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昨日、自治会の役員会があった。今年は、輪番制によって我が家も自治会の新役員となった。
どこにでもある何の変哲もない自治会だが、昨年来、それまでには考えられもしなかった「議題」が一つある。周辺地域の放射線量の計測をどうするか、という問題だ。
我が家は、首都圏の「ホットスポット」と呼ばれてきた「スポット」の近隣にある。辺りには保育園、小学校、中学校に公園があり、林立するマンションにも、乳幼児から中学生まで、子どもたちがいる。だから、福島と同じように、これらの除染が重大問題として持ち上がっている。
だが、国や自治体は公共施設の除染しかやろうとしない。汚染土壌の処理問題とともに、民有地・家屋・マンションの除染を誰が責任を持ってするのかということが首都圏の「ホットスポット」がかかえる大きな問題となっているのである。
しかし除染の問題以前に、深刻な問題がある。放射線量の計測が、ごく限られた場所しか行われていないことだ。民家やマンション、私道や私有地の計測を、国や自治体は行わない。線量計を貸し出しはするが、担当の課の職員が直接やってきて測量することはない。だから基本的に「市民任せ」になっているのが実情なのだ。
去年、あるマンションの放射線量の測定が議題に上った。自治体に線量計を借りることになったが、線量計が足らず、順番待ちとなった。その後、理事会から音沙汰が無かったので、昨日の会議で聞いてみた。すると「進展はない」との報告だった。「それは良くない、まずは正確な放射線量を計測することが肝心だ」と提起した。 すると、この提起に賛同してくれた一歳児を持つ別の役員が、自分で計測したと発言した。「0、6」という返事が返ってきた。この数値をどう評価するかは意見が分かれると思うが、妊婦、乳幼児や子どもにとっては決して無視できる値でないことは確かだろう。
けれども、この数値に対し、自治会が深刻に受け止めるという合意は取れなかった。年齢や家族構成によって、認識は人それぞれになる。結局、正確な測定をどうするかについては、来月から始まる新体制の自治会の「議題」として持ち越されることとなった。
福島のこともそうだが、首都圏の「ホットスポット」の除染や汚染土壌の処理問題は「地元」以外の人々から忘れ去られた観がある。「当事者」でなければ事態の深刻さを共有することは、なかなか困難である。
たとえば「ホットスポット」が集中する自治体の一つに千葉県柏市がある。去年の11月、除染をめぐる二回にわたる市の説明会があり、それに参加した人から説明会で配布された資料や当日撮影した写真や映像を送ってもらったことがある。写真を二枚、紹介しておこう。福島の避難区域の再編に伴う「除染事業」や「除染ボランティア」への動員問題を考えるにあたり、「ホットスポット」のそれらについて少し考えてみたい。
正月明けの毎日新聞千葉版の記事。
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・仕事始め:柏市長、放射線対策優先を訓示 当初は「失敗」と総括 /千葉
県内の官公庁や、多くの民間企業では4日が仕事始めとなった。
東京電力福島第1原発事故の影響で比較的放射線量が高い柏市では、秋山浩保市長が幹部職員ら約100人を集め、市の事故当初の対策を「失敗だった」と初めて総括。 放射能汚染と市の人口減少傾向の因果関係も認め、市民の不安解消への取り組みを約40分間にわたり語りかける異例の訓示となった。
秋山氏は、従来の想定を超えた事故が起き、科学や政府に対する信頼が低下。
市民が「最悪を想定して合理的でなくても納得する放射線対策」を求めていたにもかかわらず、市側が、市民がまだ従来の科学や政府を信頼しているという前提で対応し、市民を納得させられなかったことが失敗の原因と分析。
さらに、失敗の結果による一部の子育て世代の市外流出や、不動産取引の減少に伴う地元経済への影響などの懸念を表明。 「市民や専門家から評価を受ければ、ピンチがチャンスに変わる。縦割り行政を排し、放射線対策をすべての施策に優先する」と幹部職員を激励した。
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柏市は、行政側の「失敗」を全面的に認めた。その柏市が、今度は国を全面的に批判している。先週(1/26)の同じく毎日新聞の記事。
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・<放射性物質>国の除染補助に千葉・柏市長「ひどい内容」
東京電力福島第1原発事故に伴う除染で、民間の団体や個人が業者と直接契約した場合は国の補助の対象にならないことについて、千葉県柏市の秋山浩保市長は26日の記者会見で「国は全く現状を分かっていない。ひどい内容だ」と批判した。市長によると、柏市など「汚染状況重点調査地域」を集めた25日の会議で、環境省から「自治体が業者と契約した場合に限り、除染費用を国が負担する」と説明を受けたという。
柏市内の私立幼稚園・保育園35園が業者に依頼した除染費用5275万円について、市は国に補助を申請する考えだったが、このままでは補助対象外になるという。
環境省水・大気環境局総務課は「除染は『市町村が実施する』と法律に書いてある通り」とし、民間同士の契約は補助の対象外との立場だ。秋山市長は「同じ考えの近隣の市とも連携し、改善を申し入れる」と話している。【早川健人】
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原発立地自治体にせよ、柏市のように150キロ以上原発から離れた自治体にせよ、原発災害と国の原子力行政の被害者という点では同じ立場にある。放射能汚染と除染をめぐり、自治体は崩壊しかねない危機に叩き込まれることになる。とくに柏市の一部の地域では、周知のように、福島県の「避難区域」の放射線量よりも高い数値が計測されている。
だから、停止中原発の再稼働をめぐる「原発の安全・安心」と「市民の安全・安心」を評価し、議論するにあたり、原発災害が遠隔地の「ホットスポット」を必ずや生み出すことになるという点を、私たちは忘れてはならないと思うのだ。
私が除染や「除染ボランティア」問題を取り上げるのは、これらの問題解決の具体的・現実的展望が出るまでは、再稼働云々の話を国・立地自治体・東電や電力会社はすべきではない、と考えるからだ(⇒後述)。除染が一向に進まず、しかもその進まない除染、福島以外の地域では国と自治体が財政負担の転嫁合戦をしている除染に、地元住民までが「ボランティア」として動員される/しようというのは、どう考えても理不尽すぎる。
柏市について言えば、2月5日に「ホットスポット中のホットスポット」がある地域で今年最初の市の説明会があるそうだ。問題になっているのは、学校や公共施設だけでなく、子どもの通学路にもなる民有地(私道・植え込みのある民家・マンション等々の除染/細かい放射線量の計測)である。
一度は市民から厳しい糾弾を受けた秋山市長は、「同じ考えの近隣の市とも連携し、改善を申し入れる」というだけでは「ユル」過ぎるのではないか。市民・子どもを守るために国と東電に対し、毅然とたたかう姿勢を明確に打ち出すべきだろう。
柏市の問題については、5日の説明会の報告を待って、改めて考えてみたい。
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・柏での移動教室中止 文京区
東京都文京区は、区立小四、五年生が千葉県柏市にある区の校外学習施設「柏学園」で一~二泊する移動教室を、二〇一二年度は中止することを決めた。福島第一原発事故後、柏市で局地的に高い放射線量が測定されており、保護者から心配する声が寄せられていた。
一日に開かれた区教育委員会定例会で、区側が報告した。国が除染の財政支援をする「汚染状況重点調査地域」に柏市が指定されたことを受けて、中止を決めたという。代わりに、東京近郊の他地域での日帰り野外体験や校舎内での宿泊体験を各校ごとに行う。
柏学園での移動教室は、文京区立小の恒例行事。区は昨年七月、同学園で放射線量を測定。同九月には「二泊三日滞在しても、年間被ばく量は国際基準の限度を下回る」として一一年度は全区立小で実施。参加率は86%だった。例年はほぼ全員が参加している。 区内の小学生保護者でつくる「放射能から子どもを守る文京父母の会」は昨年十二月、行き先の変更を求める要望書を区に提出していた。(東京新聞)
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〈「帰還運動」は、やはり、無理がある〉
一方、福島の川内村。
崩壊の危機に瀕した福島の原発立地自治体や、今避難区域に残っている人々の立場に立つなら、「帰還運動」の「趣旨」は、おそらく誰もが理解するだろう。しかし現状では、やはり、無理がありすぎる。少なくとも時期尚早に過ぎるのではないだろうか。
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・川内村「帰村宣言」 村民「国・東電信じられない」
福島第1原発事故で役場機能を移転した福島県内の9町村で初めて、川内村が「帰村宣言」を出した。緊急時避難準備区域の指定が昨年9月末に解除され、大半の村民が帰れる状況になったが、現在住んでいるのは村人口の7%。地域崩壊を警戒する村は早期帰還を呼び掛けるものの、賠償問題や放射線への不安、産業復興などを乗り越えなければならない。
川内村では電気、ガス、水道、ごみ処理などのインフラは復旧済み。村中心部の空間放射線量は毎時0.1マイクロシーベルトで、福島市や郡山市の数分の1程度と低く、他市町村より帰還への環境は整っている。
しかし、村民の帰還は進まない。村人口約3000人のうち現在、村内に住むのは約200人。昨年9月の時点では約220人で、緊急時避難準備区域の指定が解除され、帰還が促されたにもかかわらず、減少した。
帰還に踏み切れない大きな原因として村民が指摘するのは、皮肉にも、避難者の生活を守るための原子力損害賠償の存在。 原発事故による避難者には、精神的損害に対する賠償として東京電力から1人当たり月10万円が支払われているが、避難先から村に戻れば受け取れなくなるからだ。
「村民の約7割が郡山市に避難している。お金をもらって都会で暮らせるうちは、田舎の村には戻ってこない」と村民の一人は賠償制度の在り方を疑問視する。
村内の線量は比較的低いが、放射線への恐怖感は全村避難を経験した村民に刻み込まれた。村中心部から第1原発への距離は20キロちょっと。村東部は今も警戒区域だ。
事故対策が後手後手になった国や東電への不信感は強い。「国の事故収束宣言は誰も信じていない。(建屋が壊れ)むき出しの3号機や4号機が大きな余震で崩れたらまた避難だ」と別の村民は話す。
村はコメの作付け制限を今年も継続する方針を示し、「コメを作れないのでは帰っても仕方がない」と農家には落胆が広がっている。 「景気がいいのは除染ビジネスだけ。村民が戻ってこないので商店は大変だ。村の産業構造がいびつになりかねない」と村商工会は危機感を強める。(河北新報)
・川内村民、思いは複雑 「帰村宣言」に歓迎と慎重
川内村の遠藤雄幸村長が「帰村宣言」した31日、地元川内村や避難先の郡山市などで過ごす村民は「やっとこの日が来た」と前向きに捉える人がいる半面、「帰還はまだ早いのでは」と慎重な意見もあり、それぞれの思いの中で宣言を受け止めた。
村で住民の帰村を待つ人たちにとっては待ち望んだ「宣言」。村民を迎えるための事業を進めている「川内へ迎える会」のメンバー西山かね子さん(62)は4月から、娘夫婦と小、中学生、保育園児4人の孫が村に戻る。「ずっと村で待っている側にとってみれば、『やっとこの日が来た』という感じ」と笑顔を見せた。
一方「帰りたいのはやまやま。気持ちとしては百パーセント帰りたい」と涙ぐむのは、郡山市の仮設住宅に避難する女性(74)。女性の娘(52)は「帰っても生活できないし、仕事も見通しが立たない。買い物もできないし病院もない」と課題を挙げ、「帰りたいけど帰れない」という複雑な胸の内を明かした。(福島民友)
・原発避難、3人に1人戻らない 福島・葛尾村
東京電力福島第1原発事故で警戒区域と計画的避難区域となった福島県葛尾村が、高校生以上の避難住民1390人を対象に先月実施したアンケートで「村へ戻らない」のは、回答者の3人に1人の割合だったことが1日、分かった。村の担当者は「このままでは自治体としてやっていけるか分からない。戻ってくれるよう復興対策の説明会などを開いていきたい」としている。 葛尾村は、東日本大震災が発生した3月11日時点の人口が1573人。原発事故で役場機能を当初、県西部の会津坂下町に移し、中部の三春町に再移転した。【共同通信】
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・漏えい水は8.5トン=4号機建屋配管、地下に流入―福島第1
東京電力福島第1原発4号機の原子炉建屋1階の配管から炉内のものとみられる水が漏れた問題で、東電は1日夜、漏えい量は推定8.5トンに上ると発表した。配管付近の床に漏れていた水量は約6リットルだった。
東電によると、配管は原子炉ジェットポンプの流量を調べる機器のもので直径は約9ミリ。配管はもともと差し込まれていた部位からすっぽり外れていたという。凍結による損傷の可能性もあるが、原因は不明。漏えい水は4号機建屋の地下1階に流れ込み、建屋外への流出はないとしている。 (時事)
・県税150億円減収見込み
県は平成24年度の県税収入について、23年度当初の約1750億円に比べて150億円規模の減収を見込んでいることが分かった。1600億円規模となる見通し。5年前の19年度と比較すると900億円規模の減収だ。
県は東日本大震災と東京電力福島第一原発事故の影響で被災者を中心に所得が減るなどして個人県民税や法人県民税が減少するとみている。事業を停止した法人があったことから法人が所得に応じて納める法人事業税なども減ると見込んでいる。 さらに定期点検で燃料棒を原子炉に挿入した際に発生する核燃料税については24年度は原発事故のため課税できない見通しだ。
核燃料税による税収は23年度当初で44億7千万円を見込んでいた。県は原発事故を受けて納付が困難と判断し、昨年6月定例県議会で約36億円を減額した。 (福島民報)
・東海第二再稼働 「現時点で容認できず」
那珂市の海野徹市長は三十一日、隣接する東海村の日本原子力発電(原電)東海第二原発の再稼働について「現時点では容認できない」との考えを明らかにした。また、再稼働の賛否を問う住民アンケートを行う意向も示した。市役所で報道陣の質問に答えた。
海野市長は「福島(第一原発)事故で安全神話が崩れた。(非常時に)コントロールできず不安がいっぱいだ。(震源が東北沖ではなく)直近だったら完全に津波が(東海第二原発の防護壁などを)越えていた」と強調した。那珂市は十キロ圏に市域の大部分が入っていることを挙げて「事故があれば深刻な事態に陥っていた。福島の炉心溶融の原因もはっきりしない現時点で再稼働は容認できない」と述べた。
原電が津波対策などの安全策を講じ、国から再稼働要請があった場合には内容を精査し、賛否を問う住民アンケートを実施して「結果を最大限尊重する」とした。仮に住民から再稼働を問う住民投票の直接請求があったときには、そのための条例案に前向きな意見を添えて、議会に付議する考えを示した。
那珂市は一九九九年の核燃料加工会社ジェー・シー・オー(JCO、東海村)臨界事故で、十キロ圏の住民を屋内退避させている。海野市長は東海第二原発の避難計画について「三十キロ圏に住む約百万人を大移動させる道路を造るとなれば天文学的な費用が掛かるだろう」と話した。
東海第二原発をめぐっては、東海村の村上達也村長が国に「廃炉」を提言し、日立市の吉成明市長も「廃炉にする方向なのだと思う」と発言している。
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東海第二原発の今後を東海村と周辺の首長が協議する第一回懇談会が二月六日に同村で開かれる。同村と那珂、水戸、日立、ひたちなか、常陸太田の各市が出席する。(東京新聞茨城・井上靖史)
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・福島、除染計画進まず 仮置き場確保難航 住民反対根強く(河北新報より)
● 除染計画を既に策定したか、今後策定を予定しているのは40市町村。放射性物質汚染対処特別措置法に基づき、国の費用負担で住宅や農地、公共施設の除染を進める。 県によると、昨年末までに26市町村が計画を策定したが、実際に住宅などの除染作業に取り組んでいるのは福島市、伊達市、川内村だけ。ほかの市町村は仮置き場選定が進まないなどの理由で、作業に入れていない。
仮置き場での保管期間は、国が中間貯蔵施設を建設するまでの3年間とされる。
河北新報社の取材によると、除染計画を策定した26市町村中、仮置き場が全て決まったのは広野町のみで、まだ1カ所も決まっていない自治体も多い。難航の原因は、周辺住民の反対意見が根強いためだ。
相馬市では今月、ようやく1カ所目の仮置き場が決定したが、昨年秋に2カ所の候補地を決めて住民説明会を実施したときは反対意見が多く、いずれも断念している。昨年末、3カ所目の仮置き場の確保を目指した桑折町も住民の反対を受け、まだ決定に至っていない。 国は中間貯蔵施設を3年以内に設置する方針だが、いまだに具体化していないことも、住民の不信感を高める結果になっている。
・双葉町長:政府と東電を厳しく批判 国会事故調査委で(毎日)
●放射性物質の拡散予測データが当初、住民に提供されていなかったことについて「手元にあれば当然違った方向に(避難の)かじを切った。罪の深さは計り知れないほど大きい」と、政府を厳しく批判。
●「避難指示は政府から出たが、その後の行動については一切、指示や指導がないまま今日に至っている。大変残念だ」。
●東電に対しても「事故を発生させ、(その後の賠償などについての対応も)紳士的とは言えない」と述べ、経営陣の総退陣を求めた。国会事故調には「苦しさや無念さが晴れるような調査をお願いしたい」と訴えた。
●委員会後の対話集会には、町民約100人が参加。「国や東電が原発の安全神話をつくった」「なぜそういう妄信が生まれたのか、徹底調査し後世に残してほしい」などの声が相次いだ。
●黒川委員長。「現場の感覚は、ずいぶん政府が言っていることと違う」。
・六ケ所村:溶融炉に不具合 核燃料再処理工場(毎日)
・米イリノイ州の原発、緊急停止 外部電源喪失
【ニューヨーク共同】米イリノイ州北部にあるバイロン原子力発電所で30日、2基ある原子炉のうち1基につながる外部電源が失われたため、炉が緊急停止した。AP通信が報じた。米原子力規制委員会(NRC)などが原因を調べている。
外部電源の喪失後、ディーゼル予備電源が作動。炉の圧力を下げるため、低レベル放射性物質を含む蒸気を大気中に放出したが、NRC当局者らによると、原発作業員や周辺住民の健康に影響しないレベルという。残る1基は稼働している。 バイロン原発は、シカゴの西約150キロに位置する。
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・沖縄防衛局長、週内にも更迭=市長選告示までに判断-政府
沖縄県宜野湾市長選(12日投開票)に絡み、防衛省の真部朗沖縄防衛局長が市内在住の職員らに投票を求める講話をした問題について、田中直紀防衛相は1日、真部氏を更迭する方向で調整に入った。市長選が5日に告示されることから、週内に判断する方針だ。
防衛相は1日夜、政務三役と対応を協議。真部氏ら関係者の処分について、調査を徹底的に行った上で判断する必要があるとして、2日以降に先送りした。また、防衛相をトップとする「業務適正化委員会」を設置し、公務員の政治的中立性が疑われる問題の再発防止に努めることで一致した。防衛相は協議後、真部氏の進退に関し「選挙にご迷惑がかからないような形を考えていく」と記者団に語った。
政府・与党内では、真部氏の更迭は避けられないとの見方が強まり、渡辺周防衛副大臣は1日、記者団に「大きな問題になっていることは、われわれも共有しているし、局長も分かっている」と強調した。政府筋は同日夜、「首相官邸は予算を通すことが最優先だ。局長をかばうつもりはない」と言明した。
ただ、講話の内容は、公務員の選挙運動を禁じた公職選挙法違反に抵触しない(???)として、訓戒や厳重注意などの処分にとどまるとの指摘もある。 一方、真部氏は1日午後、同県嘉手納町の沖縄防衛局で、社民党の山内徳信参院議員ら同県選出議員と会い、講話について「政治的行為に当たるという認識は持っていなかった」と説明。自らの責任に関して「本省(の判断)に従う」と述べた。真部氏はまた「常にということではないが、そういうことをしてきたことはあろうかと思う」と述べ、以前にも選挙に絡んで同様の講話を行ったことを認めた。
・真部局長招致へ=衆院予算委
衆院予算委員会は1日午後の理事会で、防衛省の真部朗沖縄防衛局長を参考人招致することで合意した。民主党は真部氏を招致の上、2日にも「講話」問題で集中審議を実施する意向を示したが、野党側が2011年度4次補正予算案の締めくくり質疑に優先して集中審議を行うよう主張したため、結論が出なかった。同日再協議する。 理事会ではまた、同日午前に一般質疑、午後に先の内閣改造で入閣した5閣僚に対する質疑を行うことでも合意した。(時事)