福島第一原発: 計測不能の放射線量を計測!
福島第一原発で、毎時10シーベルトを超える、計測不能の放射線量が計測された。場所は、1~2号機主排気筒の地面近くにある屋外配管の表面だという。「3・11」以後、第一原発で計測された放射線量の最高値だ。事故発生直後に格納容器から排気(ベント)した際に、放射性物質が漏れて配管内に「付着」した可能性が指摘されている。
これまでの最高値は1号機原子炉建屋1階の毎時4シーベルトだったわけだが、毎時10シーベルト以上を計れる計測機が第一原発にはないため(どこにあるのか?)、実際の数値は不明だという。
因みに、毎時10シーベルトは原子炉の圧力容器内部と同じ放射線レベル。1時間浴び続けると失命の恐れも。東電によると、今回計測した作業員は現場にいた時間が短く、被曝した放射線量は最大4ミリシーベルトに「とどまった」らしいが、その根拠は私たちには分からない。
東電は、配管の周囲を立ち入り禁止とし、鉄板などで遮蔽するらしい。確実に言えることは、その作業を担う作業員の被曝線量が大幅に増加し、さらにはいまだにその定義が不明な「冷温停止」に向けた今後の「工程」作業の遅延をもたらすであろう、ということである。
この間、首相始め閣僚たちは、「冷却作業は順調に進んでいる」とくり返し語ってきた。しかしそれがあまりに能天気過ぎる、科学的根拠に裏打ちされない、ただの政治的ステートメントに過ぎなかったことが明らかになったのである。
・福島第1原発:計測限界の10シーベルト 作業に影響懸念
東京電力福島第1原発1、2号機につながる配管表面から計測限界に相当する毎時10シーベルト(1万ミリシーベルト)以上の高い放射線量が計測されたことで、敷地内にまだ高線量の地点が残っている可能性が浮かび上がった。 これほどの高線量について、東電は「ベントの影響が考えられる」と説明する。ベントは2、3号機でも実施されており、この配管以外でも、作業員の安全確保のために速やかな計測が求められる。
一方、10シーベルトはあくまで1時間当たりの測定値だが、これまで敷地内で計測された放射線量に比べても倍以上になる。茨城県東海村の核燃料加工会社「ジェー・シー・オー(JCO)」の事故で死亡した作業員2人の被ばく量は6~20シーベルトだった。 東電は現場の立ち入りを制限し、「作業への影響はない」としているが、他にも高線量の地点が相次げば作業への影響が懸念される。 NPO法人「原子力資料情報室」の伴英幸共同代表は「事故後4カ月以上もたって確認されたのでは遅すぎる。ベントが原因ならば、原子炉格納容器内なども極めて高濃度の放射性物質に汚染されている可能性が高い。今後、必要となった場合の格納容器の補修などがかなり難しくなるのでは」と指摘する。【毎日・奥山智己、河内敏康】
・高濃度汚染水、隣の建屋に漏れ出る 福島第一原発
東京電力は1日、福島第一原発の高濃度の放射能汚染水を貯水している集中廃棄物処理施設の建屋から別の建屋に汚染水が流れ込んでいたと発表した。流れ込んだ先の建屋は漏水防止工事をしており、外部へ漏れている可能性は低いとしている。 東電によると、集中廃棄物処理施設のうち放射線量の高い機器などを保管しておくサイトバンカー建屋に約700トンが流れ込んでいた。放射性物質の濃度は1立方センチあたりセシウム137が2万2千ベクレル。 サイトバンカー建屋は隣接するプロセス主建屋とはホースでつながっている。プロセス主建屋は2、3号機のタービン建屋の放射能汚染水を移してためている。その水がホースを通じて流れ込んだ可能性もあるとしている。 (朝日)
福島第一原発の淡水化装置から水漏れ 運転を一時停止
東京電力は31日、福島第一原子力発電所の敷地内にたまった高濃度の放射能汚染水を浄化する処理施設の淡水化装置で水漏れが見つかったと発表した。このため淡水化装置を午前11時20分ごろ一時止めたが、午後3時ごろ再稼働させた。 装置の停止中も原子炉への注水は続けていた。漏れた水量は50リットル程度という。原因として配管の損傷・劣化を挙げたが、同日午前3時54分に発生した福島県沖を震源とする地震との関連は薄いと見ている。 (朝日)
・敦賀原発増設、絶対に必要…敦賀市長が強調
日本原子力発電敦賀原発1、2号機が立地する福井県敦賀市の河瀬一治市長は1日の定例記者会見で、同原発3、4号機の増設について「絶対に必要」との考えを強調した。
河瀬市長は、国内のエネルギー供給量の大幅減を防ぐ必要があると指摘。さらに「日本のエネルギー確保や敦賀の経済のために増設は絶対に必要」とした。3、4号機については「安全審査が終わり次第、早く着工すべきだ」と話した。(読売)