グテーレス、パキスタンにおける人道危機を警告
-避難民の数が90万人を超える
UNHCRイスラマバード、パキスタン(15日)発:
パキスタン北西部で行われている紛争による避難民が100万人目前となったことを受けて、グテーレス国連難民高等弁務官は15日、訪問先のイスラマバードで、国際社会の迅速かつ大規模な人道的対応が求められるとの意向を示した。
「UNHCRは、パートナーたちと拡大する人道的ニーズに対応すべく、出来る限りのことを行っている。しかしながら、5月2日以降、避難民は100万人近くも増え、私たちが直面する課題は山積みだ」とグテーレス高等弁務官は述べた。
このような大規模な避難民の発生は、パキスタンの不安定化につながるのではないかという記者の質問に対し、グテーレス高等弁務官は「この地域は、地政学的見地をないがしろにできる地域ではない」「短期間に非常に多くの避難民が発生した。現在、その多くは避難民キャンプではなく、親戚や知人を頼りに避難し、社会的、経済的プレッシャーが双方に立ちふさがっている。今後、避難民や、受け入れてくれている双方が、速やかに国際的支援を受けることができなければ、その時は、さらなる治安の不安定化が現実のものとなる可能性が高まる」と答えた。
UNHCRはこのパキスタン北西部における人道危機において、シェルターや救援物資を速やかに配布するなど、国連合同の取組みの中で対応してきた。
12日には、蚊帳1万張、緊急シェルター用ビニールシート14,000枚、壁や間仕切りとなるビニールロール1,500個、組み立て式倉庫2基など、120トンの緊急支援物資をドバイから追加的に空輸した。