2009年6月20日土曜日

ソマリア沖 活動終了見えぬまま 海賊対処法成立

ソマリア沖 活動終了見えぬまま 海賊対処法成立 第2陣に準備命令
2009年6月20日 東京新聞


自衛隊による海賊対策を随時可能とする海賊対処法が十九日成立したことを受け、浜田靖一防衛相は同日午後、アフリカ東部ソマリア沖アデン湾で活動中の海上自衛隊護衛艦と交代する第二陣部隊の派遣準備を自衛隊に発令した。同法成立で自衛隊による海賊対策は法的根拠が整ったが、活動終了の「出口」が見えないままの船出を余儀なくされる。

海賊を取り締まるべきソマリアは国家崩壊状態。今年のソマリア沖での被害はすでに昨年を上回るなど、活動は収まる兆しがない。国連などによる復興支援も進んでおらず、外務省幹部は「ソマリアが復興しない限り、派遣はいつまでも続くが、日本が復興を支援しようにも手が出せない状態」と話す。

さらに海賊対処法では、自衛隊法の海上警備行動では認められていない日本に無関係の外国船も護衛対象。武器使用基準を一部緩和し、警告射撃にもかかわらず民間船に接近する海賊船への船体射撃も認められる。麻生首相は「戦闘に巻き込まれる可能性はなきにしもあらず」と述べており、海賊との交戦の可能性をはらんだ派遣となる。 (三浦耕喜)