ってアドボカシー(提言活動)をしていきたいと思っています。国際協力NGOは「これだけやっていればいい」と自己規定する必要はありません。海外の多くのNGOはアドボカシーをやらなけれ
ば逆に味がないと考えています。そこは日本の弱いところです。

(パート2に続く)

(2014年7月16日のインタビューをもとに構成。インタビュアー/文責:
『福島と生きるメールマガジン』)

★『福島と生きる』関連サイト一覧★
低線量被曝から子供たちを守るために 
 http://blog.canpan.info/miharu1126/
まつもとこども留学 
 http://www.kodomoryugaku-matsumoto.net/
原発いらない福島の女たち 
 http://onna100nin.seesaa.net/
子どもたちを放射能から守る福島ネットワーク 
 http://kodomofukushima.net/
福島県有機農業ネットワーク 
 http://fukushima-yuuki.net/
農家娘の日々。--福島の大地にきぼうのたねをまく--
 http://ameblo.jp/yunosato-farm/
国際環境NGO FoE Japan
 http://www.foejapan.org/energy/news/index.html
シャプラニール=市民による海外協力の会
 http://www.shaplaneer.org/support/jishin_japan.php
日本国際ボランティアセンター(JVC) 
 http://www.ngo-jvc.net/jp/projects/touhoku/
ふくしま地球市民発伝所 
 http://fukushimabeacon.net/
新評論 
 http://www.shinhyoron.co.jp/

-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・・-・
『福島と生きる』メールマガジン特別号 No.8-1(2014年8月23日発行)
※『福島と生きる』メールマガジンは、『福島と生きる--国際NGOと市民運動の新たな挑戦の共同執筆者の団体や活動の関連情報を発信していきます。

発行人=中野憲志・藤岡美恵子(『福島と生きる--国際NGOと市民運動の新たな挑戦』共編者)

2014年8月16日土曜日

共犯性について グスタボ・エステバ

共犯性について
http://www.jornada.unam.mx/2014/08/04/opinion/021a2pol

グスタボ・エステバ


言葉は不十分だ。どんな言葉も、衝撃の強さと深さを伝えることはできない。
言霊には、ガザで起きていることに形を与える準備ができていない。

私たちは、事の本質を掴まねばならない。
たしかに心が病んだ暴君は存在するが、何でもそのせいにするのは安易すぎる。
イスラエル人の75%がガザで行われたことを支持している、という
最近の世論調査は正しいかもしれないし、そうでないかもしれない。
だが、かなりの数にのぼるイスラエル人が、今日、私たちの忍耐の限度を
越えてしまったイスラエル政府の政策を支持していることは疑いようもない。

私たちは罪ではなく、責任について語っている。
それは、戦後ドイツの新世代が受け入れねばならなかった責任のことだ。
ドイツ人は、親や祖父母の世代が行ったことの罪を負ったわけではない。
彼/彼女らは、責任を負っているのである。
であるなら、事はイスラエルの問題だけでは終わらない・・・。
さらに政府のみならず、国民の責任をも考えるとなると、米国やその同盟国
の問題のみでも終わらない。私たちすべてが関係しているのである。
事は、私たちの共犯性の探究へと発展する。

私たちは、イスラエルの犯罪にどの程度われわれが関与しているか、
勇気をもって向き合わねばならない。
今、ガザで起きていることは、われわれがどっぷりと浸かっているところの、
常軌を逸した、野蛮な状況の一つの現れである。
この状況に私たち自身がどの程度関与しているか、自問しなければならない。

多かれ少なかれ一般に受け入れられている、行動提起がある。
私たちは、イスラエルやその同盟国の商品を買うべきか?
イスラエルに投資すべきか?
ガザの現状によって儲けている企業は明らかに存在するので、
[南アフリカの]アパルトヘイト時代に使われた手段は魅力的だ。
ウィキペディアで十分に説明されているキャンペーン、イスラエルからの
資本引き上げに通じるボイコット運動がそれである。
私たちは、イスラエル商品を買うことを避け、イスラエルへの投資と戦うために、
このキャンペーンに参加することができる。

これらは、正しい方向に導くステップではある。
しかし、何かが足りないのは明らかである。
テルアビブやサン・クリストバル*で、抗議行動のために街頭にくりだすのもいい。
あるいは、リオ・グランデ**からパタゴニア(アルゼンチン)にかけて昨日行われた
「ラティーノの行進」に合流することもできる。
こうした行動は、[ガザから]一線を画し、距離を置き、弾劾することである。
しかし、これでもまだ不十分だ。

異常なるガザを生み出している状況は、私たちが生きている政治・経済体制
を包みこんでいる。無責任な企業と、同じくらい無責任な政府が結びつき、
その政府はと言えば、有権者の意思を蔑にし、本来やるべきことをやろうともしない。
連中の無責任で破壊的な欲望は、自然ともども人間を征服しようとする。
安全保障とは、残忍な武力行使と政府の権力濫用の口実に過ぎないものだが、
しかしその安全保障そのものが国民=国家体制下の政府と、国際機関の失敗を
最も如実に物語っているのである。各国政府も国際機関も、
その第一義的な義務というべき、自らの役割をきちんと果たすことができないのである。

私たちが権力問題を語っているのは、間違いない。
しかし、権力がモノではないことを考慮に入れておかねばならない。
権力とは、一部の者たちが所有し、それ以外は持たないといった性格のものではない。
どこか私たちの上方に存在し、集中し、それゆえその「モノ」、すなわち権力を所有しない
者たちを「エンパワー」するために分散させたり、分配しうるような代物ではない。
権力とは関係性である。私たちはみな、権力構造に関与している。
権力構造の一角を、われわれ自身が占めている。
特定の権力関係を維持するかどうか、現状を続けるかどうかは私たち次第なのだ。

今日、サン・ミゲル・デ・アジェンデ***で、グローバル・ジャスティス・センターが主催した、
「資本主義を超えて」の集会****の中で何千回と議論されたように、
私たちをあくなき反資本主義者にするために、悪いのは資本主義だと主張するだけでは
十分ではない。もっと深く、本質に迫ることが必要である。

ガザの恐怖、子どもの移民[問題]*****、あるいはメキシコの公権力のあらゆる類の
横暴の背後、資本主義や形式的「民主主義」の背後、
そして近代とポストモダンなど、すべての事物の背後に存在するのは、
父権制のメンタリティとその実践である。
すべては、父権制と名づけられたものに発する、男女の区別なき、私たちの思考、
行動、存在のあり方の現れなのである。父権制の制は、統制、支配、権力を意味し、
それらは「男らしさ」の伝統において行使されるのである。

父権制の破壊衝動は、その崩壊の瞬間において究極の姿をみせる。
もしそうであるなら、私たちすべてが共犯者である。
汚れた手を洗い清めることも、責任逃れをすることもできない。
今こそ、世界各地の、あまりにも多くの男女に影響を与えている父権制のメンタリティと
行動の様式を断ち切るべきときである。
それによってのみ私たちは真剣に、忌むべき全構造の解体に乗り出すことができるだろう。
ところで、
サパティスタ*****がめざしているのは、まさしくそのことなのである。

gustavoesteva@gmail.com
http://gustavo-esteva.blogspot.com/

*    メキシコ南部、チアパス州の街。
**   メキシコ南部、オアハカ州の街。
***  メキシコ中部、グァナファト州の街。
**** http://www.globaljusticecenter.org/encuentro_2014
***** 2014年春から夏にかけ、グァテマラ、ホンジュラス、エルサルバドルなど、
中米の国々からメキシコを経由し米国をめざす、数万人にのぼる子どもの移民
問題が、米国をはじめ中米各国で大きな社会問題となった。「不法移民」の
強制送還問題と併せ、子どもたちの処遇をめぐるオバマ政権の対応が厳しく
批判された。 
****** 1994年の年頭、北米自由貿易協定(NAFTA)の発効に反対し、
マヤをはじめとするメキシコの先住民族の自己決定と自治を求め武装蜂起した
サパティスタ民族解放軍(EZLN)。

【関連サイト】
・メキシコ先住民運動連帯関西グループ
http://homepage2.nifty.com/Zapatista-Kansai/
・現代企画室
http://www.jca.apc.org/gendai/

(仮訳=なかの・けんじ)

2014年8月15日金曜日

原発の避難問題に関する政府交渉と原発と避難問題を考える集いinかごしま

■原発の避難問題に関する政府交渉
(8月21日13時~参議院議員会館)
http://www.kiseikanshishimin.net/2014/08/12/140821/

鹿児島県の伊藤知事は、「10km圏外の要援護者の施設の避難計画は必要ない」という趣旨の発言をしました。これを援護するように、原子力規制庁は、5km圏外の要支援者の避難先は事前にきめなくても、調整する枠組みさえ決まっていればよいという方針を打ち出そうとしています。

 しかし、福島原発事故の場合、発災の翌日には、20km圏内に関して避難指示が出されま した。要援護者も含むすべての住民が避難を強いられました。避難先も見つからずに、やむをえず体育館に避難し命を落とした方もいらっしゃいます。 国のこの方針は、いまなお続く福島原発事故による被災者の痛みを踏みにじるものではな いでしょうか?

 8月21日に原発の避難問題で政府交渉を実施します。 川内原発を焦点としますが、すべての原発にも関係することです。 各地から、避難問題に取り組んできたみなさまがかけつけます。お誘いあわせの上、ぜひ、ご参加ください。

 【日時】:8月21日(木)13:00~
13:00~14:30事前集会
14:30~16:00交渉(相手方:内閣府、規制庁、経産省。調整中)
16:00~17:00事後集会
 ※12:30から参議院議員会館のロビーにて入館証を配布します。
 ※政府がでてこなかった場合は、集会に切り替えます。

【場所】:参議院議員会館講堂(最寄駅:東京メトロ・永田町、国会議事堂前)
【内容】:
 ・原発再稼働の判断および責任について
 ・原子力防災計画・避難計画に関する国の責任について
 ・避難計画の実効性(風向き、スクリーニング、複合災害…)について
 ・要援護者の避難について
 ・川内原発ワーキングチーム(国・自治体から構成)での議論について
 ・地元同意の範囲について

【資料代】:500円(遠方のみなさまのために、カンパ歓迎!)

【呼びかけ】:反原発・かごしまネット、玄海原発プルサーマルと全基をみんなで止める裁判の会、グリーン・アクション、美浜・大飯・高浜原発に反対する大阪の会、福島老朽原発を考える会、原子力規制を監視する市民の会、FoE Japan

【問い合わせ】:FoE Japan 満田

【遠方からのみなさまのためのカンパ歓迎!】
通信欄に「8・21政府交渉カンパ」とお書きください。
★金融機関名:ゆうちょ銀行
★口座名称:原子力規制を監視する市民の会
(ゲンシリョクキセイヲカンシスルシミンノカイ)
■ゆうちょ銀行以外からの振込口座
・受取口座:店名(店番)〇一九(ゼロイチキュウ)店(019)
・預金種目:当座
・口座番号:0449670
■ゆうちょ銀行からの振込口座
・口座記号番号:00140ー5ー449670
・加入者払込・払出店:新宿神楽坂

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■8月24日 原発と避難問題を考える集いinかごしま
http://hinan-kenri.cocolog-nifty.com/blog/2014/08/in-1955.html
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福島から、鹿児島から、水俣から、佐賀から、福井・関西から報告があります。福島で障害者の自立支援に取り組んできた鈴木絹江さんにもご発言いただけることになりました!
全国各地から、取組事例を持ち寄り、今後のアクションを議論しましょう!
ぜひ、みなさま集結してください!

【日時】:2014年8月24日(日)13:00~17:00
【場所】:宝山ホール(鹿児島県文化センター)
【内容】:
・福島原発事故と避難の実態
・責任はどこに? 原子力防災と地元合意
・各地からの報告~鹿児島から、水俣から、佐賀から 福井・関西から
・テーマ別討議
・避難経路・避難先
・要支援者の避難
・スクリーニング・除染
・今後に向けて

【参加費】:無料(カンパ歓迎)
※カンパ送り先は下記(「8・24避難集会」とご連絡を!)
郵便振替
反原発・かごしまネット
01780-7-137859

【主催】:「原発と避難問題を考える集い」実行委員会
反原発・かごしまネット/川内原発建設反対連絡協議会/避難問題を考える緊急署名の会 /原発避難計画を考える水俣の会/玄海原発プルサーマルと全基をみんなで止める裁判の会/脱原発福島ネットワーク/ハイロアクション福島/グリーン・アクション/美浜・大飯・高浜原発に反対する大阪の会/プルサーマルを心配するふつうの若狭の民の会/さようなら柏崎刈羽原発プロジェクト/浜岡原発を考える静岡ネットワーク/さよなら島根原発ネットワーク/脱原発をめざす女たちの会・北海道/ベクレルフリー北海道/SHUT泊/泊原発廃炉をめざす会/福島老朽原発を考える会/原子力規制を監視する市民の会/グリーンピース・ジャパン/eシフト(脱原発・エネルギーシフトを実現する会)/FoE Japan

2014年8月14日木曜日

終戦記念日: シリアと世界の平和をもう一度考えませんか?

終戦記念日: シリアと世界の平和をもう一度考えませんか?
 
2014年8月14日 — シリアの平和を願う署名キャンペーンに賛同して下さった皆さま

こ のメッセージは「シリアの平和を願う署名」にご賛同頂いた皆さまに、感謝の気持ちを込めてお送りしています。2014年の終戦記念日がやって来ましたが、 昨年この署名キャンペーンを展開してから1年が経っても、シリアの内戦は留まるどころか、むしろ混迷を極めている状況です。この暴力の連鎖の1日も早い終 結を願って、以下のような文章を書かせて頂きました。

「終戦記念日にシリアと世界の平和を願いませんか?」
http://blogos.com/article/92443/

よろしければ文章をお読み頂き、趣旨に共感・賛同して頂ける方は、是非こちらの文章を皆さまのご家族・ご友人にもご紹介頂ければ幸いです。

シリア支援団体サダーカ
代表 田村雅文
http://www.sadaqasyria.jp/

2014年8月13日水曜日

沖縄・辺野古新基地建設着工を許さない8・15緊急行動 in 京都(第5弾)

辺野古沖現地の映像
https://www.facebook.com/photo.php?v=720631811345300

【ジュゴンの海に基地を作らないで!】
沖縄・辺野古新基地建設着工を許さない8・15緊急行動 in 京都(第5弾)
https://www.facebook.com/events/1389253091323389/

【辺野古移設、16日にも地質調査に着手 防衛省、14日からブイ設置】
8月15日に京都タワー前での緊急抗議行動を呼びかけます!

■日時:2014年8月15日(金)午後6:30~7:30
 (キンカン行動の途中や終了後の合流を呼びかけます!)
■場所:京都タワー前
■内容:各自、横断幕やプラカードなどを持ち寄ってください、チラシの持ち込みも大歓迎!
■呼びかけ:ジュゴンの海に基地を作らないで!沖縄・辺野古新基地建設着工を許さない緊急行動 in 京都
■問い合わせ先:070-5650-3468(内富)

・・・
・辺野古移設、16日にも地質調査に着手 防衛省、14日からブイ設置 
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/140813/plc14081308170004-n1.htm
・辺野古沖、浮桟橋の再設置始まる 海保、抗議のカヌーなど排除
http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-229955-storytopic-53.html
・辺野古新基地:浮桟橋再設置 14日にもブイ
http://www.okinawatimes.co.jp/article.php?id=79630
・桟橋を再設置 辺野古工事再開、海保が抗議排除
http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-230007-storytopic-53.html
・辺野古沖、まばゆいサンゴ 「基地建設なら大きな影響」
http://www.asahi.com/articles/ASG8D6SW3G8DTQIP008.html
・警戒ゴムボートが海上へ 辺野古 ブイ設置に向け準備進む
http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-230033-storytopic-53.html
・【愛媛新聞 社説】 辺野古移設の強行 知事選前の既成事実づくりだ
http://www.ehime-np.co.jp/rensai/shasetsu/ren017201408139054.html

・・・
・辺野古新基地:立ち入り禁止作業か
 【名護】 新基地建設工事が予定されている米軍キャンプ・シュワブ(名護市辺野古)の大浦湾に面した沿岸部で、13日午前10時40分ごろ、作業員が岩場にロープを巻き付ける様子が確認された。工事を監視する市民らは、立ち入りを禁止するために設置するフロート(浮具)の起点ではないかとみている。
 同様の作業は11時ごろ、辺野古漁港側の沿岸部でも確認された。沖縄防衛局は14日にもブイ(浮標)やフロートを設置する作業を始める方針で、市民らは警戒を強めている。
 一方、工事車両が出入りする国道329号沿いの旧第1ゲート前では、抗議の座り込みに子どもを含む約40人の市民らが参加。(沖縄タイムス

2014年8月12日火曜日

みんなで書こう! 川内原発パブリック・コメント

川内原発避難計画のあらゆる問題点が噴出、FoE Japanが調査結果を報告
IWJ Independent Web Journal より
 九州電力川内原発の避難計画をめぐり、国際環境NGO FoE Japanが2014年6~7月に実施した調査の報告会が8月12日、東京・表参道の地球環境パートナーシッププラザにて開かれた。
 報告会では、鹿児島県内の川内原発周辺地域を対象とした聞き取り調査を元に、FoE Japanの満田夏花氏が川内原発避難計画の問題点について報告を行った。
 日本から原発輸出が計画されているトルコ・シノップ市を視察した同団体の吉田明子氏は、原発輸出の最新情報を報告した。
  • 記事目次
  • 「要援護者は最優先避難対応を」
  • 「地元同意の範囲を広げよう」
  • 「トルコの脱原発首長ネットワーク組成に協力したい」
・・・・・・・・・・・・

みんなで書こう! 川内原発パブリック・コメント
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☆パブコメくんのページ: http://publiccomment.wordpress.com/

2年前、2012年の夏に、民主党政権のエネルギー政策を「2030年代に原発ゼロ」に舵取りさせたのは、私たちの10万件近いパブリックコメントでした。
今回の川内原発の再稼働も、下記のように問題だらけ!
審査書案に対する科学的・技術的意見の募集、とありますが、プロセスに関することや、全体的なこともふくめ、あなたの意見も政府に届けましょう!
●意見募集要項、提出方法(原子力規制委員会ウェブサイト)
http://www.nsr.go.jp/public_comment/bosyu140716.html

●パブコメの例~こんなところが大問題!
○「重大事故対策」ができてない!
・福島原発事故の検証が先です
・基準地震動が甘いです。日本の地震データを使うべき
・クロスチェック解析をしてください
・汚染水対策がないのは困ります
・圧力容器の冷却をあきらめないで
・コアキャッチャーもないのに「世界最高水準」?
・首相が「世界最高の安全基準」と言ってるのを訂正して
・テロで飛行機がつっこんできたらどうするの
・燃えないケーブルにとりかえて

○進め方がヘン!
・公聴会をひらいて市民の意見をもっと聞いて!
・パブコメの結果を反映させるための公開会議が必要
・避難計画が再稼働の審査対象になってないのはおかしいです

○火山のそばは危険!
・カルデラ噴火は予測できないのでは
・燃料棒の搬出方法も決まってないのに再稼働していいの
・火砕流が来るならそもそも立地不適です

●もっと詳しいパブコメの例
火山問題、避難問題に関する解説パンフレットも掲載
http://www.kiseikanshishimin.net(原子力規制を監視する市民の会)
●郵送・FAXのあて先
〒106-8450 東京都港区六本木1-9-9六本木ファーストビル
原子力規制庁安全規制管理官(PWR担当)宛て
FAX:03-5114-2179


 ■「原発ゼロ」で経済再生(グリーン・アクション フォーラム)
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 「原発は危険なので止めてほしい」けど、「市民の経済的な負担が増えるのでは?」
などの疑問をお持ちの方、是非ご参加ください。
経済学者の金子先生の講演の後、金子先生とグリーン・アクション代表アイリーンが熱く語り合います。もちろん皆さまの疑問にもお答えいたします。この機会に、もっと原発のことを知りましょう。

日 時:2014年8月29日(金)
18:45(開場18:15)~21:00
会 場:Impact Hub Kyoto(定員60人)
京都府京都市上京区相国寺門前町682
http://kyoto.impacthub.net/access/
*公共の交通機関をご利用ください。
講 師:金子 勝(慶應義塾大学経済学部教授)
参加費:一般500円・学生 無料
主 催:グリーン・アクション

連絡先:グリーン・アクション
京都市左京区田中関田町22-75-103
E-mail::info@greenaction-japan.org
Tel:075-701-7223 Fax:075-702-1952
チラシのダウンロード:
http://greenaction-japan.org/internal/140829_flier.pdf

■グリーン・アクション メールマガジンより
http://www.greenaction-japan.org/
2014年8月12日発行

福島原発事故から3年 よみがえれ! 福島 “生きる”“耕す”有機農業のつどい 8.23-24 in 福島 


8.23-24 in福島 
福島原発事故から3年 よみがえれ! 福島 “生きる” “耕す” 有機農業のつどい

「つどい」実行委員会共同代表
特定非営利活動法人福島県有機農業ネットワーク 理事長 菅野正寿
特定非営利活動法人全国有機農業推進協議会   理事長 金子美登
特定非営利活動法人日本有機農業研究会      副理事長 魚住道郎
特定非営利活動法人有機農業参入促進協議会   代表理事 山下一穂
特定非営利活動法人アイフォーム・ジャパン      理事長 村山勝茂

 3年間の取り組みをまとめ、データの整理をして、3年間の教訓から今後の有機農業の方向性を出すことを目的として、福島県で開催します。
 多くの皆様の実行委員会へのご参加とつどいへのご参集をお願い致します。

1. 日時
2014年8月23日(土)~24日(日)
8月23日 現地見学・視察 9:00~19:00
8月24日 セミナー    9:00~16:00

2. 会場
①8/23懇親会・宿泊
飯坂温泉ホテル「摺上亭・大鳥」 ※宿泊・懇親会の支払は参加者が行う。
福島県福島市飯坂町字中ノ内24-3  電話024-542-4184、FAX024-542-0278
②8/24セミナー 
「パルセいいざか」2階ホワイエ 福島県福島市飯坂町字筑前27-1 024-542-2121

3. 参加予定数
現地見学・視察、懇親会100人  セミナー200人

4. 内容
① 現地見学・視察・宿泊  8月23日(土)
8:45 郡山駅西口集合・9:00 郡山駅出発→9:30大内信一圃場(二本松市)
→10:45 新潟大学実証圃場(菅野正寿水田など・二本松市)
→11:30 道の駅ふくしま東和(NPO法人ゆうきの里東和・農産物の測定状況と新規就農者の受け入れなど)
→12:00 昼食(道の駅ふくしま東和会議室)→12:45道の駅ふくしま東和出発
→13:15 飯舘村(大久保地区・役場など)
→14:15 南相馬市太田地区実証水田(奥村健郎・杉内清繁など)
→15:00 放射能測定センター(河田昌東)→15:45 南相馬市小高区(根本洸一)
→19:00 飯坂温泉「ホテル大鳥」着
・福島県有機農業ネットワーク・野中昌法・河田昌東・稲葉光國の案内と説明。

②セミナー  8月24日(日)9:00~16:00
1. 福島現地3年間の振り返りと現状 9:30~11:45
コーディネーター:
・菅野正寿(福島県有機農業ネットワーク)
パネラー:
・野中昌法(新潟大学教授)
・石井秀樹(福島大学うつくしまふくしま未来支援センター准教授)
・伊藤俊彦(J-RAP代表取締役)

2. 有機農業-放射能対策の取組み 12:45~14:00
コーディネーター:
・河田昌東(チェルノブイリ救援・中部)
パネラー:
・魚住道郎(魚住農園)
・稲葉光國(グリーンオイルプロジェクト代表)
・杉内清繁(南相馬農地再生協議会代表)

3. 消費者・流通の取組み 14:15~15:45
コーディネーター:
・高橋宏通(アイフォームジャパン副理事長)
パネラー:
・大内信一(二本松有機農業研究会)
消費者・流通団体

4. 宣言採択 15:45~15:55
菅野正寿(福島県有機農業ネットワーク)

5. 参加費・宿泊費
①参加費
3,000円/1人(弁当代を含む、1日参加でも2日参加でも一律。)
8/23現地見学は、バス代・弁当代として別途に4,000円/1人。
②宿泊費
15,500円/1泊(宿泊申込は8/15(金)17時まで)、懇親会のみは、12,400円。

6. 実行委員
1口・1万円、一口以上(流通団体:5万円、産地:3万円、個人:1万円を目安とする)。

7. 実行委員会(共同代表を除く・8月1日現在)
・パルシステム生活協同組合連合会 ・大地を守る会 ・秀明自然農法ネットワーク
・民間稲作研究所 ・グリーンオイルプロジェクト ・アファス認証センター
・日本オーガニックアンドナチュラルフーズ協会 ・アジア太平洋資料センター(PARC)
・フードトラストプロジェクト ・よつ葉生活協同組合

8. 後援 
福島県 ・二本松市 ・南相馬市 ・福島大学うつくしまふくしま未来支援センター

9. 口座
①郵便振替口座 記号番号 00120-8-790725、
名称:原発事故3年福島の集い実行委員会
(ゲンパツジコサンネンフクシマノツドイジッコウイインカイ)
加入店:新橋4
②他行からの振込の受取口座 
〇一九(ゼロイチキュウ)店019 当座0790725
※②の口座使用は、実行委員に限る。

10. 参加申込 
アイフォーム・ジャパン
〒105-0004 東京都港区新橋4-30-4 藤代ビル5F
電話03-6809-0824 FAX03-5400-2273 
organic@ifoam-japan.net
※実行委員会・参加費の振込みは、8/15(金)17時までにお願いします。
その後の場合は、現地で受付けます。

2014年8月2日土曜日

『福島と生きる』メールマガジン 第19号

『福島と生きる』メールマガジン 第19号
――息長く〈福島〉とつながり続けるために――
2014年8月2日発行(不定期刊)
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―目次―
◆イベント情報
◆活動・キャンペーン情報
◆保養情報
◆次号特別号予告
◆ニュースクリップ

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◆イベント情報(イベント情報は変更されることもあります。必ず主催者サイトでご確認下さい)
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1.「防災世界会議に向けてin福島」
  8月4日(月)17:00-19:00
  (福島市・福島大学うつくしまふくしま未来支援センター棟2F大会議室)
  ※来年 2015 年 3 月、宮城県仙台市で開催される「第3回国連防災世界会議」。
 この会議で「福島の声を世界に発信」するため、「第6回アジア防災閣僚級会議」の関係者による報告を通し、東日本大震災を経験した私たち「福島の人々が、声を発信していくことを参加者の皆さまと考えます。
  ※詳細: http://f-renpuku.org/archives/26227.html
  ※申し込み:ふくしま連携復興センター (info@f-renpuku.org、TEL:024-573-2732) 

2.「夏キャン自然体験」
  8月23日(土)-24日(日)現地集合1泊2日
  (福島県二本松市太田字布沢きぼうのたねカンパニー広場)
  ※放射能へのとりくみレクチャー、ワークショップ、野菜の収穫体験、交流会など
  ※参加費:大人 10,500円/学生 9,500円/小学生以下 5,000円(宿泊費、体験料、保険料含む)
  ※主催:きぼうのたねカンパニー株式会社
  ※予約・問い合わせ:m-sugeno@kibounotane.jp/FAX0243-47-3446
  ※詳細:http://kibounotane.jp/workshops/20140823.html

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◆活動・キャンペーン情報
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●原発いらない福島の女たちの記者会見の映像(7/3、外国特派員協会)
「7・3緊急!環境省抗議行動」で、同時に女たちの別働隊二人が「外国特派員協会」での記者会見をしました。そのときの貴重な動画です。フクシマの真実が地球の裏まで流れますように、皆さま、どうぞ世界中に拡散願います。
(黒田節子@原発いらない福島の女たちより)
http://onna100nin.seesaa.net/

川内原発の新規制基準適合性審査
――原子力規制委員会による審査書案に抗議する共同声明(7/16)
http://www.foejapan.org/energy/news/140716.html

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◆保養情報
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「ほよ~ん相談会」
※各地の保養情報、受け入れ活動の情報など
http://hoyou.isshin.cc/

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◆書籍の紹介
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酪農家・長谷川健一が語る までいな村、飯舘』(長谷川健一+長谷川花子)
http://www.pen.co.jp/index.php?id=732
 ※東電に慰謝料の支払いを求め、今秋にも原子力損害賠償紛争解決センターに裁判外紛争解決手続きを申し立てる飯舘村の村民約2500人の代表、長谷川健一さんの本。

「2011年3月11日に起きた東日本太平洋沖地震、あの大地震から3年が経ちました。東京電力福島第一原発での事故で全村避難を余儀なくされ、私自身も仮設住宅に移って、いまもなお避難生活が続いています。
 事故以来、どこにでもカメラをもって行って記録を撮り続けています。その数は写真が1万点を超え、ビデオも300本を超えました。つたない素人写真では ありますが、飯舘村民としてみなさんに知ってもらいたいことを凝縮した作品ばかりです。私の妻、長谷川花子にも仮設住宅の暮らしについて一章を分担しても らいました。」(「はじめに」より)

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◆次号特別号予告(8月下旬発行予定)
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インタビュー
竹内俊之さん・藤岡恵美子さん(ふくしま地球市民発伝所(福伝)
               /元JANIC福島事務所)
  ――「福島の教訓」を伝え、地球規模の世直し運動へ(仮)

<目次(仮)>
I 支援のあり方をめぐる教訓
  支援者の姿勢と被災地のニーズ
  支援活動が及ぼす負の影響
  日本の南北問題構造を変えていくために
  「地域開発」型の支援を超えて
II 福伝がめざすもの
  世界に伝えたい「福島の教訓」
  世界防災会議に向けて
  社会のあり方を問う

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◆ニュースクリップ
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福島第1原発:汚染水年度内浄化、困難に アルプス不調で
毎日新聞 2014年8月2日http://mainichi.jp/feature/2011031/news/20140802k0000m040161000c.html
 東京電力福島第1原発に保管されている汚染水について、東電が目標としていた今年度内の全量浄化処理が達成困難なことが1日、分かった。汚染水から放射性物質を除去する多核種除去装置「ALPS(アルプス)」が計画通りに稼働できていないためで、東電も現状では処理が間に合わないことを認めた。
 汚染水を巡っては、原子炉建屋への地下水流入を防ぐ凍土遮水壁の建設準備でも手間取っており、汚染水低減対策の難しさが改めて浮き彫りになった。(後略)

検察審査会:福島原発告訴団が「市民常識にかなった決定」
毎日新聞 2014年7月31日 http://mainichi.jp/select/news/20140731k0000e040244000c.html
 東京電力福島第1原発事故を巡り、東京第5検察審査会が31日、業務上過失致死傷の疑いなどで告発され、東京地検が不起訴とした東京電力の勝俣恒久元会長(74)ら元東電幹部3人について、「起訴相当」とした議決。
 「市民の常識にかなった決定で、感動的な内容。よくぞここまで踏み込んでくれた」。
審査を申し立てた「福島原発告訴団」の河合弘之弁護士は31日、東京・霞が関で会見し、議決内容を持ち上げた。(後略)

福島第1原発事故 除染目安、毎時0.3〜0.6マイクロシーベルト 環境省、空間線量を緩和
毎日新聞 2014年7月31日 http://mainichi.jp/shimen/news/20140731dde001040075000c.html
 環境省は、東京電力福島第1原発事故による追加被ばく線量を年間1ミリシーベルト以下に抑えるための除染の目安を見直すことを決めた。これまで掲げてきた推計の空間線量「毎時0・23マイクロシーベルト」に代わり、実測値に即した「毎時0・3〜0・6マイクロシーベルト」とする。
 除染作業の効率化が期待される一方で、従来の目安を「安全基準」と受け止めてきた住民の戸惑いも予想される。(後略)

「国の提案、不十分」 中間貯蔵で大熊・双葉議会  
朝日新聞 2014年7月30日 http://www.asahi.com/articles/ASG7Y4Q6DG7YUGTB00B.html
 中間貯蔵施設の候補地を抱える大熊町と双葉町の議会は29日、施設に関する政府提案について意見を交わす勉強会を開いた。前日に政府が県側に新たに示した用地確保などに関する提案について、「一歩前進とは認められるが、まだまだ不十分」との認識で一致した。(中略)
 両議長によると、勉強会では、建設用地を地権者が手放さなくてもよくする「地上権」を認めることや、最終処分場にしないことの法制化について「一定の進展」と評価する意見が出た。一方、生活再建策や地域振興策といった金銭面での支援については「具体的内容が全くなく、判断しようがない」(千葉議長)との声が多かったという。
 今後について千葉議長は「国が再度の説明会をしないと我々は判断できない。
あくまで町民がどう思うかということが判断基準だ」と述べた。(後略)

いのち守れるか:原子力防災の課題 避難バス、視界不良 30キロ圏21道府県、
協定は3分の1 放射能汚染時、想定せず
毎日新聞 2014年7月30日 http://mainichi.jp/shimen/news/20140730dde041040041000c.html
 原発事故時に避難で使う交通手段確保に向け、原発から30キロ圏の21道府県のうち、バス会社の業界団体などと災害協定を結んだり、防災計画に業界団体の協力を定めたりしているのは7道府県にとどまっている。
 この7道府県も、運転手自身の被ばくの恐れなどもあって、原発から放射性物質が放出された場合の協力までは想定していない。事故時に住民がスムーズに避難できない恐れがある。(後略)

避難の飯舘2500人申し立てへ 東電に慰謝料求め、今秋
共同通信 2014年7月20日 http://www.47news.jp/CN/201407/CN2014072001001735.html
 東京電力福島第1原発事故で避難が続く福島県飯舘村の村民約2500人が、東電に慰謝料の支払いを求め、今秋にも原子力損害賠償紛争解決センターに裁判外紛争解決手続き(ADR)を申し立てる。村民代表と弁護団が20日、福島県伊達市で記者会見し明らかにした。
 飯舘村は、原発事故から1カ月以上過ぎた2011年4月22日、計画的避難区域に指定された。避難まで村で生活を続け被ばくしたとして、1人当たり300万円の支払いなどを求める。
 村民代表の長谷川健一さん(61)は「ふるさとを汚された怒りは続いていると訴えたい」と話した。


『福島と生きる』関連サイト一覧
低線量被曝から子供たちを守るために 
 http://blog.canpan.info/miharu1126/
まつもとこども留学 
 http://www.kodomoryugaku-matsumoto.net/
原発いらない福島の女たち 
 http://onna100nin.seesaa.net/
子どもたちを放射能から守る福島ネットワーク 
 http://kodomofukushima.net/
福島県有機農業ネットワーク 
 http://fukushima-yuuki.net/
農家娘の日々。--福島の大地にきぼうのたねをまく--
 http://ameblo.jp/yunosato-farm/
国際環境NGO FoE Japan
 http://www.foejapan.org/energy/news/index.html
シャプラニール=市民による海外協力の会
 http://www.shaplaneer.org/support/jishin_japan.php
日本国際ボランティアセンター(JVC) 
 http://www.ngo-jvc.net/jp/projects/touhoku/
ふくしま地球市民発伝所 
 http://fukushimabeacon.net/
新評論 
 http://www.shinhyoron.co.jp/

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『福島と生きる』メールマガジン 第18号(2014年8月2日発行)
※『福島と生きる』メールマガジンは、『福島と生きる--国際NGOと市民運動の新たな挑戦』の共同執筆者の団体や活動の関連情報を発信していきます。
発行人=中野憲志・藤岡美恵子(『福島と生きる--国際NGOと市民運動の新たな挑戦』共編者)

日本中東学会;緊急研究集会「ガザの事態をめぐって」

日本中東学会;緊急研究集会「ガザの事態をめぐって」
(8月8日、東京大学東洋文化研究所3階大会議室、東京大学本郷キャンパス)

パレスチナのガザ地区全域に対するイスラエルの攻撃開始(7月8日)、地上戦突入(7月17日)以降、ガザでは深刻な状況が続いています。いま何が起きているのを知り、事態の性格・背景を考察し、分析・批判のためのことばを鍛えていくために、日本中東学会では下記の要領で緊急研究集会を開催することになりました。

報告者・発言者はいずれも研究者であると同時に、さまざまな交流・支援の現場、あるいはパレスチナとイスラエル、日本の市民を架橋する市民の対話の場で、長年活動してきた経験を持っています。現在の事態をどう捉え、われわれは何をすべきなのか、専門家の知見に学びながら、市民として共に議論し、考えていく機会にしたいと考えます。

暑い盛りの開催となりますが、みなさまの積極的なご参加をお待ちしております。

日時:8月8日(金)午後3時?6時半

会場:東京大学東洋文化研究所3階大会議室(東京大学本郷キャンパス)
(参加費無料、事前申し込み不用)

※東洋文化研究所へは下記をご参照ください。
http://www.u-tokyo.ac.jp/campusmap/cam01_12_02_j.html
最寄駅:東京メトロ丸ノ内線/都営大江戸線(4番出口)
本郷三丁目駅東大・懐徳門から入って、緑の小道を抜けた右手、正面玄関に唐獅子像のある建物

司会・ 総合コメント:臼杵陽(日本女子大学)
報告1:岡真理(京都大学)
「ガザ ジェノサイド/スペィシオサイド/ポリティサイド」
報告2:田中好子(パレスチナ子どものキャンペーン事務局長)
「ガザの現状と支援のあり方」

発言:(予定)
小林和香子(国際協力機構;元JVCエルサレム代表)
田浪亜央江(成蹊大学アジア太平洋センター/(ミーダーン)パレスチナ・対話のため
の広場)
〔その他、交渉中〕
総合コメント、全体討論

主催:日本中東学会
共催:科学研究費基盤研究(A)「アラブ革命と中東政治の構造変動に関する基礎研究」
緊急集会についてのお問い合わせは、東京大学東洋文化研究所 長沢栄治研究室まで
nagasawa@ioc.u-tokyo.ac.jp