2013年2月11日月曜日

『福島と生きる』メールマガジン第4号――息長く〈福島〉とつながり続けるために――

『福島と生きる』メールマガジン第4号
――息長く〈福島〉とつながり続けるために――

2013年2月10日発行(不定期刊)
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―目次―
◆イベント情報
◆ふくしまとつながるツアー情報
◆ニュースクリップ
◆その他
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◆イベント情報
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(イベント情報は変更されることもあります。必ず主催者サイトでご確認下さい)
1.「PRIME公開セミナー 原発の”兵器性”を考える」
   2月13日(水) 17:00-19:00
   (東京・明治学院大学白金キャンパス本館9階91会議室) 
  ※「原発は潜在的核兵器能力になるから抑止になる」という言説が一部で語られていますが、この論理は成り立つのでしょうか。むしろ、国内に原発があることは、安全保障上の一大脅威ではないか。
   講師:池上雅子(ストックホルム大学政治学部教授)
  ※主催:明治学院大学国際平和研究所  ※詳細→イベントサイト 

2.「健康相談会」
   2月18日(月)13:00-17:00(福島県二本松市・二本松勤労者研修センター)
   3月 5日 (火) (山形県米沢市・おいたまサロン 2F「ふわっと」) 
  ※鍼灸師・NPO法人ライフケアの橋本俊彦さんと小林恒司医師(心療内科)による健康相談。
  ※主催:NPO法人ライフケア  ※詳細→NPO法人ライフケアイベントスケジュール 

3.「放射能対策セルフケア講座」
   3月1日(金)-2日(土)(東京都国分寺市)  
  ※鍼灸師・NPO法人ライフケアの橋本俊彦さんによる放射能対策セルフケア10時間講座
  ※お問い合わせ:自然育児友の会  ※詳細→NPO法人ライフケアイベントスケジュール 

4.「東日本大震災・復興支援活動報告会 現場から伝えるいわきの今」
   3月2日(土)13:30-16:30(東京・ウェスレーファウンデーション・セミナールーム)
  ※いわき市におけるシャプラニールの活動報告に加え、被災者支援、復興への取り組みに尽力する地元の方々による、被災者を取り巻く現状や課題についてのお話。
  ※主催:シャプラニール  ※詳細→イベントサイト  

5.「ライフケアサロン「からだの手当てサロン」」
   3月3日(日)(福島県三春町・はしもと治療室) 
  ※からだの歪みを治す操体法、内部被曝を避ける食事方法、など予防医学を学びたい人はもちろん、ただおしゃべりしたい方、情報が欲しい方、どなたでも参加できるサロン。
  ※主催:はしもと治療室  ※詳細→NPO法人ライフケアイベントスケジュール 

6.「被災地訪問ツアー みんなでいわき!Vol.2」
   3月9日(土)-10(日)(いわき市)  
  ※津波や地震の被害を受けながら、原発事故による避難者を多く受け入れている福島県・いわき市を訪れ、そこに暮らす人々との対話を通して、現状を肌で感じてもらうための一泊二日のツアー。
  ※主催:シャプラニール  ※詳細→イベントサイト 

7.「3・11」2周年関連イベント
①3月9日(土)「つながろうフクシマ!さようなら原発大集会」(東京・明治公園)
 ※12:00 オープニングライブほか、14:00-15:00 集会、 15:15- パレード
 ※主催:さようなら原発一千万署名 市民の会 ※詳細→イベントサイト 
②3月10日(日)「0310原発ゼロ☆大行動
(東京・日比谷野外音楽堂、永田町霞が関一帯)
 ※13:00 集会(日比谷野外音楽堂)、14:00 デモ出発、17:00-19:00 国会前集会
 ※主催:首都圏反原発連合 ※詳細→イベントサイト 
③3月11日(月)18:30-20:30「つながろうフクシマ!さようなら原発講演会」(東京・品川「きゅりあん」)
 ※主催:さようなら原発一千万署名 市民の会 ※詳細→イベントサイト 
④3月11日(月)12:30ー「3・11反原発福島行動 '13」(福島市)
 ※12:30~ プレイベント、13:00~ コンサート、13:30~ 集会
 (福島県教育会館大ホール)、15:30~ 県庁前を通って福島駅前までデモ
 ※主催:3.11反原発福島行動実行委員会 ※詳細→イベントサイト
  (呼びかけ人の一人、黒田節子さんのアピールも読めます)

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◆ふくしまとつながるツアー情報
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1.学生対象ツアー「東和de夢のア~ト」2月19日(火)-21日(木)
  一般向けツアー「とうわへの一歩」2月23日(土)-24日(日)
  ※場所:二本松市東和地域、復興牧場ミネロファーム(福島市松川町)
  ※プログラム:☆ホンモノのミルクの味(福島復興牧場ミネロファーム視察)/
   ☆3・11の東和人の生き様/☆一杯のごはん(焼き物体験)/
   ☆きぼうのたね(種まき)/☆ありがとうもちつき
  ※詳細→ブログ「ふくしまの今。未来に向けて♪ 農家娘の農Life
      
2.「福島の今を知り、私たちの未来を考える2・3日間」ツアー第一弾  (HIS主催)
  ※菅野正寿さんたちの企画によるツアー。二本松市東和地区、南相馬市などを訪問。菅野さんのお話も聞けます。
  ・3月18日(月)出発の3日間
  ・3月23日(土)出発の2日間
  ※詳細→企画サイト http://www.his-j.com/kanto/corp/group/inspection/fukushima/

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◆ニュースクリップ
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1.原発事故 国を提訴へ 東京への避難者ら 東京新聞(電子版)2013年2月8日 
  東京電力福島第一原発事故で避難するなど被害を受けた東京、千葉、福島の被災者が、東日本大震災から二年を迎える三月十一日に、国と東電を相手に損害賠償を求める集団訴訟をそれぞれ各地裁に起こすことが七日、関係する弁護団への取材で分かった。弁護団によると、原発事故で国を相手に集団訴訟を起こすのは初めてとみられる。

 福島原発被害首都圏弁護団や原発被害救済千葉県弁護団によると、福島県から都内に避難してきた住民は東京地裁に、千葉県内に避難してきた住民は千葉地裁に提訴する方針。このほか別の弁護団が担当して、福島地裁と同地裁いわき支部にそれぞれ提訴するという。 福島県から千葉県内に避難して、生活を続ける被災者は約三千人に上る。
 千葉の弁護団が訴訟準備のために一月に開いた説明会には数十人が参加し、少なくとも十数世帯が原告に加わる意思を示しているという。 賠償額は算定中だが、一人当たり一千万円を超える可能性が高い。 都内への避難者は少なくとも五世帯が提訴する見込みで、さらに増える可能
性があるという。
 千葉の弁護団は、国を訴訟相手に含める理由について「国が過去に必要な規制をしていれば、事故はある程度防げた。国の責任を明らかにしたい」と説明。その上で「原発事業は国策民営の関係で、民法上の共同不法行為にあたる」と主張している。 (後略)

2.避難勧奨地点、非指定にも賠償を 伊達市民がADR申し立て  河北新報 2013年2月6日(電子版)
 福島第1原発事故で特定避難勧奨地点に指定されなかった伊達市の323世帯991人が5日、事故が起きた2011年3月からの精神的損害の賠償として、東京電力に1人当たり月10万円の支払いを求める裁判外紛争解決手続き(ADR)を原子力損害賠償紛争解決センターに申し立てた。
 弁護団によると請求総額は20億円規模で、同地点をめぐる集団申し立ては初めて。

 申立人は伊達市の霊山町と月舘町で指定世帯がある4地区の住民。指定世帯は東電から1人月10万円が支払われているのに、生活圏が同じで同様に放射線による健康不安を抱え、従来の生活ができなくなった非指定世帯に支払わないのは不当だと主張している。 非指定世帯は東電から1人8万~60万円が一括支給されただけで、指定世帯が受けた税の減免もなかった。
 申立人で小国地区(霊山町)復興委員会の直江市治副委員長は「指定、非指定で地域に深い溝ができた。申し立てを通じて元の姿に戻したい」と話した。

 特定避難勧奨地点は原発事故後1年間の推定放射線量が20ミリシーベルトを超す場所を政府が指定する。福島県では伊達市の117地点128世帯、川内村の1地点1世帯、南相馬市の142地点153世帯が指定され、伊達、川内の2市村は昨年12月に全て解除された。 東京電力は「申し立ての内容を把握していないが、和解手続きに従って誠実に対応したい」と話している。

◎問われる制度の功罪
 【解説】福島第1原発事故は強制避難や賠償の有無など多くの問題で被災者と地域を線引きしている。とりわけ特定避難勧奨地点は隣人同士でも指定、非指定が分かれ、地域コミュニティーの寸断を招いた。経済的支援の格差で生じた住民らのわだかまりは今も大きい。
 賠償問題は「しょせん金銭の話」と冷めた目が向けられがちだが、生活の場や生業を奪う原発事故の被害は当面、金銭でしかあがなえないのも事実だ。この点は同地点も避難区域も変わらない。

 賠償紛争であると同時に、面での指定を望んだ地元の意向に反して点での指定に踏みきり「非常に禍根を残した」(仁志田昇司伊達市長)制度の功罪も問われる。避難を勧めながら居住の継続を認めた曖昧な制度は避難した非指定世帯と、とどまり続けた指定世帯が現れるいびつな状況を生んだ。国も解決に向け、積極的に関与すべきだ。
 地元ではコミュニティー再生に向け、指定、非指定の住民らが連携を模索する動きも出ている。こうした思いをくみ、再生を後押しする決着が求められる。(福島総局・若林雅人)

3.ふるさと:原発事故22カ月 子どもに「保養」を 福島の市民団体世話人、制度化目指す  毎日新聞 2013年01月28日 東京朝刊(電子版)
 「子どもたちには汚染されていない空気を吸って、思いっきり外で遊べる環境が必要なんです」
 市民団体「子どもたちを放射能から守る福島ネットワーク」の保養班世話人、吉野裕之さん(46)は、アルバムを手に語り始めた。福島市の保育園児たちが、昨年11月に山形県米沢市に招待され、やぶを探検したり、森で木の枝を拾ったりして遊ぶ姿が写っていた。

 東京電力福島第1原発事故で放出された放射性物質は、福島県中央部を南北に流れる阿武隈川沿いの福島市や郡山市などの「中通り」地域にも広がり、子どもの屋外活動は制限された。学校などの除染は進んだが、通学路の植え込み、周囲の森などは手つかずだ。
 福島市で生まれ育った吉野さんは東京の大学に進み、90年に高級輸入品を扱う都内の会社に就職した。しかし「値段が高いことだけで価値が測れるのか」との疑問が膨らみ、約5年で退職。世界を2年かけて旅し、97年に福島市に戻った。
 その頃、チェルノブイリ原発事故で幼少時に被ばくしたウクライナ人歌手、ナターシャ・グジーさんの演奏会が同県南相馬市であり、被ばくした子らの境遇を知った。以後、支援募金を続けた。それでも、「福島で原発事故が起こるなんて考えなかった」。
 福島市の会社に職を得て、結婚。07年には長女が生まれた。「東京出身の妻も福島の暮らしに慣れてきた」。そんなさなかの原発事故だった。11年3月20日、妻(46)と長女(5)を県外へ避難させた。売り上げが減った会社には解雇されたが福島に残り、京都で母子避難を続ける妻子と離れて暮らす。

 「なぜ避難先で家族一緒に暮らさないのかと諭されたこともあります。でも、家庭の事情などで避難できずに不安を抱えながら生活している子どもたちが残っていた。見過ごすわけにはいかなかった」と振り返る。 「保養」は、そうした子どもや保護者が、週末や長期休みなどに放射線量が低い場所に移動して、被ばくを低減させ気分転換してもらうための取り組みだ。
 全国の個人やNPOなどがプログラムを作って福島の子らを受け入れている。吉野さんらのネットワークを通じた保養の利用者は5000人以上になる。 今も応募は絶えないが、民間中心の取り組みに限界も感じる。「資金面の問題もありますが、もっと多くの子どもが、被ばくを避ける『保養』に公平に参加するには学校の移動教室のような形がいい。そのためには行政の関与は欠かせません」。議員立法で昨年成立した「原発事故子ども・被災者支援法」に基づき保養が制度化されることを願っている。
 「安心して生活できなくなり、本当に悔しい。でも、待っているだけでは何も進まない。何が子どもたちにとって最善か。被災当事者の大人としてできる限りはしたいんです」【蓬田正志】

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◆その他
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1.NGO3団体 「放射線被ばくと健康管理のあり方に関する市民・専門家委員会」設置
  国際環境NGO FoE Japan、福島老朽原発を考える会、福島の子どもたちを守る法律家ネットワーク(SAFLAN)の3団体が、東京電力福島第一原発事故に伴う住民の健康管理の在り方や、被ばく基準などに関して、独立した検討を行うことを目的とした市民・専門家委員会を設置しました。
  関連資料→http://www.foejapan.org/energy/news/130130.html#02

2.「原発事故子ども・被災者支援法」関連  
  原発事故子ども・被災者支援法市民会議のサイトに、1-3月の全国各地の「支援法」勉強会のスケジュール、「支援法」基本方針に関する国への要望と提言資料が掲載されています。
  サイトはこちら→http://shiminkaigi.jimdo.com/

3.JANICが「ふくしま」を英語で発信するサイトFukushima on the Globeをオープン
  地震と原発事故の基本情報、市民運動、NGOの支援活動、ビデオなどを掲載しています。
  サイトはこちら→http://fukushimaontheglobe.com/

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『福島と生きる』メールマガジン第4号(2013年2月10日発行)
※『福島と生きる』メールマガジンは、『福島と生きる--国際NGOと市民運動の新たな挑戦』の共同執筆者の団体や活動の関連情報を発信していきます。
発行人=中野憲志・藤岡美恵子
(『福島と生きる--国際NGOと市民運動の新たな挑戦』共編者)