過激主義との闘いにおいて、まず認めなければならないこと
ラミ・クーリ
Don’t fight extremism through denial
Rami G. Khouri
The Daily Star 2/21
ホワイトハウスと米国務省において三日間にわたり開催された、
主義に対する世界サミット（2/17-2/19）について、
か、それともこれまでと変わらぬ単なる時間の浪費、
視すべきか、判断に苦しむところだ。なぜならサミットでは、
する賢明で成熟した現実的な考えと、
もない、何とも子どもじみた分析や方法論とが、
議論されたからである。
サミットの焦点はもちろん、この間、
各地のムスリム青年の暴力的過激主義である。
人種主義者の米国人や残虐なロシア人、
スト教徒の殺人者、あるいは民兵、
の国家警察によって実行されている暴力的過激主義である。
うした暴力的過激主義がサミットの議場に座っている政治家たちの
によって黙認されているか、
り上げられなかった理由だ、と勘ぐる人もいよう。
これはサミットに対する投げやりな批判でも二義的な問題でもない
ある構造的な問題である。そしてこのことが政治的、
力が世界中に広がり、
どの場合失敗に終わる根拠になっている。だから、
の対処は、
では、今後もかならずや失敗するだろう。
堰を切ったように続発するイスラーム主義者による野蛮行為の契機
米英によるイラク侵略（2003年）、シオニストによる系統的・
チナの植民地化や入植者の暴力、
国の市民に対する政治的・
こうした問題から目をそむけることは、「暴力的過激主義」
の合法性、信用性、
れゆえ価値ある試みを前進させるにあたって深刻な構造的障碍にな
事態を非常に案じ、
うな外国の大国が直面するジレンマは三つある。
一つは、
して「
一つは、
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二つ目は、全世界における自国の軍事的冒険主義とその犯罪性が、
過激主義の主要かつ継続的な原因であり、それを可能にしている米国のよう
な国が、
最後に、外国の諸国は中東諸国が暴力を誘発する政治を行っていることへの
自覚と、
との間に、
過激主義の主要かつ継続的な原因であり、それを可能にしている米国のよう
な国が、
最後に、外国の諸国は中東諸国が暴力を誘発する政治を行っていることへの
自覚と、
との間に、
米国主導の、ISIS（「イスラーム国」）、アル＝カーイダ、
暴力的過激主義に対する暴力的な知的過激主義によっても、
とすべきではない事実がある。
の偽善と傲慢のさなかに、
つか述べたことである。それらは、
政治、社会・経済的な若者の疎外の原因に言及した部分である。
オバマは、的確にも次のように述べた。「人々、とりわけ若者が、秩序も
発展への道もなく、教育の機会も、家族を養う手段もなく、
辱からの出口もない、
と、それが不安定と無秩序を醸成し、
「われわれは、
ばならない。もう一度言うが、
しかし、関係があることは否定すべくもない。人々が（
的違いによって）抑圧され、人権が否定され、
とき、暴力的過激主義が助長される。
を作る。平和的で民主的な変革が不可能であるとき、
だとするテロリストのプロパガンダがはびこる。」
ハレルヤ、わが兄弟よ！ 米国の政府高官が中東やアラブ－イスラーム情勢
を語る内容としては異例であるが、
的確かつ誠実で、適切な演説である。このことを認めること、
ならず、ある面では北の大国の覇権政治が、
す南の世界の統治問題を引き起こしているかを問うことが重要であ
南の世界の、
今日主に中東を源とし拡大する過激な運動の危険を感じている大国
長い間この状況を変えることを回避してきた。答えは、
る政策の変革に通じるような、
ろう。
オバマの先週のコメントは、
しかしそれはいまだ、はるかに強力な典型的な帝国の不実と、
てを脅かす暴力に対する集団的役割と責任を理解しようとしない勢
の下で封じ込められたままである。
Twitter @RamiKhouri
【仮訳＝中野憲志】
◎「積極的平和主義」を語る安倍政権が、
→『終わりなき戦争に抗う －－中東・イスラーム世界の平和を考える１０章』（新評論）
【関連サイト】
・パレスチナの平和を考える会 http://palestine-forum.org/
・カレーズの会 http://www.karez.org/
・日本国際ボランティアセンター（JVC) http://www.ngo-jvc.net/
・ヒューマンライツ・ナウ http://www.hrn.or.jp
