2009年2月20日金曜日

〈NGOと社会〉第4回公開シンポジウム

NGOと社会運動はどこへ向かうか―グローバル・ジャスティス運動の可能性
このたび神奈川大学国際人権センターの主催で〈NGOと社会〉の会の第4回公開シンポジウムを行うことになりました。

2008年7月の洞爺湖G8サミットの際、日本のNGOや社会運動はある部分では協力しながら、それぞれ独自にG8対抗運動を行ないました。この対抗運動には、アジアを中心に世界各地から多くのNGOや運動体も参加しました。その意味では、NGOと社会運動の垣根を越えて緩やかに広がる、経済・軍事のグローバル化に対抗するグローバル・ジャスティス運動が、日本の中でも広がるきっかけとなったのかもしれません。

この経験をふまえ、日本でもいまグローバルなレベルで起きているNGOのネットワーク化や社会運動の新しい展開について情報を共有し、それが日本各地のNGOや運動とどうつながって行くのかについて議論します。

⇒広報チラシはこちらでご覧ください。

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日時 2009年3月7日(土) 午後2時~5時
場所 神奈川大学・横浜キャンパス 24号館(法学科研究棟)105教室
地図 http://www.kanagawa-u.ac.jp/02/accessmap/index.html

主催 神奈川大学国際人権センター
企画 〈NGOと社会〉の会
発題  下澤嶽(JANIC事務局長)―国際NGOネットワークの動き
    越田清和(さっぽろ自由学校「遊」)―ローカルとグローバルをつなぐ
司会  藤岡美恵子(NGOと社会の会)
資料代 500円

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【下澤嶽・発言要旨】
昨年10月、パリで「International Conference of National NGO Platform」が開催され、参加してきた。既存のネットワークNGOのさらなるグローバルなネットワークを形成するために開催されたもので、世界中から80団体近くのネットワークNGOが集まった。また多くの国連機関のNGO担当者もこれを歓迎した。これらのネットワークNGOは、自国の課題にとりくむNGOを組織したもので、戦後増え続けた現場のNGOの連合体である。2000年以後、こうしたNGOのグローバルネットワーク化が加速度的に進んでおり、この会議はそれを象徴的にあらわすものであった。

こうしたネットワーク化により、NGOの言説が要約され、代表協議者が明確になることで、各国政府、国連機関、世界銀行、といった関連機関との交渉や対話が進む反面、「組織をつなげるソリッドな(固定化した)ネットワーク」には、NGO内部の政治や駆け引き、組織の形骸化、政府機関との馴れ合いを生み出す懸念がある。 片方で、世界社会フォーラムのように、「組織性」をあまり強調せず、小さなグループと個人が自由に集まり、緩やかに対話と意見形成とネットワークを形成する場も新たに生まれてきている。「個人やグループをつなげるリクイッド(液状化した)ネットワーク」と言える。 今後、市民社会のグローバルなネットワークは、どのように働くべきか、何を中心課題とすべきかが問われる時代に入っている。

【越田清和・発言要旨】
2008年7月に、札幌などで行われたG8サミット対抗運動は、北海道のさまざまな市民団体やNGO・NPO、労働組合や農民組合、アイヌ民族のグループなどの運動に、東京を中心としたNGOグループ、さまざまな社会運動グループが加わって展開した。 この運動の特徴は、海外のNGOや社会運動が日本国内のプロセスにも関わりを持ち、行動に直接参加したことにある。そのことが生んだ積極面と混乱・戸惑いをふりかえることで、グローバル・ジャスティス運動が、日本社会に広がっていく可能性について考えたい。

その時に重視したいのは、「ローカルとグローバルをつなぐ」という視点、北海道(アイヌモシリ)の問題をグローバルな視点で討議するという点だ。とくに、アイヌ民族の先住権と植民地支配のことを軸に考えることから、グローバル・ジャスティス運動を地域で根付かせていくために何が必要かを考えたい。

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問い合わせ 神奈川大学法学研究所(TEL:045-481-5661(代表))
〈NGOと社会〉の会(TEL:03-3202-7391/FAX:03-3202-5832)

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〈NGOと社会〉の会とは
2007年2月、『国家・社会変革・NGO』の出版を機に、その書き手たちによる有志グループ〈NGOと社会〉の会が発足しました。

当会は、NGOの問題を社会の問題として、また社会の問題をNGOの問題として相互に捉え合うことで、これまで別個のものとして語られがちだった両者の関係や、両者を横断する危機の現実に改めて目を向け、両者に立ちはだかる共通課題を正面から見据えてゆこうと結成されたものです。私たちは、NGOの自己変革の可能性を信じます。

●代表:藤岡美恵子
●事務局連絡先:新宿区西早稲田3-16-28(株)新評論編集部内
〈NGOと社会〉の会(TEL:03-3202-7391/FAX:03-3202-5832)

2009年2月1日日曜日

アフガニスタンの和平、あるいは「平和構築」?をめぐる断章 No.2

アフガニスタンの和平、あるいは「平和構築」?をめぐる断章 No.2

 昨日、民主党の「アフガニスタン安定化策」の素案が明らかにされた。以下の報道にあるように、「国連決議に基づき活動している国際治安支援部隊(ISAF)への自衛官派遣を実現させる方針を表明していたが、戦闘が泥沼化する中、対話を基調とした包括的な平和構築を目指す路線」への転換を打ち出したものである。

 ポイントは、現在アフガニスタンで展開するすべての外国軍を撤退させ、タリバーンとの和平交渉を本格化し、停戦協定を締結し、その後に国際停戦監視団を組織するというものである。この案は、⇒一昨年12月のNGOシンポにおいて、アフガン和平の実現に向けてぼく自身が提案した内容に沿うものである。だから、ぼくは民主党のこの大転換を、とりあえずは歓迎したいと思っている。

 で、民主党は安保をどうするのか? 
 議論はそこまで深められるべきである。

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民主、日本主導でアフガン和平 政権交代にらみ素案
2009年2月1日(共同)

 民主党が政権交代後に実現を目指すアフガニスタン安定化策の素案が31日、判明した。国連にも働き掛け、アフガンに軍隊を駐留させる米国など関係国と、反政府武装勢力タリバンの双方に戦闘停止を要請。アフガンとパキスタン国境地帯から米軍、北大西洋条約機構(NATO)軍、パキスタン軍が撤退、代わりに日本を含む複数国でつくる国際停戦監視団が現地に展開する構想だ。日本政府がホスト役となり、和平実現に向けた国際会議を東京で開催することも想定している。

 現状では停戦合意の形成は極めて困難とみられ、党内で異論が出ることも予想されるが、小沢一郎代表は基本的に了承しており、鉢呂吉雄「次の内閣」外相を中心に近く成案をとりまとめる考えだ。
 アフガン支援に関し小沢氏は従来、国連決議に基づき活動している国際治安支援部隊(ISAF)への自衛官派遣を実現させる方針を表明していたが、戦闘が泥沼化する中、対話を基調とした包括的な平和構築を目指す路線に転換した。素案によると、国際停戦監視団は、これまで戦闘に関与していないサウジアラビア、ヨルダンなどのアラブ諸国と日本で構成。武器は携帯せず、アフガン警察やパキスタン側の自警組織の治安維持を支援する。日本からは自衛官の派遣を想定している。