2014年10月3日金曜日

帝塚山学院大の朝日OB 教授「自主退職」問題

 
暴力に抵抗する大学人を支持する市民 一同
 
【緊急】 市民からすべての大学人へ: 帝塚山学院大において朝日OB教授を自主退職に 追い込んだ爆弾テロ予告の首謀者を断固として許さず、学問と言論の自由を脅かすあら ゆる暴力に抵抗し、立場を超えて互いを守りながら共闘してください。

9月13日、帝塚山学院大(大阪狭山市)に、いわゆる「吉田証言」に関する記事を執 筆した元朝日新聞記者の教授を辞めさせなければ大学を爆破するという内容の脅迫状が 複数届きました。 当該教授は同日に自ら申し出て退職しました。

帝塚山学院大: 大学爆破の脅迫文 朝日OB教授が辞職 - 毎日新聞2014年9月30日付 記事
http://mainichi.jp/select/news/20140930k0000m040144000c.html?inb=ra

 周知の通り、いわゆる「吉田証言」とは、故・吉田清治氏が戦時中に済州島などにお いて軍令にしたがって若い朝鮮人女性を拉致ないし強制連行して慰安婦としたと1977年 以降に証言したものです。これは、1990年代に、ジャーナリストや歴史家の調査によっ て、事実ではないかまたは少なくとも歴史証言として採用できないと判断されました。
 そして今年8月5日、朝日新聞は検証記事を掲載し、吉田証言を虚偽と判断して同証言に 関する報道記事を取り消しました。同紙はこれにより現在多くの批判を浴びており、あ ろうことか政府首脳による非難すら受けています。

 今回、爆弾テロの首謀者が脅迫した朝日記者OBは、この吉田証言に関する報道記事を 最初に執筆した記者と見なされていました(朝日新聞9月29日朝刊によれば、実際には初報は別の記者によるものでした)。

 しかし、たとえその言論がいくら過誤を含んでいようとも、言論に言論をもって対抗 するのではなく、死をちらつかせる脅迫的暴力によってその言論を抹殺しようとするこ とは、テロリズムに他ならないのであって、断じて正当化されはしません。 すべての大学人はこのような暴力に屈してはならず、また暴力に脅かされている人間 を見捨ててはなりません。
 なぜなら、このような暴力に一度屈してしまうということは、前例をつくることだか らです。味をしめたテロリストが今後嬉々としてさらなる攻撃を行うかもしれません。 現に、いま、北星学園大学が別の朝日OBの非常勤講師を解任するよう脅迫されています 。

 決して他人事だと思わないでください。安全圏はありません。これが見過ごされるな らば、慰安婦問題にとどまらずあらゆる論題に関する言論が同種の攻撃にさらされるお それがあります。そして実際にそうなってからではもはや遅いのです。
 学問と言論の自由を死なせてはなりません。それが息の根を止められてしまえば、た とえいま誰ひとり殺されなかったとしても、歴史が教えているようにいつかきっといっ そうひどい大量の死がやってくるからです。

 ですから私たち市民有志一同は、民主主義にとって必要不可欠である知の営みの尊い 価値を強く信じるがゆえに、いますべての大学人に呼びかけます。このように死をちらつかせて言論を服従させようとするファシズムの暴力に対して断固とした姿勢で臨み、いまもこれからも脅かされているひとびとを決して見 捨てることなく、政治的立場や 指針を超えて互いを支え合い、結束して行動してください。

 なお、この呼びかけは、市民に対してこの危機を広く知らせるとともに、すべての大 学人に対してその抵抗を支持するひとびとの数を示して勇気を与えるために、市民有志 によって開始されました。署名はいかなる機関にも提出される予定はありません。ただ 、抵抗する大学人を強く支持する市民が確かにいるの だということをこれによってぜ ひ知っていただき、また広く知らせていただきたいと思います。
(SNSでシェアしてくださる場合は、次の短縮URLをコピペしてください http://goo.gl/JKL9Ee

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進捗状況・お知らせ
1. 2,000人の賛同者が集まりました
2. 北星学園大学による適切な対応に関する報告、帝塚山学院大学への朝日OB教授退職届受理の撤回要請 

 キャンペーン開始から12時間が経ちました。このあいだに1227名の方からご賛同いた だきました。まことにありがとうございます。今後ともぜひ署名運動の拡大にご協力く ださい。

 2点ご報告いたします。  現在テロリストから脅迫されている北星学園大学が、今日10/1、同学学生および保護 者へ向けて、問題の経緯と大学の対応について報告する文書を公表しました。

 大学の対応として、学問の自由・思想信条の自由を守ること、同学は従軍慰安婦問題 と元朝日記者の記事について判断する立場にないためこの件に関して同学に対する批判 は著しく不合理であること、テロリズムに毅然として対処すること、学生をはじめとする同学関係者の安全に配慮して適切な対応をとるこ とを掲げています。その他、警察との連携、危機管理態勢の構築、植村氏の講義についても詳しく書かれています。
http://www.hokusei.ac.jp/images/pdf/20140930.pdf

 私たちは、このように適切な対応をとっている北星学園大学に、大きな賛辞を送りた いと思います。今後の事態の悪化を食い止めるため、私たちは北星学園大学を力強く応 援していきたいと考えます。ぜひ、この対応への称賛と応援の声を以下のメールフォー ムから届けてください。
https://www.hokusei.ac.jp/tagblocks_form/input.php?form_no=0000000003

また、先ほど帝塚山学院大学に宛てて、朝日OB教授の退職届の受理を撤回するように求める次のメールを送りました。
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帝塚山学院大学
津田謹輔 学長 
石川啓 法人理事長
以下すべての方々へ

清田治史氏の自主退職の受理を撤回し、知の営みを破壊するテロリストに対して大学 として断固抵抗する姿勢を示すことを求める要望書 

貴学は、毎日新聞9月30日付記事によれば、9月13日、元朝日新聞記者である清田治史氏を辞めさせなければ大学を爆破するという内容の脅迫状を郵送にて複数受け取り、大阪府警に被害届を提出した一方で、同日中に清田氏から自主退職の申し出を受けて受理したとのことです。

この事件はいま全国の大学人のみならず一般市民までをも震撼させています。いかに言論が過誤を含んでいようとも、言論には言論をもって対抗し、批判していくのが学問の営みであります。 死をちらつかせる脅迫によってその営みを滅ぼすことは、決して正当化されないテロリズムです。

大学人はこれに決して屈してはなりませんし、また脅かされている人物を見捨ててはなりません。 なぜならば、もし要求を受け入れてしまえば、現にいま北星学園大学が同様の脅迫を受けているようにテロリストが味をしめて次々と攻撃対照を拡大するからであり、この国における言論の自由と学問の営みが殺されたことを多くの市民に決定的に印象づけてしまうからです。そうなってしまえば、たとえいま 誰も殺されなかったとしても、歴史が教えているようにいつかきっともっとひどい大量の死がやってくるでしょう。

帝塚山学院大学におかれましては、今回の事件に際して、学生および教員の安全に加え、ステークスホルダーの反応についても、きっと相当に苦慮されたことと存じます。 しかし、いくら清田教授の自主退職であったといえども、それを慰留しなかった、またはできなかったということは、事実上帝塚山学院大学がテロリズムに屈して学問と言論の自由を破壊するのに手を貸してしまったと世間は受け取るでしょう。そのような声が、実際に twitter をはじめとして、大学人ばかりでなく一般市民からも多数上がってきております。

帝塚山学院大学は、今回の対応によって、自ら大学としての権威と社会的信頼を著しく損なってしまうことになるでしょう。そうなれば、学問の自由という理念的正義に照らし合わせても、社会的信頼の毀損による学生数の減少やステークスホルダーの離反を防ぐための大学運営上のリスク管理に照らし合わせ ても、長期的に見ていずれもよい結果には至らないでしょう。

私ども暴力に抵抗する大学人を支持する市民一同は、今回の事件を受けて、すべての大学人に対して、テロリズムに屈せず脅迫されている人物を保護しながら立場を超えて民主主義の根幹を支える学問と言論の自由のために共闘することを呼びかける緊急署名運動を、インターネット上に立ち上げました。  次のURLからご確認ください。http://goo.gl/JKL9Ee

開始からいまだ12時間しか経っていないにも拘わらず、署名者数はすでに1,175人にのぼっています。この数は、今後も刻一刻と増え続けていくことでしょう。 私どもは、自由な討論によって人類の発展と問題解決へ近づいていくための知の営みを守り抜くあらゆる大学人を擁護します。

帝塚山学院大学がその大学としての本分をもう一度取り戻し、清田氏の退職届の受理を撤回し、テロリストに屈しない毅然とした態度を示してくださることを、私たちは強く望みます。私たちはご対応を注意深く見守っております。

2014年10月1日

暴力に抵抗する大学人を支持する市民一同

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・早大総長の不起訴は「不当」  労基法違反容疑で検察審査会
 早稲田大の非常勤講師の就業規則を作成する手続きに不正があったとして、労働基準法違反容疑で刑事告発された鎌田薫総長と人事担当理事を不起訴(嫌疑なし)とした東京地検の処分について、東京第4検察審査会は2日までに「不起訴不当」と議決した。地検は再捜査する。
 議決書では、労基法が就業規則作成の際に従業員過半数の代表者から意見を聴くよう規定している点を挙げ、早大側が代表者の選出方法を非常勤講師に十分に周知しなかったのは「違法性の疑いがある」と指摘した。
 「首都圏大学非常勤講師組合」委員長らが総長、理事ら計18人を刑事告発し、地検は昨年、全員を不起訴にした。(福井新聞

6.27 シンポジウム:大学における貧困の拡大 表面裏面(地図) (2014.06.27)
早稲田大学非常勤講師5年雇い止め問題に係る不当労働行為救済申立書(2013年12 月26日提出) 前半後半部
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首都圏大学非常勤講師組合